JP3937235B2 - ポリイミドベンゾオキサゾールフィルム - Google Patents

ポリイミドベンゾオキサゾールフィルム Download PDF

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Description

本発明は、ポリイミドベンゾオキサゾールフィルム、特に高周波対応の電子部品の基材として好適であり、かつ耐熱性に優れたポリイミドベンゾオキサゾールフィルムに関する。
情報通信機器(放送機器、移動体無線、携帯通信機器等)、レーダーや高速情報処理装置などといった電子部品の基材の材料として、従来、セラミックが用いられていた。セラミックからなる基材は耐熱性を有し、近年における情報通信機器の信号帯域の高周波数化(GHz帯に達する)にも対応し得る。しかし、セラミックはフレキシブルでなく、薄くできないので使用できる分野が限定される。
そのため、有機材料からなるフィルムを電子部品の基材として用いる検討がなされ、ポリイミドからなるフィルム、ポリテトラフルオロエチレンからなるフィルムが提案されている。ポリイミドからなるフィルムは耐熱性に優れ、また、強靭であるのでフィルムを薄くできるという長所を備える一方、高周波の信号への適用において、信号強度の低下や信号伝達の遅れなどといった問題が懸念される。ポリテトラフルオロエチレンからなるフィルムは、高周波にも対応し得るが、弾性率が低いのでフィルムを薄くできない点、表面への金属導体や抵抗体などとの接着性が悪いという点、線膨張係数が大きく温度変化による寸法変化が著しくて微細な配線をもつ回路の製造に適さない点等が問題となり、使用できる分野が限定される。このように、耐熱性、高周波対応、フレキシブル性を両立した基材用のフィルムは未だ得られていない。
また、弾性率を高くしたポリイミドフィルムとして、ベンゾオキサゾール環を主鎖に有するポリイミドからなるポリイミドベンゾオキサゾールフィルムが提案されている(特許文献1参照)。このポリイミドベンゾオキサゾールフィルムを誘電層とするプリント配線板も提案されている(特許文献2、特許文献3参照)。
特開平6−56992号公報 特表平11−504369号公報 特表平11−505184号公報
しかしながら、ミリ波領域に達する超高周波への対応においては、従来報告されているポリイミドベンゾオキサゾールフィルムからなる基材の使用は、セラミックからなる基材の使用に比べて劣る。具体的には、高周波信号の伝送効率が低く、応答速度が遅い(パルス信号の立ち上がりが悪い)ため、ポリイミドベンゾオキサゾールフィルムを用いた回路の動作が高速化し難い。本発明は、耐熱性、高周波対応、フレキシブル性をより高いレベルで両立した有機材料からなるフィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、特定の密度が発現する様にポリイミドベンゾオキサゾールフィルムを製膜することによって、ポリイミドベンゾオキサゾールフィルムの誘電正接を従来になく低くすることができ、そのようなポリイミドベンゾオキサゾールフィルムが耐熱性、高周波対応、フレキシブル性を併せ持つことを見出して、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
1.アミノ(アミノフェニル)ベンズオキサゾールとピロメリット酸二無水物とを反応させて得られるポリイミドベンゾオキサゾールを主成分とするフィルムであって、アミノ(アミノフェニル)ベンズオキサゾールとピロメリット酸二無水物とを反応させて得られるポリアミド酸溶液を得て、次いで該ポリアミド酸溶液を支持体上に塗布して乾燥することによりグリーンフィルムを得て、次いで該グリーンフィルムを0.5〜3℃/秒で昇温して120〜150℃で1〜10分間アニール処理を施し、次いで熱処理に供することにより得られる、フィルムの密度が1.47〜1.55g/cmであるポリイミドベンゾオキサゾールフィルム。
2.X線回折法で測定されるフィルムの面配向係数が0.79〜0.89である前記1記載のポリイミドベンゾオキサゾールフィルム。
3.空洞共振摂動法によって測定されるフィルムの、1GHzの比誘電率が2.7〜3.1であり、100GHzの比誘電率が2.6〜3.0である前記1、2いずれかに記載のポリイミドベンゾオキサゾールフィルムフィルム。
4.空洞共振摂動法によって1〜100GHzの周波数範囲において測定されるフィルムの、1GHzの比誘電率が2.7〜3.1であり、100GHzの比誘電率が2.6〜3.0、かつ1〜100GHzの周波数範囲内の比誘電率が上記2つの周波数における比誘電率の小さい方の値以上で、かつ大きい方の値以下である前記1、2いずれかに記載のポリイミドベンゾオキサゾールフィルムフィルム。
