JP3927422B2 - 動画像送受信システム、動画像送受信方法及びそれらのプログラム - Google Patents

動画像送受信システム、動画像送受信方法及びそれらのプログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、圧縮符号化された動画像を送受信する動画像送受信システム及びそれに関連する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、動画像を遠隔地に送信することが行われている。例えば、図11の如く、監視対象に向けて撮像カメラ1を設置しておき、この撮像カメラ1で撮像された監視映像(動画像)を、サーバ2からネットワーク3を通じて遠隔地のクライアント4に送信し、このクライアント4側のモニタ装置5で監視映像を監視する。
【0003】
ところで、ネットワーク3を通じて動画像を送信する場合、通信速度や記録時のデータ容量を考慮すると、動画像を圧縮符号化してデータサイズを低減することが望ましい。即ち、図11及び図12の如く、例えば撮像カメラ1で撮像した動画像を符号化器6で圧縮符号化し、サーバ2からネットワーク3を通じて遠隔地のクライアント4に送信する。クライアント4側では、サーバ2から与えられた圧縮符号化された動画像を復号器7で復号し、モニタ装置5に表示する。
【0004】
このような監視映像等の動画像を圧縮符号化する方法としては、DCT(Discrete Cosine Transform;離散コサイン変換)と動き補償予測符号化を組み合わせた方法(第1従来技術)が一般的であり、この方法はMPEG(Moving Picture Experts Group)方式でも採用されている。通常、DCTは空間方向の冗長性を低下させるべくフレーム(静止画像)内の情報だけで符号化するフレーム内(イントラ)符号化に適用される。また動き補償予測符号化(フレーム間(インター)符号化)は時間方向の冗長性を低下させるべく、符号化対象フレームを他の時刻のフレームから予測し、その符号化対象フレームと予測したフレームとの差分信号に対してDCTや量子化などを施すものである。この場合、差分を小さく抑えるため、符号化対象フレームは時間的に隣接するフレームから予測されることが多い。このようなフレーム内符号化や動き補償予測符号化(フレーム間符号化)の処理は、フレームを複数分割したブロックを基本処理単位として行われる。
【0005】
図13を参照しつつ従来の差分符号化方式の概略を説明する。撮像カメラ1から順次出力される複数のフレームf1,f2,…は、符号化器6(図11及び図12)に順次入力される。このように、符号化器6に各フレームfn(n=1,2,…)が入力されると(ST100)、ステップST101で当該入力フレームfnがキーフレームか否かが条件判定される。フレームfnがキーフレームである場合、ステップST102でフレーム内符号化処理が実行される。即ち、当該フレームfnをブロックに分割して各ブロック毎にDCTを施し、その変換係数が算出される。次いで、その変換係数を量子化した量子化係数が出力される。次にステップST103で、その量子化係数を可変長符号化(エントロピ符号化)した符号化データが生成され、ビットストリームにされて出力される。また、上述のステップST102で算出された量子化係数が、ステップST104で復号化(逆量子化および逆DCT)を施された後にキーフレームメモリ100に記憶される。
【0006】
次に、ステップST100で次のフレームfm(m=n+1)が入力されると、ステップST101でフレームfmがキーフレームか否かが条件判定される。フレームfmがキーフレームで無い場合はステップST105に処理が移行し、キーフレームメモリ100に記憶したキーフレームfnとフレームfmとの間でブロック単位で画素値の差分値が算出される。次いで、ステップST106で、その差分値が所定範囲内か否かが判定される。その差分値が所定範囲内にある場合は、ステップST107でフレーム間(インター)符号化、即ちキーフレームと入力フレームfmとの間の差分信号に対してDCTおよび量子化が施される。他方、その差分値が所定範囲を超える場合は、ステップST108でフレーム内符号化が実行される。このようにステップST107,ST108で算出した量子化係数は、ステップST103で可変長符号化されビットストリームに変換後に、サーバ2を通じてネットワーク3へ出力される。
【0007】
このようなビットストリームの復号化処理の例を図14を参照しつつ以下に説明する。上記したビットストリームがネットワーク3を通じてクライアント4側に入力されると(ST110)、復号器7において、このビットストリームから圧縮符号化信号が取り出され、可変長復号化されて上記量子化係数が得られる。続くステップST111において、その量子化係数が上記圧縮符号化処理のステップST102でフレーム内符号化されていた場合、その復号化(フレーム内復号化)を施されて所定のキーフレームメモリ101に蓄積される。そしてステップST108において、その量子化係数がフレーム内符号化されていた場合は、その復号化が施される。他方、その量子化係数が上記ステップST107でフレーム間符号化されていた場合は、キーフレームメモリ101に蓄積したキーフレームを参照してその復号化(フレーム間復号化)を施される。そして、このようにフレーム内またはフレーム間復号化された復号化画像が、モニタ装置5に表示される(ST112)。
【0008】
このようなMPEG方式に代表される動画像の圧縮符号化方式では、フレーム間の差分情報の圧縮をとることで高い圧縮効率を得ることができる。
【0009】
この他、MotionJPEG方式のように、静止画像の圧縮方式(フレーム内符号化方式)を採用し、かかる静止画像を時系列的に切り替えて表示することで、見かけ上、動画像のように再生する方式(第2従来技術)もある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記した第1従来技術に係る差分符号化方式では、キーフレームと時間的に離間したフレームとの差分符号化を行うため、キーフレームの画質が動画像全体の画質に直接関係することから、キーフレームは高画質のものでなければならず、キーフレームに対してはフレーム内の情報のみで圧縮符号化を行うフレーム内符号化が施される。この結果、動画像の符号化処理量はキーフレームの符号化時に急激に増大し、キーフレームの圧縮符号化データの伝送が遅延したり間欠したりする問題が生じていた。特に動画像をネットワークを通じてリアルタイムに伝送し再生(ストリーミング)する場合は、復号化した動画像の再生速度の変化や画像の間欠が著しく生じることがあった。
