JP3940855B2 - サックバックバルブ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイヤフラムの変位作用下に流体通路を流通する所定量の流体を吸引することにより、例えば、前記流体の供給口の液だれを防止することが可能なサックバックバルブに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば、半導体ウェハ等の製造工程においてサックバックバルブ(suck back valve )が使用されている。このサックバックバルブは、半導体ウェハに対するコーティング液の供給を停止した際、供給口から微量のコーティング液が半導体ウェハに向かって滴下する、いわゆる液だれを防止する機能を有する。
【0003】
ここで、従来技術に係るサックバックバルブ(例えば、実公平8−10399号公報参照)を図5に示す。
【0004】
このサックバックバルブ1は、流体導入ポート2と流体導出ポート3とを連通させる流体通路4が形成された弁本体5と、前記弁本体5の上部に連結されるボンネット6とを有する。前記流体通路4の中央部には、厚肉部および薄肉部から構成されたダイヤフラム7が設けられている。前記ボンネット6には、図示しない圧力流体供給源に接続され、切換弁(図示せず)の切換作用下に前記ダイヤフラム作動用の圧縮空気を供給する圧力流体供給ポート8が形成される。
【0005】
前記ダイヤフラム7にはピストン9が嵌合され、前記ピストン9には、弁本体5の内壁面を摺動するとともにシール機能を営むvパッキン10が装着されている。また、弁本体5内には、ピストン9を上方に向かって常時押圧するスプリング11が設けられている。
【0006】
なお、参照数字12は、ねじ込み量の増減作用下にダイヤフラム7によって吸引されるコーティング液の流量を調整するとともに、ピストン9に当接して該ピストン9の変位量を規制するストッパを示す。
【0007】
前記流体導入ポート2には、コーティング液が貯留された図示しないコーティング液供給源がチューブ等の管路を介して接続され、さらに、前記コーティング液供給源と前記流体導入ポート2との間には、サックバックバルブ1と別体で構成されたオン/オフ弁(図示せず)が接続されている。このオン/オフ弁は、その付勢・滅勢作用下に該サックバックバルブ1に対するコーティング液の供給状態と供給停止状態とを切り換える機能を営む。
【0008】
このサックバックバルブ1の概略動作を説明すると、流体導入ポート2から流体導出ポート3に向かってコーティング液が供給されている通常の状態では、圧力流体供給ポート8から供給された圧縮空気の作用下にピストン9およびダイヤフラム7が下方向に向かって一体的に変位し、ピストン9に連結されたダイヤフラム7が、図6中の二点鎖線で示すように流体通路4内に突出している。
【0009】
そこで、図示しないオン/オフ弁の切換作用下に流体通路4内のコーティング液の流通を停止した場合、圧力流体供給ポート8からの圧縮空気の供給を停止させることにより、スプリング11の弾発力の作用下にピストン9およびダイヤフラム7が一体的に上昇し、前記ダイヤフラム7の負圧作用下に流体通路4内に残存する所定量のコーティング液が吸引され、図示しない供給口における液だれが防止される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記の従来技術に係るサックバックバルブでは、ばね部材の弾発力の作用下に上昇するピストンがストッパに当接することによりその上限位置が規制されるが、その際、前記ピストンの運動エネルギによって振動が発生する。前記振動は、流体通路を伝搬して図示しない供給口に残存するコーティング液に作用し、前記コーティング液が半導体ウェハに向かって滴下するという不都合がある。
【0011】
同様に、オン/オフ弁の弁体が変位して着座部に着座する際にも振動が発生し、前記振動が流体通路を伝搬して図示しない供給口に残存するコーティング液に作用し、前記コーティング液が半導体ウェハに向かって滴下するという不都合がある。
【0012】
また、従来技術に係るサックバックバルブでは、該サックバックバルブとオン/オフ弁との間の配管接続作業が必要となって煩雑であるとともに、サックバックバルブ以外にオン/オフ弁を付設するための占有スペースが必要となり、設置スペースが増大するという不都合がある。
