JP3929157B2 - タレット刃物台装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、旋盤等の工作機械に設置される回転刃物台装置に関し、特に、刃物台の旋回割出し動作により選択された工具を割出し位置に固定的に保持するために、旋回割出し後に刃物台の回転を阻止する係止手段を備えたタレット刃物台装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
旋盤等の工作機械において、加工作業の自動化及び高速化を促進するために、予め多数の工具を担持するとともに、所望の工具を旋回割出し動作により選択して、工作機械の加工作業位置に位置決めする回転式刃物台構造、すなわちタレット刃物台装置を備えたものは周知である。例えば、NC旋盤等の自動旋削機械で使用されるタレット刃物台装置は、一般に、回転主軸に対向して機台上に設置される工具送り台と、工具送り台上で所与の座標軸に沿って移動可能に設置される支持台と、支持台に回転可能に支持され、多数の工具を回転軸線の周囲に所定間隔で担持するタレットとから構成される。
【0003】
この種のタレット刃物台装置では、タレットを旋回割出し動作させた後、選択した工具によりワークに加工を施す間は、支持台上でタレットを強固に固定する必要がある。その目的で、一般にタレット刃物台装置は、支持台上の複数の割出し位置の各々でタレットを係止する係止手段を備える。従来、この係止手段は、タレットと支持台との各々に設けられた互いに係合可能な一対の係合部材と、それら係合部材を係合位置と離脱位置との間で相対移動させる係脱駆動機構とから構成される。係合部材としては、噛合いクラッチ状の構造を有する相互係脱自在なカップリングが一般に使用されている。この場合、係脱駆動機構は、タレット側の係合部材を支持台側の係合部材に対し軸方向へ移動させるように構成される。
【0004】
工具の選択手順としては、まず、1つの工具によるワーク加工が終了した段階で、タレットと共に支持台を工具送り台上で移動して、工具を加工作業位置から工具交換位置へ送る。次に、係脱駆動機構の駆動によりタレット側係合部材を移動して支持台側係合部材から脱離し、その状態で、別の回転駆動源によりタレットを回転して旋回割出しを行い、所望の工具を選択する。次いで、係脱駆動機構の駆動によりタレット側係合部材を支持台側係合部材に係合させて、選択した工具を割出し位置に固定的に保持する。その状態で、タレットと共に支持台を工具送り台上で移動して、選択した工具を工具交換位置から加工作業位置へ送る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
NC旋盤等の自動旋削機械は、主軸の回転駆動源、工具送り用の各軸駆動源、チャックの開閉駆動源等、制御対象の異なる複数の駆動源を備える。これら駆動源には、特に高速かつ高精度の応答を要求される部位(主軸、工具送り等)ではサーボモータが一般に使用されている。さらに近年、チャックの開閉駆動源や、前述したタレット刃物台装置のタレット回転駆動源のように従来、油圧又は空圧アクチュエータを用いていた部位にも、環境衛生や作動信頼性の点で有利なサーボモータが使用される傾向にある。
【0006】
しかしながら、前述したタレット刃物台装置の係脱駆動機構では、要求される動作が一方の係合部材を軸方向へ僅かに移動させるだけの単純な動作であることにも起因して、電動化が遅れ、多くは未だに油圧又は空圧アクチュエータが使用されている。油空圧アクチュエータは、騒音や大気汚染による作業環境の悪化、設備コストの上昇、機械の大型化、応答精度の低さ等の問題を一般に有するものである。特に、係脱駆動源として油圧シリンダを用いた場合は、作動油の温度変化により動作速度が容易に変化してしまうので、係合部材の係脱に要する時間が変動し、一連のタレット割出し動作の安定的制御が困難となるだけでなく、油圧シリンダ自体が相当の熱源となることから、その周辺の機械構成要素の動作に影響を及ぼす危惧がある。したがって、タレット刃物台装置の係脱駆動機構をも電動化することが所望されている。
