JP3935576B2 - 観賞魚水槽用濾過装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、観賞魚や水草などを飼育する観賞魚水槽用に用いられる濾過装置に関するものである。より詳しくは、水槽の底に錘(おもり)なしで、そのまま安定して設置することができ、また装置の掃除が簡単で、しかも水槽外に取出す際に装置又は装置の周辺に蓄積した汚物が水槽内に拡散することなく取出すことができる観賞魚水槽用濾過装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
観賞魚水槽用濾過装置において、その水槽内の水を濾過室を通過させて濾過しながら浄化室に導き、その浄化室に噴射された空気と共に装置上方へ水を排出することにより、水槽内の水を濾過する装置は従来から知られている。この装置は空気の供給装置を水槽外に設け、濾過装置自体は小形化して水槽内に設置することができるようにしたもので、空気の浮力により水を循環させるため構造も簡単で、取扱いの容易な濾過装置である。
【0003】
このような従来の濾過装置は、一般にアクリル樹脂やポリプロピレンなどのプラスチック材料で形成されているので、重量が軽いためそのまま水槽内に設置すると水槽の底部での安定さに欠ける。そこで安定して水槽の底部に固定させるために砂利や鉄などのおもりを内臓している(特開昭60−153910号公報)。その他の従来例として、合成樹脂で形成された濾過装置の底部を水槽内の底砂(水槽の底に敷く砂)に埋没させて、濾過装置が浮き上がらないようにして使用する装置もある(特開昭61−107914号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような従来の濾過装置においては、水槽内の水の濾過作用とは無関係の砂利や鉄製の錘等を装置の中に設置するので、装置の構造が複雑となり、しかもその分だけ分解して洗浄する際の手間がかかる。
また、砂利や鉄などの錘の周りに残餌や***物などの汚物が溜まりやすいうえ、時間が経過して汚物がこびりついた場合は、取り省く作業に手間がかかる。更に、装置に砂利のような細かい粒状の錘を使用した場合には、掃除するために装置を分解する際に砂利がこぼれたりして作業がなかなか面倒であり、一方、鉄の錘を使用した場合は、海水魚用水槽には適用できない。
【0005】
また、濾過装置の底部を水槽内の砂利等に埋没させるタイプにおいては、濾過装置を水槽外に取り出す際に、装置の上や装置周辺の底砂が動かされるため、せっかく集積した汚物が水槽中で舞ってしまい、結果的には再び水を汚すことになる場合が多かった。
その他、水槽底部の砂利にもある程度濾過作用を持たせるために、濾過装置の下側に給水口を設けて、錘として装置に組み込まれている砂利の間を通過した水を給水し、濾過面積を増やし濾過性能をあげる装置も知られているが、前記砂利には残餌や***物などの汚物が溜まりやすく、目詰まりの原因となり、濾過効率が悪くなる。しかも濾過装置を水槽の外に取り出すために持ち上げると、下側の給水口からせっかく装置内に集積した汚物が逆れ流して、水槽に拡散してしまうという問題点がある。
【0006】
さらに、砂利や鉄製の錘等を内臓する底部に、浄化室に加圧空気を送るためのパイプが通されているか、あるいは、そのパイプが装置の底面から下側に突出した形で通されている場合が多く、従って、このパイプの周も汚物の集積の場となり、掃除がかなり面倒であるという問題点があった。
【0007】
