JP3919474B2 - めっき方法及びめっき装置 - Google Patents

めっき方法及びめっき装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3919474B2
JP3919474B2 JP2001199327A JP2001199327A JP3919474B2 JP 3919474 B2 JP3919474 B2 JP 3919474B2 JP 2001199327 A JP2001199327 A JP 2001199327A JP 2001199327 A JP2001199327 A JP 2001199327A JP 3919474 B2 JP3919474 B2 JP 3919474B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plating
substrate
plating solution
copper
solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001199327A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002080992A (ja
Inventor
瑞樹 長井
修一 奥山
亮一 君塚
健 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ebara Corp
Original Assignee
Ebara Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ebara Corp filed Critical Ebara Corp
Priority to JP2001199327A priority Critical patent/JP3919474B2/ja
Publication of JP2002080992A publication Critical patent/JP2002080992A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3919474B2 publication Critical patent/JP3919474B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electroplating And Plating Baths Therefor (AREA)
  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)
  • Electrodes Of Semiconductors (AREA)
  • Internal Circuitry In Semiconductor Integrated Circuit Devices (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、めっき方法及びめっき装置に係り、特に半導体基板の表面に形成した配線用の微細窪みにめっきにより銅を埋込んで銅配線を形成するのに使用されるめっき方法及びめっき装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体基板上に配線回路を形成するための金属材料として、アルミニウムまたはアルミニウム合金に代えて、電気抵抗率が低くエレクトロマイグレーション耐性が高い銅(Cu)を用いる動きが顕著になっている。この種の銅配線は、基板の表面に設けた微細凹みの内部に銅を埋込むことによって一般に形成される。この銅配線を形成する方法としては、CVD、スパッタリング及びめっきといった手法があるが、いずれにしても、基板のほぼ全表面に銅を成膜し、化学的機械的研磨(CMP)により不要の銅を除去するようにしている。
【0003】
図39は、この種の銅配線基板Wの製造例を工程順に示すもので、図39(a)に示すように、半導体素子を形成した半導体基材1上の導電層1aの上にSiOからなる酸化膜2を堆積し、リソグラフィ・エッチング技術によりコンタクトホール3と配線用の溝4を形成し、その上にTaN等からなるバリア層5、更にその上に電解めっきの給電層としてシード層7を形成する。
【0004】
そして、図39(b)に示すように、基板Wの表面に銅めっきを施すことで、半導体基材1のコンタクトホール3及び溝4内に銅を充填するとともに、酸化膜2上に銅膜6を堆積する。その後、化学的機械的研磨(CMP)により、酸化膜2上の銅膜6を除去して、コンタクトホール3および配線用の溝4に充填させた銅膜6の表面と酸化膜2の表面とをほぼ同一平面にする。これにより、図39(c)に示すように銅膜6からなる配線が形成される。
【0005】
ここに、シード層7は、一般にスパッタリングやCVDによって形成され、また、銅膜6を形成する電解銅めっきにあっては、めっき液として、その組成に硫酸銅と硫酸を含む硫酸銅めっき液が一般に使用されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
微細配線化が進み、配線溝或いはプラグの形状が高アスペクト比となるに従って、スパッタリング等で形成されるシード層が溝底部まで均一に届かなくなり、図40(a)に示すように、溝底部の側壁におけるシード層7の膜厚tが基板表面付近における膜厚tに比べ1/10またはそれ以下になる可能性がある。このような状態で硫酸銅めっき液を使用した電解銅めっきで銅の埋込みを行うと、シード層7の極端に薄い部分には電流が流れ難くなるために、図40(b)に示すように、銅膜6の内部にめっき未析出部(ボイド)8ができる。これを防止するため、シード層7の膜厚を厚くして溝底部に均一な膜を付けようとすると、溝の入口部分に銅が厚くついてしまうために、結果的に入口が先に閉じてボイドができる。
【0007】
一方、硫酸銅等のベースに錯化剤及びpH調整剤を添付して、pHを中性付近に維持するようにした銅めっき液が開発されているが、これらの銅めっき液は、安定性が乏しく実用的でないばかりでなく、このpH調整剤には、一般にナトリウムやカリウム等のアルカリ金属が含まれており、このようにアルカリ金属が混入しためっき液を半導体分野に使用すると、エレクトロマイグレーションを引き起こして半導体を劣化させてしまう。なお、シアン化銅系の銅めっき液もあるが、シアンは人体に有害であるので、作業面や環境面からその使用を避けることが求められている。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みて為されたもので、アルカリ金属やシアンを含むことなく、シード層の薄肉部を補強したり、高アスペクト比の微細窪みの内部に銅を確実に埋込む銅めっきを施すことができるようにした銅めっき液を使用しためっき方法及びめっき装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、シード層で覆われた微細窪みを有する基板にめっきを施して該微細窪みに金属を充填するめっき方法において、前記基板を、濃度が1〜10g/Lの2価の銅イオンと錯化剤とを有し、アルカリ金属及びシアンを含まない物質からなり、下記の第2のめっき液より分極が大きい第1のめっき液中に浸漬させて、前記シード層を補強する第1段めっき処理を行い、しかる後、前記基板を、第2のめっき液中に浸漬させて、前記微細窪みの内部に銅を埋込む第2段めっき処理を行うことを特徴とするめっき方法である。このように、銅めっき液中に錯化剤を有することで、めっき浴としての分極を大きくして均一電着性を向上させることができ、これによって、シード層の薄い部分の補強や高アスペクト比のトレンチやホール等の微細窪みの奥までの銅の均一な埋込みが可能となる。しかも析出するめっきは緻密であり、マイクロボイドの危険も回避できる。更に、アルカリ金属及びシアンを含んでいないので、アルカリ金属の存在に伴うエレクトロマイグレーションによって半導体を劣化させてしまうことを防止するとともに、シアンの使用を避けるとの要請に応えることができる。
【0010】
ここで、2価の銅イオンの濃度は、低いと電流効率が悪くなって銅の析出効率が落ち、高いと電着性が悪くなるため、0.1〜100g/L程度が好ましく、1〜10g/L程度がより好ましい。また、錯化剤の濃度は、低いと銅の錯体化が完全にされず沈殿物が発生し易くなり、高いとヤケめっき状態となり外観が悪くなるばかりでなく、排水処理困難となるため、1〜500g/L程度が好ましく、20〜200g/L程度がより好ましい。
【0011】
請求項2に記載の発明は、前記錯化剤が、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン、N,N',N'',N'''エチレンジニトロテトラプロパン−2オール、ピロリン酸、イミノ二酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジアミノブタン、ヒドロキシエチルエチレンジアミン、エチレンジアミンテトラプロピオン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミンテトラメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸またはそれらの誘導体であることを特徴とする請求項1記載のめっき方法である。
【0012】
請求項3に記載の発明は、前記第1のめっき液は、pH調整剤として、コンまたは水酸化テトラメチルアンモニウムを更に有することを特徴とする請求項1または2記載のめっき方法である。このように、必要に応じてpH調整剤を添加して、めっき液をpH7〜14、好ましくはpH8〜11,より好ましくはpH8〜9程度にすることにより、pHが低すぎて錯体が有効に結びつかずに不完全となったり、逆に高すぎて錯体が別の形となって沈殿物ができることを防止することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、前記第1のめっき液中における錯化剤の濃度は、20〜200g/Lであることを特徴とする請求項1記載のめっき方法である。
【0014】
本発明のめっき方法によれば、例えシード層に薄肉部があっても、この薄肉部を第1段めっき処理で補強して完全なものとし、第2段めっき処理で、この完全となったシード層を給電層として微細窪みの内部に銅等の金属を埋込みながら表面を平坦としためっき膜を形成することができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、シード層で覆われた微細窪みを有する基板を、濃度が1〜10g/Lの2価の銅イオンと錯化剤とを有し、アルカリ金属及びシアンを含まない物質からなり、下記の第2のめっき液より分極が大きい第1のめっき液中に浸漬させて、前記シード層を補強する第1段めっき処理を行う第1のめっき処理部と、前記第1のめっき処理部のめっき槽に第1のめっき液を供給する第1のめっき液供給手段と、前記第1段めっき処理によってシード層を補強した基板を、第2のめっき液中に浸漬させて、前記微細窪みの内部に銅を埋込む第2段めっき処理を行う第2のめっき処理部と、前記第2のめっき処理部のめっき槽に第2のめっき液を供給する第2のめっき液供給手段と、前記基板を第1のめっき処理部から第2のめっき処理部に搬送する搬送手段とを有することを特徴とするめっき装置である。
請求項6に記載の発明は、前記第1のめっき液中における錯化剤の濃度は、20〜200g/Lであることを特徴とする請求項5記載のめっき装置である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態のめっき装置の平面配置図を示す。このめっき装置は、ロード・アンロード部10、各一対の洗浄・乾燥処理部12、第1基板ステージ14、ベベルエッチ・薬液洗浄部16及び第2基板ステージ18、基板を180゜反転させる機能を有する水洗部20及び4基のめっき処理部22を有している。更に、ロード・アンロード部10、洗浄・乾燥処理部12及び第1基板ステージ14の間で基板の受渡しを行う第1搬送装置24と、第1基板ステージ14、ベベルエッチ・薬液洗浄部16及び第2基板ステージ18の間で基板の受渡しを行う第2搬送装置26と、第2基板ステージ18、水洗部20及びめっき処理部22の間で基板の受渡しを行う第3搬送装置28が備えられている。
【0017】
めっき装置の内部は、仕切り壁711によってめっき空間712と清浄空間713に仕切られ、これらの各めっき空間712と清浄空間713は、それぞれ独自に給排気できるようになっている。そして、仕切り壁711には、開閉自在なシャッタ(図示せず)が設けられている。また、清浄空間713の圧力は、大気圧より低く、かつめっき空間712の圧力より高くしてあり、これにより、清浄空間713内の空気がめっき装置の外部に流出することがなく、かつめっき空間712内の空気が清浄空間713内に流入することがないようになっている。
【0018】
図2は、めっき装置内の気流の流れを示す。清浄空間713においては、配管730より新鮮な外部空気が取込まれ、この外部空気は、ファンにより高性能フィルタ731を通して清浄空間713内に押込まれ、天井732aよりダウンフローのクリーンエアとして洗浄・乾燥処理部12及びベベルエッチ・薬液洗浄部16の周囲に供給される。供給されたクリーンエアの大部分は、床732bから循環配管733を通して天井732a側に戻され、再び高性能フィルタ731を通してファンにより清浄空間713内に押込まれて清浄空間713内を循環する。一部の気流は、洗浄・乾燥処理部12及びベベルエッチ・薬液処理部16内から配管734により外部に排気される。これにより、清浄空間713内は、大気圧より低い圧力に設定される。
【0019】
水洗部20及びめっき処理部22が存在するめっき空間712は、清浄空間ではない(汚染ゾーン)とはいいながらも、基板表面にパーティクルが付着することは許されない。このため、配管735から取込まれ高性能フィルタ736を通して天井737a側からファンによりめっき空間712内に押込まれたダウンフローのクリーンエアを流すことにより、基板にパーティクルが付着することを防止している。しかしながら、ダウンフローを形成するクリーンエアの全流量を外部からの給排気に依存すると、膨大な給排気量が必要となる。このため、めっき空間712内を清浄空間713より低い圧力に保つ程度に配管738より外部排気を行い、ダウンフローの大部分の気流を床737bから延びる循環配管739を通した循環気流でまかなうようにしている。
