JP3924636B2 - 脈波信号処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、脈波信号処理方法に関し、特に、パルスフォトメトリによる酸素飽和度測定等において用いることができる脈波のノイズ除去に関する。
【0002】
【従来の技術】
動脈血の酸素飽和度を非観血的に連続測定するには、従来からパルスオキシメータが用いられている。このパルスオキシメータでは、プローブを被験者の指先や耳朶に装着し、プローブから赤と赤外の異なる波長の光を生体に時分割に照射して、異なる2波長の透過光または反射光から得られる吸光度の脈動成分の比Фから酸素飽和度Sを測定するものである。赤色光にはたとえば660nmの基準波長が用いられるとともに、赤外光にはたとえば940nmの波長が用いられ、プローブ内にはこれらの波長を発する2つの発光ダイオードと受光用の1つのフォトダイオードが内蔵されている。いま、赤色光の波長の吸光度の脈動成分をΔA1、赤外光の波長の吸光度の脈動成分をΔA2とすると、異なる2波長の吸光度の比Фは、次式で与えられる。
Ф=ΔA1/ΔA2
酸素飽和度Sは、この吸光度の比Фの関数fとして算出することができる。
S=f(Ф)
【0003】
このようなパルスオキシメータでは、測定中に患者に体動等が起きると、プローブで検出される脈波にノイズ成分が混入してしまい、正確に酸素飽和度Sを測定できなくなる。そこで、このようなノイズの影響を除去する試みが従来から種々なされている。
【0004】
特開平2−172443号では、オキシメータにおいて、脈拍を検出し、光電脈波信号に対し脈拍の周波数に基づいて周波数フィルタリングを行う技術が記載されている。ここでは、具体的な脈波数の検出方法としては、受光部の出力を対数変換し、その対数変換された出力から得られた脈波信号を二値化し、さらにその所定個数の二値化脈波信号の周期を求め、その周期の逆数から脈拍数を求めている、と記述されている。さらには、周波数フィルタリングは、脈拍数が小さいときは選択周波数の低いバンドパスフィルタを、脈拍数が中程度のときは中程度の選択周波数のバンドパスフィルタを、脈拍数が大きいときは選択周波数の高いバンドパスフィルタを、それぞれ用いると記述されている。
【0005】
しかしながら、このような発明には次のような問題があった。
<二値化の問題点>
体動が生じると、脈波の信号は、体動により生じるノイズと混在し、埋もれることになる。この体動ノイズが混在した脈波信号を対数演算すれば、対数演算された体動成分の対数演算された脈波成分に対する比は、対数演算前の体動成分の対数演算前の脈波成分に対する比よりも、小さくなる。すなわち、上記従来の技術では、対数演算された体動ノイズが混在した脈波信号を二値演算によりある閾値で1または0に振り分ける。しかし、ノイズ成分が必ずしも脈波成分より小さくならないことから、ノイズ成分でありながら二値化により1に振り分けられる可能性が極めて強い。これでは、脈拍数の検出は精度よく行うことができない。
<バンドパスフィルタの問題点>
ノイズを除去するためにバンドパスフィルタを用いることのみでは、ノイズ成分が通過帯域内にある場合は、脈波にノイズが混入する。すなわち、脈波がうまく抽出できない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、(1)精度よく信号の基本周波数を演算し、(2)その基本周波数とその高周波の周波数をフィルタリング周波数として用いて信号処理を行うことにより、信号の有する特徴的な周波数成分を抽出して信号を形成することにある。特に、動脈の酸素飽和度測定への適用においては、体動等によるノイズが重畳された脈波であっても、あるいは脈波に変動が生じている場合であっても、精度よく脈拍の基本周波数を測定し、その基本周波数とその高調波の周波数をフィルタリング周波数として用いて脈波信号を処理することにより、ノイズが重畳された脈波から特徴的な周波数成分を抽出して脈波信号を形成し、ノイズを除去し、本来の脈波を再現することができる。さらに、ノイズが除去された脈波から、パルスフォトメトリによる酸素飽和度を、精度よく測定する装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る脈波信号処理方法は、同じ基本周波数を有し連続する第1の信号IRおよび第2の信号RDを処理する脈波信号処理方法において、
前記第1の信号IRおよび前記第2の信号RDのそれぞれについて、前記脈波信号のサンプル数に基づく一定の期間において、周波数スペクトルまたは周波数パワースペクトルを演算し、前記第1の信号IRの第1スペクトルSpc.IRと、前記第2の信号RDの第2スペクトルSpc.RDとを、それぞれ演算するスペクトル演算ステップと、
前記スペクトル演算ステップにより演算された前記第1スペクトルSpc.IRおよび前記第2スペクトルSpc.RDを用い、周波数軸上で、相互の差をとるスペクトルを演算し、または相互の差をとるスペクトルの演算に加えてさらに正規化するスペクトルを演算し、その結果に基づいて前記第1の信号IRおよび前記第2の信号RDの基本周波数を演算する基本周波数演算ステップと、を含み、
前記基本周波数演算ステップにおいては、
(Spc.IR−Spc.RD)/Spc.RD、
(Spc.IR−Spc.RD)/Spc.IR、
(Spc.IR−Spc.RD)/(Spc.IR+Spc.RD)、
{1−(Spc.RD/Spc.IR)}/(Spc.RD/Spc.IR)、
{1−(Spc.RD/Spc.IR)}/(Spc.IR/Spc.IR)、または
{1−(Spc.RD/Spc.IR)}/{1+(Spc.RD/Spc.IR)}
のうちいずれかのスペクトルの演算結果に基づいて、前記基本周波数を演算することを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項2に係る脈波信号処理方法は、同じ基本周波数を有し連続する第1の信号IRおよび第2の信号RDを処理する脈波信号処理方法において、
前記第1の信号IRおよび前記第2の信号RDのそれぞれについて、前記脈波信号のサンプル数に基づく一定の期間において、周波数スペクトルまたは周波数パワースペクトルを演算し、前記第1の信号IRから第1スペクトルSpc.IRを、前記第2の信号RDから第2スペクトルSpc.RDを、それぞれ演算するスペクトル演算ステップと、
前記スペクトル演算ステップによる前記第1スペクトルSpc.IRおよび前記第2スペクトルSpc.RDの複数回分を加算平均するスペクトル加算平均演算ステップと、
前記スペクトル加算平均演算ステップにより加算平均された前記第1スペクトルAv.Spc.RD および加算平均された前記第2スペクトルAv.Spc.RD を用い、周波数軸上で、相互の差をとるスペクトルを演算し、または相互の差をとるスペクトルの演算に加えてさらに正規化するスペクトルを演算し、その結果に基づいて、前記第1の信号IRおよび前記第2の信号RDの基本周波数を演算する基本周波数演算ステップと、を含むことを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項3に係る脈波信号処理方法は、請求項2に記載の脈波信号処理方法において、
前記基本周波数演算ステップにおいては、
(Av.Spc.IR−Av.Spc.RD)/Av.Spc.RD、
(Av.Spc.IR−Av.Spc.RD)/Av.Spc.IR、
(Av.Spc.IR−Av.Spc.RD)/(Av.Spc.IR+Av.Spc.RD)、
{1−(Av.Spc.RD/Av.Spc.IR)}/(Av.Spc.RD/Av.Spc.IR)、
{1−(Av.Spc.RD/Av.Spc.IR)}/(Av.Spc.IR/Av.Spc.IR)、または
{1−(Av.Spc.RD/Av.Spc.IR)}/{1+(Av.Spc.RD/Av.Spc.IR)}
のうちいずれかのスペクトルの演算結果に基づいて、前記基本周波数を演算することを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項4に係る脈波信号処理方法は、請求項1ないし3のいずれかに記載の脈波信号処理方法において、
さらに、前記基本周波数演算ステップによって演算された前記基本波周波数およびその高調波を用いてフィルタを形成するフィルタ形成ステップと、
