JP3928649B2 - 静電霧化装置 - Google Patents

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Description

本発明は、静電霧化現象によりナノメータサイズの帯電微粒子水を発生させる静電霧化装置に関するものである。
静電霧化装置とは、放電極に水を供給するとともに該放電極に高電圧を印加することで、放電極に保持される水を霧化させ、ナノメータサイズで高い電荷を持つ帯電微粒子水を発生させるものである(特許文献1参照)。帯電微粒子水の粒径は3〜数十nm程度であって、人体の角質細胞の大きさである70nmよりも小さな粒径であるため、この帯電微粒子水の暴露により角質層表面の奥までも水分が十分に補給されて、高い保湿効果が得られるようになっている。また、脱臭効果や毛髪の保湿効果等の他の効果も得られるので、多様な商品に備えることで多様な効果が得られるものである。
しかし、上記の特許文献1に示されたような従来の静電霧化装置は、水の供給手段として、水を充填させる水タンクや、この水タンク内の水を毛細管現象により放電極にまで搬送させる水搬送部を備えた構造であり、このために使用者にとっては水タンク内に継続的に水を供給する手間が強いられるという問題や、水タンク内に補給する水が水道水のようなCa,Mg等の不純物を含む水であった場合にはこの不純物が空気中のCOと反応することで放電極にCaCO,MgO等が付着し、この付着物が帯電微粒子水の発生を妨げるという問題があった。
そこで、上記問題を解決するために本発明者はまず、水の供給手段として水タンク等の代わりにペルチェユニットを備え、ペルチェユニットに備えてある冷却板に放電極を立設させるとともに、該放電極に高電圧印加用のリード部材を接続させる構成を考えた。上記構成によれば、空気中の水分を基にして放電極に直接水を生成させ、この生成水を放電極への高電圧印加によって素早く霧化させることができる。したがって水補給の手間が不要になるとともに、得られた水にはCa,Mg等の不純物が含まれないことからCaCO,MgO等の析出が防止される。
ところが、上記構成の静電霧化装置は更に下記の各問題を有していた。まず第1の問題は、放電極を冷却板に立設しているために、放電極で生成された水が冷却板側からペルチェユニット内に侵入する場合があるといった問題である。
また第2の問題は、放電極に接続されるリード部材が大気中に露出しているために、リード部材の周囲との絶縁性の確保が困難であるとともに、放電極と共に冷却されるリード部材の表面に過剰結露が生じるので余分な冷却エネルギが必要となり、結果的に静電霧化効率が低下するという問題である。上記問題を解決するには、リード部材をゴム等の絶縁体によって被覆する方法も考えられるが、この場合にはリード部材の径がかなり太くなり、装置全体の大型化を招くことから好ましくない。
特許第3260150号公報
本発明は上記問題点に鑑みて発明したものであって、ペルチェユニットの冷却板に放電極を立設した構造にすることで、水補給や付着物除去の手間を不要にするとともに帯電微粒子水を素早く発生させることを可能とし、しかも、放電極の結露水がペルチェユニット内に侵入することを確実に防止するとともに、装置を大型化することなくリード部材の絶縁性確保及び結露防止を達成することのできる静電霧化装置を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために本発明に係る静電霧化装置を、冷却板2及び放熱板3で回路部分Cを挟持して成るペルチェユニット1と、該ペルチェユニット1の冷却板2上に立設される放電極4とを具備し、ペルチェユニット1の冷却板2により放電極4を冷却して該放電極4上に空気中の水分を基に水を生成させるとともに、放電極4に高電圧を印加することで、放電極4に保持される水を霧化させて帯電微粒子水を発生させる静電霧化装置であって、放電極4を貫通させた状態で放熱板3に固着させることで該放熱板3との間に冷却板2及び回路部分Cを収容する密閉空間Sを形成する収容枠体17を備えるとともに、高電圧を印加するために放電極4に接続されるリード部材14を上記収容枠体17内に埋設したものとする。
