JP3933604B2 - 有機ハロゲン化合物の分解方法 - Google Patents

有機ハロゲン化合物の分解方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はダイオキシンなどの有害物質をはじめとする有機ハロゲン化合物を分解するための有機ハロゲン化合物の分解方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年になって環境中の微量有害物質に対する関心は非常に高まっている。特にダイオキシン類等の有機ハロゲン化合物や環境ホルモン(内分泌撹乱化学物質)等の極微量で生物に影響があると思われる物質については分析技術や人体に対する影響評価技術も発展途上ではあるが、早急な対策が求められている。これには排出抑制技術のみならず、すでに環境中に蓄積されているものの除去・無害化技術が不可欠であると考えられている。
【0003】
このうちダイオキシン類についてはダイオキシン類対策特別措置法(環境省、1999年12月)により大気、水質、土壌の基準値が定められたため、分析の需要および汚染物の処理の需要が増加している。
【0004】
しかしながらダイオキシン類などの有機ハロゲン化合物を含有する液体の処理方法は確立しておらず、特にダイオキシン類などが含まれる液体は産廃処理業者にも引き取ってもらえないなど処理できずに保管せざるを得ない状況である。
【0005】
この問題を解決するために本発明者らは複合光触媒を発明した。(特許文献1参照)ここに開示した有機ハロゲン化合物の処理方法は、炭素材料と、脱ハロゲン触媒と、光照射により有機化合物を分解する光触媒とが一体化した複合光触媒を用い、有機ハロゲン化合物を含む被処理液と複合光触媒を接触させた状態で光照射を行い分解処理するというものである。前記複合光触媒は、その炭素材料成分による被処理液中の有機ハロゲン化合物の吸着、脱ハロゲン触媒成分による脱ハロゲン反応、及び光触媒成分による分解反応を連続して効率よく生じさせることができ、有機ハロゲン化合物の分解処理を簡便な処理により分解させることができる。しかしながらここに開示した方法は、被処理液をタンク内に溜めた状態で処理を行うバッチ式の処理方法である。特に被処理液の主成分が水などの比較的有機ハロゲン化合物の溶解度の低い溶媒である場合などは、液中の有機ハロゲン化合物の濃度は非常に希薄であるため、バッチ式では被処理液をタンク内に溜めた状態で長時間処理しなければならないという問題点があった。さらにまた被処理液の量が多い場合にはタンク容量も大きくしなければならないという問題点があった。
【0006】
また、このような触媒を使用した被処理液の処理方法には流通式の適用も考えられる。(例えば特許文献2参照)しかし、完全に処理を行うための光照射時間が必要であった。さらに光照射時間をかせぐために流通路を長くする必要があり、装置が大型化してしまう問題点があった。
【0007】
【特許文献1】
特開2001-269583号公報
【特許文献2】
特開2000-254667号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、短時間で被処理液の無害化を行い、さらにはコンパクトな装置で大量の被処理液の低害化を可能にする有機ハロゲン化合物の分解方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、有機ハロゲン化合物を含む被処理液を、炭素材料と脱ハロゲン触媒と光照射により有機物を分解する光触媒とを具備する複合光触媒に接触させて前記有機ハロゲン化合物を前記複合光触媒に吸着させる吸着工程と、
前記吸着工程で得られた前記被処理液と前記有機ハロゲン化合物を吸着した前記複合光触媒とを分離する分離工程と、
前記分離工程で得られた複合光触媒に光照射して吸着した前記有機ハロゲン化合物を分解する分解工程と、
