JP3922722B2 - 温度変化を生じるトイレット訓練補助具 - Google Patents

Description

本発明は、トイレット訓練過程を助ける吸収性物品に関する。特に本発明は、排尿時に感知できる温度変化を着用者に与える、訓練用パンツのような吸収性物品に関する。
おしめや訓練用パンツのような吸収性物品は、人体排出物を吸収するのに有用である。このような製品、特に使い捨ておしめや訓練用パンツは、着用者が比較的乾燥状態で快適であるような点まで発展してきている。例えば、現在の使い捨て訓練用パンツ及びおしめは、液体を急速に吸引し、着用者の肌から離れるようにする能力を備えている。
トイレット訓練過程の最初の段階は、排尿が生じていることを子供に認識させることである。これは、乾燥及び快適性環境を維持する多くの吸収性物品の能力向上により与えられる大きなハードルである。事実、排尿が生じていることの外部からの信号は比較的少なくなる。排尿は、子供の注意を逸らす傾向のある活動中に起きることもあり、いつ排尿が生じるか、ということを認識する能力は、さらに妨げられることになる。
したがって、業界で欠如し、かつ、求められているものは、排尿が生じるときを明確に着用者に示す吸収性物品である。
本発明は、上述した問題を解決することを意図する。この目的は、独立請求項１による吸収性物品により達成される。
本発明の他の利点、特徴、態様及び詳細は、従属請求項、以下の説明及び図面から明らかになる。特許請求の範囲の記載は、本発明を一般的な形で定義するための限定的でない最初のアプローチと理解すべきである。
従来技術における前述の欠点に対応して、新規な吸収性物品が開発された。本発明の吸収性物品は、尿のような水性液に接触したとき温度変化を与える。その結果、着用者は顕著な温度変化を感じることになり、着用者に排尿が生じたことを認識させる助けとなる。
一つの態様においては、本発明は、湿分バリヤーと、該湿分バリヤー上に配置された吸収性組立体と、該吸収性組立体とともに配置された温度変化部材とを備える吸収性物品に関する。温度変化部材は、約６J/cm²から約125.6J/cm²（30cal/cm²）までの全エネルギ変化を与えることが可能な物質を含む。
他の態様においては、本発明は、湿分バリヤーと、該湿分バリヤー上に配置された吸収性組立体と、該吸収性組立体とともに配置され温度変化物質を含む温度変化部材とを備えた吸収性物品に関する。吸収性物品は、濡れたとき、摂氏で約2.8から約13.8度（華氏で約５から約25度）の温度変化を与える。
温度変化物質は、尿に接触したとき熱を吸収するか放出する。温度変化物質が熱を吸収すると、着用者は冷たい感じを受け、該物質が熱を放出すると、着用者は温かい感じを受ける。いずれの場合にも、吸収物品は、着用者に排尿が生じたことの明確な指示を与える。
本発明の多くの特徴と利点は、以下の説明により明らかになるであろう。この説明においては、本発明の好ましい実施例を示す図面を参照する。この実施例は本発明の全範囲を表すものではない。したがって、本発明の全範囲を解釈するためには、特許請求の範囲の記載を参照すべきである。
図１は、本発明の吸収性物品を、組立の中間段階において、平坦な伸ばした状態で、表示のために一部は破断して示す平面図である。
図２は、図１の線２−２の面でほぼとった断面図である。
図３は、図１に示す吸収性物品の温度変化部材を、表示のため一部破断して示す平面図である。
図４は、図１に示す吸収性物品を完全組立状態で示す斜視図である。
図５は、本発明の別の吸収性物品を、組立の中間段階において、平坦な伸ばした状態で示す平面図である。
図６は、図５に示す吸収性物品の温度変化部材を、表示のため一部破断して示す平面図である。
図７は、図６の線７−７の面でほぼとった断面図である。
図８は、本発明の別の温度変化部材の断面図である。
図９は、本発明の別の吸収性物品を、組立の中間段階において、平坦な伸ばした状態で、表示のために一部は破断して示す平面図である。
この明細書の内容において、各用語又は述語は、以下の意味を持つ。
(a) 「ボンドした」は、２つの要素を接合し、接着し、結合し、取り付けすること等を意味する。２つの要素が互いに直接にボンドされたとき、又は、各々が直接的に中間要素にボンドされたときのように間接的に互いにボンドされたとき、これらはボンドされた、と考えられる。
(b) 「配置された」、「上に配置された」、「とともに配置された」、「に配置された」、「近くに配置された」及びそれらの変形は、一つの要素が他の要素と一体でもよく、又は、一つの要素が他の要素とは別の構造で、該他の要素にボンドされ、又は該他の要素とともに配置され、或いは該他の要素の近くに配置されてもよいことを意味する意図で使用される。
(c) 「ファブリック」は、織成され、編成され、或いは不織状態の繊維ウエブのすべてを意味するように使用される。
(d) 「フィラメント」は、長さ対直径又は幅について高い比を有する部材を意味する。したがって、フィラメントは、ファイバー、糸、紐、ヤーンその他の部材、又はその組み合わせである。
(e) 「液体不透過性」は、層又は積層体について使用される場合には、通常の使用条件で、尿のような液体が、その接触点における層又は積層体の平面に直角な方向に該層又は積層体を通過しないことを意味する。
(f) 「部材」は、単数として使用される場合には、単一の要素又は複数の要素の２つの意味を持つ。
(g) 「不織ウエブ」は、織成又は編成工程の助けなしに形成される材料のウエブを意味する。
(h) 「三次元」は、下着、ショーツ、パンツと同様な衣類のように、該衣類の材料により境界された連続的な脚部開口とウエスト開口を有する衣類を意味する。
これらの定義は、本明細書の他の部分では別の用語で定義されることもある。
図１ないし図４を参照すると、本発明により形成された吸収性物品２０が、子供が使用する三次元の使い捨て訓練用パンツを示す目的で図示されている。訓練用パンツ２０は、排尿のときに顕著な温度変化感覚を生じさせるような位置に用いられた温度変化部材２２を備える。温度変化感覚は子供にとって認識できるので、排尿が生じる時を認識する子供の能力が高められる。本発明は、おしめや成人用の失禁製品のような他の形式の吸収性物品にも実施できる。この訓練用パンツ２０をさらに詳細に説明する。
訓練用パンツ２０が、組立の中間段階の平坦で伸ばした状態で、図１に示してあり、完全に組み立てた状態で図４に示してある。訓練用パンツ２０は、長さ方向に間隔をもって対向する前後端縁２４、２６と、該端縁間に対向して延びる粗は縁２８を有する。各側縁２８は、凹物品領域３０を備え、該凹物品領域３０の各端に耳部３２が形成されることが好ましい（図１）。訓練用パンツ２０は又、図１に矢印３４、３６で表される立て方向及び横方向軸線を定める。
