JP3921994B2 - 車両用空調装置およびそのプログラム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車室内の空調状態を制御特性に基づいて自動制御すると共に、この制御特性を乗員指示に基づいて補正する車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の車両用空調装置として特許第2768177号公報に記載されたものがある。この従来装置は、車室内の空調状態を乗員が設定するための操作スイッチを備え、この操作スイッチの操作による乗員指示を乗車人数に応じてその都度記憶して制御特性を補正(学習)するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように乗員指示に基づいて補正された制御特性は、オーナードライバーの好みが反映されやすくなるが、オーナードライバーの好みにより例えば非常に低風量に学習されている場合、後席には空調風が届きにくいため、後席に乗員がいるときには、その都度後席乗員の温感を考慮して風量アップ操作が必要になるという問題があった。
【0004】
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、乗車状況に応じて設定を変更する煩わしさを解消すると共に、後席乗員の快適性を確保することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、車室内の空調状態を乗員が設定するための操作手段(35〜38)と、空調状態を制御特性に基づいて自動制御すると共に、この制御特性を操作手段(35〜38)の操作に基づいて補正する制御手段(31)とを備える車両用空調装置において、後席乗員の有無を検出する後席乗員検出手段(44)を備え、制御手段(31)は、後席乗員検出手段(44)の出力に基づいて後席乗員有りと判定したときに、空調能力を所定値以上にすると共に、後席への風量割合を増加させることを特徴とする。
【0006】
これによると、後席に乗員がいるときには、空調能力の上昇と後席への風量割合の増加とにより後席の冷房または暖房能力が自動的に高められるため、乗車状況に応じて設定を変更する煩わしさを解消しつつ、後席乗員の快適性を確保することができる。
【0007】
請求項2に記載の発明では、空調風を送風する送風手段(13)を備え、制御手段(31)は、送風手段(13)による空調風の送風量を増加させることにより、空調能力を所定値以上にすることを特徴とする。
【0008】
ところで、非常に低風量に学習されている場合、後席には空調風が届きにくくなるため、後席の冷房または暖房能力が不足するが、請求項2に記載の発明によると、送風量の増加と後席への風量割合の増加とにより、後席乗員の快適性を確実に確保することができる。
【0009】
請求項3に記載の発明では、車室内に空調風を吹き出す部位に設置されて、空調風の吹き出し方向を調整可能な風向調整手段(21a)を備え、制御手段(31)は、風向調整手段(21a)を制御して空調風の吹き出し方向を変更することにより、後席への風量割合を増加させることを特徴とする。
【0010】
ところで、単に送風量を増加させると、前席乗員が低風量を好む場合風速感が好みの範囲から外れる恐れがあるが、請求項3に記載の発明では、空調風の吹き出し方向を変更して後席への風量割合を増加させるため、前席乗員の風速感増加を抑えることができる。
【0011】
請求項4に記載の発明では、車室内の空調状態を乗員が設定するための操作手段(35〜38)と、空調状態を制御特性に基づいて自動制御すると共に、この制御特性を操作手段(35〜38)の操作に基づいて補正する制御手段(31)とを備える車両用空調装置において、内気を導入する内気吸込モードおよび外気を導入する外気吸込モードを切り替える吸込モード切替手段(11)と、後席乗員の有無を検出する後席乗員検出手段(44)とを備え、制御手段(31)は、吸込モードの制御特性に基づいて吸込モードを選択し、後席乗員検出手段(44)の出力に基づいて後席乗員有りと判定したときの吸込モードの制御特性は、後席乗員無しと判定したときよりも、外気吸込モードが選択されやすい制御特性となっていることを特徴とする。
【0012】
これによると、後席に乗員がいるときには外気吸込モードが選択されやすくなり、外気吸込モード時は内気吸込モード時よりも車室の前方から後方への風流れが形成されやすくなり、従って、非常に低風量に学習されている場合でも後席に空調風が届きやすくなるため、後席乗員の快適性を確保することができる。
【0013】
請求項5に記載の発明では、車室内の空調状態を乗員が設定するための操作手段(35〜38)と、空調状態を制御特性に基づいて自動制御すると共に、この制御特性を操作手段(35〜38)の操作に基づいて補正する制御手段(31)とを備える車両用空調装置において、乗員上半身に向けて空調風を吹き出すフェイスモードおよび他の吹出モードを切り替える吹出モード切替手段(20、22、24)と、後席乗員の有無を検出する後席乗員検出手段(44)とを備え、制御手段(31)は、吹出モードの制御特性に基づいて吹出モードを選択し、後席乗員検出手段(44)の出力に基づいて後席乗員有りと判定したときの吹出モードの制御特性は、後席乗員無しと判定したときよりも、フェイスモードが選択されやすい制御特性となっていることを特徴とする。
【0014】
これによると、後席に乗員がいるときにはフェイスモードが選択されやすくなり、フェイスモード時は他の吹出モード時よりも車室の前方から後方への風流れが形成されやすくなり、従って、非常に低風量に学習されている場合でも後席に空調風が届きやすくなるため、後席乗員の快適性を確保することができる。
【0015】
請求項6に記載の発明では、制御手段(31)が後席乗員有りと判定して空調能力を所定値以上にしているときに、空調能力を低下させるように操作手段(35〜38)の操作がなされた場合、制御手段(31)は、空調能力を所定値以上にしていないときに比べて、空調能力の低下量を少なくすることを特徴とする。
【0016】
これによると、後席に乗員がいるときに空調能力を低下させるような操作がなされた場合に、空調能力の低下量を少なくして極力空調能力が保持されるようにしているため、後席乗員の快適性を維持することができる。
