JP3917707B2 - 駆動軸の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、継手ヨークとこの継手ヨークのシャフト嵌合孔に連結するスプラインシャフトとを有する駆動軸の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来このような駆動軸は、図1の(a)に示すように、スプラインシャフト1は中実のスプラインシャフトで構成し、継手ヨーク2のシャフト嵌合孔3の断面は全長にわたり一様な断面形状に形成し、スプラインシャフト1の端部には段加工で肩部を形成し、この肩部をヨーク嵌合孔の端面に掛合させ、図1の(b)に示すように溶接部4により、又は図1の(c)に示すようにカシメ部5又はその双方により両者を固定していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、溶接による固定方法では、面倒な溶接工程を必要とし、また溶接ワレや、溶接部からの疲労破壊を生ずる恐れがある。更に、端部における単なるカシメ部だけでは、やはり疲労破壊が早く訪れる傾向があり、駆動軸の寿命が短いという欠点があった。
【0004】
従って、本発明の目的は、面倒な溶接を必要とせず、固定が簡単確実であり、寿命を向上させることができる駆動軸の製造方法を得るにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明駆動軸の製造方法は、前記スプラインシャフトを長さ全体にわたり断面が一様な中空スプラインシャフトとし、シャフト嵌合孔に軸線方向に一様でない断面形状のスプラインを形成し、シャフト嵌合孔にスプライン嵌合する中空スプラインシャフトの内側部分から前記シャフト嵌合孔の一様でない断面形状に適合する形状に変形して固定する該駆動軸の製造方法において、前記継手ヨークのシャフト嵌合孔の一様でない断面形状を、前記シャフト嵌合孔の小径部に継手ヨーク前方に向かって先細のテーパを付けた形状とし、前記中空スプラインシャフト内に固定用プラグをシャフトのヨーク側とは反対側の端部から挿入し、シャフト嵌合孔のテーパ部に向かって押し込んでシャフト嵌合孔から露出させ、この露出部分をヨーク前方からカシメ治具によりカシメることにより固定することを特徴とする。
【0006】
本発明によれば、軸線方向に断面が一様な中空スプラインシャフトの内側から一様でない断面形状のシャフト嵌合孔に適合させる変形を生ぜしめることにより確実な固定を生ずる。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に、図面につき、本発明の好適な実施の形態を説明する。
【0008】
図2は、本発明の第1の実施の形態を示し、この実施の形態では図2の(b)に示すように、スプラインシャフトを長さ全体にわたり軸線方向に断面が一様な中空スプラインシャフト6とし、継手ヨーク2のシャフト嵌合孔3のスプラインの軸線方向に断面が一様でない断面形状を、図2の(a)に示すように、シャフト嵌合孔3のスプライン小径部に継手ヨーク前方に向かって先細のテーパ部7を設けた形状とする。
【0009】
継手ヨーク2のスプライン嵌合孔3にスプライン嵌合させた中空スプラインシャフト6内に、この中空スプラインシャフト6に嵌合するスプライン形状の固定用プラグ8をシャフトのヨーク側とは反対側の端部から挿入し、シャフト嵌合孔3のテーパ部7に向かって、例えば、中空スプラインシャフト5の小径と同形の円筒体又は中空シャフト5に嵌合する固定用プラグ8と同一断面のスプラインシャフト9を押し込んでシャフト嵌合孔3から露出させる。このとき、固定用プラグ8の外面は継手ヨーク2のシャフト嵌合孔3の小径部のテーパ部7によりテーパ状に変形する。次に固定用プラグ8のシャフト嵌合孔3から露出する部分をヨーク前方からカシメ工具10によりカシメる。このことにより中空スプラインシャフト6と継手ヨーク2はしっかりと固定される(図2の(c)参照)。
【0010】
図3は、本発明の第2の実施の形態を示し、この実施の形態では図3の(b)に示すように、スプラインシャフトを長さ全体にわたり軸線方向に断面が一様な中空のスプラインシャフト6とし、継手ヨーク2のシャフト嵌合孔3のスプラインの軸線方向に一様でない断面形状を、図3の(a)に示すように、スプライン内周面の周方向にわたる環状窪み11とする。
【0011】