本発明のフィルムは、従来公知のポリイミドフィルムに比べて、高周波に対してより低損失であり、より応答速度が速いため(パルス信号の立ち上がりが良好)、本発明のポリイミドベンゾオキサゾールフィルムを用いてなる回路はより高速での動作が期待できる。同時に、従来のポリイミドフィルムより高い剛性、強度、耐熱性も有するので、高周波数化された電子機器への使用やその他の電子機器への使用に好適である。特にフレキシブルな電子回路基板の基材として有用である。
本発明のポリイミドベンゾオキサゾールフィルムは、ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類と、芳香族テトラカルボン酸無水物類とを反応させて得られるポリイミドベンゾオキサゾールからなり、かつ、特定の高次構造(後述)をもつフィルムである。上述の「反応」は、まず、溶媒中でジアミン類とテトラカルボン酸無水物類とを開環重付加反応に供してポリアミド酸溶液を得て、次いで、このポリアミド酸溶液から必要に応じてグリーンフィルムなどを成形した後に脱水縮合(イミド化)することによりなされる。
<芳香族ジアミン類>
本発明で用いるベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類としては、具体的には以下のものが挙げられ、全ジアミン中70モル%以上該ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類を用いることが好ましい。
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これらの中でも、合成のし易さの観点から、アミノ(アミノフェニル)ベンゾオキサゾールの各異性体が好ましい。ここで、「各異性体」とは、アミノ(アミノフェニル)ベンゾオキサゾールが有する2つアミノ基が配位位置に応じて定められる各異性体である(例;上記「化1」〜「化4」に記載の各化合物)。これらのジアミンは、単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
本発明においては、全ジアミンの30モル%未満であれば下記に例示されるベンゾオキサゾール構造を有しないジアミン類を一種または二種以上、併用しても構わない。そのようなジアミン類としては、例えば、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノシ)フェニル]ブタン、2,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、4,4’−ビス[(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、4,4’−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、ビス[4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル]スルホン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−トリフルオロメチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−フルオロフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−メチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−シアノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−5’−フェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジビフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4,5’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−5’−ビフェノキシベンゾフェノン、1,3−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、2,6−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾニトリルおよび上記芳香族ジアミンの芳香環上の水素原子の一部もしくは全てがハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基またはアルコキシル基、シアノ基、またはアルキル基またはアルコキシル基の水素原子の一部もしくは全部がハロゲン原子で置換された炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基またはアルコキシル基で置換された芳香族ジアミン等が挙げられる。