を行うことを特徴とする有機ハロゲン化合物の分解方法である。
【0010】
また、本発明は、有機ハロゲン化合物を含む被処理液を、炭素材料と脱ハロゲン触媒と光照射により有機物を分解する光触媒とを具備する複合光触媒に接触させて前記有機ハロゲン化合物を前記複合光触媒に吸着させる吸着工程と、前記吸着工程で得られた前記被処理液と前記有機ハロゲン化合物を吸着した前記複合光触媒とを分離する分離工程と、を行う吸着分離工程を複数回繰り返した後、
前記吸着分離工程で得られた複合光触媒に光照射して吸着した前記有機ハロゲン化合物を分解する分解工程を行うことを特徴とする有機ハロゲン化合物の分解方法である。
【0011】
本発明者らは、炭素材料と脱ハロゲン触媒と光照射により有機物を分解する光触媒を備える複合光触媒を用いて被処理液中の有機ハロゲン化合物を処理するにあたり、この触媒の有機ハロゲン化合物の吸着能の高さに着目し、被処理液とこの複合光触媒とを接触させ、有機ハロゲン化合物を吸着させた後、複合光触媒と有機ハロゲン化合物を分離することにより、被処理液は速やかに無害化された状態で排出可能となる。
【0012】
さらに、この複合光触媒は、有機ハロゲン化合物の吸着能のみならず有機ハロゲン化合物の分解能も共に高いため、一旦被処理液に複合光触媒を接触させて被処理液中の有機ハロゲン化合物を吸着させて被処理液から有機ハロゲン化合物を除去した後被処理液を分離し、さらに有機ハロゲン化合物を含む新たな被処理液に接触させて有機ハロゲン化合物の吸着を繰り返して行い、その後に光照射して有機ハロゲン化合物の分解を行う方法を行うことにより、その複合光触媒の有する能力を最大限に引き出し、コンパクトな装置でかつ短時間の光照射で被処理液を無害化しかつ有機ハロゲン化合物の分解を行うことができる。
【0013】
つまり前記複合光触媒は、有機ハロゲン化合物の吸着能が非常に高いため、被処理液との接触及び被処理液の分離とを繰り返すことにより大型のタンク等を用いずとも多量の被処理液から有機ハロゲン化合物を吸着して被処理液を無害化して速やかに排出することができる。さらにこの場合、前記複合光触媒上には有機ハロゲン化合物が従来方法よりも高い濃度に濃縮されることになるが、前記複合光触媒は有機ハロゲン化合物の分解能が非常に高いため、前記複合光触媒上に有機ハロゲン化合物の濃縮が行われた分、従来方法よりも短時間の光照射で多くの有機ハロゲン化合物が分解できる。したがって本発明によればコンパクトな装置で、かつ短時間で大量の被処理液の低害化を可能にすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明で使用する複合光触媒は、炭素材料と脱ハロゲン触媒と、光照射により有機物を分解する光触媒とを具備する複合光触媒を用いる。前記複合光触媒としては、例えば特開2001-269583号公報に記載されたものが有機ハロゲン化合物の吸着力及び分解力がともに優れており望ましい。
【0015】
前記複合光触媒は、炭素材料と、この炭素材料上に担持された脱ハロゲン触媒と、前記脱ハロゲン触媒上に担持された光触媒とで構成される。
【0016】
以下に本発明に係る複合光触媒による有機ハロゲン化合物の分解のメカニズムについて説明する。図1は本発明に係る複合光触媒による有機ハロゲン化合物のメカニズムを模式的に示した概念図である。炭素材料1からなる担体表面に例えば金属粒子2からなる脱ハロゲン触媒が担持され、金属粒子2表面に担持された二酸化チタンなどからなる光触媒粒子3が存在し複合光触媒が形成されている。複合光触媒は、水等に被分解物である有機ハロゲン化合物4が溶解あるいは分散した浸漬された状態になっている。
【0017】
