JP3915185B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録媒体にインクを吐出して記録動作するインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば特開平8−72266号公報に記載されるように、インクジェット記録装置の吸引ポンプにおいて、多種多様な制御を可能とするために、筒状のケーシング内に1対のピストン部材を互いに対向して設け、前記ピストン部材間に容積可変のポンプ室を形成するものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、吸引キャップが記録ヘッドのノズル面に密着されるキャッピング時には、吸引ポンプの吸引口はピストン部材にて閉塞されているため、吸引キャップがノズル面に密着されたときに、吸引キャップが弾性変形し、その内部の空気が圧縮され、ノズル孔に作用することとなり、いわゆるメニスカスを壊し、気泡を記録ヘッド内に侵入させるおそれがあった。
【0004】
そこで、例えば特開平5−169680号公報に記載されるように、インク排出口が大気連通孔としても機能し、吸引キャップのキャッピング時に吸引キャップの内部を大気に開放するものが提案されているが、この吸引ポンプはピストン部材が1つだけの構造であり、前述した如き2つのピストン部材を有する吸引ポンプに適用することができない。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、吸引キャップのキャッピング時に、吸引キャップの内部を大気に開放することができるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、記録媒体にインクを吐出して記録動作する記録ヘッドと、該記録ヘッドのノズル面を開閉可能に覆うようにノズル面に対し接離可能な吸引キャップと、該吸引キャップを通じて前記記録ヘッドのノズル孔からインクを吸引する吸引ポンプと、前記吸引キャップの接離動作に連動して前記吸引ポンプの作動を制御するポンプ制御手段とを備えるインクジェット記録装置を前提とする。
【0007】
そして、請求項1の発明は、前記インクジェット記録装置において、前記吸引ポンプは、前記吸引キャップに接続された吸引口と吸引されたインクを排出する排出口とを軸線方向に間隔を存して有する筒状のポンプケーシングと、該ポンプケーシングの内部に摺動可能に嵌合された第1及び第2のピストン部材とを備え、前記ポンプケーシングの一端部側から前記吸引口及び排出口がこの順に設けられ、前記ポンプケーシングの一端部側に第1のピストン部材が配設されるとともに第1及び第2のピストン部材の間に容積可変のポンプ室を形成するものであり、前記ポンプ制御手段は、前記吸引キャップが記録ヘッドのノズル面を覆った状態で、前記ポンプ室を吸引口に接続すると共に拡大するように前記両ピストン部材を相対移動させる第1の制御と、前記ポンプ室を排出口に接続すると共に圧縮するように前記両ピストン部材を相対移動させる第2の制御と、前記吸引キャップが記録ヘッドのノズル面を覆うまで、前記第1のピストン部材及び第2のピストン部材を、前記吸引口及び排出口を挟んで間隔を置いて位置させ、前記吸引口がポンプ室及び排出口を通じて大気に開放する状態とする第3の制御とを有し、前記第3の制御を行って前記吸引キャップが記録ヘッドのノズル面を覆った後に、前記第1及び第2のピストン部材の間のポンプ室の容積を維持したまま第1のピストン部材が前記吸引口を前記ポンプ室に対して閉鎖する位置に前記第1及び第2のピストン部材を移動させ、それから、前記両ピストン部材を、前記ポンプ室が前記排出口に接続した状態で最小容積となるように相対移動させることを特徴とする。
【0008】
よって、請求項1の発明によれば、吸引キャップが記録ヘッドのノズル面を覆った状態で、ポンプ制御手段によって、吸引ポンプのポンプ室を吸引口に接続すると共に拡大するように吸引ポンプの両ピストン部材が相対移動されて、吸引動作が行われる。また、ポンプ制御手段によって、前記ポンプ室を排出口に接続すると共に圧縮するように、前記両ピストン部材が相対移動されて、排出動作が行われる。さらに、前記吸引キャップが記録ヘッドのノズル面を覆うまで、ポンプ制御手段によって、前記第1及び第2のピストン部材を、前記吸引口及び排出口を挟んで間隔を置いて位置させ、前記吸引口がポンプ室及び排出口を通じて大気に開放する状態とするので、吸引キャップが記録ヘッドのノズル面を覆う際に、吸引キャップが弾性変形しても、その内部の空気が圧縮されることがなく、よって記録ヘッドのノズル孔に作用していわゆるメニスカスを壊し、気泡を記録ヘッド内に侵入させるおそれがない。そして、吸引キャップがノズル面を覆った後、前記第1及び第2のピストン部材の間のポンプ室の容積を維持したまま第1のピストン部材が前記吸引口を前記ポンプ室に対して閉鎖する位置に前記第1及び第2のピストン部材を移動させるので、ポンプ室が圧縮されないことで、空気がノズル孔に作用してメニスカスを壊すおそれはない。それから、前記両ピストン部材を、前記ポンプ室が前記排出口に接続した状態で最小容積となるように相対移動させることで、吸引可能な状態となる。小さな負圧で吸引が行われ、インクが泡立つことが抑制される。これにより、吸引キャップが記録ヘッドのノズル面を覆う際に、吸引キャップが弾性変形しても、その内部の空気が圧縮されることがなく、よって記録ヘッドのノズル孔に作用していわゆるメニスカスを壊し、気泡を記録ヘッド内に侵入させるおそれがない。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1のインクジェット記録装置において、前記ポンプ制御手段が、前記吸引キャップが記録ヘッドのノズル面を覆うまで、前記第1のピストン部材を前記吸引口よりもポンプケーシングの一端部側に位置させ、第2のピストン部材を前記排出口よりもポンプケーシングの他端部側に位置させるものである。