【0013】
さらに、サックバックバルブとオン/オフ弁との間に接続される配管によって流路抵抗が増大し、ダイヤフラムの応答精度が劣化するという不都合がある。
【0014】
本発明は、前記の種々の不都合を悉く克服するためになされたものであり、配管接続作業を不要とするとともに設置スペースの省力化を図り、ダイヤフラムの応答精度を向上させ、しかも振動に起因する液だれを防止することが可能なサックバックバルブを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明は、流体通路を有し、一端部に第1ポートが形成され他端部に第2ポートが形成された継手部と、
パイロット圧によって変位する第1可撓性部材の負圧作用によって前記流体通路内の流体を吸引するサックバック機構と、
パイロット圧によって変位する第2可撓性部材を介して前記流体通路を開閉するオン/オフ弁と、
前記第1可撓性部材の変位量を規制するストッパと、
前記第1可撓性部材に連結されたステムに一端部がねじ締結され、該第1可撓性部材と一体的に変位する一方の変位部材と、
前記第2可撓性部材に連結されたピストンに一端部が当接し、前記ピストンと一体的に変位する他方の変位部材と、
前記一方の変位部材が前記ストッパに当接する際、前記一方の変位部材の運動エネルギを吸収する第1緩衝機構と、
前記第2可撓性部材が着座部に着座して前記流体通路を閉塞する際、該第2可撓性部材の運動エネルギを吸収する第2緩衝機構と、
前記オン/オフ弁に設けられ、前記第2可撓性部材が着座部に着座する方向に向かって前記他方の変位部材を押圧するばね部材と、
を備え、
前記継手部、サックバック機構およびオン/オフ弁は、それぞれ一体的に組み付けられて設けられ、
前記第1緩衝機構および前記第2緩衝機構は、それぞれ、室内に充填された非圧縮性流体を有し、前記一方又は他方の変位部材の変位作用下に通路を流通する非圧縮性流体の流量を制御する流量制御手段がそれぞれ設けられ、
前記流量制御手段は、弁本体部と、前記弁本体部の孔部に沿って螺入されるねじ部材と、前記弁本体部の外周面に装着されるチェック弁とを有し、
前記第1緩衝機構のチェック弁と前記第2緩衝機構のチェック弁とは、それぞれチェック方向が反対に設けられることを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、第1緩衝機構を設けることにより、第1可撓性部材に連結されたステムにねじ締結されて前記第1可撓性部材と一体的に変位する一方の変位部材がストッパに当接する際、前記一方の変位部材の運動エネルギが吸収される。この結果、前記一方の変位部材がストッパに当接する際に発生する振動が抑制される。
【0019】
また、本発明によれば、第2緩衝機構を設けることにより、第2可撓性部材が着座部に着座して前記流体通路を閉塞する際、該第2可撓性部材の運動エネルギが吸収される。この結果、第2可撓性部材が着座部に着座する際に発生する振動が抑制される。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明に係るサックバックバルブについて好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0021】
図1において参照数字20は、本発明の実施の形態に係るサックバックバルブを示す。このサックバックバルブ20は、一組のチューブ22a、22bがそれぞれ着脱自在に接続される継手部24と、前記継手部24の上部に並設されるオン/オフ弁26およびサックバック機構28と、前記オン/オフ弁26およびサックバック機構28にそれぞれ付設され、該オン/オフ弁26およびサックバック機構28の運動エネルギを吸収する第1緩衝機構30および第2緩衝機構32とを有する。
【0022】
なお、前記継手部24、オン/オフ弁26およびサックバック機構28は、それぞれ一体的に組み付けて構成される。
【0023】
継手部24には、一端部に第1ポート34、他端部に第2ポート36が形成されるとともに、前記第1ポート34と第2ポート36とを連通させる流体通路38が設けられた継手ボデイ40と、前記第1ポート34および第2ポート36にそれぞれ係合し、且つチューブ22a、22bの開口部に挿入されるインナ部材42と、前記継手ボデイ40の端部に刻設されたねじ溝に螺入することによりチューブ22a、22bの接続部位の液密性を保持するロックナット44とを有する。