【0007】
他方、駆動源を電動化したタレット刃物台装置は、タレット回転駆動源としてのサーボモータを支持台に設置し、またバイト等の固定工具だけでなくドリル等の回転工具も担持できる構成の場合には回転工具用のサーボモータも支持台に設置することになる。そして、係脱駆動機構の電動化の要求に答えるべく、係脱駆動源としてのサーボモータをさらに支持台に設置するような場合は、旋削機械上での所与の座標軸に沿った移動要素の1つである支持台部分の重量を不要に増加させ、応答精度の低下を生じるだけでなく、機械全体の寸法拡大、製造及び運転コストの上昇といった課題を生じる。
【0008】
したがって本発明の目的は、支持台上の割出し位置にタレットを固定的に保持しかつ固定を解除するための係脱駆動機構を、新たな電動機を追加することなく電動化でき、以て、騒音や大気汚染の軽減、応答精度の向上、製造及び運転コストの抑制等の効果を奏するとともに、搭載された工作機械の一層の小型化及び高性能化を促進できるタレット刃物台装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の本発明は、工作機械上で所与の座標軸に沿って移動可能に設置される支持台と、支持台に回転可能に支持され、数の工具を回転軸線の周囲に所定間隔で担持する頭部及び頭部から軸線方向へ同心に延長される軸部を有するタレットと、支持台上の旋回割出し位置でタレットを支持台に対し固定的に保持する係止手段とを具備し、係止手段は、タレットと支持台との双方に関連付けて設置され、互いに係合可能な固定側係合要素と可動側係合要素とを少なくとも有する係合機構と、係合機構の可動側係合要素を、固定側係合要素に係合してタレットの回転を阻止する係合位置と、固定側係合要素から離脱してタレットの回転を解除する離脱位置との間で移動させる駆動機構とを備える、タレット刃物台装置において、駆動機構は、工具を加工作業位置と工具交換位置との間で運ぶための支持台の移動に連動して、可動側係合要素を移動させる連動装置を備え、駆動機構の連動装置は、工作機械に設けられる第1のカムと、係合機構の可動側係合要素に付設され、タレットの軸部の周りで周方向へ延びる第2のカムと、一端で第1のカムに摺動可能に係合するとともに他端で第2のカムに摺動可能に係合する従動アームとを備え、支持台の移動に伴い、従動アームが、第1のカムの形状に従い揺動するとともにタレットの軸部の周りで第2のカムに沿って回転し、第2のカムの形状に従い、可動側係合要素が、タレットの軸線方向へ係合位置と離脱位置との間で移動することを特徴とするタレット刃物台装置を提供する。
【0010】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載のタレット刃物台装置において、第2のカムは、タレットの軸部を包囲して環状に延設されるカム溝を有し、カム溝に、周方向等間隔配置で複数のカム作用湾曲部が形成されるタレット刃物台装置を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明をその実施形態に基づき詳細に説明する。各図面において、同一又は類似の構成要素には共通の参照符号を付す。
図1を参照すると、本発明の一実施形態によるタレット刃物台装置10が、NC旋盤等の自動旋削機械に搭載された状態で示されている。タレット刃物台装置10は、自動旋削機械の回転主軸12に対向して配置される。回転主軸12は、ハウジング状の主軸台14に搭載、収容され、旋削加工すべき棒材Wを掴持して、図示しない駆動源により回転駆動される。タレット刃物台装置10は、棒材Wの加工に必要な多数の工具を予め所定位置に担持するとともに、棒材Wの加工箇所に応じて所望の工具を旋回割出し動作により選択し、自動旋削機械の回転主軸12先端の加工作業位置に位置決めする。
【0014】