【0010】
よって、請求項2の発明によれば、前記吸引キャップが記録ヘッドのノズル面を覆うまで、前記第1のピストン部材を前記吸引口よりもポンプケーシングの一端部側に位置させ、第2のピストン部材を前記排出口よりもポンプケーシングの他端部側に位置させるようにしているので、吸引口及び排出口が共にポンプ室に開口せしめられ、吸引口が大気に開放される。その結果、吸引キャップが記録ヘッドのノズル面を覆う際に、吸引キャップの内部の空気が吸引口を通じて大気に開放される。
【0011】
請求項3の発明は、請求項2のインクジェット記録装置において、前記ポンプ制御手段が、前記両ピストン部材を、前記ポンプ室が最小容積の状態のまま前記吸引口側に移動させ、その後、前記第1の制御を行うものである。
【0012】
よって、請求項3の発明によれば、両ピストン部材を、前記ポンプ室が最小容積の状態のまま前記吸引口側に移動させ、その後、前記第1の制御を行い、吸引動作を行うことができる。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかのインクジェット記録装置において、前記ポンプ制御手段は、前記第3の制御、第2の制御、第1の制御及び第2の制御からなる一連の動作を、この順に行い、その一連の動作を行った後、前記第3の制御を行う状態で停止するものである。
よって、請求項4の発明によれば、排出動作後、両ピストン部材が、初期状態(待機状態)である前記第3の制御を行う状態に戻されて停止する。
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に沿って説明する。
【0014】
図1はインクジェット記録装置の全体構成を示す概略斜視図である。同図において、インクジェット記録装置1は、左右方向に延びる回転軸(図示せず)によってプリンタフレーム2に回転可能に支承される円筒形状のプラテンローラ3を有する。プラテンローラ3は、給紙カセット又は手差し給紙部から供給された印刷用紙4(記録媒体)を、記録ヘッド5に対面させながら搬送するものであり、いわゆる紙送り機構LMの一部を構成している。尚、前記記録ヘッド5は、印刷用紙4にインク液滴を吐出するノズル孔を有し印刷用紙4に対し記録動作を行うインクジェット式で、紙送り機構LMは、該紙送り機構LMを駆動し印刷用紙4を搬送する紙送りモータとしてのLFモータ14(図5参照)を備えている。
【0015】
前記印刷用紙4は、プリンタフレーム2の後方の用紙供給口(図示せず)から矢印A方向に供給され、プラテンローラ3の回転により矢印B方向に送給され、用紙排出口(図示せず)から矢印C方向に排出されるように構成されている。前記プラテンローラ3の前方には、キャリッジ6がプラテンローラ3の軸線に沿って矢印D方向に移動可能に設けられている。
【0016】
前記キャリッジ6は、記録ヘッド5及び該記録ヘッド5に供給されるインクを収容したインクカートリッジ7をそれぞれ着脱可能に搭載している。記録ヘッド5とインクカートリッジ7との接続部分は、図2に詳細を示すように、キャリッジ6のカートリッジ装着部6aに、マニホールド部材17を介して記録ヘッド5が支持され、前記マニホールド部材17は、その後端部がカートリッジ装着部6aの縦壁部6bを貫通してジョイント部材19を介してインクカートリッジ7のインク供給孔7aに接続されている。そして、インクカートリッジ7は、インク供給孔7aにアダプタ20と共に網状のフィルタ部材21が設けられている。記録ヘッド5の上下は、それぞれ上カバー22及び下カバー23にて覆われている。記録ヘッド5は、図2において左の端面をノズル孔が開口するノズル面としている。尚、本例では、イエロー、ブラック、シアン、マゼンタの4色についてのヘッド部を有する記録ヘッド5及びそれらのインクを貯留するインクカートリッジ7が、キャリッジ6に搭載されている。
【0017】