訓練用パンツ２０は、図１に示す中間段階から、各側縁２８の耳部３２を互いに永久的にボンドすることにより組立られる。これは、図４に再固定できないシーム３８として示されている。シーム３８は、手で裂くことができるものとすることができ、超音波接合、接着剤ボンド、熱シール、粘着テープ等のような適当な手段により形成することができる。そのようなシームを形成する一つの適当な方法は、1990年７月３日にバン・ゴムペルらに与えられた米国特許第4,938,753号に開示されており、この特許は参照としてここに組み込まれる。
完成した訓練用パンツ２０は三次元であり、したがってウエスト開口４０と２つの脚部開口４２を形成する（図４）。完成した訓練用パンツ２０は、全体として脚開口４２の間に配置された股領域４４を有する。股領域４４は、着用されたとき着用者の脚の間に位置して着用者の下胴を覆う、パンツ２０の部分を構成する。訓練用パンツ２０の前ウエスト領域４６は、ほぼ股領域４４から前端縁２４に延び、後ウエスト領域４８は股領域４４から後端縁２６に延びる。一般に、ウエスト領域４６、４８の長さの程度は、パンツ２０の端縁２４、２６と凹部領域３０の間の側縁２８に沿って計った距離に関係する。訓練用パンツ２０は又、内面５０と反対側の外面５２を有する。
図１、図２を特に参照すると、図示した訓練用パンツ２０は湿分バリヤー５６と身体側ライナー５８の間に挟まれた吸収組立体５４を備える。湿分バリヤー５６及びライナー５８は、吸収組立体５４より長く、接着剤、熱ボンド、超音波接合又は他の適当な手段により互いにボンドされることが望ましい。さらに、吸収組立体５４は、湿分バリヤー５６上に配置され、接着剤、熱ボンド、超音波接合又は他の適当な手段を用いて該バリヤーに直接ボンドされる。ライナー５８も同様に吸収組立体５４に直接にボンドしてもよい。
吸収組立体５４は、セルロース繊維（すなわち木質パルプのフラフ）の空気形成したバット、又はセルロース繊維と合成ポリマー繊維の混合物からなるコフォーム材料のような種々の吸収性材料から形成できる。吸収組立体５４は又、その吸収性を増大させるための化合物、たとえば有機湿又は無機質の高吸収性材料のような、代表的にはその重量の少なくとも約１５倍、望ましくは２５倍以上の水を吸収することができる材料を０ないし９５重量％含むこともできる。適当な高吸収性材料は、１９８７年１０月１３日にケレンバーガーらに与えられた米国特許第4,699,823号及び１９９２年９月１５日にケレンバーガーらに与えられた米国特許第5,147,343号に記載されており、これらの特許は、参照としてここに組み入れられる。高吸収性材料は、ダウケミカルカンパニー、ヘキストセラニーズコーポレーション、及びアライドコライズインコーポレーテッドのような種々の商業的販売者から入手できる。吸収組立体５４は又、繊維吸収材の一体性を維持するのを助けるか、又は液体移送を助けるティッシュ一層又は受け取り或いは分配層（図示せず）を含むこともできる。
湿分バリヤー５６は、たとえば単層のフィルム、織成材料、不織材料その他の適当な液体透過性又は不透過性材料から構成することができる。湿分バリヤー５６は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルその他同様な材料のようなプラスチックフィルムの薄いほぼ液体不透過性のウエブ又はシートから構成することができる。或いは、湿分バリヤー５６は、ほぼ液体不透過性に構成され、又は配置された不織繊維ウエブから構成することができる。さらに別の構成として、湿分バリヤー５６は、熱ボンドされたプラスチックフィルムと不織ウエブ複合体、又は延伸ボンドされた積層体のような、層状体又は積層体から形成することもできる。
訓練用パンツ２０は又、一対の側部パネル６０を備える。各々の側部パネル６０は、吸収組立体５４から外向きに延びて、湿分バリヤー５６、身体側ライナー５８、又はその両方に、接着剤、熱ボンド、超音波ボンドその他適当な手段を用いてボンドされる。側部パネル６０は、パンツの凹部領域３０と耳部３２を形成するような形状にすることが好ましい。或いは、訓練用パンツ２０は、４つの側部パネルを使用し、各側部パネルがパンツの個々の耳部３２を構成するように形成することもできる。
側部パネル６０は、訓練用パンツ２０の横軸線３６に平行な方向に伸びることができる弾性材料から形成することが望ましい。さらに、側部パネル６０は又、呼吸可能材料と呼ばれる気体透過性材料から形成してもよい。たとえば、側部パネル６０は、単層の多孔フィルム、織成材料、不織材料その他の適当な液体透過性又は液体不透過性材料から構成してもよい。側部パネル６０は又、予め伸長させられた弾性メルトブロー内層が１平方メートル当たり13.6グラムの秤量を有する一対のスパンボンドのポリプロピレン不織ウエブの間に挟まれた形態のストレッチボンドの積層体のような、積層材料から形成してもよい。適当な弾性材料はテキサス州ヒューストン所在のシェルケミカルカンパニーからクラトンの商標で購入することができる。
一実施例においては、側部パネル６０は、予め伸長された弾性メルトブロー内層が一平方メートル当たり約１８グラム（gsm）の秤量を有し、この内層が、約14.9gsmの秤量をそれぞれ有する一対のスパンボンドのウエブの間に挟まれて、ストレッチボンドされる。スパンボンドのウエブは、約５０重量％のポリプロピレンと約５０重量％のポリエチレンが横に並んだ形状の２成分繊維からなる。或いは、弾性メルトブロー層の代わりに適当な弾性紐を使用してもよい。
訓練用パンツ２０は又、適合性及び性能を高めるために、脚部弾性部材６２及びウエスト弾性部材６４を、湿分バリヤー５６、身体側ライナー５８、或いはその両者にボンドしてもよい（図１）。特に、脚部弾性部材６２は、股領域４４を通して各側縁２８に沿って湿分バリヤー５６に接合される。また、ウエスト弾性部材６４は、前後端縁２４、２６に沿って湿分バリヤー５６に接合される。弾性部材６２、６４は、接着剤、熱ボンド、超音波ボンド、縫い付け、その他の適当な手段によりボンドすることができる。弾性部材６２、６４は、ストレッチボンドにより湿分バリヤー５６にボンドしても、弛緩状態で湿分バリヤー５６のギャザー部分にボンドしてもよく、或いはそれら２つの組み合わせでもよい。弾性部材６２、６４を取り付けるための適当な方法が1987年２月７日にアレスらに与えられた米国特許第4,639,949に開示されており、これを参照としてここに組み入れる。
