JP3936906B2 - 燃料噴射制御方法、燃料噴射制御プログラム及び燃料噴射制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関における燃料噴射制御に係り、特に、ディーゼル機関の燃料噴射制御装置において、パイロット噴射制御の信頼性の向上等を図ったものに関する。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼル機関においては、主噴射の前にパイロット噴射を行い、そのパイロット噴射された燃料の発熱によって、主噴射燃料の着火遅れの短縮が可能となるだけでなく、予混合燃料を抑えられ、燃焼音やNOxの低減に有効であることは良く知られていることである。しかし、パイロット噴射量は微量であるために、インジェクターの製造過程で生ずる動作特性のばらつきや経年変化等によってパイロット噴射量に影響を及ぼし、そのパイロット噴射量の変動を招き、最悪時には、パイロットそのものが無くなってしまうということもある。
パイロット噴射量は、通常、燃料噴射制御装置の動作制御の中心となる一般にECUと称される制御部からの指令によって設定されるが、上述のような原因によって、実際のパイロット噴射量がECUによる指令値より小さくなったり、または、パイロット噴射が行われてない状態となった場合には、当然のことながら燃焼音の低減効果が少なくなり、さらに、主噴射時期はパイロット噴射量が正常時の場合と変わらないためにエミッションが増大してしまう虞がある。一方、逆にパイロット噴射量がECUの指令値より多すぎる場合には、パイロット燃焼自体の燃料音が大きくなると共に、エミッションも悪化してしまう。
【0003】
かかる欠点を解消するため、例えば、燃焼の際のイオン電流を検出し、その検出結果に基づいて、主燃料開始時期がパイロット噴射がされている時より遅いと判定された場合には、パイロット噴射がなされていないとみなし、パイロット噴射を増量する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−82121号公報(第3乃至第5頁、図4)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような制御においては、パイロット噴射量を正確に制御することができず、制御の信頼性として未だ不十分である。また、パイロット噴射がある一定値より大きくなると、主燃焼開始時期がパイロット燃焼時期と殆ど同じようになるので、パイロット噴射量が過大となる場合には、パイロット噴射を減量して、適正値となるように制御することができないという問題がある。
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、簡易な構成でパイロット噴射量を確実に適正値とすることができる燃料噴射制御方法及び燃料噴射制御装置を提供するものである。
本発明の他の目的は、信頼性の高いパイロット噴射制御が行え、従来に比して燃焼騒音の低減及びエミッションの低減効果の大きな燃料噴射制御方法及び燃料噴射制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記発明の目的を達成するため、本発明に係る燃料噴射制御装置は、
内燃機関に対する燃料噴射、着火時期を制御するよう構成されてなる燃料噴射制御装置であって、
前記内燃機関の燃焼室に先端部分が臨むように設けられたイオンセンサ付きグロープラグと、
前記イオンセンサ付きグロープラグのイオンセンサによって検出されたイオン電流の大きさに応じた電圧を出力するイオン検出回路と、
燃料噴射全般に関してデータ処理や動作制御を行う電子制御部とを具備し、
前記電子制御部は、
前記イオン検出回路の出力電圧を入力し、当該入力電圧を対応したイオン電流値へ変換し、
燃料着火前の所定期間中に、前記イオンセンサによって検出され、前記イオン検出回路を介して入力されたイオン電流の平均値を当該イオンセンサの漏洩電流の平均値として算出し、当該イオン電流の平均値が予め設定された閾値より大であるか否かを判定し、当該イオン電流の平均値が予め設定された閾値より大ではないと判定された場合に、前記イオン検出回路を介して入力されたイオン電流についての所定の燃料サイクルにおける平均値を算出し、次いで、当該所定の燃料サイクルにおけるイオン電流の平均値から前記イオンセンサの漏洩電流の平均値を差し引き、当該減算結果について、パイロット噴射開始時期から主噴射開始時の後の所定時点まで積分を行い、次いで、当該積分値と積分標準値との差を算出し、当該積分値と積分標準値との差が所定の許容範囲内にあるか否かを判定し、所定の許容範囲を下回ると判定された場合には、パイロット噴射量の増量を行う一方、所定の許容範囲を上回ると判定された場合には、パイロット噴射量の減量を行うよう構成されてなるものである。
