JP3935591B2 - 軽量盛土構造物 - Google Patents

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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)
  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
  • Retaining Walls (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路や鉄道などの盛土、擁壁や橋台などの背面盛土などとして構築される盛土構造物に関する。
【0002】
【従来の技術】
道路や鉄道などの各種構造物を所定高さに構築する場合、従来より、山砂などのように締め固めやすい土砂類を既存の地盤上に積み上げ、盛土構造物の構築が行われている。
【0003】
ところで、湿田や湖沼地跡のような軟弱地盤地帯において、盛土構造による道路などを建設する場合、盛土構造物の荷重が既存の地盤に及ぼす悪影響が懸念される。具体的には、盛土による過大な載加荷重が既存地盤に作用した場合、この荷重によって既存地盤が重力方向に圧密され地盤沈下が生じる。また、これと併せて、道路方向と直角方向(道路側方)へ地盤が流動する、いわゆる側方流動現象も生じる。
【0004】
そこで、軟弱地盤地帯において道路構築を行う場合、地盤沈下や側方流動による地形変化を防止するための対策として、既存地盤と盛土との間に敷砂するサンドマット工法、盛土予定地の下部に砂杭を打設するサンドドレーン工法、盛土予定地に事前に仮盛土を行い、その荷重を利用して強制的に既存地盤の沈下を促進させた後、本来の盛土構造物を構築するプレロード工法など、数多くの工法が開発されている。
【0005】
また、近年では、盛土材料として発泡スチロール材(発泡ポリスチレン材)を使用する工法(EPS工法)が導入され、国内各地において実際に施工されている。EPS工法においては、盛土構造物の中核となる部分を、ブロック形状の発泡ポリスチレン材を一定規則に従って積み上げて形成していき、その外面部分を土砂などで覆うことによって盛土構造物を構築するものである。
【0006】
さらに、発泡ポリスチレンや発泡ポリプロピレンなどを素材とする発泡ビーズを土砂に混合することによって軽量化した盛土材を用いて盛土構造物を構築する工法も開発されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
サンドマット工法、サンドドレーン工法の場合、既存地盤を構成する土粒子の間隙に存在している地下水を盛土構造物の荷重によって外部へ排出することを主目的としており、地盤沈下そのものを完全に防止できないのが実状である。
【0008】
また、プレロード工法の場合、既存地盤を構成する土粒子の間隙に存在している地下水を完全に排出するには10〜20年、あるいはそれ以上の期間を必要とすることが多く、この期間中、地盤沈下は継続的に進行しているため、地盤沈下を抑制するだけで、防止することはできない。
【0009】
さらに、EPS工法の場合、発泡ポリスチレン材を地盤に固定する手段としてグラウンドアンカーなどの特殊な係止用具が必要であり、発泡ポリスチレン材どうしを連結するために特殊な連結部材を必要とするため、工事が複雑化し、工期が長期化するおそれがある。また、他の従来工法と比較して工事費用が高いことも難点である。
【0010】
他方、カルバートボックス、擁壁、橋台などのコンクリート構造物のスリム化を図るために、これらのコンクリート構造物の壁面に密着させて盛土構造物を構築することも行われている。この場合の盛土構造物に対しても、上記のような工法が応用されており、同様な問題点を内在している。
【0011】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、地盤沈下や地盤の側方流動の防止およびコンクリート構造物のスリム化を図るのに効果的で、耐久性に優れた軽量盛土構造物を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の軽量盛土構造物は、浮き上がり防止用の地盤固定材として地盤に打ち込んだ支柱に対して、発泡合成樹脂を熱溶融、固化させて形成した合成樹脂固形物であるブロック体とスペーサーとを交互に通して積層させ、その側方に支持部材を介して前記支柱に係止されたパネル材を立設し、前記ブロック体の積層空間とその周囲に発泡モルタルまたは発泡ウレタンを充填することによって構築したことを特徴とする。
