JP3914103B2 - パイプ体の製造方法及びパイプ体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属プレートを曲げ加工することによって断面が矩形状のパイプ体を製造するパイプ体の製造方法、そのパイプ体に関する。
【0002】
【従来の技術】
断面が矩形状のパイプ体を製造する従来の技術として、出願人が特開2001−286934号公報等において既に提案したものがある。同公報等では、図41に示すように、まず互いに平行な一対の辺40a,40bを有する金属プレート40(図41(a))を折り曲げることにより、中間成形品41(図41(b))を成形する。この中間成形品41は、パイプ体の断面形状である矩形の各辺に対応する面のうち一対の辺同士40a,40bの接合部を含まないものを構成する三つの構成壁部42,43a,43bを有し、これらの中央にある一構成壁部42と一構成壁部42に隣接する二つの隣接面構成壁部43a,43bとのなす各角度θ2は鈍角で一対の辺同士40a,40bは離間状態にある。
【0003】
次に、その中間成形品41の二つの隣接面構成壁部43a,43bに外力を加え、一構成壁部42を外側に向かって膨出するように湾曲させるとともに一対の辺40a,40bを密着させる(図41(c),(d))。そして、この一対の辺40a,40bの接合部44を含む面45を加圧することにより一構成壁部42の湾曲部分に外力Fを加え、一構成壁部42を平坦状に変形させてパイプ体46を得ていた(図41(e))。
【0004】
このパイプ体の製造技術により、一対の辺40a,40bの密着状態を維持するスプリングバック力が一構成壁部42により構成される(パイプ体46の)面47に残留し、一対の辺40a,40bを溶接することなく密着させることが可能となった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、面45を加圧する等により一構成壁部42に外力Fを加えるのは、上述のように一構成壁部42を平坦状に変形させるため、ときには面45や面47の平面性をより高めるためであるが、このとき金属プレート40の材料硬度のばらつきが原因で外力Fに対する隣接面構成壁部43a,43bの強度が不足したり、加工条件のばらつきにより面45を加圧する金型48の下死点位置が想定位置よりも下になって外力Fが過大に作用したりすることがあり、パイプ体46において隣接面構成壁部43a,43bにより構成される面49,50に座屈のような変形が生じることがある。このような変形は、特に面49,50自体に精度が要求される場合や、面49,50に高い寸法精度で穴部を形成することが求められる場合には、製品の良否を分けるので検査を行う必要がある。
【0006】
しかしながら、そのような変形は必ずしも定常的に発生するわけではなく、同一ロットにおいても発生が確認される場合と確認されない場合とがあるので、上記のように高精度な製品を製造する場合には、完成品の全数検査が必要となってコストアップを招くという問題があった。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、パイプ体を構成する面のプレス加工時の外力による変形を防止し、その面又はこれに形成される穴部に高精度が要求される場合であっても全数検査に伴うコストアップを抑制することができるパイプ体の製造技術を提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、互いに平行な一対の辺を有する金属プレートを前記一対の辺と平行な折曲線に沿って折り曲げるとともに、前記一対の辺同士を接合させることにより、断面が矩形状のパイプ体を製造するパイプ体の製造方法であって、
前記矩形の各辺に対応する面のうち前記一対の辺同士の接合部を含まないものを構成する三つの構成壁部を有し、該三つの構成壁部の中央にある一構成壁部と該一構成壁部に隣接する二つの隣接面構成壁部とのなす各角度が鈍角で前記一対の辺同士が離間状態にある中間成形品を成形する加工ステップと、
前記二つの隣接面構成壁部に外力を加えて前記一構成壁部を外側に向かって膨出するように湾曲させるとともに、前記一対の辺同士を密着させる加工ステップと、
前記一構成壁部の湾曲部分に外力を加えて前記一構成壁部を平坦状に変形させ、前記一対の辺同士の密着状態を維持するスプリングバック力を残留させる加工ステップとを有し、
前記中間成形品を成形する加工ステップにおいて、前記折曲線と交差する方向に延びる塑性加工部を前記隣接面構成壁部に形成し、
前記中間成形品を成形する加工ステップにおいて、前記二つの隣接面構成壁部の少なくとも一方に穴部を形成するとともに、前記塑性加工部を前記穴部が形成される隣接面構成壁部上で前記折曲線に沿って前記穴部の前方又は後方に位置するように、かつ、前記穴部の上端及び下端よりも上方及び下方まで延びるように形成することを特徴とするパイプ体の製造方法。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の前記スプリングバック力を残留させる加工ステップにおいて、互いに密着した前記一対の辺同士の接合部を含む面を加圧することにより、前記一構成壁部の湾曲部分に外力を加えて前記一構成壁部を平坦状に変形させることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、互いに平行な一対の辺を有する金属プレートを前記一対の辺と平行な折曲線に沿って折り曲げるとともに、前記一対の辺同士を接合させることにより、断面が矩形状のパイプ体を製造するパイプ体の製造方法であって、
前記矩形の各辺に対応する面のうち前記一対の辺同士の接合部を含まないものを構成する三つの構成壁部を有し、該三つの構成壁部の中央にある一構成壁部と該一構成壁部に隣接する二つの隣接面構成壁部とのなす各角度が鈍角で前記一対の辺同士が離間状態にある中間成形品を成形する加工ステップと、
前記二つの隣接面構成壁部に外力を加えて前記一対の辺同士を密着させるとともに、外側に向かって膨出しようとする前記一構成壁部の湾曲を阻止して該一構成壁部を平坦状に保つことにより、前記一対の辺同士の密着状態を維持するスプリングバック力を残留させる加工ステップと、
互いに密着した前記一対の辺同士の接合部を含む面又は前記一構成壁部により構成される面を加圧する加工ステップとを有し、
前記中間成形品を成形する加工ステップにおいて、前記折曲線と交差する方向に延びる塑性加工部を前記隣接面構成壁部に形成し、
前記中間成形品を成形する加工ステップにおいて、前記二つの隣接面構成壁部の少なくとも一方に穴部を形成するとともに、前記塑性加工部を前記穴部が形成される隣接面構成壁部上で前記折曲線に沿って前記穴部の前方又は後方に位置するように、かつ、前記穴部の上端及び下端よりも上方及び下方まで延びるように形成することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、互いに平行な一対の辺を有する金属プレートを前記一対の辺と平行な折曲線に沿って折り曲げるとともに、前記一対の辺同士を接合させることにより、断面が矩形状のパイプ体を製造するパイプ体の製造方法であって、
前記矩形の各辺に対応する面のうち前記一対の辺同士の接合部を含まないものを構成する三つの構成壁部を有し、該三つの構成壁部の中央にある一構成壁部と該一構成壁部に隣 接する二つの隣接面構成壁部とのなす各角度が直角で前記一対の辺同士が離間状態にある中間成形品を成形する加工ステップと、
前記二つの隣接面構成壁部に外力を加えて前記一対の辺同士を密着させるとともに、内側に向かって凸となる凸部を前記矩形のいずれかの辺に対応する面に位置するように形成することにより、前記一対の辺同士の密着状態を維持するスプリングバック力を残留させる加工ステップと、
