JP3931970B2 - 歯形付き製品の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯形付き製品の製造方法に関し、更に詳しくは、高精度の歯形付き製品の製造方法に関する。
本発明は、特に、車両等に用いられるオートマチック・トランスミッション用のパーキングロックギヤ付きカウンタードリブンギヤ及びその製造方法として好適に利用される。
【0002】
【従来の技術】
従来より、歯形付き製品として、パーキングロックギヤとカウンタードリブンギヤとを一体成形してなるパーキングロックギヤ付きカウンタードリブンギヤ(図8参照、以下、単にパーキングロックギヤ付き製品とも略記する。)が知られている。このパーキングロックギヤ付き製品30の製造方法としては、熱間鍛造で、フランジ部の表面より粗パーキングロックギヤを立ち上げてなる粗材を成形し、その後、冷間鍛造で、この粗材の粗パーキングロックギヤに仕上げ加工を施してパーキングロックギヤ32を成形し製品を得るものが知られている。そして、上記冷間鍛造での仕上げ加工として、従来一般に、据え込み加工及びしごき加工の2通りの加工法が用いられている。
上記据え込み加工では、図15(a)(b)に示すように、ダイス19より小さな粗パーキングロックギヤ22をダイス19内にセットし、その粗パーキングロックギヤ22を押しつぶすことによってパーキングロックギヤ32を成形している。また、上記しごき加工では、図16(a)(b)に示すように、ダイス19より大きな粗パーキングロックギヤ22をダイス19上にセットし、その粗パーキングロックギヤ22をダイス19内にしごきながら押込むことによってパーキングロックギヤ32を成形している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年、上記パーキングロックギヤ付き製品は、そのコンパクト化やパーキングロックギヤの機能確保等の観点から高精度化が要望されている。特に、図9に示すように、このパーキングロックギヤ付き製品30のパーキングロックギヤ32において、その歯先隅部33の曲率半径R1、その歯面34の表面粗さRz及びその歯元部35の曲率半径R2に厳しい精度{例えば、R1≦0.4mm、Rz(十点平均粗さ)≦12.5z、R2=0.2〜1.5mm}が要求されている。
しかし、上記従来の据え込み加工では、ダイスの型面に対して粗パーキングロックギヤの成形面を押圧する加工であるため、成形されるパーキングロックギヤにおいて、その歯元部の曲率半径R2は比較的高い精度(例えば、R2=0.5mm)を確保できるが、その歯面の表面粗さRzは高い精度(例えば、Rz≦20z)を確保できず、また、その歯先隅部は欠肉が生じてしまい高い精度を確保できない。一方、上記従来のしごき加工では、その歯先隅部の曲率半径R1及びその歯面の表面粗さRzは比較的高い精度(例えば、R1≦0.3mm、Rz≦10z)を確保できる。しかし、このしごき加工では、粗パーキングロックギヤの歯元部に向かってラムの移動方向へしごきが行われるため、成形されるパーキングロックギヤの歯元部に約2mm以上の肉溜り18{図16(b)参照}が生じてしまい、この歯元部に高い精度を確保できない。
【0004】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、高精度の歯形を有する冷間鍛造品である歯形付き製品の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
本発明の歯形付き製品の製造方法は、以下の通りである。
1.鍛造機のラムの移動方向と交差する方向に移動する移動型によって粗材の粗歯形を拘束した状態で、該粗材を前記ラムの移動方向に移動させて該粗材の該粗歯形にしごき加工を施して歯形を成形し歯形付き製品を冷間鍛造により得る歯形付き製品の製造方法であって、