前記フィルタ形成ステップにより形成されたフィルタにより、少なくとも前記第1の信号IRまたは前記第2の信号RDをフィルタリングするフィルタリングステップと、を含むことを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項5に係る脈波信号処理方法は、請求項に記載の脈波信号処理方法において、前記フィルタ形成ステップは、前記基本周波数演算ステップによって演算された前記基本周波数が複数ある場合には、各基本周波数とその各々の高調波の周波数を用いてフィルタを形成することを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項6に係る脈波信号処理方法は、請求項4または5に記載の脈波信号処理方法において、前記フィルタ形成ステップにおいて、前記フィルタの特性は、前記基本周波数およびその高調波の周波数をそれぞれ中心として幅を持った矩形状であることを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項7に係る脈波信号処理方法は、請求項4または5に記載の脈波信号処理方法において、前記フィルタ形成ステップにおいて、前記フィルタは、前記基本周波数およびその高調波の周波数をそれぞれ中心としたガウス特性フィルタであることを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項8に係る脈波信号処理方法は、請求項1ないし 7 のいずれかに記載の脈波信号処理方法において、前記第1の信号IRおよび第2の信号RDはいずれも脈波信号であることを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項9に係る脈波信号処理方法は、請求項4ないし 7 のいずれかに記載の脈波信号処理方法において、前記第1の信号IRおよび第2の信号RDはいずれも脈波信号であり、さらに、前記フィルタリングステップにおいて前記第1の信号IRまたは前記第2の信号RDのうちフィルタリングした方の信号を表示するステップを、含むことを特徴とする。
【0016】
本発明の請求項10に係る脈波信号処理方法は、請求項4ないし 7 のいずれかに記載の脈波信号処理方法において、
前記第1の信号IRは生体の動脈を透過または反射した赤外光により得られた脈波信号であり、
前記第2の信号RDは生体の動脈を透過または反射した赤色光により得られた脈波信号であり、
前記フィルタリングステップにおいて前記第1の信号IRおよび前記第2の信号RDのいずれをもフィルタリングし、
さらに、前記フィルタリングステップにおいてフィルタされた前記第1の信号IRまたは前記第2の信号RDを用いて酸素飽和度を演算する酸素飽和度演算ステップを、含むことを特徴とする。
【0017】
本発明の請求項11に係る脈波信号処理方法は、同じ基本周波数を有する生体の第1の脈波信号と第2の脈波信号を処理する脈波信号処理方法において、
前記第1の脈波信号の脈動成分ΔA1を検出する第1の脈動成分検出ステップと、
前記第2の脈波信号の脈動成分ΔA2を検出する第2の脈動成分検出ステップと、
前記第1の脈波信号の脈動成分と前記第2の脈波信号の脈動成分の比Φを演算する脈動成分演算ステップと、
前記脈波信号のサンプル数に基づく一定の期間において、周波数スペクトルまたは周波数パワースペクトルを演算することを複数回行うスペクトル演算ステップと、
前記複数回分演算されたスペクトルを加算平均するスペクトル加算平均演算ステップと、
前記加算平均されたスペクトルから前記脈波信号の基本周波数を演算する基本周波数演算ステップと、を含むことを特徴とする。
【0018】
本発明の請求項12に係る脈波信号処理方法は、請求項11に記載の脈波信号処理方法において、
前記基本周波数演算ステップによって演算された前記基本周波数およびその高調波の周波数を用いてフィルタを形成するフィルタ形成ステップと、
前記フィルタ形成ステップにより形成されたフィルタにより、少なくとも前記第1の脈波信号または前記第2の脈波信号をフィルタリングするフィルタリングステップと、を含むことを特徴とする。
【0019】
本発明の請求項13に係る脈波信号処理方法は、請求項12に記載の脈波信号処理方法において、前記フィルタ形成ステップは、前記基本周波数演算ステップによって演算された前記基本周波数が複数ある場合には、各基本周波数とその各々の高調波の周波数を用いてフィルタを形成することを特徴とする。
【0020】
本発明の請求項14に係る脈波信号処理方法は、請求項12または13に記載の脈波信号処理方法において、前記フィルタ形成ステップにおいて、前記フィルタの特性は、前記基本周波数およびその高調波の周波数をそれぞれ中心として幅をもった矩形状であることを特徴とする。
【0021】
本発明の請求項15に係る脈波信号処理方法は、請求項12または13に記載の脈波信号処理方法において、前記フィルタ形成ステップにおいて、前記フィルタは、前記基本周波数およびその高調波の周波数をそれぞれ中心としたガウス特性フィルタであることを特徴とする。
【0022】
本発明の請求項16に係る脈波信号処理方法は、請求項12ないし15のいずれかに記載の脈波信号処理方法において、さらに、前記フィルタリングステップにおいて前記第1の脈波信号または前記第2の脈波信号のうちフィルタリングした方の脈波信号を表示するステップを、含むことを特徴とする。
【0023】
本発明の請求項17に係る脈波信号処理方法は、請求項12ないし15のいずれかに記載の脈波信号処理方法において、
前記第1の脈波信号は生体の動脈を透過または反射した赤色光により得られた脈波信号であり、
前記第2の脈波信号は生体の動脈を透過または反射した赤外光により得られた脈波信号であり、
前記フィルタリングステップにおいて前記第1の脈波信号および前記第2の脈波信号のいずれをもフィルタリングし、
さらに、前記フィルタリングステップにおいてフィルタされた前記第1の脈波信号または前記第2の脈波信号を用いて酸素飽和度を演算する酸素飽和度演算ステップを、含むことを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る脈波信号処理およびそれを利用したパルスオキシメータの実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0025】
図1は、本発明の実施の形態としてのパルスオキシメータの装置構成を示すものである。プローブ1は発光部2と受光部3を備え、これらにより指先(生体組織)4を挟持する構成とされている。発光部2は、第1波長光である赤色光(波長λ1:660nm)と第2波長光である赤外光(波長λ2:940nm)をそれぞれ発光する2つの発光ダイオードを備えている。発光部2は、発光部駆動回路5により駆動されるものであり、赤色光と赤外光は交互に発光される。受光部3はフォトダイオードを備え、指先の透過光を受光し、その透過光強度に応じた電気信号を出力するものである。受光部3の出力信号は受光信号増幅回路6で増幅され、復調回路7で復調されるように構成されている。復調回路7は赤色光と赤外光に応じたそれぞれの信号を分けて出力する。これらの信号は、増幅器9a、9bで増幅され、A/D変換器10a、10bでデジタル信号に変換されて、CPU(セントラルプロセッシングユニット)8に入力されるように構成されている。CPU8は、復調回路7と発光部駆動回路5を制御すると共に、A/D変換器10a、10bから与えられる信号を処理して、その結果を表示部11に出力する。本発明では、この信号処理における脈波のノイズ除去処理に特徴がある。表示部に出力される結果は、ノイズが除去された脈波波形、脈拍数、SpO2値(酸素飽和度)である。
【0025】
図2は、前記装置の大まかな処理フローを示すものである。測定が開始される(S10)と、プローブ1の発光部2から発光される赤色光、赤外光が交互に発光され、生体組織4を透過した赤色光、赤外光が交互に受光部3により検出される。そして、受光信号増幅回路6で増幅され、復調回路7で赤色光、赤外光に分けられ、A/D変換器10a、10bによりA/D変換される。これにより脈波の検出が行われる(S11)。次に、赤外光および赤色光についての脈波それぞれについて、所定期間分のフーリエ変換を行い、それぞれのスペクトルの絶対値や、パワースペクトルの値を求める。パワースペクトルを求める方法に関しては、本明細書では詳述しないが赤外光および赤色光それぞれの所定期間における自己相関を求めた後、フーリエ変換して求めることもできる。そして、赤外光および赤色光についてのスペクトル演算などに基づいて、脈波の基本周波数を算出する(S12)。これは脈拍の周波数に相当する。そして、脈波の基本周波数とその高調波の周波数を透過させるマッチドフィルタを形成する(S13)。このマッチドフィルタを用いて脈波をフィルタリングする(S14)。フィルタされた脈波は表示部11に表示されると共に、フィルタされた脈波から求めた脈拍とSpO2値(酸素飽和度)も表示器11に表示される。
【0026】
この一連の処理が連続的に繰り返されることになる。以下、図2に示す「脈波の基本周波数の算出」S12から詳細に説明する。
【0027】
第1の実施の形態
第1の実施の形態を図3〜図7を用いて説明する。赤外光(IR)および赤色光(D)についての脈波はそれぞれサンプリング間隔16msecである。図3に示す最上段には、ノイズを含んだ赤外光(IR)および赤色光(RD)が示されている。
期間[i]は、1024個のサンプル数分の期間であり16.384秒(=1024*16msec)である。まず、期間[i]における赤外光(IR)および赤色光(RD)それぞれの1024個のデータサンプルを用いてフーリエ変換を行い、スペクトルの絶対値を求める。このスペクトルを示したのが図4(a)、図4(b)である。図4(a)には赤外光(IR)のスペクトル(Spc.IR)が、図4(b)には赤色光(RD)スペクトル(Spc.RD)が示されている。
【0028】