そこで本発明の目的は、このような問題点を解決するために、錘を使用しないで水槽内にそのまま安定して設置することができ、また装置の掃除が簡単で海水魚用水槽にも使用することができ、しかも水槽外に取出す際に装置又は水槽内に蓄積した汚物が水中に拡散することなく取出すことができる観賞魚水槽用濾過装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために本発明の観賞魚水槽用濾過装置は、見かけ比重が1以上のセラミックス系又はガラス系材料からなる上部開口型の容器と、該容器と結合してその底中央部に設けられた台座と、該台座に対して弾性部材が介在されて着脱自在に装着されかつ少なくとも上部開口部を有する筒体と、該筒体と前記容器の壁とによって形成された濾過室と、該濾過室と前記筒体内とを連通させる通水路と、前記筒体内にその上部開口部から挿入され、着脱自在に装着されたパイプと、該パイプに加圧空気を供給する加圧空気供給部と、前記濾過室に充填された濾過材とから構成されていることを特徴とする観賞魚水槽用濾過装置とした。
【0009】
以下、本発明の作用について述べる。
容器は見かけ比重が1以上のセラミックス系又はガラス系材料から成るので、そのままでも十分に重く、砂利や鉄製の錘を別に内臓しなくとも水槽の底部に安定的に固定させることができるとともに、その錘等に汚物がこびり付いたりするという問題点が解消される。従って、錘等の清掃も不要になる。また、濾過装置を水槽の底部の砂利等に埋没させる必要がないので、濾過装置を水槽外に取出す時に、装置上や周りの底砂が動かされる心配がない。加圧空気供給用のパイプは、容器の筒体内の上部開口端から挿入されているので、そのパイプを錘等の部分を通したり、装置の底面を通したりしないため、パイプの周りに藻や汚れがこびり付きにくい。
【0010】
また、パイプ及び筒体を容器と別の部品とし、取り外し自在としたので、濾過材の取出し時や容器等の洗浄が容易となる。
また、容器を上部開口型と成し、側面や底面は開口していないため、濾過装置を水槽外に取出すために持上げたとき、集積した汚物が逆流して側面の開口部から水槽に拡散してしまうという問題がない。
【0011】
さらに、本発明では容器の底部や底面にパイプを通すための穴を開ける必要がないため、濾過効率を損なう恐れがない。すなわち、容器の底部や底面の穴とパイプとの密閉性が悪いと、その隙間から水槽内の水が侵入して濾過効率が低下する。従って、従来の装置のように容器の底部等に穴を開けることは、濾過効率を低下させる恐れがあるため望ましくないのである。
また、台座と筒体との間に弾性部材が介在されているため、弾性部材を締め付けながら台座と筒体を嵌合させることができるので、嵌合性が向上する。
【0012】
本発明においては、請求項3に記載のごとく、濾過材は多孔質セラミックス材から成ることがより好ましい。すなわち、そのような濾過材は、その孔の構造が、従来からよく使われているウールマットの構造に比べて、微生物の棲息に適するため、水の浄化に関する微生物も効率よく定着する。その結果観賞魚や水草に有害であるアンモニアや亜硝酸を比較的無害な硝酸に変えるいわゆる生物学的濾過作用も効率よく行われ、また、繰り返しの洗浄にも強いので、使用期間も長い。
【0013】
次に、請求項4に記載のごとく、前記濾過材の上にスポンジ状濾過材を着脱自在に装着された濾過装置とするとさらに性能が良くなる。スポンジ状濾過材は残餌、魚糞などの大型の固形浮遊物を濾過するのに適するため、このスポンジ状濾過材による物理的濾過作用で予め大型の固形浮遊物を濾過しておき、下の濾過材で微生物による生物的濾過作用でアンモニアや亜硝酸などを浄化するようにすれば、下側の濾過材の目詰まりを誘因する大型の固形浮遊物の侵入を防止でき、長期間の高い濾過効率が得られる。
【0014】
