JP3918503B2 - 容器の口部密封用の封緘蓋材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は容器の口部密封用の封緘蓋材に関する。さらに詳しくは、食品、薬品などの包装において使用される、ガラス瓶などの容器の口部を密封して内容物を保護し、使用時に瓶から剥がして開封するタイプの封緘蓋材に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、食品や薬品を包装するプラスチック容器や、紙質を主体とする容器類の場合は、密封性を向上するため、プラスチックフィルムを主体とし、さらにガスバリア性を与えるためにアルミニウム箔などを積層した蓋材が用いられている。そしてそのような蓋材を容器口部に気密に、かつ効率的に封緘するため、蓋材の下面にホットメルト剤を塗布し、加熱により密封している。しかしインスタントコーヒーなどのガラス瓶の場合は、表面のアルミニウム箔の裏面にグラシン紙を貼合積層した紙質材複合の蓋材が用いられており、このものにホットメルトコート剤を使用すると、開封の時にホットメルトの層間で剥離して紙質が破れないといった不具合が発生する。
【0003】
そのため、通常はグラシン紙の下面には、有機溶剤型または水溶型の接着剤が多く用いられている。このような蓋材は、開封すると裏面貼合のグラシン紙層が層間剥離し、ガラス瓶の口部全面の接着部にその層間剥離の剥離痕が残るため、使用者に封緘が確実であったことを実感させることができる。しかし有機溶剤型または水溶型接着剤は、コートの厚みが比較的薄いため、クッション性が得られず、ガラス瓶のようなシール部が平滑でない容器へのシールではシール不良が発生しやすく、さらに水溶性の場合には塗工時の乾燥に時間がかかるため、塗工そのものも容易でない。
【0004】
他方、特開平11−138680号公報には、図4に示すように、キャップの蓋側に残されるリシール層101と、容器口部に被着されて蓋材となるシール層102とが剥離可能に積層されてなる容器口部密閉用インナーシール材103が提案されている。このものではシール層102が、金属箔104と、その裏面に貼り合わせ接着剤層105を介して貼着されるグラシン紙106と、そのグラシン紙の裏面にグラビアコーティングにより設けられるホットメルト型接着剤層107とから構成されている。このものは金属箔104とホットメルト型接着剤層107とが相まって、高周波誘導加熱シールにより短時間でシール加工が完了し、しかもイージーピール性が確保される利点がある。さらに上記公報には、グラシン紙106とホットメルト型接着剤層107の間にポリエチレン層を介在すること、また、グラシン紙106に代えてPET(ポリエチレンテレフタレート樹脂)フィルムを用いることも開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報には、手でシール層を剥がすと、グラシン紙が層間剥離することにより、接着剤とグラシン紙の一部が容器の口部に残されることが記載されている。しかし蓋材の開封の始めの部分ではグラシン紙が接着剤と共にガラス瓶の口部に残るが、大半はグラシン紙が剥がされてしまい、目では確認しにくいホットメルト型接着剤の痕跡のみが口部に残る。そのため、見た目がきれいになる半面、従来の溶剤型接着剤に慣れている消費者には、破るまで充分な封緘性が発揮されていたのか、不安になるという問題がある。なお、グラシン紙とホットメルト型接着剤層の間にポリエチレン層を介在したものや、グラシン紙に代えてPETフィルムを用いたものは、見た目では口部にほとんど残留物がなく、一層きれいに剥離されてしまう。
【0006】
本発明は、上記の点に着目し、ガラス瓶などの口部に貼着した場合でも、従来と同程度の封緘強度および開封容易性が得られ、封緘作業を効率的に行うことができ、しかも蓋材を剥がし取ったとき、口部周囲に、接着剤の剥離痕だけでなく紙質層自体が明瞭に残り、それにより使用者に封緘性の質の高さを実感させ、高い安心感・信頼感を与えうる、ホットメルト型接着剤を用いた蓋材を提供することを技術課題としている。
【0007】
【課題に対する検討】
