JP3929346B2 - ステレオ画像表示方法およびステレオ画像表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステレオ画像表示方法およびステレオ画像表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、360度全周に亘って立体視する方法としては、視点が異なる2台のカメラ装置を回転させて撮影する方法があるが、カメラ装置を、機械的に360度回転させる機構が必要となり、装置自体が複雑になるとともにコストが高くなってしまう。
【0003】
このような欠点を解消するものとして、特開平11−220758号公報に開示されたものがある。
このステレオ画像表示方法は、複数の方向においてそれぞれ撮影した撮影画像に基づき360度のパノラマ画像を生成し、このパノラマ画像を異なる複数の視点に対して予め計測しておくことにより、観測者が指定した視線方向の立体視を実現するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の表示方法によると、その視線方向に応じて使用するカメラ装置が選択されてパノラマ画像が得られるが、2台のカメラ装置にて撮影された画像を映し出す際にその視線方向が変化した場合、ステレオ画像を映し出す際の視線間隔が変化するため、正しいステレオ画像が得られないとともに、連続的に視線方向が変化した場合には、見る画像に違和感を覚えるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、視線方向が変化した場合でも、ステレオ画像を、違和感なく表示し得るステレオ画像表示方法およびステレオ画像表示装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係るステレオ画像表示方法は、全方位を分割して撮影された画像の内、2つの画像を用いて任意の視線方向でのステレオ画像を表示させる方法であって、まず全方位を分割し撮影した曲面画像を取り込んだ後、視線方向に応じて左目用および右目用の曲面画像をそれぞれ平面画像に展開し、次にこれら両平面画像を表示するに際し、その表示中心間距離である視差間隔が、視線方向に関係なく、両平面画像の撮影中心間距離に等しくなるように、当該各平面画像における表示用の画像切出範囲をそれぞれ決定し、次にこれら切り出された左目用画像および右目用画像を、画像表示部にてステレオ画像として表示させる方法である。
【0007】
また、本発明の請求項2に係るステレオ画像表示方法は、全方位を分割して撮影された画像の内、2つの画像を用いて任意の視線方向でのステレオ画像を表示させる方法であって、全方位を分割し撮影した曲面画像を取り込んだ後、視線方向に応じて左目用および右目用の2つの曲面画像を選択し、次にこれら選択された左目用および右目用の曲面画像をそれぞれ平面画像に展開し、次にこれら両平面画像を表示するに際し、その表示中心間距離である視差間隔が、視線方向に関係なく、両平面画像の撮影中心間距離に等しくなるように、当該各平面画像における表示用の画像切出範囲をそれぞれ決定し、次にこれら切り出された左目用画像および右目用画像を、画像表示部にてステレオ画像として表示させる方法である。
【0008】
また、本発明の請求項3に係るステレオ画像表示方法は、請求項2に記載のステレオ画像表示方法において、画像切出範囲を決定する際に、撮影中心間を結ぶ基準直線に直交する基準方向線と、上記基準直線の中点を通り且つ視線方向を含む指示直線との交差角θに基づく下記式にて示す補正距離δでもって、両平面画像から所定幅で切り出す画像切出範囲をそれぞれ外側に移動させる方法である。
【0009】
δ=d(1−cosθ)/2 (但し、dは両平面画像の撮影中心間距離を示す)
さらに、本発明の請求項5に係るステレオ画像表示装置は、全方位を分割して撮影された画像の内、2つの画像を用いて任意の視線方向でのステレオ画像を表示させる装置であって、全方位を分割し撮影した曲面画像を取り込む画像取込部と、この画像取込部にて取り込まれた曲面画像を、視線方向に応じて左目用および右目用の平面画像に展開する画像展開部と、これら両平面画像を表示するに際し、その表示中心間距離である視差間隔が、視線方向に関係なく、両平面画像の撮影中心間距離に等しくなるように、当該各平面画像における表示用の画像切出範囲をそれぞれ決定する画像切出範囲決定部と、この画像切出範囲決定部にて切り出された左目用および右目用画像を、ステレオ画像表示部に出力する画像出力部とから構成したものである。