特に、前記濾過材が多孔質セラミックス材から成る場合は、その濾過材で残餌、魚糞などの大型の固形浮遊物を濾過すると、その浮遊物が濾過材の表面に付着してしまって、微生物が棲息できる場所がなくなってしまうため、その微生物が担う生物的濾過作用が効率よく行われない。また、その浮遊物が濾過材間につまってしまって、水の道ができてしまい、水が濾過室内の一部にしか通らず、濾過性能が落ちる。これを防ぐために、多孔質セラミックス材から成る濾過材の上にスポンジ状濾過材を着脱自在に装着することにより、大型の固形浮遊物をそのスポンジ状濾過材で濾過し、多孔質セラミックス材では微生物による生物的濾過作用を主に行うようにすることにより、濾過性能が低下せず性能が良くなる。
【0015】
請求項5に記載のごとく、容器、台座及び筒体のうち、少なくとも容器が釉薬を施したセラミックス系材料からなる濾過装置とすると、容器に残餌や魚糞などの汚れがこびり付かず、より簡単に拭き取ることができ、また表面をたわし等で強く擦っても傷がつかない。さらに、台座や筒体についても、釉薬が施されていると同様の効果が得られるためより望ましい。さらに、容器においてはその表面に鮮やかな艶が生じて装置全体の意匠性をより高めるようになる。
【0017】
前記弾性部材は、請求項2に記載のごとく、シリコン系部材であると台座と筒体の嵌合状態がより良好になり、しかも、このシリコン系部材は水中で使 用した場合でも硬化せず長時間の使用に耐えることができる。また、水中で生体に悪影響を与える有害物質も溶出しない。
【0018】
請求項6に記載のごとく、パイプの先端部に散気性のある通気性部材が連結されていると、空気は最初から拡散した状態で通気性部材から噴出するので、濾過された筒体内の水と混合され易く、筒体内のより広い範囲の水を巻き込んで上昇するようになる。また、請求項7に記載のように、筒体の上部の断面積が他の部分の断面積よりも小さいと、さらに、空気の筒体上部への上昇に勢いがつき、水の流れが良くなる。
【0019】
請求項8に記載のごとく、容器の壁上部が略くの字に湾曲されて容器上面内周に凹部が形成されている状態とすれば、その凹部にスポンジ等の濾過材を係止させてその濾過材が水槽内の水中に浮上しないようにすることができる。また、容器の湾曲した部分の外面を膨らんだ状態とすれば、その下側を掴むことにより容器を持ち易くなる。
【0020】
請求項9に記載のごとく、筒体を円筒体とし、容器の上部縁面よりも突出した状態とすれば、筒体をより長く形成させることができるとともに、四角形などの形状に比べて水の上昇デッドスペースもなくなるため、水の上昇力がより大きくなり、濾過効率が向上する。また、スポンジ等の濾過材上部に集積された大型の浮遊固形物の筒内への侵入が回避でき、効率の良い濾過が可能となる。さらに、意匠性も向上する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1に示すように、濾過装置は容器1と台座2と筒体3とパイプ6と加圧空気供給部7及び濾過材8をその主な構成要素としている。
その容器1は、釉薬が施された陶器製の略湯のみ形状をした上部開口型の容器である。また、容器1の壁上部は略くの字に湾曲されて容器上面内周に凹部1aが形成されているが、これに合わせ、容器の湾曲した部分の外面が膨らんだ状態になっている。なお、容器1は、縦横がほぼ1:1の下部閉鎖型の円筒形状をしたものが、充填する濾過材の量及び浄化水の通過面積等点で良好である。
【0022】
台座2は、容器1の底中央部に設けられており、またその周囲にシリコン系の円筒状の弾性部材2aが外嵌されており、それに筒体3の下端部が着脱自在に嵌合されている。この台座2の本体は、図2に示すように、円柱状の軸部2bとその側面から放射状に突出した複数の嵌合片2cとから成り、この嵌合片2cとそれに外嵌された弾性部材2aとによって形成される空間が濾過室4と筒体3内とを連通する通水路5を形成している。