【0024】
第1ポート34に近接する継手部24の上部にはオン/オフ弁26が配設され、前記オン/オフ弁26は、継手ボデイ40と一体的に連結された第1弁ボデイ46と、前記第1弁ボデイ46の内部に形成されたシリンダ室48に沿って矢印X1 またはX2 方向に変位するピストン50とを有する。
【0025】
この場合、前記ピストン50は、後述するばね部材54の弾発力によって、常時、下方側(矢印X2 方向)に向かって付勢された状態にある。
【0026】
前記ピストン50の下端部には、第1ダイヤフラム56(第2可撓性部材)によって閉塞された第1ダイヤフラム室58が形成され、前記第1ダイヤフラム56は、ピストン50の下端部に連結されて該ピストン50と一体的に変位するように設けられる。この場合、前記第1ダイヤフラム56は、継手ボデイ40に形成された着座部59から離間し、または前記着座部59に着座することにより流体通路38を開閉する機能を営む。従って、オン/オフ弁26の開閉作用下に、流体通路38を流通する流体(例えば、コーティング液)の供給状態またはその供給停止状態が切り換えられる。
【0027】
また、第1ダイヤフラム56の上面部には、例えば、ゴム材料等によって形成され、該第1ダイヤフラム56の薄肉部を保護するリング状の保護部材60が設けられ、前記保護部材60はピストン50の下端部に連結された断面L字状の保持部材62によって保持される。
【0028】
前記第1弁ボデイ46には、前記シリンダ室48に連通する第1パイロットポート64aが形成される。この場合、図示しない圧力流体供給源の駆動作用下に前記第1パイロットポート64aを介してシリンダ室48内に圧力流体(パイロット圧)を供給することにより、ばね部材54の弾発力に抗してピストン50が上昇する。従って、第1ダイヤフラム56が着座部59から所定間隔離間することにより流体通路38が開成し、第1ポート34から第2ポート36側に向かってコーティング液が流通する。
【0029】
また、第1弁ボデイ46には、第1ダイヤフラム室58を大気に連通させる通路66が形成され、前記通路66を介して第1ダイヤフラム室58内のエアーを給排気することにより第1ダイヤフラム56を円滑に作動させることができる。なお、参照数字68は、ピストン50の外周面に嵌着され、シリンダ室48の気密性を保持するためのシール部材を示す。
【0030】
オン/オフ弁26の上方には、第1緩衝機構30が設けられ、前記第1緩衝機構30は、前記第1弁ボデイ46と液密に連結された第1ボンネット69を含む。前記第1ボンネット69の内部には、例えば、シリコーン油等の非圧縮性流体71が充填された室73が形成され、前記室73内には、ピストン50を常時下方側(矢印X2 方向)に向かって押圧するばね部材54が配設される。
【0031】
第1緩衝機構30は、前記ばね部材54の弾発力の作用下に室73に沿って変位自在に設けられ、その一端部がピストン50に当接し且つ該ピストン50と一体的に変位する断面T字状の第1変位部材(他方の変位部材)75と、第1弁ボデイ46の内壁面に係止され、中央部に形成された孔部によって前記第1変位部材75を案内するリング状のガイド部材77とを有する。
【0032】
なお、第1ボンネット69の内部に形成された室73は、前記第1変位部材75によって上部側室73aおよび下部側室73bに分割され、また、前記ガイド部材77の外周面並びに内周面には、室73内の液密性を保持するシール部材79が嵌着されている。
【0033】
前記第1ボンネット69の上方の中央部には、前記第1変位部材75の変位量を規制するストッパ81と、前記ストッパ81を固定するロックナット83とが設けられ、前記ストッパ81の頭部には、軸線方向に沿って延在する貫通孔を閉塞するキャップ部材83aが設けられる。また、前記ストッパ81に近接する第1ボンネット69の上方には、下部側室73bから上部側室73aに向かって流通する非圧縮性流体71の流量を制御する流量制御手段85が付設されている。
【0034】