前記プラテンローラ3の軸線と平行にキャリッジ軸8が設けられ、このキャリッジ軸8にはキャリッジ6がスライド可能に嵌挿されている。また、キャリッジ6の係合部6cが、キャリッジ軸8と平行に延びるガイドレール9によって案内されるようになっている。これによって、キャリッジ6に搭載された記録ヘッド5は、プラテンローラ3の軸線に沿ってスライド移動により往復移動可能となっている。前記キャリッジ6はタイミングベルト11の一部に固着され、該タイミングベルト11がタイミングプーリ12,13間に巻き掛けられてキャリッジ機構CMが構成され、前記一方のタイミングプーリ12にCRモータ10(キャリッジ駆動モータ)が連結されている。よって、CRモータ10が回転駆動されることで、キャリッジ機構CMを介して、キャリッジ6が、印刷用紙4に記録を行う記録エリアにおいて往復移動するようになっている。また、キャリッジ機構CMとCRモータ10とによって、前記記録エリアと、後述する吸引キャップ41、吸引ポンプ42及びワイパ部材32による回復動作を行う回復エリアとの間においてキャリッジ6を移動させる移動手段が構成されている。尚、前記CRモータ10としては、ステップモータ又はDCモータが使用される。
【0018】
また、前記プラテンローラ3に対応する記録エリアの左側には、廃インク受け部材24が配設されたフラッシングエリアが、前記プラテンローラ3に対応する記録エリアの右側には、記録ヘッド5の不吐出あるいは吐出不良を回復するためのパージ機構RMが配設された回復エリアがそれぞれ形成されている。このような廃インク受け部材24を設けているのは、記録ヘッド5のノズル孔の目詰まりを解消したり、記録ヘッド5のノズル孔内のインクに混入した気泡を除去したりするために、記録ヘッド5による記録動作の直前にインクを予備吐出するためであり、また、パージ機構RMを設けているのは、インクジェット式の記録ヘッド5は、使用中に内部に気泡が発生したり、インクが乾燥したりする等の原因により吐出不良を起こすので、これを良好な吐出状態に回復させるためである。
【0019】
前記パージ機構RMは、記録ヘッド5の移動経路内に突出した突出位置と記録ヘッド5の移動経路より後退した待機位置との間を移動可能で、突出位置において記録ヘッド5のノズル面に密着する吸引キャップ41と、前記突出位置において、記録ヘッド5のノズル面が吸引キャップ41に覆われているときに、負圧を発生させ、前記吸引キャップ41を通じて、記録ヘッド5内のインクを吸引する吸引ポンプ42と有する吸引手段31を備えている。
【0020】
前記吸引手段31に隣接して、記録エリア側に記録ヘッド5のノズル面を払拭するように記録ヘッド5に対し相対移動可能なワイパ部材32が、その反対側に記録を行わない際に記録ヘッド5のノズル面を覆いインク蒸発を防止してノズル面が乾燥するのを回避する保存キャップ装置33がそれぞれ配設されている。
【0021】
そして、前記ワイパ部材32、吸引キャップ41及び吸引ポンプ42が、回転駆動されるカム部材43を有する駆動手段に関連づけられ、前記ワイパ部材32の進退、吸引キャップ41の進退及び吸引ポンプ42の作動は、共通のカム部材43の回転によって制御されるように構成されている。
【0022】
前記カム部材43は、図3に示すように、一体的に設けられた駆動ギヤ46を有し、該駆動ギヤ46が、後述の切り換え機構121によって、キャリッジ6が回復エリアにあるときに、紙送り機構LMのLFモータ14により回転駆動される駆動ギヤ(図示せず)に係脱可能に噛み合うように構成され、LFモータ14を駆動手段として、カム部材43が回転駆動されるようになっている。
【0023】
また、前記ワイパ部材32を支持するワイパホルダ34の後端部(カムフォロア部)がカム部材43の第1のカム溝43aに移動可能に係合し、それによって、カム部材43が回転することで、前記ワイパ部材32が、記録ヘッド5の移動経路内に突出する突出位置と、記録ヘッド5の移動経路よりも後退した待機位置との間を、記録ヘッド5の移動経路に対して直交する方向に往復移動可能で、前記突出位置において記録ヘッド5のノズル面を払拭するように制御される。
【0024】
また、前記吸引キャップ41は、キャップホルダ44の支持部44aに支持され、該キャップホルダ44の後端部であるカムフォロア部44bが、前記第1のカム溝43aと同一面側のカム部材43の第2のカム溝43bに移動可能に係合し、それによって、カム部材43が回転することで、前記吸引キャップ41が、記録ヘッド5の移動経路内に突出する突出位置と、記録ヘッド5の移動経路よりも後退した待機位置との間を、記録ヘッド5の移動経路に対して直交する方向に往復移動可能で、前記突出位置において記録ヘッド5のノズル面を覆うように制御される。なお、前記キャップホルダ44の支持部44aは、フレーム部材51に設けられたガイド部材45に移動可能に支持され、該ガイド部材45と支持部44aとの間に介装されたスプリング部材47によって、キャップホルダ44(吸引キャップ41)が突出する方向に常時付勢されている。
【0025】
前記吸引ポンプ42は、フレーム部材51に取り付け固定された円筒状のポンプケーシング52内に、第1及び第2のピストン部材53,54が独立して移動可能に嵌挿されている。そして、ポンプケーシング52には、吸引口52aと排出口52bとが軸線方向に一定間隔を存して設けられ、吸引口52aには吸引パイプ55を介して吸引キャップ41が接続され、排出口52bは、大気に開放されているとともに、吸着材57が収容された廃インクタンク58の上方に開口している(図1参照)。また、ポンプケーシング52の一端部側が大気に開放された大気開放部52cとなっており、該大気開放部52c側から吸引口52a,排出口52bの順に備え、さらに、前記一端部側に第1のピストン部材53が、他端部側に第2のピストン部材54が配設されている。