これから判るように、脈波を、フーリエ変換をしスペクトルを求めるまでは、ノイズ成分のスペクトルが大きく、脈波の基本周波数の検出は難しい。そこで、次の(1)、(3)のいずれかの演算を行うことにより脈波の基本周波数の検出が容易になることを見出した。ここでの演算は、同じ周波数ごとの各スペクトルの和差商演算をする。この(1)〜(3)の演算で共通することは、分子として、赤外光(IR)のスペクトル(Spc.IR)と赤色光(RD)のスペクトル(Spc.RD)の差分を用いることである。
【0029】
(1)(Spc.IR−Spc.RD)/Spc.RD
(2)(Spc.IR−Spc.RD)/Spc.IR
(3)(Spc.IR−Spc.RD)/(Spc.IR+Spc.RD)
【0030】
なお、これらの等価の演算式として、次の(1)’〜(3)’を用いても良い。
(1)’{1−(Spc.RD/Spc.IR)}/(Spc.RD/Spc.IR)
(2)’{1−(Spc.RD/Spc.IR)}/(Spc.IR/Spc.IR)
(3)’{1−(Spc.RD/Spc.IR)}/{1+(Spc.RD/Spc.IR)}
【0031】
ここで、(1)’〜(3)’の演算で共通することは、分子として、{1−(Spc.RD/Spc.IR)}を用いることである。なお、分母が零となることを回避するために、分母には予め所定値を加えておいてもよく、その演算結果は予め所定値を加えない演算結果と実質的に同じである。これ以降に示すスペクトルの演算においても同様である。
【0032】
この結果の一例を、図5(a)、図5(b)に示す。図5(a)は、期間[i]において脈拍がほとんど変動しなかった場合のスペクトルの演算結果を示すグラフである。図5(a)に示すグラフ内の(1),(2),(3)は、それぞれ上記(1)、(2)、(3)の演算結果を示す。このグラフが示すように、期間[i]において脈拍がほとんど変動しなかったので、脈波の基本周波数におけるスペクトルが際立っており、その周波数はほぼ一点で決まる。正規化する演算のために第2高周波も強調されるため、基本周波数を確定し易い。また、上記(1)、(2)、(3)の演算結果のいずれによっても脈波の基本周波数を求めることができることを示している。図5(b)は期間[i]において、脈拍が大きく変動した場合のスペクトルの演算結果を示すグラフである。図5(b)に示すグラフ内の(1),(2),(3)は、それぞれ上記(1)、(2)、(3)の演算結果を示す。このグラフが示すように、期間[i]において脈拍が大きく変動したので、脈波の基本周波数におけるスペクトルが際立ってはいるものの、その周波数には幅があることがわかる。
【0033】
ここで、このスペクトルの演算結果のグラフが図5に示すようになることを説明する。ノイズを含んでいない赤外光(IR)と赤色光(RD)のそれぞれの脈波の振幅の間には差があり、通常赤外光(IR)の脈波の振幅の方が大きい。一方、体動等によるノイズの振幅は、赤外光(IR)や赤色光(RD)の脈波の振幅よりも大きくなることもあるが、赤外光(IR)と赤色光(RD)でのノイズの振幅は同じ程度になることが多い。よって、ノイズを含んだ赤外光(IR)と赤色光(RD)のそれぞれの脈波をフーリエ変換してスペクトルを求めると、赤外光(IR)の脈波スペクトルでの脈波の基本周波数におけるスペクトルの方が、赤色光(RD)の脈波スペクトルにおけるそれよりも大きい。
【0034】
一方で、ノイズのスペクトルは差が比較的少ない。よって、赤外光(IR)の脈波スペクトルと赤色光(RD)の脈波スペクトルを周波数ごとに差分をとれば、脈波の基本周波数のスペクトルに、本来ある赤外光(IR)と赤色光(RD)のそれぞれの脈波の振幅の間の差により生ずるスペクトルの差が現れる。また、ノイズ成分の周波数における差分は、赤外光(IR)と赤色光(RD)でのノイズの振幅が同じ程度になることが多いために、抑圧される。
【0035】
そこで、上記(1)〜(3)の演算は、分子を(Spc.IR−Spc.RD)としているのである。これに、さらに分母としてSpc.RD、Spc.IR、または(Spc.IR+Spc.RD)をとることにより、ノイズ成分のスペクトルの差分がノイズ成分のスペクトルで除されることになり、さらに、ノイズ成分のスペクトルが抑制される。一方、脈波の基本周波数におけるスペクトルの差分を、分母としてSpc.RD、Spc.IR、または(Spc.IR+Spc.RD)により除しても、ノイズほどは抑制されずに、際立ってくるのである。ただし、フーリエ変換の対象とされたデータの期間において、脈拍が大きく変動している場合は、脈波の基本周波数が変動していることになるので、図5(b)に示されるように、脈波の基本周波数が幅を持つことになる。なお、得られたスペクトルは正規化されているので、ほぼ0.4〜1の間で表せ、判別関数としての役割を有する。
【0036】
次に、図2に示す「フィルタの形成」S13のステップを説明する。図5(a)に示すように、脈拍がほとんど変動しなかった場合、脈波の基本周波数(fsとする)を基にフィルタを形成する。フィルタリング周波数は、図6(a)に示すように、脈波の基本周波数fsとその高調波の周波数である2fs、3fs、4fs、・・・、n・fsとする。あるいは、フィルタリング周波数を、図6(b)に示すように、脈波の基本周波数fsとその高調波の周波数である2fs、3fs、4fs、・・・、n・fsを中心に所定幅(バンド)を持たせた矩形状のものでもよい。あるいは、図6(c)に示すように、脈波の基本周波数fsとその高調波の周波数である2fs、3fs、4fs、・・・、n・fsを中心としたガウス特性フィルタであってもよい。
【0037】
なお、fsの検出方法は種々考えられるが、図5(a)に示す演算結果において、例えば、(1)生体における脈拍数の変動としてありうる最大限の範囲に相当する周波数の範囲からピークとなっている周波数を求める、(2)統計的に見て脈波の基本周波数であるならばスペクトル値として出現するであろう十分なスレショールドを設け、このスレショールドをスペクトル値が越える周波数のうち、最も周波数の低い第1の周波数を求める、(3)統計的に見て脈波の基本周波数であるならば出現するであろう十分なスレショールドを設け、このスレショールドをスペクトル値が越える周波数のうち、周波数がほぼ整数倍に出現し高調波と認識できる周波数のうち最も周波数の低い周波数を求める、などの方法がある。
【0038】
図5(b)に示すように、脈拍が大きく変動した場合、脈波の基本周波数は幅を乙個になる。この幅を持った周波数帯のうち最大の周波数をfhigh、最小の周波数をflowとする。そして、その中心周波数をfcとして、fc=√(flow)×√(fhigh)と定義する。なお、fhigh、flowの検出方法は種々考えられるが、図5(b)に示す演算結果において、例えば、(1)生体における脈拍数の変動として有り得る最大限の範囲に相当する周波数の範囲から、統計的に見て脈波の基本周波数であるならばスペクトル値として出現するであろう十分なスレショールドを設け、このスレショールドをスペクトル値が越える周波数帯域のうち、最も周波数帯域の低いもののうち最小周波数値をflow、最大周波数値をfhighとする、(2)統計的に見て脈波の基本周波数であるならば出現するであろう十分なスレショールドを設け、このスレショールドをスペクトル値が越える周波数帯域のうち、周波数帯域がほぼ整数倍に出現し高調波と認識できる周波数帯域のうち最も周波数帯域の低いもののうち、最小周波数値をflow、最大周波数値をfhighとする、などの方法がある。また、fcを求める演算は上記の代わりに、fc=(flow+fhigh)/2であってもよい。
【0039】
次に、フィルタリング周波数の形成方法は、多種多様に考えられるが、ここでは図7に示す7つの方法を述べる。
【0040】
図7(a)に示す方法のフィルタリング周波数の範囲は、fhigh〜flowの範囲と、この高調波の範囲として、2fhigh〜2flow、3fhigh〜3flow 、・・・、n・fhigh〜n・flowを設定した矩形状のものである。
図7(b)に示す方法のフィルタリング周波数の範囲は、中心周波数fcを含むfhigh〜flowの範囲と、この高調波の範囲として、2fcを中心としてfhigh〜flowの幅と同じ幅を持たせた範囲、3fcを中心としてfhigh〜flowの幅と同じ幅を持たせた範囲、・・・、n・fcを中心としてfhigh〜flowの幅と同じ幅を持たせた範囲を設定した形状のものである。
図7(c)に示す方法では、fhigh〜flowを所定個数に分割し、その分割された周波数幅の中心周波数をそれぞれfs−1、fs−2、fs−3、・・・、fs−nとする。そして、フィルタリング周波数の範囲は、fhigh〜flowの範囲と、この高調波の範囲として、2fs−1、2fs−2、2fs−3、・・・、2fs−mを中心周波数として上記分割された周波数幅と同じ幅を持たせた範囲、3fs−1、3fs−2、3fs−3、・・・、3fs−mを中心周波数として上記分割された周波数幅と同じ幅を持たせた範囲、・・・、n・fs−1、n・fs−2、n・fs−3、・・・、n・fs−mを中心周波数として上記分割された周波数幅と同じ幅を持たせた範囲を設定した矩形状のものである。
図7(d)〜図7(f)は、図7(a)〜図7(c)において、矩形状の代わりにガウス特性フィルタを設定した場合を示すものである。すなわち、図7(d)は、図7(a)に示すフィルタリング周波数の帯域であるfhigh〜flowの範囲、2fhigh〜2flow、3fhigh〜3flow、・・・、n・fhigh〜n・flowの面積を同じくして、それぞれの帯域に対応した、ガウス特性フィルタの設定を示すものである。
