JP3917482B2 - 車両用ワイパ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の被払拭面を払拭する車両用ワイパ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の被払拭面(ガラス面等)を払拭する車両用ワイパ装置においては、ワイパアームのアーム圧によってワイパブレードのブレードラバーが長時間被払拭面に押圧されることによるブレードラバーの変形を防止するため、ワイパブレードをリフトアップさせるリフトアップ機構が設けられたものがある(一例として、特開2000−289577号公報)。
【0003】
ここで、このリフトアップ機構を備えた車両用ワイパ装置では、ワイパアームにワイパブレードが支軸によって回動可能に支持されると共に、ワイパアームにスライダが取り付けられている。そして、ワイパブレードの停止位置にリフタを設け、ワイパブレードを停止位置に移動させる際には、スライダをリフタに乗り上げさせることにより、ワイパブレードをリフトアップさせてブレードラバーの変形を防止している。
【0004】
ところで、このようなリフトアップ機構を備えた車両用ワイパ装置では、前述の如きスライダをワイパブレードに取り付けるためのビスやリベット等の多数の部品が必要であり、全体として部品点数が多いという欠点があった。
【0005】
またさらに、車両の走行中(特に悪路走行中)に、リフトアップされたワイパブレードが車両の振動によって支軸周りに回動し、ワイパブレードの両端が車両に当接してバタツキ音が発生する場合があった。
【0006】
このため、従来では例えば、ワイパアームの先端にE型クリップを設け、このE型クリップによってワイパブレードを挟持し、さらにE型クリップとワイパブレードの間にZ字状の板ばねストッパを嵌入していた。そして、この板ばねストッパの付勢力によってワイパブレードの回動を阻止することにより、バタツキ音を抑止するようにしていた。あるいはまた、スライダによるワイパブレードのリフトアップ時に、このワイパブレードを積極的にワイパアームに当接させた状態で保持することで、ワイパブレードの不要な回動を阻止してバタツキ音を抑止するようにした構成のものもある。
【0007】
しかしながら、上記の如き従来の車両用ワイパ装置では、ワイパブレードの支持部が特別構造(E型クリップ、板ばねストッパ等)となり、さらにこの支持部の部品点数や組付け工程数が多くなるため、コストが上昇する。あるいはまた、スライダを別個にワイパブレードに取り付けるために、組付作業を考慮してその大部分が外部に露出して配置され見栄えが損なわれ、しかも取付けのための別部品が必要となるため部品点数及び作業工数の増加となっていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事実を考慮し、リフトアップされたワイパブレードによるバタツキ音を抑止することができるのみならず、見栄えが向上し、部品点数や組付け工程数も低減できる車両用ワイパ装置を得ることが目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明の車両用ワイパ装置は、一対の側壁と上壁とを有し車両の被払拭面方向が開口した断面コ字状に形成され、前記被払拭面に対向して往復回動するワイパアームと、前記ワイパアームの先端に支軸によって回動可能に支持され、前記ワイパアームから付与されたアーム圧によって前記被払拭面に接し、前記ワイパアームと共に往復回動して前記被払拭面を払拭するワイパブレードと、基部とスライド部から成り、前記基部が前記支軸から前記ワイパアーム側に偏位して前記ワイパブレードの長手方向基端部側に設けられ、前記スライド部が前記ワイパブレード停止位置方向へ突出して設けられたスライダと、前記ワイパブレードの停止位置に対応して前記車両に設けられ、前記ワイパブレードが停止する際に前記スライダのスライド部に当接して前記ワイパブレードを前記被払拭面から離間する方向へ上昇させるリフタと、を備えた車両用ワイパ装置であって、前記スライダの基部及び当該基部が設けられた前記ワイパブレードの長手方向基端部は、前記ワイパブレードが前記ワイパアームに接近するように回動された際には、前記ワイパアームにおける前記一対の側壁と前記上壁とによって囲まれた内腔部分に収容されるように構成され、前記ワイパアームの一対の側壁のうち前記ワイパブレード停止位置側の側壁には、長手方向の一部であって前記ワイパブレードが前記ワイパアームに接近するように回動された際に前記スライダのスライド部と干渉しないように切り欠かれた切欠部が形成されている、ことを特徴としている。
