JP3450742B2 - 軽量盛土構造 - Google Patents

軽量盛土構造

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JP3450742B2
JP3450742B2 JP08553199A JP8553199A JP3450742B2 JP 3450742 B2 JP3450742 B2 JP 3450742B2 JP 08553199 A JP08553199 A JP 08553199A JP 8553199 A JP8553199 A JP 8553199A JP 3450742 B2 JP3450742 B2 JP 3450742B2
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embankment
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健夫 安野
吏慶 天辻
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ダウ化工株式会社
健夫 安野
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  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
  • Retaining Walls (AREA)
  • Road Paving Structures (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発泡プラスチック
ブロックを盛土材料として用いる軽量盛土に関し、特に
傾斜地の拡幅軽量盛土や自立壁の軽量盛土の構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】傾斜地の拡幅盛土や自立壁の盛土の工法
として、盛土構造の軽量化や土圧軽減等を図るために、
盛土材料に超軽量の発泡プラスチックブロックを用いる
工法が知られている。
【0003】傾斜地の拡幅盛土では、例えば図9に示す
ように、背面傾斜地102と前面壁103との間に発泡
プラスチックブロックが充填され、これにより前面壁1
03の背面に作用する土圧、すなわち主働土圧の低減が
図られている。
【0004】また、載荷重の分散や発泡プラスチックブ
ロックの保護及び不陸整地等を目的として、発泡プラス
チックブロックの最上部及び中間部に夫々コンクリート
床版105及び104が配設される。
【0005】また、かかる盛土構造の頂部にコンクリー
ト床版105、路床(砂層)106、下層路盤(切込砕
石層)107、上層路盤(粒調砕石層)108、表層1
09等からなる道路舗装体110が形成される場合に
は、さらに車両の交通荷重が舗装体110を伝搬して発
泡プラスチックブロックに作用する。この発泡プラスチ
ックブロックに作用する交通荷重は、舗装体110の厚
さと密接な関係があり、舗装体110が薄いとそれだけ
発泡プラスチックブロックには大きな交通荷重が作用す
る。逆に言えば、より高密度で圧縮強度の高い発泡プラ
スチックブロックを用いれば、舗装体110の厚さを薄
くでき、より経済的な道路設計が可能になる。
【0006】このため、従来から最上層の発泡プラスチ
ックブロック101bには、下層に用いる発泡プラスチ
ックブロック101aよりも高密度で圧縮強度の高いも
のが用いられることが多い。
【0007】自立壁の軽量盛土では、例えば図10に示
すように、対向する壁体112a,112b間に盛土材
料として発泡プラスチックブロックが充填される。ま
た、前記と同様に発泡プラスチックブロックの最上部及
び中間部に夫々コンクリート床版105及び104が配
設され、最上層の発泡プラスチックブロック101bに
は、下層に用いる発泡プラスチックブロック101aよ
りも高密度で圧縮強度の高いものが用いられることが多
い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述のように超軽量の
発泡プラスチックブロックを盛土材として用いることに
より、主働土圧を大幅に低減することができ、例えば傾
斜地の拡幅盛土においては拡幅可能な幅を増すことがで
き、自立壁においてはより高い構造体が可能となる。