図7(e)は、図7(b)に示すフィルタリング周波数の帯域である中心周波数fcを含むfhigh〜flowの範囲、2fcを中心としてfhigh〜flowの幅と同じ幅を持たせた範囲、3fcを中心としてfhigh〜flowの幅と同じ幅を持たせた範囲、・・・、n・fcを中心としてfhigh〜flowの幅と同じ幅を持たせた範囲において、それぞれの面積を同じくして、それぞれの帯域に対応した、ガウス特性フィルタの設定を示すものである。
図7(f)は、図7(c)に示すフィルタリング周波数の帯域である所定個数に分割されたfhigh〜flowの範囲、2fs−1、2fs−2、2fs−3、・・・、2fs−mを中心周波数として分割された周波数幅と同じ幅を持たせた範囲、3fs−1、3fs−2、3fs−3、・・・、3fs−mを中心周波数として分割された周波数幅と同じ幅を持たせた範囲、・・・、n・fs−mを中心周波数として上記分割された周波数幅と同じ幅を持たせた範囲において、それぞれの面積を同じくして、それぞれの帯域に対応した、ガウス特性フィルタの設定を示すものである。
図7(g)は、フーリエ変換の分解能のレベルでフィルタリング周波数の設定を示すものである。ここで、フーリエ変換に用いるデータ長は16.384[秒](=1024×16msec)であるから、分解能は0.061[Hz]=1/16.384[秒]である。
【0041】
そこで、flowからfhighまでの間の分解能である0.061[Hz]ごとの周波数、すなわち、flow、flow+0.061[Hz]、flow+0.061[Hz]2・・・、flow+0.061[Hz]×n、・・・、hhighまでを脈波の基本周波数とする。次にこれらの脈波の各基本周波数の整数倍の周波数を高調波の周波数とする。すなわち、2flowから2fhighまでの0.061[Hz]×2の周波数間隔の周波数、3flowから3fhighまでの0.061[Hz]×3の周波数間隔の周波数、n・flowからn・fhighまでの0.061[Hz]×nの周波数間隔の周波数が、高調波の周波数となる。そして、フィルタリング周波数として、基本周波数と高調波の周波数を採用したものである。図7(a)〜(g)を用いて説明したフィルタリング周波数を形成する基本概念は、脈波が変動したことにより基本周波数が複数発生した場合は、フィルタリング周波数は、各基本周波数とその高調波の周波数のORをとった周波数であるという点にある。
【0042】
ここで、フィルタリング周波数の形成方法として、脈波の基本周波数とその高調波の周波数を用いる理由を説明する。すなわち、FFTは低い周波数は分解能が低く、高い周波数は分解能がよい。であるので、波が揺らいでいる場合には、低い周波数によるフィルタリングによっては、揺らぎは抽出できなくとも、高調波の周波数によるフィルタリングにより抽出できるようになる。そこで、脈波の基本周波数も揺らぐことを前提に考えれば、高調波の周波数によるフィルタリングをすることにより、脈波の揺らぎも抽出することができることになる。
【0043】
このことより、脈波波形をできるだけ忠実に抽出するには相当程度の高調波の周波数までフィルタリングが必要となる。一方、SpO2値を測定するためには、脈波の振幅が演算として検出できれば十分であるので、高調波の周波数までのフィルタリングは必ずしも必要でなく、2〜4次程度のフィルタリングで十分である。何次の高周波についてフィルタリングを用いるかは、適宜決定すればよい。なお、フィルタリング周波数に幅を持たせすぎると、フィルタされた脈波には多分にノイズを含んでしまうため、適宜フィルタリング周波数に幅を設定する。
【0044】
図3に示す期間[i]の1024個分のデータにより得られたマッチドフィルタは、期間[i]および次のマッチドフィルタを形成する期間[i+1]が開始される前までの期間[I]の脈波をフィルタリングするために用いられる。そして、次のマッチドフィルタを形成する期間[i+1]のデータにより得られたマッチドフィルタは、期間[i]および次のマッチドフィルタを形成する期間が開始される前までの期間[I+1]の脈波をフィルタリングするために用いられる。なお、マッチドフィルタを形成するための期間の設定は所定期間ごとに設けても良く、あるいは、心電図測定によって得られた心拍数、脈波測定によって得られた脈拍数などの生体情報パラメータが所定以上変動した場合に設けてもよい。また、本実施の形態では、サンプリング間隔16msecとし、マッチドフィルタを形成する期間を1024個のサンプル数分の期間としたが、これに限らなくてもよい。
【0045】
第2の実施の形態
次に、第2の実施の形態を、図8を用いて説明する。脈波のサンプリング間隔が16msecであること、マッチドフィルタを形成するのに用いるデータ数は1024個分であることは、第1の実施の形態と同様である。そして、期間[i]におけるデータからフーリエ変換を行い、スペクトルの絶対値を求め、下記の(1)〜(3)のいすれかの演算を行うことにより脈波の基本周波数を求め、マッチドフィルタを形成することは、第1の実施の形態と同様である。
【0046】
(1)(Spc.IR−Spc.RD)/Spc.RD
(2)(Spc.IR−Spc.RD)/Spc.IR
(3)(Spc.IR−Spc.RD)/(Spc.IR+Spc.RD)
【0047】
なお、これらの等価の演算式として、次の(1)’〜(3)’を用いても良い。
(1)’{1−(Spc.RD/Spc.IR)}/(Spc.RD/Spc.IR)
(2)’{1−(Spc.RD/Spc.IR)}/(Spc.IR/Spc.IR)
(3)’{1−(Spc.RD/Spc.IR)}/{1+(Spc.RD/Spc.IR)}
【0048】
第2の実施の形態の特徴は、マッチドフィルタを形成する期間を連続させる点にある。すなわち、図8において、期間[i]におけるデータを用いて形成したマッチドフィルタは、その期間[i]における脈波をフィルタリングするために用いる。そして、連続する期間[i+1]では、その期間におけるデータを用いて新たにマッチドフィルタを形成し、その期間[i+1]における脈波をフィルタリングするために用いる。次に連続する期間[i+2]も同様である。このように、連続的に、所定期間ごとに、マッチドフィルタを形成し、そのマッチドフィルタを用いて脈波をフィルタリングすることを繰り返していくものである。
【0049】
第3の実施の形態
次に、第3の実施の形態を、図9を用いて説明する。脈波のサンプリング間隔が16msecであること、マッチドフィルタを形成するのに用いるデータ数は1024個分であることは、第1の実施の形態と同様である。そして、期間[i]におけるデータからフーリエ変換を行い、スペクトルの絶対値を求め、下記の(1)〜(3)のいすれかの演算を行うことにより脈波の基本周波数を求め、マッチドフィルタを形成することは、第1の実施の形態と同様である。
【0050】
(1)(Spc.IR−Spc.RD)/Spc.RD
(2)(Spc.IR−Spc.RD)/Spc.IR
(3)(Spc.IR−Spc.RD)/(Spc.IR+Spc.RD)
【0051】
なお、これらの等価の演算式として、次の(1)’〜(3)’を用いても良い。
(1)’{1−(Spc.RD/Spc.IR)}/(Spc.RD/Spc.IR)
(2)’{1−(Spc.RD/Spc.IR)}/(Spc.IR/Spc.IR)
(3)’{1−(Spc.RD/Spc.IR)}/{1+(Spc.RD/Spc.IR)}
【0052】
第3の実施の形態の特徴は、マッチドフィルタを形成する期間を部分的に重複させながら処理する点にある。すなわち、図9において、期間[i]におけるデータを用いて形成したマッチドフィルタは、その期間[i]における脈波をフィルタリングするために用いる。次の新たなマッチドフィルタを形成するための期間[i+1]の開始点は、期間[i]の開始点の例えばデータ64サンプル数分の期間後である。期間[i+1]のデータを用いて形成されたマッチドフィルタは、期間[i]の終期から期間[i+1]の終期までの期間[I+1]における64サンプル分の脈波をフィルタリングするために用いる。さらに、次の新たなマッチドフィルタを形成するための期間[i+2]の開始点は、期間[i+1]の開始点の同じデータ64サンプル数分の期間後である。期間[i+2]のデータを用いて形成されたマッチドフィルタは、期間[i+1]の終期から期間[i+2]の終期までの期間[I+2]における64サンプル分の脈波をフィルタリングするために用いる。同じように、期間[I+3]におけるデータ64サンプル分の脈波をフィルタリングするために用いるマッチドフィルタは、期間[i+2]の開始点から64サンプル数分遅れて開始する期間[i+3]のデータから形成される。このように、所定サンプル数分、マッチドフィルタを形成する期間をずらしつつ、ずらした期間分の終端期間を、形成したマッチドフィルタでフィリタリングしていくものである。なお、本実施の形態では、サンプリング間隔16msecとし、マッチドフィルタを形成する期間を1024個のサンプル数分の期間とし、マッチドフィルタを形成する期間のずらす期間を64サンプル数分の期間としたが、これに限らなくてもよい。