【0010】
また、本発明の請求項6に係るステレオ画像表示装置は、全方位を分割して撮影された画像の内、2つの撮影画像を用いて任意の視線方向でのステレオ画像を表示させる装置であって、全方位を分割し撮影した曲面画像を取り込む画像取込部と、この画像取込部にて取り込まれた複数の曲面画像から、視線方向に応じて左目用および右目用の曲面画像を選択する画像選択部と、この画像選択部にて選択された左目用および右目用の曲面画像をそれぞれ平面画像に展開する画像展開部と、これら両平面画像を表示するに際し、その表示中心間距離である視差間隔が、視線方向に関係なく、両平面画像の撮影中心間距離に等しくなるように、当該各平面画像における表示用の画像切出範囲をそれぞれ決定する画像切出範囲決定部と、この画像切出範囲決定部にて切り出された左目用および右目用画像を、ステレオ画像表示部に出力する画像出力部とから構成したものである。
【0011】
また、本発明の請求項7係るステレオ画像表示装置は、請求項6に記載のステレオ画像表示装置の画像切出範囲決定部において、撮影中心間を結ぶ基準直線に直交する基準方向線と、上記基準直線の中点を通り且つ視線方向を含む指示直線との交差角θに基づく下記式にて示す補正距離δでもって、両平面画像から所定幅で切り出す画像切出範囲をそれぞれ外側に移動させるようにしたものである。
【0012】
δ=d(1−cosθ)/2 (但し、dは両平面画像の撮影中心間距離を示す)
さらに、本発明の請求項8に係るステレオ画像表示装置は、請求項7に記載のステレオ画像表示装置において、指示直線が基準直線の中点を通過せずにいずれか一方の撮影中心側にずれている場合、画像切出範囲の補正距離に、そのずれ量に応じたずれ補正量を加えるようにしたものである。
【0013】
上記の各請求項に係る構成によると、全方位を分割して撮影した画像を取り込むとともに、視線方向に応じた左目用および右目用の平面画像に展開した後、各平面画像を所定幅で切り出す際に、その視線方向に応じて狭くなった表示中心間距離を、本来の視線間隔に、すなわち撮影中心間距離となるように、その画像切出範囲を外側に移動させるようにしたので、全方位画像を、任意の視線方向にてステレオ画像として表示させる際に、違和感なく表示させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態に係るステレオ画像表示装置およびステレオ画像表示方法を、図1〜図5に基づき説明する。
【0015】
このステレオ画像表示装置は、全方位の画像を撮影するとともに、任意の視線方向でのステレオ画像(立体画像)を表示させるものであり、全方位を撮影するために、少なくとも3台、本実施の形態では4台の全方位撮影用カメラ装置が具備されている。
【0016】
まず、この全方位撮影用カメラ装置の概略構成について説明する。
図1に示すように、この全方位撮影用カメラ装置1は、CCDなどの撮像素子を有する撮像部2と、この撮像部2の前方の所定位置に配置された二葉双曲面Sの一方の双曲面S1の反射面を有する反射ミラー部3とが具備されており、また撮像部2は、その結像位置が他方の双曲面S2の焦点に配置される。
【0017】
このカメラ装置1では、矢線aにて示すように、一方の双曲面S1の焦点F1(0,0,f)から見た物体Wの画像が、他方の双曲面S2の焦点F2(0,0,−f)に配置された撮像部2にて撮影されることになる。但し、図1においては、二葉双曲面Sの中心点Oをx−y−z座標系の原点(0,0,0)とし、全方位カメラ装置1における中心光軸をz軸に一致させている。なお、図1において、紙面と直交する方向をx軸としている。
【0018】
以下、このような全方位カメラ装置1を用いたステレオ画像表示装置について、詳しく説明する。
このステレオ画像表示装置は、図2に示すように、所定の基準点Kを中心にして同一半径R上に配置された4台の全方位カメラ装置(以下、カメラ装置という)1(1A〜1D)と、これら各カメラ装置1にて撮影された撮影画像を取り込むための画像取込部11と、全方位画像の見たい方向すなわち基準座標軸(例えば、図2ではy軸)に対して所定角度α(視線角度という)を有する視線方向bを取得(認識)する視線方向取得部12と、この視線方向取得部12からの視線角度αを入力するとともに、この視線角度αに応じて適している左目用と右目用の2台のカメラ装置1すなわち左目用および右目用の撮影画像を選択する画像選択部13と、この画像選択部13にてそれぞれ選択された各撮影画像に所定の処理を施してステレオ画像表示用の画像データを生成する左目用および右目用画像生成部14(14A,14B)と、これら両画像生成部14にて生成された画像データを入力してステレオ画像を表示するステレオ画像表示部15とから構成されている。