上記構成の静電霧化装置にあっては、静電霧化に供する水は放電極4に直接生成されるので使用者自身が水を補給する手間が不要であるとともに、生成された水には水道水のようなCaやMg等の不純物が含まれないことからCaCOやMgO等の析出付着が防止される。また、水は放電極4に直接生成されるので、運転開始後に帯電微粒子水を発生させるまでの時間が短くて済むという利点や、水を充填させておくためのタンクや該タンク内の水を放電極4にまで搬送するための搬送手段が不要であるから装置全体がコンパクト化されるという利点がある。
しかも、本例の静電霧化装置にあっては上記の収容枠体17を用いて形成する密閉空間S内に冷却板2や回路部分Cを収容するので、放電極4側で生成された水が上記密閉空間S内に侵入することを確実に防止することが可能である。
加えて、上記の収容枠体17中にリード部材14に埋設させているので、リード部材14はこれを覆う特別な絶縁体を備える必要なく周囲との絶縁性が確保されるものである。またリード部材14は放電極4と共に冷却されるものの、埋設状態にあるリード部材14の表面積のうち大気に接する部分は少なく且つ温度低下も抑制されるので、リード部材14表面の過剰結露は防止されることとなり、結果的に余分な冷却エネルギを消費することがなく静電霧化効率も向上するものである。
また、上記構成の静電霧化装置が、放電極4と対向して位置する対向電極13を具備し、放電極4と対向電極13との間に高電圧を印可することで、放電極4に保持される水を霧化させて帯電微粒子水を発生させるものであることも好適である。このようにした場合には、放電極4と対向電極13との間の放電電流を確認することができるので、その電流値に基づいて放電霧化を安定制御することが可能である。
更に、上記構成の静電霧化装置にあっては、対向電極13を支持するために上記収容枠体17と一体に形成された支持体12を具備することが好適である。このようにすることで、収容枠体17内に収容される冷却板2と支持体12に支持される対向電極13との位置決め、延いては放電極4と対向電極13との位置決めを容易且つ確実に行うことができる。
また、上記のリード部材14に形成される放電極接合部23が、放電極4に圧入接合されるものであることも好適である。このようにすることで、半田や導電性接着剤を用いずに放電極4とリード部材14とを電気的に接合させることができ、生産効率が向上する。加えて、対向電極13を具備するものである場合には、放電極4と対向電極13との位置決め精度が向上するので静電霧化効率が向上するものである。
また、上記のリード部材14が金属薄板を用いて形成したものであって、該金属薄板の端部を折畳んでコネクタ接合部24が形成してあることも好適である。このようにすることで、リード部材14を板厚が薄く熱抵抗が高いものとして熱リークを減少させることができ、更にコネクタ接合部24にあっては折畳みにより板厚を厚くすることで強度を向上させ、コネクタ抜き差しによる変形を防止することができる。
本発明は、ペルチェユニットの冷却板に放電極を立設した構造にすることで水補給や付着物除去の手間を不要にするとともに帯電微粒子水を素早く発生させることを可能とし、しかも、放電極の結露水がペルチェユニット側に侵入することを確実に防止するとともに、装置を大型化することなくリード部材の絶縁性確保及び結露防止を達成することができるという効果を奏する。
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。図1には、本発明の実施形態における第1例の静電霧化装置の断面形状を示している。本例の静電霧化装置は、冷却板2と放熱板3とでペルチェ素子7を有する回路部分Cを挟持して成るペルチェユニット1を用いたもので、上記冷却板2上に放電極4を立設して冷却自在としている。
