JP3912985B2 - 界面活性剤担持用顆粒群の製法 - Google Patents

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Description

【0001】
技術分野
本発明は液状の界面活性剤を添加して洗剤粒子群を製造するための界面活性剤担持用顆粒群の製法に関する。さらに本発明は、かかる界面活性剤担持用顆粒群を用いる洗剤粒子群の製法に関する。
【0002】
背景技術
洗剤に用いられる界面活性剤としては、液状の形態のものが使用されることがよくある。例えば、皮脂汚れの洗浄性能に優れる非イオン性界面活性剤は、常温では液状又はペースト状である。また、多くの陰イオン性界面活性剤は固体であるが、取扱いの容易さからしばしば水溶液の形態で用いられる。
【0003】
このような液状の界面活性剤を粉末洗剤に用いる方法として、該界面活性剤を含む組成物を顆粒群に担持させることがある。このような用途の顆粒群としては、界面活性剤のシミ出し抑制の観点から該界面活性剤の吸収量(担持能)が大きいものが好ましい。該界面活性剤が顆粒群で担持しきれなかった場合は、粉末洗剤としての物性を維持する為に、通常、担持能が高い吸油担体等を用いるが、吸油担体は洗浄性能には余り寄与せず、粉末洗剤の品質の点からも、使用量の低減が求められる。
【0004】
担持能向上を目的とする技術としては、特開昭57−159898号公報や特開昭62−112697号公報に開示された技術がある。しかしながらこれらの技術においては、上記目的を達成するために洗浄性能に不必要な物質を配合したり、組成上の制約を必要とするものであるため、担持能の向上と引換えに洗浄力の低下が生じる懸念がある。
【0005】
洗剤組成物に配合される顆粒群の一つとして、水溶性塩類や水溶性ポリマー等の水溶性成分を含有したスラリーを噴霧乾燥することにより得られる噴霧乾燥粒子群がある。この噴霧乾燥粒子群を界面活性剤を担持させる顆粒群として使用する場合、その製造過程から表面が水溶性成分を含有した膜で被覆された構造となるため、その担持能を高めることは困難であった。
【0006】
発明の開示
従って本発明の課題は、洗浄力を低下させることなく担持能が向上した界面活性剤担持用顆粒群の製法を提供することにある。さらに本発明は、かかる顆粒群を用いる、洗浄性に優れた洗剤粒子群の製法を提供することにある。
これらの本発明の目的及び他の目的は、以下の記載から明らかにされるであろう。
【0007】
即ち、本発明の要旨は、
〔1〕 顆粒表面に水溶性成分を含有する被膜が形成されている原料顆粒群において、原料顆粒群と水性媒体とを接触させて被膜に欠損を与える工程を含み、接触させる水性媒体の量が、原料顆粒群100重量部に対して水として0.1〜10重量部である界面活性剤担持用顆粒群の製法、及び
〔2〕 界面活性剤組成物が液状を呈する条件下にて、該界面活性剤組成物と前記〔1〕記載の製法によって得られた界面活性剤担持用顆粒群とを混合する工程を有する洗剤粒子群の製法、に関するものである。
【0008】
図面の簡単な説明
第1図は原料顆粒群のSEMの図面であり、(a)はその割断面を示し、(b)はその表面を示す。
第2図は、原料顆粒群に水性媒体を接触させた後の顆粒群の表面を示すSEMの図面である。
【0009】
発明を実施するための最良の形態
1.原料顆粒群の組成
原料顆粒群に好適に配合される水溶性成分としては主として、水溶性ポリマー(A)、水溶性塩類(B)がある。顆粒群中には(A)成分又は(B)成分のいずれか一方のみが配合されてもよいし、(A)成分と(B)成分の両方が含まれていてもよい。かかる水溶性成分はいずれも洗浄性の向上に寄与するため、該成分を含有する原料顆粒群はより好ましい。
【0010】
水溶性成分のうち、(A)成分として、カルボン酸系ポリマー、カルボキシメチルセルロース、可溶性澱粉、糖類等が挙げられるが、中でもカルボン酸系ポリマーが洗浄力の点から好ましい。水溶性ポリマーは二種以上を組み合わせて用いても良い。カルボン酸系ポリマーは、金属イオンを封鎖する機能を有する他、固体粒子汚れを衣料から洗濯浴中へ分散させる作用とその粒子が衣料へ再付着することを防ぐ目的から、分子量が2000〜10万のアクリル酸ホモポリマーやアクリル酸−マレイン酸コポリマー、又はそれらの塩が好適である。