互いに密着した前記一対の辺同士の接合部を含む面又は前記一構成壁部により構成される面を加圧する加工ステップとを有し、
前記中間成形品を成形する加工ステップにおいて、前記折曲線と交差する方向に延びる塑性加工部を前記隣接面構成壁部に形成し、
前記中間成形品を成形する加工ステップにおいて、前記二つの隣接面構成壁部の少なくとも一方に穴部を形成するとともに、前記塑性加工部を前記穴部が形成される隣接面構成壁部上で前記折曲線に沿って前記穴部の前方又は後方に位置するように、かつ、前記穴部の上端及び下端よりも上方及び下方まで延びるように形成することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の前記中間成形品を成形する加工ステップにおいて、前記塑性加工部を前記穴部の近傍に形成することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の前記中間成形品を成形する加工ステップにおいて、前記塑性加工部を前記折曲線に沿って前記穴部の前方及び後方に位置するように形成することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、互いに平行な一対の辺を有する金属プレートを前記一対の辺と平行な折曲線に沿って折り曲げるとともに、前記一対の辺同士を接合させることにより製造された断面が矩形状のパイプ体であって、
前記矩形の各辺に対応する面のうち前記一対の辺同士の接合部を含まないものを構成する三つの構成壁部を有し、該三つの構成壁部の中央にある一構成壁部と該一構成壁部に隣接する二つの隣接面構成壁部とのなす各角度が鈍角で前記一対の辺同士が離間状態にある中間成形品を成形する加工ステップと、
前記二つの隣接面構成壁部に外力を加えて前記一構成壁部を外側に向かって膨出するように湾曲させるとともに、前記一対の辺同士を密着させる加工ステップと、
前記一構成壁部の湾曲部分に外力を加えて前記一構成壁部を平坦状に変形させ、前記一対の辺同士の密着状態を維持するスプリングバック力を残留させる加工ステップとを経て製造され、
前記中間成形品を成形する加工ステップにおいて、前記折曲線と交差する方向に延びる塑性加工部が前記隣接面構成壁部に形成され、
前記中間成形品を成形する加工ステップにおいて、前記二つの隣接面構成壁部の少なくとも一方に穴部が形成されるとともに、前記穴部が形成される隣接面構成壁部上で前記折曲線に沿って前記穴部の前方又は後方に位置するように、かつ、前記穴部の上端及び下端よりも上方及び下方まで延びるように前記塑性加工部が形成されたことを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、互いに平行な一対の辺を有する金属プレートを前記一対の辺と平行な折曲線に沿って折り曲げるとともに、前記一対の辺同士を接合させることにより製造された断面が矩形状のパイプ体であって、
前記矩形の各辺に対応する面のうち前記一対の辺同士の接合部を含まないものを構成する三つの構成壁部を有し、該三つの構成壁部の中央にある一構成壁部と該一構成壁部に隣接する二つの隣接面構成壁部とのなす各角度が鈍角で前記一対の辺同士が離間状態にある中間成形品を成形する加工ステップと、
前記二つの隣接面構成壁部に外力を加えて前記一対の辺同士を密着させるとともに、外側に向かって膨出しようとする前記一構成壁部の湾曲を阻止して該一構成壁部を平坦状に保つことにより、前記一対の辺同士の密着状態を維持するスプリングバック力を残留させる加工ステップと、
互いに密着した前記一対の辺同士の接合部を含む面又は前記一構成壁部により構成され る面を加圧する加工ステップとを経て製造され、
前記中間成形品を成形する加工ステップにおいて、前記折曲線と交差する方向に延びる塑性加工部が前記隣接面構成壁部に形成され、
前記中間成形品を成形する加工ステップにおいて、前記二つの隣接面構成壁部の少なくとも一方に穴部が形成されるとともに、前記穴部が形成される隣接面構成壁部上で前記折曲線に沿って前記穴部の前方又は後方に位置するように、かつ、前記穴部の上端及び下端よりも上方及び下方まで延びるように前記塑性加工部が形成されたことを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、互いに平行な一対の辺を有する金属プレートを前記一対の辺と平行な折曲線に沿って折り曲げるとともに、前記一対の辺同士を接合させることにより製造された断面が矩形状のパイプ体であって、
前記矩形の各辺に対応する面のうち前記一対の辺同士の接合部を含まないものを構成する三つの構成壁部を有し、該三つの構成壁部の中央にある一構成壁部と該一構成壁部に隣接する二つの隣接面構成壁部とのなす各角度が直角で前記一対の辺同士が離間状態にある中間成形品を成形する加工ステップと、
前記二つの隣接面構成壁部に外力を加えて前記一対の辺同士を密着させるとともに、内側に向かって凸となる凸部を前記矩形のいずれかの辺に対応する面に位置するように形成することにより、前記一対の辺同士の密着状態を維持するスプリングバック力を残留させる加工ステップと、
互いに密着した前記一対の辺同士の接合部を含む面又は前記一構成壁部により構成される面を加圧する加工ステップとを経て製造され、
前記中間成形品を成形する加工ステップにおいて、前記折曲線と交差する方向に延びる塑性加工部が前記隣接面構成壁部に形成され、
前記中間成形品を成形する加工ステップにおいて、前記二つの隣接面構成壁部の少なくとも一方に穴部が形成されるとともに、前記穴部が形成される隣接面構成壁部上で前記折曲線に沿って前記穴部の前方又は後方に位置するように、かつ、前記穴部の上端及び下端よりも上方及び下方まで延びるように前記塑性加工部が形成されたことを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項7ないし請求項9のいずれか1項に記載の前記中間成形品を成形する加工ステップにおいて、前記塑性加工部が前記穴部の近傍に形成されたことを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項7ないし請求項10のいずれか1項に記載の前記中間成形品を成形する加工ステップにおいて、前記塑性加工部が前記折曲線に沿って前記穴部の前方及び後方に位置するように形成されたことを特徴とする。
【0029】
請求項1、請求項2、請求項7のいずれかに係る発明によれば、中間成形品を成形する加工ステップにおいて折曲線と交差する方向に延びる塑性加工部が隣接面構成壁部に形成されるので、後のスプリングバック力を残留させる加工ステップにおいて一構成壁部の湾曲部分に外力が加えられても、この外力が塑性変形部に吸収されてパイプ体の隣接面構成壁部により構成される面の変形が防止され、たとえその面に高精度が要求される場合であっても全数検査を回避することが可能で全数検査に伴うコストアップを抑制することができる。
特に、中間成形品を成形する加工ステップにおいて隣接面構成壁部に穴部が形成されるとともに、その隣接面構成壁部上で折曲線に沿って穴部の前方又は後方に位置するように、かつ、穴部の上端及び下端よりも上方及び下方まで延びるように塑性加工部が形成されるので、隣接面構成壁部においてプレス加工時の外力が塑性変形部に集まり穴部の変形が防止され、たとえその穴部に高精度が要求される場合であっても全数検査を回避することが可能で全数検査に伴うコストアップを抑制することができる。
【0030】