【0009】しかしながら、図9及び図10に示したよ
うな軽量盛土構造体を構築する際、特に重量物たる舗装
体等が軽量盛土構造の最上部に形成される場合には、以
下のような不具合が生じる場合がある。 特に勾配がきつい傾斜地に対して大規模な拡幅盛土構
造を構築する場合、交通荷重及び舗装体等を含む盛土躯
体自重による大きな滑動力によって一部の発泡プラスチ
ックブロックに塑性歪みが生じる場合がある。 特に高い盛土構造を構築する場合、地震時に舗装体を
含む盛土躯体の重心の位置が偏ることで、一部の発泡プ
ラスチックブロックに塑性歪みが生じる場合がある。
【0010】盛土材である発泡プラスチックブロックに
大きな塑性歪みが発生すると、盛土構造の安定性が低下
し、最悪の場合には盛土構造体の転倒、崩壊に繋がる危
険性もある。
【0011】本発明は、上記事情に鑑み、傾斜地拡幅盛
土や自立壁の軽量盛土の新規な構造、特に重量物たる舗
装体等が最上部に形成される場合にも盛土構造の安定性
を高める新規な構造を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく成
された本発明の構成は以下の通りである。
【0013】すなわち、本発明の第1は、前面壁と背面
傾斜地との空所に発泡プラスチックブロックを盛土材と
して用いる傾斜地の拡幅盛土構造において、敷設面積の
最も小さい空所の最底部を含む少なくとも一層に用いる
発泡プラスチックブロックを、その上方部に用いる発泡
プラスチックブロックよりも圧縮強度の高い高密度のも
のとしたことを特徴としているものである。
【0014】上記本発明の第1の軽量盛土構造によれ
ば、傾斜地拡幅盛土構造における背面勾配の傾斜角度に
よって大きな滑動力が働く場合にも、最大応力がかかる
下層の発泡プラスチックブロックに構造上問題となるよ
うな大きな塑性歪みが発生するのを防止でき、特に重量
物たる舗装体等が最上部に形成される場合にも、十分な
安定性、信頼性を有する軽量盛土構造とすることができ
る。
【0015】また、本発明の第2は、前面壁と背面傾斜
地との空所に発泡プラスチックブロックを盛土材として
用いる傾斜地の拡幅盛土構造において、前面壁の背面直
後に用いる発泡プラスチックブロックを、その後方部に
用いる発泡プラスチックブロックよりも圧縮強度の高い
高密度のものとしたことを特徴としているものである。
【0016】また、本発明の第3は、壁体間の空所に発
泡プラスチックブロックを盛土材として用いる自立壁の
盛土構造において、壁体の背面直後に用いる発泡プラス
チックブロックを、中間部に用いる発泡プラスチックブ
ロックよりも圧縮強度の高い高密度のものとしたことを
特徴としているものである。
【0017】上記本発明の第2もしくは第3の軽量盛土
構造によれば、傾斜地拡幅軽量盛土構造(本発明の第
2)もしくは自立壁軽量盛土構造(本発明の第3)にお
いて、地震時の水平力によって盛土躯体の重心の位置が
偏った場合にも、最大応力がかかる前面壁もしくは壁体
の背面直後の発泡プラスチックブロックに構造上問題と
なるような大きな塑性歪みを防止でき、特に重量物たる
舗装体等が最上部に形成される場合にも十分な安定性、
信頼性を有する軽量盛土構造とすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明は、盛土構造体の適宜の箇
所に高密度の発泡プラスチックブロックを盛土材として
用いることで、構造的に安定な軽量盛土構造をより経済
的に実現するものであり、以下に具体例を挙げて詳細に
説明する。
【0019】先ず、本発明の第1の軽量盛土構造につい
て説明する。
【0020】図1は、本発明の第1の軽量盛土構造の一
例を模式的に示した立断面図である。図中、1aは低密
度の発泡プラスチックブロック、1bは高密度の発泡プ
ラスチックブロック、2は背面傾斜地、3は前面壁、4
は発泡プラスチック充填層の中間部に配置されたコンク
リート床版、11は基礎コンクリートである。また、1
0はコンクリート床版5、路床6、下層路盤7、上層路
盤8、表層9等からなる道路舗装体である。
【0021】本例のような傾斜地拡幅盛土構造におい
て、背面傾斜地の勾配がきつい程、同じ拡幅(道路幅)
をする場合にも盛土構造がより高く大規模になると共
に、背面傾斜方向下向きにより大きな力(本明細書では