【0020】
これにより、循環配管739から天井737a側に戻ったエアは、再びファンにより押込まれ高性能フィルタ736を通ってめっき空間712内にクリーンエアとして供給されて循環する。ここで、水洗部20、めっき処理部22、搬送装置28及びめっき液調整タンク740からの薬液ミストや気体を含むエアは、前記配管738を通して外部に排出されて、めっき空間712内は、清浄空間713より低い圧力に設定される。
【0021】
前記めっき処理部22は、図3に示すように、略円筒状で内部にめっき液45を収容するめっき処理槽46と、このめっき処理槽46の上方に配置されて基板Wを保持するヘッド部47とから主に構成されている。なお、図3は、ヘッド部47で基板Wを保持してめっき液45の液面を上昇させためっき位置にある時の状態を示している。
【0022】
前記めっき処理槽46には、上方に開放し、アノード48を底部に配置しためっき室49を有し、このめっき室49内にめっき液45を保有するめっき槽50が備えられている。前記めっき槽50の内周壁には、めっき室49の中心に向かって水平に突出するめっき液噴出ノズル53が円周方向に沿って等間隔で配置され、このめっき液噴出ノズル53は、めっき槽50の内部を上下に延びるめっき液供給路に連通している。
【0023】
このめっき液供給路は、図4に示すめっき液供給管55を介してめっき液調整タンク40に接続され、このめっき液供給管55の途中に、二次側の圧力を一定に制御する制御弁56が介装されている。
【0024】
更に、この例では、めっき室49内のアノード48の上方位置に、例えば3mm程度の多数の穴を設けたパンチプレート220が配置され、これによって、アノード48の表面に形成されたブラックフィルムがめっき液45によって巻き上げられ、流れ出すことを防止するようになっている。
【0025】
また、めっき槽50には、めっき室49内のめっき液45を該めっき室49の底部周縁から引抜く第1めっき液排出口57と、めっき槽50の上端部に設けた堰部材58をオーバーフローしためっき液45を排出する第2めっき液排出口59と、この堰部材58をオーバーフローする前のめっき液45を排出する第3めっき液排出口120が設けられている。第2めっき液排出口59と第3めっき液排出口120を流れるめっき液は、めっき槽の下端部で一緒になって排出される。第3めっき液排出口120を設ける代わりに、図9に示すように、堰部材58の下部に所定間隔毎に所定幅の開口222を設け、この開口222を通過させためっき液を第2めっき液排出口59に排出するようにしてもよい。
【0026】
これによって、めっき処理時にあって、供給めっき量が大きい時には、めっき液を第3めっき液排出口120から外部に排出するか、または、開口222を通過させて第2めっき液排出口59から外部に排出し、同時に、図9(a)に示すように、堰部材58をオーバーフローさせ、第2めっき液排出口59からも外部に排出する。また、めっき処理時にあって、供給めっき量が小さい時には、めっき液を第3めっき液排出口120から外部に排出するか、または第3めっき液排出口120を設ける代わりに、図9(b)に示すように、開口222を通過させて第2めっき液排出口59からも外部に排出し、これによって、めっき量の大小に容易に対処できるようになっている。
【0027】
更に、図9(d)に示すように、めっき液噴出ノズル53の上方に位置して、めっき室49と第2めっき液排出口59とを連通する液面制御用の貫通孔224が円周方向に沿った所定のピッチで設けられ、これによって、非めっき時にめっき液を貫通孔224を通過させ第2めっき液排出口59から外部に排出することで、めっき液の液面を制御するようになっている。なお、この貫通孔224は、めっき処理時にオリフィスの如き役割を果たして、ここから流れ出すめっき液の量が制限される。
【0028】
図4に示すように、第1めっき液排出口57は、めっき液排出管60aを介してリザーバ226に接続され、このめっき液排出管60aの途中に流量調整器61aが介装されている。第2めっき液排出口59と第3めっき液排出口120は、めっき槽50の内部で合流した後、めっき液排出管60bを介して直接リザーバ226に接続されている。
【0029】
このリザーバ226に入っためっき液は、リザーバ226からポンプ228によりめっき液調整タンク40に入る。このめっき液調整タンク40には、温度コントローラ230や、サンプル液を取り出して分析するめっき液分析ユニット232が付設されており、ポンプ234の駆動に伴って、めっき液調整タンク40からフィルタ236を通して、めっき液45がめっき処理部22のめっき液噴出ノズル53に供給されるようになっている。このめっき液調整タンク40からめっき処理部22に延びるめっき液供給管55の途中に、二次側の圧力を一定にする制御弁56が備えられている。
【0030】
図3に戻って、めっき室49の内部の周辺近傍に位置して、該めっき室49内のめっき液45の上下に分かれた上方の流れでめっき液面の中央部を上方に押上げ、下方の流れをスムーズにするとともに、電流密度の分布をより均一になるようにした鉛直整流リング62と水平整流リング63が該水平整流リング63の外周端をめっき槽50に固着して配置されている。
【0031】
一方、ヘッド部47には、回転自在な下方に開口した有底円筒状で周壁に開口96を有するハウジング70と、下端に押圧リング240を取付けた上下動自在な押圧ロッド242が備えられている。ハウジング70の下端には、図8に示すように、内方に突出するリング状の基板保持部72が設けられ、この基板保持部72に、内方に突出し、上面の先端が上方に尖塔状に突出するリング状のシール材244が取付けられている。更に、このシール材244の上方にカソード電極用接点76が配置されている。また、基板保持部72には、水平方向に外方に延び、更に外方に向けて上方に傾斜して延びる空気抜き穴75が円周方向に沿って等間隔に設けられている。
【0032】
これによって、図6に示すように、めっき液45の液面を下げた状態で、図7及び図8に示すように、基板Wを吸着ハンドH等で保持してハウジング70の内部に入れて基板保持部72のシール材244の上面に載置し、吸着ハンドHをハウジング70から引き抜いた後、押圧リング240を下降させることで、基板Wの周縁部をシール材244と押圧リング240の下面で狭持して基板Wを保持し、しかも基板Wを保持した時に基板Wの下面とシール材244が圧接して、ここを確実にシールし、同時に基板Wとカソード電極用接点76とが通電するようになっている。
【0033】
図3に戻って、ハウジング70は、モータ246の出力軸248に連結されて、モータ246の駆動によって回転するように構成されている。また、押圧ロッド242は、モータ246を囲繞する支持体250に固着したガイド付きシリンダ252の作動によって上下動するスライダ254の下端にベアリング256を介して回転自在に支承したリング状の支持枠258の円周方向に沿った所定位置に垂設され、これによって、シリンダ252の作動によって上下動し、しかも基板Wを保持した時にハウジング70と一体に回転するようになっている。
【0034】
支持体250は、モータ260の駆動に伴って回転するボールねじ261と螺合して上下動するスライドベース262に取付けられ、更に上部ハウジング264で囲繞されて、モータ260の駆動に伴って、上部ハウジング264と共に上下動するようになっている。また、めっき槽50の上面には、めっき処理時にハウジング70の周囲を囲繞する下部ハウジング266が取付けられている。
【0035】
これによって、図6に示すように、支持体250と上部ハウジング264とを上昇させた状態で、メンテナンスを行うことができるようになっている。また、堰部材58の内周面にはめっき液の結晶が付着し易いが、このように、支持体250と上部ハウジング264とを上昇させた状態で多量のめっき液を流して堰部材58をオーバーフローさせることで、堰部材58の内周面へのめっき液の結晶の付着を防止することができる。また、めっき槽50には、めっき処理時にオーバーフローするめっき液の上方を覆うめっき液飛散防止カバー50bが一体に設けられているが、このめっき液飛散防止カバー50bの下面に、例えばHIREC(NTTアドバンステクノロジ社製)等の超撥水材をコーティングすることで、ここにめっき液の結晶が付着することを防止することができる。
【0036】
ハウジング70の基板保持部72の上方に位置して、基板Wの芯出しを行う基板芯出し機構270が、この例では円周方向に沿った4カ所に設けられている。図10は、この基板芯出し機構270の詳細を示すもので、これは、ハウジング70に固定した門形のブラケット272と、このブラケット272内に配置した位置決めブロック274とを有し、この位置決めブロック274は、その上部において、ブラケット272に水平方向に固定した枢軸276を介して揺動自在に支承され、更にハウジング70と位置決めブロック274との間に圧縮コイルばね278が介装されている。これによって、位置決めブロック274は、圧縮コイルばね278を介して枢軸276を中心に下部が内方に突出するように付勢され、その上面274aがストッパとしての役割を果たしブラケット272の上部下面272aに当接することで、位置決めブロック274の動きが規制されるようになっている。更に、位置決めブロック274の内面は、上方に向けて外方に拡がるテーパ面274bとなっている。
【0037】
これによって、例えば搬送ロボット等の吸着ハンドで基板を保持しハウジング70内に搬送して基板保持部72の上に載置した際、基板の中心が基板保持部72の中心からずれていると圧縮コイルばね278の弾性力に抗して位置決めブロック274が外方に回動し、搬送ロボット等の吸着ハンドによる把持を解くと、圧縮コイルばね278の弾性力で位置決めブロック274が元の位置に復帰することで、基板の芯出しを行うことができるようになっている。
【0038】
図11は、カソード電極用接点76のカソード電極板208に給電する給電接点(プローブ)77を示すもので、この給電接点77は、プランジャで構成されているとともに、カソード電極板208に達する円筒状の保護体280で包囲されて、めっき液から保護されている。
【0039】
次に、このめっき処理部22によるめっき処理について説明する。
先ず、めっき処理部22に基板を受渡す時には、図1に示す第3搬送装置28の吸着ハンドと該ハンドで表面を下に向けて吸着保持した基板Wを、ハウジング70の開口96からこの内部に挿入し、吸着ハンドを下方に移動させた後、真空吸着を解除して、基板Wをハウジング70の基板保持部72上に載置し、しかる後、吸着ハンドを上昇させてハウジング70から引き抜く。次に、押圧リング240を下降させて、基板Wの周縁部を基板保持部72と押圧リング240の下面で挟持して基板Wを保持する。
【0040】
そして、めっき液噴出ノズル53からめっき液45を噴出させ、同時にハウジング70とそれに保持された基板Wを中速で回転させ、めっき液45が所定の量まで充たされ、更に数秒経過した時に、ハウジング70の回転速度を低速回転(例えば、100min−1)に低下させ、アノード48を陽極、基板処理面を陰極としてめっき電流を流して電解めっきを行う。
【0041】
通電を終了した後、図9(d)に示すように、めっき液噴出ノズル53の上方に位置する液面制御用の貫通孔224のみからめっき液が外部に流出するようにめっき液の供給量を減少させ、これにより、ハウジング70及びそれに保持された基板Wをめっき液面上に露出させる。このハウジング70とそれに保持された基板Wが液面より上にある位置で、高速(例えば、500〜800min−1)で回転させてめっき液を遠心力により液切りする。液切りが終了した後、ハウジング70が所定の方向に向くようにしてハウジング70の回転を停止させる。
【0042】
ハウジング70が完全に停止した後、押圧リング240を上昇させる。次に、第3搬送装置28の吸着ハンドを、その吸着面を下に向けて、ハウジング70の開口96からこの内部に挿入し、吸着ハンドが基板を吸着できる位置にまで吸着ハンドを下降させる。そして、基板を吸着ハンドにより真空吸着し、吸着ハンドをハウジング70の開口96の上部の位置にまで移動させて、ハウジング70の開口96から吸着ハンドとそれに保持した基板を取り出す。
【0043】
このめっき処理部22によれば、ヘッド部47の機構的な簡素化及びコンパクト化を図り、かつめっき処理槽46内のめっき液の液面がめっき時液面にある時にめっき処置を、基板受渡し時液面にある時に基板の水切りと受渡しを行い、しかもアノード48の表面に生成されたブラックフィルムの乾燥や酸化を防止することができる。
【0044】
図12は洗浄・乾燥処理部12を示す概略図であり、洗浄・乾燥処理部12では、半導体基板Wの表面及び裏面をPVAスポンジロール9−2,9−2でスクラブ洗浄する。ノズル9−4から噴出する洗浄水としては、純水が主であるが、界面活性剤やキレート剤若しくは両者を混合した後にpH調整を行い、酸化銅のゼーター電位にあわせたものを使用してもよい。また、ノズル9−4には超音波振動素子9−3を設け、噴出する洗浄水に超音波振動を加えてもよい。なお、符号9−1は半導体基板Wを水平面内で回転させるための回転用コロである。
【0045】
ベベルエッチ・薬液洗浄部16は、エッジ(ベベル)Cuエッチングと裏面洗浄が同時に行え、また基板表面の回路形成部の銅の自然酸化膜の成長を抑えることが可能である。図13に、ベベルエッチ・薬液洗浄部16の概略を示す。図13に示すように、ベベルエッチ・薬液洗浄部16は、有底円筒状の防水カバー420の内部に位置して基板Wをフェイスアップでその周縁部の円周方向に沿った複数箇所でスピンチャック421により水平に保持して高速回転させる基板保持部422と、この基板保持部422で保持された基板Wの表面側のほぼ中央部上方に配置されたセンタノズル424と、基板Wの周縁部の上方に配置されたエッジノズル426とを備えている。センタノズル424及びエッジノズル426はそれぞれ下向きで配置されている。また基板Wの裏面側のほぼ中央部の下方に位置してバックノズル428が上向きで配置されている。前記エッジノズル426は基板Wの直径方向及び高さ方向を移動自在に構成されている。
