JP3928830B2 - 配車システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、配車システムに関し、特に、複数のポートを含む一定のエリア内で各ポートでの乗車需要に応じて安定的に車両を供給(配車)することができる配車システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
エリア内に配備した所定台数の車両を複数のポートで発生した乗車需要に対応して配車するシステムにおいて、エリア内の各ポートで発生した乗車需要に対して車両が不足することがある。この場合、他のポートで余っている車両を他のポートから移動(以下、「再配車」という)して乗車需要に応じるようにする配車システムが考えられる。
【0003】
しかし、この配車システムは、車両の不足が生じた場合に、事後的に対応するシステムであるので、他のポートから当該ポートに車両が到着するまでに時間がかかる。また、再配車中に新たに発生する乗車需要や、再配車前に他のポートを出発していた車両の到着により、各ポートにおいて新たに車両の過不足が生じることがあり、乗車需要に対して所望の待ち時間を安定的に設定することができない。
【0004】
上記不具合を解消するため予測乗車需要データに基づいて再配車することが考えられる。例えば、各ポートの現有車両数と、そのポートで現在発生している乗車需要および過去の乗車需要統計データとに基づいて乗車需要を予測した予測乗車需要データに従って車両を配車することが考えられる。乗車需要予測に基づいて車両を配車する例として、特開平9−153098号公報に記載された車両需要予測システムがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記車両需要予測システムでは、前記統計データを生データのまま利用するため、この生データと実際の乗車需要とのずれが生じた場合に、そのずれの影響を大きく受けてしまい、無駄の多い再配車を発生させることがあり、精度の高い再配車がなされない(図14,図15に関して後述)。統計データを用いて乗車需要を予測しながら再配車をするシステムにおいては、実際の乗車需要が統計データからずれた場合であっても無駄の少ない再配車が行われることが望ましい。
【0006】
本発明は、上記認識に鑑み、配車システムにおいて実際の乗車需要の変動に対して再配車の無駄を少なくすることができる配車システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決し、目的を達成するための本発明は、エリア内に設けられた複数のポートで発生した乗車需要に応じて車両を配車する配車システムにおいて、全ポートの乗車需要統計データに基づいて設定した予測乗車需要データを格納した予測乗車需要データ記憶手段と、各ポートの現有車両数を検出する車両数検出手段と、各ポートの現状の乗車需要の数と行先情報を含む乗車需要情報を検出するデマンド検出手段と、他のポートから発車した車両の到着を、前記行先情報に基づいて予測到着車両数として予測する到着車両予測手段と、各ポートにおける所定時間の検索範囲での前記現状の乗車需要の数および前記予測乗車需要データと前記現有車両数および前記予測到着車両数との比較により車両の過不足を計算する過不足算出手段と、前記過不足算出手段の計算結果に基づき、余剰車両を有するポートから車両が不足しているポートへ車両を再配車する再配車手段とを具備し、前記予測乗車需要データは、各ポートの単位時間あたりの平均乗車需要実績と前記過不足算出手段による検索範囲となる前記所定時間とに基づいて定めらている点に特徴がある。
【0008】
この第1の特徴によれば、予測乗車需要テータは生のデータとして用いられず、所定時間の検索範囲時間内で乗車需要が発生する平均確率として用いられる。そして、この発生確率に基づいて予測乗車需要データが算出され、この予測乗車需要データおよび現状乗車需要の数から当該ポートでの検索範囲内の総乗車需要数が求められる。一方では、現有車両数および到着車両数から当該ポートにおいて検索範囲内で使用可能な車両数が検出され、前記総乗車需要数との差に基づいて再配車の判断に必要な車両の過不足数が確定される。したがって、実際の乗車需要と予測乗車需要データのずれの影響は少なく、無駄の少ない再配車が可能となる。
【0009】
また、本発明は、前記各ポートの単位時間あたりの平均乗車需要実績は、単位時間内で発生した当該ポートの乗車需要の数に応じて減少する点に第2の特徴がある。この第2の特徴によれば、予測乗車需要実績つまり予測乗車需要データは減少するので統計データと現実の乗車需要とのずれが修正され、新たな発生確率として予測乗車需要データが更新される。
【0010】
さらに、本発明は、前記乗車需要統計データは、前記予測乗車需要データにおける行先ポート割合データを含み、さらに、前記予測乗車需要データと前記行先ポート割合データを乗算して行先ポートにおける予測到着車両数を算出する予測到着車両数検出手段と、前記予測到着車両数を他の各ポートへ通知する通知手段とを具備するとともに、前記車両数検出手段が、他のポートから通知された前記予測到着車両数を前記到着車両数に加算して車両数を算出するように構成されている点に第3の特徴がある。
【0011】
第3の特徴によれば、行先ポート割合データを用い、前記予測乗車需要データにこの行先割合を加味した予測到着車両数が算出される。そして、この予測到着車両数は他の各ポートに通知され、その通知を受けたポートではは自ポートで使用可能な車両数にこの予測到着車両数を加えることができる。このため、予測で発生するとした乗車需要の行き先も加えた高精度な再配車制御を行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して本発明を詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態に係る配車システムの概要を示す系統図であり、ここでは、エリア内に5つのポートが設けられている場合を想定する。ポートP1,P2,P3,P4,P5(以下、特定のポートを示さない場合は、単に「ポートP」と総称する)は、ゴルフ場、空港、ホテル等に設けられた所定の駐車スペースであり、エリア内には車両4が複数台配備される。エリア内に配備する最適な車両台数については後述する。ポートPには端末2がそれぞれ設けられている。また、各端末2にはポートPにおける車両の出入りを検出するセンサ3がそれぞれ接続されている。