【0053】
第4の実施の形態
次に、第4の実施の形態を、図10を用いて説明する。脈波のサンプリング間隔が16msecであること、スペクトルを求める単位のデータ数は1024個分であることは、第1の実施の形態と同様である。第4の実施の形態の特徴は、脈波のスペクトルの絶対値を求める期間を複数期間ずらして設定し、得られた複数のスペクトルの絶対値を平均化したうえで、マッチドフィルタを形成する点にある。図10に示す期間[i]、期間[i+1]、期間[i+2]、・・・、期間[i+n]、・・・は、データ64サンプル数分、ずらして設定された期間である。各期間[i]、期間[i+1]、期間[i+2]、・・・、期間[i+n]、・・・においては、各1024個のデータサンプルを用いて、フーリエ変換を行いスペクトルの絶対値を求める。そのスペクトル(絶対値;以下同じ)を示した例は、第1の実施の形態で示した図4(a)、図4(b)と同様である。図4(a)には、赤外光(IR)のスペクトル(Spc.IR)が示され、図4(b)には赤色光(RD)のスペクトル(Spc.RD)が示されている。期間[I]における期間[i]〜期間[i+n]におけるフーリエ変換して求められたn個の各スペクトルは、周波数成分毎に、加算平均される。すなわち、赤外光(IR)のスペクトルが加算平均され(Av.Spc.IR)、赤色光(RD)のスペクトルが加算平均(Av.Spc.RD)される。
【0054】
そして、この平均赤外光スペクトル(Av.Spc.IR)と平均赤色光スペクトル(Av.Spc.RD)を用いて、次の(4)〜(6)のいずれかの演算を行うことにより、脈波の基本周波数を検出する。ここでの演算は、同じ周波数ごとの各スペクトルの和差商演算をする。この(4)〜(6)の演算で共通することは、分子として、平均赤外光スペクトル(Av.Spc.IR)と平均赤色光スペクトル(Av.Spc.RD)の差分を用いることである。
【0055】
(4)(Av.Spc.IR−Av.Spc.RD)/Av.Spc.RD
(5)(Av.Spc.IR−Av.Spc.RD)/Av.Spc.IR
(6)(Av.Spc.IR−Av.Spc.RD)/(Av.Spc.IR+Av.Spc.RD)
【0056】
なお、これらの等価の演算式として、次の(4)’〜(6)’を用いても良い。
(4)’{1−(Av.Spc.RD/Av.Spc.IR)}/(Av.Spc.RD/Av.Spc.IR)
(5)’{1−(Av.Spc.RD/Av.Spc.IR)}/(Av.Spc.IR/Av.Spc.IR)
(6)’{1−(Av.Spc.RD/Av.Spc.IR)}/{1+(Av.Spc.RD/Av.Spc.IR)}
【0057】
期間[I]において、脈拍がほとんど変動しなかった場合には脈波の基本周波数におけるスペクトルが際立つのでほぼ一点で決まり、脈拍が大きく変動した場合には脈波の基本周波数におけるスペクトルが際立ってはいるもののその周波数には幅があることは、第1の実施の形態で示した図5(a)、図5(b)と同様である。また、マッチドフィルタの形成方法については、図6(a)〜(c)、図7(a)〜(g)を用いて、第1の実施の形態で説明した方法と同様である。そして得られたマッチドフィルタは、期間[I]における脈波をフィルタリングするために用いる。
【0058】
次に、期間[I+1]における期間[i+1]〜期間[I+n+1]におけるフーリエ変換して求められたn個の各スペクトルは、赤外光(IR)と赤色光(RD)毎に、周波数成分毎に加算平均され、平均赤外光スペクトル(Av.Spc.IR)と平均赤色光スペクトル(Av.Spc.RD)が演算される。そして、この平均赤外光スペクトル(Av.Spc.IR)と平均赤色光スペクトル(Av.Spc.RD)を用いて、上記の(4)〜(6)のいずれかの演算を行うことにより、脈波の基本周波数を検出する。その脈波の基本周波数を用いたマッチドフィルタの形成方法については、上記のように、図6(a)〜(c)、図7(a)〜(g)を用いて、第1の実施の形態で説明した方法と同様である。この期間[I+1]のデータを用いて形成されたマッチドフィルタは、期間[I]の終期から期間[I+1]の終期までの期間[N+1]におけるデータ64サンプルのフィルタリングに用いられる。
【0059】
本実施の形態では、サンプリング間隔16msecとし、スペクトルを求める単位をを1024個のサンプル数分の期間とし、マッチドフィルタを形成する期間のずらす期間を64サンプル数分の期間としたが、これに限らなくてもよい。また、マッチドフィルタを形成する期間のずらす期間を、マッチドフィルタを形成する期間(1024個のサンプル数分の期間)としてもよい。このときは、マッチドフィルタによりフィルタリングする期間は1024個分のデータとなる。ここで、スペクトルの加算平均を用いて脈波の基本周波数を求めることの利点は、n回分の加算平均することにより、脈波と無関係の体動等によるノイズが相殺されて消失し、S/N比が√(n)倍改善されるからである。
【0060】
第5の実施の態様
次に、第5の実施の形態を図3、図11、図12を用いて説明する。本実施の形態の特徴は、脈波の基本周波数を求めるにあたり、赤外光(IR)および赤色光(RD)の脈波の差分をフーリエ変換してスペクトルを求めることにある。赤外光(IR)および赤色光(RD)についての脈波のサンプリング間隔が16msecであること、マッチドフィルタを形成するのに用いるデータ数は1024個分であることは、第1の実施の形態と同様である。まず、期間[i]における赤外光(IR)および赤色光(RD)の脈波の差分をとり、これをaI−aR(=赤外光(IR)脈波−赤色光(RD)脈波とする。次に、この差分脈波を、フーリエ変換をスペクトルの絶対値を求める。この例を図11に示す。これからわかるように、脈波の差分を、フーリエ変換をし、スペクトルを求めるまででは、ノイズ成分のスペクトルが大きく、脈波の基本周波数の検出はむずかしい。そこで、次の(7)〜(9)のいすれかの演算を行うことにより脈波の基本周波数の検出が容易になることを見出した。ここでの演算は、同じ周波数ごとの各スペクトルの和差商演算をする。この(7)〜(9)の演算で共通することは、分子として、赤外光(IR)と赤色光(RD)の脈波の差分をフーリエ変換して求めたスペクトル(Spc.(aI−aR))を用いることである。
【0061】
(7)(Spc.(aI−aR))/Spc.aI
(8)(Spc.(aI−aR))/Spc.aR
(9)(Spc.(aI−aR))/(Spc.aI+Spc.aR)
なお、ここで、
Spc.aI:赤外光(IR)脈波のスペクトル
Spc.aR:赤色光(RD)のスペクトル
【0062】
このうち(9)の演算結果の一例を図12に示す。図12に示す例は、期間[i]において脈拍がほとんど変動しなかった場合のスペクトルの演算結果のグラフである。そのために、脈波の基本周波数におけるスペクトルが際立っており、その周波数はほぼ一点で決まる。なお、期間[i]において脈拍が大きく変動した場合には、脈波の基本周波数におけるスペクトルが際立ってはいるものの、その周波数には幅があることになる。
【0063】
上記(7)〜(9)の演算により、脈波の基本周波数が決定できれば、上述の第1の実施の形態で図6(a)〜(c)、図7(a)〜(g)を用いて説明したように、フィルタリング周波数を決定してマッチドフィルタを形成する。すなわち、脈拍がほとんど変動しなかった場合は、図6(a)に示すように基本周波数とその高調波の周波数をフィルタリング周波数とするか、あるいは、図6(b)、(c)に示すように、基本周波数とその高調波の周波数に幅を持たせた矩形状のものとするか、ガウス・フィルタとする等して、フィルタリング周波数を設定する。脈拍が大きく変動した場合には、脈波の基本周波数に幅があるので、図7(a)〜図7(g)に示すように、脈拍の変動により生じる脈波の基本周波数の幅に応じて、高調波の周波数も合わせて、フィルタリング周波数に幅を持たせたり、あるいはガウス・フィルタとしたりする等して、フィルタリング周波数を設定する。
【0064】
図3の期間[i]の1024個分のデータにより得られたマッチドフィルタは、期間[i]および次のマッチドフィルタを形成する期間[i+1]が開始される前までの期間[I]の脈波をフィルタリングするために用いられる。そして、次のマッチドフィルタを形成する期間[i+1]のデータにより得られたマッチドフィルタは、期間[i]および次のマッチドフィルタを形成する期間が開始される前までの期間[I+1]の脈波をフィルタリングするために用いられる。なお、マッチドフィルタを形成するための期間の設定は、所要の期間毎に設けても良く、あるいは、心拍数、脈拍数などの生体情報パラメータが所定以上変動した場合に設けてもよい。また、本実施の形態では、サンプリング間隔16msecとし、マッチドフィルタを形成する期間を1024個のサンプル数分の期間としたが、これに限らなくともよい。
【0065】
第6の実施の形態