【0007】
かかる構成においては、内燃機関の燃焼室おける燃焼に応じて検出される例えばイオン電流のような検出信号の積分値によって、パイロット噴射量の適否を判断できるという本願発明者の研究結果に基づいて、そのような検出信号の積分値を算出し、実験等から定められた範囲にあるか否かを以てパイロット噴射量の適否が判断され、必要な場合に噴射量の補正が行われるようになっており、簡易な構成でパイロット噴射量を確実に適正値とすることができるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図1乃至図4を参照しつつ説明する。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、本発明の実施の形態における燃料噴射制御装置の構成例について、図1を参照しつつ説明する。
まず、本発明の実施の形態における燃料噴射制御装置は、燃料噴射全般に関してデータ処理や動作制御等を行うための電子制御部(図1において「ECU」と表記)1と、インジェクタ2と、イオンセンサ付グロープラグ3と、イオン検出回路4とを主たる構成要素として構成されたものとなっている。
【0009】
インジェクタ2及びイオンセンサ付グロープラグ3は、ディーゼル機関のシリンダヘッド11に取着されており、共に、その先端部分は、ピストン12の頂部に形成された凹部12aとシリンダヘッド11との間に画成される燃焼室13に臨むように設けられたものとなっている。
ここで、本発明の実施例におけるイオンセンサ付グロープラグ3は、公知・周知の燃焼検出手段としてのイオンセンサ(図示せず)が、その先端部分に設けられた構成を有するもので、これ自体も公知・周知のものであり、本願発明特有のものではない。
【0010】
このイオンセンサ付グロープラグ3は、切替スイッチ8を介してグロープラグ回路7又はイオン検出回路4に選択的に接続されるようになっている。
切替スイッチ8は、切替接点8aと、第1及び第2の接点8b,8cを有してなり、切替接点8aが電子制御部1の制御によって第1の接点8b又は第2の接点8cのいずれかと接続されるようになっているものである。そして、この切替接点8aには、イオンセンサ付グロープラグ3の出力端が接続される一方、第1の接点8bには、グロープラグ回路7が、第2の接点8cには、イオン検出回路4が、それぞれ接続されたものとなっている。
グロープラグ回路7は、イオンセンサ付グロープラグ3への通電を行うためのもので、先の第1の接点8bに接続された電源9を有して構成されたものとなっている。
【0011】
本発明の実施の形態におけるイオン検出回路4は、演算増幅器5と検出用用抵抗器6とを主たる構成要素としてなるものである。すなわち、演算増幅器5の入力端子間には、検出用抵抗器6が接続されており、この検出用抵抗器6の一端は、電源9に、他端は、第2の接点8cに、それぞれ接続されたものとなっている。
そして、切替接点8aと第2の接点8cとが接続されて、図示されないイオンセンサからのイオン電流が検出用抵抗器6を流れると、そのイオン電流の大きさに応じて検出用抵抗器6に生ずる電圧降下が演算増幅器5により増幅されて電子制御部1へ入力され、電子制御部1においては、この入力電圧に対応したイオン電流値に換算されるようになっている。
【0012】
電子制御部1は、例えば、いわゆるマイクロコンピュータ(図示せず)を用いて構成されてなるもので、本発明の実施の形態においては、次述するようなソフトウェアの実行処理を行い所望する燃料噴射制御が実現できるようになっているものである。
図2には、電子制御部1によって実行される第1のパイロット燃料噴射制御の処理手順を示すフローチャートが示されており、以下、同図を参照しつつその内容について説明する。