図1に示すように光触媒粒子3表面では光が照射されると電子と正孔が生ずる。光触媒粒子3表面にPd、Pt等の金属粒子2が接しているため光照射により発生した電子は金属に移動し正孔との再結合がおこりにくくなり、電子と正孔は分離される。電子と正孔は再結合してしまうと反応には関与しないが、電子が金属粒子2に移動するため再結合せずに分離され水と反応することにより正孔からはOHラジカルが生じ、また電子からは水素が生ずる。水素は主に光触媒粒子3と接した金属粒子2上で発生しスピルオーバーにより炭素材料1上を移動することが可能である。発生した水素は脱ハロゲン化反応を行うために用いられる。このように脱ハロゲン化反応を行うために必要な水素を光触媒粒子3によって生成できるため、水中で有機ハロゲン化合物からハロゲン元素を除去することが可能になる。
【0018】
脱ハロゲン化反応に関しては光触媒上の金属粒子2と炭素材料1からなる担体とが接触している場所で起きるために、炭素材料1からなる担体上に金属粒子2を担持していることが脱ハロゲン化反応の促進には重要である。
【0019】
そして、有機ハロゲン化合物を脱ハロゲン化反応に供して得られる有機化合物は、光触媒粒子2に光照射したことによって生じたOHラジカルによってすみやかに分解され、十分な時間反応を行えば、最終的にはCOとHOへの完全分解による無害化も可能となる。
【0020】
炭素材料は脱ハロゲン触媒の担体として用いられ、有機ハロゲン化合物に対する吸着力が高いものを用いることにより吸着による除去効果及び濃縮効果が高くなる。ダイオキシンなどの有機ハロゲン化合物が被処理液中に分散された状態では除去効率が悪い。ここで有機ハロゲン化合物を炭素材料によって吸着することにより本来の被処理液中からの有機塩素化合物の除去の目的は達せられる。さらに分解を行う効率も対象物を収集した上で行われるため高まることになる。
【0021】
なお、本発明に係る複合光触媒は被処理液が水を主成分とした液体であっても、有機溶剤を主成分とした液体であっても適用可能である。
【0022】
上記のような複合光触媒を用いた本発明の処理方法を図2を用いて説明する。図2は本発明にかかる有機ハロゲン化合物の処理方法の一実施形態を示す概略図である。
【0023】
図2に示すように、まず、有機ハロゲン化合物を含む被処理液20を、複合光触媒に接触させて前記有機ハロゲン化合物を前記複合光触媒に吸着させる吸着工程21を行う。接触の方法は、被処理液中に複合光触媒を懸濁もしくは浸漬させる方法でもよいし、触媒を固定しておきそこに被処理液を流通させる方法であれば吸着と同時に複合光触媒と被処理液の分離も同時に行われる。触媒を懸濁もしくは浸漬させる場合には接触効率を良くするために攪拌するとよい。
【0024】
次に、被処理液をそのまま分解処理するのではなく、被処理液23と有機ハロゲン化合物を吸着した複合光触媒24とを分離する分離工程22を行う。吸着工程21の際に懸濁もしくは浸漬による接触を行った場合には接触による吸着処理後に分離工程22を行う。このとき分離はフィルターなどを用いて触媒を回収する方法や触媒を沈降させて上澄み液を排出する方法などがある。また吸着工程21の際に固定化された触媒に被処理液を流通させた場合には分離工程22も同時に行われることになり流通後は被処理液23と有機ハロゲン化合物を吸着した複合光触媒24と分離されている。このようにして分離された被処理液23は複合光触媒による吸着により有機ハロゲン化合物は除去されているため、ここまでで被処理液の無害化は短時間で終了することとなる。
【0025】
次に、分離された複合光触媒24に吸着した有機ハロゲン化合物の分解工程25を行うことにより有機ハロゲン化合物の無害化が達成される。分解は有機ハロゲン化合物を吸着した複合光触媒に光照射を照射することにより行われる。
【0026】
このようにして吸着した有機ハロゲン化合物を分解した後の複合光触媒はそのまま廃棄することも再利用することも可能である。
【0027】
