JP3930982B2 - 車両用警報装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の車両に装備される車両用警報装置に関し、特に、後方に車両等が接近したときに警報を発する車両用警報装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、乗員が車両室内にいてドアを開けようとしたとき、例えば、ドアノブを操作したときに、後方から車両が接近してくると警報を発する車両用警報装置は知られている。この装置は、後方から車両が接近してこない場合にも確認的に警報を発する車両用警報装置と違い、必要なときのみ警報を発するので、乗員に不快感を生じさせることはなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の車両用警報装置では、乗員が瞬時にドアを開けた場合には、警報が発せられても間に合わず、ドアが開けられてしまい、警報が無意味になることもあった。
【0004】
本発明は、上記点に着目してなされたものであり、乗員が車両のドアを開く操作を行う前に後方から接近する車両に対する危険性を認識することができる車両用警報装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の車両用警報装置は、乗員を拘束するシートベルトの装着の有無を検出するシートベルト装着有無検出手段と、前記乗員の座席の位置を検出する乗員座席位置検出手段と、右側後方から接近してくる車両までの距離を検出して当該車両の接近を判別する車両右側接近判別手段と、左側後方から接近してくる車両までの距離を検出して当該車両の接近を判別する車両左側接近判別手段と、前記シートベルトが装着状態から非装着状態になった旨の検出信号を前記シートベルト装着有無検出手段から受け取った場合であって、前記乗員の座席の位置が右側である旨の検出信号を前記乗員座席位置検出手段から受け取り、かつ、右側後方から車両が接近する旨の判別信号を前記車両右側接近判別手段から受け取ったときに、前記警報を発すると判断する判断手段と、該判断手段の判断結果に応じて前記乗員に対して警報を発する警報発生手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
請求項1記載の車両用警報装置によれば、乗員を拘束するシートベルトの装着の有無が検出され、乗員の座席の位置が検出され、右側後方から接近してくる車両までの距離の検出結果から当該車両の接近が判別され、左側後方から接近してくる車両までの距離の検出結果から当該車両の接近が判別され、シートベルトが装着状態から非装着状態になり、かつ、乗員の座席の位置が右側であり、かつ、右側後方から車両が接近するときに警報を発すると判断され、この判断結果に応じて乗員に対して警報が発されるので、後方から車両が接近する右側の乗員が車両のドアを開く操作を行う前に右側後方から確実に接近する車両に対する危険性を確実に認識することができる。
【0007】
上記目的を達成するため、請求項2記載の車両用警報装置は、乗員を拘束するシートベルトの装着の有無を検出するシートベルト装着有無検出手段と、前記乗員の座席の位置を検出する乗員座席位置検出手段と、右側後方から接近してくる車両までの距離を検出して当該車両の接近を判別する車両右側接近判別手段と、左側後方から接近してくる車両までの距離を検出して当該車両の接近を判別する車両左側接近判別手段と、前記シートベルトが装着状態から非装着状態になった旨の検出信号を前記シートベルト装着有無検出手段から受け取った場合であって、前記乗員の座席の位置が左側である旨の検出信号を前記乗員座席位置検出手段から受け取り、かつ、左側後方から車両が接近する旨の判別信号を前記車両左側接近判別手段から受け取ったときに、前記警報を発すると判断する判断手段と、該判断手段の判断結果に応じて前記乗員に対して警報を発する警報発生手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の車両用警報装置によれば、乗員を拘束するシートベルトの装着の有無が検出され、乗員の座席の位置が検出され、右側後方から接近してくる車両までの距離の検出結果から当該車両の接近が判別され、左側後方から接近してくる車両までの距離の検出結果から当該車両の接近が判別され、シートベルトが装着状態から非装着状態になり、かつ、乗員の座席の位置が左側であり、かつ、左側後方から車両が接近するときに警報を発すると判断され、この判断結果に応じて乗員に対して警報が発されるので、後方から車両が接近する左側の乗員が車両のドアを開く操作を行う前に左側後方から確実に接近する車両に対する危険性を確実に認識することができる。