この流量制御手段85は、第1ボンネット69と一体的に形成され、該第1ボンネット69から突出して形成された円筒状のボデイ87と、前記ボデイ87の孔部内に装着された弁本体部89と、前記弁本体部89の軸線方向に沿って同軸状に形成された異径の第1孔部91および第2孔部93と、前記第1孔部91に螺入されその一端部が第2孔部93に臨むねじ部材95と、前記ねじ部材95を所定の位置で係止するナット部材97と、前記弁本体部89の外周面に装着されるチェック弁99とを有する。
【0035】
前記弁本体部89の第1孔部91と第2孔部93との境界部分には、軸線と直交する方向に延在し且つ第2孔部93に連通する第3孔部101が形成される。前記第3孔部101は、第1通路103を介して上部側室73aに連通するように形成され、また、第2孔部93は、第2通路105を介して下部側室73bに連通するように形成される。
【0036】
従って、第1ボンネット69の上部側室73aおよび下部側室73bにそれぞれ充填された非圧縮性流体71は、第1通路103、第2通路105、第2孔部93および第3孔部101を介して、前記上部側室73aと下部側室73bとの間で相互に流通するように設けられている。
【0037】
また、第1孔部91に螺入されたねじ部材95は、そのねじ込み量の増減作用下に弁本体部89の軸線方向に沿って進退自在に設けられ、前記ねじ部材95の先端部と第2孔部93との離間間隔を調整することにより、前記第2孔部93を流通する非圧縮性流体71の流量が絞られる。
【0038】
弁本体部89の外周部に装着されたチェック弁99には、図2に示されるように、可撓性を有する環状の舌片107が形成される。この場合、非圧縮性流体71の作用下に前記舌片107が外側に撓んで第1ボンネット69の内壁面に接触することにより、弁本体部89とボデイ87の内壁面との間に形成された通路109が閉塞され、一方、前記舌片107が内側に撓むことにより前記通路109を介して非圧縮性流体71を自在に流通させることができる。
【0039】
第2ポート36に近接する継手部24の上部にはサックバック機構28が設けられ、前記サックバック機構28は、継手ボデイ40と一体的に連結された第2弁ボデイ72と、前記第2弁ボデイ72の内部に形成された室74に沿って矢印X1 またはX2 方向に変位するステム76とを有する。前記室74内には、ステム76のフランジに係着されその弾発力によって該ステム76を、常時、上方側(矢印X1 方向)に向かって付勢するばね部材78が配設されている。
【0040】
前記ステム76の上部には該ステム76の上面部に係合する第2ダイヤフラム80が張設され、前記第2ダイヤフラム80の上方には第2パイロットポート64bに連通する第2ダイヤフラム室(パイロット室)82が形成される。この場合、第2ダイヤフラム80の薄肉部とステム76との間には、例えば、ゴム材料等によって形成されたリング状の保護部材84が介装される。
【0041】
一方、ステム76の下端部には第3ダイヤフラム86(第1可撓性部材)によって閉塞される第3ダイヤフラム室88が形成され、前記第3ダイヤフラム86は、ステム76に連結されて該ステム76と一体的に変位するように設けられる。
【0042】
前記第3ダイヤフラム86の上面部には、該第3ダイヤフラム86の薄肉部を保護するリング状の保護部材90が設けられ、前記保護部材90はステム76の下端部に連結された断面L字状の保持部材92によって保持される。
【0043】
また、継手ボデイ40には、第3ダイヤフラム86の底面の形状に対応する着座部94が流体通路38に臨むように形成される。なお、前記第2弁ボデイ72には、第3ダイヤフラム室88を大気に連通させる通路98が形成される。
【0044】
前記第2弁ボデイ72の上方には、第2緩衝機構32が設けられ、前記第2緩衝機構32は、前記第2弁ボデイ72と液密に連結された第2ボンネット100を含む。
【0045】
なお、第2緩衝機構32は、第2変位部材(一方の変位部材)102の一端部が第2ダイヤフラム80を貫通してステム76にねじ締結されている点、並びにチェック弁99の舌片107が逆向き(チェック方向が反対)に装着されている点で第1緩衝機構30と構成的に異なっているが、その他の構成は、第1緩衝機構30と同一である。
【0046】
本実施の形態に係るサックバックバルブ20は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。
【0047】