【0013】
ここで、合成樹脂固形物とは、発泡合成樹脂を熱溶融し、固化させたインゴットを破砕した塊状体、または固化の過程で塊状に形成した塊状体、および固化後に成形したブロック体を含むものである。インゴットを破砕した塊状体の場合は、破砕の程度を変えることにより、塊状体のサイズ調整が可能である。また、後述するように地盤上に合成樹脂固形物を積層する場合は、積層作業の効率化を図るとともに、地盤上に積層したときの安定性を確保するために、合成樹脂固形物の形状は直方体や立方体、あるいは板状などの一定の形状に成形したブロック体とすることが望ましい。これらの合成樹脂固形物の塊状体あるいはブロック体と組み合わせる他の盛土材料としては、土砂、発泡モルタル、発泡ウレタンなどを用いることができる。
【0014】
合成樹脂固形物と土砂を組み合わせて用いる場合は、合成樹脂固形物の塊状体と土砂との混合物を地盤上に積み上げて盛土構造物とするか、合成樹脂固形物の塊状体の集積層と土砂層とを地盤上に交互に積層して盛土構造物とする、あるいは、地盤上に積層した合成樹脂固形物のブロック体を土砂で被覆して盛土構造物とすることができる。また、合成樹脂固形物と発泡モルタル、発泡ウレタンを組み合わせて用いる場合は、合成樹脂固形物のブロック体を地盤上に間隔を空けてまたは空けないで積層し、この積層空間と積層外部にまたは積層外部のみに発泡モルタルおよびまたは発泡ウレタンを充填して盛土構造物とすることができる。
【0015】
発泡合成樹脂を熱溶融、固化させた合成樹脂固形物の内部には、原材料の発泡合成樹脂の発泡セル中に内包されていた気体が加熱時に膨張することによって形成された多数の空隙が含まれているため、合成樹脂固形物の比重は土砂の平均比重である2.7より小さくなる。また、合成樹脂固形物は、本来形状保持性に優れた発泡合成樹脂を熱溶融、固化させて形成したものであるため、軟岩に相当する程度の高い強度を有している。したがって、合成樹脂固形物と土砂とを組み合わせた盛土材の比重は土砂の比重より小さくなり、この盛土材で盛土構造物を構築すれば、盛土構造物全体が軽量化、高強度化するため、地盤沈下や地盤の側方流動の発生を防止することができ、さらに、コンクリート構造物の壁面に密着させて盛土構造物を構築した場合、コンクリート構造物のスリム化を図ることができる。また、合成樹脂固形物と発泡モルタル、発泡ウレタンを組み合わせて盛土構造物を構築すれば、従来の発泡モルタルや発泡ウレタンのみで軽量盛土構造物を構築する場合に比して安価で経済的に軽量盛土構造物を構築することができる。
【0016】
また、合成樹脂固形物は、腐食が発生せず、耐久性、経済性にも優れている。さらに、合成樹脂固形物に含まれる空隙はそれぞれが独立構造であるため、施工後、雨水や地下水などの水分を吸収して重量増大を招くこともなく、初期状態を長期間に渡って維持することができる。
【0017】
発泡合成樹脂を熱溶融、固化させて合成樹脂固形物とする際の溶融温度は80〜300℃が好ましい。溶融温度が80℃より低い場合は合成樹脂固形物に含まれる空隙が増加するため強度が低下する傾向があり、300℃より高い場合は空隙が減少して見かけ比重が大となるため軽量盛土材としての機能が失われる。80〜300℃で熱溶融、固化させた合成樹脂固形物は、見かけ比重と強度とのバランスが良好となり、軽量かつ高強度であって、地盤沈下などの防止機能や耐久性などに優れた軽量盛土構造物を構築することができる。また、合成樹脂固形物の見かけ比重が0.4〜1.0であれば、土砂と混合する場合の分散性が向上して、均一な性状の混合物を得ることができる。
【0018】
合成樹脂固形物と土砂との混合物を盛土材とする場合は、混合物における合成樹脂固形物の配合率を25〜75重量%とすることにより、合成樹脂固形物と土砂との間で強い結合力が得られる。合成樹脂固形物の配合率が25重量%より小さい場合は土砂の性質に近づくため軽量盛土材としての機能が低下して地盤沈下などを誘発する可能性が高まり、75%より大である場合は混合物の結合力が低下するため、施工後、長時間経過したときの安定性や耐久性が低下する。
【0019】
本発明において用いる合成樹脂固形物の原材料である発泡合成樹脂としては、発泡ポリスチレンが適している。発泡ポリスチレンを熱溶融、固化することにより、比重が約0.7、一軸圧縮強度が200kgf/cm2 程度の合成樹脂固形物を得ることができる。したがって、この合成樹脂固形物を土砂や発泡モルタル、発泡ウレタンなどと組み合わせて盛土材とすることにより、盛土構造物全体の軽量化および高強度化を図ることができる。