上記のように、紙質層の表面にホットメルト型接着剤を塗布した蓋材では、熱封緘後の開封時に、紙質層が層間剥離して紙質層が分離状態を示さず、ホットメルト型接着剤層間で剥離する。発明者はその理由について、ホットメルト型接着剤は溶融粘度が高く、溶融状態で紙面に塗工しても短時間で凝固してしまい、紙に浸透することが少ないためと考えた。そこで試験的に小型紙片を加温器に入れて高温状態を維持し、浸透性が高い溶融状態ないし低粘度状態の状態を長時間保持した。それにより紙に充分浸透させることはできた。
【0008】
しかしこの方法は、高い温度状態を保持することで粘度を低下させて充分浸透させる時間が必要であり、連続塗工の加工機には採用できない。そのため、グラビアロール、一般ロールコート、およびダイコートされた後の再加熱(アフターヒート)工程により、あらかじめ塗工したホットメルト型接着剤を再溶融して紙に浸透させる方法を考えた。ただしこの方法においても、良好に浸透させるには、ホットメルト型接着剤の粘度を充分に低下させるに足る高い加熱温度と時間が必要である。
【0009】
しかしその高い加熱温度により、塗布基材の物理的な性質から、数多くの問題が発生し、その作業を妨げることが多いことが分かった。たとえば基材がカールする問題、あるいは基材のバリア層と紙質層とを貼り合わせる接着剤が剥離するなどの問題があり、高い温度にすることには無理がある。よって、ホットメルト型接着剤を紙質層の表面に塗布し、ついで再加熱して紙質層の内部に浸透させる場合は、使用できる接着剤は、とくに低粘度タイプのホットメルト型接着剤に限られることになる。しかし充分な接着強度および封緘強度を備えた低粘度タイプのホットメルト型接着剤はほとんどなく、再加熱方式は現時点では実用化が困難である。
【0010】
そこで本発明者は種々検討を重ねた結果、ホットメルト型接着剤自体に紙質層への浸透を求めず、特定の前処理剤で事前に紙質層を処理することにより、前記課題を解決することができることに着目し、本発明を完成するに至った。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の容器の口部密封用の封緘蓋材は、ガスバリア性を有するバリア層と、そのバリア層の下面に積層される紙質層と、その紙質層の下面に塗布され、一部が紙質層内に浸透している、25℃でフォードカップ使用での粘度20秒以下の前処理剤の層(プレコート層)と、その前処理剤が塗布された紙質層の下面にさらに塗布されるホットメルト型接着剤層とからなり、前記前処理剤が、前記ホットメルト型接着剤の組成材料と親和性を有する、ホットメルト型接着剤に含有される成分を主剤とする溶剤型塗布剤であることを特徴としている(請求項1)。
【0012】
このような封緘蓋材は、前記主剤およびホットメルト型接着剤のベースポリマーが、エチレン酢酸ビニル樹脂(EVA)、ポリエチレン、アタクチックポリエチレン(APP)、エチレン−アクリル酸エチレンコポリマー(EEA)、ポリアミドからなる群のいずれかを1つを選択したものが好ましい(請求項2)。また、前記バリア層は金属箔とするのが好ましい(請求項3)。
【0013】
【作用および発明の効果】
本発明の封緘蓋材(請求項1)では、前処理剤が、25℃でフォードカップ使用での粘度20秒以下の低粘度であるので、高温にしなくても紙質材の下面に塗布することができる。そして紙質層の下面に前処理剤の層を形成しながら、その一部が紙質層の内部に浸透する。そのため前処理剤の層は紙質層に強く一体化した状態で形成される。また前処理層とその下面に塗布されるホットメルト型接着剤層自体は、強度および封緘性が高い高粘度の通常のものを用いることができ、その場合でも前処理層と一体化する。したがって前処理層を介してホットメルト型接着剤層と紙質層とが強く一体化する。そのため、ガラス瓶などに蓋材を熱封緘した後、消費者が蓋材を剥がす場合、紙質層の間で層間剥離が生じ、ガラス瓶の口部の周囲の全体あるいはかなりの範囲で紙質層の下層部分が残存する。それにより消費者には、封緘が充分になされていたこと、すなわち内容物が安全に保護されていたことを直感的に把握することができる。すなわち本発明の封緘蓋材は、ガラス瓶などにおける高い品質保証機能を有する。
【0014】