上記ペルチェユニット1は、絶縁性であり且つ熱伝導率の高い材料(本例ではアルミナ)から成りその片面側に電気回路6を形成してある一対の平板状の回路基板5を、互いの電気回路6側が向い合うように対向させ、少なくとも1対(本例では8対)列設してある焼結材又は熔製材から成るペルチェ素子7を両回路基板5間で挟持するとともに、各ペルチェ素子7と両側の電気回路6とを電気的及び機械的に接続されるように半田(本例ではSn−Sb)を用いて接合させたものであり、上記両側の電気回路6と複数のペルチェ素子7によりペルチェユニット1の回路部分Cを形成している。なお、上記の如く回路基板5に形成されてペルチェ素子7を直列接続させる電気回路6は、印刷又はエッチングによってCu、Ag、Ag−Pd、Ag−Pt、MoMn等を用いて形成するものであり、半田ぬれ性の向上や電気回路6の腐食防止を図るためには該電気回路6の表面にNi、Au鍍金を施すことが好適である。
一方の回路基板5上の電気回路6は、後述の収容枠体17の外側にまで延長されるものであり、この電気回路6の延長部分に半田付けされるペルチェ入力リード線8を介して為される回路部分Cへの通電によって、一方の回路基板5(即ち、これが冷却側の回路基板5となる)から他方の回路基板5(即ち、これが放熱側の回路基板5となる)に向けて熱が移動するように設けている。
本例の静電霧化装置は、上記冷却側の回路基板5によって、絶縁性であり且つ熱伝導率の高い冷却板2を形成し、上記放熱側の回路基板5によって、同じく絶縁性であり且つ熱伝導率の高い放熱板3を形成したものであって、平面視における放熱板3の縦横寸法を冷却板2の縦横寸法よりも充分大きく形成することで、後述のように放熱板3と接合される容器状の収容枠体17と該放熱板3との間に、冷却板2や回路部分Cを密閉可能としている。寸法として具体的には、冷却板2が縦横寸法5.5×5.5mm、厚さ0.635mmであるのに対して、放熱板3が縦横寸法20×16mm、厚さが0.5mmである。なお、ペルチェ素子7は縦横寸法0.65×0.65mm、高さ1mmである。
放熱板3(即ち放熱側の回路基板5)の、電気回路6を形成してある側と反対側の面には、平面視において放熱板3よりも更に大きな縦横寸法となるように熱伝導率の高い材料(本例ではアルミニウム)を用いて形成した放熱フィン11を接続させている。上記接続は、放熱板3の周縁部に設けた貫通孔3aを通じて放熱板3側から放熱フィン11側にねじ部材10を螺合させることで行う。ここで、放熱板3と放熱フィン11との間には熱伝導グリースを介在させることが好適である。
放熱フィン11の放熱板3と接続される側の面(図中の上面11a)の、放熱板3との接触部分を囲む周縁部分には、左右一対の支持体12を立設させている。上記支持体12は、絶縁性の材料(本例ではLCTやPBT)を用いて円柱状に形成したものであり、両支持体12の先端部に対向電極13を支持させている。対向電極13は、電気伝導率の高い材料(本例ではSUS)を用いたものであり、内径8mm、外径12mm、厚さ0.5mmである平面視リング状の本体部13aと、この本体部13aから延設される一対の接続部13bとで形成され、各接続部13bがそれぞれ支持体12に固定される構造になっている。
放電極4は、電気伝導率及び熱伝導率の高い材料(本例ではCu)を用いて直径0.5mm、高さ8mmの細長い円柱形状に主体を形成するとともにその基端側に直径1mm、高さ0.5mmの台座部を形成し、更に先端側には図2(a)に示すような直径0.5mmの半球部を形成したものである。ここで、放電極4表面の腐食を抑制する場合には表面にNi、Au鍍金を施すことが好適である。
放電極4の先端は上記半球形状以外であってもよく、例えば図2(b)〜(e)に示す形状とすることが好適である。図2(b)に示すものは円錐形状であり、図2(c)に示すものは円錐台形状であり、図2(d)に示すものは円柱状のネック部を介して球状体を支持した形状であり、図2(e)に示すものは円錐台状のネック部を介して球状体を支持した形状である。