【0020】
この場合、原材料として使用済み廃材である発泡ポリスチレンを使用することにより、大幅なコスト低減を図ることができ、産業廃棄物の有効活用を通じて環境汚染防止にも寄与することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は軽量盛土構造物を構成する合成樹脂固形物の製造工程を示す説明図であり、図2は第1実施形態である軽量盛土構造物を示す縦断面図である。
【0022】
まず、図1を参照して、本実施形態において盛土材料として用いた合成樹脂固形物の塊状体(以下、塊状固形物という)12の製造方法について説明する。同図に示すように、廃棄物である発泡ポリスチレン11を熱溶融、固化させてインゴット16を形成し、このインゴット16を破砕するか、または、固化の過程で塊状に形成するかして、塊状固形物12を得る。塊状固形物12の内部には、元の発泡ポリスチレン11の発泡セル中に内包されていた気体が加熱によって膨張する際に形成された多数の空隙17(図2参照)を含んだ構造となっている。
【0023】
本実施形態においては、発泡ポリスチレン11の溶融温度を80〜300°Cとして、見かけ比重が0.7程度で、一軸圧縮強度が200kgf/cm2 程度の塊状固形物12を得た。この塊状固形物12と土砂13との混合物14は強度が高く、土砂13よりも軽いものとなる。
【0024】
図2の軽量盛土構造物10は、この塊状固形物12と土砂13との混合物14を地盤15の上に積み上げて構築したものである。
【0025】
このように塊状固形物12と土砂13との混合物14を盛土材料として用いることにより、軽量盛土構造物10全体が軽量化し、地盤15が軟弱である場合でも、地盤15の沈下や地盤15の側方流動が発生しない。また、塊状固形物12は、水分の多い状況下においても腐食しないため、軽量盛土構造物10の耐久性も優れたものとなり、初期状態を長期間に渡って維持することができる。
【0026】
また、本実施形態では、塊状固形物12の原材料となる発泡合成樹脂として、使用済み廃材である発泡ポリスチレン11を使用しているため、大幅なコスト低減を図ることができるとともに、産業廃棄物の有効活用を通じて環境汚染防止に寄与することができる。
【0027】
さらに、本実施形態では、塊状固形物12の見かけ比重を0.4〜1.0としたところ、土砂13と混合した場合の分散性が良好であり、混合状態も均一となり、均質な軽量盛土構造物10を構築することができた。
【0028】
また、本実施形態においては、土砂13と塊状固形物12との混合物14における塊状固形物12の配合率を50重量%としたところ、強い結合力を得ることができ、耐久性に優れた軽量盛土構造物10を構築することができた。
【0029】
次に、図3を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。図3は第2実施形態である軽量盛土構造物を示す縦断面図である。
【0030】
本実施形態の軽量盛土構造物20は、塊状固形物12の集積層21と土砂層22とを、地盤15上に交互に積層させて構築している。このような積層構造とすることにより、第1実施形態の場合のように塊状固形物と土砂を混合する手間を省くことができる。また、集積層21は発泡合成樹脂を原材料とする塊状固形物12で形成されているので強度が高く、腐食が発生せず、耐久性にも優れている。本実施形態における軽量盛土構造物20も、土砂のみで形成した盛土構造物より全体重量が軽いものとなるため、施工後、地盤沈下や地盤の側方流動などが発生しない。
【0031】
次に、図4を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。図4は第3実施形態である軽量盛土構造物を示す縦断面図である。
【0032】
本実施形態の軽量盛土構造物30は、図1に示すインゴット16を直方体形状に成形したブロック体31を地盤15上に積層し、これらのブロック体31の外部を土砂32で被覆して構築したものである。このような構成とすることにより、土砂より比重の小さなブロック体31を主要部とする構造となるため、土砂のみで構築した場合より全体重量が軽くなり、施工後、地盤沈下や地盤の側方流動などが発生しない。
【0033】