【0011】
また、第2従来技術に係る差分符号化方式では、全てのフレームについてにフレーム内符号化を行っているため、データサイズが大きくなり、その結果、動画像の連続的な送受信が困難であるため、フレームレートが減少するという問題があった。
【0012】
そこで、本出願人は、特願2000−368510において、ストリーミングデータの送受信に際し、各フレーム間のデータサイズの不均衡を可及的に軽減する差分符号化方式(提案例)を提案している。
【0013】
この提案例では、撮像カメラ1から与えられる動画像の各フレームの画像を複数のブロック(GOB=Group of Block)に分割し、各フレーム毎にそれぞれ振り分けられた特定のブロック(キーGOB)についてフレーム内符号化を行う一方、その特定のブロック(キーGOB)以外のブロック(GOB)についてフレーム間符号化を行うようにする。こうして一定のフレーム数の動画像が符号化されて、上記したキーGOBを繋ぎ合わせて画像全体の領域に相当するデータ量が得られた時点で、このキーGOBを繋ぎ合わせた画像を参照フレームとし、この参照フレームに基づく画像全体の経時的差分データを生成する。この経時的差分データに基づいて復号化される画像をキーフレームとする。そして、その次にフレーム間符号化する際には、このキーフレームに基づいてフレーム間符号化を行うようにする。
【0014】
これにより、キーフレーム以外のフレームを送受信する際には、一部のブロック(キーGOB)のみをフレーム内符号化することになるため、フレーム間符号化したデータのみを送受信する第1従来技術に係る差分符号化方式に比べてデータサイズが若干増大するものの、キーフレームの送信時には、時系列差分データを送信するだけでよく、キーフレーム全体につきフレーム内符号化したデータを送信していた第1従来技術に係る差分符号化方式に比べて、キーフレームの送信データ量を大幅に削減できる。したがって、ストリーミングデータの送受信において、第1従来技術で最も問題となっていたキーフレームの符号化処理量の急激な増大を抑制することができ、その符号化処理量を時間的に平坦化し且つ動画像の画質を良好にすることが可能となる。
【0015】
ところで、近年、通信技術の向上とコンピュータ機器の普及に伴って、インターネットを通じたデータの送受信が、活発に行われている。したがって、遠隔地に動画像を送受信する場合においても、インターネットの通信基盤を活用して送受信を行うことが、通信コスト及び設備コストを低減する上で望ましいと考えられている。
【0016】
ここで、インターネットを通じたデータ送受信のプロトコルとしては、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)やUDP(User Datagram Protocol)等がある。このうち、TCP/IPが採用しているTCPは、誤り検出、再送及びフロー制御等の上位処理を行うものであり、何らかの通信エラーがあったときには必ず再送するようになっている。これに対して、UDPは、主としてパケット伝送を行う下位処理のプロトコルのIPをほとんどそのまま採用しただけのものであり、故に、このUDPでデータを送受信する場合、そのままでは通信エラー時の再送が行われる仕組みとはなっていない。
【0017】
しかしながら、上述した提案例にかかる符号化方式で動画像を送受信する場合は、例えばキーGOBの送受信時に何らかの通信エラーがあった場合であっても、UDPを採用した場合は、そのままではそのキーGOBが再送されることがなく、後続するフレームの再生に重大な損失を与え、後の動画像をクライアント4側で再生不能となる事態が生じ得る。
【0018】
即ち、キーGOBにエラーが発生すると、そのキーGOBを含むフレームだけでなく、エラーが発生したフレームを参照して復号されるキーフレームやそのキーフレームを参照して復号される後続のフレームにまで大きな影響を及ぼす。このエラーの影響は、次のキーフレームが復号されるまで続く。またキーGOBを含むフレームの符号量の中では、キーGOBの符号量が大半を占めているので、キーGOBの符号でパケット落ちによるバイト欠落やビット反転によるエラーが発生する確率が大きくなる。
【0019】
このような問題に鑑みてこの発明が解決しようとするところは、動画像を高い圧縮率で効率よく送受信しつつ、通信エラーがあっても速やかに対処し得る動画像送受信システム及びそれに関連する技術を提供する点にある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく、請求項1に記載の発明は、動画像を圧縮符号化して送信する送信局と、前記送信局で圧縮符号化されネットワークを通じて与えられた前記動画像のデータを受信する受信局とを備え、前記送信局が、前記動画像の複数のフレームの中から一定の周期毎に指定された複数のキーフレームと、前記各キーフレームの後に入力されて複数のブロック領域に分割され且つ前記各ブロック領域の中から特定領域が指定された複数の他のフレームとを有し、前記特定領域を除く前記各ブロック領域と前記キーフレームとの間の第1の差分が所定より大きい場合に当該ブロック領域を前記他のフレーム内の情報のみで圧縮符号化する一方、前記第1の差分が所定より小さい場合に前記差分信号を圧縮符号化し、複数の前記他のフレーム内の前記特定領域のみをフレーム1枚分蓄積して生成された参照フレームと前記キーフレームとの間の第2の差分が所定より大きい場合に前記キーフレームを前記フレーム内の情報のみで圧縮符号化する一方、前記第2の差分が所定より小さい場合に前記差分信号を圧縮符号化する符号化手段と、前記符号化手段から与えられた圧縮符号化された動画像のデータを前記ネットワークに送出するデータ送出手段とを備え、前記受信局が、前記ネットワークを通じて前記データ送出手段から与えられた圧縮符号化された前記動画像のデータを受信する受信手段と、前記受信手段で受信した圧縮符号化された前記動画像のデータを復号化する復号化手段とを備え、前記受信手段の前記復号化手段が、前記動画像のデータのうちの前記特定領域のエラーの有無を検出し、前記受信手段が、前記復号化手段で前記特定領域にエラーが有る旨を検出したときに、当該特定領域の再送要求を前記ネットワークを通じて前記送信局に送信し、前記送信局が、前記受信手段から前記ネットワークを通じて前記特定領域の前記再送要求が与えられた際に、前記特定領域を前記受信手段に再送するものである。
