JP3935896B2 - 撮像レンズ、撮像モジュール及び携帯端末 - Google Patents
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例えば、3枚レンズ構成の場合、物体側から開口絞り、物体側が凸面である正のパワーを持つ第1レンズ、物体側が凹面である負のパワーを持つ第2レンズ、正のパワーを持つ第3レンズを順次配列して構成された撮像レンズ系は公知である。この技術を改良した提案が例えば、特許文献1,2に開示されている。特許文献1に示される撮像レンズは、画角が広い、諸収差が良好に補正されるなどの特徴を有する撮像レンズである。特許文献2に示される撮像レンズは、小型で、諸収差が良好に補正されるなどの特徴を有する撮像レンズである。
本発明は、これら従来技術に鑑み、小型軽量で、諸収差が好適に補正され、解像度が良好で、かつ、レンズ表面の賦形が容易な、3枚構成の撮像レンズ、この撮像レンズを使用した撮像モジュール及び携帯端末を提供することを目的とする。
0.5<f1/f<0.8 (1)
0.3<|f2|/f<0.7 (2)
0.5<f3/f<1.0 (3)
0.4<R1/|R2|<1.0 (4)
0.2<|R3|/|R4|<0.6 (5)
0.1<R5/R6<0.3 (6)
ただし、
f :本発明の撮像レンズ全体の焦点距離
f1 :第1レンズの焦点距離
f2 :第2レンズの焦点距離
f3 :第3レンズの焦点距離
R1 :第1レンズの物体側面の中心曲率半径
R2 :第1レンズの像側面の中心曲率半径
R3 :第2レンズの物体側面の中心曲率半径
R4 :第2レンズの像側面の中心曲率半径
R5 :第3レンズの物体側面の中心曲率半径
R6 :第3レンズの像側面の中心曲率半径
1.1< KD/LD<4.0 (7)
本実施形態の撮像レンズLは、図1の左側より、図示されていない物体、開口絞りS、正のパワーの第1レンズL1、負のパワーの第2レンズL2、正のパワーの第3レンズL3とが、順次配列された3枚構成のレンズである。開口絞りSを第1レンズL1の前に置くことで射出瞳を像面から離している。第3レンズL3と図示されない像との間に、透明平板Pが置かれる。この透明平板Pは、撮像レンズLと図示されていない撮像素子11との間に設置され、赤外カットフィルター、ローパスフィルター、又は、カバーガラスなどの機能を有するものが使用される。一点鎖線は光軸を示す。
0.5<f1/f <0.8 (1)
0.3<|f2|/f <0.7 (2)
0.5<f3/f <1.0 (3)
第1レンズL1のf1/fの値が、条件式(1)の下限値より小さいと、第1レンズL1の正のパワーが過度に大きくなり過ぎ、第2レンズL2以降の誤差感度が大となるので、好ましくない。また、上限値より大きくなると、正のパワーが小さくなり過ぎ、撮像レンズの全長の短縮化が難しくなる。
0.1<R5/R6<0.3 (4)
R5/R6の値が条件式(4)の範囲内であって、像側面のレンズ表面形状は中心部Aが概略凹面であり、周辺部Bが概略凸面とすることにより、諸収差の補正がより良好に行え、高画質になると共に、レンズサイズが大きくなるのを防止し、さらに、第3レンズL3の表面形状の賦形が容易となる。ここで、中心部Aと周辺部Bの領域は、所望のレンズの光学特性との関係でその領域は変動する。図2で説明すると、第3レンズL3の像側面のレンズの面と光軸との交点を中心Cとして、レンズ径LDの80%以内、好ましくは、60%以内の領域が概略凹面であって良く、また、レンズ径の周辺部80〜100%、好ましくは、60〜100%の領域が概略凸面であって良い。凹面と凸面が重なるレンズ径LDの60〜80%の領域は、レンズの光学特性や諸収差の補正の適否を考慮して、レンズの光学設計により、適宜、中心部Aから続く凹面であったり、周辺部Bから続く凸面であったりする領域となる。
0.4<R1/|R2|<1.0 (5)
0.2<|R3|/|R4|<0.6 (6)
プラスチック材料は、射出成形法などの方法により、複雑形状の成形品を生産性良く製造でき、軽量化が容易なため、撮像レンズ用の材料として有用である。しかし、プラスチック材料を使用しても、小型で、非球面の複雑な表面形状を有する撮像レンズの表面形状を精度良く、賦形することは難しい。特に、レンズの径が10mm以下の場合、賦形が難しくなる。このレンズ表面の賦形性を良くする方法として、従来、レンズの外周部に結像に寄与しないコバKBを設け、撮像レンズ製造時のプラスチックの成形加工性を改良する方法が知られている。しかし、成形加工性に有効なコバKBの形状についての提案は見当らない。