なお、有機ハロゲン化合物を含有する被処理液20の主成分が有機溶剤である場合、吸着工程21及び分離工程22は、複合光触媒に被処理液を接触させながら被処理液の溶媒を蒸発させ有機ハロゲン化合物を触媒に吸着・分離させる方法がよい。接触の方法は被処理液中に触媒を懸濁もしくは浸漬させる方法でよい。また複合光触媒を成型または塗布した容器中で被処理液の蒸発を行ってもよい。蒸発は減圧や昇温により行うこともできるし、また空気や窒素気流などの気体を当てる方法もある。蒸発した溶剤は回収して廃棄または再利用することもできるし、活性炭吸着塔などで捕集してそのまま廃棄することもできる。
【0028】
本発明の方法においてさらに大量の被処理液を処理するため、図3を用いて説明する以下のような処理方法を行うこともできる。図3は有機ハロゲン化合物の処理方法の一実施形態を示す概略図である。
【0029】
図3に示すように、有機ハロゲン化合物を含む被処理液30を、複合光触媒に接触させて前記有機ハロゲン化合物を前記複合光触媒に吸着させる第1の吸着工程31、続いて被処理液と有機ハロゲン化合物を吸着した複合光触媒とを分離する第1の分離工程32を順次行い(第1の分離工程と第1の分離工程とをあわせて第1の吸着分離工程と呼ぶ)、有機ハロゲン化合物を吸着した複合光触媒33と被処理液34とを得る。第1の吸着工程の方法は図2で示した吸着工程21と、第1の分離工程の方法は図2で示した分離工程22と同様な方法でかまわない。
【0030】
次に有機ハロゲン化合物を含む新たな被処理液35を第1の分離工程で得られた前記複合光触媒33に接触させてさらに有機ハロゲン化合物を吸着させる第2の吸着工程36を行い、またさらに前記第2の吸着工程36で得られた前記被処理液と前記有機ハロゲン化合物を吸着した前記複合光触媒とを分離する第2の分離工程37を順次行う。(第2の吸着工程と第2の分離工程とをあわせて第2の吸着分離工程と呼ぶ)、有機ハロゲン化合物を吸着した複合光触媒38と無害化された被処理液39が得られる。第2の吸着工程36及び第2の分離工程37は第1の分離工程31及び第2の吸着工程32と同様な方法でかまわない。このように同一の複合光触媒に対し新たな被処理液を添加した後に被処理液を分離する操作を繰り返すことにより被処理液が無害化されると同時に複合光触媒上には有機ハロゲン化合物が濃縮することになる。このような吸着分離工程の繰り返しは図3に示した2回に限らず複合光触媒の吸着限度に至るまでであれば第3の吸着工程、第3の分離工程、第4の吸着工程、第4の分離工程.........のように3回以上繰り返してもよい。回数を重ねるにつれ処理する被処理液の量を増加させることができるが使用するタンクの容量をその分増加させる必要はなく、コンパクトな装置で処理が可能である。
【0031】
前記複合光触媒上への有機ハロゲン化合物の吸着限度は、複合光触媒1gに対し、例えば10pg以上1000ng以下まで行うことが望ましい。またこのとき被処理液に対する前記複合光触媒量の比率は被処理液1Lに対し0.01g以上5g以下で行うことが望ましい。
【0032】
最後に、第2の分離工程で分離された複合光触媒38に吸着した有機ハロゲン化合物の分解工程40を行うことにより有機ハロゲン化合物の無害化が達成される。分解工程40は図2に示した分解工程25と同様に行えばよく、有機ハロゲン化合物を吸着した複合光触媒38に光照射することにより行われる。
【0033】
以下に本発明に係る複合光触媒について具体的に説明する。
【0034】
前記複合光触媒に用いられる炭素材料としては、具体的には活性炭を使用することが望ましい。
【0035】
前記活性炭に担持される脱ハロゲン触媒は、例えば所定の金属が挙げられる。このとき前記金属としては、炭素材料と接触配置することで脱ハロゲン能を発揮する金属であれば特に限定されず、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム、鉄、銅、銀または亜鉛などから選ばれる少なくとも1種を用いればよい。特にパラジウムや白金を用いると脱ハロゲン能は高くなる。