【0010】
請求項1記載の車両用ワイパ装置では、ワイパアームに支軸によって回動可能に支持されるワイパブレードがアーム圧によって車両の払拭面方向に押圧される。また、スライダが、支軸からワイパアーム側に偏位してワイパブレードに設けられている。
【0011】
ワイパブレードが停止する際には、ワイパブレードに設けられたスライダのスライド部がリフタに当接することにより、ワイパブレードが被払拭面から離間する方向へ上昇(リフトアップ)される。ここで、スライダは支軸からワイパアーム側に偏位してワイパブレードに設けられているため、ワイパブレードがリフトアップされた状態では、ワイパブレードにリフタからワイパブレードに向かう方向(以下、「反リフタ方向」という)に支軸周りの回動力が生じる。すなわち、ワイパブレードがリフトアップされた際にスライダ及びこのスライダ装着側のワイパブレード長手方向基端部側がワイパアームに接近するように回動する。
【0012】
このため、ワイパブレードまたはスライダとワイパアームとが支軸とは異なる位置で係合する。このとき、ワイパアームにはアーム圧が付与されているので、ワイパブレードがワイパアームまたはスライダとの上記係合点を介してリフタに対し押さえ付けられる。したがって、ワイパブレードは支軸回りの回動を上記係合によって制限された状態で支持されることとなり、ワイパブレードのブレードラバーが完全に被払拭面から離間していても車両の振動等によってワイパブレードがバタ付くことがなく、バタツキ音を抑止することができる。
【0013】
またここで、この車両用ワイパ装置では、スライダの基部及びこの基部が設けられたワイパブレードの長手方向基端部は、断面コ字状に形成されたワイパアームの内腔部分に収容可能に設けられているため、ワイパブレードがリフトアップされた際には(すなわち、スライダ及びこのスライダ装着側のワイパブレード長手方向基端部がワイパアームに接近するように回動された際には)、スライダの基部及びワイパブレードの長手方向基端部側は、ワイパブレードの上記支軸周りの回動により断面コ字状に形成されたワイパアームの内腔部分に収容された状態となる。したがって、スライダの基部が外部に露出することがなく、また、このスライダ装着側のワイパブレード長手方向基端部が外部に露出することも最小限に抑えることができるため、スマートにリフトアップされた状態となり、見栄えが向上する。
【0014】
このように、請求項1記載の車両用ワイパ装置では、リフトアップされたワイパブレードによるバタツキ音を抑止することができるのみならず、見栄えが向上する。また、請求項1記載の車両用ワイパ装置では、ワイパアームの一対の側壁のうちワイパブレード停止位置側の側壁には、長手方向の一部であって前記ワイパブレードが前記ワイパアームに接近するように回動された際に前記スライダのスライド部と干渉しないように切り欠かれた切欠部が形成されているため、ワイパブレードがリフトアップされた際には、ワイパブレードの上記支軸周りの回動でスライダのスライド部以外の各部位(基部)をワイパアームの内腔部分にすっぽりと隠れた状態に収容することができ、見栄えが向上する。さらに、通常のワイパ装置払拭動作の際にも、スライダのスライド部がワイパアームの側壁に不用意に干渉することがなく、車両の被払拭面の形状に追従して支軸周りに回動するワイパブレードの動作を妨げることがない。
【0015】
請求項2に係る発明の車両用ワイパ装置は、請求項1記載の車両用ワイパ装置において、前記ワイパブレードは複数の保持レバーを有し、前記各保持レバーのうち少なくとも前記スライダが設けられる第1レバーと前記スライダとは、樹脂製でかつ一体に形成されている、ことを特徴としている。
【0016】