上記目的を達成するため、請求項3記載の車両用警報装置は、乗員を拘束するシートベルトの装着の有無を検出するシートベルト装着有無検出手段と、前記乗員の座席の位置を検出する乗員座席位置検出手段と、右側後方から接近してくる車両までの距離を検出して当該車両の接近を判別する車両右側接近判別手段と、左側後方から接近してくる車両までの距離を検出して当該車両の接近を判別する車両左側接近判別手段と、前記シートベルトが装着状態から非装着状態になった旨の検出信号を前記シートベルト装着有無検出手段から受け取った場合であって、前記乗員の座席の位置が中央である旨の検出信号を前記乗員座席位置検出手段から受け取り、かつ、前記車両右側接近判別手段及び前記車両左側接近判別手段のいずれか一方から後方から車両が接近する旨の判別信号を受け取ったときに、前記警報を発すると判断する判断手段と、該判断手段の判断結果に応じて前記乗員に対して警報を発する警報発生手段とを備えることを特徴とする。
請求項3記載の車両用警報装置によれば、乗員を拘束するシートベルトの装着の有無が検出され、乗員の座席の位置が検出され、右側後方から接近してくる車両までの距離の検出結果から当該車両の接近が判別され、左側後方から接近してくる車両までの距離の検出結果から当該車両の接近が判別され、シートベルトが装着状態から非装着状態になり、かつ、乗員の座席の位置が中央であり、かつ、後方から車両が接近するときに警報を発すると判断され、この判断結果に応じて乗員に対して警報が発されるので、中央の乗員が車両のドアを開く操作を行う前に後方から確実に接近する車両に対する危険性を確実に認識することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、本実施の形態に係る車両用警報装置が接続されている電動リトラクタ100の構成を示す図である。
【0011】
電動リトラクタ100はフレーム1を備えている。このフレーム1にはシートベルトを巻き取るリールシャフト3が回転自在に設置され、車両に所定の減速度が作用したとき又はシートベルトが所定の加速度で引き出されたときにシートベルトの引き出しをロックする公知のシートベルトロック機構2が固定されている。
【0012】
次いで、リールシャフト3の中心軸3aはリールシャフト用プーリ5の中心軸に連結されており、このリールシャフト用プーリ5は動力伝達ベルト7を介して直流モータ用プーリ6に接続されている。
【0013】
リールシャフト用プーリ5及び直流モータ用プーリ6の外周にはそれぞれ所定数の外歯が形成され、また動力伝達ベルト7の内周にも所定数の内歯が形成されており、リールシャフト用プーリ5及び直流モータ用プーリ6の外歯と動力伝達ベルト7の内歯とはそれぞれ過不足なくかみ合っている。
【0014】
直流モータ用プーリ6の中心軸は直流モータ10に連結されている。従って、直流モータ10の回転は直流モータ用プーリ6を介してリールシャフト3に伝達される。
【0015】
直流モータ10は、フレーム1に少なくとも2点以上で固定されており、また直流モータ駆動部11を介してMPU(Micro Processing Unit)14に接続されている。直流モータ駆動部11はMPU14からの制御信号に基づいて直流モータ10の回転を制御する。
【0016】
MPU14は、時間を計るタイマ15を備えており、シートベルトの装着の有無を検出するシートベルト装着有無検出部16及び車両が後方から接近してくる場合に警報を発する車両用警報部20に接続されている。
【0017】
図2は車両用警報部20の構成を示す図である。車両用警報部20は、後方から接近してくる車両を検出する右側後方検出超音波センサ21及び左側後方検出超音波センサ22と、これらの超音波センサの出力から車両が接近しているか否かを検出する車両接近検出部23と、車両接近検出部23及びシートベルト装着有無検出部16の出力から警報を発するか否かの判断を行い、この判断結果に応じて警報を発する警報判断及び警報発生部24を備えている。
【0018】