冷却板2(即ち冷却側の回路基板5)の電気回路6を形成してある側と逆側の面には、その中央位置に半径1mmの円状を成す凹凸部分(図示せず)を設けており、この凹凸部分に放電極4の台座部を位置決めして半田付けすることで、放電極4と冷却板2とを接合させている。上記半田としては熱伝導率の高い半田を用いるが、放電極4と冷却板2の接合に接着剤を用いる場合には当然に熱伝導率の高い接着剤を用いる。上記接合状態において、支持体12に支持される対向電極13は放電極4の先端から高さ3mmの位置に固定されるものであり、対向電極13の一方の接続部13bと、後述の収容枠体17内に埋設された状態で一端側を放電極4に電気的に接続させたリード部材14の他端側とを、高圧印加部15及び電流計16を介して電気的に接続させている。
上記の収容枠体17は、平面視矩形状を成す底壁17aの周縁から図中下方に側周壁17bを延設して成る容器状の主体部分と、上記底壁17aの周縁から上記側周壁17bとは反対方向に延設される囲壁17dとを有するとともに、底壁17aの中央部分に貫通孔20を貫設させて成る部材であって、絶縁性であり且つ遮水性の高い材料(本例ではPBT)を用いて一体成形している。
そして、上記収容枠体17の開口を有する容器状の主体部分を被せて該収容枠体17内に冷却板2やペルチェ素子7を収容するとともに、底壁17aの貫通孔20に放電極4を挿通して収容枠体17外に突出させ、側周壁17bの先端縁である開口縁部17cを放熱板3と突き合せる。この状態で、収容枠体17の開口縁部17cと放熱板3との間、及び、収容枠体17の底壁17aと冷却板2との間を、エポキシ系樹脂やシリコン系樹脂から成る厚さ50μm〜500μm程度の接着剤21を介して固着させることで、収容枠体17と放熱板3とで囲まれる密閉空間S内にペルチェユニット1の回路部分Cや冷却板2を収容する。
リード部材14は、細長形状を成す導電性の金属薄板に図3(a)〜(c)に示すような曲げ加工を施すことで側面視クランク状に形成したものであって、長手方向の一端側に放電極接合部23を形成するとともに他端側にはコネクタ接合部24を形成してある。上記コネクタ接合部24は、金属薄板の端部を二つ折りに折畳むことで二重構造に形成したものであって、折畳みによって全体の板厚を厚くすることでコネクタの差込圧に耐え得る強度を付与している。これに対してリード部材14の上記コネクタ接合部24を除く部分(放電極接合部23を含む)は板厚が薄く、コネクタ接合部24や放電極4よりも熱抵抗が高い(即ち熱伝導率が低い)ものであるから熱リークが抑制されるようになっている。
上記リード部材14は、その角部分に図3(d)に示すような潰し加工を施しておく。これによりリード部材14の断面積が小さくなるとともに、潰し加工時に加工硬化するので強度が増加されることとなる。上記潰し加工は、金型を用いて金属薄板から図3(a)の形状に型抜きする前に行うことが好適である。
また上記リード部材14は、収容枠体17の底壁17a乃至囲壁17dに形成される厚肉部分18中に埋設されるとともに、一端側の放電極接合部23を貫通孔20内に突出させ、且つ他端側のコネクタ接合部24を囲壁17dから側方に突出させるものである。上記貫通孔20内において、放電極接合部23に貫設してある接続孔25に放電極4を圧入接合させ、この接合部分を含む貫通孔20全体にエポキシ樹脂製の封止剤26を充填させて封止する。
上記の如く本例の静電霧化装置は、電気回路6を介して電気的に接続される多数のペルチェ素子7の冷却側に、絶縁性であり且つ熱伝導率の高い材料から成る冷却板2を連結させ、放熱側には同じく絶縁性であり且つ熱伝導率の高い材料から成る放熱板3を連結させることで構成されるペルチェユニット1を、放電極4に水を供給するための手段として用いたものであって、このペルチェユニット1の冷却板2上に熱伝導率の高い半田或いは接着剤を介して立設される熱伝導率の高い柱状の放電極4と、放電極4の先端と対向して位置する対向電極13と、放電極4と対向電極13との間に高電圧を印加する高圧印加部15とを具備しているので、ペルチェユニット1内のペルチェ素子7等から成る回路部分Cへの通電により該ペルチェユニット1の冷却板2を介して放電極4自体を冷却し、放電極4の表面上に空気中の水分を基にして水を生成させるとともに、高圧印加部15によって放電極4側がマイナス電極となって電荷が集中するように放電極4と対向電極13との間に高電圧(本例では4.5kV)を印加させることで、放電極4上に直接生成されて保持される水を先端側に引き寄せるとともに先端部分で静電霧化現象により霧化させ、ナノメータサイズで高い電荷を持つ帯電微粒子水を発生させることができる。この帯電微粒子水は、対向電極13のリング状を成す本体部13aの中央穴を通過して静電霧化装置の外部へと放出される。
