JP3936731B2 - 電動式ドラムブレーキ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電動式ドラムブレーキに係り、特に、電動アクチュエータがアンカの近傍に配置される電動式ドラムブレーキの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
(a) 中心部に貫通穴が設けられた略円板形状を成しているとともに、その貫通穴に近い内周部において支持部材に一体的に固設されるバッキングプレートと、(b) そのバッキングプレートの外周部に互いに接近離間可能に略対称的に配設される円弧形状の一対のブレーキシューと、(c) その一対のブレーキシューの一端部間に位置固定に配設され、その一対のブレーキシューの他端部が互いに離間させられてブレーキドラムに押圧されることにより制動力を発生する際のブレーキ反力を受け止めるアンカと、(d) そのアンカの近傍において前記バッキングプレートに一体的に取り付けられる電動アクチュエータと、(e) その電動アクチュエータと前記一対のブレーキシューとを機械的に連結し、その電動アクチュエータのブレーキ作動に伴ってその一対のブレーキシューの他端部を互いに離間させて前記ブレーキドラムに押圧する拡開機構と、を有する電動式ドラムブレーキが、自動車や電車等の車両用ブレーキとして知られている。特公平6−100239号公報に記載されている装置はその一例で、電動モータの回転をねじ機構により直線運動に変換して出力部材(ナット部材)を直線移動させる電動アクチュエータを備えており、その出力部材に連結された倍力レバーを回動させることにより、その倍力レバーに係合させられた一対のブレーキシューを互いに離間させてブレーキドラムに押圧して制動力を発生するようになっている。
【0003】
図3は、このような電動式ドラムブレーキの一例(未公知)を示す概略構成図で、(a) は正面図、(b) は(a) におけるB−B断面に相当する図である。この電動式ドラムブレーキ10は、リーディング・トレーリング式ドラムブレーキで、略円板形状を成すバッキングプレート12と、そのバッキングプレート12の左右の外周部に互いに接近離間可能に略対称的に配設された円弧形状の一対のブレーキシュー14、16と、その一対のブレーキシュー14、16の上端部(一端部)間に位置固定に配設されたアンカ18と、アンカ18の近傍に配設されるとともに拡開機構20を介して一対のブレーキシュー14、16の下端部(他端部)を互いに離間させてブレーキドラム22に押圧することにより制動力を発生させる電動アクチュエータ24と、を有して構成されている。
【0004】
バッキングプレート12の中心部には貫通穴12hが設けられているとともに、その貫通穴12hに近い内周部において車体側のアクセルハウジング26に一体的に固設されるようになっている。アクセルハウジング26は支持部材に相当するもので、車輪を回転可能に支持するベアリング装置28がバッキングプレート12と共に一体的に固設されるとともに、貫通穴12h内を図示しないアクセルシャフトが挿通させられて車輪を回転駆動するようになっている。前記ブレーキドラム22は、ベアリング装置28によって回転可能に支持されているとともに車輪が一体的に固定されるようになっている。バッキングプレート12の貫通穴12hの近くには、アクセルハウジング26に固設するボルト等を挿通させるために複数(図では4個)の取付穴12aが設けられている。
【0005】
前記一対のブレーキシュー14、16は、それぞれシューホルドダウン装置30、32を介して互いに接近離間可能にバッキングプレート12に取り付けられている。また、アンカ18は、一対のリベット34によってバッキングプレート12に一体的に固設されており、一対のブレーキシュー14、16の下端部が離間させられてブレーキドラム22に押圧されることにより制動力を発生する際のブレーキ反力が、そのアンカ18によって受け止められるようになっている。一対のブレーキシュー14、16の上端部間には引張コイルスプリング36が張設され、常にはその上端部のシューウェブがアンカ18に当接させられるようになっている。
【0006】
