JP3934979B2 - 耐力壁フレーム及びこれを用いた耐力壁構造 - Google Patents

耐力壁フレーム及びこれを用いた耐力壁構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スチールハウスなどの建築物の壁フレームに組み込まれて耐力壁を構成する耐力壁フレーム及びこれを用いた耐力壁構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
アメリカ発祥のスチールハウスは、0.8〜2.3mm未満の薄い軽量形鋼を構造材として、壁フレーム等の建物の枠組を構成するものであり、木材に比べて材料コストが安い、耐震性・耐久性に優れている、現場作業が容易で工期が短く施工コストが安い、等の多くの利点を有することから、日本においても急速に普及しつつある。
【0003】
特開2002−30745公報には、この種のスチールハウスの耐力壁が開示されている。この耐力壁は、図7に示すように、溝形鋼よりなる上枠21A、下枠21Bと、これら上枠21Aと下枠21Bとの間に立設されたリップ溝形鋼よりなる複数の壁たて枠(スタッド)22,22,…と、からなる矩形状の壁フレーム20に、リップ溝形鋼よりなるたて枠26,26を介して耐力壁フレーム10’を一体的に接合したものである。
【0004】
ここで、耐力壁フレーム10’は、図8に示すように、互いに平行に配置された断面略コ字形の上枠材13A、下枠材13Bと、これらの両端部に接続された断面略コ字形のたて枠材12,12と、これらのたて枠材12,12間に所定間隔毎に接続された断面略L字形の複数の水平材14,14,…と、を備えており、さらにこれらの部材に囲まれた矩形状フレーム部のそれぞれの前後面にブレース16,16が接合されたものである。また、上枠材13A、下枠材13Bとたて枠材12,12とで形成される耐力壁フレーム10’の上下左右の四隅にはそれぞれ、この耐力壁フレーム10’を基礎に緊結するためのアンカーボルト又はこの耐力壁フレーム10’を互いに上下に連結するための軸ボルトが挿通されるボルト固定部材15が溶接接合されている。
そして、図7(b)に示すように、壁フレーム20の壁たて枠22,22と背中合わせにたて枠26,26を当接させて配置し、耐力壁フレーム10’のたて枠材12のウェブからたて枠26及び壁たて枠22を貫通するようにドリリングタッピンねじDを打ち込むとともに、耐力壁フレーム10’の上下左右の四隅のボルト固定部材15にアンカーボルトや軸ボルトを挿通してナットで締め付けることによって、耐力壁フレーム10’を壁フレーム20に一体的に接合した耐力壁が構成されている。
【0005】
以上のように、この耐力壁は、耐力壁フレーム10’も含めて全ての部材が不燃性の鋼材で構成されているので耐火性能を有し、また、耐力壁フレーム10’の矩形状フレーム部のそれぞれの前後面にブレース16が接合されているので強度が高い、という利点を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の耐力壁フレーム10’には、次のような問題がある。
(1)耐力壁フレーム10’は、上枠材13A、下枠材13B、たて枠材12、水平材14、ブレース16を全て相互に溶接接合して組み立てたものであるので、組立に熟練技術を要するとともに品質のバラツキが発生しやすい。
(2)耐力壁フレーム10’の剛性を高めるために多数のブレース16,16,…が接合されているので、部品点数や組立工数が多く、コストが高い。
(3)上枠材13A、下枠材13B、たて枠材12の板厚が4.5mm、水平材14の板厚が3.0mm、ブレース16の板厚が4.2mmと、耐力壁フレーム10’を構成する各部材が全て肉厚となっているので、全体重量が極めて大きくなっており、製造・運搬・施工等の諸作業の効率が悪くコストも高い。
(4)耐力壁フレーム10’を構成する各部材が全て肉厚となっているので、各部材をベンダー曲げ加工で製造せざるをえず、コストが高い。
(5)耐力壁フレーム10’を構成する各部材が全て肉厚となっているので、表面未処理の各部材を組み立てた後に、ドブ付け等によって全体にメッキ処理を施さざるをえない。したがって、メッキのコストが高く、メッキ加工時に部材に歪みが発生してしまう。
【0007】
また、上記従来の耐力壁には、次のような問題がある。