ここでの静電霧化現象とは、放電極4と対向電極13との間に印加した電圧により放電極4に保持される水が帯電し、この帯電した水にクーロン力が働くことで該水の液面が局所的に円錐形状(テイラーコーン)を成すように盛り上がり、円錐形状となった水の先端に集中して高密度となった電荷の反発力で弾けるようにして水が***、飛散(レイリー***)して静電霧化を行う現象であると考えられる。
つまり、本例の静電霧化装置においては、使用者自身が水を補給する手間が不要であるとともに、生成された水には不純物が含まれないことから放電極4におけるCaCOやMgO等の析出付着が防止されるものである。しかも、水が放電極4に直接生成されるので静電霧化装置の運転を開始(即ち、ペルチェ素子7への通電を開始)してから帯電微粒子水を発生させるまでの時間が短くて済むという利点や、水を充填させておくためのタンクや該タンク内の水を放電極4にまで搬送するための搬送手段を備える必要がないので装置全体がコンパクト化されるという利点がある。
更に、本例の静電霧化装置にあっては容器状を成す収容枠体17内に冷却板2やペルチェ素子7を収容するとともに、冷却板2に立設される放電極4を収容枠体17の貫通孔20に挿通させて先端を外部に突出させ、この状態で上記収容枠体17の開口縁部17cを放熱板3上に接着させ、収容枠体17の底壁17aと冷却板2とを接着させているので、収容枠体17と放熱板3とで囲まれる密閉空間S内に冷却板2やペルチェ素子7が確実に密閉される。したがって、放電極4側で生成された水が上記密閉空間S内に侵入することが確実に防止されるものである。
更に、冷却板2の放電極4との接合部分やペルチェユニット1内の回路部分Cに水が付着することでマイグレーションを生じるといった事態も防止される。ここでのマイグレーションとは、電流、電圧の存在下で、絶縁体の水の吸着に伴って金属材料が絶縁体の内部に移行する現象である。つまり、放電極4と冷却板2との接合部分におけるマイグレーションとは、水の吸着に伴って、放電極4を成す導電性の金属材料が冷却板2を成す絶縁材料の表面又は内部に移行する現象であり、ペルチェユニット1内の回路部分Cにおけるマイグレーションとは、水の吸着に伴って、回路部分Cを形成する金属材料が冷却板2や放熱板3を成す絶縁材料の表面又は内部に移行する現象である。
加えて、本例の静電霧化装置にあっては上記の収容枠体17中に金属薄板から成るリード部材14に埋設させているので、リード部材14と周囲との絶縁性が確保されている。しかも放電極4と共にリード部材14も冷却されるものの、埋設してあることからリード部材14の表面積のうち大気に接する部分は少なく且つ温度低下も抑制されるので、リード部材14表面の過剰結露が防止されることとなり、結果的に余分な冷却エネルギを消費することがなく静電霧化効率も向上する。また、リード部材14を埋設することでコネクタ接合時に力がかかっても変形が生じ難くなり、品質が安定するものである。
なお、放電極4における水の生成は、放電極4の冷却により周囲の空気が結露点以下にまで冷却されることで空気中の水分が結露して生成されるものが主であるが、ペルチェユニット1の冷却能力が強過ぎる場合には空気中の水分が放電極4に氷結してしまうことがあり、この場合には氷結した氷を溶解させることで水を生成することができる。溶解手段としてはペルチェユニット1への通電を低下又は停止させて放電極4の温度を上昇させることや、極性の逆転によりペルチェユニット1の冷却側と放熱側を一時的に入換えて放電極4を加熱することが適当である。
