JP3916053B2 - 通気式横型回転処理装置用原料投入機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は原料を乾燥、冷却又は撹拌する通気式横型回転処理装置の原料投入機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
原料をロータリドラムの一端面側から投入し、ロータリドラムの内部を貫通する通気管から熱風又は冷風を吹き出してロータリドラム内を他端面側に移動する原料を乾燥、冷却又は撹拌処理する通気式回転処理装置は公知であり、乾燥装置は特公平4−51756号に、冷却装置は特開平10−139502号にそれぞれ記載されている。
【0003】
図7は従来例の原料投入機構を備えた通気式回転処理装置のシール部を示す横断面図である。汚泥、スラグ等の流動性を有する原料は、ロータリドラム2が矢印方向に回転すると、原料はロータリドラム内において横断面割円形の原料流18を形成する。ロータリドラムの原料投入側端面をシールする原料投入側端部部材5の円形シール部15に、従来に原料投入機構は、フィードパイプを通気管7の原料投入側端部16と並列に配設していたため、端部部材5のシール部15の直径は比較的大きくなり、シール部15の外周は原料流18に漬かることが多かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に、シール部15の外周の気密性は良好であるが、液密性は必ずしも良好ではないため、シール部15の外周が流動性原料流に漬かると、シール部15の外周から原料が漏れ出すという問題が起きる。
【0005】
本発明はこの問題を解決するためになされたものであり、その課題は、通気式横型回転処理装置の原料投入側から流動性原料が漏出することを防止することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明が採用する手段は、ロータリドラムと、ロータリドラムの両端面をシールする原料投入側及び排出側端部部材と、ロータリドラムを貫通して両端部が原料投入側及び排出側端部部材に支持される通気管と、ロータリドラム内の原料投入側に原料を投入する原料投入機構とを備えた通気式横型回転処理装置において、通気管の前記原料投入側端部部材のシール部を貫通する原料投入側端部のシール部より排出側に寄った下面に開口を、その開口より排出側に寄った位置に通気を遮断する仕切板をそれぞれ設け、原料投入機構に通気管の原料投入側端部を介してシール部を抜けるフィードパイプを設け、フィードパイプの出口を開口の上方又は下方に設けたことにある。
【0007】
この手段により、原料投入側端部部材のシール部の半径は、通気管の原料投入側端部の半径よりも少し大きい程度となり、ロータリドラム内の流動性原料流の上面と軸心との距離よりも小さいから、シール部の外周が流動性原料流に漬かることはあり得ない。したがって、流動性原料が原料投入側から漏出する事故は未然に防止することができる。
【0008】
フィードパイプとしては各種の形式のものを使用することができる。
【0009】
角形シュート状フィードパイプの場合は、通気管の原料投入側端部に外側上方から内側下方へ斜めに出口が開口から突出するように挿通する。
【0010】
円形管のフィードパイプの場合は、通気管の原料投入側端面から軸方向に挿通し出口を開口の上方に開口する。フィードパイプの上面にホッパー付き入口を設け、下面にバイブレーターを配設することも可能である。フィードパイプは通気管の原料投入側端部と共通にすることも可能である。この場合、上面に入口を設け、内部にスクリュー軸を通して原料を送り込むことも可能である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明を図面に示す第1実施例に基づいて説明する。
【0012】
図1は、本発明第1実施例の処理原料の投入機構を備えた通気式横型回転処理(乾燥)装置の一部を断面で示す立面図であり、図2は図1のII−II線矢視図である。
【0013】
図1に示すように、通気式横型回転処理装置は、ロータリドラム2と、ロータリドラム2に一体に外嵌したリング3と、リング3と係合してロータリドラム2を支持し、又は支持して回転させるローラ4と、ロータリドラム2の原料投入側及び排出側端面をそれぞれシールする原料投入側及び排出側端部部材5,6と、ロータリドラム2を貫通する通気管7と、ローラ4と端部部材5,6を支える共通のベース8を備える。通気管7はロータリドラム2を軸方向に貫通し、原料投入側及び排出側の両端部は端部部材5,6にそれぞれ固定される。通気管7の排出側端部に図外の熱風源を接続する。通気管7の原料投入側端部16は原料投入側端部部材5のシール部15を貫通する。通気管7の原料投入側端部16のシール部15より排出側に寄った下面に開口12を開口し、それよりさらに排出側に寄った位置に排出側からの通気を遮断する仕切板9を設ける。
【0014】
通気管7の原料投入側端部16に、原料投入機構10のフィードパイプ11を外側から挿入し、フィードパイプ11の出口13を開口12の上に設ける。原料投入側端部部材5にフィードパイプ11を振動させるバイブレーター22と、フィードパイプ11の入口14に原料を投入するホッパー19を配設する。ホッパー19とバイブレータ22は架台23上に配置する。
【0015】
図2に示すように、ロータリドラム2の原料投入側端面をシールする原料投入側端部部材の円形のシール部15を通気管の原料投入側端部16が貫通し、その内部に原料投入機構のフィードパイプ11が位置する。フィードパイプ11の出口13から出てきた原料は開口12からロータリドラム2の内周面に落下する。ロータリドラム2は矢印方向に回転するため、落下した原料は上面が傾斜した割円状横断面の原料流18を形成する。従来は、円形のシール部にフィードパイプと通気管の原料投入側端部を併設していたため、シール部の半径が大きくなり、シール部の外周が原料流に漬かっていたが、第1実施例は、シール部15を貫通する通気管の原料投入側端部16にフィードパイプ11を内挿しているため、シール部15の半径は、通気管原料投入側端部16の半径より少し大きいだけで、原料流18の上面からロータリドラム2の軸心までの距離よりも小さいから、シール部15が外周が原料流18に漬かるおそれは全くない。したがって、流動性原料のシール部15外周からの漏出は完全に防止される。