【0013】
センサ3は車両4を特定するためその車両番号を識別する機能を有するが、ここでいう車両番号は、車両前後に取り付けられたナンバプレートに表された車両番号であってもよいし、車両の側部や上部等、検出に適したように特別に記載された車両番号であってもよい。また車両番号は数字に限らず、バーコードや文字・記号等の符号を用いた識別情報であってもよい。センサ3としては、車両に記された前記車両番号を光学的に読取るための光学センサを使用できる。
【0014】
端末2は車両利用者を識別する識別装置(図示せず)を有していて、この識別装置は利用者が入力するID番号等から利用者が登録された契約者であるか否かを判別する。ID番号等はICカードに記述されているのが好ましい。前記識別装置は利用開始時に利用者が差し出したICカードの情報を読み取るとともに、車両の利用を終えたときに車両の使用終了を認識するため利用者が差し出したICカードの情報を読み取る。端末2は利用者が行先を入力するための入力装置(図示せず)を有する。この入力装置は、例えばポート名に対応したスイッチで構成することができる。
【0015】
車両4は、例えば自走可能な電気自動車であり、利用者に対する車両の利用許可がなされた場合にドアロックが解除されて始動が可能になるように構成する。なお、自動的にドアロックが解除されるものに限らず、利用者が前記ICカードを使ってドアロックを解除するようにしてもよい。いずれの場合も、乗車するポートPの端末2でICカードの利用者を識別する識別情報(ID番号等)が認識されたことを前提とするのが好ましい。
【0016】
端末2は通信回線によりホストコンピュータ(以下、「ホスト」という)1と接続されていて、端末2とホスト1間では互いにデータの授受がなされる。利用者が乗車するポートPの端末2は、該ポートPの現有車両番号および車両数、ならびに契約者ID番号、および乗車需要(デマンド)等をホスト1に送信する。デマンドは利用者がID番号を入力したときに発生する。デマンドには行先情報が含まれる。ホスト1は、前記ID番号に基づいて契約者の個人情報を参照し、車両の利用を許可すべきか否かを判断した後、端末2に貸出許可および貸出車両を指示する。貸出許可および貸出車両の指示により現実に乗車が可能になる。貸出許可および貸出車両の指示がなされたときに「発生トリップ」が生じる。
【0017】
一方、利用者が到着したポートPの端末2は、該ポートPの現有車両番号および車両数、ならびに契約者ID番号、到着認識情報(到着トリップ)、および契約者走行データ等をホスト1に送信する。到着トリップは前記発生トリップに対応する車両4がポートPへ入場したことをセンサ3で検出したときに出力される。
【0018】
ホスト1は、端末2から入力された情報に基づいて端末2に貸出許可および貸出車両を指示するための演算を行う演算手段(CPU)10と記憶装置(メモリ)11とを有するとともに、各車両4へ指示を与えるための通信装置12を有している。記憶装置11には全ポートの乗車需要統計データの1つとして各ポートP毎の予測乗車需要データ(以下、「発生トリップ」という)が格納される。また、契約者情報や契約者走行データ等のデータも格納されている。予測発生トリップは過去のデマンド実績をもとに設定した1日のデマンド見込みである。契約者情報は前記ID番号に対応させた契約者の名前等の個人情報である。契約者走行データは走行距離や走行時間であり、契約者への課金のための情報である。
【0019】
図2は、前記端末2およびホスト1の要部機能を示すブロック図である。端末2は、デマンド、到着トリップ、契約者ID、および現有車両数をホスト1に通知するためのデマンド通知部20、到着トリップ通知部21、契約者ID通知部22、および現有車両数通知部23を有している。デマンド通知部20は利用者が入力したID番号を認識したときにデマンド発生を通知し、到着トリップ通知部21はセンサ3による車両入場の検出結果を通知する。契約者ID通知部22はICカード等から読み込まれたID番号を通知する。現有車両数通知部23は前記センサ3で検出された車両番号および車両の出入りの検出結果に基づいて計数された現有車両数を通知する。
【0020】
さらに、端末2は利用者に乗車車両を指示または案内するための表示装置24を有する。この表示装置24はホスト1から入力される貸出許可等に基づいて表示を行うものであり、画情報によって案内するものであってもよいし、音声によって案内するものであってもよい。端末2はホスト1とのデータ通信を行うための通信インタフェース25を有している。なお、表示装置24は乗車可能な車両4がポートPに存在していて、IDコードの入力後直ちに乗車車両指示を出すことができる場合には、車両番号等の案内を行い、車両4が不足している場合には予測待ち時間を案内するようにしてもよい。
【0021】
ホスト1のメモリ11は予測発生トリップ記憶部110と契約者情報記憶部111とを有している。予測発生トリップ記憶部110は1日のデマンド実績を各ポートP毎に時系列のデータとして蓄積し、予測発生トリップとしてCPU10に供給する。予測発生トリップは天候、日時、曜日等毎に過去のデマンド実績を蓄積しておき、その日時、天候、曜日等に応じた予測発生トリップをCPU10へ供給できるようにしておくとよい。契約者情報記憶部111には前記契約者情報や契約者走行データが記憶される。契約者情報は予め登録されたものであり、契約者走行データは端末2から入力されたものである。
【0022】