【0017】
請求項7に記載の発明では、制御手段(31)は、空調熱負荷が大きいときほど空調能力を所定値以上にする制御が実行されやすくなっていることを特徴とする。
【0018】
これによると、後席乗員の不快度が高いと推定できる状況の時ほど確実に空調能力を上昇させることができるため、後席乗員の快適性を向上させることができる。
【0019】
請求項9に記載の発明では、3列以上のシートを備える車両の空調装置であって、制御手段(31)は、3列目より後方のシートに乗員がいるときは、3列目より後方のシートに乗員がいないときよりも、空調能力を所定値以上にする制御が実行されやすくなっていることを特徴とする。
【0020】
これによると、3列目より後方のシートにいる乗員の快適性を向上させることができる。
【0021】
請求項10に記載の発明では、乗員に操作されて、制御手段(31)による空調能力の上昇量を制限する制限手段を備え、制御手段(31)は、制限手段の操作に基づいて空調能力の上昇量を変更することを特徴とする。
【0022】
これによると、後席に乗員がいるときに例えば送風量を増加させて空調能力を上昇させる場合、制限手段の操作に基づいて送風量の増加を禁止ないしは抑制することにより、送風音を不快に感じる乗員の好みに対応することができる。
【0023】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態になる車両用空調装置の全体システム構成を示すもので、この車両用空調装置は、記憶された制御特性に基づいて空調制御用機器の作動を自動制御して、吹出温度、送風量、吸込モード、吹出モード等を自動制御すると共に、記憶された制御特性を乗員指示に基づいて補正するものである。
【0025】
車両用空調装置の室内ユニットを構成する空調ユニット10の空気流れ最上流側には、吸込モード切替手段としての内外気切替箱11が配置され、この内外気切替箱11は外気導入口11aと内気導入口11bを有すると共に、この内外気切替箱11内に内外気切替ドア12が回動自在に設置されている。
【0026】
この内外気切替ドア12は、外気導入口11aと内気導入口11bとの分岐点に配置され、アクチュエータ12aにより駆動されて、空調ユニット10に導入する空気を内気と外気に切り替えたり、あるいは内気と外気の混合割合を調整する。
【0027】
内外気切替箱11の下流には送風手段としての送風機13が配置され、この送風機13は、内外気切替箱11内に空気を吸い込んで空調ユニット10の下流側に送風するものであり、ブロワモータ14と、その回転軸に連結された遠心式送風ファン15を有している。この送風ファン15の下流にはエバポレータ16とヒータコア17が設けられている。
【0028】
エバポレータ16は冷却用熱交換器であって、図示しない車両エンジンにより駆動されるコンプレッサ等と結合されて冷凍サイクルを構成し、その内部の低圧冷媒が空気から吸熱して蒸発することにより空気を冷却する。また、ヒータコア17は加熱用熱交換器であって、図示しない車両エンジンの冷却水(温水)が内部を循環し、このエンジン冷却水を熱源として空気を加熱する。
【0029】
ヒータコア17の上流側には、吹出空気温度調整手段としてのエアミックスドア18が回動自在に設けられ、エアミックスドア18の開度はアクチュエータ18aにより駆動されて調節される。これによって、ヒータコア17を通過する空気とヒータコア17をバイパスする空気の割合とが調整され、車室内に吹き出す空気の温度が調整される。
【0030】
空調ユニット10の最下流には、デフロスタ(DEF)吹出口19を開閉するデフロスタドア20、フェイス(FACE)吹出口21を開閉するフェイスドア22、およびフット(FOOT)吹出口23を開閉するフットドア24が設けられている。
【0031】
これら各ドア20、22、24は吹出モード切替手段を構成するもので、アクチュエータ25により駆動されて各吹出口19、21、23を開閉することによって、各種の吹出モード、すなわち、フェイスモード、バイレベルモード、フットモード、フットデフモード、デフロスタモード等が設定される。そして、各吹出モードに応じて開口した吹出口から、温度調整された空気が車室内へ吹き出される。
【0032】
フェイス吹出口21には、空調風の吹き出し方向を調整可能な風向調整手段としてのスインググリル21aが設けられており、このスインググリル21aは、ステップモータ等のアクチュエータにてルーバが駆動されることにより、車両左右方向および車両上下方向の空調風吹き出し方向が調整可能になっている。
【0033】
空調制御装置30は制御手段としてのマイクロコンピュータ31を有し、送風量は、マイクロコンピュータ31からの出力信号に基づいて駆動回路32を介してブロワモータ14の印加電圧(ブロワ電圧)を調整してモータ回転数を調整することにより制御される。なお、その他のアクチュエータ12a、18a、25も、マイクロコンピュータ31からの出力信号に基づいて駆動回路32を介して制御される。
【0034】
マイクロコンピュータ31は図示しない中央演算処理装置(CPU)、ROM、RAM、スタンバイRAM、I/Oポート、A/D変換部等を持ち、それ自体は周知のものである。
【0035】
スタンバイRAMは、車両エンジンの運転を断続するイグニションスイッチ(以下、IGと記す)オフの場合においても乗員の好みを学習した値を記憶(バックアップ)するためのRAMであり、IGがオフであっても車載バッテリーからIGを介さずに直接電源が供給される。また、マイクロコンピュータ31とバッテリーとの電気接続が遮断された状況でも短時間ならばマイクロコンピュータ31に電源を供給する図示しないバックアップ用の電源が設けられている。
【0036】
マイクロコンピュータ31には、車室内計器盤に設置された空調操作部33から操作信号が入力される。この空調操作部33には、空調装置の自動制御状態を設定するAUTOスイッチ34、内外気吸込モードを手動で切替設定するための内外気切替スイッチ35、吹出モードを手動で切替設定するための吹出モード切替スイッチ36、送風機13の送風量を手動で切替設定するための送風量切替スイッチ37、乗員の好みの温度を設定するための温度設定スイッチ38等が設けられている。上記の内外気切替スイッチ35、吹出モード切替スイッチ36、送風量切替スイッチ37、および温度設定スイッチ38は、いずれも操作手段に相当する。
