JP3937700B2 - 導電性不純物をドープしたGaAs半導体単結晶製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は導電性不純物をドープしたGaAs半導体単結晶製造方法に関し、特にパイロテックボロンナイトライドをボートすなわち原料容器として用いる、導電性不純物をドープしたGaAs半導体単結晶製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ボートを原料容器として用いる、導電性不純物をドープしたGaAs半導体単結晶製造方法は、ボート法と呼ばれ、ボートとして石英が広く用いられたが、近年パイロテックボロンナイトライド(PBN)が一般的に用いられるようになっている。
【0003】
図2はボート法、特にGF法による導電性不純物をドープしたGaAs半導体単結晶製造に用いられる炉の説明図である。炉1は低温炉2と高温炉3から成り、高温炉3内には石英アンプル4が置かれ、石英アンプル4にはボート5と砒素6を収める。ボート5にはガリウム7、種結晶8、ドーパント9が収められる。高温炉3の上部には放熱孔10が設けられている。
【0004】
GF法により、導電性不純物をドープしたGaAs半導体単結晶を製造するには、石英アンプル4を真空封止して炉1に収め、炉1の温度を上昇させて、低温炉2の温度を約600℃に、高温炉3を1238℃まで上昇させる。ガリウム(Ga)7と気化した砒素(As)6とが石英アンプル4中で反応して、GaAsを生成する。GaAsの合成後、高温炉3の低温炉2に近い部分(図2でBとCの間)が図3に示す温度分布を保つように、高温炉3の温度を徐々に上昇させて、GaAsを熔融し、種結晶8による種付けを行なう。その後高温炉3の温度を徐々に下げ、GaAs単結晶を成長させる。単結晶は種結晶8の側から成長する。
【0005】
図3は、高温炉3の低温炉2に近い部分の温度分布を示すグラフである。横軸は図2の炉1内の位置(A,B,C,D)を、縦軸は温度(℃)を示す。
【0006】
しかし従来のGaAs半導体単結晶製造方法では、PBNを用いたボート5に生成したGaAsは、単結晶成長前の熔融状態のとき、表面に気泡ができ、温度を下げて固化しても、この気泡が残留し、ボート5内のGaAs結晶の上面に窪みができる。この窪みは石英を用いたボートでは見られなかったもので、PBNを用いた場合にのみ現れる。この気泡は、GaAs中の過剰Asがボート表面のPBNと反応して生じた窒素ガスか、あるいは過剰Asそのものと推定されるが、明らかでない。
【0007】
この気泡によってGaAs単結晶の成長が妨げられる。また単結晶が作れてもその上面に窪みがあるため、規定のサイズのウェハを得ることが困難となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、PBNボートを用いても、熔融状態のGaAs表面に生ずる気泡によってGaAs単結晶成長が阻害されることがなく、GaAs単結晶の上面の窪みが生じない、導電性不純物をドープしたGaAs半導体単結晶製造方法を提供することにある。
【0009】
また本発明の目的は、PBNボートを使用して規定サイズのGaAs単結晶を高い歩留まりで得ることができる、導電性不純物をドープしたGaAs半導体単結晶製造方法の提供にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明では、上記目的を達成するために、ガリウム、種結晶、導電性不純物、及び硼素がセットされたPBNボートと砒素とを収めた石英アンプルを用いてGaAs単結晶を真空中で成長させて導電性不純物をドープしたGaAs半導体単結晶を製造する方法において、GaAs単結晶に硼素をドープする。
【0011】
ドープする硼素は、結晶の重量に対する硼素の重量比(以下、ドープ量という)を7×10-5より大きく3×10-4より小さくすることが好ましい。ドープ量が7×10-5以下であると、熔融状態のGaAsからの気泡発生が十分防止できず、一方3×10-4以上であると、熔融状態のGaAsに浮遊物が生じ、結晶成長が阻害され、多結晶化して単結晶を得ることができない。この浮遊物は砒化硼素であると推定することができる。
【0012】
高抵抗性GaAs結晶を製造する際に硼素はドーパントとして用いられるが、この場合硼素には気泡発生防止の効果はない。それはおそらく、高抵抗性GaAs結晶の場合には硼素がガリウムサイトに取り込まれ、砒化硼素が形成され難いためと推定される。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明による導電性不純物をドープしたGaAs半導体単結晶の製造に用いる、GF法ボート結晶成長による単結晶成長装置を示す。単結晶成長のための炉1は低温炉2と高温炉3から成り、高温炉3内には石英アンプル4が置かれ、石英アンプル4にはボート5と砒素6を収める。ボート5にはガリウム7、種結晶8、ドーパント9およびドーパント9aが収められる。高温炉3の上部には放熱孔10が設けられている。図1の単結晶成長装置は、ボート5にドーパント9のほかにドーパント9aを設けたこと以外は、図2に示した従来の単結晶成長装置と同じ構造である。
