JP3933459B2 - 感光性樹脂組成物及び積層体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント配線板の製造、ICチップ搭載用リードフレーム(以下、リードフレーム、という)製造、及びメタルマスク製造などの金属箔精密加工に好適な、アルカリ性水溶液によって現像可能な感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性樹脂積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリント配線板はフォトレジスト法によって製造されている。フォトレジスト法とは、感光性樹脂組成物を銅張り積層板等の基板上に塗布してパターン露光して重合、硬化させた後、未露光部を現像液で除去し、エッチング又はめっき処理を施してパターンを形成した後、硬化部分を銅張り積層板等の基板上から剥離除去する方法を言う。フォトレジスト法では、多くの場合、感光性樹脂組成物を支持層上に積層し、必要に応じて保護層を感光性樹脂層上に積層した感光性樹脂積層体(ドライフィルムレジストと称する)が使用される。
【0003】
ドライフィルムレジストを用いてプリント配線板を作成する方法について、以下に簡単に述べる。ドライフィルムレジストに保護層がある場合はこれを剥離した後、銅張り積層板等の永久回路形成用基板上にラミネーター等を用いて感光性樹脂層を積層し、マスクフィルム等を介した紫外線露光によって配線パターンの焼付けを行う。次いで必要に応じて支持層を剥離し、弱アルカリ水溶液等の現像液により未露光部分を溶解又は分散除去して現像し、基板上にレジスト画像を形成させる。形成されたレジスト画像を保護マスクとして公知のエッチング処理又は、パターンめっき処理を行い、レジストを剥離してプリント配線板を製造する。
【0004】
一方、リードフレーム及びメタルマスク等の金属箔精密加工の方法としては、金型を用いて打ち抜くスタンピング法と、感光性樹脂を用いて写真法で像を形成した後、エッチング加工するエッチング法の2つに大別される。
近年の半導体素子の軽薄短小化、少量多品種化の傾向下においては、スタンピング法では少量多品種化に伴う金型代の高騰、配線の高密度化に対応できないことや、小型化に伴う狭小品の製造ができない等の問題があり、軽薄短小化、少量多品種化にはエッチング法の方が有利である。
【0005】
エッチング法に用いられる感光性樹脂としては、従来、合成コロイドや天然コロイドなどの水溶性高分子(PVA、カゼイン等)に感光基として重クロム酸塩を添加した液状レジストが用いられてきた。この液状レジストは、塗工用設備投資が大きい、均一塗工が難しい、感度が低い、また工程中に発生するクロム廃液の処理が必要である等の問題点を有していた。これらの問題点を解決するために、近年金属箔基材精密加工用フォトレジストとして、ドライフィルムレジストを用いることが提案されている。
【0006】
しかしながら、未露光部を弱アルカリ水溶液で現像するアルカリ現像型の感光性樹脂組成物を用いた場合には、現像液中に未重合の組成物が分散し、この分散物が集まると現像液の凝集物となり、基板上に再付着してショート不良の原因となる。また、凝集物の発生を防ぐために、フィルターを通して現像液の循環を行っている場合には、凝集物の発生が多いと、フィルター交換頻度が高くなったり、現像機の洗浄のインターバルが短くなったりして、管理上の問題が起こる。そこで、モノマーやポリマーにエチレンオキシド鎖等の親水性基を付加して凝集物の親水性を向上させる試みや、ノニルフェノール型のモノマーを用いて凝集物を低減しようとする試み(特開平7−92673号公報)がなされてきたが、これらでは問題を完全に解決できない。このため、現像液の凝集物の発生を無くした新規感光性樹脂組成物が望まれている。
また、近年のプリント配線板微細化に伴い、感光性樹脂の解像性が要求され、生産性の観点からは、露光時間短縮のため感光性樹脂の感度の向上が要求されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題点を克服し、現像時に発生する凝集物を全く無くし、紫外線照射によって露光可能な、アルカリ性水溶液によって現像しうる、感度、解像度等の画像形成性に優れた感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性樹脂積層体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の化合物を必須成分とする感光性樹脂組成物を使用することで上記課題を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち本発明は、次の態様からなるものである。