なお、図2において、第2カメラ装置1Bおよび第4カメラ装置1Dがx軸上に、第1カメラ装置1Aおよび第3カメラ装置1Cがy軸上に位置されるとともに、紙面に直交する軸がz軸とされる。なお、上記ステレオ画像表示部15としては例えばヘッドマウント・ディスプレイが使用されるとともに、このヘッドマウント・ディスプレイには、例えば見たい視線方向すなわち視線角度αを、眼球の動きを検出することにより、入力し得る視線方向入力手段が具備されており、この視線方向入力手段から上記視線方向取得部12に視線角度αが入力される。
【0019】
まず、画像選択部13における選択処理について説明する。
この画像選択部13では、視線方向取得部12から入力された視線角度α(方位角で、x−y平面におけるy軸からの時計回りの角度である)に基づき、下記に示す(1)式および(2)式に基づき、どのカメラ装置1からの撮影画像を使用するかが選択される。なお、(1)式は左目用の画像(カメラ装置)を選択する式であり、また(2)式は右目用の画像(カメラ装置)を選択する式である。なお、以下に示す記号の添え字のLは左目側を表し、Rは右目側を表している。
【0020】
【数1】
例えば、視線角度αを60度とすると、左目用のCLの値は1となり、第1カメラ装置1(1A)からの撮影画像が選択され、またこのときの右目用のCRの値は2となり、第2カメラ装置1(1B)からの撮影画像が選択される。
【0021】
次に、上記左目用および右目用画像生成部14(14A,14B)について説明するが、両画像生成部は同一構成であるため、一方にだけ着目して説明する。すなわち、各画像生成部14は、カメラ装置1によりドーナツ形状(円筒状)に撮影された全方位の曲面画像を平面画像に展開する画像展開部21と、この画像展開部21にて展開された平面画像を入力して、視線方向bに応じて切り出す画像切出範囲を決定する画像切出範囲決定部22と、この画像切出範囲決定部22にて切り出された画像を、ステレオ画像表示部15に出力する画像出力部23とから構成されている。
【0022】
次に、上記画像展開部21での展開処理について説明する。
この画像展開部21では、図3に示すように、カメラ装置1にて撮影されたx−y−z座標系上での曲面画像を、下記(3)式の座標変換式を用いて、視線方向bに直交するとともにその交点を中心とするu−v座標系における平面M上での平面画像に画像展開が行われる。
【0023】
【数2】
但し、(3)式中、αは視線方向bの平面Nへの投影線とy軸との交差角であり、またβは焦点F1(0,0,f)を通るz軸に垂直な平面Nに対する視線方向bの仰角である。
【0024】
次に、上記画像切出範囲決定部23での処理について説明する。
通常、人間が物体を見た際の大きさなどの実感は、視差角の大小に基づき感じるもので、したがって2台のカメラ装置で撮影した画像を用いてステレオ画像を得る際にも、その視差角(視差ともいう)を考慮する必要がある。
【0025】
すなわち、カメラ装置から撮影物体までの距離を一定値Lに固定した場合(視野角が一定である場合)、両カメラ装置同士の間隔(撮影中心間距離であり、以下、視差間隔ともいう)も一定にする必要があり、したがって任意の方向から画像を見た際に、常に、この視差間隔を一定に維持すれば、ステレオ画像を違和感なく連続して認識できることになる。
【0026】
以下、この視差間隔について説明する。
ここでは、投影に際しての説明を行うが、基本的には、撮影する場合(カメラ装置の位置であるが、正確には、反射ミラー部の位置である)と同一の位置関係を用いて説明するため、撮影の際に使用した記号をそのまま使用する。
【0027】
すなわち、図4に示すように、視線方向bを含む指示直線Bが、2台の投影装置T,Tの中心間を結ぶ基準直線D上の両投影装置T,T間の中心である中点Cを通り且つ直交する場合に、両投影装置T,Tにより画像を映し出すと、両投影装置T,Tにて映し出される画像の間隔が撮影中心間距離である視差間隔dとなり、ステレオ画像を得るには支障はないが、図5に示すように、指示直線Bが、基準直線Dの中点Cを通過するが基準直線Dに直交する基準方向線Eに対して所定角度(以下、視線ずれ角という)θでもって交差している場合には、その視差間隔がdからd(1−cosθ)に狭くなり、視線方向bが基準直線Dに直交する場合のステレオ画像に対して違和感が生じることになる。すなわち、視線方向bを、中点Cを通り基準直線Dと直交する基準方向線Eに対して変化させた場合、映し出されるステレオ画像同士間に連続性がなくなってしまう。