前記電動アクチュエータ24は、電動モータ38によりねじ機構を介して出力部材40を直線移動させるもので、電動モータ38の中心線すなわち出力部材40の移動方向が一対のブレーキシュー14、16の接近離間方向である左右方向と略平行になる姿勢で、アンカ18よりもバッキングプレート12の内周側部分において、そのバッキングプレート12に一体的に固設されている。前記拡開機構20は、倍力レバー46とストラット48とを備えて構成されており、倍力レバー46は、一方のブレーキシュー14の下端部と電動アクチュエータ24の出力部材40とに跨がって配設され、それぞれバッキングプレート12に対して略垂直な連結ピン42、44の軸心まわりの相対回動可能に連結されている。ストラット48は、倍力レバー46と他方のブレーキシュー16の下端部近傍とに跨がって配設されているとともに、倍力レバー46との係合位置は、連結ピン42と44との間であって連結ピン42の近傍に定められている。
【0007】
そして、制動時に電動アクチュエータ24のブレーキ作動に従って出力部材40が図3(a) の左方向へ引き込まれ、倍力レバー46が連結ピン42を中心としてバッキングプレート12の内周側へ回動させられると、倍力レバー46のレバー比に応じて倍力された駆動力でストラット48は他方のブレーキシュー16側へ移動させられる。これにより、ブレーキシュー16の下端部が外周側(図3(a) の左方向)へ押し出されてブレーキドラム22に押圧されるとともに、その反力で一方のブレーキシュー14と倍力レバー46との連結部である連結ピン42が外周側(図3(a) の右方向)へ押し出され、その一方のブレーキシュー14の下端部がブレーキドラム22に押圧されて、それ等のブレーキシュー14、16により制動力が発生させられる。電動アクチュエータ24の出力部材40と倍力レバー46とは、倍力レバー46の長手方向に形成された長穴46aを介して連結されており、倍力レバー46の回動に伴う相対移動が許容されている。
【0008】
上記ストラット48の近傍には、一対のブレーキシュー14、16に跨がってリターンスプリング(引張コイルスプリング)50、52が配設されており、非制動時におけるそれ等のブレーキシュー14、16の待機位置がストラット48によって規定されるようになっている。ストラット48は、摩擦材(ライニング)の摩耗に拘らずブレーキシュー14、16とブレーキドラム22との間のシュー間隙が略一定になるように、摩擦材の摩耗に応じてブレーキシュー14、16の待機位置を変更するシュー間隙自動調整機構54を備えている。すなわち、摩擦材の摩耗により制動時のブレーキシュー14、16の移動量が拡大すると、アジャストレバー56によってスターホイール58が回転させられ、そのスターホイール58に一体的に設けられたねじ軸等の回転によって全長寸法が長くなり、非制動時のブレーキシュー14、16の待機位置が離間させられてシュー間隙(両側のシュー間隙の合計寸法)が略一定に維持されるのである。
【0009】
このような電動式ドラムブレーキ10は、常用ブレーキにもパーキングブレーキにも適用可能で、常用ブレーキおよびパーキングブレーキの両方の機能を持たせることもできる。ブレーキペダルやパーキングブレーキレバー等のブレーキ操作部材の操作位置や操作力など運転者のブレーキ要求量に応じて、電動アクチュエータ24の電動モータ38のトルク制御や正逆回転制御などで制動力を制御することが可能である。パーキングブレーキとして用いる場合は、例えば前記特公平6−100239号公報に記載のように電動モータの逆回転を阻止するブレーキ維持機構を設けるなどすれば良い。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような電動式ドラムブレーキ10においては、制動時にアンカ18にブレーキ反力が作用するとバッキングプレート12が撓み変形する可能性があるが、アンカ18の近傍には電動アクチュエータ24が配設されているため、バッキングプレート12の撓み変形に伴って電動アクチュエータ24の姿勢が変化し、倍力レバー46との連結部がこじれたり連結角度(荷重方向)が変化したりして、電動モータ38のトルクと制動力との関係が変化して所望の制動力が得られなくなるなど、制動力を高い精度で制御することが難しかった。
【0011】
バッキングプレート12の板厚を厚くして撓み変形を防止すれば、上記問題が解消するが、バッキングプレート12を全体に厚くすると、材料コストが高くなるだけでなく、重量が大幅に増加するとともにプレス加工等の加工コストも高くなって好ましくない。
【0012】
なお、上記図3の電動式ドラムブレーキ10はあくまでも一例で、ブレーキシューをブレーキドラムに押圧する電動アクチュエータが、ブレーキ反力を受け止めるアンカの近傍に配設されるものであれば、どのような電動式ドラムブレーキであっても同様の問題が生じる。
【0013】