(1) (a)α,β−不飽和カルボキシル基含有単量体を共重合成分とし、酸当量で100〜600、重量平均分子量が2万〜50万の熱可塑性重合体20〜90質量%、(b)分子内に少なくとも一つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する付加重合性モノマー5〜75質量%、(c)光重合開始剤0.01〜30質量%を必須成分として含む感光性樹脂組成物であって、さらに(d)下記一般式(I)からなる化合物を0.01〜30質量%含み、(c)光重合開始剤として、トリアリールイミダゾリル二量体及びその誘導体を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
【0009】
【化2】
【0010】
(式中、R1,R2,R3,R4は独立に水素又は炭素数1〜30の脂肪酸アシル基である。k,l,m,nは0以上の整数で、k+l+m+nは0〜40である。また、Aは−CH(CH3)CH2−及び/又は−CH2CH(CH3)−及び/又は−CH2CH2−であり、−(A−O)−の繰り返し構造は、ランダムであっても、ブロックであってもよい。)
【0011】
(2) (c)光重合開始剤としてはトリアリールイミダゾリル二量体及びその誘導体である(1)に記載の感光性樹脂組成物。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を構成する各成分について詳細に説明する。
本発明は、(d)下記一般式(I)からなる化合物を感光性樹脂組成物に用いる点に特徴がある。
【0013】
【化3】
【0014】
(式中、R1,R2,R3,R4は独立に水素又は炭素数1〜30の脂肪酸アシル基である。k,l,m,nは0以上の整数で、k+l+m+nは0〜40である。また、Aは−CH(CH3)CH2−及び/又は−CH2CH(CH3)−及び/又は−CH2CH2−であり、−(A−O)−の繰り返し構造は、ランダムであっても、ブロックであってもよい。)
【0015】
(d)上記一般式(I)からなる化合物を感光性樹脂組成物に0.01〜30質量%用いることによって、感度、解像度等の画像形成性に優れた感光性樹脂組成物であって、現像時に発生する凝集物が全く無いという効果を発揮する。
炭素数1〜30の脂肪酸アシル基には、炭素数1〜30の飽和脂肪酸アシル基及び炭素数1〜30の不飽和脂肪酸アシル基がある。炭素数1〜30の飽和脂肪酸アシル基としては、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基等が挙げられる。炭素数1〜30の不飽和脂肪酸アシル基としては、例えば、アクリル基、プロピノイル基、メタクリル基、オレイル基等が挙げられる。
【0016】
(d)上記一般式(I)で示される化合物としては、以下の化合物が挙げられるが、これに限定されるものではない。
エステル型のものとしては、ソルビタンラウレート[R1:ラウリル基、R2=R3=R4:水素、k+l+m+n=0(例:日本乳化剤(株)製、ニューコール(商標)20)]、ソルビタンステアレート[R1:ステアリル基、R2=R3=R4:水素、k+l+m+n=0(例:三洋化成工業(株)製、イオネット(商標)S−60C)]、ソルビタンオレエート[R1:オレイル基、R2=R3=R4:水素、k+l+m+n=0(例:三洋化成工業(株)製、イオネット(商標)S−80C)]、ソルビタンパルミテート[R1:パルミチル基、R2=R3=R4:水素、k+l+m+n=0(例:東邦化学工業(株)製、ソルボン(商標)S−40)]、ソルビタンヤシ油脂肪酸エステル[R1:ヤシ油脂肪酸のアシル基(ここでヤシ油とはヤシ科の核肉から得られる脂肪のことで、その脂肪酸はラウリン酸やミリスチン酸等の飽和脂肪酸とオレイン酸やリノール酸等の不飽和脂肪酸の混合物である)、R2=R3=R4:水素、k+l+m+n=0(例:三洋化成工業(株)製、イオネット(商標)S−20)、ソルビタントリオレエート[R1=R2=R4:オレイル基、R3:水素、k+l+m+n=0(例:三洋化成工業(株)製、イオネット(商標)S−85)等及びそれらの混合物等が挙げられる。
【0017】