処理が開始されると、最初に、イオン電流の平均値Ibの算出が行われる(図2のステップS102参照)。すなわち、燃焼着火前の所定期間中、イオンセンサ付グロープラグ3によって検出されたイオン電流の平均値Ibが算出され、電子制御部1の図示されない記憶領域に基準値として記憶されることとなる。ここで、燃焼着火前の所定期間中に検出されるイオン電流は、本来、理想的には零であるが、実際には、センサ特性の製造上の精度等に起因するばらつき等によっていわゆる漏洩電流が生ずるのが殆どであり、このステップS102で算出されるイオン電流の平均値Ibは、イオンセンサの漏洩電流の平均値と言えるものである。
【0013】
次いで、ステップS102で算出された漏洩電流の平均値Ibと予め設定された閾値Ilthとの大小比較が行われることとなる(図2のステップS104参照)。そして、Ib≧Ilthが成立すると判定された場合(YESの場合)には、カーボンがイオン電流を検出するイオンセンサ付グロープラグ3の電極部分に付着して許容できる大きさを越えた漏洩電流が生じているとして、不用なカーボンの燃焼のため、所定時間の間、切替スイッチ8の切替接点8aが第1の接点8bへ切り替えられて、イオンセンサ付グロープラグ3への通電が行われ(図2のステップS106参照)、その後、先のステップS102へ戻り一連の処理が最初から繰り返されることとなる。
一方、ステップS104の判定において、Ib≧Ilthが成立しないと判定された場合(NOの場合)には、異常無しとして、燃焼時のイオン電流のばらつきを抑制する観点から、所定の燃料サイクルにおける検出イオン電流の平均値Iave(θ)の算出が行われることとなる(図2のステップS108参照)。
【0014】
次いで、イオン電流絶対値Iabs(θ)の算出が行われる(図2のステップS110参照)。すなわち、イオン電流に重畳されるノイズ等の影響を除くため、ステップS108で算出された平均値Iave(θ)から漏洩電流の平均値Ibが差し引かれてイオン電流の真の値、すなわち、イオン電流絶対値Iabs(θ)が算出されることとなる。
そして、算出されたイオン電流絶対値Iabs(θ)の積分値が算出される(図2のステップS112参照)。すなわち、下記する数式1に示されたように、パイロット噴射量を表す特性値として、パイロット燃料期間中に検出されるイオン電流の積分値CHG msr(Qpx)がイオン電流絶対値Iabs(θ)を所定期間積分することで算出されることとなる。ここで、積分期間は、パイロット噴射開始時θpから主噴射開始時θmの後の所定時点β°までである。
【0015】
【数1】
【0016】
この所定時点βは、パイロット噴射と主噴射の間隔θp-mを基準として、次のように設定されるものとなっている。すなわち、θp-m≧α°である場合、主噴射する前にパイロット燃焼が終了しているとみなしβを零とする。一方、θp-m<α°である場合、主噴射の時点においてパイロット燃焼が未だ終了していないとみなしてβは予め選択された零以外の所定の値に設定されることとなる。ここで、βの値として予め選択される零以外の所定の値は、実験、シュミレーション等に基づいて定められるのが好適である。
【0017】
次に、ステップS112で算出された積分値と標準値との差の算出が行われる(図2のステップS114参照)。
まず、比較の基準となる積分標準値CHG std(Qpx)は、例えば、予め試験を行い、実測によるパイロット噴射量に対するイオン電流積分値の変化特性を得て、それを基に、例えば図3に示されるようにパイロット噴射量に対して所定誤差量δの範囲となる標準値CHG stdを定めた変化特性を定めて、それを電子制御部1の図示されない記憶部に、グラフや演算式等の形態で記憶しておく。
そして、ステップS114においては、まず、この時点における実測パイロット噴射量に対する積分標準値CHG std(Qpx)が、上述のように予め電子制御部1の図示されない記憶部に記憶された特性線や特性表、又は演算式から求められる。
そして、ステップS112で算出された積分値CHG msr(Qpx)と積分標準値CHG std(Qpx)との差CHG dif(Qpx)が算出される。すなわち、CHG dif(Qpx)=CHG msr(Qpx)−CHG std(Qpx)が演算されることとなる。
【0018】
上述のようにして差が求められた後は、この差が所定値−δより小さいか否かが判定され(図2のステップS116参照)、所定値−δより小さいと判定された場合(YESの場合)には、パイロット噴射量が許容範囲を下回って減少している状況であるとして、パイロット噴射量の増量が行われ(図2のステップS120参照)、その後、先のステップS108へ戻り、パイロット噴射量の標準値からのずれ(差)が許容範囲となるまでステップS108以後の処理が繰り返されることとなる。