「滑動力」と称す)が発生する。かかる滑動力は発泡プ
ラスチックブロックに対しては圧縮力として作用する
が、発泡プラスチックブロックの断面は下層ほど小さく
なるため、下層の発泡プラスチックブロックほどより大
きな圧縮応力が作用することになる。
【0022】そこで、本発明の第1では、前面壁3と背
面傾斜地2との空所(盛土材充填層)の最底部を含む少
なくとも一層に、より圧縮強度の高い高密度の発泡プラ
スチックブロック1bを用いることにより、上記滑動力
による圧縮に十分対抗できるものとし、かかる下層の発
泡プラスチックブロックに大きな塑性歪みが発生するの
を防止している。
【0023】高密度の発泡プラスチックブロック1b
は、具体的には密度が22kg/m3より大きいものが
好ましく、より好ましくは24kg/m3 以上、特に好
ましくは28kg/m3 以上のものが望ましい。一方、
低密度の発泡プラスチックブロック1aは、具体的には
密度が15kg/m3 以上22kg/m3 以下のものが
好ましい。
【0024】発泡プラスチックブロックとしては、強度
的に優れたものが好ましく、例えばポリスチレン発泡
体,ポリエチレン発泡体,ポリウレタン発泡体等を用い
ることができ、特に強度的にも耐水性にも優れるポリス
チレン発泡体が好適である。
【0025】発泡プラスチックブロックとしては、予備
発泡させたビーズを金型内に入れ、加熱及び冷却するこ
とにより所定密度に成形する型内発泡法によるもの、高
圧下で溶融プラスチックに発泡剤を注入混合して流動性
のゲルを作り、これを大気中に押出して急速に膨張させ
る押出発泡法によるものとがあるが、押出発泡法による
ものは型内発泡法によるものよりも圧縮強度が高い。
【0026】このため、本発明においては、高密度の発
泡プラスチックブロック1bとして押出発泡ポリスチレ
ンを特に好ましく用いることができ、これよりも低密度
の発泡プラスチックブロック1aとして型内発泡ポリス
チレンを好ましく用いることができる。
【0027】高密度の発泡プラスチックブロック1bと
して好適な押出発泡ポリスチレンとしては、具体的に
は、ダウ化工株式会社製商品名ライトフィルブロックD
X−29(密度:29±2.0kg/m3 、許容圧縮応
力:14tonf/m2 )、同DX−35(密度:35
±3.0kg/m3 、許容圧縮応力:20tonf/m
2 )が挙げられる。
【0028】また、低密度の発泡プラスチックブロック
1aとして好適な型内発泡ポリスチレンとしては、具体
的には、ダウ化工株式会社製商品名ライトフィルブロッ
クD−16(密度:16±1.0kg/m3 、許容圧縮
応力:3.5tonf/m2)、同D−20(密度:2
0+1.5(−1.0)kg/m3 、許容圧縮応力:5
tonf/m2 )、同D−25(密度:25±1.5k
g/m3 、許容圧縮応力:7tonf/m2 )が挙げら
れる。
【0029】なお、低密度及び高密度の発泡プラスチッ
クブロックの組み合わせは設計条件に応じて適宜に行う
ことができ、特に限定されるものではない。例えば低密
度の発泡プラスチックブロック1aとして上記ライトフ
ィルブロックD−16もしくはD−20を用いる場合に
は、上記ライトフィルブロックD−25を高密度の発泡
プラスチックブロック1bとして用いることもできる。
【0030】発泡プラスチック材の標準試験法(JIS
K 7220)では圧縮強さは5%歪時の圧縮応力と
しているが、5%歪時では塑性変形が生じ始めており、
変形も残留する。また、繰り返し荷重に対して弾塑性的
挙動を示す領域は、圧縮歪1%以下で圧縮比例限と一致
しており、この時の荷重は5%圧縮強さの約1/2であ
る。このため、上記許容圧縮応力は、5%圧縮強さの1
/2としている。
【0031】したがって、盛土材として発泡プラスチッ
ク材を用いる場合には、各部の発泡プラスチックブロッ
クの圧縮応力が上記許容圧縮応力以下となるように設計
することにより塑性歪みの発生を防止することができ、
安定性、信頼性の高い軽量盛土構造とすることができ
る。
【0032】本発明の第1の軽量盛土構造において、高
密度の発泡プラスチックブロック1bを用いる範囲は、
低密度の発泡プラスチックブロック1aの許容圧縮応力
及び前記滑動力の大きさによって適宜設計される。具体
的には、例えば滑動力が9tonf/mであり、低密度
の発泡プラスチックブロック1aとして許容圧縮応力が