先に述べたように、排尿時に顕著て温度変化感覚を生じるために、温度変化部材２２が配置され、使用される。温度変化は、温度変化物質７０により生じるものであり、この温度変化物質は、図１から図３までの実施例では、一対の収容層７２間に捕捉された粒子の形態である。収容層７２は、温度変化物質７０を収容し、その移動を制限するコンテナ７４を形成する。図示するように、温度変化部材２２は又、液体をコンテナ７４に移送するための移送部材７６を備える。
温度変化物質７０は、着用者の近くに置かれ、尿に接したとき温度変化を生じる材料からなる。温度変化は、周囲の温度を着用者が認識できる点迄変化させるように、熱の吸収又は放出のいずれかを行う。温度変化物質７０が熱を吸収すると着用者には冷たい感じが与えられ、該物質が熱を放出すると着用者には温かい感じが与えられる。
温度変化物質７０は、尿のような水性溶液に接触することに応答して熱を吸収するか放出する。これが達成される機構は、水性溶液内での物質の分解、水性溶液内での物質の膨潤、又は水性溶液内での物質の反応である。特定の実施例においては、温度変化物質７０は、溶解状態と結晶状態の間で大きなエネルギ差を有し、尿に接触したとき熱の形でのエネルギが吸収され、又は放出されるような粒子である。他の実施例では、温度変化物質７０は、水性溶液内での該物質の膨潤又は反応で熱を吸収し又は放出する。
多くの種類の物質が水性溶液に接触したとき温度変化を生じるが、特定の温度変化物質の選択と使用量の決定は、一部は望まれる温度変化に基づいて行う。特に、訓練用パンツ２０は、濡れたときに約2.8ないし13.8℃（華氏で約５ないし25度（°Ｆ））の温度変化を与えることが望ましい。この結果を達成するためには、温度変化物質７０、使用量、及び温度変化物質７０の位置を、起こり得る全エネルギ変化が約25.1から約125.6J/cm²まで（１平方センチメートル当たり約６から３０カロリー（cal/cm²））となるように選定するべきであり、このことは、起こり得る全エネルギ放出が、約25.1から約125.6J/cm²まで（約６〜３０cal/cm²）となるか、又は、起こり得る全エネルギ吸収が、約25.1から約125.6J/cm²（約６〜３０cal/cm²）となることを表す。より望ましくは、温度変化物質７０、使用量、及び温度変化物質７０の位置を、起こり得る全エネルギ変化が約50.2から約100.5J/cm²まで（約１２〜２４cal/cm²）、特に約75.4J/cm²（約１８cal/cm²）となるように選定する。
例として、ユリア粒子は水性溶液に溶解したとき熱を吸収するので、冷たい感じを与えるためにユリア粒子を選ぶことができる。ユリアは溶解熱が約−251J/g（１グラム当たり−60カロリー（cal/g））である。ユリア粒子の望ましい添加量は、一平方センチメートル当たり約0.3グラム（g/cm²）の秤量である。ユリア粒子をこの秤量に選択すると、起こり得る全エネルギ変化が、251J/g x0.3g/cm²（60cal/g x0.3g/cm²）となり、これは、75.4J/cm²（18cal/cm²）に等しい。
水性溶液に接触したとき熱を吸収又は放出する温度変化物質７０は、溶解熱、水和熱、又は反応熱が、約167.5J/g（40cal/g）より大きいか又は約−167.5J/g（−40cal/g）より小さいことが望ましい。溶解熱、水和熱、又は反応熱は約167.5から約376.8J/g（約４０から約９０cal/g）、又は約−167.5から約−376.8J/g（約−４０から約−９０cal/g）の範囲であることが適当であり、特に、約209.4から約293.1J/g（約５０から約７０cal/g）、又は約−209.4から約−293.1J/g（約−５０から約−７０cal/g）の範囲であること、尿に対してはたとえば−251.2J/g（約−６０cal/g）であることが適当である。この温度変化物質７０の適当な秤量は、約0.1から約0.5g/cm²、特に約０．２から約0.4g/cm²である。
上述したように、訓練用パンツ２０に使用するのに適した温度変化物質７０としては、水性溶液に溶解するものがある。この温度変化物質７０の溶解度は、物質１グラム当たり水（H₂O）約0.1から約３グラム（g/g）であり、特に約0.1から約２g/gであることが改良された性能を得るために望ましい。
溶解中に熱を吸収する適当な温度変化物質は、酢酸ナトリウム（H₂O）、炭酸ナトリウム（10H₂O）、硫酸ナトリウム（10H₂O）、チオ硫酸ナトリウム（5H₂O）、リン酸ナトリウム（10H₂O）のような含水塩、硝酸アンモニウム、硝酸カリウム、塩化アンモニウム、塩化カリウム、硝酸ナトリウムのような無水塩、ユリア（尿素）キシリトール、その他の糖類のような有機化合物、などである。溶解中に熱を放出する温度変化物質７０としては、塩化アルミニウム、硫化アルミニウム、硫化アルミニウムカリウムなどがある。温度変化物質７０には又、膨潤中に熱を吸収又は放出するものがある。例示すれば、膨潤中に熱を放出する適当な温度変化粒子７０としては、軽く架橋結合し部分的に中和されたポリアクリル酸がある。
また、温度変化物質７０は、水性溶液と反応したとき熱を吸収又は放出する物質を含むことができる。例としては、オルトエステル類、又はメントンを炭素量が１ないし８のアルコール或いは炭素量が２ないし８のポリオールと反応させて得られるメントンケタルのようなケタル類、及びそれらの構造的又は光学的異性体がある。適当と思われる特定のメントンケタルを挙げると、メントングリセロールケタル及びメントンプロピレングリコールケタルがある。特定のケタルが、1994年９月２０日にグリーンベルグに付与された米国特許第5,348,750号、及び1993年１１月３０日にグラブらに付与された米国特許第5,266,592号に記載されており、これらを参照としてここに組み入れる。
必ずしも必要という訳ではないが、温度変化物質７０は粒子の形態として、第１及び第２収容層７２の間に挟むようにすることが望ましい。たとえば、第１収容層７２は、多孔性フィルム又は繊維質の層とすることができる。繊維質の層は、繊維質のティッシュー、織成又は不織のファブリック、セルロース質の繊維ウエブ、又は同等なもので構成することができる。たとえば一実施例では、第１収容層７２は、秤量が約16.6gsmで、連続湿式プレス（CWP）法により、100％LL-19ノーザン・ソフト・ウッド・クラフト（NSWK）繊維からなる原料から製造される形成ティッシューからなるセルロース質ティッシューから構成することができる。このLL-19繊維は、カナダのオンタリオ州テラスベイ所在のキンバリークラークフォレストプロダクツインコーポレーテッドから入手できる。形成ティッシューは、フレイザー多孔度が、約15.24−106.68m³/（min.X m²）（約50−350cfm/ft²（一平方フィート当たり毎分立方フィート））である。