【0046】
このエッジノズル426の移動幅Lは、基板の外周端面から中心部方向に任意の位置決めが可能になっていて、基板Wの大きさや使用目的等に合わせて、設定値の入力を行う。通常、2mmから5mmの範囲でエッジカット幅Cを設定し、裏面から表面への液の回り込み量が問題にならない回転数以上であれば、その設定されたカット幅C内の銅膜を除去することができる。
【0047】
次に、このベベルエッチ・薬液洗浄部16による処理方法について説明する。まず、基板をスピンチャック421を介して基板保持部422で水平に保持した状態で、半導体基板Wを基板保持部422と一体に水平回転させる。この状態で、センタノズル424から基板Wの表面側の中央部に酸溶液を供給する。この酸溶液としては非酸化性の酸であればよく、例えばフッ酸、塩酸、硫酸、クエン酸、蓚酸等を用いる。一方、エッジノズル426から基板Wの周縁部に酸化剤溶液を連続的または間欠的に供給する。この酸化剤溶液としては、オゾン水、過酸化水素水、硝酸水、次亜塩素酸ナトリウム水等のいずれかを用いるか、またはそれらの組み合わせを用いる。
【0048】
これにより、半導体基板Wの周縁部Cの領域では上面及び端面に成膜された銅膜等は酸化剤溶液で急速に酸化され、同時にセンタノズル424から供給されて基板の表面全面に拡がる酸溶液によってエッチングされ溶解除去される。このように、基板周縁部で酸溶液と酸化剤溶液を混合させることで、予めそれらの混合水をノズルから供給するのに比べて急峻なエッチングプロフィールを得ることができる。このときそれらの濃度により銅のエッチングレートが決定される。また、基板の表面の回路形成部に銅の自然酸化膜が形成されていた場合、この自然酸化物は基板の回転に伴って基板の表面全面に亘って広がる酸溶液で直ちに除去されて成長することはない。
【0049】
すなわち、表面からHFを流すことで、めっきの時に形成された表面の酸化銅を除去することができ、またエッチング中にも酸化膜の形成が起きない。半導体基板の表面に銅の酸化膜が存在するとCMPのときに酸化銅の部分のみ先に研磨されてしまうため、CMP後の表面の平坦性に悪影響を与えてしまうが、このように銅の酸化膜を除去することで、このような弊害を回避できる。
【0050】
なお、センタノズル424からの酸溶液の供給を停止した後、エッジノズル426からの酸化剤溶液の供給を停止することで、表面に露出しているシリコンを酸化して、銅の付着を抑制することができる。
【0051】
つまり、例えば、Siのような活性面が露出する基板の場合には、Hを後に止めて表面を酸化し不活性化することで、その後のCMPでスクラッチの原因となる大きなパーティクルの吸着を防ぐことができる。このように、Hで銅を酸化し、その酸化した銅をHFで除去する工程を繰り返すことにより、混合液を使用して銅の酸化と除去を同時に行う場合に比較して、銅の除去率を向上させることができる。
【0052】
一方、バックノズル428から基板の裏面中央部に酸化剤溶液とシリコン酸化膜エッチング剤とを同時または交互に供給する。これにより半導体基板Wの裏面側に金属状で付着している銅等を基板のシリコンごと酸化剤溶液で酸化しシリコン酸化膜エッチング剤でエッチングして除去することができる。なおこの酸化剤溶液としては表面に供給する酸化剤溶液と同じものにする方が薬品の種類を少なくする上で好ましい。またシリコン酸化膜エッチング剤としては、フッ酸を用いることができ、基板の表面側の酸溶液もフッ酸を用いると薬品の種類を少なくすることができる。
【0053】
これにより、酸化剤供給を先に停止すれば疎水面が得られ、エッチング剤溶液を先に停止すれば飽水面(親水面)が得られて、その後のプロセスの要求に応じた裏面に調整することもできる。このように酸溶液すなわちエッチング液を基板に供給して、基板Wの表面に残留する金属イオンを除去した後、更に純水を供給して、純水置換を行ってエッチング液を除去し、その後、スピン乾燥を行う。このようにして半導体基板表面の周縁部のエッジカット幅C内の銅膜の除去と裏面の銅汚染除去を同時に行って、この処理を例えば80秒以内に完了させることができる。なお、エッジのエッチングカット幅を任意(2mm〜5mm)に設定することが可能であるが、エッチングに要する時間はカット幅に依存しない。
【0054】
図14乃至図17は、前記洗浄・乾燥処理部12及びベベルエッチ・薬液洗浄部16に使用して最適な基板回転装置440を示す。この基板回転装置440は、基板Wを水平に保持して回転させるためのものであり、水平に設定されて、回転駆動軸442によって回転される円板状の回転部材444と、基板Wを回転部材444上に保持するための複数の保持部材446とを有している。この保持部材446は、回転駆動軸442を中心とする円に沿って所定間隔(図示の例では、60°)を空けて回転部材444の外周縁部分に設けられて、基板Wの周縁W′に係合することにより、基板Wを水平に保持する。図14において、参照番号447は、回転駆動軸442とモータMとを駆動連結するためのベルト駆動装置であり、Hは当該回転保持装置440を収納するハウジングで、ノズルNによって基板W上に供給される洗浄液等が周囲に飛散するのを防いで集め、排出管Dから排出するようになっている。
【0055】
図16に保持部材446の詳細を示す。すなわち、保持部材446は、ほぼ円柱状で、その上部先端近くに、環状溝のように形成された係合周面448を有している。この係合周面448が基板Wの周縁W′と摩擦係合するようにされている。保持部材446は、回転部材444の外周縁部分に半径方向に延びるように形成されたスロット450を垂直に貫通し、その下端は、回転部材444の下方に延出して、回転部材444と一体に回転されるように構成された保持板452に回転自在に支承されている。これによって、保持部材446は、その軸心を中心に回動可能に保持されている。すなわち、保持板452は、垂直上方に延びる小径軸454を有しており、一方、保持部材446にはその下端から上方に向けて延びる孔456が形成されており、該孔456が小径軸454に遊嵌して、保持部材446が、小径軸454を中心に回動するようになっている。
【0056】
また、保持部材446の下端には、ウェイト458が固定されて水平方向に延びており、回転部材444が回転されて保持部材446が回転部材444の回転軸線(すなわち、回転駆動軸442)を中心に回転(公転)されると、ウェイト458に遠心力が働き、それにより保持部材446が、その軸心の周りで回動(自転)するようになされている。図17に実線で示すウェイト458の位置は、ホームポジションであり、図示しない弾性手段によってこの位置に押圧されており、所定の遠心力が加わると、ウェイト458は、一点鎖線で示す位置に向けて矢印Aの方向に動き、これに伴って、基板Wが矢印Bの方向に回動される。
【0057】
保持板452は、図示しないリンク機構等によって、上記スロット450に沿って、回転部材444の半径方向Cに向けて水平に移動可能になるように支持されており、保持板452が基板Wの周縁W′に係合する係合保持位置(図16の位置)と、この係合保持位置よりも半径方向外側に位置し、基板Wの周縁W′から離れる離脱位置との間を移動可能としている。また、保持板452は、ばね460で回転部材444の半径方向内側に向けて付勢されており、係合保持位置にある保持部材446の係合周面448が、ばね460を介して弾性的に基板Wの周縁W′に係合するようにされている。
【0058】
この回転保持装置440によって、基板Wを保持して回転させるには、先ず、保持部材446をばね460の付勢力に抗して回転部材444の半径方向外側の離脱位置まで移動させる。この状態で基板Wを回転部材444の上方位置に水平に設定し、保持部材446を係合位置まで戻して、その係合周面448を基板Wの周縁W′に係合させ、基板Wを弾性的に保持する。
【0059】
回転部材444が回転駆動され、保持部材446が公転運動を行うと、ウェイト458には遠心力が働く。回転部材444の回転速度が低速の場合には、ウェイト458に作用する遠心力は小さく、保持部材446を上記ホームポジションに押圧しているばね圧によって、ウェイト458は揺動されない状態に保持されるが、回転部材444の回転速度が所定以上になると、ウェイト458に作用する遠心力が同ばねの圧に抗して、ウェイト458が揺動し、これによって、保持部材446はその軸心を中心として回動(自転)する。上述の通り、保持部材446は、基板Wの周縁W′と摩擦係合しているため、保持部材446が回動することにより、基板Wが図17の矢印B方向に回動され、従って、基板Wの周縁W′の保持部材446との係合位置は変わる。
【0060】
図示の例においては、保持部材446に該保持部材446の軸心と偏心した位置に重心を持つウェイト458を取付け、これにより、回転部材444の回転に伴って、保持部材446がその軸心を中心に回動(自転)するようにした例を示しているが、保持部材446の回動(自転)は、必ずしも、これに限られるものではなく、例えば、保持部材446に何らかのリンク機構を接続しておき、このリンク機構を作動させることにより、保持部材446を回動(自転)させるようにしてもよい。
【0061】
この回転保持装置440は、上述の如き構成及び作用を有するものであり、例えば、基板Wを洗浄処理するときに、この回転保持装置440によって基板Wを保持して回転するようにすれば、この洗浄処理中に、基板Wと保持部材446との係合位置を変えることができるので、基板Wの洗浄処理に用いられる洗浄液等を基板Wの周縁の全ての部分に行き渡らせることができ、従って、適正な処理が可能となる。
【0062】
この回転保持装置440は、全ての洗浄装置に適用できるが、ベベルエッチ・薬液洗浄部16に最適である。つまり、ベベルエッチ・薬液洗浄部16に適用すると、基板Wを確実に保持するとともに、基板のエッジ(周縁W′)と保持部材446との係合位置を変えることで、基板Wのエッジやベベル部を残すことなくエッチングできる。
【0063】
図18は、搬送装置26と該搬送装置26のハンドに設けた乾燥状態膜厚測定機413の構成例を示す図である。図18(a)は搬送装置26の外観を示す図であり、図18(b)および図18(c)はそれぞれロボットハンドの平面図および断面図である。図示するように、搬送装置26は上下に二つのハンド3−1,3−1を有し、該ハンド3−1,3−1はそれぞれアーム3−2,3−2の先端に取付けられ、旋回移動できるようになっている。そしてハンド3−1,3−1で半導体基板Wを掬い上げ(半導体基板Wを凹部に落とし込む)、所定の場所に移送することができるようになっている。
【0064】
ハンド3−1の半導体基板Wの落とし込み面には、乾燥状態膜厚測定機413を構成する渦電流センサ413aが複数個(図では4個)設けられ、載置された半導体基板Wの膜厚を測定できるようになっている。
【0065】
このように、搬送装置26に乾燥状態膜厚測定機413を取付けることで、ロボットハンド3−1,3−1上で膜厚を測定できる。そして、この膜厚測定結果を半導体基板Wの加工記録として残したり、この結果を基に、次の工程に持っていけるか否かの判定を行うことができる。なお、搬送装置28もこの搬送装置26と同様な構成であり、この搬送装置28側に乾燥状態膜厚測定機413を取付けるようにしてもよい。
【0066】
次に、図19を参照して本発明のめっき方法について説明する。この例は、図1に示す4基のめっき処理部22の内の1基を第1段めっき処理用の第1のめっき処理部22aとして、他の3基を第2段めっき処理用の第2のめっき処理部22bとして使用することで、図40(a)に示すシード層7の薄肉部を第1のめっき処理部22aによる第1段めっき処理で補強して薄肉部のない完全なものとし、このように補強した状態で、第2のめっき処理部22bによる第2段めっき処理、つまり銅の埋込みを行うようにしたものである。
【0067】
ここで、第1のめっき処理部22aにあっては、そのめっき液45(図3参照)として、2価の銅イオン、錯化剤及びpH調整剤とを有し、アルカリ金属及びシアン金属を含まないめっき液、例えばピロリン酸銅、ピロリン酸及びコリンからなる均一導電性に優れためっき液(第1のめっき液)を使用している。この第1のめっき液は、コリン等のpH調整剤を添加して、pH7〜14、好ましくはpH8〜11、更に好ましくはpH8〜9程度にすることで、pHが低すぎて錯体が有効に結びつかずに不完全となったり、逆に高すぎて錯体が別の形となって沈殿物ができることを防止しているが、pH調整剤は、必ずしも必要ではない。この2価の銅イオンは、例えばピロリン酸銅の他、硫酸銅、酢酸銅、塩化銅、EDTA−Cu、炭酸銅、硝酸銅、スルファミン酸銅などの銅塩を溶解することによって得られる。
第2のめっき処理部22bにあっては、そのめっき液45(図3参照)として、その組成に硫酸銅と硫酸を含むレベリング性に優れた硫酸銅めっき液(第2のめっき液)を使用している。
【0068】
先ず、表面にシード層7(図39(a)参照)を形成した基板Wをロード・アンロード部10から第1搬送装置24で一枚ずつ取り出し、第1基板ステージ14及び第2基板ステージ18を経由して第1のめっき処理部22aに搬入する(ステップ1)。
【0069】
次に、この第1のめっき処理部22aで第1のめっき液による第1段めっき処理を行って、シード層7の薄肉部を補強しこれを完全なものとする(ステップ2)。つまり、この第1のめっき処理部22aに使用される第1のめっき液は、例えばピロリン酸銅をベースとして、これにピロリン酸等の錯化剤が添加されているため、通常の硫酸銅めっき液(第2のめっき液)よりも分極が高い。ここで、分極が高いとは、電流密度の変化に対する電圧の変化の比が大きいこと、つまり電位の振れに対して電流密度の変動が少ないことを意味する。例えば、図20に示す陰分極曲線を有するA浴とB浴とを比較したとき、B浴におけるb/(D−D)の方がA浴におけるa/(D−D)より大きいため、B浴の方がA浴より分極が高い。これによって、例えシード層7の膜厚に差があり、通電時に電位差が生じても、電流密度の変動を少なくすることができる。このため、析出電位を上昇させ、電着性の均一性を向上させて、通常の硫酸銅めっき液では析出が困難だったシード層の薄い部分にもめっきが析出する。