5tonf/m2 のもの(前記ライトフィルブロックD
−20)を用いる場合には、幅W(図1参照)が1.8
m以下の層に前記ライトフィルブロックDX−29(許
容圧縮応力:14tonf/m2 )を発泡プラスチック
ブロック1bとして用いれば良い。
【0033】高密度の発泡プラスチックブロック1bと
して好適な押出発泡ポリスチレンは、通常の製造設備で
は、発泡性ポリスチレンビーズを原材料とする型内発泡
ポリスチレンのように厚さの大きいものは製造できず、
例えば500mmもの厚さの押出ポリスチレン発泡体を
商業的に製造するのは、設備が特殊で製造コストが高価
となり、経済的な理由から現実的ではない。また、一般
に押出発泡では中心部の密度が低くなり、500mmも
の厚さの押出ポリスチレン発泡体では密度が厚み方向に
均一な製品が得られず、安定した製品を得るのが難しく
なり、製造上の技術的な理由からも現実的ではない。現
実には、100mm以上の厚さのものは製品の均質性が
極端に悪くなるという問題があり、押出ポリスチレン発
泡体は商業的に製造する場合100mm程度の厚さが現
実的な限界と言える。
【0034】このため、本発明の高密度の発泡プラスチ
ックブロック1bとして押出発泡ポリスチレンを用いる
際には、押出発泡ポリスチレン板状体の複数枚を接着剤
で積層してブロック状に形成したものを用いることが好
ましい。
【0035】すなわち、通常の製造設備で量産可能で、
製品の均質性を確保できる厚さ(具体例として100m
m)の押出発泡ポリスチレン板の複数を接着剤により一
体化して発泡プラスチックブロックを構成すれば、大き
な発泡プラスチックブロックの製造に特殊な製造設備が
不要であり、製造コストを削減できると共に、このよう
にして構成された発泡プラスチックブロックは、押出発
泡ポリスチレン板が有する優れた圧縮強度及び耐水性能
をそのまま保持することができ、安定性、信頼性の高い
軽量盛土構造を構築できるものである。
【0036】次に、本発明の第2の軽量盛土構造につい
て説明する。
【0037】図2は、本発明の第2の軽量盛土構造の一
例を模式的に示した立断面図である。なお、図1と同一
の符号は同一部材を示しており、1cは高密度の発泡プ
ラスチックブロックである。
【0038】傾斜地拡幅盛土構造において、特に重量物
たる舗装体10が最上部に形成されると、地震時に極め
て大きな水平力が発生し、かかる水平力によって軽量盛
土躯体の重心が前面壁側に偏り、前面壁側の地盤反力が
増大する。このように増大した地盤反力は、前面壁の背
面直後の発泡プラスチックブロックに対して大きな圧縮
力として作用する。
【0039】そこで、本発明の第2では、前面壁の背面
直後の部分に、より圧縮強度の高い高密度の発泡プラス
チックブロック1cを用いることにより、上記地震時の
地盤反力による圧縮に十分対抗できるものとし、かかる
部分の発泡プラスチックブロックに大きな塑性歪みが発
生するのを防止している。
【0040】なお、高密度の発泡プラスチックブロック
1cとしては、前述の発泡プラスチックブロック1bと
同様のものを用いることができる。
【0041】本発明の第2の軽量盛土構造において、高
密度の発泡プラスチックブロック1cを用いる範囲は、
低密度の発泡プラスチックブロック1aの許容圧縮応力
及び前記地盤反力の大きさによって適宜設計される。具
体的には、例えば低密度の発泡プラスチックブロック1
aとして許容圧縮応力が5tonf/m2 のもの(前記
ライトフィルブロックD−20)を用いる場合には、地
震時の前面壁側の地盤反力が5tonf/m2 を超える
部分(但し14tonf/m2 以下)に、前記ライトフ
ィルブロックDX−29(許容圧縮応力:14tonf
/m2 )を発泡プラスチックブロック1cとして用いれ
ば良い。
【0042】上述の本発明の第1及び第2は互いに組み
合わせて実施することができる。図3は、かかる軽量盛
土構造の一例を模式的に示した立断面図であり、図1及
び図2と同一の符号は同一部材を示している。
【0043】図3のように、盛土材充填層の下層及び前
面壁の背面直後に、それぞれ圧縮強度の高い高密度の発
泡プラスチックブロック1b及び1cを用いることによ
り、前記滑動力及び地震時の地盤反力によってかかる部
分の発泡プラスチックブロックに大きな塑性歪みが発生