第２収容層７２は、たとえば液体透過性フィルム、ティッシュー、ファブリック、又は同等なもののような液体透過性ウエブ材料から構成することができる。このファブリックは、織成又は不織状態でよく、親水性の材料から形成してもよく、或いは疎水性の材料を十分な親水性を与えるよう゛ち処理したものでもよい。一実施例では、第２収容層７２は、秤量が約21.2gsmで、ヒントンEF（ソフトウッド）とLL-16ノーザン・ハードウッドクラフト（NHWK）繊維の50％−50％からなる原料からCWP法により製造された通常のバリヤーティッシューから構成することができる。ヒントンEF繊維は、カナダのアルバータ州ヒントン所在のウエルドウッド（カナダディビジョン）リミテッドから入手でき、LL-19繊維は、カナダのオンタリオ州テラスベイ所在のキンバリークラークフォレストプロダクツインコーポレーテッドから入手できる。バリヤーティッシューは、フレイザー多孔度が、約24.38−36.588m³/（min.X m²）（約80−120cfm/ft²）である。
温度変化部材２２は、排尿時に液体が温度変化粒子７０に接触するように、訓練用パンツ２０内に配置される。したがって、温度変化部材２２は、吸収性組立体５４に接触する液体が該温度変化部材２２にも接触するように、吸収性組立体５４ととともに配置される。より望ましくは、温度変化部材２２は、吸収性組立体５４に対して身体側にあって、吸収性組立体５４と身体側ライナーー５８との間に挟まれるように配置する。このようにすると、粒子７０による温度変化が着用者によりさらに容易に認識されるよう゛ちなる。しかし、別の態様として、温度変化部材２２は、吸収性組立体５４内又は吸収性組立体５４の下に配置仕手もよい（図示せず）。温度変化部材２２は、接着剤、超音波ボンド、その他の適当な手段により、その位置にボンドすることができる。
温度変化部材２２の位置は、訓練用パンツ２０の縦軸線又は横軸線３４、３６から離れてもよい。温度変化部材２２の位置及び／又は構造は、排尿中又は排尿の僅か後に温度変化粒子が尿に接触するようでなければならない。温度変化部材２２は、横方向３６には中心に置くことが望ましい。しかし、別の構成として、温度変化部材２２は、訓練用パンツ２０の縦軸線３４から外した位置に置くこともできる（図示せず）。
図１に示すように、温度変化部材２２は、温度変化粒子７０が訓練用パンツ２０の前部５０％に位置するように配置することができる。パンツ２０は着用者の腹腔部の領域で着用者と接触する可能性が最も高いので、温度変化粒子は前ウエスト領域４６に配置する（図４）ことが望ましく、特に訓練用パンツ２０の長さの前1/3に配置することが望ましい。別の構成として、温度変化粒子７０を後ウエスト領域４８、たとえば訓練用パンツ２０の長さの後1/3に配置することもできる。
温度変化部材２２が前ウエスト領域４６に配置されている場合には、股領域４４に排出された液体を温度変化粒子７０まで移送するのに移送部材７６が有用である。移送部材７６は、一端が温度変化粒子７０に接触し、他端がコンテナ７４のの外側で望ましくは股領域４４まで延びるように該コンテナ７４内に配置される。図示例では、移送部材７６は矩形であり、幅が約１cm（0.4インチ）で長さが約１０cm（４インチ）である。
移送部材７６は、該移送部材７６の面内で尿を移送する材料で形成するか、そのように処理した材料で形成する。移送部材７６は、天然又は合成繊維のウエブから形成することができる。そのようなウエブを形成するのに用いられる特定の繊維としては、レーヨンスライバー、特に３突起状幾何学形状を有するもの、スルホン化パルプ、高温カレンダー仕上げパルプ又は同等なものがある。
温度変化部材２２は、尿が収容層７２を通って直接的にコンテナ７４内に入るか、移送部材７６によりコンテナ亡きに移送されるか、或いはその両方となるように構成できる。たとえば、尿がコンテナ７４内に移送される場合には、収容層７２は、液体不透過性フィルム、液体不透過性不織ウエブ又は同等なもののような液体不透過性材料から構成すればよい。
温度変化部材２２の寸法及び形状は広範囲に変えることができる。たとえば、一つ一つの温度変化部材２２は矩形で、約４cm（1.6インチ）×約７cm（2.8インチ）の寸法とすることができる。或いは、温度変化部材２２は、訓練用パンツ２０の全長又は全幅にわたって延びるようなストリップ状としてもよい（図示せず）。温度変化粒子７０は、改良された性能のためには、約１から約６０cm²、特に約２０から４０cm²、たとえば約３０cm²の面積を有する領域内に局部的に配置することが望ましい。温度変化部材２２は、約１から約１２グラム、特に約５から約９グラム、たとえば約７グラムの温度変化粒子７０を含むことが適当である。
身体側ライナー５８は、液体を透過させる材料であれば、どのような柔軟で可撓性を有する多孔シートであってもよい。たとえば、ライナー５８は、不織ウエブ、又は、湿潤強度を有するティッシュー紙のシート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の合成ポリマーフィラメントから形成されたスパンボンド、メルトブロー又はボンドカードウエブ、レーヨン又は綿のような天然ポリマーフィラメントのウエブから構成することができる。ライナー５８は、尿及び他の人体排出物のような液体を容易に透過させる孔サイズを有する。ライナー５８は、選択的にエンボスするか、又は該ライナーを通してスリットや穴を形成することにより多孔性とすることができる。任意に、ウエブ又はシートは、液体移送を助けるために、表面活性剤で処理することができる。一つの適当なライナー材料は、1982年７月20日にアッペルらに付与された米国特許第4,340,563号、及び1983年９月23日に同人らに付与された米国特許第4,405,297号に記載された方法及び装置によって製造される、濡れ性のスパンボンドポリプロピレンウエブである。
特定の実施例では、身体側ライナー５８は、放出に際して高い相対表面湿度を有するライナーであるウエットライナーからなる。ウエットライナーの使用は、保持される湿分が着用者の肌と温度変化粒子７０との間で熱を伝導させるように機能するので、温度変化部材２２の性能を高めることになる。このように、ウエットライナー５８の改良された伝導性が、冷たいか或いは温かい感覚を起こさせるのに助けとなる。
さらに、ウエットライナー５８は、排尿時に肌に対して湿った感じ又は湿っぽい感じを与え、排尿が生じたということについて、子供の注意を一層引くことになる。本発明にとって適当なウエットライナー５８は、液体放出の約１分後で、少なくとも約６０％、特に改良された性能を得るためには、液体放出の約１分後で、少なくとも約７５％の相対表面湿度値を訓練用パンツ２０に生じさせるものであることが望ましい。訓練用パンツ２０の相対表面湿度を求めるための適当な手順を以下に述べる。