【0037】
なお、送風量切替スイッチ37は、具体的には、風量アップスイッチ37aと風量ダウンスイッチ37bからなり、風量アップスイッチ37aは1回押されるごとにブロワ電圧(駆動用モータ14への印加電圧)を1レベル(0.25ボルト)上げる信号を出力し、風量ダウンスイッチ37bは1回押されるごとにブロワ電圧を1レベル(0.25ボルト)下げる信号を出力する。因みに、本例では、最大風量Hiのときのブロワ電圧は12V、最小風量Loのときのブロワ電圧は4.5Vに設定されている。
【0038】
また、マイクロコンピュータ31には、車室内の空調状態に影響を及ぼす環境条件(空調熱負荷)等を検出する各種センサからの信号が入力される。具体的には、車室内の空気温度(内気温度)TRを検出する内気温センサ39、車室外の空気温度(外気温度)TAMを検出する外気温センサ40、車室内に入射する日射量TSを検出する日射センサ41、蒸発器温度(具体的には蒸発器吹出空気温度)TEを検出する蒸発器温度センサ42、ヒータコア17を循環するエンジン水温TWを検出する水温センサ43、後席に設置されて後席乗員の有無を検出する後席乗員検出手段としてのシートセンサ44等からの各信号が、それぞれのレベル変換回路45を介してマイクロコンピュータ31に入力され、これらはマイクロコンピュータ31においてA/D変換されて読み込まれる。また、温度設定スイッチ38からの信号もレベル変換回路45でレベル変換されてマイクロコンピュータ31に入力される。
【0039】
図2はマイクロコンピュータ31により実行される本発明の全体のフローチャートであり、IGオンとともに図2の制御をスタートする。まず、ステップS100にて各種変換、フラグ等の初期値を設定する。次のステップS200では空調操作部33の各種スイッチ34〜38の操作信号および各種センサ39〜44からのセンサ検出信号を読み込む。
【0040】
次のステップS300では、ステップS200で読み込んだ設定温度TSETおよびセンサ検出信号等に基づいて車室内に吹き出す空気の目標吹出温度TAOを下記数式1により算出する。ここで、TAOは環境条件の変化にかかわらず車室内を設定温度TSETに維持するために必要な吹出空気温度である。
【0041】
【数1】
TAO=KSET×TSET−KR×TR−KAM×TAM−KS×TS+C
但し、KSET、KR、KAM、KSは係数、Cは定数であり、TSET、TR、TAM、TSはそれぞれ上記した設定温度、内気温度、外気温度、日射量である。
【0042】
次に、ステップS400に進み、送風量を決めるブロワ電圧を上記TAO等に基づいて決定する。ここで、乗員が望む風量には個人差があるので、一律に送風量を決めることは難しい。そこで、本実施形態では、送風量に関する乗員の手動操作に基づいて送風量制御特性としてのブロワ電圧算出マップを補正していくことにより、乗員の好みを学習したブロワ電圧算出マップとなるようにしている。これについては後で詳述する。
【0043】
次に、ステップS500に進み、エアミックスドア18の開度SWを、TAO、TE、TWに基づいて算出する。次に、ステップS600に進み、内外気切替ドア12による内気と外気の導入割合をTAOに基づいて演算する。次に、ステップS700にて吹出モードドア20、22、24による吹出モードをTAOに基づいて演算する。次に、ステップS800において、蒸発器温度TEが目標蒸発器温度に維持されるように、コンプレッサの制御を決定する。
【0044】
次に、ステップS900に進み、上記各ステップS400〜S800で決定された各種制御信号を駆動回路32を介してブロワモータ24、各アクチュエータ12a、18a、25、スインググリル21aおよびコンプレッサに加えて、ブロワモータ24の回転数、各アクチュエータ12a、18a、25、スインググリル21aおよびコンプレッサの作動を制御する。ステップS900の処理後ステップS200に戻り、上記処理を繰り返す。
【0045】
図3、図4は図2のステップS400によるブロワ電圧決定の具体的処理を例示するもので、以下詳細に説明する。
【0046】
まず、図3において、ステップS410では、現在の吹出モードがフェイス(FACE)モードであるか否かを判定し、吹出モードがフェイスモードであればステップS410がYESとなりステップS411へ進む。ステップS411では、乗員が送風量切替スイッチ37を操作して送風量を手動で変更したか否かを判定し、送風量が手動で変更された場合はステップS411がYESとなりステップS412へ進む。ステップS412では、送風量切替スイッチ37の操作に基づいて、図5(a)に示すフェイスモード時のブロワ電圧算出マップを変更する。
【0047】
次いで、ステップS412からステップS413に進み、フェイスモード時のブロワ電圧算出マップからTAOに基づいてブロワ電圧を算出する。ステップS411がNOの場合は直ちにステップS413に進み、ブロワ電圧を算出する。
【0048】
ステップS410がNOの場合はステップS420に進み、ステップS420では、現在の吹出モードがバイレベル(B/L)モードであるか否かを判定し、吹出モードがバイレベルモードであればステップS420がYESとなりステップS421へ進む。ステップS421では、乗員が送風量切替スイッチ37を操作して送風量を手動で変更したか否かを判定し、送風量が手動で変更された場合はステップS421がYESとなりステップS422へ進む。
【0049】
ステップS422では、送風量切替スイッチ37の操作に基づいて、図5(b)に示すバイレベルモード時のブロワ電圧算出マップを変更する。次いで、ステップS422からステップS423に進み、バイレベルモード時のブロワ電圧算出マップからTAOに基づいてブロワ電圧を算出する。ステップS421がNOの場合は直ちにステップS423に進み、ブロワ電圧を算出する。
【0050】