CPU10は通信インタフェース107によって端末2の通信インタフェース25と接続されている。CPU10の需要数判別部101は、メモリ11の予測発生トリップに基づいて、1時間あたりの予測需要台数を判別する。SD設定部102は前記予測需要台数が基準台数を上回っているか否かによって、予測発生トリップのうち、現時点から何時間(又は何分後)までのものを検索するか、つまり検索範囲(以下、「サーチ・デプス時間:SD時間」ともいう)を決定できる。SD時間の決定アルゴリズムについては後述する。
【0023】
予測乗車需要検出部103はSD設定部102で決定されたSD時間内での予測発生トリップを予測発生トリップ記憶部110から読み込み、過不足数算出部104に出力する。過不足数算出部104は端末2から入力されたポートP毎のデマンドおよび現有車両数、ならびに前記予測発生トリップに基づいて車両の過不足数を算出する。車両の過不足数は前記デマンドに含まれる行先情報によって予定される行先ポートでの到着トリップを考慮して算出される。
【0024】
再配車設定部105は各ポートPの車両4の過不足数に基づいて、余剰の車両4を他のポートPに移動つまり再配車するための指示を出力する。この再配車指示は通信装置12を通じて車両4に通知される。再配車に応じることができるように車両4には通信装置と自動走行装置とが設けられている。自動走行装置は地図データおよびGPSを利用した位置検知システム、および信号機や障害物の監視システム等を利用した既知のシステムを採用することができる。
【0025】
配車設定部106は乗車可能な車両があれば、直ちに貸出許可および貸出車両を端末2に通知する。また、車両が不足している場合には、到着トリップや前記再配車設定部105で指示された再配車の到着予定時刻等に基づいて待ち時間を算出し、端末2に通知する。それにより、利用者は待ち時間を認識する。
【0026】
続いて、具体的な配車の例を説明する。各ポートPの現有車両数と現時点でのデマンドのみによって車両の再配車を行うと、デマンドの変動や車両の移動による新たな車両の過不足が生じるため効率的な配車を行えない。そこで、本実施形態では、予め設定したSD時間内でのデマンドや到着トリップを勘案して車両の過不足を算出し、再配車を行う。図3は、各ポートPにおける発生トリップと到着トリップの発生による車両数の変化を示した図である。この図では、現SD時間で予想されるトリップの発生を見越しているが、再配車分は考慮していない。
【0027】
同図において、ポートP1ではデマンドが「3」であり現有車両数は「0」であるので、現時点では車両が3台不足している。このポートP1では、現時点以前において他のポートで生じた発生トリップによる到着トリップTa1と、ポートP3において生じた現SD時間当初の発生トリップTd3による到着トリップTa11とがある。一方、予測発生トリップTf1が発生すると予測されているので合計デマンドは「4」となる。したがって、現SD時間内で使用可能な車両数は「2」に対してデマンドは「4」であるので、結果的に2台の車両が不足している。
【0028】
ポートP2ではデマンドが「0」であり現有車両数は「5」であるので、現時点では車両が5台余っている。このポートP2では、予測発生トリップTf2,Tf21が発生すると予測されているので合計デマンドは「2」となる。したがって、現SD時間内で使用可能な車両数は「5」に対してデマンドは「2」であるので、結果的に3台の車両が余る。
【0029】
ポートP3ではデマンドが「5」であり現有車両数は「2」であるので、現時点では車両が3台不足している。このポートP3では、現有車両が2台あるので2つのデマンドに直ちに応答して発生トリップTd3,Td31が発生する。また、それ以前のSD時間において他のポートで生じた発生トリップによる到着トリップTa3,Ta31がある。予測発生トリップはないので合計デマンドは「5」から変わらない。その結果、現SD時間内で使用可能な車両数は「4」に対してデマンドは「5」であるので、車両が1台不足している。
【0030】
ポートP4ではデマンドが「1」であり現有車両数は「1」であるので、現時点では車両の過不足はない。このポートP4では、現有車両が1台あるのでデマンドに直ちに応答して発生トリップTd4が発生する。また、このポートP4では、予測発生トリップTf4があると予測されているので合計デマンドは「2」となる。また、ポートP3で生じた発生トリップによる到着トリップTa4が発生すると予測される。したがって、現SD時間内で使用可能な車両数は「2」に対してデマンドは「2」であるので、車両の過不足はない。
【0031】
ポートP5ではデマンドが「0」であり現有車両数は「1」であるので、現時点では車両が1台余っている。このポートP5では、ポートP4での発生トリップTd4による到着トリップTa5があり、かつ、それ以前のSD時間において他のポートで生じた発生トリップによる到着トリップTa51がある。また、予測発生トリップTf5があると予測されているので合計デマンドは「1」となる。その結果、現SD時間内で使用可能な車両数は「3」に対してデマンドは「1」であるので、車両は2台余っている。
【0032】
上記SD時間内での車両数やデマンドの変動を前提に再配車を設定する。以下、再配車のアルゴリズムを段階的に説明する。まず第1段階として、SD時間内に再配車可能なポートと車両数を検出する。上述の場合では、ポートP2とポートP5とで車両が余っているので再配車が可能である。第2段階として、余っている車両を再配車した後の残り車両数を求める。そして、第3段階としてこの残り車両数によって次に発生するデマンドに応じることができるかを判別する。すなわち、すべての車両を再配車した後、到着トリップ等によって該ポートPの車両数が回復するより前にデマンドが発生した場合にはそのデマンドに直ちに応答できない。そこで、残り車両数が次に発生するデマンド分の車両として使用できる見込みがあれば実際に再配車実行可とする。
【0033】
上述の場合では、ポートP2において、余剰分の3台を再配車したとしても車両は2台残っているので、次に発生する予測発生トリップTf2に応じてもさらに1台の余剰がある。したがって、ポートP2では3台の再配車を行う余裕があり、再配車実行可能である。一方、ポートP5では、余剰分の2台を再配車すると残り車両数は1台となり、次に発生する予測発生トリップTf5に応ずると残りはなくなる。このように、ポートP5では再配車すると残り車両数に余裕がなくなるので再配車実行不可とする。