【0026】
第1及び第2のピストン部材53,54は、それぞれ第1及び第2の駆動軸部材61,62の一端部に連結され、該駆動軸部材61,62によって駆動され、ポンプケーシング52内において両ピストン部材53,54間にポンプ室52eを形成するようになっている。
【0027】
前記第1の駆動軸部材61は、第2の駆動軸部材62内に摺動可能に嵌挿され、各駆動軸部材61,62の他端の第1及び第2の係合部材63,64が、前記カム溝43a,43bとは反対面側のカム部材43の第3及び第4のカム溝43c,43dに移動可能に係合している。
【0028】
従って、前記カム部材43が一定のタイミングで回転駆動されることで、吸引キャップ41のキャッピング、吸引ポンプ42によるインクの吸引、及びワイパ部材32による記録ヘッド5のノズル面の払拭が順に行われ、吸引ポンプ42によって吸引されたインクは、吸引ポンプ42を介して廃インクタンク58に吐出され、そして廃インクタンク58内の吸着材57に吸着される。
【0029】
そして、上記カム部材43は、第1及び第2のピストン部材53,54を制御して、吸引開始前の待機状態から吸引キャップ41が記録ヘッド5のノズル面を覆うまでの間、吸引口52aがポンプ室52e及び排出口52bを通じて大気に開放される状態とする動作、及び記録ヘッド5のインクを吸引するために吸引力の異なる二以上の吸引動作を行うようになっている。ここで、吸引開始前の待機状態から吸引キャップ41が記録ヘッド5のノズル面を覆うまでの間、吸引口52aが大気に開放される状態とするのは、吸引キャップ41が記録ヘッド5のノズル面を覆う際に、吸引キャップ41が弾性変形しても、その内部の空気が圧縮されることがなく、よって記録ヘッド5のノズル孔に作用していわゆるメニスカスを壊し、気泡を記録ヘッド5内に侵入させるおそれがないようにするためである。また、吸引力の異なる二以上の吸引動作とは、吸引力が小さい第1の吸引動作と、該第1の吸引動作よりも吸引力が大きくかつ吸引時間が長い第2の吸引動作とであり、このような吸引動作を行うのは、記録ヘッド5内にインクが含まれておらずそれのインク通路が空気で満たされているような状態で、吸引ポンプ42により吸引動作を行う際に、吸引キャップ41を通じて大きな負圧力を作用させて記録ヘッド5のインクを一気に吸引するようにすると、インクカートリッジ7より記録ヘッド5の多数のチャンネル(インク通路)内にインクが空気と混ざった状態で急激に流入し、該インクが泡立ち、記録ヘッド5内のインクに気泡が含まれることとなるからである。
【0030】
前記保存キャップ装置33は、図1に示すように、保存キャップ71を有し、該保存キャップ71を支持するケーシング72が、キャリッジ6の移動方向と平行に延びるガイドロッド73にスライド移動及び回動が可能なるように支承されている。
【0031】
また、前記ケーシング72は、前方に突出する係合凸部72aを有し、該係合凸部72aが、キャリッジ6の回復エリア側への移動時に、該キャリッジ6に係合して、キャリッジ6と一体的にスライド移動するようになっている。よって、キャリッジ6が記録エリアから回復エリア側に移動すると、キャリッジ6がケーシング72の係合凸部72aに係合するので、保存キャップ71はキャリッジ6の移動に追従してスライド移動することになる(図1において右方向)。このスライド移動の際に、ケーシング72が、図示しない傾斜カム手段の作用によりガイドロッド73の回りに回動し、その結果、保存キャップ71は記録ヘッド5に接近する方向へ回転し、保存キャップ71は記録ヘッド5のノズル面に接触して、キャッピングを行うことになる。その後、再びキャリッジ6が記録エリア方向に移動する場合には、保存キャップ71が記録エリア側に移動しながら記録ヘッド5から離れ、キャリッジ5が回復エリアから脱すると、初期状態に戻る。
【0032】
次に、前記実施の形態に係るインクジェット記録装置1の制御部を図5のブロック図を参照しつつ説明する。この制御部は、周知の演算処理装置であるCPU100を中心に構成される。
【0033】
CPU100は、インターフェース101を介して、パソコン等のホストコンピュータ102の接続され、ホストコンピュータ102からの印刷指令を受け、その指令に従って種々の印刷を実行するようになっている。
【0034】
ホストコンピュータ102の機能構成として典型的なものにウインドウシステムがある。このウインドウシステム上に、各種のアプリケーション(A)(B)・・・(n)が設けられ、また、フォントドライバ、CRTドライバ、キーボードドライバ、マウスドライバ、プリンタドライバ等が組み込まれている。各種のアプリケーションの実行中に、インクジェット記録装置1を使用して印刷する場合には、このプリンタドライバによってインクジェット記録装置1の印刷機能に適合した画像に関する出力データが作成される。
【0035】
前記CPU100には、操作パネル103,ROM104,RAM105が接続されている。操作パネル103は、用紙サイズその他の種々のパラメータを設定し、それらを表示するものである。ROM104は、インクジェット記録装置1の制御上必要な種々のプログラム類を格納するものである。RAM105は、ホストコンピュータ102から転送された印刷データや、インクジェット記録装置1の制御上必要な種々の数値の一時記憶を行うものであり、また、バッファメモリ105aを有する。