するのを防止することができる。この場合、発泡プラス
チックブロック1bと発泡プラスチックブロック1cは
同一材料として良いが、各部分の圧縮応力によって異な
る材料を用いることもできる。
【0044】次に、本発明の第3の軽量盛土構造につい
て説明する。
【0045】図4は、本発明の第3の軽量盛土構造の一
例を模式的に示した立断面図である。なお、図1と同一
の符号は同一部材を示しており、1dは高密度の発泡プ
ラスチックブロック、12a及び12bは対向する壁体
である。
【0046】本発明の第3は、傾斜地拡幅盛土構造に関
する本発明の第2の技術的思想を自立壁の軽量盛土構造
に適用したものである。
【0047】図4に示すような自立壁の軽量盛土構造に
おいても、特に大規模で高く、さらに重量物たる舗装体
10が最上部に形成されると、地震時に極めて大きな水
平力が発生し、かかる水平力によって軽量盛土躯体の重
心が両壁体12a,12b側に偏り、両壁体12a,1
2b側の地盤反力が増大する。このように増大した地盤
反力は、両壁体12a,12bの背面直後の発泡プラス
チックブロックに対して大きな圧縮力として作用する。
【0048】そこで、本発明の第3では、両壁体12
a,12bの背面直後の部分に、より圧縮強度の高い高
密度の発泡プラスチックブロック1dを用いることによ
り、上記地震時の地盤反力による圧縮に十分対抗できる
ものとし、かかる部分の発泡プラスチックブロックに大
きな塑性歪みが発生するのを防止している。
【0049】なお、高密度の発泡プラスチックブロック
1dとしては、前述の発泡プラスチックブロック1bと
同様のものを用いることができる。また、本発明の第3
の軽量盛土構造における高密度の発泡プラスチックブロ
ック1dを用いる範囲の設計方法は、前述の本発明の第
2と同様である。
【0050】以上説明した本発明の軽量盛土構造では、
更に図5〜図8に示すように軽量盛土材の最上層にも高
密度の発泡プラスチックブロック1eを用いることが好
ましい。これにより、前述のように舗装体10の厚さを
薄くでき、盛土構造の軽量化が図られると共に、より経
済的な道路設計が可能になる。なお、高密度の発泡プラ
スチックブロック1eとしても、前述の発泡プラスチッ
クブロック1bと同様のものを用いることができる。
【0051】本発明の軽量盛土構造は以上説明した実施
形態に限定されるものではなく、例えば傾斜地拡幅盛土
構造における基礎としてH鋼等からなる杭基礎を用いた
り、背面傾斜地と発泡プラスチック充填層との一体性を
高めるために、コンクリート床版4及び5内にアンカー
ロッドを埋設し、このアンカーロッドの一端を前面壁3
を構成するH鋼杭等に固定し、他端を背面傾斜地2に深
く埋設したアンカーによって張設することができる。ま
た、自立壁の盛土構造においても同様にコンクリート床
版4及び5内にアンカーロッドを埋設し、このアンカー
ロッドの両端を壁体12a,12bを構成するH鋼杭等
に張設固定することができる。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば以
下の効果を奏する。 (1)傾斜地の拡幅盛土において、前面壁と背面傾斜地
との空所の最底部を含む少なくとも一層に圧縮強度の高
高密度の発泡プラスチックブロックを用いることによ
り、背面傾斜方向に大きな滑動力が働く場合にも、発泡
プラスチックブロックに構造上問題となるような大きな
塑性歪みが発生するのを防止でき、十分な安定性、信頼
性を有する軽量盛土構造が実現される。 (2)傾斜地の拡幅盛土において、前面壁の背面直後に
圧縮強度の高い高密度の発泡プラスチックブロックを用
いることにより、地震時の水平力によって盛土躯体の重
心の位置が偏ることで前面壁側に大きな地盤反力が働く
場合にも、発泡プラスチックブロックに構造上問題とな
るような大きな塑性歪みを防止でき、十分な安定性、信
頼性を有する軽量盛土構造が実現される。 (3)自立壁の盛土において、壁体の背面直後に圧縮強
度の高い高密度の発泡プラスチックブロックを用いるこ
とにより、地震時の水平力によって盛土躯体の重心の位
置が偏ることで両壁体側に大きな地盤反力が働く場合に
も、発泡プラスチックブロックに構造上問題となるよう
な大きな塑性歪みを防止でき、十分な安定性、信頼性を