ソルビタンとオキシエチレン鎖の複合型としては、ポリオキシエチレンソルビタンラウレート[R1:ラウリル基、R2=R3=R4:水素、k+l+m+n=20、A:−CH2CH2−(例:日本乳化剤(株)製、ニューコール(商標)25)]、ポリオキシエチレンソルビタンステアレート[R1:ステアリル基、R2=R3=R4:水素、k+l+m+n=20、A:−CH2CH2−(例:三洋化成工業(株)製、イオネット(商標)T−60C)]、ポリオキシエチレンソルビタンオレエート[R1:オレイル基、R2=R3=R4:水素、k+l+m+n=8又は20、A:−CH2CH2−(例:日本乳化剤(株)製、ニューコール(商標)82又は85)]、ポリオキシエチレンソルビタンパルミテート[R1:パルミチル基、R2=R3=R4:水素、k+l+m+n=20、A:−CH2CH2−(例:東邦化学工業(株)製、ソルボン(商標)T−40)]、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート[R1=R2=R4:オレイル基、R3:水素、k+l+m+n=20、A:−CH2CH2−(例:日本乳化剤(株)製、ニューコール(商標)3−85)]、ポリオキシエチレンソルビタンヤシ油脂肪酸エステル[R1:ヤシ油脂肪酸のアシル基、R2=R3=R4:水素、k+l+m+n=20、A:−CH2CH2−(例:三洋化成工業(株)製、イオネット(商標)T−20C)]、ポリアルキレンソルビタン脂肪酸エステル[R1:混合脂肪酸のアシル基(オレイン酸:66%、ステアリン酸:2%、炭素数20の飽和及び不飽和脂肪酸:18%、炭素数16の飽和及び不飽和脂肪酸:7%、炭素数20を超えるの飽和及び不飽和脂肪酸:7%)、R2=R3=R4:水素、k+l+m+n=30、A:−CH2CH2−/−CH(CH3)CH2−又はCH2CH(CH3)−=2/1(例:日本乳化剤(株)製、ニューコール(商標)95−FJ)]等及びそれらの混合物などが挙げられる。
【0018】
これら上記一般式(I)で示される化合物は単独で使用しても、2種類以上併用しても構わない。
上記一般式(I)で示される化合物は、感光性樹脂組成物中に0.01〜30質量%含まれており、より好ましい範囲は0.1〜15質量%である。上記一般式(I)で示される化合物の量が0.01質量%未満では、現像時の凝集物の十分な低減効果が得られず、30質量%を超えると、光重合が効率的に進行せず、現像による感度、解像度等の画像形成性が劣る。
【0019】
(a)熱可塑性重合体としては、α,β−不飽和カルボキシル基含有単量体を共重合成分とし、酸当量で100〜600、重量平均分子量が2万〜50万のものを用いる。ここで、酸当量とは、その中に1当量のカルボキシル基を有するポリマーの質量をいう。
熱可塑性重合体中のカルボキシル基は、感光性樹脂組成物がアルカリ水溶液に対し現像性や剥離性を有するために必要である。その酸当量が100未満であれば、塗工溶媒又は他の組成物、例えばモノマーとの相溶性が低下し、600を越えると現像性や剥離性が低下する。また、分子量が50万を越えると現像性が低下し、2万未満ではドライフィルムレジストに用いたとき、その厚みを均一に維持することが困難になるばかりでなく、現像液に対する耐性が悪化する。
【0020】
なお、酸当量の測定は、平沼レポーティングタイトレーター(COM−555)を用い、0.1mol/LのNaOH水溶液で電位差滴定法により行われる。また、分子量は、日本分光製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(示差屈折率計:RI−1530、ポンプ:PU−1580、デガッサー:DG−980−50、カラムオーブン:CO−1560、カラム:順にKF−8025、KF−806M×2、KF−807、溶離液:THF、ポリスチレン標準サンプルによる検量線使用)により、重量平均分子量として求められる。
【0021】
アルカリ現像可能な感光性樹脂組成物においては、上記の熱可塑性重合体は、一般に下記に示す2種類の単量体の中より、各々一種又はそれ以上の単量体を共重合させることによって得られる。
第一の単量体は、分子中に重合性不飽和基を一個有するカルボン酸又は酸無水物である。例えば、(メタ)アクリル酸、フマル酸、ケイ皮酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸半エステル等である。中でも、特に(メタ)アクリル酸が好ましい。
【0022】
第二の単量体は、非酸性で、分子中に重合性不飽和基を一個有し、感光性樹脂層の現像、エッチング、及びメッキ工程での耐性、硬化膜の可とう性等の種々の特性を維持するように選ばれる。このような単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート類が挙げられる他、酢酸ビニル等のビニルアルコールのエステル類や(メタ)アクリロニトリル、スチレン又は重合可能なスチレン誘導体が挙げられる。また、上記の重合性不飽和基を分子中に一個有するカルボン酸又は酸無水物のみの重合によっても得ることができる。
【0023】
感光性樹脂組成物中に含有される熱可塑性重合体の量は、20〜90質量%の範囲でなければならず、好ましくは、25〜70質量%の範囲である。熱可塑性重合体の量が90質量%を超えるか、又は、20質量%未満では、露光によって形成される硬化画像がレジストとしての性能を十分に発揮することができない。