前記移動型はカム機構を介してラムの移動方向と交差する方向へ移動する複数のセグメント型であり、該セグメント型の型部の先端側に、上端部が幅方向に僅かに膨らんだしごき部があり、
前記移動型の交差方向への移動によって、上記しごき部が前記粗材の歯元部の前記粗歯形の所定部位にしごき加工を施して且つ前記しごき部が該歯元部にくい込んで該粗歯形を拘束し、
ノックアウト時、ノックアウト用の型によって前記粗材を前記ラムの移動方向に移動させ、前記しごき部により前記歯元部とは反対側に向かう歯幅方向へしごく前記しごき加工が施されることを特徴とする。
2.前記鍛造機は、ラムの移動方向に移動するインナパンチ、アウタパンチ、ノックアウト型及びバックアップ型並びにカム機構を備え、
前記カム機構は、前記アウタパンチの移動によって上下方向に移動するカム型を備えており、該カム型は、円筒状のカムホルダと該カムホルダの内周側に設けられる円筒状の戻し型とを一体的に備えており、
前記カム機構は、更に、放射状に配置される複数のセグメント型を備えており、該各セグメント型は、水平方向に延びる型部と該型部の後端より斜め下方に伸びる係合部とを有し、全体として略L字状をなしており、該係合部は、前記カムホルダの内周傾斜面及び前記戻し型の外周傾斜面と係合しており、これらの係合によって該セグメント型がラムの移動方向と直交する水平方向へ移動するようになっており、
前記粗材は、インナパンチとバックアップ型との間の所定位置に位置決めセットされる、上記1.記載の歯形付き製品の製造方法。
3.前記歯形付き製品は、フランジ部と該フランジ部の表面から立ち上がる歯形とを有する該歯形付き製品であって、
前記歯形は、その歯先隅部の曲率半径が0.4mm以下であり、その歯面の表面粗さが十点平均粗さで12.5z以下であり、且つ、その歯元部の曲率半径が0.2〜1.5mmである、上記1.又は2.に記載の歯形付き製品の製造方法。
【0007】
上記「歯形」としては、その種類、大きさ、個数等は特に問わない。その種類としては、例えば、矩形歯、インボリュート歯及びスプライン歯等を挙げることができる。また、上記歯形(又は矩形歯)は、例えば、その歯面と歯先端面とを、所定角度の面取り面や所定の曲率半径を有する曲面等で連結することができる。また、例えば、その歯先端面に段差部を設けたり、その歯底部に肉盗みを設けたりできる。また、上記歯形(又は矩形歯)は、例えば、その歯先隅部の曲率半径が0.3mm以下であり、その歯面の表面粗さが十点平均粗さで10z以下であり、且つ、その歯元部の曲率半径が0.3〜1.0mmであることができる。また、上記「歯面」とは、通常、歯形(又は矩形歯)に対する相手部材のかみあい面を意味する。また、上記「歯先隅部」は、例えば、上記歯面の歯先側に設けられる一対の面の交差部分であることができる。また、上記「歯元部」は、例えば、上記歯面と上記フランジ部の表面との交差部分であることができる。
また、上記「移動型」としては、鍛造機のラムの移動方向と交差する方向へ移動可能であれば、その構造、形状、個数等は特に問わない。上記移動型は、例えば、カム機構を介してラムの移動方向と交差する方向へ移動する複数のセグメント型であることができる。また、上記セグメント型は、例えば、1つのセグメント型で隣り合う一対の歯形(又は矩形歯)の各対向面にしごき加工を施す形状であったり、1つのセグメント型で1つの歯形(又は矩形歯)の両側面にしごき加工を施す形状であったりできる。また、上記「交差する方向」としては、例えば、ラムの移動方向と略直交する方向であることができる。さらに、上記「所定部位」は、例えば、歯形(又は矩形歯)の歯元部を含むことができる。
【0009】
本発明の歯形付き製品の製造方法によると、ラムの移動方向と交差する方向へ移動する移動型によって粗材の粗歯形を拘束した状態で、粗材をラムの移動方向に移動させてしごき加工を施すようにしたので、成形される歯形の歯先隅部の曲率半径及び歯面の表面粗さに高精度な値を確保できる。また、粗歯形は、その歯元部と反対側に向かってラムの移動方向へしごかれるので、歯形の歯元部に肉溜りが生じず、そこに高精度な値を確保できる。