【0021】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の動画像送受信システムであって、前記送信局が、前記動画像のデータを前記受信手段に送信する際に、再送要求に備えて前記特定領域を一時的に格納する特定領域データ記憶部を有するものである。
【0022】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の動画像送受信システムであって、前記送信局が、所定の撮像対象を撮像する撮像カメラを有し、前記受信局が、前記撮像カメラで撮像された動画像を表示または記録するものである。
【0023】
請求項4に記載の発明は、a)送信局において、複数のフレームの中から一定の周期毎に指定された複数のキーフレームと、前記各キーフレームの後に入力されて複数のブロック領域に分割され且つ前記各ブロック領域の中から特定領域が指定された複数の他のフレームとを有せしめ、前記特定領域を除く前記各ブロック領域と前記キーフレームとの間の第1の差分が所定より大きい場合に当該ブロック領域を前記他のフレーム内の情報のみで圧縮符号化する一方、前記第1の差分が所定より小さい場合に前記差分信号を圧縮符号化し、複数の前記他のフレーム内の前記特定領域のみをフレーム1枚分蓄積して生成された参照フレームと前記キーフレームとの間の第2の差分が所定より大きい場合に前記キーフレームを前記フレーム内の情報のみで圧縮符号化する一方、前記第2の差分が所定より小さい場合に前記差分信号を圧縮符号化する工程と、b)前記送信局において、前記特定領域のデータを所定の特定領域データ記憶部内に記憶する工程と、c)前記送信局において、前記a)の工程で圧縮符号化された動画像のデータを受信局に送信する工程と、d)前記受信局において、前記c)の工程で送信された前記動画像のデータのうち、前記特定領域のデータのエラーの有無を検出する工程と、e)前記d)の工程で前記特定領域のデータにエラーがある旨を検出した場合に、前記受信局が、前記送信局に対して前記特定領域のデータの再送要求を行う工程と、f)前記送信局において、前記e)の工程で前記受信局から与えられた再送要求に応じて、前記特定領域データ記憶部内に記憶された前記特定領域のデータを前記受信局に対して再送する工程とを備える。
【0024】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の動画像送受信方法をコンピュータ上で実現するために、前記各工程をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0025】
【発明の実施の形態】
<動画像送受信システムの基本的概念>
まず、この発明の一の実施の形態に使用する動画像送受信システムの基本的概念について説明する。この動画像送受信システムは、図1の如く、例えば撮像カメラ11で撮像した監視映像等の動画像を符号化器16で圧縮符号化し、この動画像(圧縮フレームデータ)を、図2中のステップS1,S2のように送信局としてのサーバ12(サーバ機12a)からネットワーク13を通じて遠隔地の受信局としてのクライアント14(クライアント機14a)に送信する。クライアント14側では、サーバ12から与えられた圧縮符号化された動画像(圧縮フレームデータ)を復号器17で復号し、モニタ装置15に表示する。
【0026】
この復号器17での復号処理において、与えられた動画像のうちキーGOBについてエラー検出を行い、図2中のステップS3のようにキーGOBにエラーが発見された場合には、クライアント14を通じてキーGOBの再送要求をサーバ12に送信する(図2中のステップS4)。サーバ12では、圧縮フレームデータを送信している途中であっても(図2中のステップS5)、クライアント14から与えられた再送要求に応じて、ステップS6,S7のように、エラーのあったキーGOBをクライアント14側に再送する。クライアント14側の復号器17では、ステップS8において、再送された正常なキーGOBを受信し、この正常なキーGOBを用いて復号処理を行う。しかる後、ステップS9及びステップS10のように、通常通りに、クライアント14側から圧縮フレームデータ及びキーフレームデータを順次送信する。
【0027】
ここで、サーバ機(データ送出手段)12a及びクライアント機14aは、RAM、ROM、ハードディスクドライブ等の所定のデータ記録装置及び中央演算処理装置(CPU)を備えたコンピュータ機器が利用され、中央演算処理装置により、データ記録装置に格納された圧縮画像データを管理し、また動画像の送受信に応じた再生を行うための圧縮画像データの処理順序を決定する。この中央演算処理装置の動作手順は、データ記録装置内に予め格納されたソフトウェアプログラムにおいて規律され、このソフトウェアプログラムに従って、以下の各方法を実行するようになっている。
【0028】
<圧縮符号化方法>
上記の動画像送受信システムを使用した圧縮符号化方法を詳説する。図3は、この圧縮符号化方法を説明するための模式図、図4は、この圧縮符号化方法を実現するためのフローチャートである。
【0029】
この実施の形態の圧縮符号化方法は、符号化器(符号化手段)16(図1及び図2)において、直前のフレームを基準として差分をとるMPEG方式とは異なり、図3のように、基準フレームを固定して圧縮するものであり、これにより、再生時の間引きや逆の時間方向への再生を比較的に容易に行っている。
【0030】
この圧縮符号化方法では、図3の如く、例えば、CCD(電荷結合素子)センサやCMOSセンサなどの撮像カメラ1で時間軸に沿って順次撮像した複数の静止画像(フレーム)f1,f2,f3,f4,…が符号化器16に入力される(図4中のステップST1)。尚、図4中のキーブロックメモリ21Aには、フレームf1が入力される前に、所定の特定領域(キーGOB)をそのまま繋ぎ合わせて構成される参照フレームf0(図示省略)が格納されている。この参照フレームf0は、後述する復号器(復号化手段)17のキーブロックメモリ21Bに圧縮伝送された後、復号化されて格納されることになる。
【0031】
そして、この圧縮符号化方法で使用される符号化器16は、入力フレームf1,f2,f3,f4,…の中から周期的にキーフレームを指定するようになっており、図3においては、入力フレームf1がキーフレームとなっている。