請求項3、請求項4、請求項8、請求項9のいずれかに係る発明によれば、中間成形品を成形する加工ステップにおいて折曲線と交差する方向に延びる塑性加工部が隣接面構成壁部に形成されるので、後の加工ステップにおいて互いに密着した一対の辺同士の接合部を含む面又は一構成壁部により構成される面が加圧されても、この外力(加圧力)が塑性変形部に吸収されてパイプ体の隣接面構成壁部により構成される面の変形が防止され、たとえその面に高精度が要求される場合であっても全数検査を回避することが可能で全数検査に伴うコストアップを抑制することができる。
特に、中間成形品を成形する加工ステップにおいて隣接面構成壁部に穴部が形成されるとともに、その隣接面構成壁部上で折曲線に沿って穴部の前方又は後方に位置するように、かつ、穴部の上端及び下端よりも上方及び下方まで延びるように塑性加工部が形成されるので、隣接面構成壁部においてプレス加工時の外力が塑性変形部に集まり穴部の変形が防止され、たとえその穴部に高精度が要求される場合であっても全数検査を回避することが可能で全数検査に伴うコストアップを抑制することができる。
【0032】
請求項5又は請求項10に係る発明によれば、塑性加工部が穴部の近傍に形成されるので、隣接面構成壁部において穴部近傍に生じる応力が塑性変形部の方に集まり、穴部の変形が効果的に防止される。
【0033】
請求項6又は請求項11に係る発明によれば、塑性加工部が折曲線に沿って穴部の前方及び後方に位置するように形成されるので、穴部の前方及び後方の双方で外力が吸収されることとなり、塑性加工部が穴部の前方又は後方のいずれか一方のみに形成される場合に比べて穴部の変形がより一層防止される。
【0038】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0039】
[実施の形態1]
図1は本発明に係る断面矩形状のパイプ体の概略構成を示す斜視図であり、図2はそのパイプ体の断面形状を示す正面図である。このパイプ体1は、図2に示す矩形の各辺に対応する四つの面として、底面構成壁部2、底面構成壁部2に隣接する一対の側面構成壁部3,4、及び底面構成壁部2に対向する上面構成壁部5を有する。上面構成壁部5は一対の合わせ目構成壁部5a,5bがそれぞれの端面5c,5dで互いに密着してなり、上面構成壁部5の中央には合わせ目(接合部)5eが形成されている。
【0040】
このパイプ体1は、図3に示す互いに平行な一対の辺6e,6eを有する矩形状の金属プレート6を素材として、プレス加工により成形される。この金属プレート6の材質としては、塑性加工に用い得るものであれば鉄、銅、アルミニウム、ステンレス鋼等のいずれでもよいが、ここでは鉄が用いられている。金属プレート6には、側面構成壁部3,4に対応する箇所に位置するように機能上必要なネジ穴6a,6aが高精度に形成されている。本実施の形態では、ネジ穴6a,6aはパイプ体1を画像形成装置のフレームとして用いる際に取付用の係合部(パイプ体1に他のパイプ体等を取り付ける場合に、又はパイプ体1を他の部材に取り付ける場合に用いられる係合部)として使用される。
【0041】
また、側面構成壁部3,4に対応する箇所には、一対の辺6e,6eと同方向に延びる折曲線6c,6c及び折曲線6d,6dに沿ってネジ穴6aの前方及び後方に位置するように、塑性変形部6fが設けられている。塑性変形部6fは、ネジ穴6aの近傍で折曲線6c,6dと直交する方向に延びるように、金属プレート6をビード加工により塑性変形させて形成されている。塑性変形部6fの長手方向端部は折曲線6c,6dの近傍にまで延び、塑性変形部6fはその折曲線6c,6dと直交する方向に沿ってネジ穴6aの直径全体に及んでいる。
【0042】
上記プレス加工においては、まず、第1加工ステップとして、金属プレート6の辺部6b,6bを折曲線6c,6cに沿って直角(90°)に折り曲げ、塑性変形部6fが凸状に突出している側と逆の側に起立させる。これにより、その辺部6b,6bが一対の合わせ目構成壁部5a,5bをなし、図4に示す断面凹状の一次中間成形品8が成形される。なお、図4において符号9は後に折曲線6d,6dを基準に折り曲げられる未折曲部であり、金属プレート6の幅方向の寸法L、折曲線6c,6c及び折曲線6d,6dの位置は、プレス加工による金属の伸び量を考慮して決定されている。
【0043】
この一次中間成形品8のプレス加工には、例えば図5に示すプレス装置10を使用する。プレス装置10は第一固定プレート11と第一加圧パンチ部材12と可動プレート12’とから概略構成され、第一固定プレート11には一次中間成形品8の外形状(合わせ目構成壁部5a,5bの外形状)に対応する形状の周壁11aに囲まれてなる凹所13が設けられている。また、第一加圧パンチ部材12は一次中間成形品8の内形状に対応する形状を有し、凹所13に対して図示を略す油圧シリンダ装置により上下動するようになっている。可動プレート12’は第一加圧パンチ部材12の上下動に伴い第一固定プレート11の周壁11aに対して摺動するように、図示を略す他の油圧シリンダ装置に接続されている。
【0044】
その第一加圧パンチ部材12及び可動プレート12’が上方に位置する状態で固定プレート11よりもHだけ高い位置にある可動プレート12’上に金属プレート6を載置し(図5(a))、第一加圧パンチ部材12を下降させてこれと可動プレート12’とで金属プレート6を挟持し加圧することにより、一次中間成形品8が成形される(図5(b))。金属プレート6を可動プレート12’上に載置する際には、塑性変形部6fが下向きとなるように(下方に向かって凸となるように)セットし、第一固定プレート11は塑性変形部6fを潰してしまわないように形状設計されている。
【0045】
次いで、第2加工ステップとして、折曲線6d,6dに沿って一次中間成形品8の未折曲部9を折り曲げるとともに、その折曲線6d,6dに挟まれる部分を上方に向かって凸となるように湾曲させ、後に底面構成壁部2を構成する一構成壁部15と、側面構成壁部3を構成する隣接面構成壁部16aと、側面構成壁部4を構成する隣接面構成壁部16bとを形成する。これにより、図6、図7に示すように、中間成形品としての二次中間成形品14が成形される。
【0046】
二次中間成形品14の一構成壁部15は、図6(b)に拡大して示すように、平坦部15a,15bと湾曲部15cとからなる。湾曲部15cは平坦部15aと平坦部15bとの間に位置し、平坦部15aは隣接面構成壁部16a又は隣接面構成壁部16bに隣接している。平坦部15aと隣接面構成壁部16a又は隣接面構成壁部16bとのなす角度θ1は、パイプ体1の断面形状における対応する角度、すなわち、底面構成壁部2と側面構成壁部3又は側面構成壁部4とのなす角度であるθ(=90°)よりも大きい鈍角であり、この一構成壁部15の形状に起因して一対の辺6e,6e同士(端面5c,5d)は離間状態にある。
【0047】
二次中間成形品14のプレス加工には、例えば図8に示すプレス装置17を使用する。プレス装置17は、凹所18を有する第二固定プレート19と、第二加圧パンチ部材20と、可動プレート20’とから概略構成されている。凹所18は二次中間成形品14の外形状(隣接面構成壁部16a,16bの外形状)に対応する形状の周壁19aに囲まれてなる。この周壁19a及び第二固定プレート19の上面19bには図示を略す逃げ部が形成され、後述のように一次中間成形品8がプレス加工される際に塑性変形部6fがその逃げ部に位置して潰されないようになっている。
【0048】
第二加圧パンチ部材20は凹所18に対して図示を略す油圧シリンダ装置により上下動し、その下部には二次中間成形品14の一構成壁部15の内形状と隣接面構成壁部16a,16bの下部内形状とに対応する形状のパンチ部20aが設けられている。可動プレート20’は第二加圧パンチ部材20の上下動に伴い第二固定プレート19に対して摺動するように、図示を略す他の油圧シリンダ装置に接続されている。この可動プレート20’の上面20a’は、二次中間成形品14の一構成壁部15の外形状と対応する形状に仕上げられている。