【0036】
本発明に係る光触媒は、光照射によって励起され、電子と正孔を生じさせるものであれば特に限定されず、例えば二酸化チタン、SrTiOあるいはCdS、SnO、ZnS、ZnO、WO、SiC、Fe、GaP、CdSeなどの半導体光触媒などが使用できる。特に二酸化チタンが効率が高く望ましい。また、光触媒表面に、別途導電性粒子を担持させることもできる。光触媒は前記所定の金属のみと接触している場合、励起によって生じた電子は所定の金属にのみ移動するが、光触媒に別途導電性粒子を担持させることで、発生した電子が移動場所が増え、電子と正孔との再結合がより生じ難くなる。その結果、OHラジカルがより発生しやすくなり、有機化合物の分解をより速やかに進ませることができる。
【0037】
これら炭素材料、脱ハロゲン触媒および光触媒は、少なくとも炭素材料と脱ハロゲン触媒とが接触しており、脱ハロゲン触媒と光触媒とが接触して配置される。炭素材料と脱ハロゲン触媒とが接触していないと触媒として機能しなくなる。また、光触媒が脱ハロゲン触媒と接触していないと、前述したように光触媒によって生成された電子と正孔が再結合してしまう恐れがある。
【0038】
また、炭素材料、脱ハロゲン触媒および光触媒の形状は特に制限されるものではないが、特に脱ハロゲン触媒として金属を使用した場合、光触媒と脱ハロゲン触媒は通常粒子状にして使用される。
【0039】
光触媒は、光触媒反応における量子サイズ効果を高めるためにその粒径をできるだけ小さくすることが望ましく、例えば平均粒径5nm〜50nm程度の粒子として使用すればよい。
【0040】
特に脱ハロゲン触媒として金属を使用した場合、脱ハロゲン触媒は、炭素との接触面積を高める、さらには有機ハロゲン化合物との接触面積を高めるために、やはりその粒径を小さくすることが望ましく、例えば平均粒径5nm〜100nm程度の粒子として使用すればよい。
【0041】
炭素材料については特に粒子径は限定されないが、粉体で用いる場合は通常1μm〜200μm程度のものが用いられる。
【0042】
また、所定の金属粒子の平均粒径は光触媒の平均粒径よりも大きくすることが望ましい。すなわち、担体となる炭素材料、光触媒それぞれの粒径よりも所定の金属粒子の粒径が大きいと、炭素材料表面に、金属粒子および光触媒を担持させた際に、光触媒が直接炭素表面に担持され、金属を介して炭素材料に担持されなくなる恐れがある。
【0043】
炭素材料に対する所定の金属の重量比は、0.1%乃至20%、好ましくは5%乃至10%であることが望ましい。この範囲外になると脱ハロゲン化機能を十分に発揮することができない。
【0044】
炭素材料と脱ハロゲン触媒との合計量と光触媒との比率は、重量比で炭素材料と脱ハロゲン触媒の合計:光触媒=50:50〜5:95の範囲内とすることが望ましく、さらには30:70〜10:90の範囲内とすることが望ましい。光触媒の比率が低すぎると脱ハロゲン反応に供される水素量が十分でなくなったり、脱ハロゲン化された有機化合物の分解速度が低下する恐れがあり、光触媒の比率が高すぎると、光触媒によって覆われてしまい脱ハロゲン触媒と有機ハロゲン化合物との接触面積が少なくなり、分解速度が低下する恐れがあるためである。
【0045】
このような複合光触媒は、あらかじめ炭素表面に所定の金属を担持させた粒子と、光触媒とを乳鉢などで機械的によく混合することで簡便に作ることができる。
【0046】
他にも、炭素表面に所定の金属を担持させた粒子に、含浸法などにより光触媒の前駆体を吸着させた後に焼成することで得ることもできるし、含浸させるかわりにスプレーで前駆体を塗布し焼成してもよい。またゾル−ゲル法、CVD法やバインダーを使用して必要に応じ熱処理を行うことで光触媒を所定の金属表面に固定する方法を採用しても良い。
【0047】