<芳香族テトラカルボン酸無水物類>
本発明で用いられるテトラカルボン酸無水物は芳香族テトラカルボン酸無水物類である。芳香族テトラカルボン酸無水物類としては、具体的には以下のものが挙げられ、全テトラカルボン酸二無水物中の70モル%以上該芳香族テトラカルボン酸無水物類を用いることが好ましい。
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これらのテトラカルボン酸二無水物は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
本発明においては、全テトラカルボン酸二無水物の30モル%未満であれば下記に例示される非芳香族のテトラカルボン酸二無水物類を一種または二種以上、併用しても構わない。そのようなテトラカルボン酸無水物としては、例えば、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ペンタン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサ−1−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−エチルシクロヘキサン−1−(1,2),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1−プロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−プロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらのテトラカルボン酸二無水物は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
ジアミン類と、テトラカルボン酸無水物類とを重合してポリアミド酸を得るときに用いる溶媒は、原料となるモノマーおよび生成するポリアミド酸のいずれをも溶解するものであれば特に限定されないが、極性有機溶媒が好ましく、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−アセチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックアミド、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、スルホラン、ハロゲン化フェノール類等があげられる。これらの溶媒は、単独あるいは混合して使用することができる。溶媒の使用量は、原料となるモノマーを溶解するのに十分な量であればよく、具体的な使用量としては、モノマーを溶解した溶液に占めるモノマーの質量が、通常5〜40質量%、好ましくは10〜30質量%となるような量が挙げられる。
ポリアミド酸を得るための重合反応(以下、単に「重合反応」ともいう)の条件は従来公知の条件を適用すればよく、具体例として、有機溶媒中、0〜80℃の温度範囲で、10分〜30時間連続して撹拌および/または混合することが挙げられる。必要により重合反応を分割したり、温度を上下させてもかまわない。この場合に、両モノマーの添加順序には特に制限はないが、芳香族ジアミン類の溶液中に芳香族テトラカルボン酸無水物類を添加するのが好ましい。重合反応によって得られるポリアミド酸溶液に占めるポリアミド酸の質量は、好ましくは5〜40質量%、より好ましくは10〜30質量%であり、前記溶液の粘度はブルックフィールド粘度計による測定(25℃)で、送液の安定性の点から、好ましくは10〜2000Pa・sであり、より好ましくは100〜1000Pa・sである。
重合反応中に真空脱泡することは、良質なポリアミド酸の有機溶媒溶液を製造するのに有効である。また、重合反応の前に芳香族ジアミン類に少量の末端封止剤を添加して重合を制御することを行ってもよい。末端封止剤としては、無水マレイン酸等といった炭素−炭素二重結合を有する化合物が挙げられる。無水マレイン酸を使用する場合の使用量は、芳香族ジアミン類1モル当たり好ましくは0.001〜1.0モルである。
重合反応により得られるポリアミド酸溶液から、ポリイミドフィルムを形成するためには、ポリアミド酸溶液を支持体上に塗布して乾燥することによりグリーンフィルムを得て、次いで、グリーンフィルムを熱処理に供することでイミド化反応させる方法が挙げられる。