(6)耐力壁フレーム10’を壁フレーム20に組み込むためには、耐力壁フレーム10’の四隅のボルト固定部材15に挿通したアンカーボルトや軸ボルトにナットを螺合して締め付ける必要があるが、耐力壁フレーム10’の前後両面に接合されているブレース16が邪魔になって、ナットを締め付ける作業が極めて困難である。
(7)耐力壁フレーム10’を壁フレーム20に接合するには、耐力壁フレーム10’のたて枠材12からたて枠26及び壁たて枠22を貫通するようにドリリングタッピンねじDを打ち込む必要があるので、施工手間がかかる。しかも、耐力壁フレーム10’のたて枠材12の板厚が4.5mmと厚く、予めたて枠材12の所定位置にドリリングタッピンねじ打ち込み用の挿通孔を形成しておかなければならないので、挿通孔の加工手間がかかり耐力壁フレーム10’の製造コストが高くなる。
【0008】
なお、(6),(7)の問題は、スチールハウスの壁フレームに耐力壁フレーム10’を組み込んだ耐力壁に限定されるものではなく、木造等のあらゆる構造形式の建築物の壁フレームに耐力壁フレーム10’を組み込んだ耐力壁について一般的にあてはまるものである。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、まず、従来の耐力壁フレームと同等の耐火性・耐久性及び強度を保持しながらも、従来の耐力壁フレームよりも軽量で部品点数が少なく組立も簡単で、後メッキ処理も不要な耐力壁フレームを提案することを目的とする。
また、本発明は、壁フレームにこの耐力壁フレームを組み込んでなる、耐火性・耐久性や剛性の高い耐力壁構造を提案することも目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、壁たて枠間距離に略等しい幅広のウェブを前面側に有する溝形鋼からなる本体部材と、この本体部材の両側部にビス留めされた鋼材からなる一対のたて枠材と、前記本体部材及びたて枠材の上下部にビス留めされた鋼材からなる上枠材及び下枠材と、前記本体部材のフランジ間に所定間隔でビス留めされた鋼材からなる複数本の水平材と、を備えることを特徴とする耐力壁フレームである。
【0011】
このような耐力壁フレームは、本体部材、たて枠材、上枠材、下枠材、水平材が全て相互にビス留めされたものであるので、従来の耐力壁フレームのように各部材が全て相互に溶接接合されている場合よりも組立が容易で均質化しやすい。
また、本体部材が、壁たて枠間距離に略等しい幅広のウェブを前面側に有する溝形鋼からなるので、従来の耐力壁フレームのようにブレースを接続しなくても剛性が高く、その結果、部品点数や組立工数を削減してコストダウンを図ることができる。
なお、この耐力壁フレームを構成する本体部材、たて枠材、上枠材、下枠材、水平材は全て不燃性の鋼材であるので、スチールハウスの壁フレームに組み込むことによって、従来の耐力壁フレームと同様の耐火性能を発揮する。
【0012】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の耐力壁フレームにおいて、本体部材、たて枠材、上枠材、下枠材、水平材の板厚がいずれも1.6mm以下であることを特徴とする。
【0013】
このような耐力壁フレームは、構成部材の板厚が全て1.6mm以下と薄くなっているので、全体重量が従来の耐力壁フレームよりも軽量となり、製造・運搬・施工等の諸作業の効率を向上させてコストダウンを図ることができる。
また、各構成部材の板厚が全て1.6mm以下と薄くなっているので、これら全てをロールフォーミング加工で製造することができ、各部材をベンダー曲げ加工で製造せざるをえない従来の耐力壁フレームよりもコストダウンを図ることができる。
さらに、各構成部材の板厚が全て薄くなっているので、これら全てを表面処理済鋼板で製造することが可能である。したがって、組立後のメッキ処理が不要となり、メッキ加工時の部材の変形歪みを発生させないようにすることができる。なお、各構成部材の板厚が全て薄くなっているので、各構成部材を相互にビス留めすることが容易である。
【0014】
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の耐力壁フレームにおいて、両たて枠材の上下部にビス留めされた鋼製のボルト固定部材を備えることを特徴とする。
【0015】
このような耐力壁フレームは、ボルト固定部材がビス留めされているので、ボルト固定部材が溶接接合された従来の耐力壁フレームよりも組立が容易で均質化しやすい。