タレット刃物台装置10は、回転主軸12に対向して自動旋削機械の機台16上に設置される工具送り台18と、工具送り台18上で所与の座標軸に沿って移動可能に設置される支持台20と、支持台20に回転可能に支持され、多数の工具22を回転軸線の周囲に所定間隔で担持するタレット24とから構成される。図示実施形態では、工具送り台18が、回転主軸12の中心軸線に略平行なZ軸方向へ、図示しないZ軸送りモータの駆動により移動し、支持台20が、回転主軸12の中心軸線に略直交するX軸方向へ、図示しないX軸送りモータの駆動により移動する構成を有し、タレット24上で選択された各種工具22が両軸送り動作の下で棒材Wを所望形状に旋削するようになっている。
【0015】
図2及び図3は、支持台20に支持されるタレット24の構造を詳細に示す。タレット24は、円柱又は角柱状の外形を有する中空の頭部26と、頭部26の軸方向一端面から軸方向へ同心に延設される中空円筒状の軸部28とを備える。タレット24の頭部26は、支持台20の前端面(図で右端)から外方へ突出して配置され、その径方向外周面には、工具22を装着する複数の工具装着部30が所定の割出し角度毎に設けられる。それら工具装着部30は、図示のようにバイト等の固定工具22aをホルダ32を介して固着するための固定工具装着部30aと、ドリル等の回転工具(図示せず)を回転可能に装着するための回転工具装着部30bとを備える。さらに回転工具装着部30bは、1つの割出し角度位置において、互いに軸方向へ離間した2か所に形成されている。
【0016】
なお、回転工具は、頭部26及び軸部28の内部に設置される駆動軸及び駆動歯車(いずれも図示せず)を介して、一般に支持台20の後端(図で左端)に設置される図示しない専用のサーボモータによって駆動できる。しかし、タレット24が回転工具装着部30bを備えることは必須ではなく、固定工具装着部30aのみを備えることもできる。その場合、タレット刃物台装置10は、回転工具用駆動源としてのサーボモータを備えない構成となる。
【0017】
タレット24の軸部28は、支持台20のタレット受容空洞部34に回転可能に受容され、その後端すなわち頭部26の反対側の端部で、歯車列36を介して、タレット回転駆動源であるサーボモータ38に接続される。サーボモータ38は、例えば支持台20の後端(図で左端)に固定的に連結される。サーボモータ38の駆動により、タレット24は旋回割出し動作を遂行し、所望の工具装着部30に装着された所望の工具22を選択する。
【0018】
タレット刃物台装置10は、旋回割出し後のタレット24の不要な回転を阻止する係止手段として、支持台20とタレット24との双方に係合可能な可動係合部材40と、可動係合部材40を係合位置と離脱位置との間で移動させる駆動機構(後述する)とを備える。可動係合部材40は、支持台20のタレット受容空洞部34を画成する筒状内壁面34aに軸方向摺動可能に支持される中空筒状の本体部42と、本体部42の軸方向後端面(図で左端)から、互いに周方向へ離隔して軸方向へ延設される複数(例えば3個)の脚44と、それら脚44の後端(図で左端)に連結される環状カム部46と、本体部42の軸方向前端面(図で右端)に複数のボルト47によって取着される環状カップリング部48とを備える。
【0019】
可動係合部材40の本体部42は、支持台20の筒状内壁面34aに径方向へのがたつきを生じないように支持される。また本体部42は、タレット24の軸部28を回転及び軸方向移動可能に支持する滑り軸受として作用する円筒状内周面42aを備える。可動係合部材40の複数の脚44は、支持台20の筒状内壁面34aの後方(図で左方)の環状壁50に軸方向へ貫通形成した複数の穴52の各々に、軸方向移動可能に受容される。したがってこれら脚44は、可動係合部材40の回り止めとして作用し、それにより可動係合部材40は、支持台20内で軸方向移動のみ可能となっている。
【0020】