【0032】
図4中のステップST2において、その入力フレームf1がキーフレームか否かを条件判定する。図3においては、フレームf1は上述のようにキーフレームであるから、そのままステップST3に処理が移行し、フレーム内(イントラ)/フレーム間(インター)符号化処理を実行する。
【0033】
このステップST3の処理手順を図5に示している。図5に示すように、ステップST4でキーブロックメモリ21Aに格納した参照フレームf0(図示省略)と入力フレームf1(キーフレーム)との間の画素値の差分値と、その差分値の絶対値和(差分絶対値和)Sとが算出される。
【0034】
次いで、図5中のステップST5で、差分絶対値和が所定の閾値以下か否かが条件判定される。例えば、その差分値をΔPi(i:各画素に対応する番号)で表現する時、差分絶対値和Sは、S=|ΔP1|+|ΔP2|+…+|ΔPn|(n:画素数)で表現される。差分絶対値和Sが閾値以下の場合は、両フレームf0,f1間の時間的な変化が小さいとして、入力フレームf1はフレームf0を用いたフレーム間符号化を施される(ステップST6)。具体的には入力フレームf1とフレームf0との間の差分信号に対してDCT(離散コサイン変換)などの直交変換を施し、その変換係数を量子化した量子化係数が算出される。また、このようなフレーム間符号化処理は8×8画素や16×16画素などのサイズをもつ小ブロック(マクロブロック)単位で実行される。これ以後の処理も同様である。尚、この実施の形態では変換方式としてDCTなどの直交変換を採用するが、DCTの代わりにDWT(離散ウェーブレット変換)を採用してもよい。この場合、フレーム間符号化処理は上記小ブロック単位で行う代わりに、実行メモリ容量などを考慮してフレーム単位、もしくはフレームをタイルと称する複数の領域に分割し各タイル単位で実行されてもよい。
【0035】
他方、図5中のステップST5において、上記ステップST4で算出した差分絶対値和Sが所定の閾値を超える場合は、ステップST7に処理が移行する。そして、入力フレームf1(キーフレーム)について、フレーム内の情報だけで符号化するフレーム内符号化が施される。具体的にはフレームf1の画素値に対してDCTなどの直交変換を施し、その変換係数を量子化した量子化係数が算出される。
【0036】
尚、実際には、フレームの圧縮率を高める観点から、上記フレーム内符号化(ステップST7)またはフレーム間符号化(ステップST6)を実行する前に、入力フレームに対して色空間変換が施される。例えば、原信号が「R(赤色成分)」,「G(緑色成分)」,「B(青色成分)」のRGB空間からなる場合は、これをNTSC(National Television System Committee)方式などで採用されているYUV座標系、YIQ座標系、YCbCr座標系などを使用すればよい。例えば、YCbCr座標系を使用した場合、そのRGB成分は輝度信号Yと2つの色差信号Cb,CrとからなるYCbCr成分の座標系へと変換される。YCbCr成分はRGB成分よりも各成分間の相関が小さいため、画像サイズを圧縮できる。
【0037】
フレーム内/フレーム間符号化処理(ステップST3、即ち、図5の処理)の実行後、図4中のステップST19に処理が移行する。この際、上記ステップST6,ST7(図5)で算出された量子化係数はハフマン符号化などを含むエントロピ符号化を施され、その後フレームの画像サイズや量子化ビット数などの画像情報や、量子化テーブルや各小ブロック領域の符号化方法(フレーム内符号化、フレーム間符号化)などの圧縮情報と共に多重化されて、ビットストリームとしてサーバ機12aに出力される。また、上記ステップST6,ST7(図5)で算出された量子化係数は、図4中のステップST8で局部復号化(逆量子化および逆DCTなどの逆直交変換)がなされ、図4に示したキーフレームメモリ20Aに格納される。よって、キーフレームメモリ20Aには符号化(ST6,ST7)と局部復号化(ST8)を通じて、量子化誤差を含んで変化したキーフレームが格納される。これにより、そのキーフレームの画像は、後述する復号器17で復号化(フレーム間復号化)される際に参照されるキーフレームの画像と同一となり、復号化する動画像の画質を劣化させることが無くなる。以上で入力フレームf1(キーフレーム)に対する圧縮符号化処理が終了する。
【0038】
次に、図3に示すように、上記フレームf1に続いてフレームf2が符号化器16に入力される。そうすると、図4中のステップST2でそのフレームf2がキーフレームか否かが条件判定される。図3において、フレームf2はキーフレームでは無い。したがって、図4においてはステップST9に処理が移行する。
【0039】
ステップST9では、フレームf2は複数のブロック領域(GOB)に分割される。ここで、GOBは、1フレームの画像において、例えば16ラインまたは32ライン分の領域で構成されており、例えば16ラインの領域を1つのGOBとした場合、640×480画素の画像だと、1フレームが30(=480/16)個のGOBに分割される。
【0040】
次いで、ステップST10において、これらGOBの中から単数または複数の特定領域(キーGOB)が指定される。
【0041】
ここで、図7(a)に、4個のGOBに分割されたフレームf2を模式的に示す。フレームf2は垂直方向に十数画素〜数十画素単位で4個のGOBに分割されており、その第1段目GOBがキーGOB(「キーGOB1」)に指定される。尚、図2(b)〜(d)に示すようにフレームf2に続いて符号化器16に順次入力するフレームf3〜f5も複数のGOBに分割されることになる。ただし、それぞれのキーGOBとしては、フレームf3の第2段目GOB(「キーGOB2」)、フレームf4の第3段目GOB(「キーGOB3」)、フレームf5の第4段目GOB(「キーGOB4」)が指定される。これら、キーフレームf1及びキーGOB1〜キーGOB4を含む各フレームf2〜f5は、図3に示すように、時間軸に沿って配列されることになる。
【0042】