【0014】
この装置でPBNボートを用いて、Siをドープしたn型導電性GaAs半導体の直径2インチの単結晶を製造する方法を、発明の実施の形態の一つとして以下に説明する。
【0015】
単結晶を製造するには、まずボート5にガリウム7、種結晶8、ドーパント9およびドーパント9aを収める。ボート5としてPBNボートを用い、ドーパント9は所定量のSi、ドーパント9aは所定量の硼素である。ボート5と砒素6とを収めた石英アンプル4を、真空封止し、炉1に収める。低温炉2および高温炉3の温度をそれぞれ指定の温度(約600℃および1238℃)まで上昇させる。反応によりGaAsが生成する。GaAsの合成後、高温炉3の低温炉2に近い部分(図1でBとCの間)が1cmあたり0.5℃の温度分布を保つように、高温炉3の温度を徐々に上昇させて、GaAsを熔融し、種結晶8による種付けを行なう。その後高温炉3の温度を1時間に0.1℃の割合で下げ、GaAs単結晶を成長させる。
【0016】
ドーパント9aとして用いる硼素の量は、ドープ量(結晶の重量に対する硼素の重量比)を7×10-5より大きく、3×10-4より小さくする(例えば、1×10-4)。
【0017】
本発明の導電性不純物をドープしたGaAs半導体単結晶製造方法は、GF法においてPBNボートを用いる場合に限らず、HBにおいてPBNボートを用いる場合、さらに原料容器にPBNを用いるVB法あるいはVGF法による、単結晶製造にも応用することができる。
【0018】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示し、効果の証明とする。
[実施例1]
図1の装置を用い、上記実施態様に従って導電性GaAs半導体単結晶を製造した。ドーパント9aとして用いる硼素のドープ量は1×10-4とし、単結晶化の歩留まり、気泡発生率、浮遊物発生率を評価した。比較のため、硼素のドープ量を7×10-5、3×10-4とした場合及びドーパント9aを省いた場合(ドープ量0)について、これらの特性を評価した。
【0019】
上記のように硼素のドープ量を変化させたとき、単結晶化の歩留まり、気泡発生率、浮遊物発生率は表1に示す通りであった。気泡発生率は硼素ドープ量0の場合の気泡数を100とした相対値である。
【0020】
【表1】
【0021】
表1に示すように、本発明に従い硼素のドープ量を1×10-4としたときは、気泡、浮遊物とも発生せず、単結晶化の歩留まりが高い。ドープ量が7×10-5のときは、気泡が若干発生し、そのために単結晶化の歩留まりが低い。ドープ量を3×10-4としたときは、気泡の発生はないが、浮遊物が発生し、そのために単結晶化の歩留まりが低下する。硼素のドープ量が0のとき(従来技術)は、気泡の発生が多く、単結晶化の歩留まりは著しく低い。
【0022】
実施例の結果から明らかなように、本発明に従い、ドープ量(結晶の重量に対する硼素の重量比)が7×10-5より大きく3×10-4より小さくなるように硼素をドープすると、ボート内の熔融GaAs中に気泡が発生せず、浮遊物も生じない。それに対応して、単結晶成長の高い歩留まりが得られる。
【0023】
【発明の効果】
本発明によると、PBNボートを用いて導電性不純物をドープしたGaAs半導体単結晶を製造する方法において、熔融状態のGaAs表面での気泡の発生が防止され、気泡によりGaAs単結晶成長が阻害されることがなく、従ってGaAs単結晶の上面の窪みが生じない。結果として、規定サイズのGaAs単結晶を高い歩留まりで得ることができる。
【0024】
PBNボートを用いて導電性不純物をドープしたGaAs半導体単結晶を製造する際に生じる気泡は、GaAs中の過剰Asがボート表面のPBNと反応して生じた窒素ガスか、あるいは過剰Asそのものと推定される。本発明に従い硼素をドープすると、熔融GaAs中に最初から硼素が存在するようになるため、過剰Asとボート表面のPBNとの反応が抑制されるか、過剰Asの少なくとも一部が硼素との反応で砒化硼素を形成して除去されるためと、推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による導電性不純物をドープしたGaAs半導体単結晶製造装置の説明図。
【図2】従来の導電性不純物をドープしたGaAs半導体単結晶製造装置の説明図。
【図3】炉内の温度分布を示すグラフ。
【符号の説明】
1 炉
2 低温炉
3 高温炉
4 石英アンプル
5 ボート
6 砒素
7 ガリウム
8 種結晶
9 ドーパント
9a ドーパント
10 放熱孔
Claims (1)
- ガリウム、種結晶、導電性不純物、及び硼素がセットされたPBNボートと砒素とを収めた石英アンプルを用いてGaAs単結晶を真空中で成長させて、導電性不純物をドープしたGaAs半導体単結晶を製造する方法において、
前記GaAs単結晶に対する前記硼素の重量比が7×10-5より大きく3×10-4より小さくなる範囲で、GaAs単結晶に硼素をドープすることを特徴とする、導電性不純物をドープしたGaAs半導体単結晶の製造方法。
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