【0034】
さらに好ましくは、車両が不足しているポートPに最も近いポートPから再配車するのがよい。例えばポートP5に次の発生デマンドがないとした場合、ポートP2とポートP5の双方から再配車が可能であり、車両が不足しているポートにより近い方から再配車する。ここでは、車両が不足しているポートP1とポートP3により近いのがポートP5よりもポートP2であるとの想定の下、ポートP2からポートP1へ2台、ポートP2からポートP3へ1台再配車をしている。
【0035】
上記検討結果に基づいて再配車した場合の、SD時間内での各ポートPでの車両数の変化を図4に示す。同図において、ポートP1では、現デマンドの利用者の1人は到着トリップTa1の車両に乗車でき、2,3番目の利用者はポートP2から再配車された2台の車両(Dv1,Dv2)に乗車できる。そして、予測発生トリップTf1の利用者は到着トリップTa11の車両に乗車できる。
【0036】
ポートP2では2台の車両(d1,d2)をポートP1に再配車し、1台の車両(d3)をポートP3に再配車した。そして、予測発生トリップTf2の利用者は現有車両(V1)に乗車でき、予測発生トリップTf21の利用者は現有車両(V2)に乗車できる。
【0037】
ポートP3では現有車両が2台あるので5個のデマンドのうち2個には直ちに応答でき、2人の利用者は発生トリップTd3,Td31の車両に乗車できる。また、3人目と4人目の利用者は到着トリップTa3,Ta31の車両に乗車でき、5人目の利用者はポートP2から再配車された車両(Dv3)に乗車できる。
【0038】
ポートP4では現有車両が1台あるので1個あるデマンドに直ちに応答でき、利用者は発生トリップTd4の車両に乗車できる。また、予測発生トリップに対応する利用者は到着トリップTa4の車両に乗車できる。さらに、ポートP4では到着トリップTa41があるが、これは、ポートP5での予測発生トリップTf5に基づくものであり予測不能であり、再配車検討時には考慮されていない。
【0039】
ポートP5では現有車両が1台あるがデマンドはないので発生トリップは直ちには生じない。予測発生トリップTf5の利用者は現有車両V5に乗車できる。その後に発生する到着トリップTa5,Ta51の車両は、再配車されないでそのまま残る。ポートP5では、ポートP4で生じた予測発生トリップTf4に基づく到着トリップTa52があるが、これは予測不能なものであり、再配車検討時には考慮されていないが、統計データに基づき、この到着トリップTa52を考慮して計算してもよい。
【0040】
このようにして、結果的に、ポートP1〜ポートP3ではSD時間内で過不足なく需要に対応でき、さらにポートP4では1台、ポートP5では3台の車両が残ることになる。
【0041】
上述の例では、現SD時間内でデマンドに応じることができた。しかし、このSD時間内でデマンドに応じることができなかった場合は、不足している車両は次のSD時間の再配車の検討時まで持ち越す。また、予め最大待ち時間を設定しておき、この現SD時間で設定最大待ち時間を越える場合は、先に再配車しないと決定したポートPをも含めて再配車可能車両を再配車してデマンドに応じる。
【0042】
次に、上述の再配車の処理をフローチャートを参照してさらに説明する。図5は車両の過不足計算処理のフローチャートである。ステップS1では、ポートPを示すパラメータPに「0」をセットし、ステップS2ではそのパラメータPをインクリメント(+1)する。つまり以下の処理はパラメータPで代表されるポートに関する。ステップS3では持越し到着トリップつまり前回計算までに生じた発生トリップに基づく到着トリップ数をパラメータNTAとしてセットする。ステップS4では現有車両数をパラメータNPVとしてセットする。ステップS5では現有デマンド数をパラメータDP にセットする。ステップS6では予測発生トリップ数をパラメータDT にセットする。
【0043】
ステップS7では到着トリップが現SD時間に発生するか否かを判別する。これは、他のすべてのポートの発生トリップの有無、およびその発生トリップのもとになったデマンドに含まれる行先情報に自己のポートが含まれていて、該SD時間内に到着するか否かの計算により判別する。この計算は、ポート間の既知の距離および車両の予定走行速度に基づいて行う。ステップS7が肯定ならばステップS8に進み、この到着トリップ数(NTA´)を前記到着トリップ数NTAおよび現有車両数NPVに加算して使用可能な車両数NPとする。
【0044】
ステップS9では過不足の演算を行う。つまり車両数NPから現有デマンド数DP および予測発生トリップ数DT を減算して過不足数VNPを求める。ステップS10では再配車後の車両数は十分か否かを判別する。これは過不足の計算によって余っていると判断された車両を再配車した場合に残り車両があって、しかも次の発生デマンドに応じることができるか否かによって判断する。この判断が肯定ならばステップS11に進み、再配車実行可を示すためフラグPFを立てる。一方、再配車実行不可ならばステップS12に進んでフラグPFをクリアする。 ステップS13では、パラメータPが「5」になったか、つまりすべてのポートについて車両の過不足数を計算したか否かを判別する。この判断が肯定となるまではステップS2に進んで計算を続け、ポートP1〜P5の車両過不足数を求める。
【0045】
次に、前記車両の過不足計算結果に基づく再配車設定処理を説明する。図6のフローチャートにおいて、ステップS20では、ポートPを示すパラメータPに「0」をセットし、ステップS21ではそのパラメータPをインクリメント(+1)する。ステップS22ではポートPに配車可能な車両があるか否かを前記フラグPFが立っているか否かによって判断する。再配車可能と判断すればステップS23に進み、該ポートPから予定距離のポートに車両が不足しているものがあるかを判別する。これは、できるだけ近いポートに優先的に再配車するため、予め定めた最小距離内のポートの車両不足の有無を判別するものである。