【0011】
(B)成分として、炭酸根、炭酸水素根、硫酸根、亜硫酸根、硫酸水素根、塩酸根、又はリン酸根等をそれぞれ有するアルカリ金属塩、アンモニウム塩、又はアミン塩に代表される水溶性の無機塩類や、クエン酸塩やフマル酸塩等の低分子量の水溶性有機塩類が挙げられる。水溶性塩類は二種以上を組み合わせて用いても良い。上記アルカリ金属塩のうち炭酸ナトリウムは洗濯液中で好適なpH緩衝領域を示すアルカリ剤として好ましい基剤である。硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、亜硫酸ナトリウム等の解離度の高い塩類は、洗濯液のイオン強度を高め、皮脂汚れ洗浄性等に好適に作用する。トリポリリン酸ナトリウムの使用も、本発明の効果を妨げるものではない。
【0012】
このように、(A)成分、(B)成分のいずれも洗剤成分として好ましい性質を有する。
【0013】
界面活性剤担持用顆粒群の担持能をより向上させるには、原料顆粒群はさらに水不溶性無機物(C)を含有することが好ましい。(C)成分の水不溶性無機物としては一次粒子の平均粒径が0.1〜20μmのものが好ましく、例えば、アルミノケイ酸塩や、二酸化ケイ素、水和ケイ酸化合物、パーライト、ベントナイト等の粘土化合物等があるが、アルミノケイ酸塩や、二酸化ケイ素、水和ケイ酸化合物が好適であり、中でも結晶性アルミノケイ酸塩は洗剤組成物中で金属イオン封鎖剤として作用することから好ましい。
【0014】
したがって、原料顆粒群としては、水溶性ポリマー(A)、水溶性塩類(B)及び水不溶性無機物(C)を含有してなるものが、洗浄性及び担持能の観点から好ましい。
【0015】
本発明における顆粒表面に形成されている水溶性成分を含有する被膜に欠損を与えて得られる界面活性剤担持用顆粒群の担持能を向上させるためには、水不溶性無機物に担持能の大きい基剤を用いることが有効であり、ゼオライトが好適に用いられる。このうち金属イオン封鎖能及びコストの点でA型ゼオライトがより好ましい。金属イオン封鎖能は低いが、高い担持能を有する非晶質シリカや非晶質アルミノシリケート等も水不溶性無機物として用いることが出来る。
【0016】
本発明においては、これらの水不溶性無機物は、数種のものを組み合わせても良い。
【0017】
原料顆粒群の組成は、(A)成分の水溶性ポリマーは原料顆粒群の2〜30重量%が好ましく、更に好ましくは3〜20重量%、最も好ましくは5〜20重量%である。(B)成分の水溶性塩類は原料顆粒群の5〜78重量%が好ましく、更に好ましくは10〜70重量%、最も好ましくは20〜60重量%である。(C)成分の水不溶性無機物は原料顆粒群の20〜90重量%が好ましく、更に好ましくは30〜75重量%、最も好ましくは40〜70重量%である。この範囲において、得られる界面活性剤担持用顆粒群の担持能と粒子強度が両立する点から好適である。
【0018】
原料顆粒群中にこれら(A)〜(C)の三成分以外に、最終の洗剤組成物に好適な蛍光染料、顔料、染料等の補助成分を含んでも構わない。補助成分の含有量は原料顆粒群の5重量%以下が好ましく、更に好ましくは2重量%以下である。
【0019】
担持能の観点から、界面活性剤は原料顆粒群に実質的に含まれないことが最も好ましい。界面活性剤を配合する場合、その含有量は原料顆粒群の5重量%以下が好ましく、更に好ましくは2重量%以下である。なお、これら補助成分、界面活性剤の含有量はスラリーの固形分を基準にした値である。
【0020】
原料顆粒群中の界面活性剤の含有量が高過ぎると、1)原料顆粒の表面に界面活性剤を含有する被膜が形成される構造となり、水性媒体を添加しても担持能向上の効果が十分に発揮されない、2)原料顆粒の強度が低下する傾向にあり、被膜に欠損を与える工程において該顆粒が崩壊し易くなる。したがって、例えば、特表平9−502220号公報に記載のような、比較的多量の界面活性剤が含まれている「スプレー乾燥材料」を原料顆粒群として用いても、本願に示されるような、界面活性剤の担持能に優れた顆粒群を得ることは困難である。
【0021】
2.原料顆粒群の物性