本実施形態において、ブロック体31は、多数の空隙33を含む構造であるため軽量かつ高強度であり、腐食が発生せず、耐久性にも優れている。また、ブロック体31は直方体形状であるため、地盤15上に積層する際の作業性が良好であり、積層後の安定性も優れている。なお、ブロック体31はこの形状に限定するものではなく、施工現場の条件などに応じて様々な形状のものを用いることができ、例えば、図1に示すような立方体形状のブロック体34を用いることもできる。
【0034】
次に、図5,6を参照して、本発明の第4実施形態について説明する。図5は第4実施形態である軽量盛土構造物を示す縦断面図、図6は図5の部分拡大図である。
【0035】
本実施形態の軽量盛土構造物40は、既設の盛土構造物41の側方に拡幅盛土として構築したものである。軽量盛土構造物40は、浮き上がり防止用の地盤固定材として地盤15に打ち込んだ支柱43に対して、合成樹脂固形物であるブロック体42とスペーサー44とを交互に通して積層させ、その側方にパネル材45を立設し、これらのブロック体42の積層空間とその周囲に発泡モルタル(または発泡ウレタン)46を充填することによって構築したものである。この場合、支柱43はボルト・ナット部43aによって連結されており、パネル材45はパネル固定用の支持部材47を介して支柱43に係止されている。なお、スペーサー44を使用しないでブロック体42を積層し、その周囲に発泡モルタル(または発泡ウレタン)46を充填することもできる。
【0036】
このような構成とすることにより、軽量盛土構造物40は、発泡モルタル(または発泡ウレタン)46より安価なブロック体42を主要部とし、その積層空間と周囲に発泡モルタル(または発泡ウレタン)46を充填した構造となるため、従来のように発泡モルタル(または発泡ウレタン)のみで軽量盛土構造物を構築した場合よりも安価で経済的になり、また土砂のみで構築した場合よりも全体重量が軽くなり、施工後、地盤沈下や地盤の側方流動などが発生しない。また、この工法により用地面積を削減することができる。
【0037】
次に、図7を参照して、本発明の第5実施形態について説明する。図7(a)〜(c)は第5実施形態を示す縦断面図である。本実施形態は、橋台の背面に軽量盛土構造物を構築した例である。
【0038】
同図(a)の軽量盛土構造物50aは、橋台51の背面に、塊状固形物12と土砂13との混合物14を積み上げることによって構築したものである。また、同図(b)の軽量盛土構造物50bは、橋台51の背面に、塊状固形物12の集積層52と土砂層53とを交互に積層させることによって構築したものである。さらに、同図(c)の軽量盛土構造物50cは、橋台51の背面に、合成樹脂固形物であるブロック体54を積層し、その周囲に土砂13を充填することによって構築したものである。
【0039】
塊状固形物12、ブロック体54は、発泡ポリスチレンを熱溶融、固化させて形成したものであり、土砂より軽量であるため、橋台51の背面土圧が低減され、地盤沈下や地盤の側方流動などが発生せず、初期状態を長期間に渡って維持することが可能である。また、背面土圧が低減することによって、橋台51のスリム化を図ることができ、安価で経済的な工法となる。なお、本実施形態と同様な工法により、擁壁のスリム化のための軽量盛土構造物を構築することもできる。
【0040】
次に、図8を参照して、本発明の第6実施形態について説明する。図8(a)〜(c)は第6実施形態を示す縦断面図である。本実施形態は、ボックスカルバートの側方および上方に軽量盛土構造物を構築した例である。
【0041】
同図(a)の軽量盛土構造物60aは、ボックスカルバート61の側方と上方に、塊状固形物12と土砂13との混合物14を積み上げることによって構築したものである。また、同図(b)の軽量盛土構造物60bは、ボックスカルバート61の側方と上方に、塊状固形物12の集積層62と土砂層63とを交互に積層させることによって構築したものである。さらに、同図(c)の軽量盛土構造物60cは、ボックスカルバート61の側方と上方に、合成樹脂固形物であるブロック体64を積層し、その周囲に土砂13を充填することによって構築したものである。
【0042】
塊状固形物12、ブロック体64は、発泡ポリスチレンを熱溶融、固化させて形成したものであり、土砂より軽量であるため、ボックスカルバート61の側面土圧が低減され、地盤沈下や地盤の側方流動などが発生せず、初期状態を長期間に渡って維持することが可能である。また、側面土圧が低減されることにより、設計耐荷重の低減が可能となり、これによって、コンクリート構造物本体のスリム化を図ることができる。
【0043】