一方、ステップS116において、差CHG dif(Qpx)が所定値−δより小さくないと判定された場合(NOの場合)には、差が所定値δより大きいか否かが判定されることとなる(図2のステップS118参照)。そして、このステップS116の判定において、差CHG dif(Qpx)が所定値δより大きいと判定された場合(YESの場合)には、パイロット噴射量が許容範囲を上回って増加している状況であるとして、パイロット噴射量の減量が行われ(図2のステップS122参照)、その後、先のステップS108へ戻り、パイロット噴射量の標準値からのずれ(差)が許容範囲となるまでステップS108以後の処理が繰り返されることとなる。
また、ステップS118の判定において、差CHG dif(Qpx)が所定値δより大きくないと判定された場合(NOの場合)には、正常なパイロット噴射がなされているとして一連の処理が終了されることとなる。
【0019】
上述した第1のパイロット燃料噴射制御例においては、電子制御部1によるステップS112の実行により積分算出手段が、電子制御部1によるステップS114、ステップS116、ステップS118、ステップS120及びステップS122の実行によりパイロット噴射量補正手段が、それぞれ実現されたものとなっている。
【0020】
次に、第2のパイロット燃料噴射制御の処理手順について、図4を参照しつつ説明する。なお、図2に示された処理内容と同一のステップについては、図2のフローチャートにおけるステップ番号と同一の番号を付し、その詳細な説明は省略して、以下、異なる点を中心に説明することとする。
最初に、第1のパイロット燃料噴射制御との違いを概括的に述べれば、この第2のパイロット燃料噴射制御は、第1のパイロット燃料噴射制御を基本として、さらに着火時期を考慮した処理が加えられたものである。
すなわち、具体的には、まず、処理が開始されてステップS110までは、図2に示された第1のパイロット燃料噴射制御と同一の処理が実行される。
そして、ステップS111においては、着火時期判定が行われ、次述するように条件Aが成立する場合には、ステップS112の処理へ進み、条件Bが成立する場合には、後述するステップS124の処理へ進むこととなる。
【0021】
ここで、着火時期判定の具体的な処理内容について説明する。
まず、概略を述べれば、この着火時期判定は、パイロット着火時期とメイン着火時期が基準範囲にあるか否かを判定するもので、本発明の実施の形態においては、イオン電流の微分値をその判定に用いるようにしている。
以下、判定処理の具体的手順について説明すれば、最初に、イオン電流の微分処理が行われる。すなわち、イオン電流の微分処理は、ステップS110において求められたイオン電流絶対値Iabs(θ)を用い、例えば、ある時点θ1におけるイオン電流絶対値をIabs(θ1)とし、それから所定時間経過した時点θ2におけるイオン電流絶対値をIabs(θ2)とすると、{Iabs(θ2)−Iabs(θ1)}/Tsampとしてイオン電流の微分値を求めることである。ここで、Tsampは、サンプリング間隔、すなわち、この例の場合、θ1とθ2との間隔である。
【0022】
次に、このようにして求められた微分値が所定範囲内にあるか否かの判定が行われる。すなわち、求められた微分値がa<Tpilot<bの範囲に入るか又はc<Tmain<dの範囲に入るか否かが判定される。ここで、Tpilotは、パイロット着火時期に対応する微分値であり、Tmainは、主着火時期に対応する微分値である。これらの値は、実験やシュミレーションによって設定されるのが好適である。また、TpilotやTmainからのずれの許容範囲を定める定数であるa,b,c,dも、実験やシュミレーションによって設定されるのが好適である。
そして、微分値が上述したようないずれかの範囲内にあると判定された場合(本発明の実施の形態においては、この場合を便宜的に条件Aが成立とする)は、ステップS112の処理へ進む一方、微分値がいずれの範囲にもないと判定された場合は、ステップS124の処理へ進むこととなる。
【0023】