原料顆粒群の好ましい平均粒径は150〜500μm、さらに好ましくは180〜300μmである。この範囲において、良好な溶解性を有する洗剤粒子群が得られる点から好適である。
【0022】
原料顆粒群の好ましい嵩密度は400〜1000g/L、さらに好ましくは500〜800g/Lである。この範囲において、嵩密度が500g/L以上の洗剤粒子群が得られる点で好適である。
【0023】
原料顆粒群の水分量は好ましくは1〜8重量%、より好ましくは1〜5重量%である。この範囲において、原料顆粒群の取り扱い性が良好となる点から好適である。
【0024】
3.原料顆粒群の態様
界面活性剤を担持させるための原料顆粒群は、水溶性成分を含有する被膜がその表面に形成されている顆粒群である。かかる被膜を有する態様としては、例えば、水溶性成分等を含有したスラリーの噴霧乾燥によって得られる乾燥粒子群が挙げられる。
【0025】
4.水性媒体の態様
原料顆粒群(以下、単に顆粒群ともいう)に接触させる水性媒体は水を含有するものである。具体的には、水でも良いがその効果を妨げない範囲で無機塩の水溶液でも良い。水性媒体を接触させることにより顆粒群の担持性が向上する。これは、原料顆粒表面に形成された水溶性成分を含有する被膜が、水性媒体の接触により溶解し、顆粒表面に多孔質の構造が露出されることによるものと考えられる。顆粒群の担持能をより向上させるには有機物質が溶解した水性媒体が好ましい。水性媒体に有機物質を少量添加すると水性媒体の表面張力が低下し、顆粒表面をぬらしやすくなって表面を多孔化し易くなる。大部分の有機物質は水に溶解した場合にその表面張力を低下させる作用を有するが、洗剤組成物の点から界面活性剤が好ましい。
【0026】
水性媒体と顆粒群との接触方法は、顆粒群に水性媒体を均一に接触できる方法が好ましく、スプレーノズル等によって水性媒体を微粒化して添加(噴霧)することがより均一に表面を多孔化できるため好ましい。この時の水性媒体の液滴径は好ましくは500μm以下、更に好ましくは100μm以下である。
【0027】
顆粒群に接触させる水性媒体の温度が高いほど、担持能向上の効果が大きくなり、最も好ましい態様は水蒸気である。高温の水蒸気を用いることにより顆粒を被覆している水溶性成分を含有した被膜は溶解し易くなるため、多孔化が容易となる。水性媒体に水蒸気を用いることにより、常温の水を使用した場合よりも少量で担持能の向上が図れるとともに、担持能向上の効果も著しい。顆粒群に添加する水性媒体の量が多くなり過ぎると、水性媒体そのものが顆粒の担持空間を充填してしまい担持能があまり向上しない場合がある。この場合、後工程で乾燥を行わなければならないが、水蒸気を用いる場合は少量の添加で充分な効果が得られるため後工程での乾燥を必要としない。水蒸気を用いる場合の温度としては、105℃以上が好ましく、110℃以上がより好ましい。
【0028】
顆粒群に接触させる水性媒体の量は、所定の効果を発揮させる観点及び溶解した水溶性被膜成分による開孔部の再被膜防止の観点からは、水性媒体中の水として、顆粒群100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましく、0.5〜5重量部がより好ましく、1〜3重量部が特に好ましい。
【0029】
5.界面活性剤担持用顆粒群の製法
本発明の製法は原料顆粒表面に形成されている水溶性成分を含有する被膜に欠損を与える工程を含むものであり、その一態様としては、例えば、以下に記す工程(a)及び工程(b)を含む態様が挙げられる。さらに必要に応じて、工程(b)の後に工程(c)を設けても構わない。
工程(a):スラリーを乾燥させて、顆粒表面に水溶性成分を含有する被膜が形成されている原料顆粒群を製造する工程
工程(b):工程(a)で得られた原料顆粒群の被膜に欠損を与える工程
工程(c):工程(b)で得られた界面活性剤担持用顆粒群を乾燥する工程
以下に(a)〜(c)の各工程の好ましい態様について記す。
【0030】
工程(a)について
スラリーの乾燥方法としては、公知の噴霧乾燥や、スチール製のベルト上に多数のスラリー液滴を散布して昇温したトンネル内を通過させて乾燥顆粒群を得る方法や、熱媒体の流れている一対のドラムの間にスラリーを流入させて乾燥薄膜にした後、微粉砕して顆粒群を得る方法等がある。中でも噴霧乾燥により得られた顆粒群を用いた場合に担持能向上の効果が大きいため、かかる製法により得られる顆粒群が好ましい。