前記前処理剤が、前記ホットメルト型接着剤の組成材料と親和性を有する、ホットメルト型接着剤に含有される成分を主剤とする溶剤型塗布剤である場合(請求項3)、ホットメルト型接着剤層と前処理剤の層との接着強度が一層高くなるので、それらの間で剥離しにくくなり、紙質層の内部での層間剥離が生じやすくなる。さらに前記バリア層を金属箔とする場合(請求項3)は、ガスバリア性がさらに高くなり、基材の強度が高くなる。しかも高周波誘導加熱シールにより効率的にシールすることができる。
【0015】
前記前処理剤が、前記ホットメルト型接着剤の組成材料と親和性を有するものを主剤とする溶剤型塗布剤である場合(請求項2)は、ホットメルト型接着剤層と前処理剤の層との接着強度が一層高くなるので、それらの間で剥離しにくくなり、紙質層の内部での層間剥離が生じやすくなる。さらに前記バリア層を金属箔とする場合(請求項3)は、ガスバリア性がさらに高くなり、基材の強度が高くなる。しかも高周波誘導加熱シールにより効率的にシールすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
つぎに図面を参照しながら本発明の蓋材の実施の形態を説明する。図1は本発明の蓋材の一実施形態を示す断面図、図2は本発明の蓋材に用いる基材の実施形態を示す断面図、図3はその蓋材の使用状態を示す断面図である。
【0017】
図1に示す蓋材10は、ガスバリア性を有するバリア層11と、その下面に貼り合わせ接着剤12によって積層される紙質層13と、その紙質層13の下面に塗布され、一部が紙質層13内に浸透している前処理剤の層14と、その前処理剤の層14の下面に設けられるホットメルト型接着剤層15とから構成されている。
【0018】
前記バリア層11は、ガスバリア性を有するものであればよいが、紙質層13と共にある程度の強度があるものが用いられる。しかも紙質層を保護するために充分な防湿性があるものが好ましい。また、容器口部に高周波誘導加熱シールを行うために、導電性があるものがさらに好ましい。そのため、通常はアルミニウムなどの金属箔が用いられる。アルミニウム箔の場合、厚さは5〜20μm程度のものが用いられる。なお、アルミニウム箔などの金属箔は単層で用いるほか、厚さ12〜38μmのポリエステルフィルムなどの合成樹脂フィルムとの積層シートを用いることもできる。また、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレンなどの合成樹脂フィルムを単独で用いることもできる。その場合は厚さ12〜40μm程度のものが好ましい。金属箔を用いない場合は、高周波誘導加熱シールを使用することができないため、他の加熱板による他の加熱手段もしくは超音波シールが採用される。
【0019】
前記紙質層13は、強度が充分で、しかも繊維が短く破りやすいことから、グラシン紙が好適である。グラシン紙のほか、パーチメント紙、インディアンペーパーなども使用することができる。グラシン紙の場合は、坪量が15〜60g/m2 程度のもの、とくに20〜50g/m2 のものが用いられる。
【0020】
バリア層11と紙質層13を貼り合わせる貼り合わせ接着剤12としては、従来公知のものを使用することができる。バリア層11と紙質層13とは、ウエットラミネーション、ドライラミネーション、または樹脂押出ラミネーションなどの種々の方法で積層する。それにより図2に示す基材16が得られる。
【0021】
本発明の特徴である前処理剤の層(プライマコート)14は、前処理剤を紙質層13に塗布して一部を浸透させたものである。前処理剤としては、その下面に塗布されるホットメルト型接着剤層15との親和性が高く、紙質層13への浸透性が高いもの、とくに低温での粘性が低いものが用いられる。ホットメルト型接着剤層15との親和性を高くするには、ホットメルト型接着剤に含有される成分、たとえばエチレン酢酸ビニル樹脂(EVA)、ポリエチレン、アタクチックポリエチレン(APP)、エチレン−アクリル酸エチルコポリマー(EEA)、ポリアミドなどをベースポリマーとするのが好ましい。そして粘着付与剤(タッキファイア)としてのロジン誘導体やテルペンとか、石油樹脂などの炭化水素樹脂を添加したもの、さらに溶融粘度を低下させるため、および硬度、ホットタック性、耐ブロッキング性などの物性を調整するため、種々のワックス類などを調合したものが用いられる。
【0022】