また、移動型によって粗材の粗歯形の所定部位にしごき加工を施して粗歯形を拘束する場合は、粗歯形の所定部位にさらに高精度な値を確保できる。
また、ノックアウト用の型によって粗材をラムの移動方向に移動させる場合は、効率良く歯形付き製品を製造することができる。
本発明の歯形付き製品によると、高精度の歯形を有する冷間鍛造品であって、コンパクト化や歯形の機能確保等に優れた歯形付き製品を提供することができる
尚、矩形歯付き製品の製造方法は、鍛造機のラムの移動方向と交差する方向に移動する移動型によって、粗材の粗矩形歯にしごき加工を施して矩形歯を成形し矩形歯付き製品を得ることを特徴とする。
矩形歯付き製品は、フランジ部と、該フランジ部の表面から立ち上がる矩形歯とを有する矩形歯付き製品において、前記矩形歯は、その歯先隅部の曲率半径が0.4mm以下であり、その歯面の表面粗さが十点平均粗さで12.5z以下であり、且つ、その歯元部の曲率半径が0.2〜1.5mmであることを特徴とする。
矩形歯付き製品の製造方法によると、ラムの移動方向と交差する方向へ移動する移動型によって粗材の粗矩形歯にしごき加工を施すようにしたので、成形される矩形歯の歯先隅部の曲率半径及び歯面の表面粗さに高精度な値を確保できる。また、粗矩形歯はラムの移動方向と交差する方向へしごかれるので、成形される矩形歯の歯元部に肉溜りが生じず、そこに高精度な値を確保できる。
矩形歯付き製品によると、高精度の矩形歯を有する冷間鍛造品であって、コンパクト化や矩形歯の機能確保等に優れた矩形歯付き製品を提供することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して本発明を実施例により具体的に説明する。尚、本実施例では、後述するように、成形される歯形付き製品としてパーキングロックギヤ付き製品30(図8参照)を例示する。
鍛造機の構成
本実施例に係る鍛造機1は、図1に示すように、上下方向(ラムの移動方向)に移動するインナパンチ2、アウタパンチ3、ノックアウト型4及びバックアップ型5と、カム機構7とを基本的に備えて構成されている。インナパンチ2はインナパンチ作動源2aによって作動され、アウタパンチ3はアウタパンチ作動源3aによって作動され、バックアップ型5はバックアップ型作動源5aによって作動される。また、カム機構7における後述のカム型8はカム戻し作動源8aによって戻し作動されるようになっている。
【0011】
上記カム機構7は、図2に示すように、アウタパンチ3の移動によって上下方向に移動するカム型8を備えている。このカム型8は、円筒状のカムホルダ9と、このカムホルダ9の内周側に設けられる円筒状の戻し型10とを一体的に備えている。また、カム機構7は、放射状に配置される複数のセグメント型11を備えている。各セグメント型11は、水平方向に延びる型部12と、この型部12の後端より斜め下方に伸びる係合部13とを有し、全体として略L字状をなしている。この係合部13は、上記カムホルダ9の内周傾斜面9a及び上記戻し型10の外周傾斜面10aと係合しており、これらの係合によってセグメント型11がラムの移動方向と直交する水平方向へ移動するようになっている。また、セグメント型11の型部12は、図3に示すように、横断面において先端側に向かって先細り状となっている。また、図4に示すように、型部12の先端側の縦断面において、上端部が幅方向に僅かに膨らんだしごき部15に形成され、このしごき部15が粗材20の粗パーキングロックギヤ22の歯元部35にくい込んで、この粗パーキングロックギヤ22を拘束できるようになっている。
【0012】
(2)歯形付き製品の製造方法