右側後方検出超音波センサ21は車両後部の右角部に設けられており、左側後方検出超音波センサ22は車両後部の左角部に設けられている。図3は右側後方検出超音波センサ21及び左側後方検出超音波センサ22の測距範囲を示している。右側後方検出超音波センサ21及び左側後方検出超音波センサ22は、図3中の測距範囲に含まれる車両等の障害物までの距離を超音波の発信から障害物に反射して戻ってくるまでにかかる時間から求め、該障害物までの距離に応じた距離信号を車両接近検出部23に出力する。
【0019】
車両接近検出部23は右側後方検出超音波センサ21及び左側後方検出超音波センサ22から出力された距離信号の時間的変化から障害物が接近しているか否かを判別し、接近の有無に応じた信号を警報判断及び警報発生部24に出力する。
【0020】
シートベルト装着有無検出部16は、シートベルトの装着の有無を検出し、シートベルトの装着の有無に応じた信号を警報判断及び警報発生部24に出力する。
【0021】
警報判断及び警報発生部24は、シートベルト装着有無検出部16から出力された信号に基づいてシートベルトが装着状態から非装着状態になったことを検知したときに、車両接近検出部23から出力された信号を検出する。さらに、警報判断及び警報発生部24は、シートベルトが装着状態から非装着状態になった座席が運転席、助手席、後部右側座席、後部中央座席及び後部左側座席のいずれであるかを判断する。そして、警報判断及び警報発生部24は、後方から接近してくる車両があり、かつ車両が接近してくる位置(左右)とシートベルトが装着状態から非装着状態になった座席の位置(左右)とが共通する場合に警報を発する。シートベルトが装着状態から非装着状態になった座席が後部中央座席の場合には左右のどちらに車両が接近してきても警報を発する。
【0022】
上述したように、本実施の形態によれば、警報判断及び警報発生部24は、後方から接近してくる車両があり、かつ車両が接近してくる位置(左右)とシートベルトが装着状態から非装着状態になった座席の位置(左右)とが共通する場合に警報を発するので、乗員が車両のドアを開く前に危険を認識することができる。
【0023】
本実施の形態の車両用警報部20は、駐車している場合などで同時に左右後方から車両が接近してくる場合にも適用でき、シートベルトが装着状態から非装着状態になった座席が同時に複数ある場合にも適用できる。
【0024】
尚、本実施の形態では、車両用警報装置として電動リトラクタ100に接続されているシートベルト装着有無検出部16及び車両用警報部20を使用したが、車両用警報装置は、シートベルト装着有無検出部16及び車両用警報部20を備えていればよく、電動リトラクタ100に接続されていなくてもよい。
【0025】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、請求項1の車両用警報装置によれば、乗員を拘束するシートベルトの装着の有無が検出され、乗員の座席の位置が検出され、右側後方から接近してくる車両までの距離の検出結果から当該車両の接近が判別され、左側後方から接近してくる車両までの距離の検出結果から当該車両の接近が判別され、シートベルトが装着状態から非装着状態になり、かつ、乗員の座席の位置が右側であり、かつ、右側後方から車両が接近するときに警報を発すると判断され、この判断結果に応じて乗員に対して警報が発されるので、後方から車両が接近する右側の乗員が車両のドアを開く操作を行う前に右側後方から確実に接近する車両に対する危険性を確実に認識することができる。
請求項2の車両用警報装置によれば、乗員を拘束するシートベルトの装着の有無が検出され、乗員の座席の位置が検出され、右側後方から接近してくる車両までの距離の検出結果から当該車両の接近が判別され、左側後方から接近してくる車両までの距離の検出結果から当該車両の接近が判別され、シートベルトが装着状態から非装着状態になり、かつ、乗員の座席の位置が左側であり、かつ、左側後方から車両が接近するときに警報を発すると判断され、この判断結果に応じて乗員に対して警報が発されるので、後方から車両が接近する左側の乗員が車両のドアを開く操作を行う前に左側後方から確実に接近する車両に対する危険性を確実に認識することができる。