また、上記の対向電極13を備えることなく、放電極4に対して高電圧を印加させることで帯電微粒子水を発生させる構成としても構わない。この場合、放電極4側がマイナス電極となって電荷が集中するように、対向電極13を備えた図示例の場合よりも更に高い電圧(例えば6kV)を印加すればよく、対向電極13を備えたものと比べて装置全体を小型化することができる。加えて、放電極4から放出される帯電微粒子水が対向電極13に付着することもないので、大気中に放出可能な帯電微粒子水の量を増加させることができる。これに対して、対向電極13を具備する図示例の静電霧化装置にあっては、電流計16(図1参照)を用いて放電極4と対向電極13との間の放電電流を確認することが可能なので、その電流値に基づいて静電霧化現象を安定制御することができるという利点がある。
次に、本発明の実施形態における第2例の静電霧化装置について図4に基づいて説明するが、上記した第1例と同様の構成については同一符号を付して詳しい説明を省略し、第1例とは相違する特徴的な構成についてのみ以下に詳述する。
本例の静電霧化装置に備える収容枠体17は、対向電極13を支持するための支持体12を一体に形成したものであり、容器状を成す収容枠体17の開口縁部17cから外方に連結部30を延長させるとともに該連結部30の延長端に支持体12の基端部を連結させた形状である。上記支持体12は収容枠体17と一体に接着剤21を介して放熱板3上に接着される。また、上記収容枠体17の底壁17aの内底面には凸壁状の位置決め凹凸部31を形成しており、この凹凸部31内に冷却板2が嵌り込むことで冷却板2と収容枠体17との位置決めを行うようになっている。そして、本例にあっては上記位置決め凹凸部31を用いた位置決めを行ったうえで収容枠体17を冷却板2及び放熱板3に接着させることで、支持体12に支持される対向電極13の放電極4に対する位置決めを容易且つ確実に行うことができる。また上記の凸壁状の位置決め凹凸部31によって、収容枠体17と冷却板2とを接着させる接着剤21のはみ出しが防止されるので、冷却性能のばらつきも防止されるものである。なお、本例にあっては貫通孔20内に封止剤26を充填させていないが、第1例と同様に貫通孔20を封止させてあっても構わない。
次に、本発明の実施形態における第3例の静電霧化装置について図5に基づいて説明するが、上記した第2例と同様の構成については同一符号を付して詳しい説明を省略し、第2例とは相違する特徴的な構成についてのみ以下に詳述する。
本例の収容枠体17内に埋設されるリード部材14には、第1例のような放電極4を圧入接合させる放電極接合部23を形成しておらず、リード部材14の一端側を貫通孔20内に突出させるとともに該突出部分と放電極4の台座部とをワイヤボンディングにより電気的に接合させている。上記ワイヤボンディングにはAuやAlから成る直径25μmのワイヤ40を用い、このワイヤ40を介在させることでリード部材14と放電極4との間の伝熱を抑制して該放電極4の冷却効率を向上させ、延いては静電霧化効率を向上させるものである。なお、図5(b)に鎖線で示すように、放電極4と電気的に接合するように冷却板2表面に形成してある電気回路41に上記ワイヤ40の一端を接合させても構わない。
次に、本発明の実施形態における第4例の静電霧化装置について図6に基づいて説明するが、上記した第2例と同様の構成については同一符号を付して詳しい説明を省略し、第2例とは相違する特徴的な構成についてのみ以下に詳述する。
本例の収容枠体17内に埋設されるリード部材14は第2例のような1枚の金属薄板を曲げ加工して形成したものではなく、板厚の薄い平板状の金属薄板から成り一端側に放電極接合部23を有する放電極側リード部材50の他端側と、側面視クランク状であって板厚の厚い金属板から成り一端側にコネクタ接合部24を有するコネクタ側リード部材51の他端側とを、スポット溶接等で電気的に接合させることで形成している。上記リード部材14とすることで、板厚が厚く高強度のコネクタ側リード部材51においてコネクタの差込圧に耐え得る強度を確保するとともに、板厚が薄く熱抵抗の高い(即ち熱伝導率が低い)放電極側リード部材50において熱リークを抑制させることが可能である。