次に、上述の構成の鍛造機を使用した本実施例に係るパーキングロックギヤ付き製品30の製造方法について説明する。先ず、熱間鍛造で成形され、円盤状のフランジ部21の表面より複数の粗パーキングロックギヤ22を立ち上げてなる粗材20を用意する。そして、図5の中心線より左側に示すように、この粗材20を、その粗パーキングロックギヤ22側を下向きにして、インナパンチ2とバックアップ型5との間の所定位置に位置決めセットする。その後、図5の中心線より右側に示すように、アウタパンチ3と共にカム型8を下方に移動させて、カム型8のカムホルダ9と各セグメント型11の係合部13との係合により各セグメント型11を中心側に向かって水平方向へ移動させる。すると、図6の中心線より左側に示すように、セグメント型11の型部12の先端側が粗パーキングロックギヤ22間に進入し、その先端側のしごき部15(図3,4参照)が粗パーキングロックギヤ22の歯元部35にくい込んでいきしごき加工が施され、各粗パーキングロックギヤ22が拘束(閉塞)された状態となる。
【0013】
次に、図6の中心線より右側に示すように、ラムが上昇を始めることにより、インナパンチ2、ノックアウト型4及びバックアップ型5と共に、拘束状態の粗材20が上昇してノックアウト動作が開始される。すると、図7の中心線より左側に示すように、セグメント型11のしごき部15によって粗パーキングロックギヤ22に下方に向かうしごき加工が施されパーキングロックギヤ32が成形される。このとき、成形されたパーキングロックギヤ32において歯元部とは反対側の縁部に余肉が生じるが、この余肉は後工程で切削加工等によって除去することができる。その後、図7の中心線より右側に示すように、インナパンチ2、アウタパンチ3及びノックアウト型4がさらに上昇すると共に、戻し型10の上昇により各セグメント型11が遠心側に向かって水平方向に戻されてノックアウト動作が完了し、成形されたパーキングロックギヤ付き製品30が鍛造機1から取出されることとなる。
【0014】
(3)パーキングロックギヤ付き製品
次に、上述の製造方法で製造されたパーキングロックギヤ付き製品30について説明する。このパーキングロックギヤ付き製品30は、図8に示すように、円盤状のフランジ部31と、このフランジ部31の表面より立ち上がる複数(図8中で15固)のパーキングロックギヤ32とを備えている。このパーキングロックギヤ付き製品30のパーキングロックギヤ32において、図9及び図12(a)に示すように、歯面34と歯先端面40とが所定角度S(例えば、18度)の面取り面Cを介して連結され、本実施例では、この歯面34と面取り面Cとの交差部分を歯先隅部33とし、フランジ部31の表面と歯面34との交差部分を歯元部35としている。そして、このパーキングロックギヤ32において、その歯先隅部33の曲率半径R1は高精度な値(0.3mm)であり、その歯面34の表面粗さRzは高精度な値(10z)であり、且つ、その歯元部35の曲率半径R2は高精度な値(0.5mm)であった。尚、上記フランジ部31の外周側には、後工程で切削加工等によってカウンタードリブンギヤが形成されることとなる。
【0015】
(4)実施例の効果
以上のように本実施例のパーキングロックギヤ付き製品の製造方法では、鍛造機1内の所定位置にセットされる粗材20に対して、先ず、複数のセグメント型11を水平方向へ移動させて、セグメント型11のしごき部15を粗パーキングロックギヤ22にくい込ませてしごき加工を施して拘束し、その後、その拘束状態のまま、粗材20をノックアウトすることによって、セグメント型11のしごき部15で粗パーキングロックギヤ22にしごき加工を施してパーキングロックギヤ32を成形するようにしたので、ノックアウト時に、粗パーキングロックギヤ22を、その歯元部35とは反対側に向かう歯幅方向へしごくことができ、成形されたパーキングロックギヤ32の歯元部35に肉溜りが生じない。従って、このパーキングロックギヤ32において、その歯先隅部33の曲率半径R1、その歯面34の表面粗さRz及びその歯元部35の曲率半径R2に高精度な値を確保でき、その結果、コンパクト化やパーキングロックギヤの機能確保等に優れたパーキングロックギヤ付き製品を提供することができる。