【0031】
スラリーの媒体としては、通常水が用いられる。スラリー中の水溶性成分や水不溶性無機物等の各成分の含有量は、製造に支障を来さない程度であれば特に限定されない。具体的には、上記含有量はスラリーの30〜65重量%が好ましく、45〜60重量%がより好ましい。
【0032】
スラリーの乾燥によって原料顆粒群を得る場合、水溶性成分を含有するスラリーを用いることは、水溶性成分を容易に原料顆粒群に配合できるため好ましい。通常、スラリー中の各成分の含有比は得られる顆粒群においても保たれる。そのため、スラリー中の各成分の個別的な含有量としては、得られる原料顆粒群についての上記の好適な含有量を満たすことが好ましい。
【0033】
また、後述の工程(b)で水性媒体を添加する場合は、工程(b)で添加される水分量を考慮して、あらかじめ顆粒群の水分を製品洗剤の規定値より低くするように噴霧乾燥を行うと、後工程での乾燥操作の負荷が低減できるか、乾燥操作が不要となる。
【0034】
工程(b)について
本発明でいう被膜の欠損とは、顆粒の内部に顆粒の外部から添加される界面活性剤が容易に到達できる程度に被膜が物理的に部分的に破損することを意味し、甚だしい場合には顆粒の内部構造が露出される。その形態としては、程度の違いにより、被膜の部分的な剥離や亀裂、開孔等がある。これらは何れも電子顕微鏡等を用いて確認することができる。原料顆粒表面に形成されている水溶性成分を含有する被膜に欠損を与える方法として、一つには原料顆粒群に機械的な衝撃力を加える操作が有効である。具体的には、高速で回転する攪拌翼を備えた混合機で原料顆粒群を処理する方法が効果的であるが、このような混合機でなくとも、例えばドラム型ミキサーのような容器壁面と原料顆粒間で剪断力が生じるような混合機を用いて処理する方法も可能である。このような混合機を用いて原料顆粒群に衝撃力を加えることにより、原料顆粒表面に形成された被膜の一部が欠損して顆粒表面に多孔質の構造を露出させることができる。
【0035】
この方法に用いられる混合機は、連続型の装置として、例えばフレキソミックス型((株)パウレック製)、スパイラルピンミキサー(太平洋機工(株)製)、フロージェットミキサー((株)粉研パウテックス製)、タービュライザー(ホソカワミクロン(株)製)等がある。
【0036】
回分式で行う場合は、例えばヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株)製)、ハイスピードミキサー(深江工業(株)製)、バーティカルグラニュレーター((株)パウレック製)、レディゲミキサー(松坂技研(株)製)、プロシェアミキサー(太平洋機工(株)製)、リボンミキサー(不二パウダル(株)製)、水平円筒型混合機、円錐ドラム型混合機、多段円錐ドラム型混合機、傾斜誘導板付きドラム混合機、二重ドラム型混合機、攪拌羽根付きドラム混合機等がある。
【0037】
原料顆粒表面に形成されている水溶性成分を含有する被膜に欠損を与える他の方法として、水性媒体と原料顆粒群とを接触させる方法がある。水性媒体と原料顆粒群とを接触させる方法は特に限定されないが、原料顆粒群に対して水性媒体をより均一に接触させるほど、担持能向上の効果は大きくなる。
【0038】
均一に接触させるための最も簡易な方法は、例えば、噴霧乾燥塔から排出された顆粒群に直接水性媒体を添加する方法である。噴霧乾燥塔から落下している顆粒群に水性媒体を噴霧してもよいし、噴霧乾燥塔から次の工程へ送られるコンベア上の顆粒群に水性媒体を噴霧してもよい。
【0039】
さらに別の方法として、混合機を用いて水性媒体を顆粒群に添加する方法がある。かかる方法は、前記の方法よりもさらに均一に接触させることができ、同時に機械的な衝撃力も加えることができるため、担持能の向上効果はより大きくなる。
【0040】
この方法に用いられる混合機は、機械的な衝撃力を加えるための混合機と同様のタイプが使用できる。その中で特に好ましいのはフレキソミックス型である。粉体投入口付近に設置したスプレーノズルから水性媒体を噴霧して竪型シリンダー内で顆粒群に添加することにより、極く短時間での均一混合が可能となる。