このように、着火時期の判定にイオン電流の微分値を用いるのは、着火の際に微分値がその前後に比して大きく変化するという本願発明者によるイオン電流の種々の分析の結果得られた知見に基づくものである。また、微分値の判定において、上述のようにパイロット着火時期と主着火時期のいずれかの許容範囲にあるか否かを判定するのは、パイロット噴射はあると判断されるが、パイロット着火時期の検出ができない場合が有り得、その場合には、パイロット着火時期のみならず、主着火時期をも後に補正するようにするためである。
【0024】
ステップS111の判定において、条件Bであると判定され、ステップS124の処理へ進んだ場合には、噴射時期補正が行われることとなる。
すなわち、着火時期が目標時期となるように、インジェクタの噴射時期の補正がなされることとなる。ここで、補正は、例えば、着火時期のずれ量=噴射時期のずれ量として、このずれ量に対応した補正を行うか、又は、実験やシュミレーション等により、着火時期のずれ量に対する噴射時期の補正量を求めていわゆるマップや換算式等として電子制御部1の記憶部に記憶しておき、これらを用いて補正を行うようにしても良いものである。
このようにして噴射時期の補正が行われた後は、先のステップS108の処理へ戻り、噴射時期が適正な範囲となるまでステップS108以後の処理が繰り返されることとなる。
【0025】
上述した第2のパイロット噴射制御例においては、電子制御部1によるステップS111の実行により微分手段が、また、電子制御部1によるステップS124の実行により噴射時期補正手段が、さらに、電子制御部1によるステップS112の実行により積分算出手段が、またさらに、電子制御部1によるステップS114、ステップS116、ステップS118、ステップS120及びステップS122の実行によりパイロット噴射量補正手段が、それぞれ実現されたものとなっている。
【0026】
なお、上述のいずれの構成例においても、燃料の燃焼を検出する手段として、イオンセンサを用いたが、燃焼検出手段としては、勿論、これに限定される必要はなく、筒内圧力センサ等の何らかの方法で燃焼が検出できるものであれば、他のセンサ類であっても良いものである。
【0027】
【発明の効果】
以上、述べたように、本発明によれば、実際のパイロット噴射量に対応する検出信号を得、その検出信号に基づいて、パイロット噴射量の適否、そして、必要な場合にはパイロット噴射量の調整を行えるような構成としたことにより、パイロット噴射量を確実に適正値とすることができるとう効果を奏するものである。
特に、グロープラグに取着されたイオンセンサの出力信号に基づいてパイロット噴射量の適否を判断する構成とする場合には、新たにセンサを設けるスペースを別個に確保する必要がないので、既存の構成を活用することができ、簡易な構成で信頼性の高いパイロット噴射量制御が実現できるという効果を奏するものである。
また、確実なパイロット噴射を得ることができるので、それによって、従来に比してさらなる燃焼騒音の低減、エミッションの低減が可能となるという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における燃料噴射制御装置の構成例を示す構成図である。
【図2】図1に示された電子制御部により実行される第1のパイロット燃料噴射制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】パイロット噴射量に対するイオン電流の標準値の変化例を示す特性線図である。
【図4】図1に示された電子制御部により実行される第2のパイロット燃料噴射制御の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…電子制御部
2…インジェクタ
3…イオンセンサ付グロープラグ
4…イオン検出回路
7…グロープラグ回路
8…切替スイッチ
11…シリンダヘッド
12…ピストン
13…燃焼室
Claims (6)
- 内燃機関に対する燃料噴射、着火時期を制御するよう構成されてなる燃料噴射制御装置における燃料噴射制御方法であって、