請求項2記載の車両用ワイパ装置では、スライダを第1レバーと一体に形成したことにより、スライダを取り付けるための特別なビスやリベットが不要となり、部品点数及び組付け工程数が低減されるだけでなく、スライダの部品管理も不要となる。しかも、ワイパブレードに後からスライダを組付けることがないため、ワイパアームの内腔部分にスライダを配置しても組付作業性を損なわず、見栄えを向上させることができる。
【0019】
請求項3に係る発明の車両用ワイパ装置は、請求項1または請求項2記載の車両用ワイパ装置において、前記スライダの基部には、前記ワイパアームの上壁裏面に当接して当該スライダが設けられた前記ワイパブレードを前記ワイパアームに対して所定の姿勢に保持する姿勢保持部が設けられている、ことを特徴としている。
【0020】
請求項3記載の車両用ワイパ装置では、スライダのスライド部がリフタに当接することによりワイパブレードがリフトアップされる際には、すなわち、ワイパブレードに支軸周りの回動力が生じてスライダ及びこのスライダ装着側のワイパブレード長手方向基端部側がワイパアームに接近するように回動する際には、スライダの姿勢保持部がワイパアームの上壁裏面に当接してそのままワイパアームをも持上げる。このとき、ワイパアームにはアーム圧が付与されているので、ワイパブレードが上記当接によりリフタに押さえ付けられる。したがって、ワイパブレードは支軸周りの回動を上記当接によって制限された状態で支持される。このように、姿勢保持部がワイパアームの上壁裏面に当接した状態でリフトアップされるため、ワイパアームとワイパブレードとの間隔がリフトアップ時に変動することがなく(ワイパアームとワイパブレードとは一定の間隔を維持したままでリフトアップされるため)、リフトアップ時のワイパアームとワイパブレードの姿勢及びその動作をよりスマートに見せることができる。
【0021】
請求項4に係る発明の車両用ワイパ装置は、請求項3記載の車両用ワイパ装置において、前記ワイパアーム及び前記ワイパブレードの平面視において、前記ワイパアームの長手方向軸線と前記ワイパブレードの長手方向軸線とを一致させ、かつ前記両長手方向軸線上に前記姿勢保持部を配置した、ことを特徴としている。
【0022】
請求項4記載の車両用ワイパ装置では、ワイパブレードのワイパアームに対する回動面(すなわち、ワイパアームの長手方向軸線とワイパブレードの長手方向軸線とを含み支軸に直交する面)と、ワイパアーム及びワイパブレードのリフトアップ方向(車両の被払拭面に接離する方向)と、リフトアップさせるためにワイパアームに作用する前記回動力の作用位置(作用点)とが同一面上で一致することになり、当該リフトアップ時にワイパアームとワイパブレードなどの各連結部分に「捩れ力」が作用することを防止できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1には本発明の実施の形態に係る車両用ワイパ装置10の全体構成が正面図にて示されており、図2にはこの車両用ワイパ装置10の主要部の構成が正面図にて示されている。また、図3にはこの車両用ワイパ装置10の全体構成が平面図にて示されており、図4にはこの車両用ワイパ装置10の主要部の構成が図3の4−4線に沿った断面図にて示されている。さらに、図5には車両用ワイパ装置10の主要部の構成が斜視図にて示されており、図6には図5に対応する部位が分解斜視図にて示されている。
【0024】
車両用ワイパ装置10は、ワイパアーム12とワイパブレード14を備えている。
【0025】
ワイパアーム12は、車両に設けられた図示を省略したアームヘッドの先端にヒンジによってリテーナ16が回動可能に支持されている。リテーナ16は、樹脂製とされており、一対の側壁18A、18Bと上壁20とを有し車両の被払拭面方向が開口した断面コ字状に形成されている。リテーナ16の先端はフック部22となっている。また、リテーナ16の一対の側壁18A、18Bのうち後述するワイパブレード14停止位置側の側壁18Aには、フック部22の近傍位置において、切欠部24が形成されている。この切欠部24は、後述するスライダ34のスライド部38及び保持ブロック40の緩衝部42に対応して形成されている。
【0026】