【0041】
これら混合機による水性媒体の顆粒群への添加操作は、噴霧乾燥塔の出口から界面活性剤担持用顆粒群に界面活性剤を吸収させる混合機までの間であればどこで実施してもよい。さらには、後述の(c)工程の装置を用いて界面活性剤組成物と混合する前に顆粒群に機械的な衝撃力を加えてもかまわない。
【0042】
以上の工程(b)により界面活性剤組成物担持用顆粒群が得られる。
なお、工程(a)において、水分の蒸発は主としてスラリーの表面で起こることから、水溶性成分を含有するスラリーを噴霧乾燥させると、乾燥の進行につれてスラリー中に溶解している水溶性成分は水分とともに表面に移動する。そして最終的には、得られる顆粒はその表面が水溶性成分を含有した膜で被覆された構造を呈するようになる。スラリー中にさらに水不溶性物質が含有されている場合には、得られる顆粒は水不溶性物質が内部に多く存在し、そのまわりに水溶性成分を含有した被膜が形成している構造を呈する。顆粒のこのような構造は、走査型電子顕微鏡(SEM)で該顆粒の割断面及び/又は表面を観察することやエネルギー分散型分光法(EDS)により分析できる。特に、水溶性成分である洗剤中のアルカリ成分として好適に用いられる炭酸ナトリウムやケイ酸ナトリウム、キレート効果を有する水溶性ポリマーはこれらの現象が顕著である。
【0043】
顆粒表面がこのような膜によって被覆されていると、該顆粒内部に細孔等の担持空間や担持能を有する物質が存在していて潜在的には高い担持能を有していても、表面にある液を吸収すべき細孔がほとんど覆われているため顆粒群の実際の担持能は低くなってしまう。したがって、顆粒群の担持能を向上させるためには、内部の担持空間及び/又は担持能を有する物質を有効に活用する必要がある。そこで本発明では、工程(b)において上記被膜に欠損を与えて表面を多孔性にすることにより、顆粒群の担持能の向上を図っている。したがって、本発明は、従来は界面活性剤担持用顆粒群には不向きであった、水溶性成分を含有するスラリーを噴霧乾燥して得られる乾燥粒子群を原料顆粒群として用いる場合に、特に好適に適用できる。
【0044】
このように、本発明は水溶性成分を含有する被膜が表面に形成された顆粒に特有の課題の解決を図るものであり、在来洗剤の嵩密度を設定範囲に維持したまま生産能力の向上を図るという特開昭63−275699号公報に記載の技術とは明らかに技術思想が相違する。
【0045】
工程(c)について
工程(b)にて得られた界面活性剤担持用顆粒群を必要に応じて乾燥させてもよい。界面活性剤担持用顆粒群の乾燥方法としては特に限定されないが、流動層乾燥機や気流乾燥機、通気ドラム型乾燥機、振動輸送乾燥機等の装置を利用する公知の方法が用いられる。また、工程(b)にて得られた界面活性剤担持用顆粒群を後述の(d)工程の装置へ輸送する際に、空気輸送を用いれば、輸送と同時に乾燥させることができる。輸送空気に乾燥熱風を用いれば乾燥効果は更に高まる。
【0046】
6.界面活性剤担持用顆粒群の組成及び物性
界面活性剤担持用顆粒群の各成分の組成は限定されないが、本発明の製法においては、その組成は通常原料顆粒群の組成が維持される。
【0047】
界面活性剤担持用顆粒群の好ましい平均粒径は150〜500μm、さらに好ましくは180〜300μmである。この範囲において、良好な溶解性を有する洗剤粒子群が得られる点から好適である。
【0048】
界面活性剤担持用顆粒群の好ましい嵩密度は400〜1000g/L、さらに好ましくは500〜800g/Lである。この範囲において、嵩密度が500g/L以上の洗剤粒子群が得られる点で好適である。
【0049】
界面活性剤担持用顆粒群の好ましい粒子強度は5〜200MPa、さらに好ましくは10〜150MPa、特に好ましくは15〜100MPaである。この範囲において、該界面活性剤担持用顆粒群に液状の界面活性剤を添加する際には該界面活性剤担持用顆粒群が崩壊せず、かつ洗剤粒子群が水に溶解する際には良好な崩壊性を有する点で好適である。
【0050】
界面活性剤担持用顆粒群の好ましい担持能は20cc/g以上、さらに好ましくは40cc/g以上である。この範囲において、該界面活性剤担持用顆粒群に界面活性剤を添加して得られる洗剤粒子群の組成の自由度向上の点から好適である。