ここで、錯体自体あるいはpH調整剤にアルカリ金属が含まれていないので、アルカリ金属が膜中に取り込まれて半導体特性を劣化させることはない。
【0070】
電源としては、直流、パルス、PRパルス等を使用するができるが、パルス、PRパルス等を使用することが好ましい。これにより、銅イオンの拡散を改善して均一電着性をより向上させ、直流よりも大きな電流を流して析出銅膜を緻密なものにし、更にめっき時間の短縮も可能となる。
【0071】
ここで、直流電源の場合、電流密度は、0.01A/dm〜30A/dm程度が適用可能であり、0.1A/dm〜3A/dm程度が好ましい。パルス電源の場合は、0.01A/dm〜200A/dm程度が適用可能である。これにより、生産性の低下を防止するとともに、ヤケめっきの発生を防止することができる。また、銅めっき液の温度は、低すぎると析出効率が悪くなって物性が悪くなり、高すぎるとめっき液の安定性(均一性)が悪化して管理が困難となるため、10℃〜80℃程度が適用可能であり、25℃程度が好ましい。
【0072】
そして、第1段めっき処理終了後、必要に応じて、基板Wを水洗部20に搬送して水洗し(ステップ3)、しかる後、水洗後の基板Wを第2のめっき処理部22bの一つに搬送する。
【0073】
次に、この第2のめっき処理部22bで、基板Wの表面に、硫酸銅の濃度が高く、硫酸濃度が低い、例えば硫酸銅100〜300g/L、硫酸10〜100g/L程度の組成を有し、レベリング性を向上させる添加剤を含有したレベリング性に優れた硫酸銅めっき液(第2のめっき液)を使用した第2段めっき処理を施して、銅の埋込みを行う(ステップ4)。この時、第1段めっき処理を施すことで、シード層7(図39(a)及び図40(a)参照)が補強されて薄肉部のない完全なものとなっているため、シード層7に均一に電流が流れて、ボイドのない銅の埋込みが可能となる。
【0074】
このレベリング性を向上させる効果のある添加剤は、例えば有機窒素系化合物であり、具体的には、フェナチジン系化合物、フタロシアニン系化合物、ポリエチレンイミン、ポリベンジルエチレンイミンなどのポリアルキレンイミンおよびその誘導体、N−染料置換体化合物などのチオ尿素誘導体、フェノサフラニン、サフラニンアゾナフトール、ジエチルサフラニンアゾフェノール、ジメチルサフラニンジメチルアニリンなどのサフラニン化合物、ポリエピクロルヒドリンおよびその誘導体、チオフラビン等のフェニルチアゾニウム化合物、アクリルアミド、プロピルアミド、ポリアクリル酸アミドなどのアミド類等の含窒素化合物を挙げることができる。
【0075】
ここで、レベリング性とは、表面平坦度に対する性質を意味し、レベリング性に優れためっき液を使用してめっきを行うと、微細窪みの入口での膜成長が遅くなり、これによって、ボイドの発生を防止しつつ、微細窪み内に銅を均一に隙間なく充填し、しかも表面をより平坦にすることができる。
【0076】
なお、第1のめっき液の分極範囲(銅の析出電位)は、例えば電極としてAg−AgCl電極を使用した場合は、−0.2V以下、より好ましくは−1.5〜−0.2V程度であり、第2のめっき液の分極範囲(銅の析出範囲)は、例えば電極としてAg−AgCl電極を使用した場合は、約0.1〜−0.1V程度である。
【0077】
コンタクトホールの内部、特にコンタクトホール下部の側壁は、シード層の厚さが薄いために、導電性が一般に悪く(析出電位が高いため抵抗が高く)、小さい分極のめっき液を使用すると銅めっきが析出しずらいが、第1のめっき液として分極が高く、高い電圧でないと銅が析出しないものを使用することで、厚みが異なり、析出電位の異なるシード層表面(シード層が全面に付着せずバリア層が露出している場合はバリア層表面)に均一に銅めっきを施すことができる。
【0078】
第2段めっき処理終了後、必要に応じて、基板Wを水洗部20に搬送して水洗し(ステップ5)、しかる後、水洗後の基板Wをベベルエッチ・薬液洗浄部16に搬送する。そして、このベベルエッチ・薬液洗浄部16で、銅めっき処理後の基板Wを薬液で洗浄するとともに、基板Wのベベル部に薄く形成された銅薄膜等をエッチング除去する(ステップ6)。次に、この基板を、洗浄・乾燥処理部12に搬送し、ここで基板Wの洗浄・乾燥処理を行い(ステップ7)、しかる後、この基板を第1搬送装置24でロード・アンロード部10のカセットに戻す(ステップ8)。
【0079】
ステップ7とステップ8の間に、基板Wの熱処理工程を入れることもできる。例えば、200〜500℃、好ましくは400℃程度の熱処理により、銅膜の電気特性を向上させることができる。例えば、図1に示す洗浄・乾燥処理部12の機能をベベルエッチ・薬液洗浄部16に持たせることにより、洗浄・乾燥処理部12の代わりに、アニール処理部(熱処理部)を設けることもできる。
【0080】
次に、図21を参照して、他のめっき方法について説明する。この例は、図1に示す4基のめっき処理部22を全て銅埋込み用に使用して、前述のようなシード層の薄肉部の補強を行うことなく、めっき処理部22による銅の埋込みを行うようにしたものである。
【0081】
ここで、このめっき処理部22にあっては、その銅めっき液45(図3参照)として、2価の銅イオン、錯化剤及びpH調整剤とを有し、更に銅の埋込み性を向上させるため、例えばチアゾール系の添加剤を添加しためっき液を使用している。その他の条件は、第1の実施の形態の第1のめっき処理部22aに使用された銅めっき液(第1のめっき液)とほぼ同様である。
【0082】
先ず、表面にシード層7(図39(a)参照)を形成した基板Wをロード・アンロード部10から第1搬送装置24で一枚ずつ取り出し、第1基板ステージ14及び第2基板ステージ18を経由して一つのめっき処理部22に搬入する(ステップ1)。
【0083】
次に、このめっき処理部22でめっき処理を行って、銅の埋込みを行う(ステップ2)。つまり、この銅めっき液は、第1の実施の形態の第1のめっき処理部22aに使用された第1のめっき液と同様に分極が高く、これによって、析出電位を上昇させ、電着性の均一性を向上させて、通常の硫酸銅めっき液では析出が困難だったシード層の薄い部分にもめっきを析出させ、更にこのめっきを成長させてボイドのない銅の埋込みが可能となる。なお、この時のめっき条件等は、第1の実施の形態の第1段めっき処理とほぼ同様である。
【0084】
次に、めっき処理終了後、必要に応じて、基板Wを水洗部20に搬送して水洗し(ステップ3)、しかる後、水洗後の基板Wをベベルエッチ・薬液洗浄部16に搬送する。そして、このベベルエッチ・薬液洗浄部16で銅めっき処理後の基板Wを薬液で洗浄するとともに、基板Wのベベル部に薄く形成された銅薄膜等をエッチング除去して(ステップ4)、基板を洗浄・乾燥処理部12に搬送する。そして、この洗浄・乾燥処理部12で基板Wの洗浄・乾燥処理を行い(ステップ5)、しかる後、この基板を第1搬送装置24でロード・アンロード部10のカセットに戻す(ステップ6)。
図21に示す洗浄・乾燥処理(ステップ5)とアンロード(ステップ6)との間にアニール処理工程を入れることができる。
【0085】
次に、本発明の実施例について説明する。先ず、表1に示す錯体浴組成1〜4からなる銅めっき液と、表2に示す硫酸銅浴組成1,2からなる銅めっき液を作成した。この錯体浴1〜3と硫酸銅浴1の電流・電圧曲線を図22に示す。これにより、錯体浴1〜3の方が硫酸銅浴1よりも分極が高いことが判る。
【0086】
【表1】
Figure 0003919474
【0087】
【表2】
Figure 0003919474
【0088】
(実施例1)
錯体浴組成1の銅めっき液を第1の実施の形態の第1のめっき処理部22aの銅めっき液に使用し、電流密度0.5A/dm、めっき時間25秒の第1段めっき処理(シード層補強)を行い、しかる後、硫酸銅浴組成1の銅めっき液を第2のめっき処理部22bの銅めっき液に使用し、電流密度2.5A/dm、めっき時間2分の第2段めっき処理(銅の埋込み)を行った。
【0090】
(実施例
錯体浴組成3の銅めっき液を第1の実施の形態の第1のめっき処理部22aの銅めっき液に使用し、電流密度0.5A/dm、めっき時間25秒の第1段めっき処理(シード層補強)を行い、しかる後、硫酸銅浴組成1の銅めっき液を第2のめっき処理部22bの銅めっき液に使用し、電流密度2.5A/dm、めっき時間2分の第2段めっき処理(銅の埋込み)を行った。
【0092】
(比較例1)
硫酸銅浴組成1の銅めっき液を使用し、電流密度2.5A/dm、めっき時間2分のめっき処理(銅の埋込み)を行った。
【0093】
(比較例2)
硫酸銅浴組成2の銅めっき液を使用し、電流密度2.5A/dm、めっき時間2分のめっき処理(銅の埋込み)を行った。
【0094】
これらの実施例1,2及び比較例1,2によって微細窪みに埋込んだ銅の欠陥の有無をSEM観察した。ここで、電析不良有りとは、図23(a)に示すように、溝の底部に銅が析出しない空洞部Vを有する状態を指し、シームボイド有りとは、図23(b)に示すように、銅の内部に細長いボイドVを有する状態を指し、粒状のボイド有りとは、図23(c)に示すように、銅の内部に粒状のボイドVを有する状態を指す。
【0095】
【表3】
Figure 0003919474
これにより、実施例1及び2にあっては、電析不良やボイドのない銅の埋込みを行えることが判る。
【0096】
次に、表4に示す錯体浴組成1〜4からなる銅めっき液と、表5に示す硫酸銅浴組成1,2からなる銅めっき液を作成し、前記実施例1,2及び比較例1,2と同様にめっき処理を施したところ、前記とほぼ同様な結果が得られた。
【0097】
【表4】
Figure 0003919474
【0098】
【表5】
Figure 0003919474
【0099】
以上説明したように、本発明によれば、銅めっき液中に錯化剤を有することで、めっき浴としての分極を大きくして、シード層の薄い部分の補強や高アスペクト比のトレンチやホール等の微細窪みの奥までの銅の均一な埋込みが可能となり、しかも析出するめっきは緻密であり、マイクロボイドの危険も回避できる。更に、アルカリ金属及びシアンを含んでいないので、アルカリ金属の存在に伴うエレクトロマイグレーションによって半導体を劣化させてしまうことを防止するとともに、シアンの使用を避けるとの要請に応えることができる。
【0100】
図24は、本発明に係るめっき装置の他の実施の形態の平面配置構成を示す図である。このめっき装置は、第1搬送装置600及び第2搬送装置602を囲むように、ロード・アンロード部604、2基のアニール処理部606及び洗浄処理部608が配置され、更に、洗浄処理部608、4基のめっき処理部610に囲まれた位置に第3搬送装置612が配置された構成である。更に、各めっき処理部610にめっき液を供給する薬液供給システム614が備えられている。
【0101】
このめっき装置で、図21に示すように、シード層の補強と銅の埋込みの2段のめっき処理を行うときには、4基のめっき処理部610の少なくとも1基を、前述と同様な組成の第1のめっき液を使用した第1段めっき処理用のめっき処理部として、他をめっき処理部610を、前述と同様な組成の第2のめっき液を使用した第2段めっき処理用のめっき処理部として使用する。
【0102】
図25は、例えば半導体基板Wの表面にめっきを施して銅膜からなる配線を形成し、更にこの配線の表面を無電解めっきによる保護層で選択的に覆って保護するようにした工程の一例を示す。
【0103】
半導体基板Wには、図25(a)に示すように、半導体素子が形成された基板100の導電層101aの上にSiOからなる絶縁膜102が堆積され、リソグラフィ・エッチング技術によりコンタクトホール103と配線用の溝104が形成され、その上にTaN等からなるバリア層105、更にその上にシード層107が形成される。なおシード層107は、スパッタなどによって予め形成しておき、このシード層107の上にこれを補強するために補強シード層を形成してもよい。そして図25(b)に示すように、半導体基板W表面に銅めっきを施すことで、半導体基板Wのコンタクトホール103及び溝104内に銅を充填させると共に、絶縁膜2上に銅膜106を堆積させる。その後化学的機械的研磨(CMP)により絶縁膜102上の銅膜106を除去して、図25(c)に示すように、コンタクトホール103および配線用の溝104に充填した銅膜106の表面と絶縁膜102の表面とを略同一平面にし、露出する金属表面の上に配線保護膜108を形成する。
【0104】
図26は、無電解めっき装置の概略構成図である。図26に示すように、この無電解めっき装置は、被めっき部材である半導体基板Wをその上面に保持する保持手段311と、保持手段311に保持された半導体基板Wの被めっき面(上面)の周縁部に当接して該周縁部をシールする堰部材331と、堰部材331でその周縁部をシールされた半導体基板Wの被めっき面にめっき液を供給するシャワーヘッド341を備えている。無電解めっき装置は、さらに保持手段311の上部外周近傍に設置されて半導体基板Wの被めっき面に洗浄液を供給する洗浄液供給手段351と、排出された洗浄液等(めっき廃液)を回収する回収容器361と、半導体基板W上に保持しためっき液を吸引して回収するめっき液回収ノズル(図示せず)と、前記保持手段311を回転駆動するモータ(回転駆動手段)Mとを備えている。
【0105】
保持手段311の上方には、ランプヒータ317が設置され、このランプヒータ317とシャワーヘッド341とは一体化されている。即ち、例えば複数の半径の異なるリング状のランプヒータ317を同心円状に設置し、ランプヒータ317の間の隙間からシャワーヘッド341の多数のノズル343をリング状に開口させている。なおランプヒータ317としては、渦巻状の一本のランプヒータで構成しても良いし、さらにそれ以外の各種構造・配置のランプヒータで構成しても良い。
【0106】