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、電動アクチュエータがアンカの近傍に配置される電動式ドラムブレーキにおいて、ブレーキ反力に起因するバッキングプレートの撓み変形を防止し、電動アクチュエータにより高い精度で制動力を制御できるようにすることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、第1発明は、(a) 中心部に貫通穴が設けられた略円板形状を成しているとともに、その貫通穴に近い内周部において支持部材に一体的に固設されるバッキングプレートと、(b) そのバッキングプレートの外周部に互いに接近離間可能に略対称的に配設される円弧形状の一対のブレーキシューと、(c) その一対のブレーキシューの端部の近傍に位置固定に配設され、その一対のブレーキシューがブレーキドラムに押圧されることにより制動力を発生する際のブレーキ反力を受け止めるアンカと、(d) そのアンカの近傍において前記バッキングプレートに一体的に取り付けられ、直接または間接的に前記一対のブレーキシューをブレーキドラムに押圧する電動アクチュエータと、を有する電動式ドラムブレーキにおいて、(e) 前記バッキングプレートの外周側部分に位置する前記アンカは、前記バッキングプレートと別体に構成されているとともに、前記支持部材に直接固設するための第1取付穴と、その第1取付穴とは別に前記バッキングプレートに取り付けるための第2取付穴とを備えていることを特徴とする。
【0015】
第2発明は、(a) 中心部に貫通穴が設けられた略円板形状を成しているとともに、その貫通穴に近い内周部において支持部材に一体的に固設されるバッキングプレートと、(b) そのバッキングプレートの外周部に互いに接近離間可能に略対称的に配設される円弧形状の一対のブレーキシューと、(c) その一対のブレーキシューの一端部間に位置固定に配設され、その一対のブレーキシューの他端部が互いに離間させられてブレーキドラムに押圧されることにより制動力を発生する際のブレーキ反力を受け止めるアンカと、(d) そのアンカの近傍において前記バッキングプレートに一体的に取り付けられる電動アクチュエータと、(e) その電動アクチュエータと前記一対のブレーキシューとを機械的に連結し、その電動アクチュエータのブレーキ作動に伴ってその一対のブレーキシューの他端部を互いに離間させて前記ブレーキドラムに押圧する拡開機構と、を有するリーディング・トレーリング式の電動式ドラムブレーキにおいて、(f) 前記バッキングプレートの外周側部分に位置する前記アンカは、前記バッキングプレートと別体に構成されているとともに、前記支持部材に直接固設するための第1取付穴と、その第1取付穴とは別に前記バッキングプレートに取り付けるための第2取付穴とを備えていることを特徴とする。
【0016】
第3発明は、第1発明または第2発明の電動式ドラムブレーキにおいて、(a) 前記アンカは板状部材で、(b) 前記バッキングプレートの貫通穴と略同じ大きさの貫通穴が設けられているとともに、前記第1取付穴および前記第2取付穴が設けられており、その第2取付穴を介して予めそのバッキングプレートに取り付けられるとともに、その第1取付穴を介してそのバッキングプレートの内周部と共に前記支持部材に一体的に固設される平坦な固設部と、(c) その固設部に連続して設けられ、前記一対のブレーキシューの端部よりも前記バッキングプレートの内周側部分に配設された前記電動アクチュエータを跨ぐように、そのバッキングプレートから離間する方向へ曲成された迂回部と、(d) その迂回部に連続して設けられ、前記一対のブレーキシューの端部の近傍に位置してブレーキ反力を受ける係合部と、を有するものであることを特徴とする。
【0017】
【発明の効果】
第1発明の電動式ドラムブレーキにおいては、バッキングプレートの外周側部分でブレーキ反力を受け止めるアンカが、バッキングプレートと別体に構成されているとともに、第1取付穴を介して支持部材に直接固設されるようになっているため、制動時のブレーキ反力がアンカから支持部材へ直接伝達されるようになり、電動アクチュエータが配設されたバッキングプレートがブレーキ反力に起因して撓み変形する恐れがない。このため、制動時においても電動アクチュエータの姿勢が略一定に維持され、その電動アクチュエータによる制動力の制御精度が向上する。また、このようにブレーキ反力がバッキングプレートに作用しないことから、バッキングプレートの必要強度が緩和され、薄肉化や材質変更等が可能になり、例えばアルミニウム等の軽量な非鉄金属を採用することにより大幅な軽量化を図ることができる。
【0018】