【0028】
このような不連続性をなくすために、この画像切出範囲決定部22にて、視線方向bに関係なく、常に、視差間隔が一定になるように補正処理を行うものである。
【0029】
次に、この補正処理について説明する。
図5に示すように、視線方向bが基準方向線Eに対して所定角度θを有する場合、両投影装置T,Tにおける間隔dが、上述したように、d×cosθとなり、狭くなってしまう。
【0030】
そこで、両者の差Δd=d(1−cosα)の半分(1/2)づつを、撮影画像から切り出す範囲を、それぞれ外側に移動させる(ずらせる)ように処理を行う。
【0031】
例えば、左目用の投影装置TLに着目すれば、映し出す範囲、すなわち切り出す範囲が、本来、Wであり、両側に分けると−W/2〜+W/2の範囲であるのに対して、d(1−cosα)/2分だけそれぞれ外側にずれた{−W/2−d(1−cosα)/2}〜+W/2−d(1−cosα)/2}の範囲とされる。勿論、右目用の投影装置TRにおいても、同様に、d(1−cosα)/2分だけそれぞれ外側にずれた{−W/2+d(1−cosα)/2}〜+W/2+d(1−cosα)/2}の範囲とされる。
【0032】
また、このときの画像の投影平面までの距離についても、両投影装置TL,TR間の中点Cを通るとともに指示直線Bと直交する中間基準直線D′からの距離が所定距離Lとなるように(視野角が一定となるように)、左目側については、d×sinα/2分だけ遠くなるように、また右目側については、d×sinα/2分だけ近くなるように画像の切り出しが行われる。すなわち、投影平面に対する前後方向での距離の変化分だけ、切り出される画像の大きさが増減される。
【0033】
上記構成において、常に、4台のカメラ装置1(1A〜1D)にて、それぞれ全方位を撮影するとともに、これら各カメラ装置1にて撮影された曲面画像が、画像取込部11に入力されている状態において、ステレオ画像表示部15であるヘッドマウント・ディスプレイに設けられた視線方向入力手段から視線方向bが視線方向取得部12に入力されると、ここから視線方向bすなわち視線角度αが画像選択部13に入力され、ここで、(1)式および(2)式に基づき、この視線方向bにおける画像の撮影に適した2台のカメラ装置1が選択される。
【0034】
そして、画像選択部13にて選択された両カメラ装置1,1からの曲面画像が、座標変換式(3)により、所定の平面画像に展開される。
次に、両カメラ装置1,1における基準方向線Eに対する視線方向bを含む指示直線Bの交差角である視線ずれ角θが求められ、画像切出範囲決定部22にて、上述したように、視線ずれ角θに基づく補正処理により、視差間隔が一定となるように展開画像の切り出し範囲が決定される。
【0035】
この画像切出範囲決定部22にて決定された展開画像が、画像出力部23を経てヘッドマウント・ディスプレイなどのステレオ画像表示部15に送られて、ステレオ画像が表示される。
【0036】
このように、4台の全方位カメラ装置にて撮影された4つの曲面画像を入力するとともに、所定の視線方向に応じた最適な2台のカメラ装置からの曲面画像を選択し、これら選択された左目用および右目用の曲面画像を投影用の平面画像に展開し、次にこれら各平面画像を視野角に応じた所定幅で切り出す際に、その視線方向に応じて狭くなった表示中心間距離を、本来の視線間隔に、すなわち撮影中心間距離となるように、その画像切出範囲を外側に移動させるようにしたので、全方位画像を、任意の視線方向にてステレオ画像として表示させる際に、違和感なく表示させることができる。
【0037】
次に、本発明の第2の実施の形態に係るステレオ画像表示装置およびステレオ画像表示方法を、図6に基づき説明する。
上記第1の実施の形態においては、視線方向を含む指示直線の基準始点を、2台のカメラ装置間を結ぶ基準直線の中点としたが、本第2の実施の形態では、4台のカメラ装置を配置した中心点を始点としたものである。
【0038】
なお、本第2の実施の形態では、第1の実施の形態における視線ずれ角度の補正方法だけが異なるため、この部分に着目して説明する。
すなわち、図6に示すように、視線方向bを含む指示直線Bの一端部を、4台のカメラ装置1が円周上に配置されたその中心である基準点Kに位置させたものである。
【0039】