この複合光触媒は粉末状のまま液中に懸濁して用いることも可能であるが分解処理後の触媒の分離を考えると、これを成型して数mm程度の球状もしくはペレット状にしたものやフィルム状、板状にしたものを用いるのもよい。また上記の粉体状の複合光触媒をスポンジ構造やハニカム構造などの他の担体に固定した触媒ユニットとして使用すると便利である。
【0048】
分解工程の際に複合光触媒に照射され、複合光触媒を励起するためのエネルギー源としては例えば二酸化チタンを光触媒として使用する場合、通常高圧水銀灯や低圧水銀灯、殺菌ランプ、ブラックランプなどを光源とする紫外線が用いられる。また紫外線ランプの代わりに太陽光を使用することも可能であり、この場合エネルギーコストを小さくすることができる。なお分解工程においては複合光触媒が粉末の場合などは水あるいは有機溶媒、もしくはその両方を添加して溶媒中に懸濁した状態で光照射するかあるいは水蒸気を添加して光照射したほうが照射効率がよい。前記有機溶媒としてはトルエン、n−ヘキサン、2−プロパノール、アセトン、ジクロロメタン、メタノール、エタノールから選ばれる少なくとも1種の有機溶媒が挙げられる。
【0049】
また、本発明に係る複合光触媒は、上述したようにOHラジカルおよび水素の供給源としての水の存在下で利用されるが、必要に応じ、過酸化水素水を添加することで、OHラジカルの発生量を増加させ、有機化合物の分解を促進させることもできる。
【0050】
このようにして、本発明の方法によればp−クロロフェノール、ダイオキシン、PCB(ポリクロロビフェニル)、DDT(ジクロロジフェニルトリクロロエタン)、CNP(クロロニトロフェン)などの有機ハロゲン化合物を含む排水、有機溶媒などの被処理液を処理することが可能になる。
【0051】
【実施例】
本発明の実施例を以下に示す。
【0052】
(実施例1)
活性炭に対して10wt%のPdを担持したPd/C触媒に重量比2:8(Pd/C:TiO)の割合で二酸化チタンを担持した複合光触媒を用いて以下の処理を行った。
【0053】
2,3,7,8−テトラクロロジベンゾ−p−ダイオキシンを100pg/Lの濃度で含有する被処理液14L(水溶液)に対し以下に示す処理装置を用いて分解処理を行った。
【0054】
図4に処理装置の概略図を示す。反応槽41には被処理液槽44から被処理液が注入される。反応槽41は攪拌装置43が設けられており内部を攪拌可能にしている。反応槽41には排出口が2つ設けられ、1つは触媒含有液排出口45であり、もう1つは上澄み液排出口46である。また反応槽41中の被処理液に紫外線が照射可能なようにブラックライトブルー42が設置されている。
【0055】
図4に示す反応装置の反応槽41に前記被処理液の7分の1を入れ、上記複合光触媒(粉末状)を1g投入し30分攪拌した。(吸着工程)
【0056】
その後静置することにより触媒を沈降させた後上澄み水を上澄み液排出口46から排出した。(分離工程)排出した水の含有ダイオキシン濃度を測定したところダイオキシンは検出されなかった。
【0057】
その後さらに被処理液を7分の1ずつ反応槽41に導入、攪拌、触媒沈降、上澄み水排出を5回行った。(吸着工程及び分離工程)それぞれの排出水からはすべてダイオキシンは検出されなかった。
【0058】
その後さらに残り7分の1の被処理液を反応槽41に導入、攪拌した後、そのまま攪拌しながらブラックライトブルー42(主波長352nm、10W、5本)を使用して反応槽41に紫外線を照射した。(分解工程)
【0059】
2時間の紫外線照射後触媒を沈降させ、上澄み水を排出した。上澄み水からはダイオキシンは検出されなかった。触媒も触媒含有液排出口45から排出した後、本来は廃棄するものであるが含有ダイオキシンを測定したところ検出されなかった。
【0060】
(比較例1)