再びフレームf2の説明に戻る。この時点で、図4中のステップST11に処理が移行し、以後、フレームf2はGOBを更に8×8画素または16×16画素程度の基本処理単位に分割した小ブロック毎に順次処理されることになる。ただし、このステップST11では、処理対象であるブロックがキーGOBに属するか否かが条件判定される。当該ブロックがキーGOBに属する場合、ステップST12に進む。そして、当該ブロックが上記フレーム内符号化を施された後に、ステップST19でエントロピ符号化され上記画像情報および上記圧縮情報と共に多重化されてビットストリームとなってサーバ機12aに出力される。またステップST12でブロックをフレーム内符号化して出力される量子化係数は、ステップST13で局部復号化(逆量子化および逆DCTなどの逆直交変換)を施された後にキーブロックメモリ21Aに蓄積される。
【0043】
このようにしてキーGOBをフレーム内符号化する際には、各キーGOBのデータの先頭に、キーGOBであることを示すフラグを付与しておく。
【0044】
また、ここでフレーム内符号化されたキーGOBのデータは、揮発性メモリ(RAM)等の所定のキーGOBデータ記憶部(特定領域データ記憶部)18に格納しておく。特にキーGOBについては、クライアント14に送信した後も、そのクライアント14から再送要求が送られてくる可能性があるため、少なくともそのキーGOBが含まれる周期の符号化が終了する時点、即ち、次のキーフレームが作成される際に開放される。
【0045】
他方、上記ステップST11において、ブロックがキーGOBに属しない場合はステップST14のフレーム内/フレーム間符号化処理に処理が移行する。ここで、図6はフレーム内/フレーム間符号化処理のサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。この図6に示すように、まずステップST15で入力フレームの当該ブロックとキーフレームメモリ20Aに格納されたキーフレームとの差分値と、差分絶対値和Sとが算出される。次いで、ステップST16でその差分絶対値和Sが閾値以下か否かの条件判定がなされ、その差分絶対値和Sが閾値以下の場合はステップST17に処理が移行し、当該ブロックはキーフレームメモリ20Aに格納したキーフレームを参照して上記フレーム間符号化を施される。他方、その差分絶対値和Sが閾値を超えている場合はステップST18に処理が移行し、当該ブロックは上記フレーム内符号化を施される。
【0046】
このように上記ステップST17,ST18で符号化された量子化係数は、図4に示すステップST19で可変長符号化(エントロピ符号化)と上記多重化処理を施されビットストリームとなってサーバ機12aに出力される。以上で入力フレームf2に対する圧縮符号化処理が終了する。
【0047】
次に、図3において、上記フレームf2に続いて符号化器16に入力するフレームf3,f4,…も、キーフレームが入力される迄はフレームf2の場合と同様に処理される。ただし、上述のように、各フレームf2,f3,f4,…におけるキーGOB(キーGOB1〜キーGOB4)の位置は互いに異なっている。このようにして、上記ステップST13で局部復号化されたキーGOB1〜キーGOB4がキーブロックメモリ21Aにフレーム1枚分蓄積され、図3に模式的に図示するように、キーGOB1〜キーGOB4は、キーブロックメモリ21A内において、参照フレームAに合成される。この参照フレームAは、後に入力するキーフレームを上記ステップST3のサブルーチンでフレーム間符号化する際に利用される。
【0048】
そして、符号化器16で圧縮符号化された動画像(圧縮画像データ)は、サーバ機12aからネットワーク13を通じてUDP等の所定のプロトコルでクライアント14側へ送信される。
【0049】
このように、上記ステップST3でキーブロックメモリ21Aに蓄積した参照フレームとの差分の大小によりフレーム内符号化とフレーム間符号化とを選択的に実行しており、また上記ステップST9,ST10で入力フレームを複数のGOBに分割してキーGOBを指定し、時間軸に沿った複数のフレームにフレーム1枚分のキーGOBを分散させ、これら各キーGOBがフレーム内符号化される。このためフレーム内符号化処理量が時間的に分散されることとなり、圧縮符号化処理量の急激な増大が抑えられて符号化処理量が時間的に平坦化し、伝送先において動画像の再生速度が変化せず良質の動画像を圧縮伝送できる。特にインターネットなどの帯域幅が制限された伝送路において有効である。
【0050】
またキーブロックメモリ21Aでは複数のフレームに分散された上記キーGOBが蓄積され、これらキーGOBからなる参照フレームAが構成される。この参照フレームAは異なる時刻のキーGOBの集積体である。この実施の形態ではこの参照フレームAとキーフレームとの差分の大小によりフレーム内符号化とフレーム間符号化とが選択的に実行される。このため、異なる時刻のキーGOBからなる参照フレームAを用いることに起因するGOB間の画質の差が緩和され、良質の動画像を圧縮伝送することが可能となる。
【0051】
<復号化方法>
次に、復号化方法を詳説する。図8は、この復号化方法を説明するための模式図、図9は、この復号化方法を実現するためのフローチャートである。
【0052】
まず、図1及び図2の如く、サーバ12側からネットワーク13を通じて与えられた圧縮画像データが、ビットストリームデータとしてクライアント機14aに与えられ、復号器17に入力される(図9中のステップST20)。その圧縮画像データはそのビットストリームから分離された後にステップST21で復号化される。即ち、上記符号化器16から所定の復号器17に、図8に示したフレームf1,f2,…の圧縮データが順次入力される。この際、図9中のステップST21において、キーフレームf1の圧縮データに対して、図5のステップST4〜ST7に示した処理手順と同様にして、フレーム内符号化あるいはフレーム間符号化の復号化処理が、8×8画素や16×16画素程度の小ブロック単位で施される。ここで、図8中のキーフレームf1の圧縮データを復号化する際、予めキーブロックメモリ21B(図9)に格納した参照フレームf0(図示省略)が利用される。ここで復号化したキーフレームf1は、キーフレームメモリ20B(図9)に格納される。
【0053】