ウエットライナー５８内及び訓練用パンツ２０全体の相対表面湿度を、ドイツのヘキストアクチェンゲゼルシャフトにより製造された表面乾燥度測定装置を使用した測定値から計算する。この種の装置及びその作動の詳細な説明は、1984年５月８日にラスクらに付与された米国特許第4,924,084号にみることができ、これをここに参照してその全体を組み入れる。この装置は、ネバダ州レノ所在のリニアインストルメントコーポレーションのストリップチャートレコーダー（モデル1201）を含んでいる。このチャートレコーダーは、ＤＣ電源に接続された光学的光センサーからの湿度の読みを記録する。試験の実行の前に、装置をターンオンし、最低４５分間ウォームアップする。
試料を試験するためには、サイドパネル６０を取り外し、弾性材は切断して、製品ができるだけ平坦に置かれるようにする。各試料は、試料の寸法とほぼ同じ寸法のプレキシガラス板の上に置く。各試料についての湿度値を正常化するために、１０分という所定の時間間隔で発生する実際の湿潤曲線に加えて、乾燥読みと湿潤読みの両方を得る。
乾燥読み、したがってグラフ上の下限を得るには、センサーを試料の上に置いて、センサーの縦軸線が試料の縦軸線に対して直角になり、光学的光センサーの両端が試料の両側縁から等距離だけ延びるようにする。試料は、ライナー側が光センサー側になり、裏シートがプレキシガラス支持体に向くようにする。次いでレコーダーをスタンバイから記録にスイッチしてチャートペンを作動状態とし、ペンを２０グリッドマーク位置上のゼロ位置とする。次にレコーダーをスタンバイに戻して検出器を試料から離す。
次に、６cmの内径と４cmの高さ及び約326グラムの重さを有するステンレス鋼製のリングを、乾燥読みが得られたのと同じ位置で試料の縦軸線と横軸線上に位置決めする。鋼製リングの中心に、イリノイ州マクグローパーク所在のバクスターヘルスケアコーポレーションのサイエンティフィックプロダクツディビジョンからの認証付ブラッドバンクの塩水（カタログ番号Ｂ3158-1）を８０ミリリットル注入する。塩水溶液は、大気温度（２２から２３℃）（７２から７４°Ｆ）とする。８０ミリリットルの塩水溶液は、リング内したがって吸収性試料のライナー側に急速に注入する。塩水溶液がライナーの表面から下方に吸収された直後に（ライナー上に余剰液体がなくなったとき）、ステンレス鋼リングを除去して、直ちに前述したと同様に光学的光センサーを試料の上に置き、チャートレコーダーをスタンバイから記録にスイッチする。レコーダーは、毎分１cmの速度に調節し、全部で１０分間にわたって試験を行う。
１０分の間隔の終わりに、チャートペンを持ち上げて、チャートをスタンバイにスイッチすることによりチャートをターンオフする。次に、リングを前と同じ位置で試料の上に置き、追加量として、概略的に吸収性コアが完全に飽和される約100ミリリットルの量の塩水溶液を注入することにより、試料を全体的に飽和させる。第２の注入後のパッド内の液体の量は、センサーの重量により表面への僅かな液体の逆流を生じる程度で十分である。次いでリングを除去し、光学的光センサーを、先の測定での余剰塩水溶液を拭き取った状態として、前述したのと同じ位置で、試料上に置く。チャートを再びスタンバイから記録にスイッチし、チャートを瞬間的に作動状態とするか、又はチャート紙を行ったり戻ったりさせて、試料の全飽和測定値を表すマーク又は位置を方眼紙上に得る。これで、試験された各試料は、ゼロすなわち乾燥値（Ｖ_D）と、全飽和値（Ｖ_S）と、最初の８０ミリリットルの塩水溶液を吸収した点から１０分後の点までの時間依存曲線とを有することになる。
このデータを集めることに続いて、次の式を用いて相対的表面湿度値を計算する。
相対表面湿度（％）＝［（Ｖ_T−Ｖ_D）／（Ｖ_S−Ｖ_D）］×₁₀₀＝Ｖ_R
ここに、Ｖ_Tは所定時刻の曲線の値、
Ｖ_Dは試料乾燥状態での値、
Ｖ_Sは試料飽和状態での値、
である。ウエットライナー５８は、複数の繊維で形成された材料のウエブから構成され、織成されたものでも、不織状態のものでもよい。適当な材料のウエブとしては、短いステープルファイバーや、たとえばメルトブローウエブ及びスパンボンドウエブにみられるようなより長いより連続的な繊維等、どのような形式の繊維材料からも形成されるものがある。繊維は、天然繊維であっても、合成繊維であっても、それらの混合であってもよく、親水性であっても、疎水性であるが親水性に処理されたものであってもよい。材料のウエブは、水流交絡、ニードリング、縫い付け、熱ボンド、空気貫通ボンド、点ボンド又は同等なものによる方法でボンドすることができる。適当なウエットライナー材料としては、1994年６月３０日にコリヤーらが出願した米国特許出願08／268,967代理人ドケット番号11,521）に開示されたものがあり、これをここに参照として組み入れる。
ウエットライナー５８の材料として適当なものの一つは、秤量が少なくとも約１４gsm（0.4osy）のスパンボンドウエブである。この繊維は、アメリカ合衆国バージニア州ピータースバーグ所在のアライドコーポレーションのファイバーディビジョンから商品名ハイドロフィルの名称で入手できる材料から形成された吸水性成分を含む２成分繊維であることが好ましい。一つの実施例では、繊維は４０容量％のハイドロフィル材料と６０重量％のポリプロピレンから形成される並列配置の２成分繊維である。繊維デニールは、約2.0dpfより小さいことが好ましく、改良された性能のためには約1.5dpfより小さいことがより好ましい。２成分のスパンボンドウエブは、点ボンドされたものあっても、空気貫通ボンドされたものであってもよい。この種のスパンボンドされたウエブは、湿潤性処理のような追加の処理又は添加剤を必要としない。
さらに例示すると、上とライナー５８は又、ポリプロピレンのスパンボンドウエブに、ステープル長が約2.5から約3.2cm（１〜1.25インチ）のレーヨン繊維や、繊維質超吸収材（FSA）又は同様なもののようなステープル繊維成分を加えたものから構成することができる。このウエブは、秤量が少なくとも約１４gsm（0.4osy）で、特に改良された取り付け及びボンド状態を得るためには、少なくとも約２４gsm（0.7osy）であることが適当である。繊維デニールは、2.0dpfであることが望ましく、改良された性能のためには約1.5dpfより小さいことが好ましい。結果として得られる複合材は、工程中に表面活性剤を上から添加して湿潤速度を改善することもてきる。