次に、第6の実施の形態を、図8を用いて説明する。脈波のサンプリング間隔が16msecであること、マッチドフィルタを形成するのに用いるデータ数は1024個分であること、赤外光(IR)および赤色光(RD)の脈波の差分をフーリエ変換して得たスペクトルを用いて上記(7)〜(9)のいずれかの演算から基本周波数を求めること、脈波の基本周波数からマッチドフィルタを形成する方法は、第5の実施の形態と同様である。第6の実施の形態の特徴は、マッチドフィルタを形成する期間を連続させる点にある。すなわち、図8において、期間[i]におけるデータを用いて形成したマッチドフィルタは、その期間[i]における脈波をフィルタリングするために用いる。そして、連続する期間[i+1]では、その期間におけるデータを用いて新たにマッチドフィルタを形成し、その期間[i+1]における脈波をフィルタリングするために用いる。次に連続する期間[i+2]も同様である。このように、連続的に、所定期間ごとに、マッチドフィルタを形成し、そのマッチドフィルタを用いて脈波をフィルタリングすることを繰り返していくものである。
【0066】
第7の実施の形態
次に、第7の実施の形態を、図9を用いて説明する。脈波のサンプリング間隔が16msecであること、マッチドフィルタを形成するのに用いるデータ数は1024個分であること、赤外光(IR)および赤色光(RD)の脈波の差分をフーリエ変換して得たスペクトルを用いて上記(7)〜(9)のいずれかの演算から基本周波数を求めること、脈波の基本周波数からマッチドフィルタを形成する方法は、第5の実施の態様と同様である。第7の実施の形態は、マッチドフィルタを形成する期間を部分的に重複させながら処理する点にある。すなわち、図9において、期間[i]におけるデータを用いて形成したマッチドフィルタは、その期間[i]における脈波をフィルタリングするために用いる。次の新たなマッチドフィルタを形成するための期間[i+1]の開始点は、期間[i]の開始点の例えばデータ64サンプル数分の期間後である。期間[i+1]のデータを用いて形成されたマッチドフィルタは、期間[i]の終期から期間[i+1]の終期までの期間[I+1]における64サンプル分の脈波をフィルタリングするために用いる。さらに、次の新たなマッチドフィルタを形成するための期間[i+2]の開始点は、期間[i+1]の開始点の同じデータ64サンプル数分の期間後である。期間[i+2]のデータを用いて形成されたマッチドフィルタは、期間[i+1]の終期から期間[i+2]の終期までの期間[I+2]における64サンプル分の脈波をフィルタリングするために用いる。同じように、期間[I+3]におけるデータ64サンプル分の脈波をフィルタリングするために用いるマッチドフィルタは、期間[i+2]の開始点から64サンプル数分遅れて開始する期間[i+3]のデータから形成される。このように、所定サンプル数分、マッチドフィルタを形成する期間をずらしつつ、ずらした期間分の終端期間を、形成したマッチドフィルタでフィリタリングしていくものである。なお、本実施の形態では、サンプリング間隔16msecとし、マッチドフィルタを形成する期間を1024個のサンプル数分の期間とし、マッチドフィルタを形成する期間のずらす期間を64サンプル数分の期間としたが、これに限らなくてもよい。
【0067】
第8の実施の形態
次に、第8の実施の形態を、図10を用いて説明する。脈波のサンプリング間隔が16msecであること、スペクトルを求める単位のデータ数は1024個分であることは、第5の実施の形態と同様である。第8の実施の形態の特徴は、脈波のスペクトルの絶対値を求める期間を複数期間ずらして設定し、得られた複数のスペクトルの絶対値を平均化したうえで、マッチドフィルタを形成する点にある。図10に示す期間[i]、期間[i+1]、期間[i+2]、・・・、期間[i+n]、・・・は、データ64サンプル数分、ずらして設定された期間である。各期間[i]、期間[i+1]、期間[I+2]、・・・、期間[i+n]において、各1024個のデータサンプル毎に、次に演算を行う。
【0068】
(1) 赤外光(IR)の脈波と赤色光(RD)の脈波の差分(aI−aR)をフーリエ変換してスペクトルSpc(aI−aR)を求める。
(2) 赤外光(IR)の脈波および/または赤色光(RD)の脈波をフーリエ変換することにより、スペクトルSpc.IRおよび/またはSpc.RDを求める。
(3) 各期間[i]、期間[i+1]、期間[i+2]、・・・、期間[i+n]のn個分のスペクトルSpc(aI−aR)を加算平均し、Av.Spc(aI−aR)を求める。
(4) 各期間[i]、期間[i+1]、期間[i+2]、・・・、期間[i+n]のn個分のスペクトルSpc.IRおよび/またはSpc.RDを加算平均し、Av.Spc.IRおよび/またはAv.Spc.RDを求める。
(5) 次の(10)〜(12)のいずれかを演算することにより、脈波の基本周波数を求める。
(10)(Av.Spc.(aI−aR))/Av.Spc.RD
(11)(Av.Spc.(aI−aR))/Av.Spc.IR
(12)(Av.Spc.(aI−aR))/(Av.Spc.IR+Av.Spc.RD)
【0069】
上記(10)〜(12)の演算で共通することは、分子として、赤外光(IR)の脈はと赤色光(RD)の脈波の差分のスペクトルを平均化した(Av.Spc.(aI−aR))を用いることである。上記(12)による演算結果は、ほぼ図12に示すようになるが、加算平均することによりノイズ成分が相殺され消失するので、脈波の基本周波数はより検出し易くなる。
【0070】
期間[I]において、脈拍がほとんど変動しなかった場合には脈波の基本周波数におけるスペクトルが際立つのでほぼ一点で決まり、脈拍が大きく変動した場合には脈波の基本周波数におけるスペクトルが際立ってはいるもののその周波数には幅があることは、図5(a)、図5(b)を用いて説明した第1の実施の形態と同様である。また、マッチドフィルタの形成方法については、図6(a)〜(c)、図7(a)〜(g)を用いて、第1の実施の形態で説明した方法と同様である。そして得られたマッチドフィルタは、期間[I]における脈波をフィルタリングするために用いる。
【0071】
次に、期間[I+1]におけるマッチドフィルタの形成方法は、期間[I]におけるマッチドフィルタの形成方法と同様である。すなわち、各期間[i+1]〜期間[i+n+1]のデータを用いて、上記(1)〜(5)の処理を行って、脈波の基本周波数を求める。そして、それを用いて、図6(a)〜図7(g)を用いて第1の実施の形態で説明した方法によりマッチドフィルタを形成する。この期間[I+1]のデータを用いて形成されたマッチドフィルタは、期間[I]の終期から期間[I+1]の終期までの期間[N+1]におけるデータ64サンプルのフィルタリングに用いられる。さらに、同様にして期間[I+2]におけるマッチドフィルタは期間[N+2]のデータをフィルタリングするのに用いられ、期間[I+3]におけるマッチドフィルタは、期間[N+3]のデータをフィルタリングするのに用いられる。この処理が繰り返される。
【0072】
本実施の形態では、サンプリング間隔16msecとし、スペクトルを求める単位を1024個のサンプル数分の期間とし、マッチドフィルタを形成する期間のずらす期間を64サンプル数分の期間としたが、これに限らなくてもよい。また、マッチドフィルタを形成する期間のずらす期間を、マッチドフィルタを形成する期間(1024個のサンプル数分の期間)としてもよい。このときは、マッチドフィルタによりフィルタリングする期間は1024個分のデータとなる。
【0073】
ここで、アルゴリズムの設計に際し、考慮すべき点について述べる。フーリエ変換の分解能は、フーリエ変換に用いるデータ長の逆数によってきまる。本実施の形態であれば、フーリエ変換に用いるデータ長は16.384[秒](=1024×16msec)であるから、分解能は0.061[Hz]=1/16.384[秒]である。このように設計上は必要とするフーリエ変換の分解能を考慮する。また、表示器には、フィルタされた脈波を連続的に表示させる必要があることから、(1)表示器に表示させる脈波の時間長、(2)脈波のリアルタイム表示として許容される生体に現れる脈波の出現と表示器での表示時期の時間差、(3)逐次検出される脈波を記憶し上記各種の実施の形態によって処理できる時間、等をも考慮する必要があろう。
【0074】
第9の実施の形態
次に、第9の実施の形態を説明する。赤外光(IR)の脈波と赤色光(RD)の脈波が検出された後は、少なくともそのいずれか一方を用いて、従来用いられる脈拍数を求める。そして、脈拍の周波数を脈波の基本周波数として、図7(a)〜(g)を用いて第1の実施の形態で説明したマッチドフィルタの形成方法により、マッチドフィルタの形成方法を形成する。形成されたマッチドフィルタは、赤外光(IR)の脈波と赤色光(RD)の脈波をフィルタリングするために用いられる。脈拍数は逐次検出されるため、それに応じて逐次マッチドフィルタを形成することができ、脈拍数の変動に追随して、マッチドフィルタのフィルタリング周波数をシフトさせることができる。なお、脈波測定によって得られる脈拍数と心電図測定によって得られる心拍数はほぼ同じであるから、本実施の態様において、脈波の基本周波数を求めるために、心電図測定を行い、心拍の周波数を脈波の基本周波数として用いても良い。
【0075】