また前処理剤の粘度は、できるだけ常温下で低粘度のもの、たとえば25℃でフォードカップ使用での粘度20秒以下程度、とくに9〜15秒程度のものを使用するのが好ましい。この前処理剤は、前記有効な組成をトルエン、メチルエチルケトン、アルコールなどの有機溶剤、あるいは水などの水性溶剤、あるいはそれらの混合溶剤に加えて用いる。それにより、紙質層13に塗布しやすく、浸透しやすくすると共に、塗布後に溶剤が容易に蒸散して前処理剤の層14が形成されるようにする。上記のように構成される前処理剤は、グラビアロールコート、一般ロールコートなどの一般的なコート法により、紙質層13に塗布し、一部を紙質層内に浸透させながら乾燥工程などを経て前処理剤の層14が得られる。コーティングは、ホットメルト型接着剤の場合とは異なり、通常は常温(10〜30℃)で行う。前処理剤の層13の塗布量は、組成によって異なるが、乾燥状態で1〜3g/m2 程度とするのが好ましい。
【0023】
前記ホットメルト型接着剤は、前処理剤の下面に塗布するもので、紙質層13には直接触れない。そのため紙質剤への浸透性は不要であり、粘度も150℃で1〜10Pa・ s程度と、高くてもよい。したがって封緘蓋材用として従来公知のものをいずれも用いることができる。さらに記前処理層との親和性を高くするため、ベースポリマーには前処理剤と同じものを用いるのが好ましい。すなわち、前述のエチレン酢酸ビニル樹脂(EVA)、ポリエチレン、アタクチックポリエチレン(APP)、エチレン−アクリル酸エチルコポリマー(EEA)、ポリアミドなどからベースポリマーを選定する。そして粘着付与剤(タッキファイア)としてのロジン誘導体やテルペンとか、石油樹脂などの炭化水素樹脂を添加したもの、さらに溶融粘度を低下させるため、および硬度、ホットタック性、耐ブロッキング性などの物性を調整するため、種々のワックス類などを調合したものが用いられる。
【0024】
このホットメルト型接着剤は、溶融温度よりいくらか高い温度で、グラビアロールコート、一般ロールコートなどの一般的なコート法により、前処理剤の層14の上から基材に塗布させながら常温下で放熱して形成する。塗工温度が高すぎると基材にカールが生ずるなどの問題があり、低すぎると充分な封緘強度が得られない。上記の塗工方法の内でも、塗工表面に細かな凹凸ができるグラビアロールコートが好ましく、それにより巻取り時にブロッキングを防止することができる。
【0025】
上記のようにして得られる蓋材10は、図3に示すように、ガラス瓶などの容器17の口部18の上端開口を封緘するために用いられる。すなわちロール状の蓋材を送り出しながら容器17の口部18の形状に合わせた形状に円形に抜き落とし、その円形の蓋材をあらかじめキャップ蓋の内側に装填しておき、容器に封緘装着後、高周波誘導加熱機(シーラー)で 2〜5秒程度加熱してホットメルト型接着剤を軟化させ、ついで放熱して接着を完了する。なお、インスタントコーヒーの瓶などのインナーシール材として用いる場合は、バリア層11にあらかじめリシール層(図4の符号101参照)を剥離容易に貼り付けておく。また、この蓋材10はガラス瓶のほか、発泡スチロール容器、金属容器、プラスチック容器などの容器に対しても使用することができる。
【0026】
一旦、容器17の口部18を封緘した蓋材10は、ホットメルト型接着剤層15が容器の口部18にしっかりと貼り付けられている。さらに紙質層13に浸透している前処理剤の層14を介してホットメルト型接着剤層15が紙質層13にしっかりと貼り付いている。そのため消費者が蓋材10を容器17から剥がすとき、紙質層13の内部で層間剥離を生ずる。したがってホットメルト型接着剤層だけでなく、紙質層13も口部18にほぼ環状になって残る。すなわち従来の場合のように、剥がし始めの部位だけでなく、剥がし終わるまで、紙質層13が層間剥離で上下に分かれ、下側の部分が環状になって、あるいは50%以上の広い範囲で残るのである。したがって消費者は、封緘が所定の強度でしっかりと維持されていたこと、ひいては内容物が充分に保護されていたことを実感することができ、内容物に対する信頼感・安心感が与えられる。
【0027】
【実施例】
つぎに実施例および比較例をあげて本発明の蓋材の効果を説明する。
[実施例1]