ポリアミド酸溶液を塗布する支持体は、ポリアミド酸溶液をフィルム状に成形するに足る程度の平滑性、剛性を有していればよく、表面が金属、プラスチック、ガラス、磁器などであるドラムまたはベルト状回転体などが挙げられる。中でも、支持体の表面は好ましくは金属であり、より好ましくは錆びなくて耐腐食に優れるステンレスである。支持体の表面にはCr、Ni、Snなどの金属メッキを施してもよい。支持体表面は必要に応じて鏡面にしたり、あるいは梨地状に加工することができる。支持体へのポリアミド酸溶液の塗布は、スリット付き口金からの流延、押出機による押出し、スキージコーティング、リバースコーティング、ダイコーティング、アプリケータコーティング、ワイヤーバーコーティング等を含むが、これらに限られず、従来公知の溶液の塗布手段を適宜用いることができる。
支持体上に塗布したポリアミド酸を乾燥してグリーンフィルムを得る条件は特に限定はなく、温度としては70〜150℃が例示され、好ましくは80〜120℃であり、乾燥時間としては、5〜180分間が例示され、好ましくは10〜120分間、より好ましくは30〜90分間である。そのような条件を達する乾燥装置も従来公知のものを適用でき、熱風、熱窒素、遠赤外線、高周波誘導加熱などを挙げることができる。次いで、得られたグリーンフィルムから目的のポリイミドベンゾオキサゾールフィルムを得るために、イミド化反応を行わせる。一般には上記乾燥よりも高温での処理によりイミド化反応が進行して、ポリイミドベンゾオキサゾールフィルムを得ることができる。なお、本発明者らは、イミド化反応条件により得られるフィルムの面配向係数を左右し得ることに加えて、支持体から剥がしたグリーンフィルムをイミド化処理前にアニールを施すことで密度をコントロール可能であるという新知見を得た(後述)。
<面配向係数>
本発明のフィルムは、X線回折法で測定される面配向係数が0.79〜0.89である。フィルムの面配向係数が0.79未満であると、フィルムの誘電正接が大きくなって高周波での使用に適さない。
面配向係数とはフィルムを構成する分子の高次構造を表現するパラメーターであって、フィルムを構成する分子のうち、高い秩序性を有する結晶部分において、その構成単位である結晶格子のある特定格子面が、フィルム面に対して配向している程度を数値化したものである。この数値が高いほど、前記特定格子面の向きとフィルム面の向きとの差が小さいことを意味する。本発明のポリイミドベンゾオキサゾールフィルムにおける「ある特定格子面」とは、2θ=21.8°付近の回折ピークを与える格子面である。フィルムの面配向係数の具体的な測定の操作は実施例の項に記載する。
一般に、フィルムの面配向係数を制御する手段としては、グリーンフィルム成膜時の昇温プロファイルを調整したり、イミド化時に延伸を施したりする手段などが挙げられ、本発明のフィルムにも上記手段を適用し得る。たとえば、ポリイミドベンゾオキサゾールフィルムの面配向係数を高くするためには、グリーンフィルムに加える熱量を小さくしたり、イミド化反応中にフィルムを縦方向、横方向、あるいは縦横両方向に延伸したりする手段が挙げられる。逆に、ポリイミドベンゾオキサゾールフィルムの面配向係数を低くするためには、グリーンフィルムに加える熱量を高くしたりする手段が挙げられる。また、本発明者らは、ポリイミド前駆体(ポリアミド酸)をイミド化する際の加熱条件により、得られるフィルムの面配向係数を制御し得る。フィルムの面配向係数を制御するための好ましい手段としては、イミド化時の加熱条件が挙げられる。
<密度>
本発明のフィルムは、密度勾配管法で測定される密度が1.47〜1.55g/cm3である。フィルムの密度が1.47未満であると、フィルムの誘電率が大きくなって高周波での使用に適さない。フィルムの密度の具体的な測定の操作は実施例の項に記載する。
フィルムの密度を制御する手段としては、グリーンフィルムの残溶媒量を高くしたり、イミド化時に延伸を施したりする手段などが挙げられ、本発明のフィルムにも上記手段を適用し得る。たとえば、ポリイミドベンゾオキサゾールフィルムの密度を高くするためには、グリーンフィルムに加える熱量を小さくしたり、イミド化反応中にフィルムを縦方向、横方向、あるいは縦横両方向に延伸したりする手段が挙げられる。逆に、ポリイミドベンゾオキサゾールフィルムの密度を低くするためには、グリーンフィルムに加える熱量を高くしたりする手段が挙げられる。また、本発明者らは、ポリイミド前駆体(ポリアミド酸)をイミド化処理前にアニールを施すことにより、得られるフィルムの密度を制御し得るという新たな知見を見出した。フィルムの面配向係数を制御するための好ましい手段としては、イミド化処理前のアニールが挙げられる。
<イミド化反応の加熱条件>
上述したように、一般にポリイミドフィルムは、ポリアミド酸溶液を乾燥して得られるグリーンフィルムを加熱してイミド化反応を行わせることによって得られる。得られるフィルムが上述の面配向係数を呈しやすくなるという点からは以下のイミド化が挙げられる。