【0046】
ステップS23が肯定ならばステップS24に進み、該ポートPから、車両が不足している他のポートへ再配車する。但し、SD時間内で車両の余剰があると計算された場合であっても、現有車両がない場合も想定される。したがって、現有車両の範囲内で再配車するようにする。再配車をしたならばステップS25に進み、再配車による変動をもとに各ポートの車両過不足数を変更する。
【0047】
一方、ステップS22およびステップS23のいずれかの判断が否定の場合、つまり当該ポートでは再配車可能な車両がない場合、または当該ポートから予定の近接距離に車両が不足するポートがない場合にはステップS41に進む。
【0048】
ステップS41では、収容台数CAPが、SD時間内で使用可能であると見込まれる車両数NP 以下か否かを判断する。この判断が肯定、つまりSD時間内に当該ポートで収容可能な台数以上の車両が入場するという予測が立った場合にはステップS42に進む。ステップS42では他に車両が不足するポートがあるか否かを判断する。車両が不足するポートがある場合はステップS24に進んでそのポートへ再配車をする。
【0049】
車両が不足しているポートがない場合はステップS42からステップS43に進み、現有車両が最も少ないポートを検出する。現有車両が最も少ないポートを特定したならばステップS24に進み、そのポートへ再配車する。再配車が終わったならばステップS25に進み、各ポートの車両の過不足数を最新値で更新する。
【0050】
ステップS41〜S43の処理により、現有車両数および予測到着車両数を合計した数が自ポートに収容しきれないと判断した場合は、車両不足ポートが近隣でない場合であってもその車両不足ポートへ再配車される。これによって、自ポートでの収容スペース不足のための渋滞が発生するのを防止できる。また、車両不足ポートが全くない場合には、最も現有車両が少ないポートに再配車されるので、自ポートでの渋滞発生を防止できる。
【0051】
ステップS26ではパラメータPを判別してすべてのポートPに関して処理を行ったか否かを判別する。この判別が肯定ならばステップS27に進み、車両不足のポートが依然として存在するかを判別する。これが否定ならば処理を終えるし、肯定ならばステップS28に進み、このSD時間で再配車をしないと予め設定した最大待ち時間が超過するか否かを判別する。これが否定ならばステップS29に進んで、不足車両を次のSD時間のデマンドとして持ち越す。すなわち、次の車両過不足計算時の現有デマンドとして残る。
【0052】
また、最大待ち時間を超過する場合は、現SD時間で不足を解消するため、さらに遠いポートに余剰車両がないかを検索する。そのために、ステップS30では検索するポートを拡大するため距離設定を増大する。
【0053】
距離を増大した結果、たとえ車両に余剰のあるポートが存在していても、そこから再配車したのでは結局最大待ち時間を超過することがある。そこで、ステップS31では、新たに設定した距離のポートからの再配車により最大待ち時間内で車両の不足が解消されるか否かを判断する。この判断が肯定ならば、遠くからの再配車は断念してステップS29に進み、次のSD時間で不足車両を補うようにする。
【0054】
ステップS31が否定ならばステップS20に戻る。そして、ステップS30を処理した後のステップS23では、前回よりもさらに遠くのポートに不足車両があるか否かが判別される。
【0055】
次に、SD時間設定のためのアルゴリズムについて説明する。図7は、各ポート間の再配車の所要時間を示す図である。同図に示すように、最も遠いポート間の所要時間は30分であり、最も近いポート間でも所要時間は5分である。この図から明らかなように、5分未満のSD時間で再配車可能な車両数を決定しても、そのSD時間では再配車された車両が予定のポートにまで到達しない。また、5分以上7分未満のSD時間ではポートP1およびポートP2間でしか再配車できない。さらに、7分以上9分未満のSD時間ではポートP1およびポートP2間、ならびにポートP2およびポートP3間でしか再配車できない。以下、同様に検討していくと、30分以上のSD時間内では全ポート間で再配車が可能である。このように、再配車を可能にするためには各ポートP間の最小所要時間以上のSD時間を設定する必要がある。図7の例では5分以上である。
【0056】
また、最大待ち時間との関係では、最大待ち時間よりも短いSD時間とする必要がある。例えば最大待ち時間を15分とした場合、SD時間は15分未満に設定する必要があり、この場合、ポートP1およびポートP2間、ポートP2およびポートP3間、ポートP3およびポートP4間、ならびにポートP4およびポートP5間で再配車が可能となる。なお、車両4を自動走行させて再配車する場合は、各ポート間の所要時間は、自動走行時の走行速度に基づいて決定するのはもちろんである。
【0057】
次に、配備される車両台数との関連でSD時間を決定するためのアルゴリズムについて説明する。ポートPにおける総デマンド数と同数の車両を配備しておけば、そのポートPに再配車する必要はないのは明らかであり、ポートPに配備する車両数を少なくしていくほど再配車数は多くなる。したがって、車両の配備台数が多く、再配車の必要性が低い場合は、SD時間を短く設定でき、ポートPでの待ち時間も短くなる傾向がある。
【0058】
しかし、配備台数を無制限に多くするのは経済的ではないため、SD時間を長くし、積極的に再配車を活用することによって配備台数を少なくすることが好ましい。一方、配備台数を少なくしてSD時間を極端に長くすると、待ち時間が長くなる傾向がある。また、SD時間が長くなると待ち時間は増えるが、他のポートからの到着トリップが多く期待できるようになるので再配車数は比較的少なくなってくる。したがって、配備台数、再配車数、および待ち時間を総合的に検討してSD時間を決定するのがよい。
【0059】