また、図8において、キーフレームf1の圧縮データに続いて復号器17に入力するフレームf2,f3,…の圧縮データに対して、図4中のステップST12,ST14〜ST18におけるフレーム内符号化あるいはフレーム間符号化の復号化処理と同様の処理が上記小ブロック単位で施される。尚、フレーム間符号化の復号化処理を行う際は、キーフレームメモリ20Bに格納したキーフレームf1が利用される。またフレームf2,f3,…が復号化される際、基本処理単位である小ブロックがキーGOBに属する場合は、当該小ブロックはキーブロックメモリ21Bに蓄積される。フレーム1枚分のキーGOBが蓄積されると、これらキーGOBからなる参照フレームA(図3参照)が合成される。この合成された参照フレームAは、復号器17に入力するキーフレームの圧縮データを復号化する際に利用される。例えば、図7(a)〜(d)に示したフレームf2〜f5の圧縮データを復号器17に入力する場合、各キーGOBを構成するブロックの圧縮データは、フレーム内復号化を施された後に、キーブロックメモリ21Bに順次蓄積され、参照フレームAを再構成する。
【0054】
ところで、このように、ステップST21で復号化したフレーム群f1,f2,…をそのまま動画像として表示する場合、上記符号化器16でフレーム内符号化したGOBとフレーム間符号化したGOBとの間で動画像の画質の差が顕れやすく、特にフレーム内符号化したキーGOBが動画像中に判然と観られる場合がある。このことを考慮して、この実施の形態では、図9に示すステップST22において、上記ステップST21で復号化したキーGOBのみを再び符号化した後に復号化するキーGOB再量子化処理を実行する。
【0055】
図10は、ステップST22のキーGOB再量子化処理のサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。図10に示すように、先ず8×8画素または16×16画素程度の小ブロックが入力される(ステップST30)。次にそのブロックはステップST31でキーGOBに属するか否かを条件判定される。具体的に、このステップST31では、データの先頭にキーGOBであることを示すフラグがあるか否かをもって、当該データがキーGOBであるか否かを判断する。
【0056】
ここで、当該ブロックがキーGOBに属しない場合は、当該ブロックは再量子化されず、キーGOB再量子化処理は終了し、図9に示すステップST23に処理が移行する。
【0057】
他方、ステップST31において、当該ブロックがキーGOBに属すると判断された場合は、続いてステップST31aにおいて、そのキーGOBにエラーがあるか否かを判断する。このステップST31aでのエラー判定方法としては、例えば、復号中の可変長符号が予め保有している符号表に存在しているかどうか判断し、符号表中に存在していない場合に、当該キーGOB上に伝送によるエラーが発生した旨を判定する。あるいは、キーGOB内のマクロブロックの数が、予め定められた個数と異なるという矛盾が生じた場合に、当該キーGOB上に伝送によるエラーがに発生した旨を判定してもよい。そのほか、符号化器16側で、キーGOBのデータの先頭部分に誤り検出符号を付しておき、この符号が正常なものかどうかを判断するなど、通常知られているどのようなエラー検出方法を採用してもよく、これらの複数のエラー検出方法を組み合わせて採用してもよい。
【0058】
このステップST31aで、エラーがあると判定された場合は、ステップST31bに進み、キーGOBの再送要求を行う(図2中のステップS4)。このときのキーGOBの再送方法は後述する。
【0059】
一方、このステップST31aで、エラーがないと判定された場合は、ステップST32に処理が移行し、キーフレームメモリ20Bに蓄積されたキーフレームと当該ブロックとの画素値の差分値と、その差分値の差分絶対値和Sとが算出される。
【0060】
次いでステップST33で、その差分絶対値和Sが閾値以下か否かの条件判定がなされ、差分絶対値和Sが閾値を超えた場合は当該ブロックは再量子化されず、キーGOB再量子化処理は終了し、図9に示すステップST23に処理が移行する。
【0061】
他方、上記ステップST33で差分絶対値和Sが閾値以下であると判定された場合は、ステップST34以後に処理が移行する。先ずステップST34において、当該ブロックとキーフレームとの差分信号を変換符号化し、次いでステップST35でその変換係数を量子化する。これらステップST33〜ST35の処理は、上記符号化器16で行った差分絶対値和Sによる符号化方法(フレーム間符号化、フレーム内符号化)の判定処理(ST16)や、DCTなどの直交変換および量子化処理(ST17)と同じものである。
【0062】
その後、ステップST36でその量子化係数を逆量子化し、次いでステップST37で上記ステップST34の変換符号化の復号化(逆DCTなどの逆直交変換)を実行する。この結果、上記ステップST34〜ST37の処理に伴い、上記符号化器16でキーGOB以外のブロック領域をフレーム間符号化した後に復号器17でその符号化信号を復号化した時と同様に量子化誤差を含む不可逆の差分信号が得られる。
【0063】
次に、ステップST38でキーフレームメモリ20Bに格納したキーフレームを用いてその差分信号からブロックが再構成され出力される。
【0064】
このキーGOB再量子化処理を施されたブロックは、図9に示すステップST23においてフレーム(復号化画像)に合成された後に出力される。
【0065】
以上のキーGOB再量子化工程を図7に示したフレームf2〜f5を例に挙げて説明すると、図8に模式的に示すように、上記ステップST21で復号化されたフレームf2〜f5のキーGOBは、キーフレームメモリ20Bに格納したキーフレームとの差分をとられる。
【0066】
次に、上記ステップST33でその差分値の差分絶対値和Sが閾値以下か否か、即ちフレーム間符号化するか否かの判定がなされ、差分絶対値和Sが閾値以下の場合はキーGOBに対してフレーム間符号化(変換符号化および量子化)が施され、次いでそのフレーム間符号化の復号化(逆量子化および逆変換復号化)が施されることで、上記フレームf2〜f5に対応する復号化画像F1〜F5が生成される。
【0067】
このようにして、圧縮符号化処理(ST15〜ST17)と同様の手順で、キーGOBとキーフレームとの差が小ならば当該キーGOBとキーフレームとの差分信号に対して圧縮符号化を施した後に、その復号化を施しキーGOBを再構成するから、上記符号化器16でキーGOB以外のブロック領域をフレーム間符号化した後に復号器17でその符号化信号を復号化した場合と同様に、キーGOBにフレーム間符号化およびその復号化に伴う誤差が混入される。よって、復号化した動画像を表示する際にキーGOBが動画像中で目立つことが無く、その動画像を観る人に違和感を与えることが無いという効果が得られる。
【0068】
<キーGOBの再送方法>
次に、上記のステップST31a(図10)において、クライアント14側で受信したキーGOBにエラーが検出された場合の手順について説明する。