有する軽量盛土構造が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による傾斜地拡幅盛土構造の一例を模式
的に示す立断面図である。
【図2】本発明による傾斜地拡幅盛土構造の別の例を模
式的に示す立断面図である。
【図3】本発明による傾斜地拡幅盛土構造の別の例を模
式的に示す立断面図である。
【図4】本発明による自立壁の盛土構造の一例を模式的
に示す立断面図である。
【図5】本発明による傾斜地拡幅盛土構造の別の例を模
式的に示す立断面図である。
【図6】本発明による傾斜地拡幅盛土構造の別の例を模
式的に示す立断面図である。
【図7】本発明による傾斜地拡幅盛土構造の別の例を模
式的に示す立断面図である。
【図8】本発明による自立壁の盛土構造の別の例を模式
的に示す立断面図である。
【図9】従来の傾斜地拡幅盛土の構造を模式的に示す立
断面図である。
【図10】従来の自立壁の盛土構造を模式的に示す立断
面図である。
【符号の説明】
1a,101a 低密度の発泡プラスチックブロック 1b,1c,1d,1e,101b 高密度の発泡プラ
スチックブロック 2,102 背面傾斜地 3,103 前面壁 4,104 中間床版 5,105 上部床版 6,106 路床砂 7,107 下層路盤 8,108 上層路盤 9,109 表層 10,110 道路舗装体 11 基礎コンクリート 12a,12b,112a,112b 壁体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−176543(JP,A) 特開 平8−41883(JP,A) 実開 平7−8434(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02D 17/18 E02D 29/02 308 E01C 1/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前面壁と背面傾斜地との空所に発泡プラ
    スチックブロックを盛土材として用いる傾斜地の拡幅盛
    土構造において、敷設面積の最も小さい空所の最底部を
    含む少なくとも一層に用いる発泡プラスチックブロック
    を、その上方部に用いる発泡プラスチックブロックより
    圧縮強度の高い高密度のものとしたことを特徴とする
    軽量盛土構造。
  2. 【請求項2】 前面壁と背面傾斜地との空所に発泡プラ
    スチックブロックを盛土材として用いる傾斜地の拡幅盛
    土構造において、前面壁の背面直後に用いる発泡プラス
    チックブロックを、その後方部に用いる発泡プラスチッ
    クブロックよりも圧縮強度の高い高密度のものとしたこ
    とを特徴とする軽量盛土構造。
  3. 【請求項3】 壁体間の空所に発泡プラスチックブロッ
    クを盛土材として用いる自立壁の盛土構造において、壁
    体の背面直後に用いる発泡プラスチックブロックを、中
    間部に用いる発泡プラスチックブロックよりも圧縮強度
    の高い高密度のものとしたことを特徴とする軽量盛土構
    造。
  4. 【請求項4】 前記高密度の発泡プラスチックブロック
    が押出発泡ポリスチレンからなり、これよりも低密度の
    前記発泡プラスチックブロックが型内発泡ポリスチレン
    からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載の軽量盛土構造。
  5. 【請求項5】 前記高密度の発泡プラスチックブロック
    が、押出発泡ポリスチレン板状体の複数枚を接着剤で積
    層して形成してなることを特徴とする請求項4に記載の
    軽量盛土構造。
  6. 【請求項6】 前記高密度の発泡プラスチックブロック
    の密度が22kg/m3 より大きいことを特徴とする
    請求項1〜5のいずれかに記載の軽量盛土構造。
  7. 【請求項7】 前記空所の最上層にも高密度の発泡プラ
    スチックブロックを用い、該高密度の発泡プラスチック
    ブロックが、押出発泡ポリスチレン板状体の複数枚を接
    着剤で積層して形成してなることを特徴とする請求項1
    〜6のいずれかに記載の軽量盛土構造。
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