また、ボルト固定部材も不燃性の鋼材からなるので、従来の耐力壁フレームと同様の耐火性能を発揮する。
【0016】
請求項4に係る発明は、互いに平行に配置された上枠、下枠と、これら上枠と下枠との間に立設された複数の壁たて枠と、からなる壁フレームに、請求項3に記載の耐力壁フレームを組み込んでなり、前記耐力壁フレームが、前記ボルト固定部材に挿通されたアンカーボルトのみを介して基礎に連結されている、ことを特徴とする耐力壁構造である。
【0017】
このような耐力壁構造は、耐力壁フレームが、ボルト固定部材に挿通されたアンカーボルトのみを介して基礎に連結され、壁フレームへのビス留めが不要となっているので、施工が容易であり、たて枠材への下孔加工も不要である。
また、ボルト固定部材が、耐力壁の両側に位置するたて枠材に固定されているので、アンカーボルトに螺合したナットの締付作業も容易である。
【0018】
請求項5に係る発明は、互いに平行に配置された上枠、下枠と、これら上枠と下枠との間に立設された複数の壁たて枠と、からなる壁フレームに、請求項3に記載の耐力壁フレームを組み込んでなり、前記耐力壁フレームが、前記ボルト固定部材に挿通された軸ボルトのみを介して互いに上下に連結されている、ことを特徴とする耐力壁構造である。
【0019】
このような耐力壁は、耐力壁フレームが、ボルト固定部材に挿通された軸ボルトのみを介して互いに上下に連結され、壁フレームへのビス留めが不要となっているので、施工が容易であり、たて枠材への下孔加工も不要である。
また、ボルト固定部材が、耐力壁の両側に位置するたて枠材に固定されているので、軸ボルトに螺合したナットの締付作業も容易である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、説明において、同一要素には同一符号を用い、重複する説明は省略する。
【0021】
図1は本発明に係る耐力壁フレームの一実施形態を表し、(a)は前面方向から見た斜視図、(b)は背面方向から見た斜視図である。また、図2は、図1(b)の分解図である。これらの図に示すように、耐力壁フレーム10は、幅広のウェブを前面側に有する溝形鋼からなる本体部材11と、本体部材11の両側部にビス留めされた鋼材からなる一対のたて枠材12A,12Bと、本体部材11及びたて枠材12A,12Bの上下部にビス留めされた鋼材からなる上枠材13A、下枠材13Bと、本体部材11のフランジ11b,11b間に所定間隔でビス留めされた鋼材からなる複数本の水平材14,14,…と、を備えている。また、耐力壁フレーム10の上下左右の四隅部には、ボルト固定部材15がビス留めされている。
【0022】
本体部材11は、ウェブ11aとフランジ11b,11bとリップ部11c,11cとで形成されたリップ溝形鋼からなる。ウェブ11aは、耐力壁フレーム10が組み込まれる壁フレームの壁たて枠間距離に略等しい幅を有しており、耐力壁フレーム10の前面板となるものである。本体部材11の断面寸法は、たとえばウェブ11aの幅が415mm、フランジ11bの幅が87mm、リップ部11cの幅が40mmである。また、本体部材11は表面処理済の全体的に薄い鋼板をロールフォーミング加工したものとなっており、その板厚は、たとえば1.0mm、1.2mm、1.6mmの中から選択される。なお、本体部材11は、リップ部11c,11cをなくした溝形鋼からなるものとしてもよい。
【0023】
左右対称に配置されたたて枠材12A,12Bは、それぞれウェブ12aとフランジ12b,12cとリップ部12d,12dとで形成されたリップ溝形鋼からなる。たて枠材12A,12Bは、ウェブ12aが本体部材11のフランジ11bと背中合わせになるように配置されており、ウェブ12aから本体部材11のフランジ11bに打ち込まれたドリリングタッピンねじ(図示せず)によって本体部材11に接合されている。たて枠材12A,12Bは、たとえばウェブ12aの幅が87mm、フランジ12b,12cの幅が40mm、板厚が1.6mmとなっており、表面処理済の全体的に薄い鋼板をロールフォーミング加工したものとなっている。
【0024】