【0069】
まず、図2中のステップS3及び図10中のステップST31aにおいて、復号器17に与えられたキーGOBにエラーが検出されると、その旨の信号が復号器17からクライアント機14aに通知される。クライアント機14aは、図2中のステップS4において、ネットワーク13を通じて、キーGOBの再送要求をサーバ12側に送信する。
【0070】
この再送要求を受信したサーバ機12aは、図2中のステップS5のような圧縮フレームデータの送信を実行する合間に、キーGOBデータ記憶部18内に格納されているキーGOBを読み出して、図2中のステップS6,S7のように、ネットワーク13を通じてクライアント機14aに再送する。
【0071】
クライアント機14aは、正常なキーGOBのデータを受信し、これを復号器17に出力する。そして復号器17は、図2中のステップS8において、受信した正常なキーGOBについて、上述した図9中のステップST20〜ST23(図10中のステップST30〜ST38を含む)の処理を再度実行する。
【0072】
ここで、クライアント14側の処理においては、或るキーGOBを受信して復号してから、次のキーフレームとなるフレームをサーバ12側から受信するまでにかなりの時間差が生じる。この時間差を利用し、キーGOBにエラーが検出されたときに、クライアント14側からサーバ12側へキーGOBの再送要求を送信し、続けて正常なキーGOBの再送を行う。これにより、通信処理の効率を大きく妨げることなく、エラーの伝播を防ぐことが可能となる。
【0073】
尚、再送の対象をキーGOBに限定したのは次の理由による。即ち、上記した復号化方法においては、復号器17においては、復号器は1フレーム分のキーGOBである参照フレームを参照してキーフレームを復号し、さらにそれを参照して各フレームを復号していく。そのため、もしキーGOBにエラーが発生すると、そのキーGOBを含むフレームだけでなく、エラーが発生したキーGOBを参照して復号されるキーフレームやそのキーフレームを参照して復号される後続のフレームにまで次々と影響を及ぼすことになり、このエラーの影響は次のキーフレームが復号されるまで続く。即ち、キーGOB内に発生したエラーは、他のGOBに発生したエラーよりも圧倒的に悪影響が大きいと言える。したがって、このキーGOBの再送を確実に行うことは、他のGOBの再送を行うよりも動画像の品質の向上に寄与する度合いが高いと言える。また、監視映像のように動きが少ない動画像の場合、フレーム間符号化したデータのサイズは限りなくゼロ値に近くなり、フレーム内符号化したデータのサイズに比べて極めて小さい。即ち、各フレームにおいて、キーGOBのデータサイズはキーGOB以外のGOBのデータサイズよりも圧倒的に大きくなる。このことから、キーGOBを含むフレームのデータ量の中では、キーGOBの符号量が大半を占めることになる。このため、各フレームにおいてパケット落ちによるバイト欠落やビット反転によるエラー等が生じる部分は、キーGOB内である確率が極めて高い。したがって、エラーの検出対象としてキーGOBのみを対象とし、また再送の対象をキーGOBに限定するだけで、かなり大きな確率で動画像の品質を保つことが可能となる。
【0074】
しかる後、図2中のステップS9,S10のように、後続するフレームデータについての送受信を繰り返し実行すればよい。
【0075】
以上のように、インターネット上で例えばUDPによりデータを送受信する場合のように、そのままでは通信エラー時の再送が行われる仕組みとはなっていない場合においても、キーGOBの再送要求を速やかに行うことができ、動画像の再生品質を極めて高い確率で向上できる。しかも、全てのデータについてエラー検出及び再送を行うのではなく、キーGOBに限定してエラー検出及び再送を行うので、例えば次のキーフレームとなるフレームをサーバ12側から受信するまでに生じた時間差を利用して、ストリーミングデータの送受信に支障を来さないようにキーGOBの再送を行うことができ、よって、サーバ12及びクライアント14の処理負荷を可及的に低く維持でき、また、送受信データのデータ量を抑制することで、速やかな送受信を実現できる。
【0076】
尚、上記実施の形態では、インターネット上で例えばUDPによりデータを送受信する場合を例示して説明したが、例えばTCP/IPのように、エラー時の再送要求がある場合に適用しても差し支えない。この場合であっても、再送される信号をキーGOBに限定する点で、信号の全てを送信する場合に比べて通信データ量の軽減化を実現できる。
【0077】
また、上記実施の形態では、クライアント14側において、送信されてきた動画像をモニタ装置15に表示する例を説明したが、これに代えてまたはこれに加えて、クライアント14側において、動画像を所定の記録装置に蓄積的に記録するようしても差し支えない。
【0078】
さらに、上記実施の形態では、送信局として「サーバ」という用語を、受信局として「クライアント」という用語を使用したが、必ずしもこれに拘泥されるものではなく、例えば各地域に分散された撮像カメラで撮像された動画像を集中センターで集中的に管理する場合には、送信局として「クライアント」を、受信局として「サーバ」をそれぞれ適用してもよいことは勿論である。
【0079】
【発明の効果】
請求項1、請求項4及び請求項5に記載の発明によれば、受信局において、エラー時の動画像の劣化に影響度の高い特定領域のデータの再送要求を行うようにしているので、動画像の画質を飛躍的に向上できる。そして、再送要求の対象を特定領域とすることで、その他の領域の再送を行わずに、例えば次のキーフレームとなるフレームを受信するまでの時間差を利用するなどして再送を行うことができ、トラフィックを阻害することなく、動画像の画質を効率よく向上できる。
【0080】
請求項2請求項4及び請求項5に記載の発明によれば、送信局において特定領域のデータを特定領域データ記憶部に記憶させているので、受信局から特定領域のデータの再送要求があった際に、その特定領域のデータを特定領域データ記憶部から読み出すだけで、効率よく特定領域のデータを受信局に再送できる。
【0081】