図8は、車両の配備台数と再配車数との関係をSD時間をパラメータとして示した図であり、図9は、車両の配備台数と平均待ち時間との関係をSD時間をパラメータとして示した図である。図8において、配備台数がa台以下、再配車数A台以下という設定条件において、配備台数を少なくしていくと同じSD時間では再配車数が少なくなる(SD時間はSD1>SD2>SD3>SD4とする)。一方、図9に見られるように、配備台数を少なくしていくと平均待ち時間が長くなる。すなわち、配備台数を少なくすると再配車数が少なくなるので、結果として待ち時間が長引いてくる。
【0060】
したがって、配備台数を少なくしたときに、平均待ち時間が、その上限であるB分を越えないようにするには再配車数を増加させる必要があり、そのためにはSD時間を短くしていかなければならない。換言すれば、再配車数を少なくしようとすればSD時間を長くする必要があり、平均待ち時間を少なくしようとすればSD時間は短くする必要がある。
【0061】
例えば、ポイントL,M,Hを設定すると、そのいずれにおいても、平均待ち時間の上限B分および再配車数A台の設定を共に満足している。したがって、配備台数、再配車数、および平均待ち時間のどれを優先させるかを、その時々の必要性(例えば、ビジネス判断)によって決定することができる。
【0062】
具体的な数値をもとにシミュレーションした例を説明する。図10は、エリアのサイズを特定するための各ポートP1〜P5相互間の走行時間を示す図である。同図(a)は人が車両を運転する場合の走行時間(時速48km/時)、同図(b)は無人自動走行時の走行時間(時速16km/時)である。また、車両は各ポートPに15台ずつ計75台を配備し、平均待ち時間の上限を1分とした。このシミュレーションでは待ち時間を優先させている。
【0063】
図11は、上記シミュレーション条件での配備台数と待ち時間および再配車数との関係を示す図であり、SD時間は20分である。図11において、平均待ち時間の上限を1分としたとき、配備台数は75台必要であり、そのときの再配車数は473台である。
【0064】
ところで、上記SD時間は1日にわたって固定しておく必要はなく、予測乗車需要に応じて変化させてもよい。図12は、1日の乗車需要の実測値の一例を示す図である。1日の総乗車需要は1800トリップである。同図のように乗車需要は1日を通して安定しておらず、かなりの変動がある。乗車需要が多いときには、待ち時間が長くならないようにSD時間を短くして再配車数を多くするのが好ましい。そこで、例えば1日の予測最大乗車需要の1/2を基準にして、予測乗車需要がこの基準以下のときにはSD時間を20分とし、予測乗車需要がこの基準以上のときにはSD時間を15分に短縮するようにする。図12において、予測最大乗車需要を180台としたとき、SD時間を変更するための基準値は90台とする。したがって、SD時間は、時間帯T1,T3,T5では20分、時間帯T2,T4では15分に設定する。
【0065】
次に、SD時間を設定するための他の基準について説明する。図13は、配備台数をパラメータとした場合の、再配車数および平均待ち時間の積(以下、「配車係数」という)とSD時間との関係を示すシミュレーション結果である。同図に示したデータは再配車のときの車両の走行速度が35km/時のときのものである。なお、SD時間は複数のポートのうち互いに最も遠い距離にあるポート間の移動時間(20分)に対するSD時間の割合(SD比)で示している。前記配車係数が小さいほど、好ましいシステムといえる。平均待ち時間が短い場合、または空で車両を移動させることが少ない場合であるからである。
【0066】
この図から分かるように、配備台数がある台数未満の場合に、配車係数の極小値が顕著である。すなわち、配備台数が60台未満の領域ではSD比が「1」〜「1.5」の近傍にあるとき、つまりSD時間をほぼ最大ポート間移動時間と同時間に設定したときに配車台数の極小値が現れている。一方、配備台数が60台以上の領域では配車係数の極小値が顕著ではない。すなわち、SD比の変化に対して配車係数はあまり変化していない。換言すれば、配備台数が多い領域では車両数に余裕があるため、SD時間を厳密な基準に基づいて設定してもそのことによる効果は期待できない。
【0067】
デマンドに対して不足気味の配備台数を設定した場合に、SD時間を選択することにより、配車係数が低い経済的なシステムを構成することができるという効果を奏する。図13の例で言えば、配備台数が60台未満のときにSD比を「1」〜「1.5」に設定した場合に効率の良いシステムとなる。なお、配備台数が45台未満の領域では、デマンドに対する車両数が少なすぎるため、平均待ち時間は10分以上となるが、SD比が「1」近傍で配車係数の極小値は現れる。
【0068】
上述の実施形態では、予測発生トリップ記憶部110に格納した過去の乗車需要実績(統計データ)に基づいて発生トリップを予測し、その予測に基づいて再配車を行っている。しかし、実際に発生するデマンドは生の統計データからずれることがあり、このずれが大きい場合にはむだな再配車が行われるおそれもある。
【0069】
乗車需要統計データと実際のデマンド発生とのずれによる再配車例を説明する。図14は、過去のある1時間のデマンド実績および現実のデマンド発生の一例を示す図であり、図15は、これらのデータに基づくある1つのポートにおける再配車の一例を示す図である。両図において、判断時点TAでは、すでに2台のデマンドが発生していて、さらに判断時点TAからSD時間内にはデマンド実績から予測発生トリップが1台見込まれる。ここで、現有車両数が1台あると想定すると、合計3台のデマンドに対して現有車両数が1台であるため、不足分2台の再配車が指示される。
【0070】
判断時点TBでは、その時点までに前記判断時点TAで指示された再配車が実行されて車両数が3台になっており、かつ、2台のデマンドに応えて2台の車両を使用したので、現有車両数は1台となっている。2台のデマンドを処理した後、新たに4台のデマンドが発生していて、さらに判断時点TBからSD時間内には予測発生トリップが6台発生する。ここで、現有車両数が1台あるので、10台のデマンドに対する不足分9台の再配車が指示される。判断時点TBから判断時点TCまでの間には再配車による9台の車両は到着せず判断時点TCで到着した場合を想定すると、4台のデマンドに対して実際には1台しか車両が存在しないので、未処理のデマンドは判断時点TCに持ち越される。