なお、本発明の軽量盛土構造物は、これらの実施の形態に限定するものではなく、高速道路をはじめ一般国道など道路全般の建設あるいは鉄道建設などのほか、平面交差道路や平面交差鉄道の路体や路床などにも採用することができる。
【0044】
【発明の効果】
本発明により、以下の効果を奏することができる。
【0045】
(1)発泡合成樹脂を熱溶融、固化させた合成樹脂固形物を含む盛土材をもって盛土構造物全体を構築することにより、盛土構造物全体が軽量化、高強度化し、地盤沈下や地盤の側方流動の発生を防止することができる。さらに、コンクリート構造物の補強用に用いた場合、コンクリート構造物のスリム化を図ることができる。
【0046】
(2)合成樹脂固形物は、腐食が発生せず、耐久性、経済性にも優れており、さらに、合成樹脂固形物に含まれる空隙はそれぞれが独立構造であるため、施工後、雨水や地下水などの水分を吸収して重量増大を招くこともなく、初期状態を長期間に渡って維持することができる。
【0047】
(3)合成樹脂固形物と発泡モルタル、発泡ウレタンを組み合わせて盛土構造物を構築すれば、従来の発泡モルタルや発泡ウレタンのみで軽量盛土構造物を構築する場合に比して安価で経済的に軽量盛土構造物を構築することができる。
【0048】
(4)合成樹脂固形物として、発泡合成樹脂を80〜300℃で熱溶融、固化させたものを用いることにより、合成樹脂固形物の見かけ比重と強度とのバランスが良好となり、軽量かつ高強度であって、地盤沈下などの防止機能や耐久性などに優れた軽量盛土構造物を構築することができる。
【0049】
(5)見かけ比重が0.4〜1.0の合成樹脂固形物を用いることにより、土砂と混合したときの分散性が向上し、均一な性状の混合物を得ることができるため、強度や耐久性に優れた軽量盛土構造物を構築することができる。
【0050】
(6)合成樹脂固形物と土砂との混合物における合成樹脂固形物の配合率を25〜75重量%とすることにより、軽量化が図られ、塊状固形物と土砂との強い結合力が得られ、強度や耐久性に優れ、長期間に渡って初期状態を維持することが可能な軽量盛土構造物を構築することができる。
【0051】
(7)原材料の発泡合成樹脂として発泡ポリスチレンを用いることにより、見かけ比重と強度とのバランスがとくに良好な合成樹脂固形物が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】軽量盛土構造物を構成する合成樹脂固形物の製造工程を示す説明図である。
【図2】第1実施形態である軽量盛土構造物を示す縦断面図である。
【図3】第2実施形態である軽量盛土構造物を示す縦断面図である。
【図4】第3実施形態である軽量盛土構造物を示す縦断面図である。
【図5】第4実施形態である軽量盛土構造物を示す縦断面図である。
【図6】図5の部分拡大図である。
【図7】第5実施形態である軽量盛土構造物を示す縦断面図である。
【図8】第6実施形態である軽量盛土構造物を示す縦断面図である。
【符号の説明】
10,20,30,40,50a〜50c,60a〜60c 軽量盛土構造物
11 発泡ポリスチレン
12 塊状固形物
13,32 土砂
14 混合物
15 地盤
16 インゴット
17,33 空隙
21,52,62 集積層
22,53,63 土砂層
31,34,42,54,64 ブロック体
41 盛土構造物
43 支柱
43a ボルト・ナット部
44 スペーサー
45 パネル材
46 発泡モルタル(発泡ウレタン)
47 支持部材
51 橋台
61 ボックスカルバート

Claims (4)

  1. 浮き上がり防止用の地盤固定材として地盤に打ち込んだ支柱に対して、発泡合成樹脂を熱溶融、固化させて形成した合成樹脂固形物であるブロック体とスペーサーとを交互に通して積層させ、その側方に支持部材を介して前記支柱に係止されたパネル材を立設し、前記ブロック体の積層空間とその周囲に発泡モルタルまたは発泡ウレタンを充填することによって構築したことを特徴とする軽量盛土構造物。
  2. 前記合成樹脂固形物が、発泡合成樹脂を80〜300℃で熱溶融、固化させたものである請求項1記載の軽量盛土構造物。
  3. 前記合成樹脂固形物の見かけ比重が0.4〜1.0である請求項1または2記載の軽量盛土構造物。
  4. 前記合成樹脂固形物が、発泡ポリスチレンを熱溶融、固化させたものである請求項1〜3のいずれかに記載の軽量盛土構造物。
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