イミド化の方法:熱閉環法による2段階の熱処理、
1段目の熱処理:150〜250℃で1〜10分間の処理、
2段目の熱処理:400〜600℃で0.1〜15分間の処理、
1段目の熱処理終了後から2段目の熱処理開始までの昇温条件:2〜7℃/秒。
熱閉環法とは、ポリアミド酸を加熱することでイミド化する方法である。ポリアミド酸溶液に閉環触媒および脱水剤を含有させておいて、上記閉環触媒および脱水剤の作用によってイミド化反応を促進しても構わない。この方法では、ポリアミド酸溶液を支持体に塗布した後、イミド化反応を一部進行させて自己支持性を有するフィルムを形成した後に、加熱によってイミド化を完全に行わせることができる。
閉環触媒をポリアミド酸溶液に加えるタイミングは特に限定はなく、ポリアミド酸を得るための重合反応を行う前に予め加えておいてもよい。閉環触媒の具体例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどといった脂肪族第3級アミンや、イソキノリン、ピリジン、ベータピコリンなどといった複素環式第3級アミンなどが挙げられ、中でも、複素環式第3級アミンから選ばれる少なくとも一種のアミンが好ましい。ポリアミド酸1モルに対する閉環触媒の使用量は特に限定はないが、好ましくは0.5〜8モルである。
脱水剤をポリアミド酸溶液に加えるタイミングも特に限定はなく、ポリアミド酸を得るための重合反応を行う前に予め加えておいてもよい。脱水剤の具体例としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸などといった脂肪族カルボン酸無水物や、無水安息香酸などといった芳香族カルボン酸無水物などが挙げられ、中でも、無水酢酸、無水安息香酸あるいはそれらの混合物が好ましい。また、ポリアミド酸1モルに対する脱水剤の使用量は特に限定はないが、好ましくは0.1〜4モルである。脱水剤を用いる場合には、アセチルアセトンなどといったゲル化遅延剤を併用してもよい。
支持体に形成されたポリイミドフィルムの前駆体(グリーンシート、グリーンフィルム)を完全にイミド化する前に支持体から剥離してもよいし、イミド化後に剥離してもよい。
<イミド化反応処理前のアニール条件>
上述したようなイミド化処理を施す前に、ポリアミド酸溶液を乾燥して得られるグリーンフィルムを下記に示すアニール条件で加熱することによって、より高い密度を有するポリイミドフィルムが得られる。得られるフィルムが上述の密度を呈しやすくなるという点からは以下のアニール処理が挙げられる。
イミド化前のアニール方法:1段階のアニール処理
アニール処理:120〜150℃で1〜10分間の処理
昇温条件:0.5〜3℃/秒
<比誘電率>
上記のような本発明のフィルムは、高周波に対して小さな比誘電率を呈するが故に、高周波用途に適している。ここで、フィルムの比誘電率はフィルム面方向に入る信号に対して定義される。高周波対応の観点からはフィルムの比誘電率は小さい方が好ましい。比誘電率の下限は、高周波特性の観点からは小さいほど好ましいが、ポリイミドベンゾオキサゾールフィルムにおいて比誘電率を所定範囲以下にすると、他の物性、特に機械特性が著しく低下するために実用上好ましくない。 空洞共振摂動法により測定される本発明のフィルムの100GHzにおける比誘電率は、2.60〜3.00である。好ましくは2.65〜2.90であり、更に好ましくは2.70〜2.80である。 空洞共振摂動法により測定される本発明のフィルムの1GHzにおける比誘電率は、好ましくは2.70〜3.10である。好ましくは2.75〜3.00であり、更に好ましくは2.80〜2.90である。
本発明のフィルムの100GHzにおける誘電正接は小さい方が好ましく、0.01以下が好ましく、さらに0.003以下が好ましく、なおさらに0.001以下が好ましい。誘電正接の下限は特に定められるものではないが、フィルム製造上の観点から、例えば0.0001が挙げられる。本発明では、フィルムの比誘電率、誘電正接を空洞共振振動法により測定する。具体的な測定の操作は実施例の項に記載する。
本発明者らは、ポリイミドベンゾオキサゾールフィルムの密度と面配向係数の制御により当該フィルムの比誘電率を制御し得ることを新たに見出した。その他にフィルムの比誘電率を制御し得る手段には、イミド化せずにポリアミド酸のままフィルムに残る化合物の割合(以下、「未反応ポリアミド酸の割合」ともいう)を調整する方法が挙げられる。たとえば、ポリイミドベンゾオキサゾールフィルムの比誘電率を高くするためには、未反応ポリアミド酸の割合を高くする手段が挙げられる。逆に、ポリイミドベンゾオキサゾールフィルムの比誘電率を低くするためには、未反応ポリアミド酸の割合を低くする手段が挙げられる。