請求項3の車両用警報装置によれば、乗員を拘束するシートベルトの装着の有無が検出され、乗員の座席の位置が検出され、右側後方から接近してくる車両までの距離の検出結果から当該車両の接近が判別され、左側後方から接近してくる車両までの距離の検出結果から当該車両の接近が判別され、シートベルトが装着状態から非装着状態になり、かつ、乗員の座席の位置が中央であり、かつ、後方から車両が接近するときに警報を発すると判断され、この判断結果に応じて乗員に対して警報が発されるので、中央の乗員が車両のドアを開く操作を行う前に後方から確実に接近する車両に対する危険性を確実に認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態に係る車両用警報部20が接続されている電動リトラクタ100の構成を示す図である。
【図2】 車両用警報部20の構成を示す図である。
【図3】 右側後方検出超音波センサ21及び左側後方検出超音波センサ22の測距範囲を示す図である。
【符号の説明】
1 フレーム
2 シートベルトロック機構
3 リールシャフト
5 リールシャフト用プーリ
6 直流モータ用プーリ
7 動力伝達ベルト
10 直流モータ
11 直流モータ駆動部
14 MPU
16 シートベルト装着有無検出部(シートベルト装着有無検出手段)
20 車両用警報装置
21 右側後方検出超音波センサ(車両右側接近判別手段)
22 左側後方検出超音波センサ(車両左側接近判別手段)
23 車両接近検出部(車両右側接近判別手段、車両左側接近判別手段)
24 警報判断及び警報発生部(判断手段、警報発生手段)
Claims (3)
- 乗員を拘束するシートベルトの装着の有無を検出するシートベルト装着有無検出手段と、前記乗員の座席の位置を検出する乗員座席位置検出手段と、右側後方から接近してくる車両までの距離を検出して当該車両の接近を判別する車両右側接近判別手段と、左側後方から接近してくる車両までの距離を検出して当該車両の接近を判別する車両左側接近判別手段と、前記シートベルトが装着状態から非装着状態になった旨の検出信号を前記シートベルト装着有無検出手段から受け取った場合であって、前記乗員の座席の位置が右側である旨の検出信号を前記乗員座席位置検出手段から受け取り、かつ、右側後方から車両が接近する旨の判別信号を前記車両右側接近判別手段から受け取ったときに、前記警報を発すると判断する判断手段と、該判断手段の判断結果に応じて前記乗員に対して警報を発する警報発生手段とを備えることを特徴とする車両用警報装置。
- 乗員を拘束するシートベルトの装着の有無を検出するシートベルト装着有無検出手段と、前記乗員の座席の位置を検出する乗員座席位置検出手段と、右側後方から接近してくる車両までの距離を検出して当該車両の接近を判別する車両右側接近判別手段と、左側後方から接近してくる車両までの距離を検出して当該車両の接近を判別する車両左側接近判別手段と、前記シートベルトが装着状態から非装着状態になった旨の検出信号を前記シートベルト装着有無検出手段から受け取った場合であって、前記乗員の座席の位置が左側である旨の検出信号を前記乗員座席位置検出手段から受け取り、かつ、左側後方から車両が接近する旨の判別信号を前記車両左側接近判別手段から受け取ったときに、前記警報を発すると判断する判断手段と、該判断手段の判断結果に応じて前記乗員に対して警報を発する警報発生手段とを備えることを特徴とする車両用警報装置。
- 乗員を拘束するシートベルトの装着の有無を検出するシートベルト装着有無検出手段と、前記乗員の座席の位置を検出する乗員座席位置検出手段と、右側後方から接近してくる車両までの距離を検出して当該車両の接近を判別する車両右側接近判別手段と、左側後方から接近してくる車両までの距離を検出して当該車両の接近を判別する車両左側接近判別手段と、前記シートベルトが装着状態から非装着状態になった旨の検出信号を前記シートベルト装着有無検出手段から受け取った場合であって、前記乗員の座席の位置が中央である旨の検出信号を前記乗員座席位置検出手段から受け取り、かつ、前記車両右側接近判別手段及び前記車両左側接近判別手段のいずれか一方から後方から車両が接近する旨の判別信号を受け取ったときに、前記警報を発すると判断する判断手段と、該判断手段の判断結果に応じて前記乗員に対して警報を発する警報発生手段とを備えることを特徴とする車両用警報装置。
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