上下対称に配置された上枠材13A、下枠材13Bは、ウェブ13aとフランジ13b,13cとで形成された溝形鋼からなる。上枠材13A及び下枠材13Bはそれぞれ、フランジ13b,13c間に本体部材11及びたて枠材12A,12Bの上端部及び下端部を挟み込んだ状態で、前面側のフランジ13bから本体部材11のウェブ11a及びたて枠材12A,12Bの前面側のフランジ12bに打ち込まれたドリリングタッピンねじDによって、また、背面側のフランジ13cから本体部材11のリップ部11c及びたて枠材12A,12Bの背面側のフランジ12cに打ち込まれたドリリングタッピンねじDによって、本体部材11及びたて枠材12A,12Bの上端部及び下端部に接合されている(図1参照)。上枠材13A,13Bは、たとえばウェブ13aの幅が89mm、フランジ13b,13cの幅が70mm、板厚が1.6mmとなっており、表面処理済の全体的に薄い鋼板をロールフォーミング加工したものとなっている。
また、上枠材13A、下枠材13Bのウェブ13aの両端部には、後記するボルト固定部材15のボルト孔15cと一致する位置に、予めボルト挿通切欠13d,13dが穿設加工されている。
【0025】
水平材14は、ウェブ14aとフランジ14b,14cとリップ部14d,14dとで形成されたリップ溝形鋼からなる。水平材14は、高さ方向に所定間隔をあけて本体部材11のフランジ11b,11b間に挟み込まれた状態で、前面側のフランジ14bに本体部材11のウェブ11aから打ち込まれたドリリングタッピンねじDによって、また、背面側のフランジ14cに本体部材11のリップ部11cから打ち込まれたドリリングタッピンねじDによって、本体部材11に接合されている(図1参照)。水平材14は、たとえばウェブ14aの幅が83mm、フランジ14b,14cの幅が40mm、板厚が1.0mmとなっており、表面処理済の全体的に薄い鋼板をロールフォーミング加工したものとなっている。
【0026】
ボルト固定部材15は、耐力壁フレーム10を基礎に緊結するアンカーボルトや上下階の耐力壁フレームを相互に連結する軸ボルトを挿通するためのものである。ボルト固定部材15は、水平断面コ字形の本体板部15aと、この本体板部15aの上部又は下部に溶接等で一体的に接合されたナット受け板部15bとで形成されている。本体板部15aの所定位置には予めネジ孔(図示せず)が穿設加工されており、ナット受け板部15bの略中央部には予めボルト孔15cが穿設加工されている。そして、ボルト固定部材15は、たて枠材12A,12Bのフランジ12b,12c間に挟み込まれた状態で、本体板部15aのネジ孔からたて枠材12A,12Bのウェブ12a及び本体部材11のフランジ11bに打ち込まれた六角ねじR(図6参照)によって、ちょうど耐力壁フレーム10の四隅に固定されている。この状態でボルト固定部材15のボルト孔15cの位置及び形状は、上枠材13A、下枠材13Bのボルト挿通切欠13dと一致している。
【0027】
以上のように、耐力壁フレーム10は、本体部材11、たて枠材12A,12B、上枠材13A、下枠材13B、水平材14、ボルト固定部材15が全て相互にドリリングタッピンねじDや六角ねじRによって留め付けられたものであるので、従来の耐力壁フレームのように各部材が全て相互に溶接接合されている場合よりも組立が容易で均質化しやすい。
また、本体部材11が、壁たて枠間距離に略等しい幅広のウェブ11aを前面側に有する溝形鋼からなるので、従来の耐力壁フレームのようにブレースを接続しなくても剛性が高く、その結果、部品点数や組立工数を削減してコストダウンを図ることができる。
なお、耐力壁フレーム10を構成する本体部材11、たて枠材12A、12B、上枠材13A、下枠材13B、水平材14、ボルト固定部材15が全て不燃性の鋼材からなるので、スチールハウスの壁フレームに組み込まれることにより、従来の耐力壁フレームと同様の耐火性能を発揮する。
【0028】
また、耐力壁フレーム10を構成する本体部材11、たて枠材12A,12B、上枠材13A、下枠材13B、水平材14の板厚が全て1.6mm以下と薄くなっているので、全体重量が従来の耐力壁フレームよりも軽量であり、製造・運搬・施工等の諸作業の効率を向上させてコストダウンを図ることができるだけでなく、各構成部材を全てロールフォーミング加工で製造することができ、各部材をベンダー曲げ加工で製造せざるをえない従来の耐力壁フレームよりもコストダウンを図ることができる。
さらに、各構成部材の板厚が全て薄くなっているので、これらを表面処理済鋼板で製造することが可能である。したがって、組立後のメッキ処理が不要となり、メッキ加工時の部材の変形歪みも発生しないようにすることができる。
【0029】
次に、本発明に係る耐力壁構造の一実施形態を説明する。