可動係合部材40の環状カップリング部48は、その前端面(図で右端)に、多数の歯54を所定ピッチで放射状に配置して備える。環状カップリング部48は、タレット24の軸部28の周囲で本体部42と共に軸方向へ移動して、対応のカップリング要素に係合できるようになっている。なお、環状カップリング部48が対応カップリング要素に係合する際の衝撃を緩和するために、本体部42と環状カップリング部48との間に皿ばね56を配置し、環状カップリング部48が皿ばね56の付勢に抗して本体部42に接近できる構成となっている。このとき好ましくは、皿ばね56は予めやや圧縮された状態で、本体部42と環状カップリング部48との間に配置される。
【0021】
可動係合部材40の環状カップリング部48の対応カップリング要素として、支持台20のタレット受容空洞部34の軸方向開口端の近傍に、後端面(図で左端)に多数の歯58を所定ピッチで放射状に配置して備えた環状固定カップリング要素60が固定される。環状カップリング部48のもう1つの対応カップリング要素として、タレット24の頭部26と軸部28との接続部位近傍に、後端面(図で左端)に多数の歯62を所定ピッチで放射状に配置して備えた環状回転カップリング要素64が固定される。環状固定カップリング要素60の多数の歯58と環状回転カップリング要素64の多数の歯62とは、可動係合部材40の環状カップリング部48の多数の歯54に軸方向へ対面して配置される。また、両歯58、62は、環状回転カップリング要素64がタレット24と一体に回転する間に、所定の回転位置で互いに径方向へ整列することができる。
【0022】
図2及び図3に示す状態では、環状固定カップリング要素60の多数の歯58(すなわち固定歯)と環状回転カップリング要素64の多数の歯62(すなわち回転歯)とが、互いに径方向へ整列して位置するとともに、周方向へ隣接する歯58、62の間に、可動係合部材40の環状カップリング部48の1枚の歯54(すなわち移動歯)が挿入されている(図4(a)参照)。それにより、環状固定カップリング要素60に対する環状回転カップリング要素64の回転が阻止され、したがって支持台20に対するタレット24の回転動作が防止される。つまりこの状態で、可動係合部材40は、その軸方向移動範囲内で最も前端(図で右端)の係合位置に置かれている。
【0023】
可動係合部材40が上記した係合位置にある間に、タレット24の頭部26に装着した工具22により、回転主軸12に掴持した棒材Wの加工が実施される。この間、タレット24は上記したカップリング構造によって、加工時に工具22に加わる応力に抗し、かつ加工精度を維持するに十分な強度で、支持台20に強固に固定的に保持されている。このような係合強度をさらに向上させるために、図示のタレット刃物台装置10では、支持台20とタレット24との間に第2の皿ばね66が設置されている。
【0024】
第2の皿ばね66は、支持台20の筒状内壁面34aの後方(図で左方)の環状壁50の後肩面50aと、タレット24の軸部28の後端(図で左端)近傍に固着されたスリーブ68の前端面68aとの間に、好ましくは予めやや圧縮された状態で挟持され、タレット24を後方(図で左方)へ付勢するように作用する。それにより、可動係合部材40が係合位置へ移動する際に、それに連れてタレット24が前方(図で右方)へ移動することを防止して、環状カップリング部48の歯54と環状回転カップリング要素64の歯62とを確実に係合させるとともに、係合位置において両歯54、62の係合を付勢力下で安定的に維持するようになっている。
【0025】
図示の係合位置から、可動係合部材40を後方(図で左方)へ移動して離脱位置に置くと、環状カップリング部48の歯54が環状固定カップリング要素60の歯58及び環状回転カップリング要素64の歯62の間から離脱する(図4(b)参照)。その結果、環状固定カップリング要素60に対し環状回転カップリング要素64が自由に回転でき、したがって支持台20に対するタレット24の回転動作が解除されて、タレット24が旋回割出し可能な状態に置かれる。
【0026】