実施例1と同様の複合光触媒及び処理装置を用いてダイオキシンの分解試験を行った。ダイオキシンは2,3,7,8−テトラクロロジベンゾ−p−ダイオキシンの濃度が700pg/Lである被処理液(水溶液)2Lを図4に示す装置の反応槽41に入れ、上記触媒(粉末状)を1g投入した。そのまま攪拌しながら触媒を懸濁させた状態でブラックライトブルー42(主波長352nm、10W、5本)を使用して反応槽41に紫外線を照射した。2時間の紫外線照射後触媒を含有する廃液を排出した。触媒及び廃液に含有されるダイオキシンを測定したところ20pg/L以下のダイオキシンが検出され、紫外線の照射時間が不足であった。
【0061】
(実施例2)
実施例1と同様の複合光触媒によりダイオキシンの分解試験を行った。ダイオキシンは2,3,7,8−テトラクロロジベンゾ−p−ダイオキシン、1,2,3,7,8−ペンタクロロジベンゾ−p−ダイオキシン、1,2,3,4,7,8−ヘキサクロロジベンゾ−p−ダイオキシン、1,2,3,6,7,8−ヘキサクロロジベンゾ−p−ダイオキシン、1,2,3,7,8,9−ヘキサクロロジベンゾ−p−ダイオキシン、1,2,3,4,6,7,8−ヘプタクロロジベンゾ−p−ダイオキシンの各成分の濃度が40ng/Lである被処理液(溶媒はトルエン)1Lに対し以下に示す処理装置を用いて分解処理を行った。
【0062】
図5に処理装置の概略図を示す。反応槽51には被処理液槽54から被処理液が注入される。また、反応槽には溶媒導入槽57から溶媒が、気体導入口60から気体が導入される。反応槽51には撹拌装置53が設けられており内部を攪拌可能にしている。反応槽51には排出口が2つ設けられ、1つは触媒含有液排出口55であり、もう1つは上澄み液排出口56である。また、反応槽51中の被処理液に紫外線が照射可能なようにブラックライトブルー52が設置されている。また、反応槽51を加熱するヒーター58が反応槽51の下部に設置されている。また被処理液中から発生する気体を吸着する活性炭吸着塔59も設置されている。
【0063】
図5に示す反応装置の反応槽51に前記被処理液を入れ、上記触媒(粉末状)を1g投入した。その後反応槽1を50℃に加熱しながら被処理液表面に気体導入口60から窒素気流を当てて溶媒を蒸発させた。(吸着工程及び分離工程)蒸発した溶媒を含む窒素気流は活性炭吸着塔59に導き溶媒を捕集した。
【0064】
溶媒が完全に蒸発した後、反応槽51に溶媒導入槽57から水を導入し攪拌し、ダイオキシンが吸着した触媒を懸濁させた状態でブラックライトブルー52(主波長352nm、10W、5本)を使用して反応槽51に紫外線を照射した。(分解工程)2時間の紫外線照射後触媒を沈降させ、上澄み液排出口56から上澄み水を排出した。上澄み水からはダイオキシンは検出されなかった。触媒も触媒含有液排出口55から排出した後、本来は廃棄するものであるが含有ダイオキシンを測定したところ検出されなかった。
【0065】
(比較例2)
実施例2と同様の複合光触媒及び処理装置を用いてダイオキシンの分解試験を行った。ダイオキシンは2,3,7,8−テトラクロロジベンゾ−p−ダイオキシンの濃度が40ng/Lである廃液(溶媒はトルエン)1Lを図5に示す装置の反応槽51に入れ、上記触媒(粉末状)を1g投入した。そのまま攪拌しながら触媒を懸濁させた状態でブラックライトブルー52(主波長352nm、10W、5本)を使用して反応槽51に紫外線を照射した。12時間の紫外線照射後触媒を含有する廃液を排出した。触媒及び廃液に含有されるダイオキシンを測定したところ10pg/L以下のダイオキシンが検出され、紫外線の照射時間が不足であった。
【0066】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように、本発明によれば複合光触媒を利用してダイオキシン類などの有機ハロゲン化合物を含有する大量の廃液を、コンパクトな装置で、かつ短時間で低害化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る複合光触媒による有機ハロゲン化合物のメカニズムを示した概念図。