基材として、厚さ0.009mmのアルミニウム箔に、接着剤を用いて、坪量30g/m2 のグラシン紙をドライラミネートにより積層して図2に示すような基材を製造した。
【0028】
ついで下記の組成で有機溶剤型の前処理剤Aを製造した。なお、アルコンM100は荒川化学工業株式会社の粘着付与剤の商品名である。
【0029】
上記の前処理剤Aを前述の基材の下面に乾燥重量で0.6g/m2 となるように塗布し、さらにホットメルト型接着剤HM#8(株式会社リーダー製)を21g/m2 となるように塗布し、図1の形態の実施例1の蓋材を製造した。
【0030】
[実施例2〜3]
前処理剤の塗布量を1.1g/m2 、2.1g/m2 としたほかは、実施例1と同じ方法で実施例2および実施例3の蓋材を製造した。
【0031】
[実施例4、5]
下記の組成の水溶型の前処理剤Bを製造した。なおEVAエマルジョンは、中央理化(株)製アンアテックスEC−1800を用いた。
【0032】
実施例1と同じ基材に前処理剤Bをそれぞれ1.0g/m2 、3.0g/m2 の塗布量で塗布し、さらに実施例1と同じホットメルト型接着剤を同じ塗布量で塗布し、実施例4、5の蓋材を製造した。
【0033】
[比較例1]
実施例1と同じ基材を用い、前処理剤を使用せずに、実施例1と同じホットメルト型接着剤を同じ塗布量で塗布し、比較例1の蓋材を製造した。
【0034】
[試験方法および結果]
実施例1〜5および比較例1の蓋材を外径70mm、厚さ3mmのガラス瓶に乗せ、500W、450kHzの高周波誘導加熱装置に2秒間通し、実際に熱封緘した。なおガラス瓶内にはインスタントコーヒーを充填していた。ついでシール終了後、蓋材を開封して、容器の口部に付着している紙質層を目視により観察した。その結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
表1から分かるように、前処理剤が塗布されていない比較例1の蓋材では、紙質材の口残りはまったくない。しかし前処理剤が塗布されている実施例1〜5の蓋材では、いずれも50%以上、紙質材が残っていた。なお有機溶剤タイプの前処理剤Aを用いた実施例1〜3の蓋材は、水溶性タイプの前処理剤Bを用いた実施例4、5の蓋材に比して、前処理剤の塗布量を少なくしても同等の効果が得られることが分かる。これは水溶性タイプの前処理剤Bは、塗布時の液剤の粘度が有機溶剤タイプAよりも高いためであると考えられる。なお、開封時の引っ張り力は、蓋材の面に対して折り返した状態で約45度の傾きで与えたが、いずれも0.4〜0.6kg程度と、比較的容易に剥がれ、しかも安心できる程度の抵抗感があった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の蓋材の一実施形態を示す断面図である。
【図2】 本発明の蓋材に用いる基材の実施形態を示す断面図である。
【図3】 その蓋材の使用状態を示す断面図である。
【図4】 従来の蓋材の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
10 蓋材
11 バリア層
12 貼り合わせ接着剤
13 紙質層
14 前処理剤の層
15 ホットメルト型接着剤層
16 基材
17 容器
18 口部
Claims (3)
- ガスバリア性を有するバリア層と、そのバリア層の下面に積層される紙質層と、その紙質層の下面に塗布され、一部が紙質層内に浸透している、25℃でフォードカップ使用での粘度20秒以下の前処理剤の層と、その前処理剤が塗布された紙質層の下面にさらに塗布されるホットメルト型接着剤層とからなり、前記前処理剤が、前記ホットメルト型接着剤の組成材料と親和性を有する、ホットメルト型接着剤に含有される成分を主剤とする溶剤型塗布剤である、容器の口部密封用の封緘蓋材。
- 前記主剤およびホットメルト型接着剤のベースポリマーが、エチレン酢酸ビニル樹脂(EVA)、ポリエチレン、アタクチックポリエチレン(APP)、エチレン−アクリル酸エチレンコポリマー(EEA)、ポリアミドからなる群のいずれかを1つを選択した、請求項1記載の封緘蓋材。
- 前記バリア層が金属箔を含んでいる請求項1記載の封緘蓋材。
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