【0049】
その第二加圧パンチ部材20及び可動プレート20’が上方に位置する状態で固定プレート19よりもH’だけ高い位置にある可動プレート20’上に一次中間成形品8を載置し(図8(a))、第二加圧パンチ部材20を下降させて一次中間成形品8の凹状内部に進入させ、第二加圧パンチ部材20のパンチ部20a及び可動プレート20’の上面20a’により未折曲部9を挟持し加圧することによって、二次中間成形品14が成形される(図8(b))。この二次中間成形品14のプレス装置17からの取外しは、第二加圧パンチ部材20を上昇させて加圧状態を解除した後に、二次中間成形品14を長手方向(図8における紙面垂直方向)に引き抜くことによって行う。但し、例えば図9に示すように一構成壁部15の湾曲を大きくした場合や、図10に示すように一構成壁部15に対する隣接面構成壁部16a,16bの長さの割合が大きい場合には、第二加圧パンチ部材20を上昇させるだけでこれを一対の辺6e,6eの間を通して引き抜くことができる。これにより、二次中間成形品14を長手方向に引き抜くという作業工程を省くことができ、成形作業の効率化、作業スペースの狭小化を図ることができる。
【0050】
なお、図11に示すプレス装置を使用することによって、図12に示す一構成壁部15が平坦な(湾曲していない)二次中間成形品を成形してもよいが、パイプ体1が完成したときの底面構成壁部2の平坦性を考慮すると、あるいは、二次中間成形品14のプレス装置17からの取外しが第二加圧パンチ部材20を上昇させるだけで済むことを考慮すると、一構成壁部15は図6、図7に示すように湾曲していることが好ましい。但し、図6、図7では湾曲状態にある一構成壁部15は平坦部15a,15bと湾曲部15cとからなっているが、湾曲の態様はこれに限られるものではない。
【0051】
次に、その二次中間成形品14を完成品としてのパイプ体1に成形するために、図13に示すプレス成形装置21を使用する。このプレス成形装置21は下型22と上型23とから概略構成され、下型22は第三固定プレート24を有し、上型23は図示を略すシリンダ装置により上下動する可動プレート25を有している。
【0052】
第三固定プレート24には一対のストッパー部材26,26と、第三加圧パンチ部材27,27とが設けられている。この一対の第三加圧パンチ部材27,27は図13中左右方向に延びる図示を略す摺動レール上にスライド可能に設けられ、図示を略すカム機構により互いに接近する方向又は離反する方向に連動して移動するようになっている。また、同図に示すように下型22と上型23とが分離している状態では、第三加圧パンチ部材27,27は図示を略すスプリング部材によって互いに離反する方向に付勢されている。
【0053】
第三加圧パンチ部材27,27の互いに相対向する面には、二次中間成形品14の隣接面構成壁部16a,16bを加圧するパンチ面27b,27bがそれぞれ形成されている。パンチ面27b,27bは折曲線6c,6dに沿って二次中間成形品14の全長に渡り延在するわけではなく、後述のように二次中間成形品14がプレス加工される際に塑性変形部6fがパンチ面27bにより潰されないようになっている。
【0054】
可動プレート25には、第三加圧パンチ部材27,27を駆動するための駆動部材29,29が設けられるとともに、一対の合わせ目構成壁部5a,5bを加圧するための第四加圧パンチ部材30が設けられている。駆動部材29,29の下部内側にはテーパー部29a,29aが形成され、第三加圧パンチ部材27,27の上部外側にはテーパー部29a,29aと係合するテーパー部27a,27aが形成されている。
【0055】
二次中間成形品14は、第3加工ステップとして、まず、一構成壁部15が下向きとなるように第三加圧パンチ部材27,27の対向空間28の中心位置にセットされる(図13)。この状態から矢印A1で示すように上型23を下降させると、駆動部材29,29のテーパー部29a,29aが第三加圧パンチ部材27,27のテーパー部27a,27aに係合し、第三加圧パンチ部材27,27が上記スプリング部材の付勢力に抗して互いに接近する方向に同じ速さV1で駆動される(図14)。これにより、第三加圧パンチ部材27,27のパンチ面27b,27bが隣接面構成壁部16a,16bとの境をなす屈曲部31a,31bに同時に当接し、隣接面構成壁部16a,16bがそのパンチ面27b,27bにより加えられる外力によって互いに接近する方向に加圧される。
【0056】
第三加圧パンチ部材27,27が互いに接近する方向にさらに駆動されると、一構成壁部15の湾曲が取り除かれつつ端面5c,5dが接近して最終的には密着し、上面構成壁部5が形成される(図15)。このとき、一構成壁部15と隣接面構成壁部16a,16bとのなす角度は多少は小さくなるものの完全にはθ(=90°)とならず、一構成壁部15が下方に向かって膨出してそれまでとは逆側に湾曲する。また、屈曲部31a,31bがパンチ面27b,27bに対して上方に滑りながら隣接面構成壁部16a,16bが起立し、側面構成壁部3,4が形成される。
【0057】
続いて、第4加工ステップとして上型23をさらに下降させると、第三加圧パンチ部材27,27のテーパー部27a,27aと駆動部材29,29のテーパー部29a,29aとの係合が解除され、第三加圧パンチ部材27,27がその位置に停止する。この状態で上型23を下降させると、第四加圧パンチ部材30が上面構成壁部5に当接して上面構成壁部5が加圧され、一構成壁部15が平坦となって底面構成壁部2が形成される(図16)。
【0058】
そして、上型23を上昇させて下型22と分離させると、第三加圧パンチ部材27,27が再度互いに離反する方向に移動して、完成したパイプ体1を得る。一般に、プレス加工により工作物に変形を与えるとスプリングバック(その加工力を除去した後に工作物の有する弾性によって変形が多少元に戻る現象)が生じるため、パイプ体1の底面構成壁部2はそのスプリングバックに伴い発生する応力(スプリングバック力)によって図17に鎖線で示すように湾曲面に戻ろうとする傾向があり、この底面構成壁部2に残留したスプリングバック力f1によって端面5c,5dの密着状態は維持される。
【0059】
この実施の形態に係るパイプ体の製造方法では、二次中間成形品14を成形する加工ステップ(第2加工ステップまでの加工工程)において、折曲線6c,6dと交差する方向に延びる塑性加工部6fが隣接面構成壁部16a,16bに形成されるので、後のスプリングバック力を残留させる加工ステップ(第4加工ステップ)において一構成壁部15の湾曲部分に外力が加えられても、この外力が塑性変形部6fに吸収されてパイプ体1の側面構成壁部3,4の変形が防止される。
【0060】
また、隣接面構成壁部16a,16bにネジ穴6aが形成されるとともに、隣接面構成壁部16a,16b上で折曲線6c,6dに沿ってネジ穴6aの前方及び後方に位置するように、かつ、ネジ穴6aの上端6a’及び下端6a”(図1参照)よりも上方及び下方まで延びるように塑性加工部6fが形成されるので、隣接面構成壁部16a,16bにおいてプレス加工時の外力が塑性変形部6fの方に集まりネジ穴6aの変形が防止され、ネジ穴6aに高精度が要求されても全数検査を行う必要がなく、全数検査に伴うコストアップを抑制することができる。
【0061】
特に、ここでは塑性加工部6fが折曲線6c,6dと直交する方向に延びるように形成されるので、第四加圧パンチ部材30の加圧に対する隣接面構成壁部16a,16bの強度を効率的に高めることができ、その塑性加工部6fがネジ穴6aの近傍に形成されるので、隣接面構成壁部16a,16bにおいてネジ穴16a近傍に生じる応力が塑性変形部6fの方に集まりネジ穴6aの変形が効果的に防止される。さらに、塑性加工部6fがビード加工により形成されるので、塑性加工部の形成を低コストかつ容易に行うことができる。