前述した実施の形態では、9つの実施の形態を例示したが、状況に応じて、これらを連続的に切り換えて実施してもよい。例えば、計測初期段階は、スペクトルを加算平均するデータが十分ないため、加算平均を行わない第1ないし第3の実施の形態、あるいは第5ないし第7および第9の実施の形態を採用してもよい。あるいは、第4または第8の実施の形態において、加算平均回数nを少なくしてもよい。そして、十分データが蓄積されてきたら、第4または第8の実施の形態において、加算平均回数nを徐々に多くしてもよい。いずれにしても、経時的に変化していく脈波の基本周波数に応じてマッチドフィルタを形成する点で、マッチドフィルタはアダプティブであると言える。
【0076】
なお、上記実施の形態では、脈波の基本周期を求めるにあたり、各波長の脈波のスペクトルの絶対値を用いたが、これに代えて、パワースペクトルであってもよい。本願に係るスペクトルとはスペクトルの絶対値の他、パワースペクトルをも含む概念である。
【0077】
また、第1ないし第3の実施の形態では、脈波の基本周波数の特定のために、下記(1)〜(3)の演算を用いた。
(1)(Spc.IR−Spc.RD)/Spc.RD
(2)(Spc.IR−Spc.RD)/Spc.IR
(3)(Spc.IR−Spc.RD)/(Spc.IR+Spc.RD)
【0078】
これに代えて、赤色光の波長の吸光度の脈動成分をΔA1、赤外光の波長の吸光度の脈動成分をΔA2とした時、ΔA1、ΔA2の時間軸上での差を求め、その差分信号を上記説明したのと同様の所定期間におけるデータサンプルを用いてフーリエ変換を行いスペクトルの絶対値を求め、基本周波数を検出しても良い。
【0079】
各実施の形態によりフィルタされた赤外光(IR)の脈波と赤色光(RD)の脈波は表示器により表示させることができる。表示器に表示させるのは、いずれか一方でもよい。また、フィルタされた赤外光(IR)の脈波、赤色光(RD)の脈波を用いて、既存の方法等によりSpO2値(酸素飽和度)を求めることができる。すなわち、赤色光のフィルタされた脈波から求めた脈動成分をΔA1、赤外光のフィルタされた脈波から求めた脈動成分をΔA2とし、吸光度の比Ф=ΔA1/ΔA2を求め、所定関係、酸素飽和度S=f(Ф)より酸素飽和度を求める。
【0080】
なお、上記実施の形態では、脈波信号から基本周波数を求め、マッチドフィルタを形成し、このフィルタによりノイズを除去することを例に挙げた。しかし、本発明における基本周波数を求める演算と、ノイズを除去する処理についての適用は脈波信号に留まらず、他の生体信号あるいは、生体信号に留まらずより広くは工業的な信号一般にも適用可能である。特に、周期性を有する連続的な信号や、同じ基本周波数を有する2つの信号への応用に適している。したがって、上記実施の形態において、赤外光(IR)の脈波と赤色光(RD)の脈波を、同じ基本周波数を有する2つの工業一般的信号と置き換えて適用することができる。それに伴って、Spc.IR、Spc.RD、Av.Spc.IR 、Av.Spc.RDを、工業一般的信号をフーリエ変換して得られたスペクトルと置き換えて適用することができる。
【0081】
【発明の効果】
以上詳記したように、本発明の請求項1に係る脈波信号処理方法によれば、第1の信号IRと第2の信号RDとが同じ基本周波数を有しているために、第1の信号IRと第2の信号RDを用いてそれぞれのスペクトルの(Spc.IR−Spc.RD)または{1−(Spc.RD/Spc.IR)}に基づいて演算することで、信号にノイズが含まれていても精度よく信号の基本周波数を演算することができる。また、ノイズに起因する成分を抑制することができ、基本周波数をより抽出し易くすることができる
【0082】
本発明の請求項2に係る脈波信号処理方法によれば、スペクトルの加算平均演算を用いることにより、スペクトルに現れるノイズを抑制して信号の基本周波数を演算することができる。
【0083】
本発明の請求項3に係る脈波信号処理方法によれば、加算平均されたスペクトルを演算に用いることにより、ノイズに起因する成分を抑制することができ、基本周波数をより抽出し易くすることができる。
【0084】
本発明の請求項4に係る脈波信号処理方法によれば、ノイズが除去された脈波信号から、脈波信号の特徴的な周波数成分である基本周波数成分とその高調波の周波数成分を抽出し、脈波信号を形成することができる。
【0085】
本発明の請求項5に係る脈波信号処理方法によれば、基本周波数が変動した場合であっても、各基本周波数成分とその各々の高調波の周波数成分を抽出し、脈波信号を形成することができる。
【0086】
本発明の請求項6に係る脈波信号処理方法によれば、基本周波数とその高調波の周波数の周辺の周波数成分をも取り込んで、脈波信号を形成することができる。
【0087】
本発明の請求項7に係る脈波信号処理方法によれば、基本周波数とその高調波の周波数の周辺の周波数成分をガウス分布的に取り込んで、脈波信号を形成することができる。
【0088】
本発明の請求項8に係る脈波信号処理方法によれば、生体の脈波信号から基本周波数を求め、その特徴的な周波数成分を抽出し、脈波信号を形成することができる。
【0089】
本発明の請求項9に係る脈波信号処理方法によれば、生体の脈波信号から脈波の特徴的な周波数成分を抽出し、脈波信号を形成し、表示することができる。
【0090】
本発明の請求項10に係る脈波信号処理方法によれば、フィルタされた脈波を用いて精度良く酸素飽和度を演算することができる。
【0091】
本発明の請求項11に係る脈波信号処理方法によれば、脈動成分の差を演算して脈波の基本周波数を求めるに際し、スペクトルの加算平均を演算することによってノイズを抑制でき、より脈波の基本周波数を抽出し易くすることができる。
【0092】
本発明の請求項12に係る脈波信号処理方法によれば、脈波信号の特徴が現れる基本周波数とその高調波の周波数の周波数成分を抽出し、脈波を形成するためのフィルタを形成することができる。
【0093】
本発明の請求項13に係る脈波信号処理方法によれば、脈波信号の基本周波数が変動する場合であっても、その各基本周波数とその各々の高調波の周波数の周波数成分を抽出し、脈波信号を形成するためのフィルタを形成することができる。
【0094】
本発明の請求項14に係る脈波信号処理方法によれば、基本周波数とその高調波の周波数の周辺の周波数成分をも取り込んで、脈波信号を形成することができる。
【0095】
本発明の請求項15に係る脈波信号処理方法によれば、基本周波数とその高調波の周波数の周辺の周波数成分をガウス分布的に取り込んで、脈波信号を形成することができる。
【0096】
本発明の請求項16に係る脈波信号処理方法によれば、フィルタされた脈波信号を表示することができる。
【0097】
本発明の請求項17に係る脈波信号処理方法によれば、フィルタされた脈波を用いて精度良く酸素飽和度を演算することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る脈波信号処理を行う酸素飽和度測定装置の構成を示すブロック結線図である。
【図2】 本発明の実施の形態に係る脈波信号処理のプログラムを示すフローチャート図である。
【図3】 本発明の実施の形態に係る脈波信号処理のタイムチャートを示す説明図である。
【図4】 (a)は赤外光脈波のスペクトルを示す特性線図、(b)は赤色光脈波のスペクトルを示す特性線図である。
【図5】 (a)は脈波の基本周波数を求めるためのスペクトルの演算結果を示す特性線図、(b)は脈波の基本周波数を求めるためのスペクトルの演算結果を示す特性線図である。
【図6】 (a)は脈波をフィルタするためのフィルタリング周波数の特性線図、(b)は脈波をフィルタするための矩形状の周波数特性フィルタの特性線図、(c)は脈波をフィルタするためのガウス特性フィルタの特性線図である。
【図7】 (a)は脈波をフィルタするための矩形状の周波数特性フィルタの特性線図、(b)は脈波をフィルタするための矩形状の周波数特性フィルタの特性線図、(c)は脈波をフィルタするための矩形状の周波数特性フィルタの特性線図、(d)は脈波をフィルタするためのガウス特性フィルタの特性線図、(e)は脈波をフィルタするためのガウス特性フィルタの特性線図、(f)は脈波をフィルタするためのガウス特性フィルタの特性線図、(g)は脈波をフィルタするためのフィルタリング周波数の特性線図である。
【図8】 本発明の実施の形態に係る脈波信号処理のタイムチャートを示す説明図である。
【図9】 本発明の実施の形態に係る脈波信号処理のタイムチャートを示す説明図である。
【図10】 本発明の実施の形態に係る脈波信号処理のタイムチャートを示す説明図である。
【図11】 赤外光脈波と赤色光脈波の差分のスペクトルを示す特性線図である。
【図12】 脈波の基本周波数を求めるためのスペクトルの演算結果を示す特性線図である。
【符号の説明】
1 プローブ
2 発光部
3 受光部
4 生体組織(指)
5 発光部駆動回路
6 受光信号増幅回路
7 復調回路
8 CPU
9a 増幅器
9b 増幅器
10a A/D変換器
10b A/D変換器
11 表示部

Claims (17)

  1. 同じ基本周波数を有し連続する第1の信号IRおよび第2の信号RDを処理する脈波信号処理方法において、
    前記第1の信号IRおよび前記第2の信号RDのそれぞれについて、前記脈波信号のサンプル数に基づく一定の期間において、周波数スペクトルまたは周波数パワースペクトルを演算し、前記第1の信号IRの第1スペクトルSpc.IRと、前記第2の信号RDの第2スペクトルSpc.RDとを、それぞれ演算するスペクトル演算ステップと、