本発明のポリイミドベンゾオキサゾールフィルムの厚さは特に限定されないが、電子基板の基材に用いることを考慮すると、通常1〜150μm、好ましくは3〜50μmである。この厚さはポリアミド酸溶液を支持体に塗布する際の塗布量や、ポリアミド酸溶液の濃度によって容易に制御し得る。
本発明のポリイミドベンゾオキサゾールフィルムは、通常は無延伸フィルムであるが、1軸または2軸に延伸しても構わない。ここで、無延伸フィルムとは、テンター延伸、ロール延伸、インフレーション延伸などによってフィルムの面拡張方向に機械的な外力を意図的に加えずに得られるフィルムをいう。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。なお、以下の実施例における物性の評価方法は以下の通りである。
1.ポリアミド酸の還元粘度(ηsp/C)
ポリマー濃度が0.2g/dlとなるようにN−メチル−2−ピロリドンに溶解した溶液をウベローデ型の粘度管により30℃で測定した。
2.ポリイミドベンゾオキサゾールフィルムの厚さ
マイクロメーター(ファインリューフ社製、ミリトロン1245D)を用いて測定した。
3.ポリイミドベンゾオキサゾールフィルムの引張弾性率、引張破断強度および引張破断伸度
測定対象のポリイミドベンゾオキサゾールフィルムを、流れ方向(MD方向)および幅方向(TD方向)にそれぞれ100mm×10mmの短冊状に切り出したものを試験片とした。引張試験機(島津製作所製、オートグラフ(R)、機種名AG−5000A)を用い、引張速度50mm/分、チャック間距離40mmの条件で、MD方向、TD方向それぞれについて、引張弾性率、引張破断強度及び引張破断伸度を測定した。
4.ポリイミドベンゾオキサゾールフィルムの線膨張係数(CTE)
測定対象のポリイミドベンゾオキサゾールフィルムについて、下記条件にてMD方向およびTD方向の伸縮率を測定し、30℃〜45℃、45℃〜60℃、・、・、と15℃の間隔での伸縮率/温度を測定し、この測定を300℃まで行い、全測定値の平均値をCTEとして算出した。MD方向、TD方向の意味は上記「3.」の測定と同様である。
装置名 ; MACサイエンス社製TMA4000S
試料長さ ; 20mm
試料幅 ; 2mm
昇温開始温度 ; 25℃
昇温終了温度 ; 400℃
昇温速度 ; 5℃/min
雰囲気 ; アルゴン
5.ポリイミドベンゾオキサゾールフィルムの融点、ガラス転移温度
測定対象のポリイミドベンゾオキサゾールフィルムについて、下記条件で示差走査熱量測定(DSC)を行い、融点(融解ピーク温度Tpm)とガラス転移点(Tmg)をJIS K 7121に準拠して求めた。
装置名 ; MACサイエンス社製DSC3100S
パン ; アルミパン(非気密型)
試料質量 ; 4mg
昇温開始温度 ; 30℃
昇温終了温度 ; 600℃
昇温速度 ; 20℃/min
雰囲気 ; アルゴン
6.ポリイミドベンゾオキサゾールフィルムの熱分解温度
測定対象のポリイミドベンゾオキサゾールフィルムを充分に乾燥したものを試料として、下記条件で熱天秤測定(TGA)を行い、試料の質量が5%減る温度を熱分解温度とみなした。
装置名 ; MACサイエンス社製TG−DTA2000S
パン ; アルミパン(非気密型)
試料質量 ; 10mg
昇温開始温度 ; 30℃
昇温速度 ; 20℃/min
雰囲気 ; アルゴン
7.ポリイミドベンゾオキサゾールフィルムの面配向係数
測定対象のポリイミドベンゾオキサゾールフィルムを測定治具に装着して以下の条件にてX線回折測定を行って、2θ=21.8°付近に現れる回折ピークについての極点図を求めた。
装置名 ;(株)リガク製RINT 2100PC、多目的試料台
電圧、電流値 ;40kV、40mA
測定法 ;反射法および透過法
走査範囲 ;反射法 α;15〜90°/2.5°間隔
β;0〜360°/5°間隔
反射法 α;0〜15°/2.5°間隔
β;0〜360°/5°間隔
スリット ;DS 0.1mm、SS 7mm、RS 7mm、
縦発散制限スリット 1.2mm
走査スピード ;連続(360°/min)
検出器 ;シンチレーションカウンター
図1は、この極点図を模式的に表したものである。図中、2本の破線部における回折強度プロファイルからピーク半値幅(HMDおよびHTD)を求め、HMDおよびHTDの平均値をHa(単位:°)と定義した。尚、ピーク半値幅は、リガク製解析プログラムを用いて求めた。このようにして得られたHaから、ポリイミドベンゾオキサゾールフィルムの面配向係数を次式により算出した。
面配向係数 =(180°− Ha)÷180°
8.ポリイミドベンゾオキサゾールフィルムの体積抵抗率