別の実施例では、ウエットライナー５８は、少なくとも約２０から約４０重量％のように、少なくとも約２０重量％のレーヨンステープル繊維を含むボンドカードされたウエブから構成される。レーヨン繊維は、少なくとも約1.5dpf、特に約1.5dpfから６dpfの範囲のデニールとすることができる。ボンドカードされたウエブは、秤量が少なくとも約20gsm（0.6osy）であることが望ましい。
さらに別の例として、ウェットライナー５８は、ポリプロピレン又はポリエチレンのメルトブローウエブに耐久性濡れ処理を施したものから構成することができる。典型的には、メルトブロー繊維は、10ないし30μｍであるが、より大きな透過性が望まれる場合には、もっと大きくしてもよい（マクロファイバーメルトブロー）。メルトブローされたウエブは、秤量が少なくとも約５０gsm、特に約150gsmのものとすることができる。
他の適当な材料は、パターン付けされた点ボンドのコフォーム、たとえば約40重量％のポリマーと６０重量％のパルプからなるものを含むことができる。もっとポリマー含有量の少ないコフォームを、たとえば3.0dpfのスパンボンド繊維の14gsm（0.4osy）からなるカバー材料と組み合わせて使用してもよい。
ウエットライナー５８には、親水性発泡材料の型切断したものを使用することができる。適当な発泡材料としては、セルローススポンジ、ポリエチレングリコールベースのポリウレタン発泡材、ポリビニルアルコールベースの発泡材等がある。発泡材は、可逆性をもった圧縮可能であることが望ましく、これは、合っていした薄い層に圧縮できるが、液体を加えたとき初めの発泡状態に再形成することができることを意味している。
使用に際しては、３次元パンツ２０が、排尿が生じたことについて着用者の注意を引くように設計される。温度変化部材２２は、尿が収容層７２を通って直接にコンテナ７４内に入るか、移送部材７６によりコンテナに移送されるか、その両方となるように、パンツ２０内に配置される。これらの方法のいずれか、又は両方により、尿は温度変化粒子７０に接触するようになる。温度変化部材２２に使用される粒子の特定の形式により、粒子は熱を吸収するか放出する。その結果として、着用者は、排尿時に冷たい感じか温かい感じを受ける。身体側ライナー５８がウエットライナーで形成されている場合には、着用者はさらに湿っぽい感じ又は湿った感じを受ける。
訓練用パンツ２０は、湿ったとき、約2.8から約13.8℃（約５から約25°F）の表面温度変化を与えることが望ましい。この範囲の表面温度変化トイレット訓練年齢の子供にとってある程度認識できるものと信じられる。もっと望ましいのは、訓練用パンツ２０が、湿ったときに約5.5から約11.1℃（約10から約20°F）の温度変化を、特に改良された性能を得るためには約8.3℃（15°F）の温度変化を与えることである。また、温度変化部材２２により生じる冷たいか又は温かい感じは、約１秒ないし約120秒、特に約10秒ないし約60秒、たとえば約30秒持続するようにすべきである。
温度変化物質を含む製品が湿ったときに生じる温度変化を求める適当な手順は次の通りである。試験は、摂氏21ないし22度（70〜72°F）の安定した温度で約50％の安定した湿度を有する環境で行うべきである。試験すべき製品は、弾性側部パネルをすべて除去し、他のすべての弾性材を切断して製品ができる限り平坦に置かれるように準備する。製品は、実際の使用状態の製品形状に似せるためにプレキシガラスのクレードル内に置く。製品の中心は、クレードルの最も深い場所に置く。
塩水を製品の内面に供給できる位置に、液体供給ポンプに接続した液体供給ノズルを配置する。ノズルの先端は、製品の内面から１cm離し、該製品の中心から製品の縦軸線に沿って10cm前方に配置しなければならない。ポンプを作動させ、90ミリリットルの安定した等張性の0.9％塩水を15ml/secの割合で供給する。塩水は、イリノイ州マクグローパーク所在のバクスターヘルスケアコーポレーションのサイエンティフィックプロダクツディビジョンからの認証付ブラッドバンクの塩水であり、摂氏37度（98.6°F）の温度である。
製品の温度変化物質の位置における表面温度は、標準温度計又は温度感知サーミスタをディジタルディスプレイ装置に接続して測定する。塩水供給から30秒後の表面温度が試験温度として記録される。製品の温度変化物質を含まない部分においてこの試験を行うか、又は温度変化物質を持たない同様な製品についてこの試験を行うことにより、基準温度を得ることができる。湿った状態での製品の温度変化は、試験温度と記事気温度の差である。
本発明の他の実施例が図５に示す訓練用パンツ８０により示してある。先に述べたものと同様な成分には、同じ参照符号を付してある。図５に示す訓練用パンツ８０は、温度変化部材８２の設計と位置が異なる点を除いて図１の訓練用パンツ２０と同様である。図６及び図７は、温度変化部材８２の平面図及び断面図を示す。
この実施例では、温度変化粒子７０が望ましくは複数のポケット８４内に堆積される。特定の理論に拘束されるものではないが、温度変化粒子７０を区分したポケット８４内に配置することで、ポケット８４の内部の粒子７０が、長い時間にわたって、飽和状態ではなく湿っぽい状態におかれるので、この配置が性能を向上させると考えられる。その結果、温度変化粒子７０が溶液内に入ったときや膨潤又は反応したときに該温度変化粒子７０により吸収され或いは放出される熱が、尿からのみではなく周囲から来るようになる。したがって、温度変化粒子70を温度変化部材８２のポケット８４内に配置することにより、冷たい感じ又は温かい感じを有効にかつ経済的に生じさせることができるようになる。
図示した温度変化部材８２は、第１の収容層７２を形成室内の形成用スクリーン上に通すことにより形成される。この形成用スクリーンは、間隔をもって配置された孔を含む。形成室に17 KPa（2.5psi）の真空引きをして、第１の収容層７２を形成用スクリーンに引きつけ、浅い凹部を形成する。温度変化粒子７０を加えて、温度変化粒子のポケット８４を形成する。ブラシを使用して粒子７０を凹部に均等に配分する。粒子材料のゾーン分けした配置についての装置及び方法の詳細な説明は、1994年７月12日にヒースらにより出願された米国特許出願番号08／274,172号（代理人ドケット番号10,985）に記載があり，これをここで参照として組み入れる。
次いで、第１及び第２の収容層７２を、接着剤ボンド、熱ボンド、超音波ボンド、ステープル、縫い合わせ、又は同様な手段により互いに固定してその間に温度変化粒子７０を挟み込む。たとえば、収容層７２を合体させる前に、第２の収容層７２に均一に又はパターン状に構造用接着剤を薄く塗布して、収容層７２を互いにボンドすることができる。接着剤は、たとえばラテックス接着剤、ホットメルト接着剤など、どのような適当な形式のものでもよい。