保持手段311は、その上面に半導体基板Wを載置して保持する基板載置部313を設けている。この基板載置部313は半導体基板Wを載置して固定するように構成されており、具体的には半導体基板Wをその裏面側に真空吸着する図示しない真空吸着機構を設置している。この保持手段311はモータMによって回転駆動されると共に、図示しない昇降手段によって上下動できるように構成されている。堰部材331は筒状であってその下部に半導体基板Wの外周縁をシールするシール部333を設け、図示の位置から上下動しないように設置されている。
【0107】
シャワーヘッド341は、多数のノズル343を設けることで、供給されためっき液をシャワー状に分散して半導体基板Wの被めっき面に略均一に供給する構造のものである。また洗浄液供給手段351は、ノズル353から洗浄液を噴出する構造である。めっき液回収ノズルは上下動且つ旋回できるように構成されていて、その先端が半導体基板Wの上面周縁部の堰部材331の内側に下降して半導体基板W上のめっき液を吸引するように構成されている。
【0108】
次にこの無電解めっき装置の動作を説明する。まず図示の状態よりも保持手段311を下降して堰部材331との間に所定寸法の隙間を設け、基板載置部313に半導体基板Wを載置・固定する。半導体基板Wとしては例えばφ8インチウエハを用いる。
【0109】
次に、保持手段311を上昇して図示のようにその上面を堰部材331の下面に当接し、同時に半導体基板Wの外周を堰部材331のシール部333によってシールする。このとき半導体基板Wの表面は開放された状態となっている。
【0110】
次に、ランプヒータ317によって半導体基板W自体を直接加熱して、例えば半導体基板Wの温度を70℃にし(めっき終了まで維持する)、次にシャワーヘッド341から例えば50℃に加熱されためっき液を噴出して半導体基板Wの表面の略全体にめっき液を降り注ぐ。半導体基板Wの表面は堰部材331によって囲まれているので、注入しためっき液は全て半導体基板Wの表面に保持される。供給するめっき液の量は半導体基板Wの表面に1mm厚(約30ml)となる程度の少量で良い。なお被めっき面上に保持するめっき液の深さは10mm以下であれば良く、1mmでも良い。このように供給するめっき液が少量で済めばこれを加熱する加熱装置も小型のもので良くなる。そしてこの例においては、半導体基板Wの温度を70℃に、めっき液の温度を50℃に加熱しているので、半導体基板Wの被めっき面は例えば60℃になり、めっき反応に最適な温度にできる。このように半導体基板W自体を加熱するように構成すれば、加熱するのに大きな消費電力の必要なめっき液の温度をそれほど高く昇温しなくても良いので、消費電力の低減化やめっき液の材質変化の防止が図れ、好適である。なお半導体基板W自体の加熱のための消費電力は小さくて良く、また半導体基板W上に溜めるめっき液の量は少ないので、ランプヒータ317による半導体基板Wの保温は容易に行え、ランプヒータ317の容量は小さくて良く装置のコンパクト化を図ることができる。また半導体基板W自体を直接冷却する手段をも用いれば、めっき中に加熱・冷却を切替えてめっき条件を変化させることも可能である。半導体基板上に保持されているめっき液は少量なので、感度良く温度制御が行える。
【0111】
そして、モータMによって半導体基板Wを瞬時回転させて被めっき面の均一な液濡れを行い、その後半導体基板Wを静止した状態で被めっき面のめっきを行う。具体的には、半導体基板Wを1secだけ100rpm以下で回転して半導体基板Wの被めっき面上をめっき液で均一に濡らし、その後静止させて1min間無電解めっきを行わせる。なお瞬時回転時間は長くても10sec以下とする。
【0112】
上記めっき処理が完了した後、めっき液回収ノズル365の先端を半導体基板Wの表面周縁部の堰部材331内側近傍に下降し、めっき液を吸い込む。このとき半導体基板Wを例えば100rpm以下の回転速度で回転させれば、半導体基板W上に残っためっき液を遠心力で半導体基板Wの周縁部の堰部材331の部分に集めることができ、効率良く、且つ高い回収率でめっき液の回収ができる。そして保持手段311を下降させて半導体基板Wを堰部材331から離し、半導体基板Wの回転を開始して洗浄液供給手段351のノズル353から洗浄液(超純水)を半導体基板Wの被めっき面に噴射して被めっき面を冷却すると同時に希釈化・洗浄することで無電解めっき反応を停止させる。このときノズル353から噴射される洗浄液を堰部材331にも当てることで堰部材331の洗浄を同時に行っても良い。このときのめっき廃液は、回収容器361に回収され、廃棄される。
【0113】
なお、一度使用しためっき液は再利用せず、使い捨てとする。前述のようにこの装置において使用されるめっき液の量は従来に比べて非常に少なくできるので、再利用しなくても廃棄するめっき液の量は少ない。なお場合によってはめっき液回収ノズルを設置しないで、使用後のめっき液も洗浄液と共にめっき廃液として回収容器361に回収しても良い。
そしてモータMによって半導体基板Wを高速回転してスピン乾燥した後、保持手段311から取り出す。
【0114】
図27は 研磨処理部を一体に組み込んで、めっき直後に基板表面の研磨が行えるようにした、本発明の他の実施の形態のめっき装置を示す全体配置図である。このめっき装置は、ロード・アンロードを行う基板カセット531,531と、めっき処理部512と、基板を洗浄する洗浄処理部535,535と、2台の搬送装置514a,514bと、反転機539,539と、研磨処理部541,541と、スピン乾燥機534とを備えている。
【0115】
そして基板Wの流れは、例えば以下の通りである。まず搬送装置514aが何れかのロード用の基板カセット531から処理前の基板Wを取り出し、めっき処理部512でめっき処理を施した後、搬送装置514aが基板Wを何れかの反転機539に受け渡しその被処理面を下向きにした後、もう一方の搬送装置514bに受け渡される。搬送装置514bは基板Wを何れかの研磨処理部541に受け渡し、所定の研磨がなされる。研磨後の基板Wは搬送装置514bによって取り出され、何れかの洗浄処理部535で洗浄された後、他方の研磨処理部541に受け渡されて再度研磨された後、搬送装置514bにより他方の洗浄処理部535に搬送されて洗浄が行われる。洗浄後の基板Wは、搬送装置514bにより他方の反転機539に搬送されて被処理面が上向きに反転された後、搬送装置514aによりスピン乾燥機534に搬送されてスピン乾燥され、その後再び搬送装置514aによりアンロード用の基板カセット531に収納される。
【0116】
図28は、この種の研磨処理部541の一例を示す。図28に示すように、トップリング10−2は半導体基板Wを吸着し、研磨テーブル10−1の研磨面10−1aに半導体基板Wの銅膜6(図39(b)参照)形成面を当接押圧して研磨を行う。この研磨では、基本的に銅膜6が研磨される。研磨テーブル10−1の研磨面10−1aはIC1000のような発泡ポリウレタン、又は砥粒を固定若しくは含浸させたもので構成されている。該研磨面10−1aと半導体基板Wの相対運動で銅膜6が研磨される。
【0117】
上記銅膜6の研磨を行うための砥粒、若しくはスラリーノズル10−6から噴出されるスラリーには、シリカ、アルミナ、セリア等が用いられ、酸化剤としては、過酸化水素等の主に酸性の材料でCuを酸化させる材料を用いる。研磨テーブル10−1内には温度を所定の値に保つため、所定の温度に調温された液体を通すための調温流体配管542が接続されている。スラリーの温度も所定の値に保つため、スラリーノズル10−6には温度調整器10−7が設けられている。また図示は省略するが、ドレッシング時の水等は、調温されている。このように、研磨テーブル10−1の温度、スラリーの温度、ドレッシング時の水等の温度を所定の値に保つことにより、化学反応速度を一定に保っている。特に研磨テーブル10−1には、熱伝導性のよいアルミナやSiC等のセラミックが用いられる。
【0118】
研磨の終点の検知には、研磨テーブル10−1に設けた渦電流式の膜厚測定機10−8若しくは光学式の膜厚測定機10−9を使用し、銅膜6の膜厚測定、若しくはバリア膜5(図39(a)参照)の表面検知を行って、銅膜6の膜厚が0又はバリア膜5の表面を検知したら研磨(一次研磨)の終点とする。
【0119】
図29は、上記研磨テーブル10−1の研磨面10−1aを洗浄する洗浄機構の構成を示す図である。図示するように研磨テーブル10−1の上方には、純水と窒素ガスを混合して噴射する混合噴射ノズル10−11a〜10−11dが複数個(図では4個)配置されている。各混合噴射ノズル10−11a〜10−11dには、窒素ガス供給源214からレギュレータ216で圧力調整された窒素ガスがエアオペレータバルブ218を通して供給されると共に、純水供給源215からレギュレータ217で圧力を調整された純水がエアオペレータバルブ219を通して供給される。
【0120】
混合された気体と液体は、噴射ノズルによってそれぞれ液体及び/又は気体の圧力、温度、ノズル形状などのパラメータを変更することによって、供給する液体はノズル噴射によりそれぞれ、▲1▼液体微粒子化、▲2▼液体が凝固した微粒子固体化、▲3▼液体が蒸発して気体化(これら▲1▼、▲2▼、▲3▼をここでは霧状化又はアトマイズと呼ぶ)され、液体由来成分と気体成分の混合体が研磨テーブル10−1の研磨面に向けて所定の方向性を有して噴射される。
【0121】
研磨面10−1aとドレッサー10−10の相対運動により、研磨面10−1aを再生(ドレッシング)するとき、混合噴射ノズル10−11a〜11−11dから純水と窒素ガスの混合流体を研磨面10−1aに噴射して洗浄する。窒素ガスの圧力と純水の圧力は独立して設定できるようになっている。この例では純水ライン、窒素ラインともにマニュアル駆動のレギュレータを用いているが、外部信号に基づいて設定圧力を変更できるレギュレータをそれぞれ用いても良い。上記洗浄機構を用いて研磨面10−1aを洗浄した結果、5〜20秒の洗浄を行なうことにより、上記研磨工程で研磨面上に残ったスラリーを除去することができた。
【0122】
図30は搬送装置514a(514b)を示す斜視図である。また図31は前記搬送装置514a(514b)に取付けられるロボットハンド540を示す図であり、図31(a)は平面図、図31(b)は側断面図である。
【0123】
搬送装置514a(514b)は、ロボット本体543の上部に取付けた二本のアーム542,542の先端にそれぞれロボットハンド540,540を取付けて構成されている。両ロボットハンド540,540は上下に所定の隙間を介して重なるように配置されている。そしてアーム542が伸縮することによりロボットハンド540上に載置した基板Wの前後方向への搬送を可能にしている。またロボット本体543が回転及び/又は移動することで任意の方向への基板Wの搬送が可能となる。
【0124】
そして図31に示すようにロボットハンド540には、直接4つの膜厚センサSが埋め込まれて取付けられている。膜厚センサSとしては、膜厚を測定できるものであれば何でも良いが、好ましくは渦電流センサを用いる。なお渦電流センサは渦電流を発生させ、基板Wを導通して帰ってきた電流の周波数や損失を検出することにより膜厚を測定するものであり、非接触で用いられる。更に膜厚センサSとしては、光学的センサも好適である。光学的センサは、試料に光を照射し、反射する光の情報から膜厚を直接的に測定することができるものであり、金属膜だけでなく酸化膜などの絶縁膜の膜厚測定も可能である。膜厚センサSの設置位置は図示のものに限定されず、測定したい箇所に任意の個数を取付ける。またロボットハンド540には乾いた基板Wを扱うドライハンドと、濡れた基板Wを扱うウエットハンドがあり、どちらにも前記膜厚センサSを取付けることが可能である。しかしながらこの搬送装置514a(514b)を、めっき処理部512に用いた場合は、シード層のみ付いた状態で最初に基板Wの膜厚を測定する必要があるため、基板カセット531,531に基板Wが置かれているドライの状態で最初に基板Wの厚さを測定する必要がある。したがってドライハンドに膜厚センサSを取付けるのが望ましい。
【0125】
膜厚センサSで検出された信号は演算装置に送られ、処理前の基板Wの膜厚と処理後の基板Wの膜厚との差分を取る等の演算が行われ、膜厚を所定のディスプレイ等に出力する。演算方法は膜厚を適切に測定できればいかなる方法でも良い。
【0126】
この例によれば、ロボットハンド540が基板Wを搬送している最中に膜厚を測定できるため、基板処理工程中にわざわざ別途膜厚測定工程を設ける必要がなく、スループットを低下させることがないという効果が得られる。またロボットハンド540に膜厚センサSを取付けるため、省スペース化が実現できる。
【0127】
図32は、搬送装置514a(514b)の他の例を示す図であり、図32(a)は概略平面図、図32(b)は概略側面図である。図32に示すように、この例では、ロボット本体543のロボットハンド540の下部に5つの膜厚センサSを取付けている。即ちロボットハンド540の下部に基板Wと略同サイズの円盤状の取付け板545を設置し、この取付け板545の上に5つの膜厚センサSを取付ける。取付け板545はロボット本体543に固定されているが、他の部材に固定しても良い。
【0128】
各膜厚センサSは、図示するようにロボットハンド540と重ならない位置に取付けることにより、基板W全体の広い領域での膜厚の測定が可能となる。またこの例によっても省スペース化を実現でき、極めて短時間で測定が可能となる。そして取付け板545の上で基板Wを停止させることで基板Wの固定点における膜厚の測定が可能になり、一方、停止させないで取付け板545上をロボットハンド540上の基板Wが通過するようにすればスキャンしながらの測定も可能になる。また膜厚センサSはロボット本体543と一体であるため、安定した検出が行える。また、取付け板545をロボット本体543でなく他の部材に固定した場合は、ロボットハンドの高さを任意に変えることで、基板Wとセンサ間の距離を調整することも可能となる。
【0129】
検出後の信号が演算装置に送られて膜厚が測定される点は、図31に示す例と同様である。但し、スキャンしながらの測定の場合は、測定点が時間の経過と共に変化するため、移動平均法により演算して膜厚を算出するのが好適である。
【0130】