【0024】
(b)少なくとも1つの末端エチレン性不飽和基を有する付加重合性モノマーは、感光性樹脂組成物中の5〜75質量%を占める。
(b)少なくとも1つの末端エチレン性不飽和基を有する付加重合性モノマーの例としては、4−ノニルフェニルヘプタエチレングリコールジプロピレングリコールアクリレート、2−ヒドロキシー3−フェノキシプロピルアクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコールアクリレート、無水フタル酸と2−ヒドロキシプロピルアクリレートとの半エステル化合物とプロピレンオキシドとの反応物(日本触媒化学製、OE-A 200)、4−ノルマルオクチルフェノキシペンタプロピレングリコールアクリレート、2,2−ビス[{4−(メタ)アクリロキシポリエトキシ}フェニル]プロパン、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、またポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシペンタエトキシフェニル)プロパン、ヘキサメチレンジイソシアネートとノナプロピレングリコールモノメタクリレートとのウレタン化物等のウレタン基を含有する多官能基(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エステル化合物等が挙げられる。
これらは、単独で使用しても、2種類以上併用しても構わない。
【0025】
(b)少なくとも1つの末端エチレン性不飽和基を有する付加重合性モノマーは、感光性樹脂組成物中に5〜75質量%含まれており、より好ましい範囲は15〜70質量%である。少なくとも1つの末端エチレン性不飽和基を有する付加重合性モノマーが5質量%未満の場合は、硬化不良、現像時間の遅延を招き、75質量%を超えると、コールドフロー、硬化レジストの剥離遅延を招く。
【0026】
(c)光重合開始剤としては、各種の活性光線、例えば紫外線などにより活性化され、重合を開始させることができる公知の開始剤が挙げられる。
このような光重合開始剤としては、例えば、2−エチルアントラキノン、オクタエチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン、3−クロロ−2−メチルアントラキノンなどのキノン類、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン[4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン]、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどの芳香族ケトン類、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、メチルベンゾイン、エチルベンゾインなどのベンゾインエーテル類、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール、トリアリールイミダゾリル二量体等のビイミダゾール化合物及びその誘導体、N−フェニルグリシン、N−メチル−N−フェニルグリシン、N−エチル−N−フェニルグリシン等のN−フェニルグリシン類、チオキサントン類とアルキルアミノ安息香酸の組み合わせ、例えばエチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸エチル、2−クロルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸エチル、イソプロピルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸エチルとの組み合わせ、また、トリアリールイミダゾリル二量体等のビイミダゾール化合物及びその誘導体とミヒラーズケトンとの組み合わせ、9−フェニルアクリジン等のアクリジン類、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−o−ベンゾインオキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム等のオキシムエステル類がある。これらの開始剤の好ましい例としては、ジエチルチオキサントン、クロルチオキサントン等のチオキサントン類、ジメチルアミノ安息香酸エチル等のジアルキルアミノ安息香酸エステル類、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、トリアリールイミダゾリル二量体等のビイミダゾール化合物及びその誘導体、9−フェニルアクリジン、N−フェニルグリシン類、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。