図3は本発明に係る耐力壁構造の一実施形態を表す正面図であり、図1に示した耐力壁フレームをスチールハウスの壁フレームに組み込んだものを示している。また、図4は図3のA部拡大分解斜視図である。
これらの図に示すように、壁フレーム20は、上枠21A、下枠21Bと、これらの間に立設された壁たて枠22,22,…とで構成されている。上枠21A、下枠21Bは、それぞれウェブ21aとフランジ21b,21bとで形成された溝形鋼からなり、たとえばウェブ21aの幅が91mm、フランジ21bの幅が40mm、板厚が1.0mmとなっている。そして、上枠21Aはフランジ21b,21bを下向きに、下枠21Bはフランジ21b,21bを上向きにして配置され、上枠21Aのウェブ21aと下枠21Bのウェブ21aとが当接するように背中合わせに固定されている。
壁たて枠22は、ウェブ22aとフランジ22b,22bとリップ部22c,22cとで形成されたリップ溝形鋼からなり、たとえばウェブ22aの幅が87mm、フランジ22bの幅が40mm、板厚が1.6mmとなっている。壁たて枠22,22,…の配置間隔はこのスチールハウスのモジュールに従い、たとえば455mmとなっている。
【0030】
そして、このような壁フレーム20に耐力壁フレーム10が組み込まれることによって全体として耐力壁が構成されている。耐力壁フレーム10が組み込まれる位置には壁たて枠22が配置されておらず、組み込まれる耐力壁フレーム10のボルト固定部材15のボルト孔15cに対応する位置において壁フレーム20の上枠21A、下枠21Bのウェブ21aにボルト孔21cが穿設されている。耐力壁フレーム10は壁フレーム20の上枠21A、下枠21Bに固定されるのではなく、上階の耐力壁フレーム10の下部のボルト固定部材15のボルト孔15cと、壁フレーム20の下枠21Bのボルト孔21c、上枠21Aのボルト孔21cと、下階の耐力壁フレーム10の上部のボルト固定部材15のボルト孔15cとに軸ボルト23を挿通してナット24で締めつけることにより、上階の耐力壁フレーム10と下階の耐力壁フレーム10が互いに連結され、壁フレーム20に組み込まれるようになっている。この状態で、耐力壁フレーム10のたて枠材12A,12Bの芯々間距離はちょうどモジュールに従う455mmとなっており、耐力壁フレーム10のたて枠材12A,12Bは壁フレーム20の壁たて枠22と同様の役割を果たすものとなっている。
【0031】
一階の耐力壁の場合、図3のB部拡大分解斜視図である図5に示すように、壁フレーム20の下枠21Bが基礎31上に配置されており、基礎31に埋め込まれているアンカーボルト25を、壁フレーム20の下枠21Bのボルト孔21c、耐力壁フレーム10のボルト固定部材15のボルト孔15cに挿通してナット24で締めつけることにより、一階の耐力壁フレーム10が基礎31に緊結されている。
【0032】
このように、耐力壁フレーム10は、ボルト固定部材15に挿通された軸ボルト23のみを介して互いに上下に連結され、また、ボルト固定部材15に挿通されたアンカーボルト25のみを介して基礎31に連結されている(図6参照)。したがって、壁フレーム20へのビス留めが不要で施工が容易であり、当然、従来の耐力壁フレームのようなたて枠材12A,12Bへの下孔加工も不要である。
また、ボルト固定部材15は、耐力壁フレーム10の両側部のたて枠12A,12Bに固定されていて、壁フレーム20の壁たて枠22と間隔をあけて配置されているので、軸ボルト23やアンカーボルト25に螺合したナット24の締付作業も容易であり、作業性がよい。
【0033】
以上、本発明に係る耐力壁フレーム及び耐力壁構造の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨に応じた適宜の変更実施が可能であることは言うまでもない。
【0034】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る耐力壁フレームは、各構成部材が全て相互にビス留めされたものであるので、従来の耐力壁フレームのように各部材が全て相互に溶接接合されている場合よりも組立が容易で均質化しやすい。
また、ブレースを接続しなくても剛性が高く、その結果、部品点数や組立工数を削減してコストダウンを図ることができる。
また、各構成部材の板厚が全て薄いので、全体重量が軽くなり、製造・運搬・施工等の諸作業の効率を向上させてコストダウンを図ることができる。