可動係合部材40の環状カム部46は、上記した可動係合部材40の係合位置と離脱位置との間の移動を生じさせるための駆動機構の一部を構成する。図3に示すように、環状カム部46は、径方向外方へ開口する環状溝路70を有した断面コ字状の溝カムリング要素72と、溝カムリング要素72の環状溝路70に摺動可能に受容される従動リング要素74とを備える。溝カムリング要素72は、可動係合部材40の複数の脚部44に一体に連結される。溝カムリング要素72及び従動リング要素74はいずれも円環状部材であり、互いに同心に配置されるとともに、共通の軸線の周りで相対的に回転できるようになっている。
【0027】
溝カムリング要素72は、環状溝路70の径方向外方の開口全体に渡って、軸方向すなわち相互接近方向へ突出する一対のフランジ76を備える。それらフランジ76の間には、図5に示すような湾曲部78を有したカム溝80が形成される。従動リング要素74は、溝カムリング要素72の環状溝路70内で、径方向に実質的にがたつきを生じず、かつ軸方向へ所定距離だけ移動できる寸法を有する。さらに従動リング要素74は、周方向所望位置で径方向外方へ突出する円筒突子82を備える。円筒突子82は、溝カムリング要素72の一対のフランジ76の間に画成されたカム溝80に受容され、カム溝80に沿って実質的にがたつきを生じることなく移動できる寸法を有する。環状溝路70と従動リング要素74との軸方向寸法差は、少なくとも円筒突子82がカム溝80の湾曲部78を通過することを妨げない量である。
【0028】
したがって図5(a)、(b)に示すように、溝カムリング要素72の環状溝路70内で従動リング要素74が回転すると、円筒突子82がカム溝80の湾曲部78を通過する際に、溝カムリング要素72と従動リング要素74との間に軸方向への相対移動が生じることになる。
【0029】
ここで、タレット刃物台装置10では、支持台20の環状壁50の後方(図3で左方)に、環状カム部46全体を収容可能な空間を支持台20との間に画成する環状蓋84が、環状カム部46の後方から支持台20に固定されている。支持台20と環状蓋84との間で、溝カムリング要素72は、径方向にがたつきを生じず、かつ軸方向へ所定距離だけ移動できるようになっている。この距離は、円筒突子82がカム溝80の湾曲部78を通過することにより溝カムリング要素72と従動リング要素74との間に生じた軸方向への相対移動距離に相当する。他方、従動リング要素74の円筒突子82は、環状蓋84と、支持台20内面に設けた後肩面86との間で、周方向移動すなわち従動リング要素74の回転は許容されるが、軸方向へは移動不能に挟持されている。
【0030】
このような構成によれば、上記したように環状カム部46の溝カムリング要素72と従動リング要素74との間に軸方向への相対移動が生じると、支持台20と環状蓋84との間で、軸方向へ固定された従動リング要素74に対し、溝カムリング要素72が軸方向へ移動することになる。その結果、溝カムリング要素72に脚部44を介して連結された本体部42及び環状カップリング部48が軸方向へ移動する。このようにして、可動係合部材40の軸方向移動、すなわち前述した係合位置と離脱位置との間での移動が実現される。
【0031】
次に、溝カムリング要素72の環状溝路70内で従動リング要素74を回転させるための機構を説明する。図6及び図7に概略で示すように、タレット刃物台装置10の工具送り台18は、その後端面すなわち回転主軸12から離れた側の端面に、図6に示すようなカム側面88を有したカム板部材90を固定して備える。他方、可動係合部材40の環状カム部46は、円筒突子82とは異なる位置で従動リング要素74から径方向外方へ突設された従動アーム92を備える。そして従動アーム92の自由端94が、カム板部材90のカム側面88に当接される。
【0032】