ステップS420がNOの場合はステップS430に進み、ステップS430では、現在の吹出モードがフット(FOOT)モードであるか否かを判定し、吹出モードがフットモードであればステップS430がYESとなりステップS431へ進む。ステップS431では、乗員が送風量切替スイッチ37を操作して送風量を手動で変更したか否かを判定し、送風量が手動で変更された場合はステップS431がYESとなりステップS432へ進む。
【0051】
ステップS432では、送風量切替スイッチ37の操作に基づいて、図5(c)に示すフットモード時のブロワ電圧算出マップを変更する。次いで、ステップS432からステップS433に進み、フットモード時のブロワ電圧算出マップからTAOに基づいてブロワ電圧を算出する。ステップS431がNOの場合は直ちにステップS433に進み、ブロワ電圧を算出する。
【0052】
ステップS430がNOの場合はステップS440に進み、ステップS440では、現在の吹出モードがフットデフ(F/D)モードであるか否かを判定し、吹出モードがフットデフモードであればステップS440がYESとなりステップS441へ進む。ステップS441では、乗員が送風量切替スイッチ37を操作して送風量を手動で変更したか否かを判定し、送風量が手動で変更された場合はステップS441がYESとなりステップS442へ進む。
【0053】
ステップS442では、送風量切替スイッチ37の操作に基づいて、図5(d)に示すフットデフモード時のブロワ電圧算出マップを変更する。次いで、ステップS442からステップS443に進み、フットデフモード時のブロワ電圧算出マップからTAOに基づいてブロワ電圧を算出する。ステップS441がNOの場合は直ちにステップS443に進み、ブロワ電圧を算出する。
【0054】
ステップS440がNOの場合はステップS451に進む。因みに、ステップS410〜ステップS440のモード判定結果から、ステップS451に進んだ場合は現在の吹出モードはデフロスタ(DEF)モードである。そして、ステップS451では、乗員が送風量切替スイッチ37を操作して送風量を手動で変更したか否かを判定し、送風量が手動で変更された場合はステップS451がYESとなりステップS452へ進む。
【0055】
ステップS452では、送風量切替スイッチ37の操作に基づいて、図5(e)に示すデフロスタモード時のブロワ電圧算出マップを変更する。次いで、ステップS452からステップS453に進み、デフロスタモード時のブロワ電圧算出マップからTAOに基づいてブロワ電圧を算出する。ステップS451がNOの場合は直ちにステップS453に進み、ブロワ電圧を算出する。
【0056】
上記のように、送風量切替スイッチ37の操作に基づいて、ステップS412、S422、S432、S442、S452にて、各吹出モードに対応したブロワ電圧算出マップを補正することにより、乗員の送風量の好みが学習される。
【0057】
ここで、ステップS412等での、ブロワ電圧算出マップの具体的な学習方法の一例を図6により説明する。図6(a)の特性Aは空調装置出荷時のオリジナルの特性であり、これは予め実験等により一般的な乗員の好みに適合するように設定してマイクロコンピュータ31のROMに記憶されている。従って、送風量に関する乗員操作の学習を一度もしていないときはこの図6(a)のオリジナルの特性によりブロワ電圧が算出される。
【0058】
そして、乗員により1回目の送風量切替スイッチ37の操作が行われたときについて述べると、図6(a)のオリジナルの送風量制御特性Aにおいて、ブロワ電圧がaレベル(最大風量Hi)であるとき、乗員の操作によりブロワ電圧が操作点1のレベルまで引き下げられると、この乗員操作を学習して、この操作点1を通るようにオリジナル特性Aの傾斜部分を図6(a)の左側(TAOの低温側)に平行移動させる。図6(a)の実線Bはこの1回目の乗員操作を学習した後の制御特性を示す。
【0059】
次に、図6(b)は2回目の乗員操作による学習を示すもので、1回目の学習後の制御特性Bにおいて、ブロワ電圧がbレベル(最小風量Loに近い小風量)であるとき、乗員の操作によりブロワ電圧が操作点2のレベルまで引き上げられると、今度は操作点1および操作点2の両方を通るように、制御特性の傾斜部分の傾きθを変更する。図6(b)の実線Cはこの2回目の乗員操作を学習した後の制御特性を示す。
【0060】
次に、図6(c)は3回目の乗員操作による学習を示すもので、2回目の学習後の制御特性Cにおいて、ブロワ電圧がcレベル(操作点2の送風量と最小送風量Loとの間の送風量)であるとき、乗員の操作によりブロワ電圧が操作点3の最小送風量のLoレベルまで引き下げられると、今度は2回目の学習後の制御特性Cにおける傾斜部分の傾きθを、操作点1、操作点2および操作点3を最小2乗近似する傾きに変更する。従って、3回目の乗員操作を学習した後の制御特性は図6(c)の実線Dに示すようになる。4回以上の乗員操作に対しては、各操作点を最小2乗近似する傾きに変更する。
【0061】
上記した図3の処理の後、図4に示す処理が実行される。以下、図4に示す処理について説明する。
【0062】
ステップS461では、シートセンサ44からの信号に基づいて後席乗員の有無を判定し、後席に乗員がいればステップS461がYESとなりステップS462へ進む。ステップS462では、現在の吹出モードに応じてステップS413、S423、S433、S443、S453のいずれかで算出したブロワ電圧が、7.5V未満か否かを判定し、算出したブロワ電圧が7.5V未満であればステップS462がYESとなってステップS463へ進む。
【0063】
ここで、ブロワ電圧が7.5Vのときの送風量は、車室内全体の空調に必要な送風量に相当するが、その時の空調熱負荷の条件によっては送風量が不足する可能性がある。そこで、ステップS463では、オリジナルの特性からオリジナルブロワ電圧を算出し、ブロワ電圧をオリジナルブロワ電圧に戻すことにより、送風量を増加させる、すなわち、空調能力を所定値以上に増加させる。
【0064】
次いで、ステップS463からステップS464へ進み、ステップS464では、ステップS463でのブロワ電圧の増加量、すなわち、ステップS463で変更されたブロワ電圧からステップS462時点のブロワ電圧を引いた値が、0.75V以上であるか否かを判定し、ブロワ電圧の増加量が0.75V以上であればステップS464がYESとなってステップS465へ進む。