燃料着火前の所定期間中に、イオンセンサを用いて前記内燃機関の燃焼室におけるイオン電流を検出し、当該検出されたイオン電流の平均値を当該イオンセンサの漏洩電流の平均値として算出し、当該イオン電流の平均値が予め設定された閾値より大ではない場合に、前記イオンセンサにより検出されたイオン電流についての所定の燃料サイクルにおける平均値を算出し、次いで、当該所定の燃料サイクルにおけるイオン電流の平均値から前記イオンセンサの漏洩電流の平均値を差し引き、当該減算結果について、パイロット噴射開始時期から主噴射開始時の後の所定時点まで積分を行い、次いで、当該積分値と積分標準値との差を算出し、当該積分値と積分標準値との差が所定の許容範囲内にあるか否かを判定し、所定の許容範囲を下回ると判定された場合には、パイロット噴射量の増量を行う一方、所定の許容範囲を上回ると判定された場合には、パイロット噴射量の減量を行うことを特徴とする燃料噴射制御方法。 - 内燃機関に対する燃料噴射、着火時期を制御するよう構成されてなる燃料噴射制御装置において実行される燃料噴射制御プログラムであって、
燃料着火前の所定期間中に、前記内燃機関の燃焼室におけるイオン電流をイオンセンサにより検出するステップと、
前記検出されたイオン電流の平均値を算出し、その算出値をイオンセンサの漏洩電流の平均値とするステップと、
前記漏洩電流の平均値が予め設定された閾値より大であるか否かを判定するステップと、
前記漏洩電流の平均値が予め設定された閾値より大でははないと判定された場合に、前記イオンセンサにより検出されたイオン電流についての所定の燃料サイクルにおける平均値を算出するステップと、
前記所定の燃料サイクルにおけるイオン電流の平均値から前記イオンセンサの漏洩電流の平均値を差し引く減算を行うステップと、
前記減算結果について、パイロット噴射開始時期から主噴射開始時の後の所定時点まで積分を行うステップと、
前記該積分値と積分標準値との差が所定の許容範囲内にあるか否かを判定するステップと、
前記該積分値と積分標準値との差が所定の許容範囲内を下回ると判定された場合には、パイロット噴射量の増量を行う一方、所定の許容範囲を上回ると判定された場合には、パイロット噴射量の減量を行うステップと、
を具備してなることを特徴とする燃料噴射制御プログラム。 - 内燃機関に対する燃料噴射、着火時期を制御するよう構成されてなる燃料噴射制御装置における燃料噴射制御方法であって、
燃料着火前の所定期間中に、イオンセンサを用いて前記内燃機関の燃焼室におけるイオン電流を検出し、当該検出されたイオン電流の平均値を当該イオンセンサの漏洩電流の平均値として算出し、当該イオン電流の平均値が予め設定された閾値より大ではない場合に、前記イオンセンサにより検出されたイオン電流についての所定の燃料サイクルにおける平均値を算出し、次いで、当該所定の燃料サイクルにおけるイオン電流の平均値から前記イオンセンサの漏洩電流の平均値を差し引き、その減算結果を、イオン電流絶対値とし、次いで、当該イオン電流絶対値の微分値を算出し、当該微分値が所定の範囲内にない場合には、着火時期が目標時期となるようにインジェクタの噴射時期の補正を行う一方、前記イオン電流絶対値の微分値が所定の範囲内にある場合には、前記イオン電流絶対値について、パイロット噴射開始時期から主噴射開始時の後の所定時点まで積分を行い、次いで、当該積分値と積分標準値との差を算出し、当該積分値と積分標準値との差が所定の許容範囲内にあるか否かを判定し、所定の許容範囲を下回ると判定された場合には、パイロット噴射量の増量を行う一方、所定の許容範囲を上回ると判定された場合には、パイロット噴 射量の減量を行うことを特徴とする燃料噴射制御方法。 - 内燃機関に対する燃料噴射、着火時期を制御するよう構成されてなる燃料噴射制御装置において実行される燃料噴射制御プログラムであって、
燃料着火前の所定期間中に、前記内燃機関の燃焼室におけるイオン電流をイオンセンサにより検出するステップと、
前記検出されたイオン電流の平均値を算出し、その算出値をイオンセンサの漏洩電流の平均値とするステップと、
前記漏洩電流の平均値が予め設定された閾値より大であるか否かを判定するステップと、
前記漏洩電流の平均値が予め設定された閾値より大でははないと判定された場合に、前記イオンセンサにより検出されたイオン電流についての所定の燃料サイクルにおける平均値を算出するステップと、
前記所定の燃料サイクルにおけるイオン電流の平均値から前記イオンセンサの漏洩電流の平均値を差し引く減算を行うステップと、
前記減算結果を、イオン電流絶対値とし、当該イオン電流絶対値の微分値を算出するステップと、
前記微分値が所定の範囲内にあるか否かを判定するステップと、