トリアリールイミダゾリル二量体等のビイミダゾール化合物及びその誘導体としては、例えば、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2,2’,5−トリス−(o−クロロフェニル)−4−(3,4−ジメトキシフェニル)−4’,5’−ジフェニルイミダゾリル二量体、2,4−ビス−(o−クロロフェニル)−5−(3,4−ジメトキシフェニル)−ジフェニルイミダゾリル二量体、2,4,5−トリス−(o−クロロフェニル)−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(o−クロロフェニル)−ビス−4,5−(3,4−ジメトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2−フルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,3−ジフルオロメチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,5−ジフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,6−ジフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,3,4−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,3,5−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,3,6−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体等が挙げられる。
【0027】
これらは単独又は2種類以上組み合わせて用いられる。特に、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体は解像性や硬化膜の強度に対して非常に有効な光開始剤であり、好ましく用いられる。
本発明の感光性樹脂組成物に含有される光重合開始剤の量は、0.01〜30質量%であり、好ましくは、0.05〜10質量%である。光重合開始剤が30質量%を超えると、感光性樹脂組成物の活性吸収率が高くなり、ドライフィルムレジストとして用いた場合、感光性樹脂層の底部における光重合による硬化が不十分になる。また、光重合開始剤の量が0.01質量%未満では十分な感度がでなくなる。
【0028】
本発明では、感光性樹脂組成物中に、染料、顔料等の着色物質を採用することができる。例えばフタロシアニングリーン、クリスタルバイオレット、メチルオレンジ、ナイルブルー2B、ビクトリアブルー、マラカイトグリーン、ベイシックブルー20、ダイアモンドグリーン等が挙げられる。
変色剤は、露光により可視像を与えることができるように感光性樹脂組成物中に添加されてもよい。このような発色系染料としては、ロイコ染料又は、フルオラン染料とハロゲン化合物との組み合わせがある。ここで用いられる染料としては、前記染料のほかに、ハロゲン化合物として臭化アミル、臭化イソアミル、臭化イソブチレン、臭化エチレン、臭化ジフェニルメチル、臭化ベンザル、臭化メチレン、トリブロモメチルフェニルスルホン、四臭化炭素、トリス(2,3−ジルボモプロピル)ホスフェート、トリクロロアセトアミド、ヨウ化アミル、ヨウ化イソブチル、1,1,1−トリクロロ−2,2−ビス(p−クロロフェニル)エタン、ヘキサクロロエタン、トリアジン化合物等が挙げられる。
【0029】
また、本発明の熱安定性、感光性樹脂組成物の保存安定性を向上させるために、感光性樹脂組成物にラジカル重合禁止剤やベンゾトリアゾール類を含有させることは好ましいことである。
ラジカル重合禁止剤としては、例えば、p−メトキシフェノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ナフチルアミン、tert−ブチルカテコール、塩化第一銅、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、ニトロソフェニルヒドロキシアミンアルミニウム塩、ジフェニルニトロソアミン等が挙げられる。ラジカル重合禁止剤の添加量は、好ましくは0.0001〜3質量%であり、より好ましくは0.0005〜1質量%である。0.0001質量%未満では感光性樹脂組成物が十分な保存安定性を示さず、3質量%を越えると光感度が低下する。
【0030】