JIS C2318準拠の方法にて、体積抵抗率を測定した。
9.ポリイミドベンゾオキサゾールフィルムの絶縁破壊電圧
JIS C2318準拠の方法にて、絶縁破壊電圧を測定した。
10.ポリイミドベンゾオキサゾールフィルムの比誘電率
(試験片の作製)
ポリイミドベンゾオキサゾールフィルムを、必要厚みになる枚数重ね、300kgf/cm2の荷重を加えて圧着して1.6mm×1.5mm×75mmの角柱状試験片を作製した。
(試験片の測定)
上記試料についてアジレントテクノロジ社製、N5250Aミリ波PNAシリーズ・ネットワーク・アナライザを用い、空洞共振摂動法により1GHz〜100GHzの範囲での比誘電率、誘電正接を測定・記録した。
11.ポリイミドベンゾオキサゾールフィルムの密度
ポリイミドベンゾオキサゾールフィルムを、5mm×5mmのサイズに切り出し、密度測定に供した。この切り出しサンプルを、硝酸カルシウム水溶液で調製した密度勾配管に投入し、予め投入した密度が既知の標準フロートの位置と密度の検量線および5時間後のサンプル位置から、密度を測定した。なお、密度勾配管の液温は30℃である。
(ポリアミド酸溶液の調製)
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、500質量部の5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾールを入れた。次いで、5000質量部のN−メチル−2−ピロリドンを加えて完全に溶解させてから、485質量部のピロメリット酸二無水物を加えて、25℃にて50時間攪拌すると、褐色の粘調なポリアミド酸溶液が得られた。この還元粘度(ηsp/C)は4.6であった。
(ポリアミド酸のグリーンフィルムの製造)
このポリアミド酸溶液をステンレスベルトにコーティングし(スキージ/ベルト間のギャップは、650μm)、90℃にて60分間乾燥した。乾燥後に自己支持性となったポリアミド酸フィルムをステンレスベルトから剥離して、厚さ40μmのグリーンフィルムを得た。
(ポリイミドベンゾオキサゾールフィルムの製造)
得られたグリーンフィルムを、窒素置換された連続式の熱処理炉に通し、表1記載の条件で2段階の加熱を施して、イミド化反応を進行させた。その後、5分間で室温にまで冷却することで、褐色を呈する実施例1〜4、比較例1〜3のポリイミドベンゾオキサゾールフィルムを得た。得られた各ポリイミドベンゾオキサゾールフィルムの測定結果を表1に記載する。
Figure 0003937235
本発明のフィルムは、従来公知のポリイミドフィルムに比べて、高周波に対してより低損失であり、より応答速度が速いため(パルス信号の立ち上がりが良好)、本発明のフィルムを用いてなる回路はより高速での動作が期待できる。同時に、従来のポリイミドフィルムより高い剛性、強度、耐熱性も有するので、高周波数化された電子機器やその他の電子機器への使用されるフレキシブルな電子回路基板の基材として有用である。
ポリイミドベンゾオキサゾールフィルムのX線回折極点図を模式的に表す。

Claims (4)

  1. アミノ(アミノフェニル)ベンズオキサゾールとピロメリット酸二無水物とを反応させて得られるポリイミドベンゾオキサゾールを主成分とするフィルムであって、アミノ(アミノフェニル)ベンズオキサゾールとピロメリット酸二無水物とを反応させて得られるポリアミド酸溶液を得て、次いで該ポリアミド酸溶液を支持体上に塗布して乾燥することによりグリーンフィルムを得て、次いで該グリーンフィルムを0.5〜3℃/秒で昇温して120〜150℃で1〜10分間アニール処理を施し、次いで熱処理に供することにより得られる、フィルムの密度が1.47〜1.55g/cmであるポリイミドベンゾオキサゾールフィルム。
  2. X線回折法で測定されるフィルムの面配向係数が0.79〜0.89である請求項1記載のポリイミドベンゾオキサゾールフィルム。
  3. 空洞共振摂動法によって測定されるフィルムの、1GHzの比誘電率が2.7〜3.1であり、100GHzの比誘電率が2.6〜3.0である請求項1、2いずれかに記載のポリイミドベンゾオキサゾールフィルムフィルム。
  4. 空洞共振摂動法によって1〜100GHzの周波数範囲において測定されるフィルムの、1GHzの比誘電率が2.7〜3.1であり、100GHzの比誘電率が2.6〜3.0、かつ1〜100GHzの周波数範囲内の比誘電率が上記2つの周波数における比誘電率の小さい方の値以上で、かつ大きい方の値以下である請求項1、2いずれかに記載のポリイミドベンゾオキサゾールフィルムフィルム。
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