1.1< KD/LD<4.0 (7)
より好ましくは、1.1<KD/LD<3.0を満足させることにより、レンズの表面形状の賦形性は良好であった。
コバKBの形状は円形が好ましいが、楕円形であってもよい。また、図3のようにコバKBの一部に切り欠きがあってもよい。
KD=2.38mm、LD=5.00mm)、第2レンズL2のKD/LDは2.3(KD=7.30mm、LD=3.12mm)、第3レンズL3のKD/LDは1.3(KD=7.50mm、LD=5.74mm)である。
なお、プラスチックの射出成形等で撮像レンズLを成形する場合、前記のコバの外径KD以外にコバKBの厚さも影響する。しかし、コバKBの厚さは、撮像レンズLの形状、例えば、凹面か凸面か、レンズ厚さ等、また、組合される他のレンズとの間隔等、成形加工性以外の要因で決まることがあるため、明確に、規定することは難しい。
この撮像モジュール10は、CCD又はCMOSのいずれかからなる撮像素子11、本発明の撮像レンズL1、L2、L3、これら撮像レンズを固定、保持する鏡筒12、赤外カットフィルター、ローパスフィルター、もしくはカバーガラスのいずれかからなる透明平板P、フレキシブル基板、コネクターなどの外部との電気信号の送受ができる外部接続用端子を有する画像信号処理装置13、鏡筒12と接続固定すると共に透明平板P、画像信号処理装置13を保持する筐体14で構成されている。透明平板Pは赤外カットフィルター又は、ローパスフィルターとカバーガラスの組合せであってもよい。
f :撮像レンズ全体の焦点距離
f1 :第1レンズL1の焦点距離
f2 :第2レンズL2の焦点距離
f3 :第3レンズL3の焦点距離
FB :バックフォーカス
F :Fナンバー
R1 :第1レンズL1の物体側面の中心曲率半径
R2 :第1レンズL1の像側面の中心曲率半径
R3 :第2レンズL2の物体側面の中心曲率半径
R4 :第2レンズL2の像側面の中心曲率半径
R5 :第3レンズL3の物体側面の中心曲率半径
R6 :第3レンズL3の像側面の中心曲率半径
Tt :屈折面の間隔
nd :d線での屈折率
νd :アッペ数
図5は、実施例1の撮像レンズの配置を示す説明図である。図中Sは開口絞り、L1は
第1レンズ、L2は第2レンズ、L3は第3レンズ、Pは透明板である。なお、図5にはレンズ外周部のコバKBは記載していない。第1レンズL1及び第3レンズL3は、ASTM D542法に準じて測定したd線の屈折率が、1.509であるポリシクロオレフィン(商品名 ZEONEX、日本ゼオン製)を用い、第2レンズL2は、ASTM D542法に準じて測定したd線の屈折率が、1.585であるビスフェノール型ポリカーボネートを用い、それぞれ射出成形法により、製造された。この実施例1の撮像レンズLは以下の条件で設定されている。非球面係数は表1に示される。
面番号 曲率半径R(mm) 屈折面の間隔Tt(mm) 屈折率nd アッペ数νd
開口絞り ∞ 0.05
1 2.476 1.47 1.509 56.0
2 −4.315 0.77
3 −0.668 0.55 1.585 30.0
4 −1.659 0.05
5 1.454 1.72 1.509 56.0
6 5.331 0.50
7 ∞ 0.50 1.517 64.2
R5/R6=0.273である。本発明の目的を達成する撮像レンズである。
図13は、実施例2の撮像レンズの配置を示す説明図である。図中Sは開口絞り、L1は第1レンズ、L2は第2レンズ、L3は第3レンズ、Pは透明平面板である。なお、図13にはレンズ外周部のコバKBは記載していない。第1レンズL1及び第3レンズL3は、ASTM D542法に準じて測定したd線の屈折率が、1.509であるポリシクロオレフィン(商品名 ZEONEX、日本ゼオン製)を用い、第2レンズL2は、ASTM D542法に準じて測定したd線の屈折率が、1.585であるビスフェノール型ポリカーボネートを用い、それぞれ射出成形法により、製造された。この実施例2の撮像レンズLは以下の条件で設定されている。非球面係数は表2に示される。