ベンゾトリアゾール類としては、例えば、カルボキシベンゾトリアゾール又は下記一般式(II)に示される化合物がある。
【0031】
【化4】
【0032】
(式中、R5,R6は水素又は炭素数が1〜6のアルキル基であり、xは1〜3の整数である。)
【0033】
上記の式(II)で示される化合物としては、N−(N,N−ジ−2−エチルヘキシル)アミノメチレンカルボキシベンゾトリアゾール、N−(N,N−ジ−2−ヒドロキシエチル)アミノメチレンベンゾトリアゾール、N−(N,N−ジ−2−エチルヘキシル)アミノエチレンカルボキシベンゾトリアゾール等が挙げられる。
カルボキシベンゾトリアゾール又は式(II)に示される化合物の添加量は、好ましくは0.01〜3質量%であり、より好ましくは0.05〜1質量%である。0.01質量%未満では感光性樹脂組成物が十分な保存安定性を示さず、3質量%を越えると光感度が低下する。
これらラジカル重合禁止剤やベンゾトリアゾール類化合物は単独で使用しても、2種類以上併用しても構わない。
【0034】
本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じて可塑剤等の添加剤を含有させても良い。このような添加剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンモノメチルエーテル、ポリオキシプロピレンモノメチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノメチルエーテル、ポリオキシエチレンモノエチルエーテル、ポリオキシプロピレンモノエチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノエチルエーテル等のグリコール・エステル類、ジエチルフタレート等のフタル酸エステル類、o−トルエンスルフォン酸アミド、p−トルエンスルフォン酸アミド、クエン酸トリブチル、クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリ−n−プロピル、アセチルクエン酸トリ−n−ブチル等が挙げられる。
【0035】
本発明のドライフィルムレジストは、感光性樹脂組成物の層と感光性樹脂層を支持する支持層からなる。必要により、支持層と反対側の表面に保護層を持つこともある。支持層としては、活性光を透過する透明なものが望ましい。
活性光を透過する支持層としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、塩化ビニリデン共重合フィルム、ポリメタクリル酸メチル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、スチレン共重合体フィルム、ポリアミドフィルム、セルロース誘導体フィルムなどが挙げられる。これらのフィルムは必要に応じ延伸されたものも使用可能である。厚みは、薄い方が画像形成性及び経済性の面で有利であるが、強度を維持する必要等から10〜30μmのものが一般的である。
【0036】
保護層の重要な特性は、感光性樹脂層との密着力について、支持層よりも保護層の方が充分小さく容易に剥離できることである。例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等がある。また、特開昭59−202457号公報に示された剥離性の優れたフィルムを用いることができる。
感光性樹脂層の厚みは用途において異なるが、プリント配線板、及び金属加工基材作製用には好ましくは5〜100μm、より好ましくは10〜80μmであり、薄いほど解像度は向上する。また厚いほど膜強度が向上する。
【0037】
次に、本発明の感光性樹脂積層体をドライフィルムレジストとして用いたプリント配線板製造工程を示す。
まず、ラミネーターを用い、保護層がある場合は保護層を剥離した後、感光性樹脂層を金属表面に加熱圧着し積層する。この場合、感光性樹脂層は金属表面の片面だけに積層しても良いし、両面に積層しても良い。この時の加熱温度は一般的に40〜160℃である。また、圧着は二回以上行うことにより密着性・耐薬品性が向上する。この時、圧着は二連のロールを備えた二段式ラミネーターを使用しても良いし、何回か繰り返してロールに通し圧着しても良い(二段式ラミネーターについては、特開昭63−7477号公報参照)。次に必要ならば支持層を剥離しマスクフィルムを通して活性光により画像露光する。
【0038】
次に、露光後感光性樹脂層上に支持層がある場合には必要に応じてこれを除き、続いてアルカリ水溶液の現像液を用いて未露光部を現像除去し、レジスト画像を得る。アルカリ水溶液としては、Na2CO3、K2CO3等の水溶液を用いる。これらは感光性樹脂層の特性に合わせて選択されるが、0.2〜2質量%の濃度、20〜40℃のNa2CO3水溶液が一般的である。該アルカリ水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤などを混入させてもよい。