【0062】
[実施の形態2]
本実施の形態に係るパイプ体の製造方法では、第3加工ステップにおいて、プレス成形装置21の代わりに図18に示すプレス成形装置21’を用いる。このプレス成形装置21’は、第三加圧パンチ部材27,27のパンチ面27b,27bに摩擦係数の高い摩擦接触部材27c,27cが設けられている点でプレス成形装置21と異なるが、他の点については実施の形態1におけると同様であるので同一の符号を付して説明を省略する。
【0063】
第1加工ステップ及び第2加工ステップを経て製造された二次中間成形品14は、第3加工ステップとして、まず、一構成壁部15が下向きとなるように第三加圧パンチ部材27,27の対向空間28の中心位置にセットされる(図18)。この状態から矢印A1で示すように上型23を下降させると、駆動部材29,29のテーパー部29a,29aが第三加圧パンチ部材27,27のテーパー部27a,27aに係合し、第三加圧パンチ部材27,27が図示を略すスプリング部材の付勢力に抗して互いに接近する方向に同じ速さV2で駆動される(図19)。これにより、第三加圧パンチ部材27,27のパンチ面27b,27bが屈曲部31a,31bに同時に当接し、隣接面構成壁部16a,16bがそのパンチ面27b,27bにより加えられる外力によって互いに接近する方向に加圧される。
【0064】
第三加圧パンチ部材27,27が互いに接近する方向にさらに駆動されると、一構成壁部15の湾曲が取り除かれつつ端面5c,5dが接近して最終的には密着し、上面構成壁部5が形成される。このとき、一構成壁部15は下方に向かって膨出しようとするが、屈曲部31a,31bと摩擦接触部材27c,27cとの最大静止摩擦力が大きいことにより、一構成壁部15は第三固定プレート24に当接した段階でそれ以上下方に膨出することができず、平坦状に保たれる。また、屈曲部31a,31bは一構成壁部15が第三固定プレート24から浮き上がらない程度の範囲内で摩擦接触部材27c,27cに対して若干上方にずれ、これにより隣接面構成壁部16a,16bが起立して側面構成壁部3,4が形成されるとともに、一構成壁部15によって底面構成壁部2が形成される(図20、図21)。
【0065】
続いて、第4加工ステップとして上型23をさらに下降させると、第三加圧パンチ部材27,27のテーパー部27a,27aと駆動部材29,29のテーパー部29a,29aとの係合が解除され、第三加圧パンチ部材27,27がその位置に停止する。この状態で上型23を下降させると、第四加圧パンチ部材30が上面構成壁部5に当接して上面構成壁部5が加圧され、底面構成壁部2及び上面構成壁部5の平面性がより高められる(図22)。
【0066】
そして、上型23を上昇させて下型22と分離させると、第三加圧パンチ部材27,27が再度互いに離反する方向に移動して、完成したパイプ体1を得る。このパイプ体1も、実施の形態1におけると同様に、底面構成壁部2に残留したスプリングバック力によって端面5c,5dが密着している。
【0067】
この実施の形態に係るパイプ体の製造方法では、二次中間成形品14を成形する加工ステップ(第2加工ステップまでの加工工程)において、折曲線6c,6dと交差する方向に延びる塑性加工部6fが隣接面構成壁部16a,16bに形成されるので、後の加工ステップ(第4加工ステップ)において上面構成壁部5が加圧されても、この外力(加圧力)が塑性変形部6fに吸収されてパイプ体1の側面構成壁部3,4の変形が防止され、併せてネジ穴6aの変形が防止される。
【0068】
なお、プレス成形装置21’には、二次中間成形品14の浮き上がりを防止して一構成壁部15の逆側への湾曲を阻止するために、図23に示すように摩擦接触部材27c,27cの代わりに係合突起27c’,27c’を設けてもよい。
【0069】
[実施の形態3]
本実施の形態に係るパイプ体の製造方法では、第1加工ステップ及び第2加工ステップにおいて、一構成壁部15と隣接面構成壁部16a,16bとのなす角度がθ(=90°)の二次中間成形品14’を成形する。また、第3加工ステップにおいて、プレス成形装置21の代わりに図24に示すプレス成形装置21”を用いる。このプレス成形装置21”は、第三加圧パンチ部材27,27のパンチ面27b,27bに突出部27d,27dが設けられている点でプレス成形装置21と異なるが、他の点については実施の形態1におけると同様であるので同一の符号を付して説明を省略する。
【0070】
第1加工ステップ及び第2加工ステップを経て製造された二次中間成形品14’は、第3加工ステップとして、まず、一構成壁部15が下向きとなるように第三加圧パンチ部材27,27の対向空間28の中心位置にセットされる(図24)。この状態から矢印A1で示すように上型23を下降させると、駆動部材29,29のテーパー部29a,29aが第三加圧パンチ部材27,27のテーパー部27a,27aに係合し、第三加圧パンチ部材27,27が図示を略すスプリング部材の付勢力に抗して互いに接近する方向に同じ速さV3で駆動される(図25)。これにより、第三加圧パンチ部材27,27のパンチ面27b,27bが屈曲部31a,31bに同時に当接し、隣接面構成壁部16a,16bがそのパンチ面27b,27bにより加えられる外力によって互いに接近する方向に加圧される。
【0071】
第三加圧パンチ部材27,27が互いに接近する方向にさらに駆動されると、一構成壁部15の湾曲が取り除かれつつ端面5c,5dが接近して最終的には密着し、上面構成壁部5が形成される。このとき、屈曲部31a,31bがパンチ面27b,27bに対して上方にずれながら隣接面構成壁部16a,16bが起立し、側面構成壁部3,4が形成されるとともに、一構成壁部15が第三固定プレート24に当接して第三固定プレート24から反力を受け、最終的には平坦状となって底面構成壁部2が形成される(図26)。また、側面構成壁部3,4には、突出部27d,27dにより内側に向かって凸となるように凸部3a,4aが形成される。
【0072】
続いて、第4加工ステップとして上型23をさらに下降させると、第三加圧パンチ部材27,27のテーパー部27a,27aと駆動部材29,29のテーパー部29a,29aとの係合が解除され、第三加圧パンチ部材27,27がその位置に停止する。この状態で上型23を下降させると、第四加圧パンチ部材30が上面構成壁部5に当接して上面構成壁部5が加圧され、底面構成壁部2及び上面構成壁部5の平面性がより高められる(図27)。
【0073】
そして、上型23を上昇させて下型22と分離させると、第三加圧パンチ部材27,27が再度互いに離反する方向に移動して、図28及び図29に示すパイプ体1’を得る。このパイプ体1’の凸部3a,4aは、スプリングバック力によって図30に鎖線で示す形状に戻ろうとする傾向があり、この側面構成壁部3,4に残留したスプリングバック力f2によって端面5c,5dの密着状態は維持される。
【0074】
この実施の形態に係るパイプ体の製造方法においても、上記実施の形態2におけると同様に、第4加工ステップにおいて上面構成壁部5が加圧されても加圧力が塑性変形部6fに吸収され、側面構成壁部3,4及びネジ穴6aの変形が防止される。
【0075】
[実施の形態4]
本実施の形態は、上記各実施の形態で製造されたパイプ体が画像形成装置のフレームとして使用される例を示す。図31に示すように、その画像形成装置32は、用紙Pに画像形成を行う画像形成部33と、画像形成された用紙Pを搬送する搬送部34と、その画像形成部33や搬送部34等を支持するフレーム35とを備えている。フレーム35には上記各実施の形態で製造されたパイプ体1又はパイプ体1’が用いられ、これによりコストの低減が図られている。
【0076】
【実施例】