【0065】
ステップS465では、後席への風量割合が増加するように、具体的には、フェイス吹出口21から吹き出される空調風がより後席乗員側に向くように、スインググリル21aのルーバの向きを設定する。次いで、ステップS465からステップS466へ進み、ステップS466では、ステップS463のブロワ電圧を出力し、次のステップS500へ進む。
【0066】
一方、ステップS461、S463、S464のいずれかがNOの場合は、ステップS467へ進む。ステップS467では、基本の風量割合となるように、具体的には、ステップS465で設定される風量割合と比較して後席への風量割合が減少するように、スインググリル21aのルーバの向きを設定する。次いで、ステップS467からステップS466へ進み、ステップS466では、ステップS413、S423、S433、S443、S453,S463のいずれかで算出したブロワ電圧を出力し、次のステップS500へ進む。
【0067】
上記のように、後席に乗員がいるときには、ステップS463で送風量を増加させて空調能力を所定値以上に増加させると共に、ステップS465で後席への風量割合を増加させることにより、乗車状況に応じて設定を変更する煩わしさを解消しつつ、後席乗員の快適性を確保することができる。
【0068】
また、ステップS464がYESの場合、学習した好みの送風量に比べてかなり多い送風量となるため、前席乗員が低風量を好む場合風速感が好みの範囲から外れる恐れがあるが、ステップS465で空調風が後席乗員側に向くようにしているため、前席乗員の風速感増加を抑えることができる。
【0069】
(第2実施形態)
本実施形態は、後席に乗員がいるときに外気吸込モードが選択されやすくしたものである。そして、本実施形態は、上記第1実施形態の内外気吸込モード決定のステップS600(図2参照)に図7に示す処理を追加し、第1実施形態のステップS461〜ステップS465、およびステップS467(図4参照)を削除したものである。
【0070】
図7において、ステップS610では、シートセンサ44からの信号に基づいて後席乗員の有無を判定し、後席に乗員がいればステップS610がYESとなりステップS620へ進む。ステップS620では、現在の吹出モードに応じてステップS413、S423、S433、S443、S453(図3参照)のいずれかで算出したブロワ電圧が、7.5V未満か否かを判定し、算出したブロワ電圧が7.5V未満であればステップS620がYESとなってステップS630へ進む。
【0071】
ステップS620がYESの場合、送風量が不足する可能性があるため、ステップS630では、オリジナルブロワ電圧からステップS620のブロワ電圧を引いた値、すなわちブロワ電圧の不足量が、0.75V以上であるか否かを判定する。そして、ブロワ電圧の不足量が0.75V以上であればステップS630がYESとなってステップS640へ進む。
【0072】
そして、ステップS640では、ステップS640中に示す吸込モードの制御特性からTAOに基づいて外気導入率を算出して出力し、次のステップS700へ進む。
【0073】
一方、ステップS610、620、630のいずれかがNOの場合は、ステップS650へ進む。ステップS650では、ステップS650中に示す吸込モードの制御特性からTAOに基づいて外気導入率を算出して出力し、次のステップS700へ進む。
【0074】
ここで、ステップS640の制御特性では、TAOが−13℃以上の領域で外気導入率が100%、すなわち外気吸込モードが選択され、ステップS650の制御特性では、TAOが−3℃以上の領域で外気吸込モードが選択される。
【0075】
従って、後席に乗員がいるときには外気吸込モードが選択されやすくなり、外気吸込モード時は内気吸込モード時よりも車室の前方から後方への風流れが形成されやすくなり、非常に低風量に学習されている場合でも後席に空調風が届きやすくなるため、後席乗員の快適性を確保することができる。
【0076】
(第3実施形態)
本実施形態は、後席に乗員がいるときにフェイスモードが選択されやすくしたものである。そして、本実施形態は、上記第1実施形態の吹出モード決定のステップS700(図2参照)に図8に示す処理を追加し、第1実施形態のステップS461〜ステップS465、およびステップS467(図4参照)を削除したものである。
【0077】
図8において、ステップS710では、シートセンサ44からの信号に基づいて後席乗員の有無を判定し、後席に乗員がいればステップS710がYESとなりステップS720へ進む。ステップS720では、現在の吹出モードに応じてステップS413、S423、S433、S443、S453(図3参照)のいずれかで算出したブロワ電圧が、7.5V未満か否かを判定し、算出したブロワ電圧が7.5V未満であればステップS720がYESとなってステップS730へ進む。
【0078】
ステップS720がYESの場合、送風量が不足する可能性があるため、ステップS730では、オリジナルブロワ電圧からステップS720のブロワ電圧を引いた値、すなわちブロワ電圧の不足量が、0.75V以上であるか否かを判定する。そして、ブロワ電圧の不足量が0.75V以上であればステップS730がYESとなってステップS740へ進む。
【0079】
そして、ステップS740では、ステップS740中に示す吹出モードの制御特性からTAOに基づいて吹出口を算出して出力し、次のステップS800へ進む。
【0080】
一方、ステップS710、720、730のいずれかがNOの場合は、ステップS750へ進む。ステップS750では、ステップS750中に示す吹出モードの制御特性からTAOに基づいて吹出口を算出して出力し、次のステップS800へ進む。
【0081】
ここで、ステップS740の制御特性では、TAOが30℃以下の領域でフェイスモードが選択され、ステップS750の制御特性では、TAOが25℃以下の領域でフェイスモードが選択される。
【0082】
従って、後席に乗員がいるときにはフェイスモードが選択されやすくなり、フェイスモード時は他の吹出モード時よりも車室の前方から後方への風流れが形成されやすくなり、非常に低風量に学習されている場合でも後席に空調風が届きやすくなるため、後席乗員の快適性を確保することができる。