この場合、両カメラ装置1,1間を結ぶ基準直線Dの中点Cを通過する基準方向線Eと指示直線Bとの交差角すなわち視線ずれ角をθとすると、第1の実施の形態にて説明した場合の基準方向線の始点である中点Cと、この場合における指示直線Bと基準直線Dとが交わる交点Gとの距離hが、下記(4)式にて表される。
【0040】
【数3】
但し、dは、撮影中心間距離である両カメラ装置1,1間の距離である。
【0041】
すなわち、本第2の実施の形態では、第1の実施の形態にて求められた補正距離δに、上記(4)式にて表される距離すなわちずれ補正量hを視線ずれ分として、左目用および右目用画像の切出範囲に加算させて、それぞれ移動させるようにしたものである。
【0042】
例えば、図6において、第1カメラ装置1Aを左目用、第2カメラ装置1Bを右目用とすると、視線方向が右側にずれているため、各画像の切出範囲は、ずれ補正量hだけ右側にそれぞれ移動される。
【0043】
このような補正を行うことにより、その視線方向が4台のカメラ装置の中心を通過する場合でも、全方位画像を、任意の視線方向にてステレオ画像として表示させる際に、違和感なく表示させることができる。
【0044】
また、上記説明においては、視線ずれ分を補正するようにしたが、例えば第1カメラ装置1Aと交点Gまでの距離に対する両カメラ装置1A,1B間の視線距離dの比率rを求め、この比率[r(左目用)と(1−r)(右目用)]を用いて補正するようにしてもよい。例えば、左目用画像を移動させる場合には、[d・r(1−cosθ)/2]分だけ外側に移動させ、また右目用画像を移動させる場合には、[d・(1−r)・(1−cosθ)/2]分だけ外側に移動させればよい。
【0045】
ところで、上記各実施の形態においては、ステレオ画像表示部として、ヘッドマウント・ディスプレイについて説明したが、勿論、ステレオ画像を表示し得るスクリーンなどであってもよい。
【0046】
また、上記各実施の形態においては、視線方向入力手段として、眼球の動きで視線方向を認識し得るものを説明したが、例えばキーボード、マウスなどから入力することもでき、またプログラム化されたデータを用いて入力することもできる。
【0047】
また、上記各実施の形態においては、全方位カメラ装置として、双曲面の反射ミラー部を有するものを説明したが、双曲面に限らず、例えば放物面、球面の反射ミラー部であってもよい。
【0048】
また、上記各実施の形態においては、全方位カメラ装置にて撮影した画像を入力するようにしたが、予め、撮影された画像をハードディスクなどの記録手段に記録しておき、この記録された画像を直接画像取込部に入力することもできる。
【0049】
また、上記各実施の形態においては、4台のカメラ装置を、同一半径上にすなわち円周上に等間隔おきに配置したが、例えば楕円形状に所定間隔おきに配置してもよい。
【0050】
さらに、上記実施の形態においては、4台のカメラ装置を使用したが、3台であってもよく、また5台以上であってもよく、さらに2台のカメラ装置を用いてもよい。
【0051】
【発明の効果】
以上のように本発明のステレオ画像表示方法およびステレオ画像表示装置の構成によると、全方位を分割して撮影した画像を取り込むとともに、視線方向に応じた左目用および右目用の平面画像に展開した後、各平面画像を所定幅で切り出す際に、その視線方向に応じて狭くなった表示中心間距離を、本来の視線間隔に、すなわち撮影中心間距離となるように、その画像切出範囲を外側に移動させるようにしたので、全方位画像を、任意の視線方向にてステレオ画像として表示させる際に、違和感なく表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るステレオ画像表示装置におけるカメラ装置の要部断面図である。
【図2】同ステレオ画像表示装置の概略全体構成を示すブロック図である。
【図3】同ステレオ画像表示装置における画像展開を説明する斜視図である。
【図4】同ステレオ画像表示装置における画像切出範囲を説明する図である。
【図5】同ステレオ画像表示装置における画像切出範囲を説明する図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係るステレオ画像表示装置におけるカメラ装置の配置状態および画像切出範囲を説明する図である。
【符号の説明】
b 視線方向
B 指示直線
C 中点
D 基準直線
E 基準方向線
1 全方位カメラ装置
2 撮像部
3 反射ミラー部
11 画像取込部
12 視線方向取得部
13 画像選択部
14 画像生成処理部
15 ステレオ画像表示部
21 画像展開部
22 画像切出範囲決定部