【0039】
このようにして得られたレジスト画像は、場合によっては100〜300℃の加熱工程を使用することもできる。この加熱工程を実施することにより、更なる耐薬品性向上が可能となる。次に現像により露出した銅面をエッチング法、めっき法等、既知の方法をもちいて金属の画像パターンを形成する。その後、レジスト画像は一般的に現像で用いたアルカリ水溶液よりも更に強いアルカリ性水溶液により剥離される。剥離用のアルカリ水溶液についても特に制限はないが、2〜5質量%の濃度、40〜70℃のNaOH、KOHの水溶液が一般的に用いられる。剥離液にも、少量の水溶性溶媒を加える事は可能である。
【0040】
本発明における、評価用サンプル作成方法及び評価方法等を以下具体的に説明する。
(感光性樹脂積層体の作成)
下記実施例及び比較例に示す組成の感光性樹脂組成物をよく攪拌、混合し、支持層として20μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムの表面にバーコーターを用いて均一に塗布し、95℃の乾燥機中で4分間乾燥して感光性樹脂層を形成した。感光性樹脂層の厚みは40μmであった。
次いで、上記感光性樹脂層とポリエチレンテレフタレートフィルムからなる積層物の感光性樹脂層側に保護層として30μm厚のポリエチレンフィルムを張り合わせて感光性樹脂積層体を得た。
【0041】
(ラミネート)
35μm圧延銅箔を積層した1.6mm厚の銅張積層板表面を湿式バフロール研磨(スリーエム(株)社製、スコッチブライト(登録商標)HD#600、2回通し)し、上記の方法によって作成した感光性樹脂積層体のポリエチレンフィルムを剥がしながら感光性樹脂層をホットロールラミネーター(旭化成(株)社製、AL−70)により105℃でラミネートした。エアー圧力は0.34MPaとし、ラミネート速度は1.5m/minとした。
【0042】
(露光)
感光性樹脂層にマスクフィルム無しあるいは評価に必要なマスクフィルムを通して、超高圧水銀ランプ(オーク製作所製、HMW−801)により60mJ/cm2で露光した。
(現像)
ポリエチレンフィルムを剥離した後、30℃の1質量%Na2CO3水溶液を所定時間スプレーし、感光性樹脂層の未露光部分を溶解除去した。この際、未露光部分の感光性樹脂層が完全に溶解するのに要する最も少ない時間を最小現像時間とした。
【0043】
(凝集性の評価)
上記の方法によって作成した厚さ40μm、面積0.15m2の感光性樹脂積層体中の感光性樹脂層を200mlの1質量%Na2CO3水溶液に溶解させ、循環式スプレー装置を用いてスプレー圧0.1MPa、3時間スプレーを行って凝集物の発生を観察した。凝集物が多量に発生するとスプレー装置の底部及び側面に粉状のもの又は油状のものが観察される。凝集物が発生しない場合は、これらが全く見られない。
【0044】
(感度評価)
透明から黒色に27段階に明度が変化している27段ステップタブレット(旭化成(株)製、光学濃度D=0.50〜1.80、ΔD=0.05)を用いて、最小現像時間の2倍の現像時間で現像し、現像後に金属箔基板が露出した時に対応する段数を感度の値とした。ここで、感度の値が12〜14である事が実用上好ましく、11以下の場合は露光部の硬化が不足となり充分な耐溶剤性が得られない等の不都合を起こす場合がある。
【0045】
(解像度評価)
ラミネート後15分経過した基板を、露光部と未露光部の幅が1:1の比率のラインパターンを通して露光した。最小現像時間の2倍の現像時間で現像し、硬化レジストラインが正常に形成されている最小マスク幅を解像度の値とした。ここで、40μm以下の値がファインパターン形成に有効であり、40μmを超える値ではファインパターン形成が困難となる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を詳しく説明する。尚、本発明は下記実施例にのみ限定されるものではない。また、それらの評価結果を表1に示す。
【0046】
【実施例1】
(成分)
メタクリル酸メチル/メタクリル酸/アクリル酸n−ブチル(質量比が65/25/10)の組成を有し、酸当量が344であり、重量平均分子量が20万である共重合体の30%メチルエチルケトン溶液の不揮発成分 25質量部
メタクリル酸メチル/メタクリル酸/スチレン(重量比が50/25/25)の組成を有し、酸当量が344であり、重量平均分子量が5万である共重合体の43%メチルエチルケトン溶液の不揮発成分 24質量部
4−ノニルフェニルヘプタエチレングリコールジプロピレングリコールアクリレート(日本油脂(株)製、LS−100A) 10質量部