図33は、膜厚測定の他の例を示す図であり、図33(a)は概略平面図、図33(b)は概略側面図である。図33に示す例では、図27に示すめっき処理部512の基板Wの出入口部550の上部に3つの膜厚センサSを設置している。即ち、出入口部550の上部に長方形状の取付け板551を設置し、この取付け板551の下面に3つの膜厚センサSを直列に取付ける。取付け板551はめっき処理部512に固定しても良いし、搬送装置514a(514b)のロボット本体543に固定しても良いし、それ以外の部材に固定しても良い。
【0131】
このように構成すれば、めっき処理部512に基板Wを入れる際と出す際の何れにおいても膜厚センサSが基板Wを走査することとなるため、スキャン測定に適している。またこの例のように膜厚センサSを何列か設置することにより、基板W上の任意の点をスキャン測定することができる。また、ロボットハンドの高さを任意に変えることで、基板Wとセンサ間の距離を調整することが可能である。
この膜厚センサSで検出された信号は、演算装置により演算されるが、スキャン測定の場合は、移動平均法による演算処理が好適である。
【0132】
また、図27に示す研磨処理部541の基板Wを出し入れする出入口付近に前記膜厚センサSを設置しても良い。なお研磨処理部541に基板Wを搬入するときは基板Wの被処理面は下向きであるため、研磨処理部541の基板Wを搬入する場所の下側に膜厚センサSを設置することが好ましい(もちろん上側に膜厚センサSを設置しても膜厚測定は可能であるが、下側の方がより精度がよくなる)。研磨が終了した後は、基板Wの被処理面がウエットな状態であるが、ウエットな状態でも測定可能な膜厚センサを用いれば前記めっき処理部512の場合と同様な方法で膜厚が測定できる。
【0133】
図34は、反転機539付近の概略正面図、図35は反転アーム553,553部分の平面図である。図34及び図35に示すように、反転アーム553,553は、基板Wの外周をその左右両側から挟み込んで保持し、これを180°回動することで反転させる機能を有する。そしてこの反転アーム553,553の直下に円形の取付け台555を設置し、取付け台555上に複数の膜厚センサSを設置する。取付台555は駆動機構557によって上下動自在に構成されている。
【0134】
そして基板Wの反転時には、取付け台555は基板Wの下方の実線の位置に待機しており、反転の前又は後に取付け台555を点線で示す位置まで上昇して膜厚センサSを反転アーム553,553に把持した基板Wに接近させ、その膜厚を測定する。
【0135】
この例によれば、搬送ロボット514のアーム542などの制約がないため、取付け台555上の任意の位置に膜厚センサSを設置できる。また、取付け台555は上下動自在な構成となっているので、測定時に基板Wとセンサ間の距離を調整することも可能である。また、検出目的に応じた複数の種類のセンサを取付けて、各々のセンサの測定毎に基板Wと各センサ間の距離を変更することも可能である。但し取付け台555が上下動するため、測定時間をやや要することになる。
【0136】
図36は、本発明の更に他の実施の形態のめっき装置の全体配置図を示す。このめっき装置は、ロード・アンロード部915、各一対のアニール処理部986、ベベルエッチ・薬液洗浄部984及び基板ステージ978、基板を180゜反転させる機能を有する水洗部982、図19に示す第1段めっき処理(シード層補強)を行う1基の第1のめっき処理部980及び図19に示す第2段めっき処理(銅の埋込み)を行う3基の第2のめっき処理部972を有している。更に、ロード・アンロード部915、アニール処理部986、ベベルエッチ・薬液洗浄部984及び基板ステージ978の間で基板の受渡しを行う走行自在な第1搬送装置917と、基板ステージ978、水洗部982、第1のめっき処理部980及び第2のめっき処理部972の間で基板の受渡しを行う走行自在な第2搬送装置924が備えられている。
【0137】
この例では、先ず、表面にシード層7(図39(a)参照)を形成した基板Wをロード・アンロード部915から第1搬送装置917で一枚ずつ取り出し、基板ステージ978を経由して第1のめっき処理部980に搬入する。
【0138】
次に、この第1のめっき処理部980で、基板の表面に第1のめっき液を使用した第1段めっき処理を施して、シード層7の薄肉部を補強しこれを完全なものとする。この第1のめっき液は、前述のように、例えばピロリン酸銅をベースとして、これにピロリン酸等の錯化剤を添加することで、通常の硫酸銅めっき液よりも分極を高めたものである。
そして、第1段めっき処理終了後、必要に応じて、基板Wを水洗部982に搬送して水洗し、しかる後、水洗後の基板Wを第2のめっき処理部972の一つに搬送する。
【0139】
次に、この第2のめっき処理部972で、基板Wの表面に第2のめっき液を使用した第2段めっき処理を施して、銅の埋込みを行う。この時、第1段めっき処理を施すことで、シード層7(図39(a)及び図40(a)参照)が補強されて薄肉部のない完全なものとなっているため、シード層7に均一に電流が流れて、ボイドのない銅の埋込みが可能となる。この第2のめっき液は、前述のように、例えば硫酸の濃度が低いレベリング性の優れた組成を有するものである。
【0140】
第2段めっき処理終了後、必要に応じて、基板Wを水洗部982に搬送して水洗し、しかる後、水洗後の基板Wをベベルエッチ・薬液洗浄部984に搬送する。そして、このベベルエッチ・薬液洗浄部984で、銅めっき処理後の基板Wを薬液で洗浄するとともに、基板Wのベベル部に薄く形成された銅薄膜等をエッチング除去し、更に純水でリンスした後、高速回転させてスピンドライする。しかる後、このスピンドライ後の基板をアニールユニット986に搬送してアニールし、アニール終了後に、第1搬送装置917でロード・アンロード部915のカセットに戻す。
【0141】
図37は、本発明の更に他の実施の形態のめっき装置の全体配置図である。このめっき装置は、ロード・アンロード部800と処理部802と備え、半導ウエハのスループット等を考慮して、この処理部802の中央部に1台の搬送装置804を、搬送装置804の周囲に複数のめっき処理部806と洗浄・乾燥処理部(スピン−リンス−ドライユニット)808をそれぞれ配置したものである。この例では、1台の搬送装置804の周りに3台のめっき処理部806と3台の洗浄・乾燥処理部808を配置している。なお、洗浄・乾燥処理部806の代わりに、ベベルエッチ・薬液洗浄部を配置してもよい。めっき処理部808は、いわゆるフェィスアップ型でもよいし、いわゆるフェースダウン型でもよい。
【0142】
図38は、本発明の更に他の実施の形態のめっき装置の全体配置図である。このめっき装置は、ロードステーション820内に位置して、半導体ウエハ等の基板Wを収納した基板カセット822を搭載する2台のカセットテーブルアニール処理部830を有している。また、メインフレーム832内に位置して、1対の洗浄乾燥部834、前述の第1段めっき処理を行う1対の第1のめっき処理部836及び前述の第2段めっき処理を行う2対の第2のめっき処理部838とを有している。
【0143】
そして、ロードステーション820内に位置して、基板カセット822、アニール処理部830及び洗浄・乾燥部834との間で基板の受渡しを行う第1搬送装置840が、メインフレーム832内に位置して、洗浄乾燥部834、第1のめっき処理部836及び第2のめっき処理部838との間で基板の受渡しを行う第2の搬送装置842がそれぞれ配置されている。
【0144】
図41は、本発明の更に他の実施の形態のめっき装置の全体配置図である。このめっき装置は、ロード・アンロード部900、アニール処理部903、2基のベベルエッチ・薬液洗浄部902、基板ステージ906及び3基のめっき処理部901とを有している。更に、ロード・アンロード部900と基板ステージ906との間で基板の受渡しを行う走行自在な第1搬送装置904と、基板ステージ906、アニール処理部903、ベベルエッチ・薬液洗浄部902及びめっき処理部901との間で基板の受渡しを行う走行自在な第2搬送装置905が備えられている。
【0145】
図42は、本発明の更に他の実施の形態のめっき装置の全体配置図である。このめっき装置は、ロード・アンロード部1000、ベベルエッチ・薬液洗浄部1050、洗浄・乾燥処理部(スピン−リンス−ドライユニット)1040、図19に示す第1段めっき処理(シード層補強)を行う1基の第1のめっき処理部1010、図19に示す第2段めっき処理(銅の埋込み)を行う2基の第2のめっき処理部1020及び第1のめっき処理と第2のめっき処理との間で基板を洗浄する洗浄部1030を有している。更に、ロード・アンロード部1000、ベベルエッチ・薬液洗浄部1050及び洗浄・乾燥処理部1040との間で基板の受渡しを行う第1搬送装置1060と、ベベルエッチ・薬液洗浄部1050、洗浄・乾燥処理部1040、第1のめっき処理部1010、第2のめっき処理部1020及び洗浄部1030との間で基板の受渡しを行う走行自在な第2搬送装置1070が備えられている。
【0146】
なお、図41に示すめっき処理部901、図42に示すめっき処理部1010,1020を、適宜、前記第1のめっき液を用いて第1段めっき処理を行う第1のめっき処理部、第2のめっき液を用いて第2段めっき処理を行う第2のめっき処理部として使用してもよいことは勿論である。
【0147】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、銅めっき液中に錯化剤を有することで、めっき浴としての分極を大きくして、シード層の薄い部分の補強や高アスペクト比のトレンチやホール等の微細窪みの奥までの銅の均一な埋込みが可能となり、しかも析出するめっきは緻密であり、マイクロボイドの危険も回避できる。更に、アルカリ金属及びシアンを含んでいないので、アルカリ金属の存在に伴うエレクトロマイグレーションによって半導体を劣化させてしまうことを防止するとともに、シアンの使用を避けるとの要請に応えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のめっき装置の平面配置図である。
【図2】図1に示すめっき装置内の気体の流れを示す説明図である。
【図3】図1に使用されているめっき処理部のめっき処理時における全体を示す断面図である。
【図4】めっき処理部のめっき液の流れの状態を示すめっき液フロー図である。
【図5】めっき処理部の非めっき時(基板受渡し時)における全体を示す断面図である。
【図6】めっき処理部のメンテナンス時における全体を示す断面図である。
【図7】めっき処理部の基板の受渡し時におけるハウジング、押圧リング及び基板の関係の説明に付する断面図である。
【図8】図7の一部拡大図である。
【図9】めっき処理部のめっき処理時及び非めっき時におけるめっき液の流れの説明に付する図である。
【図10】めっき処理部の芯出し機構の拡大断面図である。
【図11】めっき処理部の給電接点(プローブ)を示す断面図である。
【図12】洗浄・乾燥処理部の概略構成例を示す図である。
【図13】ベベルエッチ・薬液洗浄部の概略構成例を示す図である。
【図14】洗浄・乾燥処理部及びベベルエッチ・薬液洗浄部に使用される回転保持装置を示す側面図である。
【図15】図14の平面図である。
【図16】図14に示す回転保持装置における円板状部材を支持するための保持部材の詳細を示す部分断面図である。
【図17】図16のA−A線に沿って見た図である。
【図18】搬送装置を示す図で、(a)は外観を示す図、(b)はロボットハンドの平面図、(c)はロボットハンドの断面図である。
【図19】本発明の実施の形態のめっき方法における処理の流れを示す図である。
【図20】2つの異なる分極の銅めっき液における電圧と電流密度の関係を示すグラフである。
【図21】 他のめっき方法における処理の流れを示す図である。
【図22】実施例における錯体浴1〜3及び硫酸銅浴1の電流・電圧曲線を示すグラフである。
【図23】SEM観察における電析不良、シームボイド及び粒状のボイドを模式的に示す図である。
【図24】本発明のめっき装置の他の例を示す平面配置図である。
【図25】めっき工程の他の例を示す模式図である。
【図26】無電解めっき処理部の概略構成図である。
【図27】研磨処理部を組込んだめっき装置の平面配置図である。
【図28】研磨処理部の概略構成例を示す図である。
【図29】研磨テーブル洗浄機の概略構成を示す図である。
【図30】搬送装置を示す斜視図である。
【図31】搬送装置に取付けられるロボットハンドを示す図であり、(a)は平面図、(b)は側断面図である。
【図32】搬送装置の他の例を示す図であり、(a)は概略平面図、(b)は概略側面図である。
【図33】膜厚測定の更に他の例を示す図であり、(a)は概略平面図、(b)は概略側面図である。
【図34】反転機付近の概略正面図である。
【図35】反転アーム部分の平面図である。
【図36】本発明のめっき装置の更に他の例を示す平面配置図である。
【図37】本発明のめっき装置の更に他の例を示す平面配置図である。
【図38】本発明のめっき装置の更に他の例を示す平面配置図である。
【図39】銅めっき処置によって銅配線を形成する例を工程順に示す図である。
【図40】従来例におけるシード層の状態と、それに伴って生じするボイドを模式的に示す図である。
【図41】本発明のめっき装置の更に他の例を示す平面配置図である。
【図42】本発明のめっき装置の更に他の例を示す平面配置図である。
【符号の説明】
5 バリア層
6 銅膜
7 シード層
10 ロード・アンロード部
12 洗浄・乾燥処理部
14 第1基板ステージ
16 ベベルエッチ・薬液洗浄部
18 第2基板ステージ
20 水洗部
22 めっき処理部
22a 第1のめっき処理部
22b 第2のめっき処理部
24,26,28 搬送装置
45 めっき液
46 めっき処理槽
47 ヘッド部
48 アノード
49 めっき室
50 めっき槽
53 めっき液噴出ノズル
55 めっき液供給管
57,59,120 めっき液排出口
58 堰部材
62 鉛直整流リング
63 水平整流リング
70 ハウジング
72 基板保持部
75 空気抜き穴
76 カソード電極用接点
77 給電接点
240 押圧リング
242 押圧ロッド
244 シール材
270 芯出し機構
272 ブラケット
274 ブロック
276 枢軸