第2発明は、前記図3に示すようなリーディング・トレーリング式ドラムブレーキに関するもので、実質的に第1発明の一実施態様に相当し、第1発明と同様の作用効果が得られる。
【0019】
第3発明では、アンカが、第1取付穴を介してバッキングプレートの内周部と共に支持部材に一体的に固設される平坦な固設部と、電動アクチュエータを跨ぐようにバッキングプレートから離間する方向へ曲成された迂回部と、一対のブレーキシューの端部の近傍に位置してブレーキ反力を受ける係合部と、を一体に有する板状部材であるため、プレス加工等によって簡単且つ安価に製造できる。また、第2取付穴を介して予めバッキングプレートに取り付けられるとともに、第1取付穴を介してそのバッキングプレートと共に一体的に支持部材に固設されるため、例えば前記図3の電動式ドラムブレーキ10においてアンカ18およびバッキングプレート12を貫通するボルトなどによりアンカ18をアクセルハウジング26に直接固設する場合に比較して、組付工数が増加することがないとともに大幅な設計変更が不要である。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の電動式ドラムブレーキは、第2発明のようにリーディング・トレーリング式のドラムブレーキに好適に適用されるが、第1発明の実施に際してはデュオサーボ式などの他のドラムブレーキにも適用され得る。アンカおよび電動アクチュエータがブレーキシューに対応して一対ずつ設けられる場合であっても良い。要するに、ブレーキシューをブレーキドラムに押圧する電動アクチュエータが、ブレーキ反力を受け止めるアンカの近傍に配設される種々の電動式ドラムブレーキに適用され得るのである。
【0021】
また、常用ブレーキにもパーキングブレーキにも適用可能で、常用ブレーキおよびパーキングブレーキの両方の機能を持たせることもできる。ブレーキペダルやパーキングブレーキレバー等のブレーキ操作部材の操作位置や操作力など運転者のブレーキ要求量に応じて、電動アクチュエータの電動モータのトルク制御や正逆回転制御などで制動力を制御することが可能である。パーキングブレーキとして用いる場合は、例えば前記特公平6−100239号公報に記載のように電動モータ等の逆回転を阻止するブレーキ維持機構を設けるなどすれば良い。
【0022】
電動アクチュエータは、例えば電動モータによりねじ機構を介して出力部材を直線移動させるように構成される。出力部材は、ブレーキシューに直接係合させられるようになっていても良いし、倍力レバーなどを介して間接的に係合させられるようになっていても良い。第2発明の拡開機構は、電動アクチュエータが間接的にブレーキシューに係合させられる場合で、例えば(a) 一方のブレーキシューの他端部近傍と電動アクチュエータの出力部材とに跨がって配設され、それぞれバッキングプレートに対して略垂直な回動軸心まわりの相対回動可能に連結された倍力レバーと、(b) その倍力レバーと他方のブレーキシューの他端部近傍とに跨がって配設されたストラットと、を備え、(c) 電動アクチュエータによって倍力レバーが一方のブレーキシューとの連結部を中心としてバッキングプレートの内周側へ回動させられることにより、ストラットを介して他方のブレーキシューの他端部を外周側へ押し出してブレーキドラムに押圧するとともに、その反力で一方のブレーキシューと倍力レバーとの連結部が外周側へ押し出されることにより、その一方のブレーキシューの他端部をブレーキドラムに押圧するように構成される。
【0023】
第3発明のアンカは、シューウェブと係合させられる係合部については、ブレーキシューのシューウェブと略同じか、ブレーキシューの振動等を考慮してそれより厚い板厚にて構成することが望ましく、固設部および迂回部については、それより薄くても良いが、固設部、迂回部、および係合部を含む全体を、シューウェブよりも厚い略一定の板厚の板状部材にて構成することが望ましい。シューウェブとの係合が外れることを防止するために、押え板等を別体に設けるようにしても良い。
【0024】
また、ブレーキシューの端部が、バッキングプレートの周方向において電動アクチュエータの両側に位置している場合や、電動アクチュエータよりも内周側に位置している場合には、電動アクチュエータを跨ぐ迂回部が不要で、例えば(a) バッキングプレートの貫通穴と略同じ大きさの貫通穴が設けられてバッキングプレートの内周部と共に前記支持部材に一体的に固設される平坦な固設部と、(b) その固設部に連続して設けられ、一対のブレーキシューの端部の近傍に位置してブレーキ反力を受ける係合部と、から成るアンカを採用することもできる。
【0025】
以下、本発明が前記図3の電動式ドラムブレーキ10に適用された場合について、図1および図2を参照しつつ詳細に説明する。なお、図3の電動式ドラムブレーキ10と共通する部分には同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0026】
図1の(a) は、本実施例の電動式ドラムブレーキ60の正面図で、(b) は(a) におけるB−B断面に相当する図であり、それぞれ前記図3の(a) 、(b) に対応する。そして、一対のブレーキシュー14、16の上端部(一端部)間に位置して制動時のブレーキ反力を受けるアンカ62は、単独で示す図2からも明らかなように、ブレーキシュー14、16のシューウェブの肉厚より厚い略一定の板厚の板状部材にて構成されており、プレスによる打抜き加工や曲げ加工によって所定形状に成形されたものである。図2の(a) はアンカ62の正面図で、(b) は(a) におけるB−B断面に相当する図である。
【0027】
このアンカ62は、バッキングプレート12の内周部と共にアクセルハウジング26に一体的に固設される平坦な固設部64と、一対のブレーキシュー14、16の上端部よりもバッキングプレート12の内周側部分に配設された前記電動アクチュエータ24を跨ぐようにバッキングプレート12から離間する方向へクランク状に曲成された迂回部66と、一対のブレーキシュー14、16の上端部間に位置してブレーキ反力を受ける係合部68とを一体に備えている。
【0028】
固設部64には、前記バッキングプレート12の貫通穴12hおよび取付穴12a(図3参照)に対応する位置に、それぞれそれ等と略同じ大きさの貫通穴64hおよび取付穴64aが形成されており、複数(図では4個)の取付穴12a、64aを挿通させられるボルト等により前記ベアリング装置28と共にアクセルハウジング26に一体的に固設される。固設部64にはまた、アクセルハウジング26から外周側へ突き出す部分に2個の取付穴64bが設けられ、アクセルハウジング26への組付けに先立ってアンカ62が2本のボルト70によってバッキングプレート12に取り付けられるようになっている。上記取付穴64aは第1取付穴に相当し、取付穴64bは第2取付穴に相当し、アクセルハウジング26は支持部材に相当する。
【0029】
また、係合部68には押え板72が図示しないボルト等の固設手段により一体的に固設され、ブレーキシュー14、16のシューウェブおよび前記引張コイルスプリング36と係合させられることにより、それ等がバッキングプレート12から所定量以上離間することを防止しており、これによりブレーキシュー14、16のシューウェブと係合部68の側面との当接状態が良好に維持される。
【0030】
このような電動式ドラムブレーキ60においては、バッキングプレート12の外周側部分でブレーキ反力を受けるアンカ62がアクセルハウジング26に直接固設され、制動時のブレーキ反力がアンカ62からアクセルハウジング26へ直接伝達されるため、電動アクチュエータ24が配設されたバッキングプレート12がブレーキ反力に起因して撓み変形する恐れがない。このため、制動時においても電動アクチュエータ24の姿勢が略一定に維持され、その電動アクチュエータ24による制動力の制御精度が向上する。
【0031】
また、このようにブレーキ反力がバッキングプレート12に作用しないことから、バッキングプレート12の必要強度が緩和され、薄肉化や材質変更等が可能で、例えばアルミニウム製のバッキングプレート12を採用することにより大幅な軽量化を図ることができる。
【0032】
また、本実施例のアンカ62は、バッキングプレート12の内周部と共にアクセルハウジング26に一体的に固設される平坦な固設部64と、電動アクチュエータ24を跨ぐようにバッキングプレート12から離間する方向へ曲成された迂回部66と、一対のブレーキシュー14、16の上端部間に位置してブレーキ反力を受ける係合部68と、を一体に有する板状部材であるため、プレス加工を主体とする加工によって簡単且つ安価に製造できる。
【0033】
また、アンカ62は予め一対のボルト70によってバッキングプレート12に取り付けられ、そのバッキングプレート12と共に一体的にアクセルハウジング26に固設されるため、例えば前記図3の電動式ドラムブレーキ10においてアンカ18およびバッキングプレート12を貫通するボルトなどによりアンカ18をアクセルハウジング26に直接固設する場合に比較して、組付工数が増加することがないとともに大幅な設計変更が不要である。
【0034】
なお、本実施例では駆動輪に配設される電動式ドラムブレーキ60について説明したが、従動輪に配設される電動式ドラムブレーキにも同様に適用され得る。