まず、サックバックバルブ20の第1ポート34に連通するチューブ22aにコーティング液が貯留されたコーティング液供給源(図示せず)を接続し、一方、第2ポート36に連通するチューブ22bに図示しない半導体ウェハに向かってコーティング液を滴下するノズル(図示せず)が設けられたコーティング液滴下装置(図示せず)を接続する。また、第1パイロットポート64a並びに第2パイロットポート64bに図示しない圧力流体供給源をそれぞれ接続しておく。さらに、流量制御手段85のねじ部材95のねじ込み量を増減させて所定の絞り量に調整しておく。
【0048】
このような準備作業を経た後、図示しない圧力流体供給源を付勢し、切換弁(図示せず)の切換作用下に第1パイロットポート64a並びに第2パイロットポート64bに対し圧力流体(圧縮空気)を供給する。
【0049】
第2パイロットポート64bから導入された圧力流体は、第2ダイヤフラム室82に供給され、前記第2ダイヤフラム室82に供給されたパイロット圧の作用下に第2ダイヤフラム80が撓曲してステム76を矢印X2 方向に押圧する。この結果、ステム76の下端部に連結された第3ダイヤフラム86がばね部材78の弾発力に抗して矢印X2 方向に変位し、前記第3ダイヤフラム86が着座部94に着座した状態となる(図1参照)。
【0050】
この場合、第2変位部材102が矢印X2 方向に向かってステム76と一体的に変位することにより、下部側室73bに充填された非圧縮性流体71が流量制御手段85を介して上部側室73aに向かって流通する。その際、非圧縮性流体71の作用下にチェック弁99の舌片107が内側に撓むことにより通路109が開成し、前記非圧縮性流体71は、前記通路109を流通して上部側室73aに至る。この結果、非圧縮性流体71は、ねじ部材95の先端部と第2孔部93との離間間隔によって、その流量が絞られることはない。
【0051】
一方、第1パイロットポート64aから導入された圧力流体(圧縮空気)は、オン/オフ弁26のシリンダ室48に供給され、前記シリンダ室48に供給されたパイロット圧は、ばね部材54の弾発力に抗してピストン50および第1変位部材75を矢印X1 方向に変位させる。
【0052】
従って、ピストン50に連結された第1ダイヤフラム56が着座部59から離間してオン/オフ弁26がオン状態となる。その際、コーティング液供給源から供給されたコーティング液は、流体通路38に沿って流通し、図示しないコーティング液滴下装置を介してコーティング液が半導体ウェハに滴下される。この結果、半導体ウェハには、所望の膜厚を有するコーティング被膜(図示せず)が形成される。
【0053】
この場合、第1変位部材75がばね部材54の弾発力に抗してピストン50と一体的に変位することにより、上部側室73aに充填された非圧縮性流体71が流量制御手段85を介して下部側室73bに向かって流通するが、その際、非圧縮性流体71の作用下にチェック弁99の舌片107が内側に撓むことにより通路109が開成する。従って、前記非圧縮性流体71は、前記通路109を流通して下部側室73bに至り、ねじ部材95の先端部と第2孔部93との離間間隔によって、その流量が絞られることはない。
【0054】
図示しないコーティング液滴下装置を介して所定量のコーティング液が図示しない半導体ウェハに塗布された後、オン/オフ弁26のシリンダ室48に供給されるパイロット圧を減少させ、オン/オフ弁26をオフ状態とする。
【0055】
すなわち、オン/オフ弁26のシリンダ室48に供給されるパイロット圧が減少することにより、ばね部材54の弾発力の作用下にピストン50が矢印X2 方向に変位し、第1ダイヤフラム56が着座部59に着座する(図2参照)。
【0056】
ばね部材54の弾発力の作用下に、第1変位部材75がピストン50と一体的に矢印X2 方向に向かって変位する際、第1ボンネット69の下部側室73bに充填された非圧縮性流体71は、流量制御手段85を通過するときに発揮されるチェック機能を介して所定の流量に絞られた後、上部側室73aに供給される。
【0057】
すなわち、下部側室73bに充填された非圧縮性流体71が流量制御手段85を通過する際、チェック弁99の舌片107が第1ボンネット69の内壁面に接触して通路109が閉塞されるため、非圧縮性流体71は第2孔部93に導入される。この結果、ねじ部材95の先端部と第2孔部93との離間間隔によって非圧縮性流体71が所定の流量に絞られた後、第3孔部101および第1通路103を経由して上部側室73aに供給される。