Claims (6)

  1. シード層で覆われた微細窪みを有する基板にめっきを施して該微細窪みに金属を充填するめっき方法において、
    前記基板を、濃度が1〜10g/Lの2価の銅イオンと錯化剤とを有し、アルカリ金属及びシアンを含まない物質からなり、下記の第2のめっき液より分極が大きい第1のめっき液中に浸漬させて、前記シード層を補強する第1段めっき処理を行い、しかる後、
    前記基板を、第2のめっき液中に浸漬させて、前記微細窪みの内部に銅を埋込む第2段めっき処理を行うことを特徴とするめっき方法。
  2. 前記錯化剤が、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン、N,N',N'',N'''エチレンジニトロテトラプロパン−2オール、ピロリン酸、イミノ二酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジアミノブタン、ヒドロキシエチルエチレンジアミン、エチレンジアミンテトラプロピオン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミンテトラメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸またはそれらの誘導体であることを特徴とする請求項1記載のめっき方法。
  3. 前記第1のめっき液は、pH調整剤として、コンまたは水酸化テトラメチルアンモニウムを更に有することを特徴とする請求項1または2記載のめっき方法。
  4. 前記第1のめっき液中における錯化剤の濃度は、20〜200g/Lであることを特徴とする請求項1記載のめっき方法。
  5. シード層で覆われた微細窪みを有する基板を、濃度が1〜10g/Lの2価の銅イオンと錯化剤とを有し、アルカリ金属及びシアンを含まない物質からなり、下記の第2のめっき液より分極が大きい第1のめっき液中に浸漬させて、前記シード層を補強する第1段めっき処理を行う第1のめっき処理部と、
    前記第1のめっき処理部のめっき槽に第1のめっき液を供給する第1のめっき液供給手段と、
    前記第1段めっき処理によってシード層を補強した基板を、第2のめっき液中に浸漬させて、前記微細窪みの内部に銅を埋込む第2段めっき処理を行う第2のめっき処理部と、
    前記第2のめっき処理部のめっき槽に第2のめっき液を供給する第2のめっき液供給手段と、
    前記基板を第1のめっき処理部から第2のめっき処理部に搬送する搬送手段とを有することを特徴とするめっき装置。
  6. 前記第1のめっき液中における錯化剤の濃度は、20〜200g/Lであることを特徴とする請求項5記載のめっき装置。
JP2001199327A 2000-06-30 2001-06-29 めっき方法及びめっき装置 Expired - Fee Related JP3919474B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001199327A JP3919474B2 (ja) 2000-06-30 2001-06-29 めっき方法及びめっき装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000-199924 2000-06-30
JP2000199924 2000-06-30
JP2001199327A JP3919474B2 (ja) 2000-06-30 2001-06-29 めっき方法及びめっき装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002080992A JP2002080992A (ja) 2002-03-22
JP3919474B2 true JP3919474B2 (ja) 2007-05-23