次に、本発明の実施形態における第5例の静電霧化装置について図7に基づいて説明するが、上記した第1例と同様の構成については同一符号を付して詳しい説明を省略し、第1例とは相違する特徴的な構成についてのみ以下に詳述する。
本例の容器状を成す収容枠体17にあっては開口縁部17cから外方にフランジ部60を延設し、このフランジ部60が放熱板3の外縁を超えて外方に伸びるように設けている。そして、上記フランジ部60の放熱板3を超える部分において、ねじ部材61を介して収容枠体17と放熱フィン11とをねじ止めさせている。放熱板3は第1例と同様に接着剤21を用いて収容枠体17と接着させており、放熱板3と放熱フィン11とが両者3,11を固着する収容枠体17を介して接続される構造である。即ち、本例にあっては放熱板3と放熱フィン11とを接続させるために、放熱板3に第1例のような貫通孔3aを形成するためのスペースを確保する必要がなく、したがって高価な基板コストを削減してコストダウンを図ることができる。
なお、以上述べた各例の構成は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜組合せ可能である。
本発明の実施形態における第1例の静電霧化装置の断面形状を示す説明図である。 同上の静電霧化装置の放電極の外形を示す説明図であり、(a)〜(e)には各種の変形例を示している。 同上の静電霧化装置のリード部材を示す説明図であり、(a)は曲げ加工前の正面視状態、(b)は曲げ加工前の側面視状態、(c)は曲げ加工後の側面視状態、(d)は(c)のA−A´断面部分に施す潰し加工を説明するものである。 本発明の実施形態における第2例の静電霧化装置の断面形状を示す説明図である。 本発明の実施形態における第3例の静電霧化装置を示す説明図であり、(a)は装置全体の断面形状、(b)は(a)の主要部を説明するものである。 本発明の実施形態における第4例の静電霧化装置の断面形状を示す説明図である。 本発明の実施形態における第5例の静電霧化装置の断面形状を示す説明図である。
符号の説明
1 ペルチェユニット
2 冷却板
3 放熱板
4 放電極
12 支持体
13 対向電極
14 リード部材
17 収容枠体
23 放電極接合部
24 コネクタ接合部
C 回路部分
S 密閉空間

Claims (5)

  1. 冷却板及び放熱板で回路部分を挟持して成るペルチェユニットと、該ペルチェユニットの冷却板上に立設される放電極とを具備し、ペルチェユニットの冷却板により放電極を冷却して該放電極上に空気中の水分を基に水を生成させるとともに、放電極に高電圧を印加することで、放電極に保持される水を霧化させて帯電微粒子水を発生させる静電霧化装置であって、放電極を貫通させた状態で放熱板に固着させることで該放熱板との間に冷却板及び回路部分を収容する密閉空間を形成する収容枠体を備えるとともに、高電圧を印加するために放電極に接続されるリード部材を上記収容枠体内に埋設することを特徴とする静電霧化装置。
  2. 放電極と対向して位置する対向電極を具備し、放電極と対向電極との間に高電圧を印可することで、放電極に保持される水を霧化させて帯電微粒子水を発生させるものであることを特徴とする請求項1に記載の静電霧化装置。
  3. 対向電極を支持するために上記収容枠体と一体に形成された支持体を具備することを特徴とする請求項2に記載の静電霧化装置。
  4. リード部材に形成される放電極接合部が、放電極に圧入接合されるものであること特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の静電霧化装置。
  5. リード部材が金属薄板を用いて形成したものであって、該金属薄板の端部を折畳んでコネクタ接合部が形成してあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の静電霧化装置。

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