    前記スペクトル演算ステップにより演算された前記第1スペクトルSpc.IRおよび前記第2スペクトルSpc.RDを用い、周波数軸上で、相互の差をとるスペクトルを演算し、または相互の差をとるスペクトルの演算に加えてさらに正規化するスペクトルを演算し、その結果に基づいて前記第1の信号IRおよび前記第2の信号RDの基本周波数を演算する基本周波数演算ステップと、を含み、
    前記基本周波数演算ステップにおいては、
    (Spc.IR−Spc.RD)/Spc.RD、
    (Spc.IR−Spc.RD)/Spc.IR、
    (Spc.IR−Spc.RD)/(Spc.IR+Spc.RD)、
    {1−(Spc.RD/Spc.IR)}/(Spc.RD/Spc.IR)、
    {1−(Spc.RD/Spc.IR)}/(Spc.IR/Spc.IR)、または
    {1−(Spc.RD/Spc.IR)}/{1+(Spc.RD/Spc.IR)}
    のうちいずれかのスペクトルの演算結果に基づいて、前記基本周波数を演算することを特徴とする脈波信号処理方法。
  2. 同じ基本周波数を有し連続する第1の信号IRおよび第2の信号RDを処理する脈波信号処理方法において、
    前記第1の信号IRおよび前記第2の信号RDのそれぞれについて、前記脈波信号のサンプル数に基づく一定の期間において、周波数スペクトルまたは周波数パワースペクトルを演算し、前記第1の信号IRから第1スペクトルSpc.IRを、前記第2の信号RDから第2スペクトルSpc.RDを、それぞれ演算するスペクトル演算ステップと、
    前記スペクトル演算ステップによる前記第1スペクトルSpc.IRおよび前記第2スペクトルSpc.RDの複数回分を加算平均するスペクトル加算平均演算ステップと、
    前記スペクトル加算平均演算ステップにより加算平均された前記第1スペクトルAv.Spc.RDおよび加算平均された前記第2スペクトルAv.Spc.RDを用い、周波数軸上で、相互の差をとるスペクトルを演算し、または相互の差をとるスペクトルの演算に加えてさらに正規化するスペクトルを演算し、その結果に基づいて、前記第1の信号IRおよび前記第2の信号RDの基本周波数を演算する基本周波数演算ステップと、を含むことを特徴とする脈波信号処理方法。
  3. 請求項2に記載の脈波信号処理方法において、
    前記基本周波数演算ステップにおいては、
    (Av.Spc.IR−Av.Spc.RD)/Av.Spc.RD、
    (Av.Spc.IR−Av.Spc.RD)/Av.Spc.IR、
    (Av.Spc.IR−Av.Spc.RD)/(Av.Spc.IR+Av.Spc.RD)、
    {1−(Av.Spc.RD/Av.Spc.IR)}/(Av.Spc.RD/Av.Spc.IR)、
    {1−(Av.Spc.RD/Av.Spc.IR)}/(Av.Spc.IR/Av.Spc.IR)、または
    {1−(Av.Spc.RD/Av.Spc.IR)}/{1+(Av.Spc.RD/Av.Spc.IR)}
    のうちいずれかのスペクトルの演算結果に基づいて、前記基本周波数を演算することを特徴とする脈波信号処理方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の脈波信号処理方法において、
    さらに、前記基本周波数演算ステップによって演算された前記基本波周波数およびその高調波を用いてフィルタを形成するフィルタ形成ステップと、
    前記フィルタ形成ステップにより形成されたフィルタにより、少なくとも前記第1の信号IRまたは前記第2の信号RDをフィルタリングするフィルタリングステップと、を含むことを特徴とする脈波信号処理方法。
  5. 請求項に記載の脈波信号処理方法において、
    前記フィルタ形成ステップは、前記基本周波数演算ステップによって演算された前記基本周波数が複数ある場合には、各基本周波数とその各々の高調波の周波数を用いてフィルタを形成することを特徴とする脈波信号処理方法。
  6. 請求項4または5に記載の脈波信号処理方法において、
    前記フィルタ形成ステップにおいて、前記フィルタの特性は、前記基本周波数およびその高調波の周波数をそれぞれ中心として幅を持った矩形状であることを特徴とする脈波信号処理方法。
  7. 請求項4または5に記載の脈波信号処理方法において、
    前記フィルタ形成ステップにおいて、前記フィルタは、前記基本周波数およびその高調波の周波数をそれぞれ中心としたガウス特性フィルタであることを特徴とする脈波信号処理方法。
  8. 請求項1ないし 7 のいずれかに記載の脈波信号処理方法において、
    前記第1の信号IRおよび第2の信号RDはいずれも脈波信号であることを特徴とする脈波信号処理方法。
  9. 請求項4ないし 7 のいずれかに記載の脈波信号処理方法において、
    前記第1の信号IRおよび第2の信号RDはいずれも脈波信号であり、
    さらに、前記フィルタリングステップにおいて前記第1の信号IRまたは前記第2の信号RDのうちフィルタリングした方の信号を表示するステップを、含むことを特徴とする脈波信号処理方法。
  10. 請求項4ないし 7 のいずれかに記載の脈波信号処理方法において、
    前記第1の信号IRは生体の動脈を透過または反射した赤外光により得られた脈波信号であり、
    前記第2の信号RDは生体の動脈を透過または反射した赤色光により得られた脈波信号であり、
    前記フィルタリングステップにおいて前記第1の信号IRおよび前記第2の信号RDのいずれをもフィルタリングし、
    さらに、前記フィルタリングステップにおいてフィルタされた前記第1の信号IRまたは前記第2の信号RDを用いて酸素飽和度を演算する酸素飽和度演算ステップを、含むことを特徴とする脈波信号処理方法。
  11. 同じ基本周波数を有する生体の第1の脈波信号と第2の脈波信号を処理する脈波信号処理方法において、
    前記第1の脈波信号の脈動成分ΔA1を検出する第1の脈動成分検出ステップと、
    前記第2の脈波信号の脈動成分ΔA2を検出する第2の脈動成分検出ステップと、
    前記第1の脈波信号の脈動成分と前記第2の脈波信号の脈動成分の差を演算する脈動成分演算ステップと、
    前記脈波信号のサンプル数に基づく一定の期間において、周波数スペクトルまたは周波数パワースペクトルを演算することを複数回行うスペクトル演算ステップと、
    前記複数回分演算されたスペクトルを加算平均するスペクトル加算平均演算ステップと、
    前記加算平均されたスペクトルから前記脈波信号の基本周波数を演算する基本周波数演算ステップと、を含むことを特徴とする脈波信号処理方法。
  12. 請求項11に記載の脈波信号処理方法において、
    前記基本周波数演算ステップによって演算された前記基本周波数およびその高調波の周波数を用いてフィルタを形成するフィルタ形成ステップと、
    前記フィルタ形成ステップにより形成されたフィルタにより、少なくとも前記第1の脈波信号または前記第2の脈波信号をフィルタリングするフィルタリングステップと、を含むことを特徴とする脈波信号処理方法。
  13. 請求項12に記載の脈波信号処理方法において、
    前記フィルタ形成ステップは、前記基本周波数演算ステップによって演算された前記基本周波数が複数ある場合には、各基本周波数とその各々の高調波の周波数を用いてフィルタを形成することを特徴とする脈波信号処理方法。
  14. 請求項12または13に記載の脈波信号処理方法において、
    前記フィルタ形成ステップにおいて、前記フィルタの特性は、前記基本周波数およびその高調波の周波数をそれぞれ中心として幅をもった矩形状であることを特徴とする脈波信号処理方法。
  15. 請求項12または13に記載の脈波信号処理方法において、
    前記フィルタ形成ステップにおいて、前記フィルタは、前記基本周波数およびその高調波の周波数をそれぞれ中心としたガウス特性フィルタであることを特徴とする脈波信号処理方法。
  16. 請求項12ないし15のいずれかに記載の脈波信号処理方法において、
    さらに、前記フィルタリングステップにおいて前記第1の脈波信号または前記第2の脈波信号のうちフィルタリングした方の脈波信号を表示するステップを、含むことを特徴とする脈波信号処理方法。
  17. 請求項12ないし15のいずれかに記載の脈波信号処理方法において、
    前記第1の脈波信号は生体の動脈を透過または反射した赤色光により得られた脈波信号であり、
    前記第2の脈波信号は生体の動脈を透過または反射した赤外光により得られた脈波信号であり、
    前記フィルタリングステップにおいて前記第1の脈波信号および前記第2の脈波信号のいずれをもフィルタリングし、
    さらに、前記フィルタリングステップにおいてフィルタされた前記第1の脈波信号または前記第2の脈波信号を用いて酸素飽和度を演算する酸素飽和度演算ステップを、含むことを特徴とする脈波信号処理方法。
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