また、嵌合片2cは下方末広がり型であるとともに、その下端には筒体3および弾性部材2aを支持するための支持部2dが突出して設けられている。さらに、軸部2bには、その上端からパイプ6の先端を固定するための盲孔2eが開けられている。
【0023】
なお、容器1と台座2とは、次のような手段で一体化するように結合されている。すなわち、容器1下面の中央部にはその材料成型時に穴1bを開けておき、また、台座2の軸部2b中央下部に、その穴1bに嵌合する突起2fを設けておく。このようにして成型された容器1及び台座2の穴1bとその周辺にのり材を塗布して突起2fを嵌合して釉薬を施し焼成すると、容器1と台座2とは一体化される。
【0024】
筒体3は、上下に開口部3a,3bを有し、下部開口部3bが台座2に着脱自在に装着され、その筒体3と容器1の壁とによって濾過室4が形成されている。また、筒体3は容器1のほぼ3分の1の幅を有する円筒体であって、容器1の高さのほぼ3分の1だけ容器1の上部縁面よりも突出している。さらに水や空気の流れをよくするために、筒体3の上部の断面積は他の部分の断面積よりも小さく、上に行くほど細くなっている。また、筒体3の外周の中ほどには濾過室4の上部にスポンジ状濾過材9を係止するための係止用突起3cが設けられている。
【0025】
筒体3の中には、その上部開口部3aからシリコンチューブなどの弾性体より成るパイプ6が挿入され、その先端が後述の通気性部材10に着脱自在に装着されている。また、そのパイプ6の基端側は水槽外からその筒体3の中に加圧空気を供給するエアーポンプ等の加圧空気供給部7に連結されている。
【0026】
通気性部材10はエアーストーンと呼ばれる散気性のある円筒状の多孔性セラミックス系部材から成り、その上部にはプラスチック製のタケノコ状部材10aが設けられているとともに、下端中央部は円錐状に突出し台座2の盲孔2eに固定するための固定部10bが設けられている。その固定部10bには前記弾性部材2aと同様のシリコン系部材から成る円筒状の弾性部材10cが嵌合されて、盲孔2eに固定されている。
【0027】
濾過室4は、容器1と筒体3とによって形成されているが、その濾過室4に多孔質セラミックス材から成る濾過材8が充填されている。この濾過材8の材質は、水槽内で飼育している生体や水槽内の水質に合わせて選択が可能である。例えば弱酸性の水質を好むディスカスやカシラン等の一般的な淡水魚や水草類を飼育している水槽では、カオリナイト系の活性シリカや活性アルミナを主成分とした、多孔質セラミックス材から成る濾過材8を選択使用することが好ましい。また、海水魚や海水無脊椎動物、又はグッピーや金魚などの弱アルカリ性水質を好む一部の淡水魚を飼育している水槽では、ワラストナイト、アノーサイト、及び石英を主成分とする多孔質セラミックス材から成る濾過材8を選択使用することが好ましい。
【0028】
また、濾過材8の形状は、その幅及び長さが3〜25mmの円柱又は円筒形状をなし、表面に多数の50〜1000μmの幅の空隙を有し、さらにその空隙の壁に0.1〜10μmの幅の小空隙を有しているものが望ましい。
なお、この濾過材8の空隙には主に残餌や魚糞などの大型の固形浮遊物を摂取し、分解する原生動物、また、小空隙には主にアンモニアや亜硝酸の硝化を担うバクテリアがお互いに住み分けて棲息しているため、増殖率が高くてバランスの良い微生物の環境となっている。
【0029】
その結果、汚れた水は効率良く浄化される。更にカオリナイト系の活性シリカや活性アルミナを主成分とした多孔質セラミックス材から成る濾過材8は、その主成分からなる独自の緩衝能力で、水草の光合成などによって起こる水のpH値の上昇を抑制する。逆に、ワラストナイト、アノーサイト、及び石英を主成分とする多孔質セラミックス材から成る濾過材8は、その主成分からなる独自の緩衝能力で、残餌や魚の***物などの窒素化合物が分解される過程で起こる水のpH値の低下を抑制する。なお、これらの両濾過材とも濾過室4内に3〜9cm程度充填して使用する。