【0058】
このように、非圧縮性流体71の緩衝作用下に第1変位部材75およびピストン50が矢印X2 方向に向かって一体的に変位するため、前記ピストン50が着座部59に着座する際に発生する運動エネルギを前記非圧縮性流体71によって吸収することができる。従って、前記ピストン50が着座部59に着座する際に発生する振動を抑制することができる。
【0059】
オン/オフ弁26がオフ状態となって流体通路38が遮断されることにより半導体ウェハに対するコーティング液の供給が停止し、コーティング液滴下装置のノズル(図示せず)から半導体ウェハに対するコーティング液の滴下状態が停止される。この場合、コーティング液滴下装置のノズル内には、半導体ウェハに滴下される直前のコーティング液が残存しているため、液だれが生ずるおそれがある。
【0060】
そこで、第2パイロットポート64bから供給されるパイロット圧を減少させることにより、ばね部材78の弾発力の作用下に第2ダイヤフラム80が矢印X1 方向に向かって変位する。
【0061】
この場合、ステム76を介して第3ダイヤフラム86が矢印X1 方向に向かって一体的に変位し、前記第3ダイヤフラム86が着座部94から離間することにより負圧作用が発生し、流体通路38内の所定量のコーティング液が図3中の矢印方向に沿って間隙内に吸引される。この結果、コーティング液滴下装置のノズル内に残存する所定量のコーティング液がサックバックバルブ20側に向かって戻されることにより、半導体ウェハに対する液だれを防止することができる。
【0062】
ばね部材78の弾発力の作用下に、第2変位部材102がステム76と一体的に矢印X1 方向に向かって変位する際、第2ボンネット100の上部側室73aに充填された非圧縮性流体71が流量制御手段85を通過するときにチェック機能が発揮され、所定の流量に絞られて下部側室73bに供給される。
【0063】
すなわち、上部側室73aに充填された非圧縮性流体71が流量制御手段85を通過する際、チェック弁99の舌片107が第2ボンネット100の内壁面に接触してその流通が阻止されるため、非圧縮性流体71は、第2孔部93に導入される。この結果、ねじ部材95の先端部と第2孔部93との離間間隔によって非圧縮性流体71が所定の流量に絞られた後、第2通路105を経由して下部側室73bに供給される。
【0064】
このように、非圧縮性流体71の緩衝作用下に第2変位部材102およびステム76が矢印X1 方向に向かって一体的に変位するため、前記第2変位部材102がストッパ81に当接して変位終端位置に到達したときに発生する運動エネルギを前記非圧縮性流体71によって吸収することができる。従って、前記第2変位部材102がストッパ81に当接する際に発生する振動を抑制することができる。
【0065】
なお、図示しない切換弁の切換作用下に、再び、第1パイロットポート64aおよび第2パイロットポート64bから圧力流体を供給し、オン/オフ弁26がオン状態となり且つ第3ダイヤフラム86を着座部94に着座させることにより、半導体ウェハに対するコーティング液の滴下が開始される。
【0066】
本実施の形態では、第1緩衝機構30および第2緩衝機構32が有する非圧縮性流体71の流量制御機能によって、ピストン50が着座部59に着座する際に発生する振動、並びに第2変位部材102がストッパ81に当接する際に発生する振動をそれぞれ抑制することができる。この結果、前記振動に起因する液だれを阻止することができる。
【0067】
また、本実施の形態では、継手部24、オン/オフ弁26およびサックバック機構28をそれぞれ一体的に組み付けることにより、従来技術と異なりサックバックバルブ20とオン/オフ弁26との間の配管接続作業が不要となり、オン/オフ弁26を付設するための占有スペースも不要となるために、設置スペースの有効利用を図ることができる。
【0068】
さらに、本実施の形態では、オン/オフ弁26がサックバック機構28と一体的に形成されているため、従来技術においてそれぞれ別体で構成されたものを一体的に結合した場合と比較して、装置全体の小型化を達成することができる。
【0069】
さらにまた、パイロット圧によって作動する第2ダイヤフラム80の応答精度を高めることが可能となり、流体通路38内に残存するコーティング液を迅速に吸引することができる。