【0016】
尚、本発明においては、前記具体的な実施例に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、本実施例では、ノックアウト時に、粗材20の各粗パーキングロックギヤ22の主要部位にしごき加工を施す製造方法を例示したが、これに限定されず、例えば、各セグメント型11の水平方向への移動によって、粗材20の各粗パーキングロックギヤ22の主要部位にしごき加工を施すようにして、ノックアウト時には、何らしごき加工を施さず通常の成形品の取り出し動作が行われるようにしてもよい。このような製造方法によると、粗パーキングロックギヤ22に中心側に向かう水平方向へのしごき加工を施すことができ、成形されるパーキングロックギヤ32の歯元部35に肉溜りが発生しない。そして、このパーキングロックギヤ32において、その歯先隅部33の曲率半径R1は高精度な値(0.4mm)であり、その歯面34の表面粗さRzは高精度な値(11.5z)であり、且つ、その歯元部35の曲率半径R2は高精度な値(0.5mm)であった。従って、高精度のパーキングロックギヤ32を備え、軽量化及び耐久性等に優れたパーキングロックギヤ付き製品30を提供することができる。
【0017】
また、本実施例では、セグメント型11のラム移動方向と直交する水平方向への移動によって各粗パーキングロックギヤを拘束するようにしたが、これに限定されず、例えば、図10に示すように、セグメント型11を水平方向より僅かに上方に向かって傾斜する方向に移動可能に設け、これらセグメント型11の傾斜方向への移動によって各粗パーキングロックギヤ22を拘束するようにしてもよい。これにより、パーキングロックギヤ付き製品30において、そのフランジ部31の表面に環状の凹部37を設け、この凹部37からパーキングロックギヤ32を立ち上げるように設定でき、即ち、このパーキングロックギヤ付き製品30の軸方向長さを必要最小限に設定することができ、製品のコンパクト化及びパーキングロックギヤの機能確保等をより向上させることができる。
また、本実施例では、セグメント型11を、その横断面において単純な先細り状のものを例示したが(図3参照)、これに限定されず、例えば、図11に示すように、粗パーキングロックギヤ22においてより広い面域でかつ段差状の歯先隅部33にしごき加工を施し得るように、セグメント型11を、その横断面において両側に多段部38を有する形状としてもよい。
【0018】
また、本実施例の歯形として、歯面34と歯先端面40とを面取り面Cで連結するもの{図12(a)参照}を例示したが、これに限定されず、例えば、図13(a)に示すように、歯面34と歯先端面40とを所定の曲率半径(例えば、1.0mm)を有する曲面(フィレット)Rで連結するものであってもよい。また、本実施例の歯形として、歯先端面40が緩やかな曲面(又は平坦な平面)であるもの{図12(a)参照}を例示したが、これに限定されず、例えば、図14(a)に示すように、歯先端面40に歯先側に突出する段差部41を設けたものであってもよい。さらに、図12(b),図13(b)及び図14(b)に示すように、歯面34と歯底円43との連結部位に肉盗み部42を設けて構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る鍛造機の側断面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】図2のIII−III線断面拡大図である。
【図4】図3のIV視拡大図である。
【図5】鍛造機の作用説明図であり、中心線より左側はワークセット時の状態を示し、中心線より右側はセグメント型の可動開始の状態を示す。
【図6】同じく、作用説明図であり、中心線より左側はセグメント型の可動完了の状態を示し、中心線より右側はラム上昇開始の状態を示す。