【図2】 本発明にかかる有機ハロゲン化合物の処理方法を示す概略図。
【図3】 本発明にかかる有機ハロゲン化合物の処理方法を示す概略図。
【図4】 本発明の実施例に係る有機ハロゲン化合物の分解装置の概略図。
【図5】 本発明の実施例に係る有機ハロゲン化合物の分解装置の概略図。
【符号の説明】
1・・・炭素材料
2・・・金属粒子
3・・・光触媒粒子
4・・・有機ハロゲン化合物
20・・・被処理液
21・・・吸着工程
22・・・分離工程
23・・・被処理液
24・・・複合光触媒
30・・・被処理液
31・・・第1の吸着工程
32・・・第1の分離工程
33・・・複合光触媒
34・・・被処理液
35・・・新たな被処理液
36・・・第2の吸着工程
37・・・第2の分離工程
38・・・複合光触媒
39・・・被処理液
40・・・分解工程
41・・・反応槽
42・・・ブラックライトブルー
43・・・攪拌装置
44・・・被処理液槽
45・・・触媒含有液排出口
46・・・上澄み液排出口
51・・・反応槽
52・・・ブラックライトブルー
53・・・攪拌装置
54・・・被処理液槽
55・・・触媒含有液排出口
56・・・上澄み液排出口
57・・・溶媒導入槽
58・・・ヒーター
59・・・活性炭吸着塔
60・・・気体導入口

Claims (6)

  1. 有機ハロゲン化合物を含む被処理液を、炭素材料と脱ハロゲン触媒と光照射により有機物を分解する光触媒とを具備する複合光触媒に接触させて前記有機ハロゲン化合物を前記複合光触媒に吸着させる吸着工程と、
    前記吸着工程で得られた前記被処理液と前記有機ハロゲン化合物を吸着した前記複合光触媒とを分離する分離工程と、
    前記分離工程で得られた複合光触媒に光照射して吸着した前記有機ハロゲン化合物を分解する分解工程と、
    を行うことを特徴とする有機ハロゲン化合物の分解方法。
  2. 有機ハロゲン化合物を含む被処理液を、炭素材料と脱ハロゲン触媒と光照射により有機物を分解する光触媒とを具備する複合光触媒に接触させて前記有機ハロゲン化合物を前記複合光触媒に吸着させる吸着工程と、前記吸着工程で得られた前記被処理液と前記有機ハロゲン化合物を吸着した前記複合光触媒とを分離する分離工程と、を行う吸着分離工程を複数回繰り返した後、
    前記吸着分離工程で得られた複合光触媒に光照射して吸着した前記有機ハロゲン化合物を分解する分解工程を行うことを特徴とする有機ハロゲン化合物の分解方法。
  3. 前記吸着工程及び前記分離工程は、それぞれ前記被処理液に前記複合光触媒を接触させながら液体を蒸発させることにより同時に行われることを特徴とする請求項1または2記載の有機ハロゲン化合物の分解方法。
  4. 前記分解工程は、前記有機ハロゲン化合物が吸着した複合光触媒を水またはトルエン、n−ヘキサン、2−プロパノール、アセトン、ジクロロメタン、メタノール、エタノールから選ばれる少なくとも1種の溶媒中に懸濁させながら前記光照射が行われることを特徴とする請求項1または2記載の有機ハロゲン化合物の分解方法。
  5. 前記複合光触媒は、前記炭素材料にパラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム、鉄、銅、銀および亜鉛の群から選ばれる少なくとも1種の金属である脱ハロゲン触媒が担持され、かつ前記光触媒が前記金属表面に担持されてなるものであることを特徴とする請求項1または2記載の有機ハロゲン化合物の分解方法。
  6. 前記光触媒は、二酸化チタンであることを特徴とする請求項1または2記載の有機ハロゲン化合物の分解方法。
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