このリテーナ16の内部にはアームヘッドとの間に引張コイルばね(図示省略)が取り付けられており、当該引張コイルばねの付勢力によってワイパアーム12(リテーナ16)にはアーム圧が付与されている。
【0027】
一方、ワイパブレード14は、第1レバーとしてのプライマリレバー26、セカンダリレバー28及びブレードラバー30によって構成されている。プライマリレバー26は、ワイパアーム12と同様に樹脂製とされており、長手方向基端部近傍には、支軸32が設けられている。この支軸32に前述のワイパアーム12(リテーナ16)のフック部22が係止されることにより、ワイパブレード14がワイパアーム12に対し所定範囲で回動可能に装着された構成となっている。
【0028】
さらにこの場合、前述の如き構成のワイパアーム12及びワイパブレード14は、平面視(図3図示状態)において、ワイパアーム12の長手方向軸線φとワイパブレード14の長手方向軸線φとが一致した状態で連結された構成となっている。
【0029】
また、ワイパブレード14のプライマリレバー26には、スライダ34が設けられている。スライダ34は、樹脂製で基部36とスライド部38から成っており、基部36が支軸32からワイパアーム12側に偏位してプライマリレバー26の長手方向基端部側にこのプライマリレバー26と一体に形成されている。また、スライダ34のスライド部38は、ワイパブレード14停止位置方向へ(ワイパブレード14に対して垂直方向に)突出して設けられている。
【0030】
さらに、スライダ34には、保持ブロック40が取り付けられている。保持ブロック40はゴム製のカバー41で被覆された緩衝部42と姿勢保持部44とによって構成されており、スライダ34の基部36に一体的に取り付けられている。緩衝部42は、スライダ34のスライド部38の側方にこのスライド部38と同様に突出して設けられており、ワイパブレード14がリフトアップされる際の停止位置の位置決め及び緩衝材としての機能を有している。一方、姿勢保持部44は、ワイパアーム12(リテーナ16)の上壁20に向けて突出して形成されており、リテーナ16の上壁20裏面に当接可能となっている。すなわち、ワイパブレード14がリフトアップされる際には、この姿勢保持部44がリテーナ16の上壁20裏面に当接することで、ワイパアーム12をワイパブレード14と共に移動させると共に、ワイパブレード14をワイパアーム12に対して所定の姿勢に保持するようになっている。
【0031】
ここで、前述の如くワイパアーム12及びワイパブレード14は、平面視(図3図示状態)において互いの長手方向軸線φが一致した状態で連結された構成となっているが、保持ブロック40の姿勢保持部44は、当該両長手方向軸線φ上に配置された構成となっている。
【0032】
またここで、スライダ34の基部36、この基部36が設けられたワイパブレード14のプライマリレバー26の長手方向基端部、及び保持ブロック40の姿勢保持部44は、一対の側壁18A、18Bと上壁20とによって断面コ字状に形成されたワイパアーム12の内腔部分Xに収容可能に設けられている。この場合、リテーナ16のワイパブレード14停止位置側の側壁18Aには切欠部24がスライダ34のスライド部38及び保持ブロック40の緩衝部42に対応した形状に切り欠かれて形成されているため、スライダ34のスライド部38がワイパブレード14停止位置方向へ(ワイパブレード14に対して垂直方向に)突出して設けられていても、このスライド部38が当該側壁18Aと干渉しないように構成されている。
【0033】
以上の構成のワイパアーム12及びワイパブレード14は、アームヘッドを介して図示しないピボット軸に固定されており、ワイパモータの駆動によってワイパブレード14がワイパアーム12と共に往復回動して、ウインドシールドガラス16を払拭する構成となっている。
【0034】
さらに、図3に概略的に示す如く、車両のカウルカバーには、リフタ46が設けられている。このリフタ46は、車両用ワイパ装置10の停止位置におけるワイパブレード14のスライダ34に対応して設けられており、車両用ワイパ装置10(ワイパアーム12及びワイパブレード14)が停止位置に達した際にスライダ34のスライド部38がリフタ46に乗り上げるようにされている。これにより、車両用ワイパ装置10の停止状態では、ワイパブレード14がリフトアップされるようになっている。