【0051】
界面活性剤担持用顆粒群は以下の水分になるまで乾燥することが好ましい。
界面活性剤担持用顆粒群の水分量は好ましくは1〜8重量%で、より好ましくは1〜5重量%、特に好ましくは1〜4重量%である。この範囲において、担持能が高く、取り扱い性も良好な界面活性剤担持用顆粒群が得られる。
【0052】
7.洗剤粒子群の組成及び物性
本発明の製法によって得られる洗剤粒子群は、本発明の製法により得られる界面活性剤担持用顆粒群に界面活性剤が担持されてなるものである。界面活性剤は、例えば、上記担持用顆粒群と界面活性剤との混合操作時において液状を呈する界面活性剤が挙げられる。したがって、混合操作時の温度にて液体の界面活性剤だけでなく、該温度にて固体の界面活性剤であっても、それを適当な媒体に溶解又は分散させて溶液又は懸濁液として得ることができるものであれば、かかる界面活性剤も使用することができる。
【0053】
担持される液状の界面活性剤としては、好ましくは陰イオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤である。
【0054】
なかでも、30℃以下に融点を有する非イオン界面活性剤(D)、硫酸基又はスルホン酸基を有する陰イオン界面活性剤(E)、及び(D)成分の固定化剤(F)を含有する界面活性剤組成物が担持用の界面活性剤として好適である。この場合、(E)成分の配合量は、(D)成分100重量部に対し0〜300重量部が好ましく、更に好ましくは20〜200重量部、特に好ましくは30〜180重量部である。(F)成分の配合量は、(D)成分100重量部に対し1〜100重量部が好ましく、更に好ましくは5〜50重量部である。
【0055】
(D)成分としては、その融点が好ましくは30℃以下、より好ましくは25℃以下、特に好ましく22℃以下のものである。例えば、ポリオキシアルキレンアルキル(フェニル)エーテル、アルキル(ポリアルキレン)ポリグリコシド、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルが好ましいものとして例示される。
【0056】
特に、炭素数10〜14のアルコールにアルキレンオキシドを4〜12モル(好ましくは6〜10モル)付加したポリオキシアルキレンアルキルエーテルが好ましい。ここで、アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドが挙げられ、好ましくはエチレンオキシドである。該非イオン界面活性剤は二種以上を併用しても良い。該非イオン界面活性剤は水溶液として用いてもよい。
【0057】
(E)成分としては、炭素数10〜18のアルコールの硫酸エステル塩、炭素数10〜18のアルコールのエトキシレート化物の硫酸エステル塩、炭素数10〜18のアルキルベンゼンスルホン酸塩等が挙げられる。これらのうちで、アルキル鎖の炭素数が12〜14の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩が好ましく、特にナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアミン塩が好ましい。
【0058】
(F)成分としては、カルボン酸基又はリン酸基を有する陰イオン界面活性剤(但し、硫酸基又はスルホン酸基を有するものを除く)、具体的には、脂肪酸塩、ヒドロキシ脂肪酸塩、アルキルリン酸塩等の陰イオン界面活性剤等が挙げられる。特に好ましくは、シミ出し抑制及び洗剤粒子強度の点で、炭素数14〜20の飽和脂肪酸のナトリウム、カリウム塩から選ばれる一種以上である。
【0059】
35℃以上の融点を有しかつ(D)成分と相溶性を有する化合物、例えば分子量が3000〜30000のポリオキシアルキレン型非イオン性化合物、分子量が3000〜30000のポリエーテル系非イオン性化合物等から選ばれる一種以上も(F)成分として挙げられる。特にポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましい。
【0060】