【図7】同じく、作用説明図であり、中心線より左側は成形完了時の状態を示し、中心線より右側はワーク取り出し時の状態を示す。
【図8】本実施例に係るパーキングロックギヤ付き製品の斜視図である。
【図9】図8の要部拡大斜視図である。
【図10】カム機構の他の態様を説明するための側断面図である。
【図11】セグメント型の他の態様を説明するための平断面図である。
【図12】本実施例に係る歯形及びその他の態様の歯形を説明するための説明図であり、(a)は本実施例に係る肉盗み部のないタイプを示し、(b)は他の態様に係る肉盗み部を有するタイプを示す。
【図13】歯形の他の態様を説明するための説明図であり、(a)は肉盗み部のないタイプを示し、(b)は肉盗み部を有するタイプを示す。
【図14】歯形の他の態様を説明するための説明図であり、(a)は肉盗み部のないタイプを示し、(b)は肉盗み部を有するタイプを示す。
【図15】従来の据え込み加工を説明するための説明図であり、(a)はダイス内に粗パーキングロックギヤをセットした状態を示し、(b)は成形完了時の状態を示す。
【図16】従来のしごき加工を説明するための説明図であり、(a)はダイス上に粗パーキングロックギヤをセットした状態を示し、(b)は成形完了時の状態を示す。
【符号の説明】
1:鍛造機、4:ノックアウト型、5:バックアップ型、11:セグメント型、20:粗材、21:フランジ部、22:粗パーキングロックギヤ、30:パーキングロックギヤ付き製品、31:フランジ部、32:パーキングロックギヤ、33:歯先隅部、34:歯面、35:歯元部。
Claims (3)
- 鍛造機のラムの移動方向と交差する方向に移動する移動型によって粗材の粗歯形を拘束した状態で、該粗材を前記ラムの移動方向に移動させて該粗材の該粗歯形にしごき加工を施して歯形を成形し歯形付き製品を冷間鍛造により得る歯形付き製品の製造方法であって、
前記移動型はカム機構を介してラムの移動方向と交差する方向へ移動する複数のセグメント型であり、該セグメント型の型部の先端側に、上端部が幅方向に僅かに膨らんだしごき部があり、
前記移動型の交差方向への移動によって、上記しごき部が前記粗材の歯元部の前記粗歯形の所定部位にしごき加工を施して且つ前記しごき部が該歯元部にくい込んで該粗歯形を拘束し、
ノックアウト時、ノックアウト用の型によって前記粗材を前記ラムの移動方向に移動させ、前記しごき部により前記歯元部とは反対側に向かう歯幅方向へしごく前記しごき加工が施されることを特徴とする歯形付き製品の製造方法。 - 前記鍛造機は、ラムの移動方向に移動するインナパンチ、アウタパンチ、ノックアウト型及びバックアップ型並びにカム機構を備え、
前記カム機構は、前記アウタパンチの移動によって上下方向に移動するカム型を備えており、該カム型は、円筒状のカムホルダと該カムホルダの内周側に設けられる円筒状の戻し型とを一体的に備えており、
前記カム機構は、放射状に配置される複数のセグメント型を備えており、該各セグメント型は、水平方向に延びる型部と該型部の後端より斜め下方に伸びる係合部とを有し、全体として略L字状をなしており、該係合部は、前記カムホルダの内周傾斜面及び前記戻し型の外周傾斜面と係合しており、これらの係合によって該セグメント型がラムの移動方向と直交する水平方向へ移動するようになっており、
前記粗材は、インナパンチとバックアップ型との間の所定位置に位置決めセットされる請求項1記載の歯形付き製品の製造方法。 - 前記歯形付き製品は、フランジ部と該フランジ部の表面から立ち上がる歯形とを有する該歯形付き製品であって、
前記歯形は、その歯先隅部の曲率半径が0.4mm以下であり、その歯面の表面粗さが十点平均粗さで12.5z以下であり、且つ、その歯元部の曲率半径が0.2〜1.5mmである請求項1又は2に記載の歯形付き製品の製造方法。
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