また、各構成部材の板厚が全て薄いので、これら全てをロールフォーミング加工で製造することができ、部材をベンダー曲げ加工で製造せざるをえない従来の耐力壁フレームよりもコストダウンを図ることができる。
さらに、各構成部材の板厚が全て薄いので、これら全てを表面処理済鋼板で製造することが可能である。したがって、組立後のメッキ処理が不要となり、メッキ加工時の部材の変形歪みを発生させないようにすることができる。
【0035】
また、本発明に係る耐力壁構造は、耐力壁フレームが、ボルト固定部材に挿通されたアンカーボルトのみを介して基礎に連結され、ボルト固定部材に挿通された軸ボルトのみを介して互いに上下に連結されていて、壁フレームへのビス留めが不要となっているので、施工が容易であり、たて枠材への下孔加工も不要である。
また、ボルト固定部材が、耐力壁フレームの両側のたて枠材に固定されているので、アンカーボルトに螺合したナットの締付作業も容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る耐力壁フレームの一実施形態を表す斜視図であり、(a)は正面方向から見た斜視図、(b)は背面方向から見た斜視図である。
【図2】図1(b)の耐力壁フレームの分解図である。
【図3】本発明に係る耐力壁の一実施形態を表す正面図である。
【図4】図3のA部拡大分解斜視図である。
【図5】同B部拡大分解斜視図である。
【図6】同部分拡大断面図である。
【図7】(a)は従来のスチールハウスの耐力壁を表す正面図であり、(b)は(a)のC−C断面図である。
【図8】従来の耐力壁フレームを表す正面図である。
【符号の説明】
10 … 耐力壁フレーム
11 … 本体部材
11a … ウェブ
11b … フランジ
11c … リップ部
12A,12B … たて枠材
12a … ウェブ
12b,12c … フランジ
12d … リップ部
13A … 上枠材
13B … 下枠材
13a … ウェブ
13b,13c … フランジ
13d … ボルト挿通切欠
14 … 水平材
14a … ウェブ
14b,14c … フランジ
14d … リップ部
15 … ボルト固定部材
15a … 本体板部
15b … ナット受け板部
15c … ボルト孔
16 … ブレース
20 … 壁フレーム
21A … 上枠
21B … 下枠
21a … ウェブ
21b … フランジ
21c … ボルト孔
22 … 壁たて枠
22a … ウェブ
22b … フランジ
22c … リップ部
23 … 軸ボルト
24 … ナット
25 … アンカーボルト
26 … たて枠
31 … 基礎
D … ドリリングタッピンねじ
R … 六角ねじ

Claims (5)

  1. 壁たて枠間距離に略等しい幅広のウェブを前面側に有する溝形鋼からなる本体部材と、この本体部材の両側部にビス留めされた鋼材からなる一対のたて枠材と、前記本体部材及びたて枠材の上下部にビス留めされた鋼材からなる上枠材及び下枠材と、前記本体部材のフランジ間に所定間隔でビス留めされた鋼材からなる複数本の水平材と、
    を備えることを特徴とする耐力壁フレーム。
  2. 前記本体部材、たて枠材、上枠材、下枠材、水平材の板厚がいずれも1.6mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の耐力壁フレーム。
  3. 前記両たて枠材の上下部にビス留めされた鋼製のボルト固定部材を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の耐力壁フレーム。
  4. 互いに平行に配置された上枠、下枠と、これら上枠と下枠との間に立設された複数の壁たて枠と、からなる壁フレームに、請求項3に記載の耐力壁フレームを組み込んでなり、
    前記耐力壁フレームが、前記ボルト固定部材に挿通されたアンカーボルトのみを介して基礎に連結されている、
    ことを特徴とする耐力壁構造。
  5. 互いに平行に配置された上枠、下枠と、これら上枠と下枠との間に立設された複数の壁たて枠と、からなる壁フレームに、請求項3に記載の耐力壁フレームを組み込んでなり、
    前記耐力壁フレームが、前記ボルト固定部材に挿通された軸ボルトのみを介して互いに上下に連結されている、
    ことを特徴とする耐力壁構造。
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