【0071】
すなわち、判断時点TCでは3台の未処理デマンドに加えて2台のデマンドが発生しており、残りデマンドは5台である。さらに予測発生トリップは6台存在するため現有車両9台では2台の不足が生じ、再び再配車を要求することになる。
【0072】
以下同様に判断時点TD,TEで再配車の要否が判断されるが、図示のように、判断時点TD,TEの判断では逆に車両に余剰が出て、他のポートに再配車するようになっている。すなわち、1時間の再配車処理において、余分な再配車を4台受け入れてしまっていることになる。
【0073】
上述のような無駄な再配車は乗車需要統計データと実際のデマンドとの間にずれが生じることからくる影響であり、相互に相関関係をもたせていないこともその一因となる。そこで、本実施形態では、前記統計データを生データとして用いずに単位時間あたりの平均データとして利用すると共に両者を関連づけて再配車をすることとした。まず、前記統計データをデマンド(発生トリップ)の発生確率としてとらえることで前記統計データと実際のデマンドとのずれの影響を少なくできるようにした。
【0074】
図16は、デマンドの発生確率の変化を示した図である。1時間に10台のデマンドが発生するという予測から1分あたりでは10/60(1/6)台の発生確率と考えることができる。この発生確率は実際にデマンドが発生する毎に減少させていく。つまり、図16の上部に示したデマンド発生に従って、発生確率は8/60,4/60,2/60,1/60というように漸減していく。
【0075】
この発生確率を考慮して前記予測発生トリップを修正する。図17は、発生確率に基づいて予測発生トリップを修正した場合の再配車の一例を示す図である。判断時点TAでは、それまでにデマンドが実際に2台発生しているので発生確率は8/60(2/15)になっている。これは1分あたりの台数であるのでSD時間(20分とする)では2.7台(3台に繰上げ)のデマンドが予測される。したがって、判断時点TAでは4台の再配車が指示される。
【0076】
判断時点TBでは4台の再配車と1台のデマンドの応答によって現有車両数は3台になっている。そして、判断時点TBまでにデマンドがさらに4台発生しているので発生確率は4/60(1/15)になっている。したがって、SD時間内には1.3台(2台に繰上げ)のデマンドが予測され、判断時点TBでは3台の再配車が指示される。この再配車数は図15に示した判断時点TBでの再配車数に比べて6台少ない。
【0077】
以下、同様に、変化した発生確率に従ってデマンドを予測して再配車していくと、判断時点TDでは再配車「0」、判断時点TEでは再配車1台というように、無駄のない再配車が実現されている。
【0078】
さらに、乗車需要統計データはその予測発生トリップに基づくデマンドの行き先ポートの割合データを含むことができる。つまり、前記統計データは、どのポートがどの程度の割合で行き先となるかのデータを有している。図18は、ポートP1におけるデマンドの予測数と行き先ポートの割合を示す図である。同図において、ある特定の1時間内の最初のデマンドでは行き先の80%がポートP2、次のデマンドでは行き先の60%がポートP2となっている。以下、同様に、行き先毎に割合が決定されている。なお、同時期に発生する複数のデマンドについては割合の平均値を示している。
【0079】
図19は、発生確率と行き先がポートP2であるデマンドの確率とを併せて示した図である。同図において、発生確率はSD時間内の予測発生トリップつまり予測乗車需要の数で表している。この図のように、現実のデマンドが最初に発生するまでは、ポートP2でSD時間内に10/3×0.8台の到着トリップが発生すると予測でき、現実にデマンドが発生する都度、前記割合を考慮した予測到着トリップに変更されていく。この予測到着トリップはポートP1で現実にデマンドが発生する毎にポートP2に通知される。ポートP2では、この予測到着トリップを予測データに加えて再配車数を決定することができる。このような予測到着トリップは、各ポート間で互いに通知される。
【0080】
図20は、上記発生トリップ(デマンド)の発生確率および予測到着トリップに基づく再配車のための端末2の要部機能を示すブロック図であり、ポートP1における機能を示す。乗車需要予測手段つまり予測発生トリップ数算出部201は単位時間毎の予測発生トリップAと単位時間内に現実に発生したデマンドの累積xに基づいてSD時間内の予測発生トリップ数を算出する。算出式は図中に示す。予測発生トリップAは乗車需要実績の統計データに基づいて決定することができる。この演算は単位時間の最初と現実にデマンドが発生したときとに実行される。
【0081】
乗車需要数検出手段つまりデマンド数算出部202は前記予測発生トリップ数と現在すでに発生しているデマンドの数とを合計してSD時間内の当該ポートP1でのデマンド数を算出する。車両数算出部203は現有車両数と、SD時間内に発生する予定の到着トリップとを合計してSD時間内で使用可能となる車両数を算出する。ここで、到着トリップには、その計算以前に他のポートで発生した発生トリップに基づいて検出されたものと、他のポートから通知された予測到着トリップの数とが含まれる。
【0082】
予測到着トリップ数算出部204は前記予測発生トリップ算出部201で計算された予測発生トリップ数と、その予測発生トリップの行き先の割合とを乗算して他の各ポート用の予測到着トリップ数を算出する。算出された予測到着トリップ数は他の各ポートに送信される。
【0083】
一方、ポートP1以外の他のポートでも各ポート用の予測到着トリップ数が算出されて送信される。他のポートから受信したポートP1用の予測到着トリップ数は前記車両数算出部203に入力されて車両数の算出に供される。
【0084】
過不足数算出部205は前記デマンド数と車両数との差を計算して車両の過不足数を検出する。再配車設定部206は他のポートでの車両過不足数等を勘案して実際の再配車数を決定する。この過不足数算出部205と再配車設定部206は図1に関して説明したと同様、ホスト1の機能として設けるのが好ましい。