複合体は、プレスして接着剤が収容層７２を互いに接合するようにする。その結果、ポケット８４が、温度変化部材８２にわたって分布した区分状のポケットからなる所望のパターンに保持され、維持されることになる。ポケット８４は、約0.5から３cmの直径、特に改良された性能のためには、約１から２cm、たとえば約1.9cmの直径を有することが望ましい。加えて、ポケット８４は、約0.2から約10cm、特に改良された性能のためには約0.5から２cm、たとえば約１cmだけ互いに離すことができる。ポケット８４内の温度変化粒子７０の秤量は、約0.1から約0.5g/cc、特に約0.2から約0.4g/ccであることが適当である。
複合体は、例として述べると、弾性外面を有する組立ローラを使用して互いにプレスすることができる。組立ローラの外面は、ショアＡ−デュロメータ値が約６０より大きくないように、或いは約４５より大きくなく、理想的には約３０より多くなく、デュロメータ値が約１０より小さくないように、或いは約１５より小さくなく、理想的には約２０より小さくないように構成する。組立ローラは、空気アクチュエータのような弾性プレス手段により収容層７２に押し付けることができる。プレス手段は、約34.5KPa（５psi）、或いは69KPa（10psi）、理想的には約103.5KPa（15psi）より小さくない組立圧力レベルを与えるように構成でき、また約2.07MPa（300psi）、或いは12.08MPa（175psi）、理想的には345KPa（50psi）より大きくない組立圧力レベルを与えるように構成できる。
本発明のさらに別の訓練用パンツが図８に示してある。この実施例における温度変化部材２２は、吸収性組立体５４の上に配置した温度変化粒子７０を含む。特に、温度変化粒子７０は、ラップシート８８と吸収性組立体５４の間に挟まれる。ラップシート８８は、吸収性組立体５４を囲む不織ティッシューラップから構成することができる。或いは、ラップシート８８は、パンツの身体側ライナー５８として機能するようにもできる。温度変化粒子７０は、ラップシート８８、吸収性組立体５４又はその両者に接着剤により固定することができる。粒子７０は、吸収性組立体５４の表面上に薄層状に配置しても、図８に示すように高濃度のポケット８４内に局部的に配置してもよい。さらに、温度変化部材２２は、吸収性組立体５４内に集中的に配置した粒子７０から構成することもできる（図示せず）。
図９を参照すると、別の訓練用パンツ９０は、少なくともサージ処理層９２の一部からなる温度変化部材２２を備える。サージ処理層９２は、訓練用パンツ９０に導入される液体のサージを減速し、拡散するのを助ける。図示実施例では、サージ処理層９２は、身体側ライナー５８と吸収性組立体５４の間に配置されている。或いは、サージ処理層９２は、身体側ライナー５８の外側表面上に配置してもよい。サージ処理層９２は、吸収性組立体５４の全体又は一部上を延びるようにすることができるが、パンツ９０の少なくとも股領域４４の一部上にあるようにすることが望ましい。
サージ処理層９２の適当な形状は、1993年３月９日にＤ．プロクシミアらに付与された米国特許第5,192,606号、1991年９月11日にＷ．ハンセンらにより出願された米国特許出願番号757,760（代理人ドケット番号9922）、1994年３月４日にＣ．エリスとＤ．ビショップにより出願された「パーソナルケア用吸収性物品等のための繊維不織ウェブサージ層」と題する米国特許出願番号206,986号（代理人ドケット番号11,256）、及び1994年３月４日にＣ．エリスとＲ．エバレットにより出願された「パーソナルケア用吸収性物品等のための改良されたサージ処理繊維不織ウエブ」と題する米国特許出願番号206,069に記載されており、その開示は、一貫性を有する形でここに参照として組み入れる。
サージ処理層９２の少なくとも一部は、温度変化部材２２を形成するために、温度変化物質７０で形成されるか、又は温度変化物質で処理される（図示せず）。この場合には、温度変化物質７０は、少なくとも尿に接する前においては、サージ処理層９２の繊維に対して高度に親和性を有することか望ましい。温度変化物質７０は、該物質が水性溶液に溶解するか、水性溶液を吸った結果として、或いは水性溶液と反応した結果として、熱を吸収するか又は放出する。
一つの特定の実施例では、温度変化物質７０は、たとえばケタルのような液体からなる。この温度変化物質７０は、スロットコーティング、印刷、パルス状のスプレー、その他の適当な技術で繊維に塗布することができる。
以上の詳細な説明は、例示のためになされたものである。したがって、本発明の思想と範囲から外れることなく、多くの修正や変更をすることができる。たとえば、一つの実施例の一部として説明された別の形態又は任意の形態を使用して他の実施例を得ることができる。同様に、吸収性物品の形態は大幅に変わることがある。特に訓練用パンツについては、他の適当な構造が、1987年２月７日にアレスらに付与された米国特許第4,639,949号、1990年７月３日にヴァン・ゴンペルらに付与された米国特許第4,938,753号、1991年12月18日にヴァン・ゴンペルらによって出願され、本出願人に譲渡された米国特許出願番号07／809,993に開示されており、それらの開示は、参照としてここに組み入れる。さらに、２つの名称を付された構成部分が同一の構造を示す場合がある。したがって、本発明は説明された特定の実施例に限定されるべきでなく、請求の範囲の記載によってのみ限定される。

Claims (30)

1. 湿分バリヤー（56）と、
   該湿分バリヤー（56）上に配置された吸収性組立体（54）と、
   を含む吸収性物品（20；80；90）であって、
   身体排出液に接触したとき着用者が感知し得る程度の温度変化を生じる温度変化物質（70）を含む液体透過性温度変化部材（22；82）が、前記吸収性組立体（54）に対し前記湿分バリヤーとは反対側である身体側に配置された、
   ことを特徴とする吸収性物品（20；80；90）。
2. 請求の範囲第１項に記載した吸収性物品であって、前記温度変化物質（70）は単位面積あたり25.1から125.6J/cm²（６から３０cal/cm²）の全エネルギ変化を与えることが可能である吸収性物品。
3. 請求の範囲第１項に記載した吸収性物品であって、前記温度変化物質（70）は単位面積あたり25.1から125.6J/cm²（６から３０cal/cm²）の全エネルギ吸収又は放出を与えることが可能である吸収性物品。