【0036】
前記CPU100は、LF駆動回路111、CR駆動回路112、ヘッド駆動回路113を介してLFモータ14、CRモータ10、記録ヘッド5を駆動制御するようになっている。
【0037】
LFモータ14は、切り換え機構121を介して、パージ機構RM又は紙送り機構LMのいずれか一方を駆動するように構成されている。即ち、パージ機構RMは、紙送り手段としてのLFモータ14を利用して駆動されるように構成されており、その駆動力は切り換え機構121を介して伝達される構成になっている。
【0038】
そして、前記CPU100と、パージ動作時においてのみパージ機構RMにLFモータ14よりの駆動力が伝達されるように切り換える切り換え機構121と、所定のタイミングで回転駆動されるカム部材43とにより、吸引ポンプ42の作動を制御してパージ動作を行わせるポンプ制御手段が構成され、該ポンプ制御手段によって、吸引キャップ41が記録ヘッド5のノズル面を覆った状態で、前記ポンプ室52eを吸引口52aに接続すると共に拡大するように、前記両ピストン部材53,54を相対移動させる制御と、前記ポンプ室52eを排出口52bに接続すると共に圧縮するように、前記両ピストン部材53,54を相対移動させる制御と、前記吸引キャップ41が記録ヘッド5のノズル面を覆うまで、前記両ピストン部材53,54を、前記吸引口52aが前記ポンプ室52e及び排出口52bを通じて大気に開放される状態となるように位置させる制御とを行うようになっている。
【0039】
CRモータ10は、キャリッジ機構CMを駆動するもので、該キャリッジ機構CMのキャリッジ6の動きにより、前記切り換え機構121の切り換えがなされる。
【0040】
前記パージ機構RM、紙送り機構LM、キャリッジ機構CMは、それぞれのセンサを備えており、該センサによる検知信号は、カウンタ群122を介してCPU100に入力される。パージ機構RMは、パージHPセンサ131を有し、該パージHPセンサ131は、吸引ポンプ42が原点位置にあるときに、その旨をカウンタ群122のパージ位置カウンタ122aに報知する。この信号はパージ機構によるパージ動作の基準とされる。
【0041】
紙送り機構LMは,PEセンサ132を有し、該PEセンサ132は、新たに供給される印刷用紙4の先端により信号を発し、カウンタ群122のLF位置カウンタ122bに報知する。この信号が縦方向の記録位置制御の基準となる。
【0042】
キャリッジ機構CMは,CR位置センサ133を有し、該CR位置センサ133は、CRモータ10の駆動パルスをカウントしてキャリッジの位置を検知し、カウンタ群122のCR位置カウンタ122cに報知する。この位置情報は、横方向の維持位置制御の基準となるほか、印刷用紙4の新規供給動作及び印刷済み用紙の排出動作の可否の判断基準となる。
【0043】
以上のように構成されたインクジェット記録装置1の動作について説明する。
【0044】
まず、インクジェット記録装置1においては、通常、記録ヘッド5は、回復エリアにおいて、保存キャップ71で覆われた状態で待機位置にある。そして、記録データが入力されると、記録ヘッド5による記録動作が開始される。
【0045】
記録のための印刷用紙4は、プラテンローラ3と記録ヘッド5との間に供給され、CRモータ10の作動により記録ヘッド5が待機位置から記録開始位置に移動させられる。このとき、保存キャップ71は後退される。その結果、記録ヘッド5が、記録データに基づいてインクを噴射しつつ記録エリアにおいて往復移動せしめられることによって、印刷用紙4上に、記録データに基づいて印刷が行われる。
【0046】
そして、RAM105の記録データメモリに記録すべき記録データがなくなり、記録が終了すると、記録ヘッド5が記録終了位置から待機位置に移動させられ、前進した保存キャップ71にて覆われ、使用しない間の記録ヘッド5のノズル面の乾燥が防止される。
【0047】
また、使用者の判断によって、操作パネル103におけるパージスイッチが操作され、パージ指令が入力されると、パージ機構RMを作動させるパージモードに移行し、吸引作動プログラムが実行される。即ち、CRモータ10によるキャリッジ機構CMの駆動によって、記録ヘッド5が上記待機位置から吸引キャップ41と対向するパージ可能な位置に移動せしめられる。記録ヘッド5が待機位置にあるとき、既に切り換え機構121によって、LFモータ14がパージ機構RMに駆動力を伝達可能な状態に切り換わっているので、LFモータ14からの駆動力により、カム部材43が一回転し、所定のパージ位置にある記録ヘッド5に対し吸引キャップ41及びワイパ部材32を接離する動作、吸引ポンプ42により吸引・排出動作が行われる。
【0048】
ここで、吸引動作には、吸引キャップ41を記録ヘッド5のノズル面に密着させて吸引ポンプ42により記録ヘッド5からインクを吸引する動作と、吸引キャップ41の少なくとも一部を記録ヘッド5のノズル面から離して吸引ポンプ42により吸引キャップ41内からインクを吸引する、いわゆる空吸引動作とが含まれる。
【0049】
尚、かかるパージスイッチは、インク吐出不良が生じた場合、インクカートリッジが交換される場合、メンテナンスを行う場合等のインクを吸引する必要がある場合に操作されるものである。
【0050】
続いて、上記インクジエット記録装置1におけるパージ動作について、図6〜図12及び図13に基づいて説明する。
【0051】
インクジェット記録装置1についてパージ動作が行われる場合は、CPU100によってCR駆動回路112を介してCRモータ10が駆動され、上記の如く、記録ヘッド5が吸引キャップ41と対向するパージ可能な位置に移動せしめられ、カム部材43による制御によって、吸引キャップ41、吸引ポンプ42等の作動が制御され、それによって良好なインクの吐出状態を回復するための一連のパージ動作が行われる。
【0052】
まず、カム部材43の回転開始前の待機状態では、図6に示すように、吸引ポンプ42の第1のピストン部材53は、吸引口52aよりもポンプケーシングの一端部側に位置し、第2のピストン部材54は、排出口52bよりもポンプケーシングの他端部側に位置することで、それらの間のポンプ室52eを介して吸引口52aと排出口52bとを連通させている。尚、吸引キャップ41は記録ヘッド5のノズル面から離れた待機位置にある。
【0053】
それから、カム部材43が回転駆動されると、吸引キャップ41が待機位置から記録ヘッド5の移動経路側に徐々に前進せしめられ(図13のP1付近参照)、吸引キャップ41が記録ヘッド5のノズル面を覆うキャッピングを行うことになる。
【0054】
このキャッピングが完了するまでの間、第1及び第2のピストン部材53,54は移動しないで、前述した待機状態のままであり、吸引口52aは、ポンプ室52e及び排出口52bを通じて大気に開放されている。よって、吸引キャップ41によるキャッピングが行われる際には、ポンプケーシング52のポンプ室52e及び排出口52bを通じて、吸引口52a、吸引チューブ55、及び吸引キャップ41の内部が連通されている状態にあり、それらがポンプ室52e及び排出口52bを通じて大気に開放されることとなるので、吸引キャップ41が記録ヘッド5のノズル面を覆う際に、吸引キャップ41が弾性変形しても、その内部の空気が圧縮されることがなく、よって記録ヘッド5のノズル孔に作用していわゆるメニスカスを壊すおそれがない。
【0055】
そして、吸引キャップ41が完全に記録ヘッド5のノズル面を覆って密着した後に、第1及び第2のピストン部材53,54がその間隔を維持したままで、他端部側に移動を開始し(図7、図13のP2付近参照)、第1のピストン部材53が吸引口52aを閉鎖する。このとき、ポンプ室52aが圧縮されないことで、上記と同様に、空気がノズル孔に作用してメニスカスを壊すことはない。この後、第2のピストン部材54は、排出口52bの側縁位置まで前進するとともに、第1のピストン部材53は、吸引口52aがポンプ室52eを通じて排出口52bに連通するのを遮断する。図8に示すように、ポンプ室52eが最小容積となるまで継続される(図13のP3参照)。
【0056】
それから、第1及び第2のピストン部材53,54は、ポンプ室52eの容積を最小に維持したまま一体となって一端部側に移動し、図9に示すように、最小容積のポンプ室52eが吸引口52aに連通された状態とされる(図13のP4付近参照)。そして、図10に示すように、第1のピストン部材53は静止したままで第2ピストン部材54が第1のピストン部材53との間のポンプ室52eを拡大する方向に移動せしめられる(図13のP5付近参照)。このとき、ポンプ室52eは吸引口52aと接続しているから、第1の吸引動作が開始される。この第1の吸引動作によって、小さな負圧で吸引が行われ、記録ヘッド5内に空気が含まれている場合には、その空気とともにインクが吸引され、インクカートリッジ7内のインクがフィルタ21をゆっくり通過してマニホールド部材17に満たされる。このように、インクがフィルタ21を通過するとき、小さな負圧で吸引が行われることで、インクが泡立つことが抑制され、記録ヘッド5に気泡が侵入することが抑制される。
【0057】
それから、しばらくの間、第1及び第2のピストン部材53,54が、ポンプ室52eの容積を一定に維持して、第1の吸引動作が継続された後、図11に示すように、第1及び第2のピストン部材53,54がポンプ室52eの容積を保持したまま、吸引口52aを閉塞する方向に移動せしめられ(図13のP6付近参照)、第1の吸引動作が終了する。このとき、第2のピストン部材54は、排出口52bを閉塞している。
【0058】
その後、しばらくの間、前記状態を維持し、排出口52bを第2のピストン部材54で閉塞した状態で、第1のピストン部材53を吸引口52aを開放する方向に移動させ、ポンプ室52eを拡大して負圧を徐々に高め、最終的に図12に示すように吸引口52aを開放し(図13のP7付近参照)、その状態がしばらく維持される。よって、吸引キャップ41によるキャッピングが解除されるまで、第1の吸引動作よりも吸引力が大きくかつ吸引時間が長い第2の吸引動作が行われる。この第2の吸引動作により、記録ヘッド5内のインクが一気に吸引され、良好な吐出状態に回復される。
【0059】
そして、吸引キャップ41が徐々に後退し記録ヘッド5から離間せしめられる際には、ポンプ室52eは負圧状態にあるから、記録ヘッド5からはインクを吸引せず、吸引キャップ41内の残留インクを吸引する、いわゆる空吸引動作が開始されることになる。
【0060】
それから、第1のピストン部材53が吸引口52aを開放した状態のまま、図6に示すように、第2のピストン部材54が排出口52bを開放するまで移動せしめられ(図13のP8付近参照)、ポンプ室52eをさらに拡大しつつ空吸引動作が行われる。
【0061】
そして、図7に示すように、第1及び第2のピストン部材53,54がその間隔を維持したまま一体に移動し、排出口52bを開放するとともに吸引口52aを閉塞して(図13のP9参照)、空吸引動作を終了する。
【0062】
そして、図8に示すように、第2ピストン部材54が排出口52bの側縁位置まで前進して停止する一方、第1のピストン部材53は、前記移動を継続し、ポンプ室52eを圧縮し、積極的に排出動作を行う(図13のP10参照)。これによって、ポンプ室52e内のインクが廃インクタンク58に排出される。排出動作後、両ピストン部材53,54が、図6に示す初期状態(待機状態)と同様の状態に戻される。
【0063】
ところで、前記実施の形態は、インクカートリッジ7のインク供給孔7aにのみフィルタ部材21を設けている場合に適用したものであるが、インクカートリッジ7と記録ヘッド5との接続部分の記録ヘッド(マニホールド)側にもフィルタ部材21Aが設けられている場合もあり(図2参照)、かかる場合には、前記吸引ポンプ42が行う吸引動作を、吸引力が小さい第1及び第2の吸引動作と、該第1及び第2の吸引動作よりも吸引力が大きくかつ吸引時間が長い第3の吸引動作とすることで、前述した実施の形態と同様の作用効果が得られる。
【0064】
即ち、前記吸引ポンプ42による第1の吸引動作が、インクが最初のフィルタ部材21を通過するのに必要な吸引力で行われ、第2の吸引動作が、インクがさらに次のフィルタ部材21Aを通過し記録ヘッド5内のインク通路を満たすのに必要な吸引力により行われることで、それらの後に、第1及び第2の吸引動作よりも吸引力が大きくかつ吸引時間が長い第3の吸引動作を行ってもインクが泡立つことがないようにすることが可能となる。
【0065】
【発明の効果】
本発明は、以上に説明したような形態で実施され、以下に述べるような効果を奏する。
【0066】
請求項1の発明は、上記のように、ポンプ制御手段が、吸引キャップが記録ヘッドのノズル面を覆った状態で、前記ポンプ室を吸引口に接続すると共に拡大するように、前記両ピストン部材を相対移動させる第1の制御と、前記ポンプ室を排出口に接続すると共に圧縮するように、前記両ピストン部材を相対移動させる第2の制御と、前記吸引キャップが記録ヘッドのノズル面を覆うまで、第1及び第2のピストン部材を、前記吸引口及び排出口を挟んで間隔を置いて位置させ前記両ピストン部材を、前記吸引口がポンプ室及び排出口を通じて大気に開放される状態となるように位置させる第3の制御とを有し、前記第3の制御を行って前記吸引キャップが記録ヘッドのノズル面を覆った後に、前記第1及び第2のピストン部材の間のポンプ室の容積を維持したまま第1のピストン部材が前記吸引口を前記ポンプ室に対して閉鎖する位置に前記第1及び第2のピストン部材を移動させ、それから、前記両ピストン部材を、前記ポンプ室が前記排出口に接続した状態で最小容積となるように相対移動させるようにしているので、記録ヘッドよりのインクの吸引・排出動作が行うことができるのに加えて、前記吸引キャップが記録ヘッドのノズル面を覆うまで、ポンプ制御手段によって、前記第1及び第2のピストン部材を、前記吸引口及び排出口を挟んで間隔を置いて位置させ、前記吸引口がポンプ室及び排出口を通じて大気に開放する状態とすることで、吸引キャップが記録ヘッドのノズル面を覆う際に、吸引キャップが弾性変形しても、その内部の空気が圧縮されることがなく、よって記録ヘッドのノズル孔に作用していわゆるメニスカスを壊し、気泡を記録ヘッド内に侵入させるおそれがない。そして、吸引キャップがノズル面を覆った後、前記第1及び第2のピストン部材の間のポンプ室の容積を維持したまま第1のピストン部材が前記吸引口を前記ポンプ室に対して閉鎖する位置に前記第1及び第2のピストン部材を移動させるので、ポンプ室が圧縮されないことで、空気がノズル孔に作用してメニスカスを壊すおそれがない。し、それから、前記両ピストン部材を、前記ポンプ室が前記排出口に接続した状態で最小容積となるように相対移動させることで、吸引可能な状態となる。小さな負圧で吸引を行うので、インクが泡立つことを抑制できる。これにより前記吸引キャップが記録ヘッドのノズル面を覆うまで、両ピストン部材を、前記吸引口が前記ポンプ室及び排出口を通じて大気に開放される状態となるように位置させ、吸引キャップが記録ヘッドのノズル面を覆う際に、吸引キャップが弾性変形しても、その内部の空気が圧縮されることがなく、よってノズル孔に作用していわゆるメニスカスを壊し、気泡が記録ヘッドに侵入しないようにすることができる。
【0067】
請求項2の発明は、吸引キャップが記録ヘッドのノズル面を覆うまで、第1のピストン部材を前記吸引口よりもポンプケーシングの一端部側に、第2のピストン部材を前記排出口よりもポンプケーシングの他端部側にそれぞれ位置させるようにしているので、吸引キャップが記録ヘッドのノズル面を覆う際に、簡単な制御で、吸引キャップの内部の空気をポンプ室及び排出口を通じて大気に開放することができる。
【0068】
請求項3の発明は、両ピストン部材を、前記ポンプ室が最小容積の状態のまま前記吸引口側に移動させ、その後、前記第1の制御を行うので、吸引動作を行うことができる。小さな負圧で吸引を行ってインクが泡立つことを抑制し、記録ヘッドに気泡が侵入することを抑制できる。
請求項4の発明は、排出動作後、両ピストン部材を前記第3の制御を行う状態に戻すことで、初期状態(待機状態)に停止させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るインクジェット記録装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】 記録ヘッドとインクカートリッジとの接続部分の説明図である。
【図3】 本発明に係るワイパ部材、吸引キャップ、吸引ポンプ及びカム部材との関係を示す横断面図である。
【図4】 図3のIII-III線における断面図である。
【図5】 インクジェット記録装置の制御部のブロック図である。
【図6】 吸引ポンプの動作説明図である。
【図7】 吸引ポンプの動作説明図である。
【図8】 吸引ポンプの動作説明図である。
【図9】 吸引ポンプの動作説明図である。
【図10】 吸引ポンプの動作説明図である。
【図11】 吸引ポンプの動作説明図である。
【図12】 吸引ポンプの動作説明図である。
【図13】 カム部材の回転角と、吸引キャップ、ワイパ部材及び吸引ポンプ(第1及び第2のピストン部材)との動作説明図である。
【符号の説明】
1 インクジェット記録装置
5 記録ヘッド
14 LFモータ
31 吸引手段
32 ワイパ部材
41 吸引キャップ
42 吸引ポンプ
43 カム部材
52 ポンプケーシング
52a 吸引口
52b 排出口
52e ポンプ室
53 第1のピストン部材
54 第2のピストン部材
100 CPU
Claims (4)
- 記録媒体にインクを吐出して記録動作する記録ヘッドと、該記録ヘッドのノズル面を開閉可能に覆うようにノズル面に対し接離可能な吸引キャップと、該吸引キャップを通じて前記記録ヘッドのノズル孔からインクを吸引する吸引ポンプと、前記吸引キャップの接離動作に連動して前記吸引ポンプの作動を制御するポンプ制御手段とを備えるインクジェット記録装置において、
前記吸引ポンプは、前記吸引キャップに接続された吸引口と吸引されたインクを排出する排出口とを軸線方向に間隔を存して有する筒状のポンプケーシングと、該ポンプケーシングの内部に摺動可能に嵌合された第1及び第2のピストン部材とを備え、前記ポンプケーシングの一端部側から前記吸引口及び排出口がこの順に設けられ、前記ポンプケーシングの一端部側に第1のピストン部材が配設されるとともに第1及び第2のピストン部材の間に容積可変のポンプ室を形成するものであり、
前記ポンプ制御手段は、前記吸引キャップが記録ヘッドのノズル面を覆った状態で、前記ポンプ室を吸引口に接続すると共に拡大するように前記両ピストン部材を相対移動させる第1の制御と、前記ポンプ室を排出口に接続すると共に圧縮するように前記両ピストン部材を相対移動させる第2の制御と、前記吸引キャップが記録ヘッドのノズル面を覆うまで、前記第1のピストン部材及び第2のピストン部材を、前記吸引口及び排出口を挟んで間隔を置いて位置させ、前記吸引口がポンプ室及び排出口を通じて大気に開放する状態とする第3の制御とを有し、
前記第3の制御を行って前記吸引キャップが記録ヘッドのノズル面を覆った後に、前記第1及び第2のピストン部材の間のポンプ室の容積を維持したまま第1のピストン部材が前記吸引口を前記ポンプ室に対して閉鎖する位置に前記第1及び第2のピストン部材を移動させ、
それから、前記両ピストン部材を、前記ポンプ室が前記排出口に接続した状態で最小容積となるように相対移動させることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記ポンプ制御手段は、前記吸引キャップが記録ヘッドのノズル面を覆うまで、前記第1のピストン部材を前記吸引口よりもポンプケーシングの一端部側に位置させ、第2のピストン部材を前記排出口よりもポンプケーシングの他端部側に位置させるものであるところの請求項1記載のインクジェット記録装置。
- 前記ポンプ制御手段は、前記両ピストン部材を、前記ポンプ室が最小容積の状態のまま前記吸引口側に移動させ、その後、前記第1の制御を行うものであるところの請求項1または2記載のインクジェット記録装置。
- 前記ポンプ制御手段は、前記第3の制御、第2の制御、第1の制御及び第2の制御からなる一連の動作を、この順に行い、その一連の動作を行った後、前記第3の制御を行う状態で停止するものであるところの請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
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