テトラエチレングリコールジメタクリレート 3質量部
トリエチレングリコールドデカプロピレングリコールトリエチレングリコールのα、ω−ジメタクリレート 16質量部
ヘキサメチレンジイソシアネートとペンタプロピレングリコールモノメタクリレートとのウレタン化物 16質量部
4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン 0.2質量部
2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体 4質量部
ソルビタンヤシ油脂肪酸エステル[R1:ヤシ油脂肪酸のアシル基、R2=R3=R4:水素、k+l+m+n=0(三洋化成工業(株)製、イオネット(商標)S−20)] 4質量部(感光性樹脂組成物中の含有率:3.9質量%)
マラカイトグリーン 0.04質量部
ロイコクリスタルバイオレット 0.5質量部
上記に示した成分を前述のサンプル作成方法に基づいて評価用サンプルを作成し、評価を行った。
【0047】
【実施例2】
実施例1における(成分)のソルビタンヤシ油脂肪酸エステル 4質量部をポリオキシエチレンソルビタンラウレート[R1:ラウリル基、R2=R3=R4:水素、k+l+m+n=20、A:−CH2CH2−(日本乳化剤(株)製、ニューコール(商標)25)]4質量部(感光性樹脂組成物中の含有率:3.9質量%)とした以外は実施例1と同様に行った。
【0048】
【実施例3】
(成分)
メタクリル酸メチル/メタクリル酸/スチレン(重量比が50/25/25)の組成を有し、酸当量が344であり、重量平均分子量が5万である共重合体の43%メチルエチルケトン溶液の不揮発成分 48質量部
2,2−ビス(4−メタクリロキシペンタエトキシフェニル)プロパン(新中村化学(株)製、BPE−500) 30質量部
トリエトキシメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学(株)製、A−TMPT−3EO) 8質量部
4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン 0.2質量部
2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体 4質量部
ソルビタンヤシ油脂肪酸エステル[R1:ヤシ油脂肪酸のアシル基、R2=R3=R4:水素、k+l+m+n=0、A:−CH2CH2−(三洋化成工業(株)製、イオネット(商標)S−20)] 2質量部(感光性樹脂組成物中の含有率:2.2質量%)
マラカイトグリーン 0.04質量部
ロイコクリスタルバイオレット 0.5質量部
実施例1と同様な方法で感光性樹脂積層体を作成し、評価を行った。
【0049】
【比較例1】
実施例1における(成分)のソルビタンヤシ油脂肪酸エステル 4質量部を60質量部(感光性樹脂組成物中の含有率:37.8質量%)とした以外は実施例1と同様に行った。
【0050】
【比較例2】
実施例1における(成分)のソルビタンヤシ油脂肪酸エステル 4質量部を0.001質量部(感光性樹脂組成物中の含有率:0.001質量%)とした以外は実施例1と同様に行った。
実施例、比較例の結果をまとめて表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】
本発明は、現像時に発生する凝集物を全く無くする効果を有し、紫外線照射によって露光可能な、アルカリ性水溶液によって現像しうる、感度、解像度等の画像形成性に優れた感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性樹脂積層体を提供することができる。
Claims (2)
- (a)α,β−不飽和カルボキシル基含有単量体を共重合成分とし、酸当量で100〜600、重量平均分子量が2万〜50万の熱可塑性重合体20〜90質量%、(b)分子内に少なくとも一つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する付加重合性モノマー5〜75質量%、(c)光重合開始剤0.01〜30質量%を必須成分として含む感光性樹脂組成物であって、さらに(d)下記一般式(I)からなる化合物を0.01〜30質量%含み、(c)光重合開始剤として、トリアリールイミダゾリル二量体及びその誘導体を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
- 支持層上に請求項1記載の感光性樹脂組成物からなる層を設けた感光性樹脂積層体。
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