【0035】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された電動式ドラムブレーキの概略構成図で、(a) は正面図、(b) は(a) におけるB−B断面図である。
【図2】図1の電動式ドラムブレーキのアンカを単独で示す図で、(a) は正面図、(b) は(a) におけるB−B断面図である。
【図3】従来の電動式ドラムブレーキの一例を示す図で、図1に対応する図である。
【符号の説明】
12:バッキングプレート 14、16:ブレーキシュー 20:拡開機構 22:ブレーキドラム 24:電動アクチュエータ 26:アクセルハウジング(支持部材) 60:電動式ドラムブレーキ 62:アンカ 64:固設部 64a:取付穴(第1取付穴) 64b:取付穴(第2取付穴) 66:迂回部 68:係合部

Claims (3)

  1. 中心部に貫通穴が設けられた略円板形状を成しているとともに、該貫通穴に近い内周部において支持部材に一体的に固設されるバッキングプレートと、
    該バッキングプレートの外周部に互いに接近離間可能に略対称的に配設される円弧形状の一対のブレーキシューと、
    該一対のブレーキシューの端部の近傍に位置固定に配設され、該一対のブレーキシューがブレーキドラムに押圧されることにより制動力を発生する際のブレーキ反力を受け止めるアンカと、
    該アンカの近傍において前記バッキングプレートに一体的に取り付けられ、直接または間接的に前記一対のブレーキシューをブレーキドラムに押圧する電動アクチュエータと、
    を有する電動式ドラムブレーキにおいて、
    前記バッキングプレートの外周側部分に位置する前記アンカは、前記バッキングプレートと別体に構成されているとともに、前記支持部材に直接固設するための第1取付穴と、該第1取付穴とは別に前記バッキングプレートに取り付けるための第2取付穴とを備えている
    ことを特徴とする電動式ドラムブレーキ。
  2. 中心部に貫通穴が設けられた略円板形状を成しているとともに、該貫通穴に近い内周部において支持部材に一体的に固設されるバッキングプレートと、
    該バッキングプレートの外周部に互いに接近離間可能に略対称的に配設される円弧形状の一対のブレーキシューと、
    該一対のブレーキシューの一端部間に位置固定に配設され、該一対のブレーキシューの他端部が互いに離間させられてブレーキドラムに押圧されることにより制動力を発生する際のブレーキ反力を受け止めるアンカと、
    該アンカの近傍において前記バッキングプレートに一体的に取り付けられる電動アクチュエータと、
    該電動アクチュエータと前記一対のブレーキシューとを機械的に連結し、該電動アクチュエータのブレーキ作動に伴って該一対のブレーキシューの他端部を互いに離間させて前記ブレーキドラムに押圧する拡開機構と、
    を有するリーディング・トレーリング式の電動式ドラムブレーキにおいて、
    前記バッキングプレートの外周側部分に位置する前記アンカは、前記バッキングプレートと別体に構成されているとともに、前記支持部材に直接固設するための第1取付穴と、該第1取付穴とは別に前記バッキングプレートに取り付けるための第2取付穴とを備えている
    ことを特徴とする電動式ドラムブレーキ。
  3. 前記アンカは板状部材で、
    前記バッキングプレートの貫通穴と略同じ大きさの貫通穴が設けられているとともに、前記第1取付穴および前記第2取付穴が設けられており、該第2取付穴を介して予め該バッキングプレートに取り付けられるとともに、該第1取付穴を介して該バッキングプレートの内周部と共に前記支持部材に一体的に固設される平坦な固設部と、
    該固設部に連続して設けられ、前記一対のブレーキシューの端部よりも前記バッキングプレートの内周側部分に配設された前記電動アクチュエータを跨ぐように、該バッキングプレートから離間する方向へ曲成された迂回部と、
    該迂回部に連続して設けられ、前記一対のブレーキシューの端部の近傍に位置してブレーキ反力を受ける係合部と、
    を有するものである
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の電動式ドラムブレーキ。
JP35403299A 1999-12-14 1999-12-14 電動式ドラムブレーキ Expired - Fee Related JP3936731B2 (ja)

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