f=4.341mm、f1=2.876mm、f2=−2.007mm、f3=3.0867mm、fB=0.630mm、光学長=6.000mm、F=2.8
面番号 曲率半径R(mm) 屈折面の間隔T(mm) 屈折率nd アッペ数νd
開口絞り ∞ 0.08
1 2.294 1.20 1.509 56.0
2 −3.334 0.74
3 −0.570 0.50 1.585 30.0
4 −1.466 0.03
5 1.392 1.57 1.509 56.0
6 7.545 0.50
7 ∞ 0.75 1.517 64.2
R5/R6=0.184である。本発明の目的を達成する撮像レンズである。
B :レンズの外周部
C :光軸
L :撮像レンズ
L1 :第1レンズ
L2 :第2レンズ
L3 :第3レンズ
Ln :レンズ部
St :開口しぼり
P :透明平板
KB :コバ
10 :撮像モジュール
11 :撮像素子
12 :鏡筒
13 :撮像モジュールに組込まれた透明平面板
14 ;画像信号処理装置
15 :筐体
16 :レンズ押え
17 :遮光マスク
Claims (6)
- 物体側から順に、開口絞り、物体側より像面側の曲率半径が大きい正のパワーの両凸面形状の第1レンズと、像側面が凸面形状の負のパワーの第2レンズと、像側面の光軸近傍が凹面形状であり、外周部が凸面形状である正のパワーの第3レンズとが、順次配列された撮像レンズにおいて、前記第1〜第3レンズの面の少なくとも1面以上が非球面形状であり、下記の条件式を満足することを特徴とする撮像レンズ。
0.5<f1/f<0.8 (1)
0.3<|f2|/f<0.7 (2)
0.5<f3/f<1.0 (3)
0.4<R1/|R2|<1.0 (4)
0.2<|R3|/|R4|<0.6 (5)
0.1<R5/R6<0.3 (6)
ただし、
f :本発明の撮像レンズ全体の焦点距離
f1 :第1レンズの焦点距離
f2 :第2レンズの焦点距離
f3 :第3レンズの焦点距離
R1 :第1レンズの物体側面の中心曲率半径
R2 :第1レンズの像側面の中心曲率半径
R3 :第2レンズの物体側面の中心曲率半径
R4 :第2レンズの像側面の中心曲率半径
R5 :第3レンズの物体側面の中心曲率半径
R6 :第3レンズの像側面の中心曲率半径 - 第1〜第3レンズの全ての面が、非球面形状であることを特徴とする請求項1記載の撮像レンズ。
- 第1〜第3レンズは全てがプラスチック材料で構成されており、これら全てのレンズは、外周部に結像に寄与しないコバを有し、コバの最長径KDとレンズの曲面終端の径LDとの比が下記条件式を満足することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の撮像レンズ。
1.1< KD/LD<4.0 (7)
ただし、
LD:レンズの曲面終端の径
KD:コバの最長径 - 第1レンズおよび第3レンズはASTM D542法に準じて測定したd線の屈折率が1.500〜1.540であるポリオレフィン系材料で構成され、第2レンズがASTM D542法に準じて測定したd線の屈折率が1.580〜1.615であるポリカーボネート系材料またはポリエステル系材料で構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の撮像レンズ。
- 自己の光電変換面上に照射された光に対応した画像信号を得る撮像素子と、
前記撮像素子の光電変換面上に被写体を結像させる、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の撮像レンズと、
物体側からの光入射用の開口部を有し、前記撮像レンズを保持、固定する鏡筒と、
前記撮像レンズから前記撮像素子に入射する有効光束を透過する透明平板と、
前記撮像素子を保持すると共に電気信号の送受を行う外部接続用端子を有する画像信号処理回路と、
前記透明平板、前記撮像素子、前記画像信号処理回路を保持、固定する筐体を含み、
これらが一体的に形成された撮像モジュール。 - 請求項5記載の撮像モジュールを備えることを特徴とする携帯端末。
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