【0030】
さらに、濾過材8の上にはスポンジ状濾過材9が着脱自在に装着されている。このスポンジ状濾過材9は通水性の高い多孔性スポンジを素材とし、上下面が平坦で、外周面を容器内面の凹部1aに合わせ、中央に筒体3に合った円孔を設けたドーナッツ形状をしている。このようなスポンジ状濾過材9が、その円孔に筒体3が通され、その円孔周りが係止用突起3cに係止されるとともに、外周面を容器内面の凹部1aに嵌込み固定されている。この凹部1aは、この濾過装置を水槽内に入れた時に、スポンジ状濾過材9を浮上させない役目を果たしている。
また、スポンジ状濾過材9と多孔質セラミックス材から成る濾過材8との間には数mm以上の隙間があいている方が水の流れが良好になる。
【0031】
本実施形態の濾過装置は以上のような構成であるが、次にその組み立て手順について説明する。
まず、パイプ6の基端を加圧空気供給部7に繋ぐとともに、その先端に通気性部材10に取付けられたタケノコ状部材10aを深く差し込み、これらを筒体3に上部開口部3aから通す。次に、円筒状の弾性部材2aを台座の複数の嵌合片2cに外嵌するとともに、通気性部材の固定部10bにも弾性部材10cを嵌込み、台座の盲孔2eに差込み嵌合させる。そして筒体3を弾性部材2aの上から、台座の複数の嵌合片2cに嵌合させる。
【0032】
その筒体3と容器1の壁とによってできた濾過室4に多孔質セラミックス材から成る濾過材8を3〜9cm程濾過室4内に充填し、その上にスポンジ状濾過材9を筒体の係止用突起3cに係止すると同時に、容器内面の凹部1aに嵌込んで固定する。
図3に示すように、このようにして組立てられた本実施形態の濾過装置Mを所望の水槽Cに入れると、容器1の中及び筒体3内の全てが水中に浸された状態となる。
【0033】
次に、加圧空気供給部7を作動させたときの各部分の動作について説明する。まず、加圧空気供給部7よりパイプ6を通じて通気性部材10に送られた加圧空気は、通気性部材10にて細かく分散され筒体3内に噴出した後上昇し、上部開口部3aの外に吐出される。同時に筒体3内に満たされていた水も空気に巻き込まれて上昇し、吐出される。
【0034】
この結果、筒体3内には吸水力が働き、水槽C内の水は容器1の上部から濾過室4内のスポンジ状濾過材9から入り次に多孔質セラミックス濾過材8を透過し、通水路5を経て筒体3内に流入する。このようにして、水槽C内の水は容器1の上部から筒体3の上部開口部3aの間を通過する。このとき、スポンジ状濾過材9で物理的濾過作用が行われ、多孔質セラミックス濾過材8で微生物による生物的濾過作用が行われる。以上のようにして水槽C内の水は次々と浄化され、水槽C内の観賞魚Fや水草Pに清潤な浄水を与えることができる。
【0035】
なお、本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宣変更して具体化することができる。
例えば、容器1の材料は通常は釉薬を施した陶磁器が適用されるが、見かけ比重が1以上のセラミックス系又はガラス系材料ならどのような材料でも適用できる。また、本実施形態では、容器1と台座2とを焼成時に一体化したものであるが、両者は筒体を摘んで装置を水中から取出した場合でも台座が容器から抜けることはないように結合していれば足りる。
【0036】
また、弾性部材2aは台座の複数の嵌合片2cに外嵌したが、弾性部材2aで筒体の下部開口部3bの内面から外面の全てを覆うように、下部開口部3bに弾性部材2aを取付け、筒体3と台座2の嵌合片2cとで弾性部材2aを締め付けながら、筒体3を台座2に装着してもよい。