以下では、塑性変形部の効果を示すべく具体的な実施例を説明する。
【0077】
図32及び図33は、本実施例において検討したモデルを示す。図32は、隣接面構成壁部16a(又は隣接面構成壁部16b)を切り出したものに相当する板体36を示し、直径8mmのネジ穴6aと、凸側がR2.4、凹側がR1.2のビード加工による塑性変形部6fとが設けられている。一方、図33は、塑性変形部6fを有しない点以外は板体36と同様な構成の板体37を示す。板体36,37には、図34、図35に示すように、その一端側(底面構成壁部2の側)を固定した状態で他端側(上面構成壁部5の側)に20kNの荷重が加えられるとし、このときの変形状況及び応力分布状況を解析ソフト(DesignSpace ver.6:ANSYS INC.)により解析すると図36乃至図39に示すような結果を得られる。
【0078】
図36は、板体36におけるネジ穴6aの周面各部の荷重方向に沿った変形量(変位量)を示す。その周面の外面側(同図における上面側)の部分はY方向に0.074×10-3m以上変位し(最大変位量は図中の「Max」の箇所における0.109×10-3m)、周面の内面側(同図における下面側)の部分はY方向に−0.170×10-3m以上変位している(最大変位量は図中の「Min」の箇所における−0.205×10-3m)。図37は、板体37におけるネジ穴6aの周面各部の荷重方向に沿った変形量を示し、その周面の外面側の部分はY方向に0.174×10-3m以上変位し(最大変位量は図中の「Max」の箇所における0.232×10-3m)、周面の内面側の部分はY方向に−0.229×10-3m以上変位している(最大変位量は図中の「Min」の箇所における−0.287×10-3m)。
【0079】
また、図38は、板体36における各部の応力分布を示す。分布応力は塑性加工部6f及びそのY方向に沿った隣接部分において総じて高く、この応力集中領域では1.920×109Pa以上の応力が作用し(最大応力は図中の「Max」の箇所における2.861×109Pa)、ネジ穴6aの周囲に作用する応力は0.979×109Pa以下、上記一端側に作用する応力は0.666×109Pa以下(最小応力は図中の「Max」の箇所における0.038×109Pa)となっている。図39は、板体37における各部の応力分布を示し、分布応力はネジ穴6aの周囲で相対的に高く、この領域では1.769×109Pa以上の応力が作用し(最大応力は図中の「Max」の箇所における3.941×109Pa)、上記一端側に作用する応力は0.900×109Pa以下(最小応力は図中の「Max」の箇所における0.031×10-9Pa)となっている。
【0080】
板体36,37に作用させる荷重を10kN、5kN、3kNと変化させて上記同様の解析を行い、Y方向についての正の最大変位量と負の最大変位量との差を求めると、板体36についての差の値M1と板体37についての差の値M2とはそれぞれ表1及び図40に示すようになる。
【0081】
【表1】
Figure 0003914103
これらの結果より、隣接面構成壁部16a(又は隣接面構成壁部16b)に塑性加工部6fが設けられている方が荷重に対して変形が穏やかであることがわかり、ネジ穴6aの周面の変形量も小さいことがわかる。このことは、図38においてネジ穴6aの周面に応力が集中しているのに対し、図37において塑性加工部6fに応力が吸収され、ネジ穴6a周囲の応力が抑えられていることにも対応し、ビード加工による塑性加工部6fが高精度なパイプ体を製造する際に極めて有効に機能していると言える。
【0082】
なお、本発明は上述した各実施の形態に限られるものではなく、例えば上記各実施の形態では塑性加工部6fを二次中間成形品及びパイプ体の外側に向かって凸としたが、それを内側に向かって凸としてもよい。このように構成することにより、既存のプレス成形装置を用いて二つの隣接面構成壁部16a,16bに左右の金型(加圧パンチ部材)から外力を加えようとした場合に、塑性加工部6fが金型と干渉せず、この干渉を回避するための改造等を金型に施す必要がない。また、パイプ体の完成時に塑性加工部6fが外側に突出しないので、隣接面構成壁部16a,16bにより構成される側面構成壁部3,4に他の部材を当接させる場合であっても、塑性加工部6fがその部材に当たらず当接を阻害しない。
【0083】
また、塑性加工部6fは外力を吸収するのであれば必ずしもビード加工により形成されなくてもよく、また、折曲線6c,6dに直交させなくても、あるいは折曲線6c,6dに沿ってネジ穴6aの前方及び後方の双方に設けなくてもかまわない。但し、塑性加工部6fを折曲線6c,6dに直交させることにより隣接面構成壁部16a,16bの強度を効率的に高めることができ、塑性加工部6fを折曲線6c,6dに沿ってネジ穴6aの前方及び後方の双方に設けることによりネジ穴6aの変形をより一層防止することができる。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1、請求項2、請求項7のいずれかに係る発明によれば、中間成形品を成形する加工ステップにおいて折曲線と交差する方向に延びる塑性加工部が隣接面構成壁部に形成されるので、後のスプリングバック力を残留させる加工ステップにおいて一構成壁部の湾曲部分に外力が加えられても、この外力が塑性変形部に吸収されてパイプ体の隣接面構成壁部により構成される面の変形が防止され、たとえその面に高精度が要求される場合であっても全数検査を回避することが可能で全数検査に伴うコストアップを抑制することができる。
特に、中間成形品を成形する加工ステップにおいて隣接面構成壁部に穴部が形成されるとともに、その隣接面構成壁部上で折曲線に沿って穴部の前方又は後方に位置するように、かつ、穴部の上端及び下端よりも上方及び下方まで延びるように塑性加工部が形成されるので、隣接面構成壁部においてプレス加工時の外力が塑性変形部に集まり穴部の変形が防止され、たとえその穴部に高精度が要求される場合であっても全数検査を回避することが可能で全数検査に伴うコストアップを抑制することができる。
【0085】
請求項3、請求項4、請求項8、請求項9のいずれかに係る発明によれば、中間成形品を成形する加工ステップにおいて折曲線と交差する方向に延びる塑性加工部が隣接面構成壁部に形成されるので、後の加工ステップにおいて互いに密着した一対の辺同士の接合部を含む面又は一構成壁部により構成される面が加圧されても、この外力(加圧力)が塑性変形部に吸収されてパイプ体の隣接面構成壁部により構成される面の変形が防止され、たとえその面に高精度が要求される場合であっても全数検査を回避することが可能で全数検査に伴うコストアップを抑制することができる。
特に、中間成形品を成形する加工ステップにおいて隣接面構成壁部に穴部が形成されるとともに、その隣接面構成壁部上で折曲線に沿って穴部の前方又は後方に位置するように、かつ、穴部の上端及び下端よりも上方及び下方まで延びるように塑性加工部が形成されるので、隣接面構成壁部においてプレス加工時の外力が塑性変形部に集まり穴部の変形が防止され、たとえその穴部に高精度が要求される場合であっても全数検査を回避することが可能で全数検査に伴うコストアップを抑制することができる。
【0087】
請求項5又は請求項10に係る発明によれば、塑性加工部が穴部の近傍に形成されるので、隣接面構成壁部において穴部近傍に生じる応力が塑性変形部の方に集まり、穴部の変形が効果的に防止される。
【0088】
請求項6又は請求項11に係る発明によれば、塑性加工部が折曲線に沿って穴部の前方及び後方に位置するように形成されるので、穴部の前方及び後方の双方で外力が吸収されることとなり、塑性加工部が穴部の前方又は後方のいずれか一方のみに形成される場合に比べて穴部の変形がより一層防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係るパイプ体を示す斜視図である。