【0083】
(第4実施形態)
本実施形態は、後席に乗員がいるときに送風量を低下させるような操作がなされた場合に、空調能力の低下量を少なくして極力送風量が保持される制御を、上記第1実施形態に追加したものである。上記制御を行うため、第1実施形態の図4に示す処理を図9のように変更している。
【0084】
図9において、後席に乗員がいてステップS461がYESとなり、さらにステップS462およびステップS464もYESとなった場合は、ステップS465からステップS471へ進む。
【0085】
ステップS471では、送風量切替スイッチ37により送風量を低下させる操作をしたか否かを判定し、送風量低下操作があった場合はステップS471がYESとなりステップS472へ進む。ステップS472では、送風量切替スイッチ37の風量ダウンスイッチ37bが1回操作されるごとに、ステップS463で設定したブロワ電圧から0.75V低下させた値に、ブロワ電圧を設定する。次いで、ステップS472からステップS466へ進み、ステップS466では、ステップS472で設定したブロワ電圧を出力し、次のステップS500へ進む。
【0086】
一方、後席に乗員がいない場合はステップS461がNOとなり、ステップS467からステップS473へ進む。ステップS473では、送風量切替スイッチ37により送風量を低下させる操作をしたか否かを判定し、送風量低下操作があった場合はステップS473がYESとなりステップS474へ進む。ステップS474では、送風量切替スイッチ37の風量ダウンスイッチ37bが1回操作されるごとに、ステップS413、S423、S433、S443、S453(図3参照)のいずれかで算出したブロワ電圧から1.25V低下させた値に、ブロワ電圧を設定する。次いで、ステップS474からステップS466へ進み、ステップS466では、ステップS474で設定したブロワ電圧を出力し、次のステップS500へ進む。
【0087】
本実施形態では、ステップS461で後席乗員有りと判定して、ステップS463で送風量すなわち空調能力を所定値以上にしているときに、送風量を低下させるような操作がなされた場合に、ステップS472では、送風量を所定値以上にしていないときに比べて、送風量の低下量を少なくするようにしている。
【0088】
これによると、後席に乗員がいるときに送風量を低下させるような操作がなされた場合でも、送風量の低下量を少なくして極力送風量が保持されるため、後席乗員の快適性を維持することができる。
【0089】
(第5実施形態)
本実施形態は、外気温度や日射量等の空調熱負荷が大きいときほど送風量を増加させやすくする制御を、上記第1実施形態に追加したものである。上記制御を行うため、第1実施形態の図4に示す処理を図10のように変更している。
【0090】
図10において、後席に乗員がいるとステップS461がYESとなり、ステップS481へ進む。ステップS481では、外気温度TAMと設定温度TSETとの温度差が10℃以上か否かを判定し、温度差が10℃以上であればステップS481がYESとなりステップS483へ進む。また、ステップS481がNOの場合はステップS482へ進み、ステップS482では、日射量TSが500W/m2以上か否かを判定し、日射量TSが500W/m2以上であればステップS482がYESとなりステップS483へ進む。
【0091】
ステップS483では、現在の吹出モードに応じてステップS413、S423、S433、S443、S453(図3参照)のいずれかで算出したブロワ電圧が、8.25V未満か否かを判定し、算出したブロワ電圧が8.25V未満であればステップS483がYESとなってステップS463へ進む。そして、ステップS463では、オリジナルの特性からオリジナルブロワ電圧を算出し、ブロワ電圧をオリジナルブロワ電圧に戻すことにより、送風量を増加させる、すなわち、空調能力を所定値以上に増加させる。
【0092】
本実施形態では、ステップS481およびステップS482の少なくとも一方がYESの場合、すなわち空調熱負荷が大きい場合は、算出したブロワ電圧が8.25V未満のときにステップS463で送風量を増加させ、一方、ステップS481およびステップS482のいずれもがNOの場合、すなわち空調熱負荷が小さい場合は、算出したブロワ電圧が7.5V未満のときにのみステップS463で送風量を増加させるようにしている。
【0093】
従って、空調熱負荷が大きく後席乗員の不快度が高いと推定できる状況の時ほど、送風量を増加させる制御が実行されやすくなり、確実に送風量を上昇させることができるため、後席乗員の快適性を向上させることができる。
【0094】
(第6実施形態)
本実施形態は、後席乗員の人数が多いときほど送風量を増加させやすくする制御を、上記第1実施形態に追加したものである。上記制御を行うため、第1実施形態の図4に示す処理を図11のように変更している。
【0095】
図11において、後席に乗員がいるとステップS461がYESとなり、ステップS491へ進む。ステップS491では、後席乗員が2人以上いるか否か、または、3列目シートを備える車両においては3列目シートに乗員がいるか否かを判定し、ステップS491がYESであればステップS492へ進む。
【0096】
ステップS492では、現在の吹出モードに応じてステップS413、S423、S433、S443、S453(図3参照)のいずれかで算出したブロワ電圧が、8.25V未満か否かを判定し、算出したブロワ電圧が8.25V未満であればステップS492がYESとなってステップS463へ進む。そして、ステップS463では、オリジナルの特性からオリジナルブロワ電圧を算出し、ブロワ電圧をオリジナルブロワ電圧に戻すことにより、送風量を増加させる、すなわち、空調能力を所定値以上に増加させる。
【0097】
本実施形態では、ステップS491がYESの場合、算出したブロワ電圧が8.25V未満のときにステップS463で送風量を増加させ、一方、ステップS491がNOの場合は、算出したブロワ電圧が7.5V未満のときにのみステップS463で送風量を増加させるようにしている。
【0098】