【0035】
なお、リフタ46の高さは、ワイパブレード14がリフトアップされた際に、ワイパブレード14のブレードラバー30全体が車両(ウインドシールドガラス)から完全に離間して当接しないような高さとされている。
【0036】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0037】
車両用ワイパ装置10を作動させると、図示しないワイパモータの駆動によってワイパブレード14がワイパアーム12と共に往復回動して、ウインドシールドガラスを払拭する。
【0038】
車両用ワイパ装置10を停止させると、ワイパアーム12及びワイパブレード14が停止位置に達し、ワイパブレード14に取り付けられたスライダ34のスライド部38がリフタ46に乗り上げる。これにより、ワイパブレード14がリフトアップされる。したがって、ワイパブレード14がリフトアップされた際にはワイパブレード14のブレードラバー30全体が車両(ウインドシールドガラス)から完全に離間して当接しないため、ブレードラバー30にアーム圧が長時間付与されることによるブレードラバー30の変形を防止することができる。
【0039】
またここで、ワイパブレード14がリフトアップされた際には、図2に示すように、ワイパブレード14はワイパアーム12のアーム圧によって支軸32において車両方向(図2の矢印Aの方向)に押圧されると共に、リフタ46によってワイパブレード14が反リフタ方向(リフタ46からワイパブレード14に向かう方向、図2の矢印Bの方向)に押し上げられる。この場合、ワイパブレード14に取り付けられたスライダ34は支軸32に対してワイパアーム12側に偏位して設けられているため、ワイパブレード14には図2の矢印Cで示す向きに支軸32周りの回動力が生じる。
【0040】
このため、ワイパブレード14は前記図2の矢印C方向に回転し、さらに、保持ブロック40の姿勢保持部44がリテーナ16の上壁20裏面に当接してそのままワイパアーム12をも持上げ(ワイパアーム12をワイパブレード14と共に移動させ)、ワイパブレード14がワイパアーム12に対して所定の姿勢に(図2の矢印Cで示す向きの回動力が作用した状態のままで)保持される。したがって、車両の振動等によってワイパブレード14がバタ付くことがなく、バタツキ音を抑止することができる。
【0041】
またここで、この車両用ワイパ装置10では、スライダ34の基部36及びこの基部36が設けられたワイパブレード14(プライマリレバー26)の長手方向基端部は、断面コ字状に形成されたワイパアーム12(リテーナ16)の内腔部分Xに収容可能に設けられているため、ワイパブレード14がリフトアップされた際には(すなわち、スライダ34及びこのスライダ34装着側のワイパブレード14(プライマリレバー26)長手方向基端部がワイパアーム12(リテーナ16)に接近するように回動された際には)、スライダ34の基部36及びプライマリレバー26の長手方向基端部は、断面コ字状に形成されたリテーナ16の内腔部分Xに収容された状態となる(図5図示状態)。したがって、スライダ34の基部36が外部に露出することがなく、また、このスライダ34装着側のプライマリレバー26長手方向基端部が外部に露出することも最小限に抑えることができるため、スマートにリフトアップされた状態となり、見栄えが向上する。
【0042】
さらにこの場合、この車両用ワイパ装置10では、ワイパアーム12(リテーナ16)の側壁18Aにスライダ34のスライド部38及び保持ブロック40の緩衝部42に対応する切欠部24が形成されているため、ワイパブレード14がリフトアップされた際には、スライダ34のスライド部38以外の各部位(基部36)や保持ブロック40の姿勢保持部44をワイパアーム12(リテーナ16)の内腔部分Xにすっぽりと隠れた状態に収容することができるのみならず、通常のワイパ装置10払拭動作の際にも、スライダ34のスライド部38や保持ブロック40の緩衝部42がワイパアーム12の側壁18Aに不要に干渉することがなく、車両の被払拭面の形状に追従して支軸32周りに回動するワイパブレード14の動作を妨げることがない。