【0085】
このように、本実施形態によれば、SD時間内で発生するトリップ数を生の統計データから予測するのではなく、統計データをSD時間内で発生する確率ととらえることでより精度の高い再配車が行える。また、その発生確率も実際に発生したトリップにより減少変更させていくことで一層高精度な再配車となる。さらに、予測発生トリップのうち他のどのポートが行き先となるかの確率をもとに計算した予測到着トリップをもとに、SD時間内で使用可能となる車両数に関しても、高い精度で予測できる。例えば、図4における到着トリップTa41やTa52等を予測することが可能となる。
【0086】
なお、上述の実施形態では、車両4を自動走行させて再配車するシステムを想定したが、本発明はそれに限定されず、再配車は、人が運転して行うものでもよいし、車両4をトレーラ等、他の車両で牽引して行うものでもよい。また、利用者が運転するものに限らず、タクシーやハイヤーの配車システムにも適用できる。
【0087】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、予測乗車需要データと各ポートの乗車需要とに基づいて配車を行うシステムにおいて、現実の乗車需要が予測乗車需要データからずれた場合にもむだな再配車を行うことがないので効率のよい配車システムとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る配車システムの構成を示す系統図である。
【図2】 ポートに配備される端末とホストコンピュータとにおける要部機能を示すブロック図である。
【図3】 再配車指示前の各ポートの乗車需要および車両数を示す図である。
【図4】 再配車指示後の各ポートの乗車需要および車両数を示す図である。
【図5】 車両過不足計算のフローチャートである。
【図6】 車両過不足計算結果に基づく再配車設定のフローチャートである。
【図7】 各ポート間の車両の移動時間の一例を示す図である。
【図8】 配備台数と再配車数との関係を示す図である。
【図9】 配備台数と平均待ち時間との関係を示す図である。
【図10】 各ポート間の車両の移動時間のシミュレーション結果を示す図である。
【図11】 配備台数と平均待ち時間および再配車数との関係についてのシミュレーション結果を示す図である。
【図12】 1日の乗車重要の推移を示す図である。
【図13】 配備台数毎の再配車数と平均待ち時間との積を検索範囲をパラメータとして求めたシミュレーション結果を示す図である。
【図14】 乗車需要実績および現実のデマンド発生の一例を示す図である。
【図15】 生の統計データに基づく再配車の一例を示す図である。
【図16】 統計データに基づくデマンドの発生確率の変化を示した図である。
【図17】 デマンドの発生確率に基づく再配車の一例を示す図である。
【図18】 発生トリップの行き先毎の割合の一例を示す図である。
【図19】 デマンド発生確率と行き先の割合とを乗算した予測到着トリップの一例を示す図である。
【図20】 デマンド発生確率と行き先の割合とを考慮した再配車設定のための機能を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…ホストコンピュータ、 2…端末、 3…センサ、 4…車両、 10…CPU、 11…メモリ、 12…通信装置、 20…デマント通知部、 21…到着トリップ通知部、 22…契約者ID通知部、 23…現有車両数通知部、24…表示装置、 25,107…通信インタフェース、 101…乗車数判別部、 102…SD設定部、 103…予測乗車需要検出部、 104…過不足算出部、 105…再配車設定部、 106…配車設定部、 201…予測発生トリップ数算出部、 202…デマンド数算出部、 203…車両数算出部、204…予測到着トリップ数算出部

Claims (3)

  1. エリア内に設けられた複数のポートで発生した乗車需要に応じて車両を配車する配車システムにおいて、
    全ポートの乗車需要統計データに基づいて設定した予測乗車需要データを格納した予測乗車需要データ記憶手段と、
    各ポートの現有車両数を検出する車両数検出手段と、
    各ポートの現状の乗車需要の数と行先情報を含む乗車需要情報を検出するデマンド検出手段と、
    他のポートから発車した車両の到着を、前記行先情報に基づいて予測到着車両数として予測する到着車両予測手段と、
    各ポートにおける所定時間の検索範囲での前記現状の乗車需要の数および前記予測乗車需要データと前記現有車両数および前記予測到着車両数との比較により車両の過不足を計算する過不足算出手段と、
    前記過不足算出手段の計算結果に基づき、余剰車両を有するポートから車両が不足しているポートへ車両を再配車する再配車手段とを具備し、
    前記予測乗車需要データは、各ポートの単位時間あたりの平均乗車需要実績と前記過不足算出手段による検索範囲となる前記所定時間とに基づいて定めらていることを特徴とする配車システム。
  2. 前記各ポートの単位時間あたりの平均乗車需要実績は、単位時間内で発生した当該ポートの乗車需要の数に応じて減少することを特徴とする請求項1記載の配車システム。
  3. 前記乗車需要統計データは、前記予測乗車需要データにおける行先ポート割合データを含み、
    さらに、前記予測乗車需要データと前記行先ポート割合データを乗算して行先ポートにおける予測到着車両数を算出する予測到着車両数検出手段と、
    前記予測到着車両数を他の各ポートへ通知する通知手段とを具備するとともに、
    前記車両数検出手段が、他のポートから通知された前記予測到着車両数を前記到着車両数に加算して車両数を算出するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の配車システム。
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