【0070】
次に、本発明の他の実施の形態に係るサックバックバルブ110を図4に示す。このサックバックバルブ110は、サックバック機構28側に第2緩衝機構32が設けられていない点で図1に示す実施の形態と異なるが、その他の構成、並びに作用効果は、それぞれ同一であるので詳細な説明を省略する。
【0071】
【発明の効果】
本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0072】
すなわち、一方の変位部材がストッパに当接する際、前記一方の変位部材の運動エネルギを吸収することにより、前記一方の変位部材がストッパに当接する際に発生する振動が抑制される。この結果、前記振動に起因する液だれを防止することができる。
【0073】
また、第2可撓性部材が着座部に着座して前記流体通路を閉塞する際、該第2可撓性部材の運動エネルギを吸収することにより、前記第2可撓性部材が着座部に着座する際に発生する振動が抑制される。この結果、前記振動に起因する液だれを防止することができる。
【0074】
さらに、サックバックバルブとオン/オフ弁との間に配管を設ける必要がないため、サックバックバルブとオン/オフ弁との間の配管接続作業が不要となり、しかも、流路抵抗が増大することを回避することができる。従って、パイロット圧によって作動する可撓性部材の応答精度を高めることが可能となり、流体通路内に残存する圧力流体を迅速に吸引することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るサックバックバルブの縦断面図である。
【図2】図1に示すサックバックバルブの部分拡大断面図である。
【図3】図1に示すサックバックバルブの部分拡大断面図である。
【図4】本発明の他の実施の形態に係るサックバックバルブの縦断面図である。
【図5】従来技術に係るサックバックバルブの縦断面図である。
【符号の説明】
20、110…サックバックバルブ 24…継手部
26…オン/オフ弁 28…サックバック機構
30、32…緩衝機構 34、36…ポート
38…流体通路 48…シリンダ室
50…ピストン 54、78…ばね部材
56、80、86…ダイヤフラム 58、82、88…ダイヤフラム室
59、94…着座部 64a、64b…パイロットポート
69、100…ボンネット 71…非圧縮性流体
73、73a、73b、74…室 75、102…変位部材
77…ガイド部材 81…ストッパ
85…流量制御手段 99…チェック弁
Claims (1)
- 流体通路を有し、一端部に第1ポートが形成され他端部に第2ポートが形成された継手部と、
パイロット圧によって変位する第1可撓性部材の負圧作用によって前記流体通路内の流体を吸引するサックバック機構と、
パイロット圧によって変位する第2可撓性部材を介して前記流体通路を開閉するオン/オフ弁と、
前記第1可撓性部材の変位量を規制するストッパと、
前記第1可撓性部材に連結されたステムに一端部がねじ締結され、該第1可撓性部材と一体的に変位する一方の変位部材と、
前記第2可撓性部材に連結されたピストンに一端部が当接し、前記ピストンと一体的に変位する他方の変位部材と、
前記一方の変位部材が前記ストッパに当接する際、前記一方の変位部材の運動エネルギを吸収する第1緩衝機構と、
前記第2可撓性部材が着座部に着座して前記流体通路を閉塞する際、該第2可撓性部材の運動エネルギを吸収する第2緩衝機構と、
前記オン/オフ弁に設けられ、前記第2可撓性部材が着座部に着座する方向に向かって前記他方の変位部材を押圧するばね部材と、
を備え、
前記継手部、サックバック機構およびオン/オフ弁は、それぞれ一体的に組み付けられて設けられ、
前記第1緩衝機構および前記第2緩衝機構は、それぞれ、室内に充填された非圧縮性流体を有し、前記一方又は他方の変位部材の変位作用下に通路を流通する非圧縮性流体の流量を制御する流量制御手段がそれぞれ設けられ、
前記流量制御手段は、弁本体部と、前記弁本体部の孔部に沿って螺入されるねじ部材と、前記弁本体部の外周面に装着されるチェック弁とを有し、
前記第1緩衝機構のチェック弁と前記第2緩衝機構のチェック弁とは、それぞれチェック方向が反対に設けられることを特徴とするサックバックバルブ。
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