【図2】図1のパイプ体を示す正面図である。
【図3】図1、図2のパイプ体の製造に用いる金属プレートを示す平面図である。
【図4】実施の形態1に係る一次中間成形品を示し、(a)は正面図、(b)は平面図である。
【図5】図4の一次中間成形品の成形に用いるプレス装置を示し、(a)は金属プレートを可動プレートに載置した状態の説明図、(b)はその金属プレートを加圧した状態の説明図である。
【図6】実施の形態1に係る二次中間成形品を示す正面図であり、(a)はその全体図、(b)は部分拡大図である。
【図7】図6の二次中間成形品を示す斜視図である。
【図8】図6、図7の二次中間成形品の成形に用いるプレス装置を示し、(a)は一次中間成形品を可動プレートに載置した状態の説明図、(b)はその一次中間成形品を加圧した状態の説明図である。
【図9】二次中間成形品及びその成形に用いるプレス装置の他の例を示す説明図である。
【図10】一構成壁部に対して隣接面構成壁部が大きい場合の二次中間成形品の例を示す正面図である。
【図11】二次中間成形品の成形に用いるプレス装置のさらに他の例を示す説明図である。
【図12】図11のプレス装置により成形された二次中間成形品を示す正面図である。
【図13】図6、図7の二次中間成形品をプレス成形装置にセットした状態を示す説明図である。
【図14】図13のプレス成形装置にセットした二次中間成形品の屈曲部に第三加圧パンチ部材が当接した状態を示す説明図である。
【図15】図13のプレス成形装置において第三加圧パンチ部材の駆動が完了した状態を示す説明図である。
【図16】図13のプレス成形装置において第四加圧パンチ部材が上面構成壁部を加圧した状態を示す説明図である。
【図17】図1、図2のパイプ体に生じるスプリングバックを説明するための模式図である。
【図18】実施の形態2に係るプレス成形装置に二次中間成形品をセットした状態を示す説明図である。
【図19】図18のプレス成形装置にセットした二次中間成形品の屈曲部に第三加圧パンチ部材が当接した状態を示す説明図である。
【図20】図18のプレス成形装置において二次中間成形品の一構成壁部の外側への膨出が阻止されている状態を示す説明図である。
【図21】図18のプレス成形装置において第三加圧パンチ部材の駆動が完了した状態を示す説明図である。
【図22】図18のプレス成形装置において第四加圧パンチ部材が上面構成壁部を加圧した状態を示す説明図である。
【図23】プレス成形装置の他の例を示す説明図である。
【図24】実施の形態3に係るプレス成形装置に二次中間成形品をセットした状態を示す説明図である。
【図25】図24のプレス成形装置にセットした二次中間成形品の屈曲部に第三加圧パンチ部材が当接した状態を示す説明図である。
【図26】図24のプレス成形装置において第三加圧パンチ部材の駆動が完了した状態を示す説明図である。
【図27】図24のプレス成形装置において第四加圧パンチ部材が上面構成壁部を加圧した状態を示す説明図である。
【図28】実施の形態3に係るパイプ体を示す斜視図である。
【図29】図28のパイプ体を示す正面図である。
【図30】図28、図29のパイプ体に生じるスプリングバックを説明するための模式図である。
【図31】本発明に係るパイプ体がフレームに用いられた画像形成装置を示す説明図である。
【図32】本発明の実施例に係る板体の形状を示す説明図である。
【図33】図32の板体に対する比較例としての板体の形状を示す説明図である。
【図34】図32の板体に対するシミュレーション条件を示し、(a)は荷重箇所を示す説明図、(b)は固定箇所を示す説明図である。
【図35】図33の板体に対するシミュレーション条件を示し、(a)は荷重箇所を示す説明図、(b)は固定箇所を示す説明図である。
【図36】図34の条件下における変形状況を示す説明図である。
【図37】図35の条件下における変形状況を示す説明図である。
【図38】図34の条件下における応力分布状況を示す説明図である。
【図39】図35の条件下における応力分布状況を示す説明図である。
【図40】図32、図33の各板体について荷重と変位量差との関係を示すグラフである。
【図41】従来のパイプ体の製造方法を示し、(a)は金属プレートを、(b)は(a)の金属プレートを折り曲げて成形される中間成形品を、(c)は(b)の中間成形品をプレス成形装置にセットした状態を、(d)は(c)の中間成形品を左右から加圧する状態を、(e)は(d)の後に上下から加圧する状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1,1’ パイプ体
5e 合わせ目(接合部)
6 金属プレート
6a ネジ穴(穴部)
6c,6d 折曲線
6e,6e 一対の辺
6f 塑性加工部
14,14’ 二次中間成形品(中間成形品)
15 一構成壁部
16a,16b 隣接面構成壁部
32 画像形成装置

Claims (11)

  1. 互いに平行な一対の辺を有する金属プレートを前記一対の辺と平行な折曲線に沿って折り曲げるとともに、前記一対の辺同士を接合させることにより、断面が矩形状のパイプ体を製造するパイプ体の製造方法であって、
    前記矩形の各辺に対応する面のうち前記一対の辺同士の接合部を含まないものを構成する三つの構成壁部を有し、該三つの構成壁部の中央にある一構成壁部と該一構成壁部に隣接する二つの隣接面構成壁部とのなす各角度が鈍角で前記一対の辺同士が離間状態にある中間成形品を成形する加工ステップと、
    前記二つの隣接面構成壁部に外力を加えて前記一構成壁部を外側に向かって膨出するように湾曲させるとともに、前記一対の辺同士を密着させる加工ステップと、
    前記一構成壁部の湾曲部分に外力を加えて前記一構成壁部を平坦状に変形させ、前記一対の辺同士の密着状態を維持するスプリングバック力を残留させる加工ステップとを有し、
    前記中間成形品を成形する加工ステップにおいて、前記折曲線と交差する方向に延びる塑性加工部を前記隣接面構成壁部に形成し、
    前記中間成形品を成形する加工ステップにおいて、前記二つの隣接面構成壁部の少なくとも一方に穴部を形成するとともに、前記塑性加工部を前記穴部が形成される隣接面構成壁部上で前記折曲線に沿って前記穴部の前方又は後方に位置するように、かつ、前記穴部の上端及び下端よりも上方及び下方まで延びるように形成することを特徴とするパイプ体の製造方法。
  2. 前記スプリングバック力を残留させる加工ステップにおいて、互いに密着した前記一対の辺同士の接合部を含む面を加圧することにより、前記一構成壁部の湾曲部分に外力を加えて前記一構成壁部を平坦状に変形させることを特徴とする請求項1に記載のパイプ体の製造方法。
  3. 互いに平行な一対の辺を有する金属プレートを前記一対の辺と平行な折曲線に沿って折り曲げるとともに、前記一対の辺同士を接合させることにより、断面が矩形状のパイプ体を製造するパイプ体の製造方法であって、
    前記矩形の各辺に対応する面のうち前記一対の辺同士の接合部を含まないものを構成する三つの構成壁部を有し、該三つの構成壁部の中央にある一構成壁部と該一構成壁部に隣接する二つの隣接面構成壁部とのなす各角度が鈍角で前記一対の辺同士が離間状態にある中間成形品を成形する加工ステップと、
    前記二つの隣接面構成壁部に外力を加えて前記一対の辺同士を密着させるとともに、外側に向かって膨出しようとする前記一構成壁部の湾曲を阻止して該一構成壁部を平坦状に保つことにより、前記一対の辺同士の密着状態を維持するスプリングバック力を残留させる加工ステップと、
    互いに密着した前記一対の辺同士の接合部を含む面又は前記一構成壁部により構成される面を加圧する加工ステップとを有し、