界面活性剤の添加量は、洗浄性を発揮させる観点及びシミ出しを防止する観点から、界面活性剤担持用顆粒群100重量部に対して、10〜100重量部の範囲が好ましく、20〜80重量部の範囲がより好ましく、30〜60重量部の範囲が特に好ましい。本発明によって得られる界面活性剤担持用顆粒群は担持能に優れたものであるから、上記のような従来より多量の界面活性剤を、シミ出しが生ずることなく担持することができる。
【0061】
界面活性剤と界面活性剤担持用顆粒群とを混合する際に、所望により該界面活性剤担持用顆粒群以外の粉体原料を添加してもよい。該粉体原料の添加量としては該界面活性剤担持用顆粒群100重量部に対して、0〜150重量部が好ましい。粉体原料としては、例えば、アルミノケイ酸塩、結晶性シリケート等が挙げられる。
【0062】
本発明による洗剤粒子群の好ましい物性は、以下の通りである。
平均粒径は、好ましくは150〜500μm、より好ましくは180〜400μmである。また、溶解性の点から洗剤粒子群の平均粒径は、界面活性剤担持用顆粒群の平均粒径の1.5倍以下が好ましく、1.3倍以下がより好ましい。特に上記範囲の平均粒径を有し、実質的に1つの洗剤粒子が1つの界面活性剤担持用顆粒で構成されている単核性洗剤粒子であることが好ましい。
【0063】
嵩密度は、好ましくは500〜1000g/L、より好ましくは600〜1000g/L、特に好ましくは650〜850g/Lである。
【0064】
耐ケーキング性は、好ましくは篩通過率が90%以上、より好ましくは95%以上である。
【0065】
シミ出し性は、後述の試験法による評価が好ましくは2ランク以上、より好ましくは1ランクであれば搬送系での液状の界面活性剤含有粉末の機器への付着防止、容器にシミ出し防止の工夫が不要となり好ましい。
【0066】
流動性は、流動時間として7秒以下が好ましく、6秒以下がより好ましい。
【0067】
8.洗剤粒子群の製法
洗剤粒子群を得る好適な製法は、以下の工程(d)を含んでなり、更に必要に応じて工程(e)を含んでも構わない。
工程(d):界面活性剤組成物が液状を呈する条件下にて、該界面活性剤組成物と本発明の製法により得られる界面活性剤担持用顆粒群とを混合する工程。
工程(e):工程(d)で得られた混合物と微粉体とを混合し、粉末洗剤組成物の表面を該微粉体で被覆する工程。但し、工程(e)は解砕が同時に進行する場合も含まれる。
【0068】
工程(d)で用いる混合機は、例えば界面活性剤組成物を添加するためのノズルや、混合機内の温度を制御するためにジャケットを備えたものが好ましく、具体的には工程(b)で用いられる装置が好ましい。後述の(e)工程を同一の装置で行なうことができ、設備の簡略化の点から好ましくは、横型の混合槽で円筒の中心に攪拌軸を有し、この軸に攪拌羽根を取り付けて粉末の混合を行う形式のミキサーで、レディゲミキサー(松坂技研(株)製)、プロシェアミキサー(太平洋機工(株)製)等が挙げられる。また、界面活性剤担持用顆粒群の崩壊を抑制できる点から、円錐型スクリュー混合機、例えばナウタミキサー(ホソカワミクロン(株)製)、リボン型混合機、例えばリボンミキサー(日和機械工業(株)製)等も好ましい装置として挙げられる。
【0069】
好適な混合時間(回分式の場合)及び平均滞留時間(連続式の場合)は1〜20分間が好ましく、特に2〜10分間が好ましい。
【0070】
本工程での機内温度は、界面活性剤が液状を呈するために、用いる界面活性剤の流動点以上の温度が好ましく、流動点の10℃以上が好ましく、流動点の20℃以上が特に好ましい。界面活性剤及び界面活性剤組成物の流動点は、JIS
K 2269の方法により測定される値をいう。
【0071】
更に工程(e)を行うことにより、洗剤粒子群の流動性と耐ケーキング性を向上させることができる。工程(d)で得られた混合物が粉末状を呈していない場合に、工程(e)には、微粉体を助剤として用いて混合物を解砕する工程も含まれる。微粉体は、洗剤粒子表面の被覆率の向上、洗剤粒子群の流動性と耐ケーキング性の向上の点から、その一次粒子の平均粒径が10μm以下のものが好ましい。
【0072】
微粉体はアルミノケイ酸塩が好ましく、ケイ酸カルシウム、二酸化ケイ素、ベントナイト、タルク、クレイ、非晶質シリカ誘導体、結晶性シリケート化合物等のシリケート化合物のような無機微粉体や、一次粒子が10μm以下の金属石鹸も用いることができる。