4. 請求の範囲第１項から第３項までのいずれか１項に記載した吸収性物品であって、前記温度変化物質（70）は、溶解状態と結晶状態との間で大きなエネルギ差を有するものである吸収性物品。
5. 請求の範囲第１項から第４項までのいずれか１項に記載した吸収性物品であって、前記温度変化物質（70）は、167.5から376.8J/g又は−167.5から−376.8J/g（40から90cal/g又は−40から−90cal/g）の範囲内の溶解熱を有する吸収性物品。
6. 請求の範囲第１項から第４項までのいずれか１項に記載した吸収性物品であって、前記温度変化物質（70）は、209.4から293.1J/g又は−209.4から−293.1J/g（50から70cal/g又は−50から−70cal/g）の範囲内の溶解熱を有する吸収性物品。
7. 請求の範囲第１項から第４項までのいずれか１項に記載した吸収性物品であって、前記温度変化物質（70）は、温度変化物質１グラム当たり水0.1から３グラムの溶解性を有する吸収性物品。
8. 請求の範囲第１項から第７項までのいずれか１項に記載した吸収性物品であって、前記温度変化物質（70）は、酢酸ナトリウム（H₂O）、炭酸ナトリウム（10H₂O）、硫酸ナトリウム（10H₂O）、チオ硫酸ナトリウム（5H₂O）、リン酸ナトリウム（10H₂O）、硝酸アンモニウム、硝酸カリウム、塩化アンモニウム、塩化カリウム、硝酸ナトリウム、ユリア（尿素）、キシリトールからなる群の少なくとも一つから選ばれた粒子の形態である吸収性物品。
9. 請求の範囲第１項から第８項までのいずれか１項に記載した吸収性物品であって、前記温度変化物質（70）はケタルを含む吸収性物品。
10. 請求の範囲第１項から第９項までのいずれか１項に記載した吸収性物品であって、前記温度変化物質（70）は水に膨潤したときエネルギを放出又は吸収するものである吸収性物品。
11. 請求の範囲第１項から第１０項までのいずれか１項に記載した吸収性物品であって、前記温度変化物質（70）は坪量が0.1から0.5g/cm²で存在する粒子の形態である吸収性物品。
12. 請求の範囲第１項から第１１項までのいずれか１項に記載した吸収性物品であって、前記温度変化物質（70）は１から60cm²の総面積を有する領域に局部的に配置された吸収性物品。
13. 請求の範囲第１項から第１２項までのいずれか１項に記載した吸収性物品であって、前記温度変化物質（70）は12から24cal/cm²の全エネルギ変化を与えることが可能である吸収性物品。
14. 請求の範囲第１項から第１３項までのいずれか１項に記載した吸収性物品であって、前記温度変化物質（70）は複数の区分されたポケット（84）内に局部配置された粒子の形態である吸収性物品。
15. 請求の範囲第１４項に記載した吸収性物品であって、前記ポケット（84）は0.5から３cmの範囲の直径を有する吸収性物品。
16. 請求の範囲第１４項に記載した吸収性物品であって、前記ポケット（84）は１から２cmの範囲の直径を有する吸収性物品。
17. 請求の範囲第１４項から第１６項までのいずれか１項に記載した吸収性物品であって、前記ポケット（84）は0.2から10cmだけ互いに離れている吸収性物品。
18. 請求の範囲第１４項から第１７項までのいずれか１項に記載した吸収性物品であって、前記ポケット（84）は0.5から２cmだけ互いに離れている吸収性物品。
19. 請求の範囲第１項から第１８項までのいずれか１項に記載した吸収性物品であって、該吸収性物品（20、80、90）は濡れたとき2.8から13.8℃（華氏５ないし２５度）の表面温度変化を与えるものである吸収性物品。
20. 請求の範囲第１項から第１８項までのいずれか１項に記載した吸収性物品であって、該吸収性物品（20、80、90）は濡れたとき5.5から11.1℃（華氏10ないし20度）の表面温度変化を与えるものである吸収性物品。
21. 請求の範囲第１項から第２０項までのいずれか１項に記載した吸収性物品であって、湿分バリヤー（56）にボンドした身体側ライナー（58）をさらに備え、吸収性組立体（54）が前記湿分バリヤー（56）と前記身体側ライナー（58）に挟まれた吸収性物品。
22. 請求の範囲第１項から第２１項までのいずれか１項に記載した吸収性物品であって、前記温度変化物質（70）は一対の収容層（72）の間に捕捉され複数のポケット（84）内に分布された粒子の形態である吸収性物品。
23. 請求の範囲第２２項に記載した吸収性物品であって、前記収容層（72）は液体透過性不織ウエブである吸収性物品。
24. 請求の範囲第２１項から第２３項までのいずれか１項に記載した吸収性物品であって、前記温度変化部材（22、82）が吸収性組立体（54）と身体側ライナー（58）の間に挟まれた吸収性物品。
25. 請求の範囲第１項から第２４項までのいずれか１項に記載した吸収性物品であって、該吸収性物品（20、80、90）は、前ウエスト領域（46）と後ウエスト領域（48）と前記前後ウエスト領域（46、48）の間にある股領域（44）とを備え、前記温度変化物質（70）は前記前ウエスト領域（46）内に配置された吸収性物品。
26. 請求の範囲第１項から第２５項までのいずれか１項に記載した吸収性物品であって、
    前記温度変化物質（70）を収容するためのコンテナ（74）と、
    一端が前記コンテナ（74）内に配置され他端が該コンテナ（74）の外にある移送部材（76）と、
    をさらに含む吸収性物品。
27. 請求の範囲第２６項に記載した吸収性物品であって、前記吸収性物品（20、80、90）は、前ウエスト領域（46）と後ウエスト領域（48）と前記前後ウエスト領域（46、48）の間にある股領域（44）とを備え、前記移送部材（76）の前記他端は前記股領域（44）に配置された吸収性物品。
28. 請求の範囲第２１項に記載した吸収性物品であって、前記身体側ライナー（58）はウエットライナーからなり、該ウェットライナーは、液体放出から１分後に少なくとも６０％の相対表面湿度値を該吸収性物品（20、80、90）に生じさせる吸収性物品。
29. 請求の範囲第１項から第２８項までのいずれか１項に記載した吸収性物品であって、前記温度変化物質（70）は不織層に接着剤接着された粒子の形態である吸収性物品。
30. 請求の範囲第１項から第２９項までのいずれか１項に記載した吸収性物品であって、前記吸収性組立体（54）上に配置されたサージ処理層（92）を備え、該サージ処理層（92）の一部に前記温度変化物質（70）が含まれている吸収性物品。

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