【0016】
【実施例】
次に、第2及び第3実施例について説明する。
【0017】
図3は第2実施例を備えた通気式横型回転処理装置の一部を断面で示す立面図、図4は図3のIV−IV線矢視図である。
【0018】
図3及び図4に示すように、原料投入側端部部材5のシール部15を貫通する通気管7の原料投入側端部16は、原料投入機構20のフィードパイプ21と共通に形成されている。原料投入機構20はフィードパイプ21を貫通するスクリュー軸24と、スクリュー軸24の外端部に直結した減速機付きモータ26と、そのモータ26を支持する架台27とからなる。上記以外の構成は前記実施例と実質的に同じである。
【0019】
フィードパイプ21の入口25に投入された原料はスクリュー軸24を介して開口12へ送られ、ロータリドラム2の内周面に落下する。落下した原料はロータリドラム2の内周面上に横断面割円形の原料流18を形成する。
【0020】
シール部15を貫通するフィードパイプ21は、通気管7の原料投入側端部16自体であるから、シール部15の半径は前記実施例と通気管7の原料投入側端部16より少し大きいだけであり、ロータリドラム2の軸心から原料流18の上面までの距離よりも小さいから、シール部15の外周が原料流18に漬かるおそれは全くない。したがって、シール部15からの原料漏出は未然に防止される。
【0021】
図5は第3実施例を備えた通気式横型回転装置の一部を断面で示す立面図、図6は図5のVI−VI線矢視図である。
【0022】
図5及び図6に示すように、原料投入機構30のシュート状のフィードパイプ31は、原料投入側端部部材5とのシール部15を外側上方から内側下方へ斜めに貫通する。フィードパイプ31の出口32は通気管7の原料投入側端部16の開口12から突出して開口する。上記以外の構成は前記実施例と実質的に同じである。
【0023】
フィードパイプ31の入口33から投入された原料はシュート状のフィードパイプの出口32からロータリドラム2の内周面に落下して割円形横断面の原料流18を形成する。シール部15の半径は前記実施例と同様に通気管7の原料投入側端部16の半径より少し大きい程度であり、ロータリドラム2の軸心から原料流18の上面までの距離よりも小さいから、原料がシール部15の外周が原料流18に漬かることはない。したがって、流動性原料がシール部15の外周面から漏出するおそれはない。
【0024】
【発明の効果】
上記のとおり、従来の通気式横型回転処理装置用原料投入機構は、原料投入側端部部材のシール部に通気管の原料投入側端部とは別にフィードパイプを挿通していたため、半径の大きなシール部の外周がロータリドラム内の原料流に漬かり、シール部の外周から流動性原料が漏出するおそれがあった。これに対し、本発明の通気式横型回転処理装置用原料投入機構は、フィードパイプが通気管の原料投入側端部の内部を挿通するか、又はその端部自体であるから、シール部の半径は比較的小さくその外周がロータリドラム内の原料流につかることはない。したがって、流動性原料が原料投入側端部部材のシール部から漏出は未然に防止されるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1実施例の原料投入機構を備えた通気式横型回転処理装置の一部を断面で示す立面図、
【図2】図1のII−II線矢視図、
【図3】第2実施例の図1に相当する図、
【図4】図3のIV−IV線矢視図、
【図5】第3実施例の図1に相当する図、
【図6】図5のVI−VI線矢視図、
【図7】従来例の原料投入機構を備えた通気式横型回転処理装置の断面図であり、原料投入側端部部材のシール部の内面を示す。
【符号の説明】
1:通気式横型回転処理装置
2:ロータリドラム
3:リング
4:ローラ
5,6:端部部材
7:通気管
8:ベース
9:仕切板
10:原料投入機構
11:フィードパイプ
12:開口
13:出口
14:入口
15:シール部
16:原料投入側端部
17:フィードパイプ(従来例)
18:原料流
19:ホッパー
20:原料投入機構
21:フィードパイプ
22:バイブレーター
23:架台
24:スクリュー軸
25:入口
26:モータ
27:架台
30:原料投入機構
31:フィードパイプ
32:出口
33:入口
Claims (4)
- ロータリドラム(2)と、前記ロータリドラムの両端面をシールする原料投入側及び排出側端部部材(5,6)と、前記ロータリドラムを貫通して両端部が前記端部部材に固定される通気管(7)と、前記ロータリドラム内の原料投入側に原料を投入するフィードパイプ(11,21,31)を有する原料投入機構(10,20,30)とを備えた通気式横型回転処理装置(1)において、前記通気管の原料投入側端部(16)は前記原料投入側端部部材のシール部(15)を貫通し、前記原料投入側端部(16)は前記シール部より排出側に寄った下面に開口(12)を、そこからさらに排出側に寄った位置に通気を遮断する仕切板(9)をそれぞれ有し、前記フィードパイプは前記原料投入側端部(16)の内部を通って前記シール部を抜けることを特徴とする通気式横型回転処理装置用原料投入機構。
- フィードパイプ(31)は通気管(7)の原料投入側端部(16)を斜めに挿通するシュート状であり、出口(32)は前記原料投入側端部の開口(12)から突出することを特徴とする請求項1記載の通気式横型回転処理装置用原料投入機構。
- フィードパイプ(21)は通気管(7)の原料投入側端部(16)として形成され、出口は前記原料投入側端部の開口(12)であることを特徴とする請求項1記載の通気式横型回転処理装置用原料投入機構。
- フィードパイプ(11)は通気管(7)の原料投入側端部(16)にその端面から軸方向に挿通され、出口(13)は前記原料投入側端部の開口(12)の上にあることを特徴とする請求項1記載の通気式横型回転処理装置用原料投入機構。
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