継手ヨーク2のスプライン嵌合孔3にスプライン嵌合させた中空スプラインシャフト6の内部に、半径方向外方に拡開可能であり、環状窪み11に貫入する突起12を有する固定用治具13を中空スプラインシャフト6の内部に挿入し、次にこの固定用治具13を拡開させることにより環状窪み11に密に嵌合するよう中空のスプラインシャフト6は拡開変形する。このことにより中空スプラインシャフト6と継手ヨーク2はしっかりと固定される(図3の(c)参照)。
【0012】
図示の実施例では、継手ヨークのスプライン嵌合孔のスプラインの軸線方向に一様でない断面形状をテーパ部又は環状窪みとしたが、他の一様でない断面形状にし、この断面形状に適合するよう中空スプラインシャフトの継手ヨーク嵌合部を変形させることができること勿論である。
【0013】
【発明の効果】
本発明によれば、シャフトに段加工工程や溶接工程を必要とすることなく、一様なスプライン中空シャフトの内側から軸線方向に断面が一様でないシャフト嵌合孔に適合させる変形を生ぜしめることにより簡単かつ確実に継手ヨークに中空スプラインシャフトを固定することができるため、コストを低減しかつ疲労破壊を生じにくく、寿命が向上するという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の製造方法により製造した駆動軸の説明図であり、(a)はスプラインシャフトの縦断面図、(b)は溶接によりスプラインシャフトを継手ヨークに固定した従来例の一部断面とする側面図、(c)はかしめによりスプラインシャフトを継手ヨークに固定した従来例の一部断面とする側面図である。
【図2】本発明製造方法の第1の実施の形態によって製造する駆動軸の説明図であり、(a)は組付け前の一部断面とする側面図、(b)は中空のスプラインシャフトの縦断面図、(c)は固定した後の駆動軸の一部断面とする側面図である。
【図3】本発明製造方法の第2の実施の形態によって製造する駆動軸の説明図であり、(a)は組付け前の一部断面とする側面図、(b)は中空のスプラインシャフトの縦断面図、(c)は固定した後の駆動軸の一部断面とする側面図である。
【符号の説明】
1 スプラインシャフト
2 継手ヨーク
3 シャフト嵌合孔
4 溶接部
5 カシメ部
6 中空スプラインシャフト
7 テーパ部
8 固定用プラグ
9 スプラインシャフト
10 カシメ工具
11 環状窪み
12 突起
13 固定用治具
Claims (1)
- 継手ヨークとこの継手ヨークのシャフト嵌合孔に連結するスプラインシャフトとを有する駆動軸の製造方法であって、前記スプラインシャフトを長さ全体にわたり断面が一様な中空スプラインシャフトとし、シャフト嵌合孔に軸線方向に一様でない断面形状のスプラインを形成し、シャフト嵌合孔にスプライン嵌合する中空スプラインシャフトの内側部分から前記シャフト嵌合孔の一様でない断面形状に適合する形状に変形して固定する該駆動軸の製造方法において、前記継手ヨークのシャフト嵌合孔の一様でない断面形状を、前記シャフト嵌合孔の小径部に継手ヨーク前方に向かって先細のテーパを付けた形状とし、前記中空スプラインシャフト内に固定用プラグをシャフトのヨーク側とは反対側の端部から挿入し、シャフト嵌合孔のテーパ部に向かって押し込んでシャフト嵌合孔から露出させ、この露出部分をヨーク前方からカシメ治具によりカシメることにより固定することを特徴とする駆動軸の製造方法。
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JP07532697A JP3917707B2 (ja) | 1997-03-27 | 1997-03-27 | 駆動軸の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP07532697A JP3917707B2 (ja) | 1997-03-27 | 1997-03-27 | 駆動軸の製造方法 |
Publications (2)
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JPH10267040A JPH10267040A (ja) | 1998-10-06 |
JP3917707B2 true JP3917707B2 (ja) | 2007-05-23 |
Family
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Family Applications (1)
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