23 画像出力部
Claims (8)
- 全方位を分割して撮影された画像の内、2つの画像を用いて任意の視線方向でのステレオ画像を表示させる方法であって、
まず全方位を分割し撮影した曲面画像を取り込んだ後、視線方向に応じて左目用および右目用の曲面画像をそれぞれ平面画像に展開し、
次にこれら両平面画像を表示するに際し、その表示中心間距離である視差間隔が、視線方向に関係なく、両平面画像の撮影中心間距離に等しくなるように、当該各平面画像における表示用の画像切出範囲をそれぞれ決定し、
次にこれら切り出された左目用画像および右目用画像を、画像表示部にてステレオ画像として表示させることを特徴とするステレオ画像表示方法。 - 全方位を分割して撮影された画像の内、2つの画像を用いて任意の視線方向でのステレオ画像を表示させる方法であって、
全方位を分割し撮影した曲面画像を取り込んだ後、視線方向に応じて左目用および右目用の2つの曲面画像を選択し、
次にこれら選択された左目用および右目用の曲面画像をそれぞれ平面画像に展開し、
次にこれら両平面画像を表示するに際し、その表示中心間距離である視差間隔が、視線方向に関係なく、両平面画像の撮影中心間距離に等しくなるように、当該各平面画像における表示用の画像切出範囲をそれぞれ決定し、
次にこれら切り出された左目用画像および右目用画像を、画像表示部にてステレオ画像として表示させることを特徴とするステレオ画像表示方法。 - 画像切出範囲を決定する際に、撮影中心間を結ぶ基準直線に直交する基準方向線と、上記基準直線の中点を通り且つ視線方向を含む指示直線との交差角θに基づく下記式にて示す補正距離δでもって、両平面画像から所定幅で切り出す画像切出範囲をそれぞれ外側に移動させることを特徴とする請求項2に記載のステレオ画像表示方法。
δ=d(1−cosθ)/2 (但し、dは両平面画像の撮影中心間距離を示す) - 指示直線が基準直線の中点を通過せずにいずれか一方の撮影中心側にずれている場合、画像切出範囲の補正距離に、そのずれ量に応じたずれ補正量を加えることを特徴とする請求項3に記載のステレオ画像表示方法。
- 全方位を分割して撮影された画像の内、2つの画像を用いて任意の視線方向でのステレオ画像を表示させる装置であって、
全方位を分割し撮影した曲面画像を取り込む画像取込部と、
この画像取込部にて取り込まれた曲面画像を、視線方向に応じて左目用および右目用の平面画像に展開する画像展開部と、
これら両平面画像を表示するに際し、その表示中心間距離である視差間隔が、視線方向に関係なく、両平面画像の撮影中心間距離に等しくなるように、当該各平面画像における表示用の画像切出範囲をそれぞれ決定する画像切出範囲決定部と、
この画像切出範囲決定部にて切り出された左目用および右目用画像を、ステレオ画像表示部に出力する画像出力部とから構成したことを特徴とするステレオ画像表示装置。 - 全方位を分割して撮影された画像の内、2つの撮影画像を用いて任意の視線方向でのステレオ画像を表示させる装置であって、
全方位を分割し撮影した曲面画像を取り込む画像取込部と、
この画像取込部にて取り込まれた複数の曲面画像から、視線方向に応じて左目用および右目用の曲面画像を選択する画像選択部と、
この画像選択部にて選択された左目用および右目用の曲面画像をそれぞれ平面画像に展開する画像展開部と、
これら両平面画像を表示するに際し、その表示中心間距離である視差間隔が、視線方向に関係なく、両平面画像の撮影中心間距離に等しくなるように、当該各平面画像における表示用の画像切出範囲をそれぞれ決定する画像切出範囲決定部と、
この画像切出範囲決定部にて切り出された左目用および右目用画像を、ステレオ画像表示部に出力する画像出力部とから構成したことを特徴とするステレオ画像表示装置。 - 画像切出範囲決定部において、撮影中心間を結ぶ基準直線に直交する基準方向線と、上記基準直線の中点を通り且つ視線方向を含む指示直線との交差角θに基づく下記式にて示す補正距離δでもって、両平面画像から所定幅で切り出す画像切出範囲をそれぞれ外側に移動させるようにしたことを特徴とする請求項6に記載のステレオ画像表示装置。
δ=d(1−cosθ)/2 (但し、dは両平面画像の撮影中心間距離を示す) - 指示直線が基準直線の中点を通過せずにいずれか一方の撮影中心側にずれている場合、画像切出範囲の補正距離に、そのずれ量に応じたずれ補正量を加えるようにしたことを特徴とする請求項7に記載のステレオ画像表示装置。
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