従って、後席乗員の人数が多くて空調熱負荷が大きく後席乗員の不快度が高いと推定できる状況の時ほど、送風量を増加させる制御が実行されやすくなり、確実に送風量を上昇させることができるため、後席乗員の快適性を向上させることができる。
【0099】
また、3列目シートに乗員がいるときは、送風量を増加させる制御が実行されやすくなり、送風量を上昇させて3列目シートまで確実に送風することができるため、3列目シートの乗員の快適性を向上させることができる。
【0100】
(第7実施形態)
上記各実施形態では、後席に乗員がいるときに送風量を増加させるようにしたが、本実施形態では、乗員操作に基づいてその送風量の増加を禁止する制御を追加したものである。上記制御を行うため、第1実施形態の図4に示す処理を図12のように変更している。
【0101】
また、本実施形態では、後席に乗員がいるときの送風量の増加を禁止する制限手段としての後席補正キャンセルスイッチ(図示せず)を備え、このスイッチを乗員が操作することにより、後席に乗員がいるときの送風量の増加を禁止する信号を出力するようになっている。
【0102】
図12において、後席に乗員がいるとステップS461がYESとなり、ステップS401へ進む。ステップS401では、後席補正キャンセルスイッチから送風量増加禁止信号が出力されているか否かを判定し、送風量増加禁止信号が出力されていなければステップS401がNOとなりステップS462へ進む。そして、第1実施形態と同様に、後席乗車時に送風量を増加させる制御を行う。
【0103】
一方、送風量増加禁止信号が出力されていればステップS401がYESとなりステップS467へ進む。従って、この場合には、後席に乗員がいても送風量を増加させる制御は行われない。
【0104】
なお、本実施形態では、送風量増加禁止信号が出力されている場合には、送風量の増加を禁止するようにしたが、送風量の増加量を、送風量増加禁止信号が出力されていない場合の例えば半分に抑制するようにしてもよい。
【0105】
そして、送風量増加禁止信号が出力されている場合には、送風量の増加を禁止または抑制するという制限を行うことにより、送風音を不快に感じる乗員の好みに対応することができる。
【0106】
(他の実施形態)
上記実施形態では、後席乗員の有無を検出する後席乗員検出手段としてシートセンサ44を用いたが、シートセンサ44の代わりに赤外線センサにて後席乗員の有無を検出するようにしてもよい。また、個人用携帯機器と自動的に通信する通信機器を車載し、それらの間での通信により後席乗員の有無を検出することもできる。
【0107】
また、上記実施形態では、後席に乗員がいるときに送風量を増加させて空調能力を増加させるようにしたが、吹出空気温度を変更して空調能力を増加させるようにしてもよい。
【0108】
また、第1実施形態では、後席に乗員がいるときに、送風量を増加させると共に後席への風量割合を増加させるようにしたが、それと共に、第2実施形態や第3実施形態のように外気吸込モードやフェイスモードが選択されやすくなる制御を同時に実行させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の全体システム図である。
【図2】第1実施形態の空調制御の全体を示すフローチャートである。
【図3】第1実施形態の要部の制御を示すフローチャートである。
【図4】第1実施形態の要部の制御を示すフローチャートである。
【図5】第1実施形態のブロワ電圧の制御特性図である。
【図6】第1実施形態によるブロワ電圧制御特性の補正方法の説明図である。
【図7】第2実施形態の要部の制御を示すフローチャートである。
【図8】第3実施形態の要部の制御を示すフローチャートである。
【図9】第4実施形態の要部の制御を示すフローチャートである。
【図10】第5実施形態の要部の制御を示すフローチャートである。
【図11】第6実施形態の要部の制御を示すフローチャートである。
【図12】第7実施形態の要部の制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
31…マイクロコンピュータ(制御手段)、
35〜38…スイッチ(操作手段)、
44…シートスイッチ(後席乗員検出手段)。

Claims (13)

  1. 車室内の空調状態を乗員が設定するための操作手段(35〜38)と、前記空調状態を制御特性に基づいて自動制御すると共に、この制御特性を前記操作手段(35〜38)の操作に基づいて補正する制御手段(31)とを備える車両用空調装置において、
    後席乗員の有無を検出する後席乗員検出手段(44)を備え、
    前記制御手段(31)は、前記後席乗員検出手段(44)の出力に基づいて後席乗員有りと判定し、かつ送風量が車室内全体の空調に必要な送風量に相当する値より少ないと判定したときには、空調能力を所定値以上にすると共に、後席への風量割合を増加させ、前記後席乗員検出手段(44)の出力に基づいて後席乗員有りと判定したときでも、送風量が車室内全体の空調に必要な送風量に相当する値以上であると判定したときには、前記補正された制御特性に基づいて前記空調状態を自動制御することを特徴とする車両用空調装置。
  2. 空調風を送風する送風手段(13)を備え、前記制御手段(31)は、前記送風手段(13)による空調風の送風量を増加させることにより、前記空調能力を所定値以上にすることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記車室内に空調風を吹き出す部位に設置されて、前記空調風の吹き出し方向を調整可能な風向調整手段(21a)を備え、
    前記制御手段(31)は、前記風向調整手段(21a)を制御して前記空調風の吹き出し方向を変更することにより、前記後席への風量割合を増加させることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装置。
  4. 車室内の空調状態を乗員が設定するための操作手段(35〜38)と、前記空調状態を制御特性に基づいて自動制御すると共に、この制御特性を前記操作手段(35〜38)の操作に基づいて補正する制御手段(31)とを備える車両用空調装置において、
    内気を導入する内気吸込モードおよび外気を導入する外気吸込モードを切り替える吸込モード切替手段(11)と、後席乗員の有無を検出する後席乗員検出手段(44)とを備え、