【0043】
またさらに、この車両用ワイパ装置10では、スライダ34のスライド部38がリフタ46に当接することによりワイパブレード14がリフトアップされる際には、すなわち、ワイパブレード14に支軸32周りの回動力が生じてスライダ34の基部36や保持ブロック40の姿勢保持部44あるいはワイパブレード14(プライマリレバー26)長手方向基端部がワイパアーム12(リテーナ16)に接近するように回動する際には、スライダ34の姿勢保持部44がリテーナ16の上壁20裏面に当接してそのままワイパアーム12をも持上げ、ワイパアーム12及びワイパブレード14は前記回動力が作用した状態のままで保持される。このように、姿勢保持部44がリテーナ16の上壁20裏面に当接した状態でリフトアップされるため、ワイパアーム12とワイパブレード14との間隔がリフトアップ時に変動することがなく(ワイパアーム12とワイパブレード14とは一定の間隔を維持したままでリフトアップされるため)、リフトアップ時のワイパアーム12とワイパブレード14の姿勢及びその動作をよりスマートに見せることができる。
【0044】
また、車両用ワイパ装置10では、スライダ34をプライマリレバー26と一体に形成したことにより当該部位がスマートになって見栄えが向上するのみならず、従来のようにスライダ34を取り付けるための特別なビスやリベットが不要となり、部品点数及び組付け工程数が低減され、従来よりコストを低減することができるだけでなく、スライダ34の部品管理も不要となる。しかも、ワイパブレード14に後からスライダ34を組付けることがないため、ワイパアーム12の内腔部分Xにスライダ34を配置しても組付作業性を損なわず、見栄えを向上させることができる。
【0045】
さらに、車両用ワイパ装置10では、ワイパアーム12及びワイパブレード14の平面視において、ワイパアーム12の長手方向軸線φとワイパブレード14の長手方向軸線φとを一致させており、しかも、両長手方向軸線φ上に保持ブロック40の姿勢保持部44を配置した構成としている。このため、ワイパブレード14のワイパアーム12に対する回動面(すなわち、ワイパアーム12の長手方向軸線φとワイパブレード14の長手方向軸線φとを含み支軸32に直交する面)と、ワイパアーム12及びワイパブレード14のリフトアップ方向(車両の被払拭面に接離する方向)と、リフトアップさせるためにワイパアーム12に作用する前記回動力の作用位置(作用点)とが同一面上で一致することになり、当該リフトアップ時にワイパアーム12とワイパブレード14などの各連結部分(例えば、支軸32)に「捩れ力」が作用することを防止できる。
【0046】
以上説明した如く、本実施の形態に係る車両用ワイパ装置10では、リフトアップされたワイパブレード14によるバタツキ音を抑止することができるのみならず、見栄えが向上し、しかも部品点数や組付け工程数も低減することができる。
【0047】
なお、前述した好ましい実施の形態においては、リフタ46の高さを、ワイパブレード14がリフトアップされた際にワイパブレード14のブレードラバー30全体が車両(ウインドシールドガラス)から完全に離間して当接しないような高さに設定した構成として説明したが、これに限らず、リフトアップ状態においてもワイパブレード14のブレードラバー30の一部(例えば、支軸32に対してスライダ34が設けられた側と反対側の先端側一部)が車両(ウインドシールドガラス)に当接したままの状態となるように構成することもできる。
【0048】
このような構成の場合には、上述の好ましい実施の形態に比べてブレードラバー30の変形防止の点でその効果は劣るが、リフトアップ状態ではブレードラバー30のほぼ全体が車体から離間しているものの、支軸32に対してスライダ34が設けられた側と反対側のブレードラバー30の先端部が車両(ウインドシールドガラス)に当接しているため、すなわち、スライダ34の姿勢保持部44がリテーナ16の上壁20裏面に当接すること及びワイパブレード14の先端部が車両に当接することでワイパブレード14は支軸32を挟んだ両側の2点が当接した状態で支持されるため、リフトアップ状態ではワイパブレード14の支軸32周りの回動が防止される。