    前記中間成形品を成形する加工ステップにおいて、前記折曲線と交差する方向に延びる塑性加工部を前記隣接面構成壁部に形成し、
    前記中間成形品を成形する加工ステップにおいて、前記二つの隣接面構成壁部の少なくとも一方に穴部を形成するとともに、前記塑性加工部を前記穴部が形成される隣接面構成壁部上で前記折曲線に沿って前記穴部の前方又は後方に位置するように、かつ、前記穴部の上端及び下端よりも上方及び下方まで延びるように形成することを特徴とするパイプ体の製造方法。
  4. 互いに平行な一対の辺を有する金属プレートを前記一対の辺と平行な折曲線に沿って折り曲げるとともに、前記一対の辺同士を接合させることにより、断面が矩形状のパイプ体を製造するパイプ体の製造方法であって、
    前記矩形の各辺に対応する面のうち前記一対の辺同士の接合部を含まないものを構成する三つの構成壁部を有し、該三つの構成壁部の中央にある一構成壁部と該一構成壁部に隣接する二つの隣接面構成壁部とのなす各角度が直角で前記一対の辺同士が離間状態にある中間成形品を成形する加工ステップと、
    前記二つの隣接面構成壁部に外力を加えて前記一対の辺同士を密着させるとともに、内側に向かって凸となる凸部を前記矩形のいずれかの辺に対応する面に位置するように形成することにより、前記一対の辺同士の密着状態を維持するスプリングバック力を残留させる加工ステップと、
    互いに密着した前記一対の辺同士の接合部を含む面又は前記一構成壁部により構成される面を加圧する加工ステップとを有し、
    前記中間成形品を成形する加工ステップにおいて、前記折曲線と交差する方向に延びる塑性加工部を前記隣接面構成壁部に形成し、
    前記中間成形品を成形する加工ステップにおいて、前記二つの隣接面構成壁部の少なくとも一方に穴部を形成するとともに、前記塑性加工部を前記穴部が形成される隣接面構成壁部上で前記折曲線に沿って前記穴部の前方又は後方に位置するように、かつ、前記穴部の上端及び下端よりも上方及び下方まで延びるように形成することを特徴とするパイプ体の製造方法。
  5. 前記中間成形品を成形する加工ステップにおいて、前記塑性加工部を前記穴部の近傍に形成することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のパイプ体の製造方法。
  6. 前記中間成形品を成形する加工ステップにおいて、前記塑性加工部を前記折曲線に沿って前記穴部の前方及び後方に位置するように形成することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のパイプ体の製造方法。
  7. 互いに平行な一対の辺を有する金属プレートを前記一対の辺と平行な折曲線に沿って折り曲げるとともに、前記一対の辺同士を接合させることにより製造された断面が矩形状のパイプ体であって、
    前記矩形の各辺に対応する面のうち前記一対の辺同士の接合部を含まないものを構成する三つの構成壁部を有し、該三つの構成壁部の中央にある一構成壁部と該一構成壁部に隣接する二つの隣接面構成壁部とのなす各角度が鈍角で前記一対の辺同士が離間状態にある中間成形品を成形する加工ステップと、
    前記二つの隣接面構成壁部に外力を加えて前記一構成壁部を外側に向かって膨出するように湾曲させるとともに、前記一対の辺同士を密着させる加工ステップと、
    前記一構成壁部の湾曲部分に外力を加えて前記一構成壁部を平坦状に変形させ、前記一対の辺同士の密着状態を維持するスプリングバック力を残留させる加工ステップとを経て製造され、
    前記中間成形品を成形する加工ステップにおいて、前記折曲線と交差する方向に延びる塑性加工部が前記隣接面構成壁部に形成され、
    前記中間成形品を成形する加工ステップにおいて、前記二つの隣接面構成壁部の少なくとも一方に穴部が形成されるとともに、前記穴部が形成される隣接面構成壁部上で前記折曲線に沿って前記穴部の前方又は後方に位置するように、かつ、前記穴部の上端及び下端よりも上方及び下方まで延びるように前記塑性加工部が形成されたことを特徴とするパイプ体。
  8. 互いに平行な一対の辺を有する金属プレートを前記一対の辺と平行な折曲線に沿って折り曲げるとともに、前記一対の辺同士を接合させることにより製造された断面が矩形状のパイプ体であって、
    前記矩形の各辺に対応する面のうち前記一対の辺同士の接合部を含まないものを構成する三つの構成壁部を有し、該三つの構成壁部の中央にある一構成壁部と該一構成壁部に隣接する二つの隣接面構成壁部とのなす各角度が鈍角で前記一対の辺同士が離間状態にある中間成形品を成形する加工ステップと、
    前記二つの隣接面構成壁部に外力を加えて前記一対の辺同士を密着させるとともに、外側に向かって膨出しようとする前記一構成壁部の湾曲を阻止して該一構成壁部を平坦状に保つことにより、前記一対の辺同士の密着状態を維持するスプリングバック力を残留させる加工ステップと、
    互いに密着した前記一対の辺同士の接合部を含む面又は前記一構成壁部により構成される面を加圧する加工ステップとを経て製造され、
    前記中間成形品を成形する加工ステップにおいて、前記折曲線と交差する方向に延びる塑性加工部が前記隣接面構成壁部に形成され、
    前記中間成形品を成形する加工ステップにおいて、前記二つの隣接面構成壁部の少なくとも一方に穴部が形成されるとともに、前記穴部が形成される隣接面構成壁部上で前記折曲線に沿って前記穴部の前方又は後方に位置するように、かつ、前記穴部の上端及び下端よりも上方及び下方まで延びるように前記塑性加工部が形成されたことを特徴とするパイプ体。
  9. 互いに平行な一対の辺を有する金属プレートを前記一対の辺と平行な折曲線に沿って折り曲げるとともに、前記一対の辺同士を接合させることにより製造された断面が矩形状のパイプ体であって、
    前記矩形の各辺に対応する面のうち前記一対の辺同士の接合部を含まないものを構成する三つの構成壁部を有し、該三つの構成壁部の中央にある一構成壁部と該一構成壁部に隣接する二つの隣接面構成壁部とのなす各角度が直角で前記一対の辺同士が離間状態にある中間成形品を成形する加工ステップと、
    前記二つの隣接面構成壁部に外力を加えて前記一対の辺同士を密着させるとともに、内側に向かって凸となる凸部を前記矩形のいずれかの辺に対応する面に位置するように形成することにより、前記一対の辺同士の密着状態を維持するスプリングバック力を残留させる加工ステップと、
    互いに密着した前記一対の辺同士の接合部を含む面又は前記一構成壁部により構成される面を加圧する加工ステップとを経て製造され、
    前記中間成形品を成形する加工ステップにおいて、前記折曲線と交差する方向に延びる塑性加工部が前記隣接面構成壁部に形成され、
    前記中間成形品を成形する加工ステップにおいて、前記二つの隣接面構成壁部の少なくとも一方に穴部が形成されるとともに、前記穴部が形成される隣接面構成壁部上で前記折曲線に沿って前記穴部の前方又は後方に位置するように、かつ、前記穴部の上端及び下端よりも上方及び下方まで延びるように前記塑性加工部が形成されたことを特徴とするパイプ体。
  10. 前記中間成形品を成形する加工ステップにおいて、前記塑性加工部が前記穴部の近傍に形成されたことを特徴とする請求項7ないし請求項9のいずれか1項に記載のパイプ体。
  11. 前記中間成形品を成形する加工ステップにおいて、前記塑性加工部が前記折曲線に沿って前記穴部の前方及び後方に位置するように形成されたことを特徴とする請求項7ないし請求項10のいずれか1項に記載のパイプ体。
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