    前記制御手段(31)は、吸込モードの制御特性に基づいて吸込モードを選択し、
    前記後席乗員検出手段(44)の出力に基づいて後席乗員有りと判定したときの前記吸込モードの制御特性は、後席乗員無しと判定したときよりも、前記外気吸込モードが選択されやすい制御特性となっており、
    前記制御手段(31)は、前記後席乗員検出手段(44)の出力に基づいて後席乗員有りと判定し、かつ送風量が所定値以上不足していると判定したときには、前記後席乗員有りと判定したときの吸込モードの制御特性に基づいて吸込モードを選択し、前記後席乗員検出手段(44)の出力に基づいて後席乗員有りと判定したときでも、送風量が所定値以上不足していないと判定したときには、前記後席乗員無しと判定したときと同じ吸込モードの制御特性に基づいて吸込モードを選択することを特徴とする車両用空調装置。
  5. 車室内の空調状態を乗員が設定するための操作手段(35〜38)と、前記空調状態を制御特性に基づいて自動制御すると共に、この制御特性を前記操作手段(35〜38)の操作に基づいて補正する制御手段(31)とを備える車両用空調装置において、
    乗員上半身に向けて空調風を吹き出すフェイスモードおよび他の吹出モードを切り替える吹出モード切替手段(20、22、24)と、後席乗員の有無を検出する後席乗員検出手段(44)とを備え、
    前記制御手段(31)は、吹出モードの制御特性に基づいて吹出モードを選択し、
    前記後席乗員検出手段(44)の出力に基づいて後席乗員有りと判定したときの前記吹出モードの制御特性は、後席乗員無しと判定したときよりも、前記フェイスモードが選択されやすい制御特性となっており、
    前記制御手段(31)は、前記後席乗員検出手段(44)の出力に基づいて後席乗員有りと判定し、かつ送風量が所定値以上不足していると判定したときには、前記後席乗員有りと判定したときの吹出モードの制御特性に基づいて吹出モードを選択し、前記後席乗員検出手段(44)の出力に基づいて後席乗員有りと判定したときでも、送風量が所定値以上不足していないと判定したときには、前記後席乗員無しと判定したときと同じ吹出モードの制御特性に基づいて吹出モードを選択することを特徴とする車両用空調装置。
  6. 前記制御手段(31)が後席乗員有りと判定して前記空調能力を所定値以上にしているときに、前記空調能力を低下させるように前記操作手段(35〜38)の操作がなされた場合、
    前記制御手段(31)は、前記空調能力を所定値以上にしていないときに比べて、前記空調能力の低下量を少なくすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  7. 前記制御手段(31)は、空調熱負荷が大きいときほど前記空調能力を所定値以上にする制御が実行されやすくなっていることを特徴とする請求項1ないし3、および6のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  8. 前記空調熱負荷は、日射量、外気温度と車室内設定温度との差、および後席乗員数のうちの、少なくとも1つであることを特徴とする請求項7に記載の車両用空調装置。
  9. 3列以上のシートを備える車両の空調装置であって、
    前記制御手段(31)は、3列目より後方のシートに乗員がいるときは、3列目より後方のシートに乗員がいないときよりも、前記空調能力を所定値以上にする制御が実行されやすくなっていることを特徴とする請求項1ないし3、および6のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  10. 乗員に操作されて、前記制御手段(31)による前記空調能力の上昇量を制限する制限手段を備え、
    前記制御手段(31)は、前記制限手段の操作に基づいて前記空調能力の上昇量を変更することを特徴とする請求項1ないし3、6ないし9のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  11. 車両用空調装置のコンピュータに、車室内の空調状態を制御特性に基づいて自動制御すると共に、この制御特性を操作手段の操作に基づいて補正する手順を実行させるプログラムであって、前記コンピュータに、後席乗員の有無を判定する手順と、送風量が車室内全体の空調に必要な送風量に相当する値より少ないか否かを判定する手順と、後席乗員有りと判定し、かつ送風量が車室内全体の空調に必要な送風量に相当する値より少ないと判定したときに空調能力を所定値以上にする手順と、後席乗員有りと判定し、かつ送風量が車室内全体の空調に必要な送風量に相当する値より少ないと判定したときに後席への風量割合を増加させる手順と、後席乗員有りと判定し、かつ送風量が車室内全体の空調に必要な送風量に相当する値以上であると判定したときに前記補正された制御特性に基づいて前記空調状態を自動制御する手順とを実行させることを特徴とするプログラム。
  12. 車両用空調装置のコンピュータに、後席乗員の有無を判定する手順と、送風量が所定値以上不足しているか否かを判定する手順と、後席乗員有りと判定し、かつ送風量が所定値以上不足していると判定したときに、後席乗員無しと判定したときよりも外気吸込モードが選択されやすい制御特性を選択する手順と、後席乗員有りと判定し、かつ送風量が所定値以上不足していないと判定したときに、後席乗員無しと判定したときと同じ吸込モードの制御特性に基づいて吸込モードを選択する手順とを実行させることを特徴とするプログラム。
  13. 車両用空調装置のコンピュータに、後席乗員の有無を判定する手順と、送風量が所定値以上不足しているか否かを判定する手順と、後席乗員有りと判定し、かつ送風量が所定値以上不足していると判定したときに、後席乗員無しと判定したときよりもフェイスモードが選択されやすい制御特性を選択する手順と、後席乗員有りと判定し、かつ送風量が所定値以上不足していないと判定したときに、後席乗員無しと判定したときと同じ吹出モードの制御特性に基づいて吹出モードを選択する手順とを実行させることを特徴とするプログラム。
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