したがって、車両の振動等によってワイパブレード14が支軸32を中心に回動してバタツクのを防止することができ、バタツキ音を抑止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る車両用ワイパ装置の全体構成を示す正面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る車両用ワイパ装置の主要部の構成を示す正面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る車両用ワイパ装置の全体構成を示す平面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る車両用ワイパ装置の主要部の構成を示す図3の4−4線に沿った断面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る車両用ワイパ装置の主要部の構成を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る車両用ワイパ装置の主要部の構成を示し、図5に対応する部位の分解斜視図である。
【符号の説明】
10 車両用ワイパ装置,12 ワイパアーム,14 ワイパブレード,16リテーナ,18A 側壁,18B 側壁,20 上壁,24 切欠部,26 プライマリレバー(保持レバー、第1レバー),28 セカンダリレバー(保持レバー),30 ブレードラバー,32 支軸,34 スライダ,36 基部,38 スライド部,40 保持ブロック,44 姿勢保持部,46 リフタ,X内腔部分
Claims (4)
- 一対の側壁と上壁とを有し車両の被払拭面方向が開口した断面コ字状に形成され、前記被払拭面に対向して往復回動するワイパアームと、
前記ワイパアームの先端に支軸によって回動可能に支持され、前記ワイパアームから付与されたアーム圧によって前記被払拭面に接し、前記ワイパアームと共に往復回動して前記被払拭面を払拭するワイパブレードと、
基部とスライド部から成り、前記基部が前記支軸から前記ワイパアーム側に偏位して前記ワイパブレードの長手方向基端部側に設けられ、前記スライド部が前記ワイパブレード停止位置方向へ突出して設けられたスライダと、
前記ワイパブレードの停止位置に対応して前記車両に設けられ、前記ワイパブレードが停止する際に前記スライダのスライド部に当接して前記ワイパブレードを前記被払拭面から離間する方向へ上昇させるリフタと、
を備えた車両用ワイパ装置であって、
前記スライダの基部及び当該基部が設けられた前記ワイパブレードの長手方向基端部は、前記ワイパブレードが前記ワイパアームに接近するように回動された際には、前記ワイパアームにおける前記一対の側壁と前記上壁とによって囲まれた内腔部分に収容されるように構成され、
前記ワイパアームの一対の側壁のうち前記ワイパブレード停止位置側の側壁には、長手方向の一部であって前記ワイパブレードが前記ワイパアームに接近するように回動された際に前記スライダのスライド部と干渉しないように切り欠かれた切欠部が形成されている、ことを特徴とする車両用ワイパ装置。 - 前記ワイパブレードは複数の保持レバーを有し、前記各保持レバーのうち少なくとも前記スライダが設けられる第1レバーと前記スライダとは、樹脂製でかつ一体に形成されている、ことを特徴とする請求項1記載の車両用ワイパ装置。
- 前記スライダの基部には、前記ワイパアームの上壁裏面に当接して当該スライダが設けられた前記ワイパブレードを前記ワイパアームに対して所定の姿勢に保持する姿勢保持部が設けられている、ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両用ワイパ装置。
- 前記ワイパアーム及び前記ワイパブレードの平面視において、前記ワイパアームの長手方向軸線と前記ワイパブレードの長手方向軸線とを一致させ、かつ前記両長手方向軸線上に前記姿勢保持部を配置した、ことを特徴とする請求項3記載の車両用ワイパ装置。
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