前記微分値が所定の範囲にないと判定された場合に、着火時期が目標時期となるようにインジェクタの噴射時期の補正を行うステップと、
前記イオン電流絶対値の微分値が所定の範囲内にあると判定された場合に、前記イオン電流絶対値について、パイロット噴射開始時期から主噴射開始時の後の所定時点まで積分を行うステップと、
前記積分値と積分標準値との差が所定の許容範囲内にあるか否かを判定するステップと、
前記積分値と積分標準値との差が所定の許容範囲を下回ると判定された場合には、パイロット噴射量の増量を行う一方、所定の許容範囲を上回ると判定された場合には、パイロット噴射量の減量を行うステップと、
を具備してなることを特徴とする燃料噴射制御プログラム。 - 内燃機関に対する燃料噴射、着火時期を制御するよう構成されてなる燃料噴射制御装置であって、
前記内燃機関の燃焼室に先端部分が臨むように設けられたイオンセンサ付きグロープラグと、
前記イオンセンサ付きグロープラグのイオンセンサによって検出されたイオン電流の大きさに応じた電圧を出力するイオン検出回路と、
燃料噴射全般に関してデータ処理や動作制御を行う電子制御部とを具備し、
前記電子制御部は、
前記イオン検出回路の出力電圧を入力し、当該入力電圧を対応したイオン電流値へ変換し、
燃料着火前の所定期間中に、前記イオンセンサによって検出され、前記イオン検出回路を介して入力されたイオン電流の平均値を当該イオンセンサの漏洩電流の平均値として算出し、当該イオン電流の平均値が予め設定された閾値より大であるか否かを判定し、当該イオン電流の平均値が予め設定された閾値より大ではないと判定された場合に、前記イオン検出回路を介して入力されたイオン電流についての所定の燃料サイクルにおける平均値を算出し、次いで、当該所定の燃料サイクルにおけるイオン電流の平均値から前記イオンセンサの漏洩電流の平均値を差し引き、当該減算結果について、パイロット噴射開始時期から主噴射開始時の後の所定時点まで積分を行い、次いで、当該積分値と積分標準値との差を算出し、当該積分値と積分標準値との差が所定の許容範囲内にあるか否かを判定し、所定の許容範囲を下回ると判定された場合には、パイロット噴射量の増量を行う一方、所定の許容範囲を上回ると判定された場合には、パイロット噴射量の減量を行うよう構成されてなることを特徴とする燃料噴射制御装置。 - 内燃機関に対する燃料噴射、着火時期を制御するよう構成されてなる燃料噴射制御装置であって、
前記内燃機関の燃焼室に先端部分が臨むように設けられたイオンセンサ付きグロープラグと、
前記イオンセンサ付きグロープラグのイオンセンサによって検出されたイオン電流の大きさに応じた電圧を出力するイオン検出回路と、
燃料噴射全般に関してデータ処理や動作制御を行う電子制御部とを具備し、
前記電子制御部は、
前記イオン検出回路の出力電圧を入力し、当該入力電圧を対応したイオン電流値へ変換し、
燃料着火前の所定期間中に、前記イオンセンサによって検出され、前記イオン検出回路を介して入力されたイオン電流の平均値を当該イオンセンサの漏洩電流の平均値として算出し、当該イオン電流の平均値が予め設定された閾値より大であるか否かを判定し、当該イオン電流の平均値が予め設定された閾値より大ではないと判定された場合に、前記イオン検出回路を介して入力されたイオン電流についての所定の燃料サイクルにおける平均値を算出し、次いで、当該所定の燃料サイクルにおけるイオン電流の平均値から前記イオンセンサの漏洩電流の平均値を差し引き、その減算結果を、イオン電流絶対値とし、次いで、当該イオン電流絶対値の微分値を算出し、当該微分値が所定の範囲内にあるか否かを判定し、当該微分値が所定の範囲内にないと判定された場合には、着火時期が目標時期となるようにインジェクタの噴射時期の補正を行う一方、前記イオン電流絶対値の微分値が所定の範囲内にあると判定された場合には、前記イオン電流絶対値について、パイロット噴射開始時期から主噴射開始時の後の所定時点まで積分を行い、次いで、当該積分値と積分標準値との差を算出し、当該積分値と積分標準値との差が所定の許容範囲内にあるか否かを判定し、所定の許容範囲を下回ると判定された場合には、パイロット噴射量の増量を行う一方、所定の許容範囲を上回ると判定された場合には、パイロット噴射量の減量を行うよう構成されてなることを特徴とする燃料噴射制御装置。
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