嵌合片2cは筒体3の内側に嵌まるようにしても良く、筒体3の外側から挟込むようにしても良い。台座2は嵌合片のみからなる場合もある。また、弾性部材2a、台座2の軸部2b及び嵌合片2cで囲まれた部分を通水路5としたが、下部開口部3bは設けずに筒体3の下側側面に通水路5を設けてもよい。
【0037】
パイプの先端には通気性部材10を連結せずに、パイプ6の先端部に多数の穴を設けて直接筒体3内に加圧空気を供給してもよい。また、濾過材8として、多孔質セラミックス材から成るものを使用したが、板状の透水性部材あるいは、マット状又はスポンジ状のものを使用してもよい。
【0038】
【発明の効果】
以上詳述したごとく、本発明の観賞魚水槽用濾過装置によれば、錘なしに水槽内にそのまま安定して設置することができ、また装置の掃除が簡単でかつ海水魚用水槽にも使用することができ、しかも水槽外に取出す際に装置又は水槽内に蓄積した汚物が水槽内に拡散することなく取出すことができる等、多大な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の濾過装置の1実施態様の断面図。
【図2】図1の台座の斜視図。
【図3】本発明の濾過装置の使用状態を示す該略図。
【符号の説明】
1 容器
1a 凹部
1b 穴
2 台座
2a 弾性部材
2b 軸部
2c 嵌合片
2d 支持部
2e 盲孔
2f 突起
3 筒体
3a 上部開口部
3b 下部開口部
3c 係止用突起
4 濾過室
5 通水路
6 パイプ
7 加圧空気供給部
8 濾過材
9 スポンジ状濾過材
10 通気性部材
10a タケノコ状部材
10b 固定部
10c 弾性部材
M 濾過装置
C 水槽
F 魚
P 水草
Claims (10)
- 見かけ比重が1以上のセラミックス系又はガラス系材料からなる上部開口型の容器(1)と、該容器と結合してその底中央部に設けられた台座(2)と、該台座に対して弾性部材(2a)が介在されて着脱自在に装着されかつ少なくとも上部開口部(3a)を有する筒体(3)と、該筒体と前記容器(1)の壁とによって形成された濾過室(4)と、該濾過室と前記筒体(3)内とを連通させる通水路(5)と、前記筒体(3)内にその上部開口部(3a)から挿入され、着脱自在に装着されたパイプ(6)と、該パイプに加圧空気を供給する加圧空気供給部(7)と、前記濾過室(4)に充填された濾過材(8)とから構成されていることを特徴とする観賞魚水槽用濾過装置。
- 前記弾性部材(2a)はシリコン系部材である請求項1に記載の観賞魚水槽用濾過装置。
- 前記濾過材(8)は多孔質セラミックス材から成る請求項1又は2記載の観賞魚水槽用濾過装置。
- 前記濾過材(8)の上にスポンジ状濾過材(9)が着脱自在に装着された請求項1から3のいずれか1項記載の観賞魚水槽用濾過装置。
- 前記容器(1)、台座(2)及び筒体(3)のうち、少なくとも容器(1)は釉薬を施したセラミックス系材料からなる請求項1から4のいずれか1項記載の観賞魚水槽用濾過装置。
- 前記パイプ(6)の先端部には散気性のある通気性部材(10)が連結されている請求項1から5のいずれか1項記載の観賞魚水槽用濾過装置。
- 前記筒体(3)の上部の断面積が他の部分の断面積よりも小さい請求項1から6のいずれか1項記載の観賞魚水槽用濾過装置。
- 前記容器(1)の壁上部が略くの字に湾曲されて容器上面内周に凹部(1a)が形成されている請求項1から7のいずれか1項記載の観賞魚水槽用濾過装置。
- 前記筒体(3)は円筒体であって、前記容器(1)の上部縁面よりも突出している請求項1から8のいずれか1項記載の観賞魚水槽用濾過装置。
- 前記筒体(3)は円筒体であって、前記容器(1)の上部縁面よりも突出している請求項1から9のいずれか1項記載の観賞魚水槽用濾過装置。
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