請求項3に記載の発明によれば、送信局側の撮像カメラで撮像された動画像を受信局側に送信するようなストリーミングデータの場合に、フレーム内符号化処理量が時間的に分散されて、送信局及び受信局双方の処理負荷が時間的に平坦化するとともに、送信局と受信局との間の伝送路における通信負荷も低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一の実施の形態で使用される動画像送受信システムの基本的構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一の実施の形態に係る動画像送受信システムの動画像送受信方法を説明するためのフローチャートである。
【図3】この発明の一の実施の形態に係る圧縮符号化方法を説明するための模式図である。
【図4】この発明の一の実施の形態に係る圧縮符号化方法を実現するフローチャートである。
【図5】この発明の一の実施の形態に係る圧縮符号化方法を実現するフローチャートである。
【図6】この発明の一の実施の形態に係る圧縮符号化方法を実現するフローチャートである。
【図7】4つのブロック領域に分割された各フレームを示す説明図である。
【図8】この発明の一の実施の形態に係る復号化方法を説明するための模式図である。
【図9】この発明の一の実施の形態に係る復号化方法を実現するフローチャートである。
【図10】再量子化処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】従来の動画像送受信システムの概要を示す概念図である。
【図12】従来の動画像送受信システムを示すブロック図である。
【図13】従来の符号化方法を説明するためのフローチャートである。
【図14】従来の符号化方法を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
11 撮像カメラ
12 サーバ
12a サーバ機
13 ネットワーク
14 クライアント
14a クライアント機
15 モニタ装置
16 符号化器
17 復号器
18 キーGOBデータ記憶部

Claims (5)

  1. 動画像を圧縮符号化して送信する送信局と、
    前記送信局で圧縮符号化されネットワークを通じて与えられた前記動画像のデータを受信する受信局と
    を備え、
    前記送信局が、
    前記動画像の複数のフレームの中から一定の周期毎に指定された複数のキーフレームと、前記各キーフレームの後に入力されて複数のブロック領域に分割され且つ前記各ブロック領域の中から特定領域が指定された複数の他のフレームとを有し、前記特定領域を除く前記各ブロック領域と前記キーフレームとの間の第1の差分が所定より大きい場合に当該ブロック領域を前記他のフレーム内の情報のみで圧縮符号化する一方、前記第1の差分が所定より小さい場合に前記差分信号を圧縮符号化し、複数の前記他のフレーム内の前記特定領域のみをフレーム1枚分蓄積して生成された参照フレームと前記キーフレームとの間の第2の差分が所定より大きい場合に前記キーフレームを前記フレーム内の情報のみで圧縮符号化する一方、前記第2の差分が所定より小さい場合に前記差分信号を圧縮符号化する符号化手段と、
    前記符号化手段から与えられた圧縮符号化された動画像のデータを前記ネットワークに送出するデータ送出手段と
    を備え、
    前記受信局が、
    前記ネットワークを通じて前記データ送出手段から与えられた圧縮符号化された前記動画像のデータを受信する受信手段と、
    前記受信手段で受信した圧縮符号化された前記動画像のデータを復号化する復号化手段と
    を備え、
    前記受信手段の前記復号化手段が、前記動画像のデータのうちの前記特定領域のエラーの有無を検出し、
    前記受信手段が、前記復号化手段で前記特定領域にエラーが有る旨を検出したときに、当該特定領域の再送要求を前記ネットワークを通じて前記送信局に送信し、
    前記送信局が、前記受信手段から前記ネットワークを通じて前記特定領域の前記再送要求が与えられた際に、前記特定領域を前記受信手段に再送することを特徴とする動画像送受信システム。
  2. 請求項1に記載の動画像送受信システムであって、
    前記送信局が、前記動画像のデータを前記受信手段に送信する際に、再送要求に備えて前記特定領域を一時的に格納する特定領域データ記憶部を有することを特徴とする動画像送受信システム。
  3. 請求項1または請求項2に記載の動画像送受信システムであって、
    前記送信局が、所定の撮像対象を撮像する撮像カメラを有し、
    前記受信局が、前記撮像カメラで撮像された動画像を表示または記録することを特徴とする動画像送受信システム。
  4. a)送信局において、複数のフレームの中から一定の周期毎に指定された複数のキーフレームと、前記各キーフレームの後に入力されて複数のブロック領域に分割され且つ前記各ブロック領域の中から特定領域が指定された複数の他のフレームとを有せしめ、前記特定領域を除く前記各ブロック領域と前記キーフレームとの間の第1の差分が所定より大きい場合に当該ブロック領域を前記他のフレーム内の情報のみで圧縮符号化する一方、前記第1の差分が所定より小さい場合に前記差分信号を圧縮符号化し、複数の前記他のフレーム内の前記特定領域のみをフレーム1枚分蓄積して生成された参照フレームと前記キーフレームとの間の第2の差分が所定より大きい場合に前記キーフレームを前記フレーム内の情報のみで圧縮符号化する一方、前記第2の差分が所定より小さい場合に前記差分信号を圧縮符号化する工程と、
    b)前記送信局において、前記特定領域のデータを所定の特定領域データ記憶部内に記憶する工程と、
    c)前記送信局において、前記a)の工程で圧縮符号化された動画像のデータを受信局に送信する工程と、
    d)前記受信局において、前記c)の工程で送信された前記動画像のデータのうち、前記特定領域のデータのエラーの有無を検出する工程と、
    e)前記d)の工程で前記特定領域のデータにエラーがある旨を検出した場合に、前記受信局が、前記送信局に対して前記特定領域のデータの再送要求を行う工程と、
    f)前記送信局において、前記e)の工程で前記受信局から与えられた再送要求に応じて、前記特定領域データ記憶部内に記憶された前記特定領域のデータを前記受信局に対して再送する工程と
    を備える動画像送受信方法。
  5. 請求項4に記載の動画像送受信方法をコンピュータ上で実現するために、前記各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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