Family

ID=26595197

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001199327A Expired - Fee Related JP3919474B2 (ja) 2000-06-30 2001-06-29 めっき方法及びめっき装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3919474B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002068727A2 (en) * 2001-02-23 2002-09-06 Ebara Corporation Copper-plating solution, plating method and plating apparatus
JP4303484B2 (ja) 2003-01-21 2009-07-29 大日本スクリーン製造株式会社 メッキ装置
CN100362141C (zh) * 2005-09-01 2008-01-16 山东建筑工程学院材料科学研究所 丙三醇无氰光亮镀铜液
US9243339B2 (en) * 2012-05-25 2016-01-26 Trevor Pearson Additives for producing copper electrodeposits having low oxygen content

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002080992A (ja) 2002-03-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100800531B1 (ko) 구리 도금액, 도금 방법 및 도금 장치
KR100804715B1 (ko) 반도체기판회전유지장치 및 반도체기판처리장치
US7083706B2 (en) Substrate processing apparatus
JP2004519557A (ja) 銅めっき液、めっき方法及びめっき装置
US7141274B2 (en) Substrate processing apparatus and method
WO2002090623A1 (fr) Bain galvanoplastique et procede pour substrat de galvanoplastie faisant appel audit bain
US20040234696A1 (en) Plating device and method
US20050164498A1 (en) Plating method and plating apparatus
JP4540981B2 (ja) めっき方法
KR20110042245A (ko) 도금방법
JP2008013851A (ja) 回転保持装置及び半導体基板処理装置
US20040237896A1 (en) Plating apparatus
JP3919474B2 (ja) めっき方法及びめっき装置
JP2005133187A (ja) めっき装置及びめっき方法
US7235135B2 (en) Substrate processing apparatus and substrate processing method
JP3813865B2 (ja) 研磨方法及び研磨装置
JP4060700B2 (ja) 基板処理装置及び基板処理方法
JP2005163085A (ja) めっき装置及びめっき方法
JP2004162129A (ja) めっき装置及びめっき方法
JP3874609B2 (ja) めっき方法
JP2004360028A (ja) めっき装置
JP2004360027A (ja) めっき装置及びめっき液保持方法
US20070214620A1 (en) Substrate processing apparatus and substrate processing method
JP2005187887A (ja) めっき方法及びめっき装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040126

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050401

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060822

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061020

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061114

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070115

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070213

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070213

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 3919474

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100223

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110223

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120223

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120223

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130223

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140223

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees