JP3914953B1 - 高炭素鋼線材のパテンティング方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高品質ピアノ線の製造に際して線材に適用される鉛パテンティングにおいて1)強度・加工性・組織が恒温変態の水準に達していない、2)鉛の消耗による重金属汚染の危険性がある、の2問題を解決する。
【解決手段】 走行する赤熱線材に対して冷媒として1)気水ミストスプレイ、2)焼入油、3)砂の流動床等の一つを適用して冷却する。加熱温度から所望変態温度に鉛浴以上の速度で急冷する第1段、変態開始から途中まで変態発熱を抑制する第2段、途中から変態終了まで残り発熱と放冷を均衡させる第3段、偏析部も同等組織にならしめる終了後から保持する第4段の冷却帯からなり鉛浴焼入よりも恒温変態に接近させる。冷却能と冷却帯長さを調整する手段として従来の冷媒温度制御方式より極めて簡便で新規な間欠冷却方式を組み込む。
【選択図】 図3

Description

本発明は、高強度鋼線の材料とされる高炭素鋼線材のパテンティング(通常約1000℃から約550℃鉛浴に焼入される操作)方法に関するものである。
高炭素鋼線材は伸線前にパテンティングと称される一種の恒温変態処理が適用される。細径・低級品なら加熱・空冷処理(通称空気パテンティング)が適用され、品質・性能仕様が普通の場合は熱延制御冷却で代用される。ピアノ線等精密鋼線には鉛浴焼入がなされる。該処理により金属組織は微細ラメラの均質パーライトに改質され、材料は強化され且つ靱性・冷間加工性が向上する。該材料は伸線による加工硬化により著しく強化され高強度鋼線となる。当工程の品質・性能水準は変態温度とその恒温性(変態温度幅が小さいこと)に依存することは周知で、冷却方法としては現在鉛浴焼入が最良とされている。
線材(通常5〜15mm径)の鉛浴焼入における第1の問題は、周知のごとく変態発熱に起因して変態温度に極小極大が発生し、恒温変態からの乖離により該変態本来の性能に到達しないことである。該変態では以下の特徴が明白である。変態温度と得られる材料強度の関係の一例(非特許文献1中の Fig.8)を図8に示す。図より1)パーライト域では処理温度が低いほど強度は向上する。2)最高強度は550℃近辺で得られ、ベイナイトを混入する。3)該温度は変態挙動を説明するTTT線図においてノーズ温度(=変態時間が最小になる温度)にほぼ相当する。図では不明だが最高の加工性は約600℃近辺で得られる。線材の鉛浴焼入ではこれらの関係が不鮮明ないし低下する。
炭素鋼では変態時間が短く焼入性が小さいので、線径が大きいと恒温変態は一層得にくい。なぜなら1)冷却速度が低下し所定温度に冷却するまでに変態が開始すること、2)発熱能率(kcal/kg/h)が大きいので冷却を凌駕して昇温し、恒温から大きく乖離するからである。逆に例えば2mm径以下の細線を鉛浴焼入する場合には恒温変態が得られる。上記文献の研究もこのような条件でなされている。
具体的に両者の差を以下に示す。0.8%Cのピアノ線材の恒温変態最高強度は1350MPa以上であるのに対して通常5mm径線材の鉛浴焼入では約1300MPa、10mm径を越える場合では1200〜1250MPaに低下する。強度不足に止まらず変態温度の異なる組織の混在による加工性の低下も誘引する。以上から5mm径以上では鉛浴焼入でも冷却不足が顕在化し、本来の性能が得られていないことは明白であるが適切な対策が見当たらなかったので問題視されなかった。
鉛浴焼入における第2の問題は重金属汚染の危険性である。
1) 焼入槽に鉛−酸化鉛−酸化鉄等の凝結した塊状異物が発生し廃棄処理されている。
2) 鉛浴焼入線材の表面に鉛が付着残存し、一部分が工場内で飛散する。
3) 付着鉛は次工程の酸洗・水洗において残滓となり最終は廃棄される。
有害重金属の使用はコスト問題だけでなく、環境規制からも廃止が期待される。無鉛パテンティングは色々模索されているが未解決である。以下本発明の関連先行例を説明する。
A: 流動床による冷却(例えば特許文献1)
本方法は床面より噴出する気流上に粒径1mm前後の砂を浮遊させ伝熱媒体とする。熱伝達率は単なる気流だけなら約50(kcal/m2h℃)であるが約1000に増幅され且つ安定している。2mm径以下の細径鋼線のパテンティングに適用されている。
問題は熱伝達率の大きさが鉛浴の2000〜2500に対して半減以下となって4mm径以上の線材では冷却不足となり強度は鉛浴焼入に劣る。鉛浴と同等の冷却強さとするため流動床温度を低めに設定すると変態前半は同等とできるが後半では冷却過剰になる。その場合ベイナイトの増加やマルテンサイトの混入という欠陥が発生する。
B: 多室流動床による冷却(特許文献2)
本方法は流動床室を数個連結し、各室の温度を適切に設定して上記問題を解決し、細径の鋼線のパテンティングを行う。第1室を最低温度(250℃以上)に設定して必要冷却速度を確保すると開示されている。問題は各室の温度制御が複雑・煩雑であり、線径、鋼種の変更には極めて追随しにくい。しかも太径線材への適用可能性が一切言及されていない。
C: 溶融塩焼入(例えば非特許文献2)
熱伝達率は1500〜2000で鉛浴に準ずる。即ち鉛浴同等の冷却能を得るため塩浴温度を鉛浴の場合より多少低温に設定した前段槽と所望変態温度に保持する後段槽を設置して鉛浴焼入と同様の効果を得ている。問題は鉛浴焼入同様の品質が得られるが、同様に恒温変態から乖離しているので本来的強度不足という問題は解決されない。重金属汚染は解消されても新たに溶融塩のヒュームによる周辺汚染、ドロス(塩と酸化鉄の化合・混合物)の発生とその廃棄、溶融塩の劣化による廃棄等環境上の問題が残る。
D: 制御冷却の二重処理(特許文献3)
熱間圧延に直結した制御冷却は疑似パテンティングとして広く実施されている。劣っている強度の向上のため合金添加や冷却強化を行うと変態後半の過剰冷却が問題となる。その上実材料では偏析欠陥は避けられない。当該部分の焼入性は異常に大きいので有害な組織を誘発する。当問題の解決策として本文献には制御冷却直後に保温・昇温処理を組込む方法が開示されている。従来の鉛浴焼入にはその意義が認識されないまま組込まれていた。即ちパテンティングには本来の変態時間(炭素鋼で数秒)を大きく超える保持時間が必要である。問題は後段の問題は解決されたが変態の大半が沸騰水冷却による連続冷却であるから鉛浴焼入の強度・靱性水準には達しない。
E: ミスト・スプレイによる3段冷却(特許文献4)
ミスト・スプレイの強度を変態前、変態中、変態後に対して適切に設定して3段に冷却し鉛浴焼入と同様の処理を行うことが開示されている。本方法では変態中の冷却条件は鉛浴焼入と同様に一定であるから恒温変態からかなり乖離している。冷却を強めに設定すると変態後半が過冷となり、弱めに設定すると前半の昇温が過剰になる。
鉄と鋼 Vol. 79 (1993) No.9 P.1101 特開2001−073113 鉄と鋼 Vol. 69 (1983) S570 特開平3−146623 特許1476468 特開昭52−59015
以上述べたように高炭素鋼線材の鉛浴焼入によるパテンティングでは、品質面において線径が4mm以上で大きいほど相対的に冷却不足になって恒温処理から乖離し本来の強度・靱性・加工性が得られないと言う問題がある。
他方操業面では使用される鉛が処理槽内、処理工場、後続工程の酸洗・水洗等各所で消耗され、多くは回収・廃棄物とされているが重金属汚染の危険性という環境上の問題がある。
従来の方法では後者は解決できても前者は未解決である。本発明は鉛浴焼入によるパテンティングにおける上記2問題を同時に解決することを目的とする。
上記問題を解決するため以下の策が講じられる。
1) 冷媒として溶融鉛を使用せず、スプレイ水、流動砂、焼入油等を適用する。
2) 変態前の冷却熱流束を鉛浴焼入以上とし恒温処理に近づける。
3) 変態中は発熱変化に均衡するよう多段の冷却を与え鉛浴焼入よりも恒温にする。
4) 変態後は充分な恒温保持を後続させ偏析部の無害化を図る。
5) 以上を容易に実施できる装置を考案・提供する。
多種多様な品種、線径を考慮すると変態中の多段冷却は煩雑・困難で実用上問題を含むが、変態温度の精密シミュレーションと実験から意外にも前段冷却と放冷のみの2段、実質的に1段の冷却により充分恒温変態に接近可能であると発見し、以下の発明を構成した。
第1の発明は、高炭素鋼又は高炭素低合金鋼の線材を軸方向に走行させつつ連続してパテンティングを施す方法において、高温のオーステナイト状態から所望の変態温度まで鉛浴焼入より大きい速度で急冷する第1段階と、該第1段階に続いて変態の開始から過半に対して冷却を作用させ、変態発熱による昇温を抑制ないし低減する第2段階と、該第2段階に続いて変態終了まで放冷により過冷を防止する第3段階と該第3段階に続いてノーズ変態時間の2〜5倍の時間までを該変態終了温度から放冷又は徐冷又は該温度に保持する第4段階の4段の冷却から成り、第1段階と第2段階は同一の常温冷媒を使用し、線径と該変態温度における変態時間の2要因に対応して両段階の熱流束量をそれぞれ調節することにより恒温変態に接近させることを特徴とする鋼線材のパテンティング方法である。
第2の発明は、線径が5〜15mmであり、第1段冷却の700〜600℃における平均熱流束q1を下記(1)式に従い、第2段冷却の熱流束q2を下記(2)式に従ってそれぞれ設定し、且つ第2段冷却時間を所望の変態温度における変態時間の60〜90%とすることを特徴とする第1発明に記載のパテンティング方法である。
q1 >25×10 −−−−−(1)
q2 =(15±3)×10×D/Tt −−−−−(2)
q1 : 第1段冷却の熱流束(=熱伝達率×材料・冷媒間温度差、kcal/m2h)
q2 : 第2段冷却の熱流束(kcal/m2h)
D: 線径(mm)
Tt: 所望恒温変態温度における変態時間(s)
第3の発明は、第1段第2段の冷却において、線材軸に対して包囲配置され向心状に噴射するスプレイ・ノズルから成るスプレイ管を該軸方向に多段且つ直列に設置して気水ミストスプレイを線材に作用させ、該管毎に線径・線速・変態時間に対応して水量密度を調節することにより各段の長さと熱流束量をそれぞれ調節することを特徴とする第1発明又は第2発明に記載のパテンティング方法である。
第4の発明は、第1段第2段の冷却において、線材と焼入油を貫通させて冷却する短身冷却管を多数直列に配置し、線径・線速・変態時間に対応して該冷却管のそれぞれの間隔を調節して間欠冷却することにより各段の長さと平均的熱流束量をそれぞれ調節することを特徴とする第1発明又は第2発明に記載のパテンティング方法である。
第5の発明は、第1段第2段の冷却において、冷却手段として流動床を使用し、1)該流動床の温度を水冷壁により常温近辺に維持して熱流束を最大に維持すると共に、2)線材走行方向に多数の隔壁を設けて各区間を個別に送風を停止して流動床を沈静することにより放冷可能とし、3)線径・線速・変態時間に対応して停止区間を適宜配置して間欠冷却することにより各段の長さと平均的熱流束量をそれぞれ調節することを特徴とする第1発明又は第2発明に記載のパテンティング方法である。
第6の発明は、第1段第2段の冷却において、冷却手段として流動床を使用し、1)該流動床の温度を水冷壁により常温近辺に維持し、2)走行する線材に筒状に包囲可能な直列する多数の短身遮蔽管を個別に着脱して放冷と強制冷却を切替え可能とし、3)線径・線速・変態時間に対応して着脱区間を適宜設定して間欠冷却することにより各段の長さと平均的熱流束量をそれぞれ調節することを特徴とする第1発明又は第2発明に記載のパテンティング方法である。
上記の発明による第1の効果として、パテンティングに対して従来永く使用されてきた鉛を一切使用しないので環境改善に役立つ。
第2の効果として、パテンティング処理された線材の強度、靱性・加工性が従来水準より向上して、最終製品の高強度化、高靱性化に役立つ。
第3に鉛浴保持が無くなり省エネになる。
以下実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明のパテンティング・ラインの全体構成の一例を示す。該ラインに高炭素鋼又は高炭素低合金鋼の線材コイル1が供給される。該コイル1から線材2の尖端がピンチロール3により引き込まれ、繰り返し曲げを受け線材表面の酸化膜が除去されつつ伸直される。次ぎに直接通電加熱装置4により該線材2は約1000℃に加熱される。金属組織はオーステナイトになる。次ぎに第1段冷却装置5によりA点以下から所望変態温度例えば約600℃まで鉛浴焼入より大きい速度で冷却される。該温度近辺で直ちにパーライト変態が開始する。次ぎに第2段冷却装置6により変態発熱による昇温が抑制される。変態量率が50%を越えると発熱は低下し線温は上昇傾向から下降傾向に転ずる。該温度が所望変態温度幅を下回るまでに例えば変態時間率で約70%の段階で第2段冷却が終わり第3段冷却装置7により変態終了まで放冷処理される。次ぎに第4段冷却装置8により適切な時間だけ該終了温度から放冷又は徐冷又は該終了温度に保持され有害組織の発生が防止されつつ完全に変態が終わる。処理された線材2は巻取機9によりコイルに成形される。
第1段冷却について説明する。変態に関連する温度域はA 温度から変態温度の下限までである。当段では目的に照らして冷却速度はすべての線径に対して少なくとも鉛浴焼入以上が必要である。鉛浴焼入では冷却速度は線径に反比例して低下する。従って当段の冷却を線径に比例して強化すれば各線径とも同一冷却速度が得られ恒温変態の誘導には一層望ましい。
必要な冷却の強さ即ち熱流束を算出する。700〜600℃における鉛浴の概算熱流束は以下となる。
鉛浴熱流束=熱伝達率(kcal/m2h℃)×材料冷媒間温度差(℃)
≒2500×(650−550)=25×10 (kcal/m2h)
本発明の必要条件として第1段熱流束q1(kcal/m2h)は下記(1)式により規定される。
q1 >25×10 −−−−−(1)
望ましい条件としての第1段熱流束q1'は最小径5mmにおいて上記数値になり、且つ線径D(mm)に比例させるので下記式(1')が誘導される。上限は特に規定しないが下限値を大幅に超える必要は無い。
q1'>25×10 ×D/5=5×10 ×D−−−(1')
必要冷却時間は線径と適用された熱流束値から容易に算出される。更に実測で修正する。
低合金鋼の場合、焼入性が大きくなって変態開始時間は遅くなるので上記冷却条件では一見過剰冷却になりそうだが所望温度近辺で冷却を中断して変態開始時間まで放冷する。一層恒温処理に接近する。尚鉛浴熱伝達率の値は、実験室では約4000は可能とされるが、工場では酸化膜、錆、鉛浴の汚染、撹拌限度等の問題があって高々約2500である。
第2段冷却について説明する。変態開始とともに発熱が生ずる。発熱能率(kcal/kg/h)は変態進行と共に大きく変化する。図2は変態温度挙動を示す模式図である。該温度は一定の冷却と刻々変化する発熱の差異に依存する。図に示すように発熱線Qに基づく発熱累積線Qtが昇温線Sに相当し冷却線Rとの差により変態温度線Hが決まる。冷却線Rの適切な勾配により変態温度幅は減少する。即ち恒温変態に近づく。冷却線Rの勾配を変態進行につれ細かく変更すれば恒温変態にすることができるが煩雑で実用性が無い。
本発明では1回の変更のみで恒温変態に近似させることができる。一定の適切な冷却強さにより変態のある時期までは比較的”恒温”に維持することができる。変態開始から該”ある時期”までの冷却を第2段とする。該段の適切な継続時間は該段の冷却強さと後続の段のそれにも依存するが所望変態温度における変態時間の60〜90%の範囲にある。
第2段冷却の強さとして、少なくとも鉛浴より大きくするため下記値q2'が必要である。
5mm径線材では変態温度と冷媒温度の差は約50℃である。従って
q2'>2500×(600−550)=12.5×10 (kcal/m2h)
更に、発熱は線径の自乗に比例するのに対して冷却面積は線径に比例、従って冷却熱流束は線径に比例させなければ基本的に均衡しにくい。次ぎに発熱能率は変態潜熱一定の原理から変態時間に反比例する。従って冷却熱流束は変態時間に反比例させなければならない。以上から必要条件として(2)式が提起される。式中の比例係数は、潜熱、変態能率線Q等の数値から算出される。これらを組み込んだ数学モデルによるシミュレーションにおいてより恒温化する条件から決定し、諸要因の変動を考慮して幅を持たせた。
q2 =(15±3)×10×D/Tt −−−−−(2)
q2: 第2段冷却の熱流束(kcal/m2h)
D: 線径(mm)
Tt: 変態時間(s)
因みにq2の値は当然ながら上記鉛浴焼入冷却能より大きくなっている。
第3段冷却について説明する。前段において変態は未終了であるから発熱余力がある。従ってある程度の冷却強さが必要である。シミュレーションからどの線材径においても第3段開始タイミングを適切に設定すると放冷程度でも充分であることが確認できた。因みに放冷における熱流束q3(放射項を含む。)は以下である。
q3≒50(kcal/m2h℃)×600(℃)=30,000(kcal/m2 h)
放冷により設備、作業とも簡素化される。
第4段の冷却強さは放冷以下の徐冷又は維持であるから特別の条件は要しない。偏析欠陥が軽く又線径が大きい炭素鋼の場合には放冷でも実害は少ない。継続時間は偏析部を変態させるのに必要な時間である。該必要時間は偏析の程度に依存する。ノーズ変態時間の5倍の時間であれば通常の偏析は時間遅れでほぼ同質のパーライトに変態し無害化する。
図3には以上に説明した本発明の温度経過を10mm径線材を対象に鉛浴焼入(実測データを基に計算で修正)及び理想的冷却線図(恒温変態)と比較して示す。変態中の冷却を2段に分けることにより変態温度幅が減少することは明白である。また鉛浴焼入は意外に恒温でないこと及び本発明による冷却線は鉛浴焼入と恒温変態の両冷却線の中間に位置することが解る。
以上実質的に恒温変態を得るための必要充分条件を明らかにしたが問題は実施の容易性である。以下、上記冷却方法を実施する装置について説明する。第3発明では図4に概略を示すように冷媒として気水ミストスプレイを使用する。熱伝達率が100〜1200(kcal/m2h℃)の範囲で条件(1)、(2)式を満たすことができる。(1')式を満たすこともできる。ミストスプレイの場合、熱伝達率は水量密度(kg/m2/h)に比例的で、低水量側では伝熱性は安定であるが高水量側では不安定になるので上記数値以下に抑えるのが望ましい。線材2の周囲に配置され向心状に噴射するスプレイ・ノズル11を装備したスプレイ管12を走行方向に多数直列させる。各管の流量制御により第1段冷却装置13,第2段装置14の長さと冷却強さを調節することができる。温度計10を介して変態温度が制御される。第4段冷却装置は着脱自在又は前後進可能の保温管16で構成され第3段装置(実態が無い放冷帯15)と合わせ位置と時間が調節される。
なお上記熱伝達率の上限値1200に関して、特開平5−117765には水冷により熱伝達率を1000〜20000として冷却する方法が提案されているが、望ましくは2000以上、更に5000以上と記載されていて、本願との重なりは先行例の実施を妨げるものではない。更に水冷方式では熱伝達率を約1000程度に抑制することはほとんど不可能である。
特開平5−117765
第4発明の場合、冷媒として焼入油を使用し浸漬冷却する。熱伝達率は通常500〜1500(kcal/m2h℃)であり、温度差(例えば線材温度650℃−油温70℃)を介して条件(1)、(1')式を満たすことができる。条件(2)式を満たすには上記熱伝達率は過剰になるので以下の策が講じられる。図5は第1段第2段冷却装置の1例の模式図である。該装置は直列する多数の短身冷却管21から成り、焼入油22がタンク23、配管24、ポンプ25を介して循環し該冷却管21を線材2と共に貫通しつつ冷却する。
該冷却管は先頭を除いて短身構造で各管とも摺動伸縮管26を持ち長さを調節することができる。冷却強さは主に油種に依存する。油種が決まると冷却強さを調節することはできない。調節には次の方法が附加される。線径・線速・変態時間に対応して該伸縮管26を調節し、また個別に送油を停止して間欠冷却することにより平均的に熱流束量を調節する。稼働台数により処理時間を調節する。流れ方向は逆行が油を引きずらないので好ましい。
第5発明の場合、砂を熱媒体とした流動床を使用する。流動床では熱伝達率はほぼ一定であり通常約1000kcal/m2h℃である。冷媒温度を常温に設定すると最大の冷却能が得られるが(1’)式を満たすには多少不足である。粒体の成分・粒度・形状などを調整すれば熱伝達率を1200程度まで上げることができる。設定温度により熱流束量を調節することができるが1,2段を所望長さ、所望温度に調節・制御する装置の付設や作業は煩雑であるから、より簡素な方法を提供する。
図6は模式図であり、第1段第2段の処理可能の長さを有する溝型流動床31を水冷側壁37とし、流動床を形成させる送風室35からの噴出気流34の冷却効果と合わせて流動床の温度を常温近辺(100℃以下)に維持する。次ぎに走行方向に対して隔壁32を多数設けて単位区間33を形成する。送風を停止すると砂は沈静し走行する線材は放冷となる。各区間の送風を弁36の開閉により適宜間欠停止して平均的熱流束量と各段の長さを調節する。なお水冷側壁の冷却効果は、伝熱面積比が線材の25倍(100cm/4cm)以上となるので流動砂を容易に常温(100℃以下)に維持することができる。
第6発明の場合、図7の模式図に示すように溝型流動床31の冷却において伝熱調整をより簡素にするため、パスラインに沿って流動床冷却を部分的に停止し、放冷に切替えるための遮蔽管38を多数直列して配置し適宜ラインに着脱して間欠冷却し、平均的熱流束量と各段の長さを調節する。遮蔽管温度は流動床温度に近く、線材は実質的に放冷となる。
以下、処理条件を特定した根拠、理由について捕捉説明する。
第1発明において第1段第2段の冷媒を同一とした理由は設備、作業の簡素化にある。常温冷媒(100℃以下と定義)とした理由は熱伝達率が鉛浴より小さくても熱流束量を大きくするためであり、他の理由は温度制御が設備上、作業上極めて簡素、容易になるからである。
第2発明で線材径を5〜15mmと特定した理由は、通常の製品を対象とし、且つ鉛浴焼入において品質上恒温変態に劣ることが顕在化する最小径が約5mmであるからである。
冷却強さを冷却速度で定義せず熱流束量で定義した第1の理由は、鉛浴焼入より冷却強さが大きいことを明示するためであり、第2の理由は先行技術Eに示されているように変態中の冷却強さを冷却速度で規定することは間違いであるからである。冷却速度G(℃/h)は熱流束qより(3)式を介して容易に求められる。
G=4q/cρD=4α(T−Tc)/cρD' −−−(3)
q : 熱流束(kcal/m2h) c: 比熱(kcal/kg℃)
D': 線径(m) ρ: 密度(kg/m3
α : 熱伝達率(kcal/m2h℃) T: 線材温度(℃)
Tc: 冷媒温度(℃)
第2段冷却の継続時間を変態時間の60〜90%とした理由は、第3段冷却を放冷として簡素化するためである。60%未満では第3段の発熱が放冷を大きく越えて不都合、90%を越えると第2段の冷却過剰になって変態温度が所望範囲を下る。炭素鋼では変態時間は約4秒(線径が大きいと見かけ上増加する。)で最適継続時間は変態時間の約80%にある。
変態時間は焼入性と変態温度に依存する。該時間はTTT図から読みとれる。図を参考に事前に熱処理試験から修正するのが望ましい。変態発熱線Qは図2において模式的に示したが定量データは実験で修正する。文献から見い出すこともできる。
第4発明において『短身』冷却管と特定したが、具体的には第2段最小冷却時間を3秒、ターンダウン比(線径比)を3、分割比を5とすると0.2秒相当長さが目安となる。小さいほど細かく制御できる。第5、第6発明における区間の長さも同様になる。
第3、第4、第5、第6発明に提起した具体事例は単線の場合を説明したがそれぞれ並列に配置拡張すれば複数本数の線材を処理することができる。
10mm径のピアノ線材から500mm長の試験片を準備、第4発明相当の焼入試験を行う。該試験片を950℃に加熱し、第1段冷却として70℃に保持した焼入油(推定熱伝達率≒900)に3〜12秒浸漬冷却し以後放冷した。8秒以上ではマルテンサイトが混入し、適正時間は3〜7秒にあると解った。次ぎに第2段冷却として浸漬と放冷を反復する作業を2〜6秒後続させ、その後第3段冷却として放冷し、第4段冷却は省略した。多数の試験片の強度試験の結果はマルテンサイト混入による脆化や冷却不足による強度不足等大きなバラツキを示したが、数本のみ良品があった。組織も上部ベイナイトが混入した美麗なパーライトであった。実験作業の反復とともに適切なタイミングが読みとれ鉛浴焼入より高強度の1300Mpa前後の試験片数が増加した。当該実験結果は本発明の考え方が基本的に妥当であることを示唆している。
高炭素鋼の高級鋼線にはパテンティングが不可欠であり、旧来の線材2次加工工場では未だ鉛浴焼入が適用されている。当該設備を本発明に代替させることにより鉛の使用を廃止でき且つ製品品質は向上する。鉛浴の設置規制問題を解消して新規参入もやり易くなる。
本発明を実施する無鉛パテンティング・ラインの模式図である。 本発明の基となる変態進行と変態温度の関係を説明する模式図である。 本発明による変態進行を鉛浴焼入及び恒温変態と比較して示す。 本発明を実施する一例で気水ミストスプレイを使用する設備の概略図である。 本発明を実施する一例で焼入油を使用する設備の要所の概略図である。 本発明を実施する一例で流動床を使用する設備の要所の概略図である。 本発明を実施する流動床の他の例の設備の要所の概略図である。 変態温度と強度(T.S.)、絞り(R.A.)の関係を示す。
符号の説明
1:線材コイル 2:線材 3:ピンチロール 4:通電加熱装置 5:第1段冷却装置 6:第2段冷却装置 7:第3段冷却装置 8:第4段冷却装置 9:巻取機 10:温度計 11:スプレイ・ノズル 12:スプレイ管 15:放冷帯 16:保温管 21:冷却管 22:焼入油 23:タンク 24:配管 25:ポンプ 26:摺動伸縮管 31:溝型流動床 32:隔壁 33:単位区間 34:噴出気流 35:送風室 36:弁 37:水冷側壁 38:遮蔽管


Claims (5)

  1. 高炭素鋼又は高炭素低合金鋼の線材を軸方向に走行させつつ連続して加熱し段階的に冷却してパテンティングを施す方法において、第1段として高温のオーステナイト状態から所望の変態温度まで常温冷媒を間欠接触させて下記(1)式に示される熱流束量で鉛浴焼入より大きい速度で冷却し、第2段として該第1段に続いて変態の開始から変態時間の60〜90%まで常温冷媒を間欠接触させて下記(2)式に示される熱流束量で鉛浴焼入より強い冷却を作用させ、第3段として該第2段に続いて変態終了までを放冷し、第1段から第3段まで合わせて恒温変態に接近させることを特徴とする鋼線材のパテンティング方法。
    q1 >25×10 −−−−−(1)
    q2 =(15±3)×10 ×D/Tt −−−−−(2)
    q1: 第1段冷却の700〜600℃における平均熱流束
    (=熱伝達率×材料・冷媒間温度差、kcal/m 2 h
    q2: 第2段冷却の平均熱流束(kcal/m 2 h
    D: 線径(mm)
    Tt: 所望恒温変態温度における変態時間(s)
  2. 請求項1において線径が5〜15mmであり、常温冷媒が流動する焼入油又は流動床を形成する浮遊・流動する砂であり、第1段の熱流束量が下記(1’)式に従い、且つ第3段の冷却に続いて当該鋼種のパーライト変態の最小時間の2〜5倍の時間までを該変態終了温度から放冷又は徐冷又は該温度に保持して未変態の偏析部をも変態させる第4段の冷却を附加することを特徴とする鋼線材のパテンティング方法。
    q1'>5×10 ×D −−−−−(1')
    q1': 第1段冷却の700〜600℃における平均熱流束

  3. 第1段第2段の冷却において、線材と焼入油を貫通させて冷却する短身冷却管を多数直列に配置し、線径・線速・変態時間に対応して該冷却管のそれぞれの間隔を調節して間欠冷却することにより各段の長さと平均的熱流束量をそれぞれ調節することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のパテンティング方法。
  4. 第1段第2段の冷却において、冷却手段として流動床を使用し、1)該流動床の温度を水冷壁により常温近辺に維持して熱流束を最大に維持すると共に、2)線材走行方向に多数の隔壁を設けて各区間を個別に送風を停止して流動床を沈静することにより放冷可能とし、3)線径・線速・変態時間に対応して放冷区間を適宜配置して間欠冷却することにより各段の長さと平均的熱流束量をそれぞれ調節することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のパテンティング方法。
  5. 第1段第2段の冷却において、冷却手段として流動床を使用し、1)該流動床の温度を水冷壁により常温近辺に維持し、2)走行する線材に筒状に包囲可能な直列する多数の短身遮蔽管を個別に着脱して放冷と流動床冷却を切替え可能とし、3)線径・線速・変態時間に対応して着脱区間を適宜設定して間欠冷却することにより各段の長さと平均的熱流束量をそれぞれ調節することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のパテンティング方法。
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