支持台20が工具送り台18上でX軸方向へ移動すると、可動係合部材40は支持台20と共に工具送り台18に対しX軸方向へ移動し、それに伴い、環状カム部48の従動アーム92の自由端94が、カム板部材90のカム側面88に沿って摺動する。その結果、カム側面88の形状に応じて従動アーム92が揺動し、溝カムリング要素72の環状溝路70内で従動リング要素74が回転して、円筒突子82がカム溝80に沿って移動する。このとき、円筒突子82がカム溝80の湾曲部78を越えて移動すると、前述したように溝カムリング要素72が軸方向へ移動することになる。なお図6の例では、従動リング要素74は周方向へ等間隔に3個の円筒突子82を備えており、それに対応して、図示しないが、溝カムリング要素72のカム溝80の3箇所に湾曲部78が形成されているものとする。
【0033】
さらに詳述すれば、図6に示す位置では、支持台20は工具送り台18上で加工主軸12の軸線に近接して配置され、工具22が棒材Wに近接した加工作業位置に配置されている。このとき、従動アーム92の自由端94は、カム板部材90のカム側面88の凹部96から脱しており、従動アーム92すなわち従動リング要素74が溝カムリング要素72に対し所定の角度位置に保持されている。このとき円筒突子82は、図5(a)に示すようにカム溝80の湾曲部78に隣接して配置される。そして、脚部44によって回転を阻止されている溝カムリング要素72が、支持台20内で軸方向前方(図3で右方)へ移動しており、それに伴い可動係合部材40全体が、前述した係合位置に配置されている。
【0034】
可動係合部材40が係合位置にある間は、環状カップリング部48と環状固定カップリング要素60との係合により、前述した皿ばね56が初期状態からわずかに圧縮されており、その結果生じる皿ばね56の反力が、可動係合部材40の本体部42、溝カムリング要素72等を介して従動リング要素74の円筒突子82に負荷される。それにより円筒突子82は、従動リング要素74と前述した環状蓋84との間に圧力下で挟持され、その結果、溝カムリング要素72内での従動リング要素74(つまり従動アーム92)の回転方向の動作が拘束される。このようにして、タレット24は支持台20に固定的に保持され、工具22による棒材加工作業が安定的に実施される。ここで、支持台20が図6の位置よりも棒材Wに接近した場合にも、従動アーム92すなわち従動リング要素74の溝カムリング要素72に対する角度は実質的に変化せず、したがって可動係合部材40が係合位置に維持されて、タレット24の回転が確実に阻止されることは理解されよう。
【0035】
1つの工具22による加工作業が終了すると、支持台20が工具送り台18上で加工主軸12の軸線から離れる方向へ移動し、工具22を工具交換位置に配置する(図8参照)。このとき、従動アーム92の自由端94は、カム板部材90のカム側面88の凹部96の領域に進入し、さらに端面98に当接される。それにより、従動アーム92すなわち従動リング要素74が溝カムリング要素72に対し、図6の所定の角度位置から図で時計方向へ回転し、図8の角度位置に到達する。このとき円筒突子82は、図5(b)に示すようにカム溝80の湾曲部78を越えて移動している。その結果、溝カムリング要素72が支持台20内で軸方向後方(図3で左方)へ移動し、それに伴い可動係合部材40全体が、前述した離脱位置に配置される。この状態で、タレット24は固定状態を解除される。そこで、サーボモータ38の駆動により旋回割出し動作して、所望の工具を選択する。
【0036】
このように、タレット刃物台装置10では、支持台20上の割出し位置にタレット24を固定的に保持しかつ固定を解除するための係脱駆動機構を、工具22を加工作業位置と工具交換位置との間で運ぶための支持台20の移動に連動して動作する連動装置、すなわち工具送り台18に設けたカム板部材90、並びに可動係合部材40の環状カム部46に設けた従動アーム92、円筒突子82及びカム溝80からなる連動装置によって構成した。したがって、新たなサーボモータを追加することなく係脱駆動機構を電動化できるので、騒音や大気汚染の軽減、応答精度の向上、製造及び運転コストの抑制等の効果を奏するとともに、搭載された工作機械の一層の小型化及び高性能化を促進できる。
【0037】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のタレット刃物台装置によれば、支持台上の割出し位置にタレットを固定的に保持しかつ固定を解除するための係脱駆動機構を、新たな電動機を追加することなく電動化でき、以て、騒音や大気汚染の軽減、応答精度の向上、製造及び運転コストの抑制等の効果を奏するとともに、搭載された工作機械の一層の小型化及び高性能化を促進できるタレット刃物台装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態によるタレット刃物台装置を搭載した自動旋削機械の概略斜視図である。
【図2】図1のタレット刃物台装置の断面正面図である。
【図3】図2のタレット刃物台装置の拡大部分断面正面図である。
【図4】係合機構の係脱動作を説明する図で、(a)係合位置及び(b)離脱位置の各位置で示す。
【図5】可動係合部材の環状カム部の拡大正面図で、(a)係合位置及び(b)離脱位置の各位置で示す。
【図6】駆動機構の動作を説明する図1のタレット刃物台装置の概略側面図で、駆動機構を係合位置で示す。
【図7】図1のタレット刃物台装置の概略底面図である。
【図8】駆動機構の動作を説明する図1のタレット刃物台装置の概略側面図で、駆動機構を離脱位置で示す。
【符号の説明】
18…工具送り台
20…支持台
22…工具
24…タレット
38…サーボモータ
40…可動係合部材
42…本体部
44…脚部
46…環状カム部
48…環状カップリング部
54、58、62…歯
70…環状溝路
72…溝カムリング要素
74…従動リング要素
78…湾曲部
80…カム溝
82…円筒突子
88…カム側面
90…カム板部材
92…従動アーム

Claims (2)

  1. 工作機械上で所与の座標軸に沿って移動可能に設置される支持台と、該支持台に回転可能に支持され、数の工具を回転軸線の周囲に所定間隔で担持する頭部及び該頭部から軸線方向へ同心に延長される軸部を有するタレットと、該支持台上の旋回割出し位置で該タレットを該支持台に対し固定的に保持する係止手段とを具備し、
    前記係止手段は、前記タレットと前記支持台との双方に関連付けて設置され、互いに係合可能な固定側係合要素と可動側係合要素とを少なくとも有する係合機構と、該係合機構の該可動側係合要素を、該固定側係合要素に係合して該タレットの回転を阻止する係合位置と、該固定側係合要素から離脱して該タレットの回転を解除する離脱位置との間で移動させる駆動機構とを備える、タレット刃物台装置において
    前記駆動機構は、前記工具を加工作業位置と工具交換位置との間で運ぶための前記支持台の移動に連動して、前記可動側係合要素(40、48、54)を移動させる連動装置を備え
    前記駆動機構の前記連動装置は、
    前記工作機械に設けられる第1のカム(88、90)と、
    前記係合機構の前記可動側係合要素に付設され、前記タレット(24)の前記軸部(28)の周りで周方向へ延びる第2のカム(72、78、80)と、
    一端(94)で前記第1のカムに摺動可能に係合するとともに他端(74)で前記第2のカムに摺動可能に係合する従動アーム(92)とを備え、
    前記支持台の移動に伴い、前記従動アームが、前記第1のカムの形状に従い揺動するとともに前記タレットの前記軸部の周りで前記第2のカムに沿って回転し、該第2のカムの形状に従い、前記可動側係合要素が、前記タレットの軸線方向へ前記係合位置と前記離脱位置との間で移動すること、
    を特徴とするタレット刃物台装置。
  2. 前記第2のカムは、前記タレット(24)の前記軸部(28)を包囲して環状に延設されるカム溝(80)を有し、該カム溝に、周方向等間隔配置で複数のカム作用湾曲部(78)が形成される、請求項1に記載のタレット刃物台装置。
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