【0073】
微粉体の使用量としては、流動性及び使用感の点で洗剤粒子群100重量部に対して好ましくは0.5〜40重量部、より好ましくは1〜30重量部、特に好ましくは2〜20重量部である。
【0074】
工程(e)で用いられる混合機は、添加する微粉体の分散性の向上、解砕効率の向上の点から、例えば、混合機内に高速回転する解砕翼を具備しているものが好ましく、工程(d)と同一の装置で行うことも可能である。
【0075】
9.原料顆粒群、界面活性剤担持用顆粒群及び洗剤粒子群の物性の測定方法
本明細書における物性値は以下の方法で測定する。
【0076】
(1)平均粒径:JIS Z 8801規定の標準篩を用いて5分間振動させた後、各篩目のサイズによる重量分布から測定する。
【0077】
(2)嵩密度:JIS K 3362規定の方法により測定する。
【0078】
(3)担持能:内部に攪拌翼を具備する内径5cm、高さ15cmの円筒形丸底容器に試料100gを入れ、攪拌しながら亜麻仁油を10cc/minの速度で投入する。その際に攪拌機の動力が最も高くなった時の亜麻仁油の投入量を担持能とする。
【0079】
(4)粒子強度:内径3cm×高さ8cmの円筒状の容器に試料20gを入れ、30回タッピング(筒井理化学器械(株)、TVP1型タッピング式密充填カサ密度測定器、タッピング条件:周期36回/分、60mmの高さから自由落下)を行い、その時の試料高さ(初期試料高さ)を測定する。その後、加圧試験機にて容器内に保持した試料の上端面全体を10mm/minの速度で加圧し、荷重−変位曲線の測定を行い、変位率が5%以下での直線部における傾きに初期試料高さをかけ、加圧面積で除した値を粒子強度とする。
【0080】
(5)水分量:秤量皿に試料3gを入れ、105℃に保持された電気乾燥機で2時間乾燥させ、乾燥前後の試料の重量差を水分量とする。
【0081】
(6)耐ケーキング性:濾紙(ADVANTEC社製 No.2)で長さ10.2cm×幅6.2cm×高さ4cmの天部のない箱を作り、四隅をステープラーでとめる。試料50gを入れた該箱の上にアクリル樹脂板(15g)と鉛板(250g)を載せる。これを温度35℃、湿度40%の雰囲気下で一ヶ月放置した後のケーキング状態について下記の通過率を求めることによって耐ケーキング性を評価する。
【0082】
<通過率> 試験後の試料を篩(JIS Z 8801規定の目開き4760μm)上に静かにあけ、通過した粉末重量を計り、試験後の試料に対する通過率(%)を求める。
【0083】
(7)シミ出し性:耐ケーキング試験を行った濾紙の容器の底部(粉体と非接触面)でのシミ出し状態を目視評価する。評価は底部の濡れ面積で判定し、下記の1〜5ランクとする。
ランク1:濡れていない。
2:1/4程度の面が濡れている。
3:1/2程度の面が濡れている。
4:3/4程度の面が濡れている。
5:全面が濡れている。
【0084】
(8)流動性:流動時間は、JIS K 3362により規定された嵩密度測定用のホッパーから、100mLの粉末が流出するのに要する時間とする。
【0085】
実施例
顆粒群の調製
下記の手順にて原料顆粒群(顆粒群1)を作製した。
容積1m3 の混合槽に水420kgを入れ、温度を40℃に昇温した。これに炭酸ナトリウム120kg、硫酸ナトリウム84kg、亜硫酸ナトリウム9kg、40重量%ポリアクリル酸ナトリウム水溶液135kg、蛍光染料3kg、ゼオライト4A型300kgを逐次加え、30分間攪拌して均質なスラリーを得た。このスラリーの最終温度を60℃に調整した。
【0086】
該スラリーをポンプで噴霧乾燥塔(向流式)に供給し、塔頂付近に設置した圧力噴霧ノズルから噴霧圧2.5MPaで噴霧を行った。噴霧乾燥塔に供給する高温ガスは塔下部より温度が230℃で供給され、塔頂より110℃で排出された。得られた顆粒群1の水分は5重量%であった。顆粒群1の顆粒の割断面及び表面をSEMにて観察したところ、顆粒表面には被膜が形成されており(第1図(a)、(b))、EDS測定により該被膜が水溶性成分を含有していることが確認された。
【0087】
この顆粒群1を用いて界面活性剤担持用顆粒群を製造した。各実施例における、顆粒組成、製造条件を表1に示す。
【0088】
Figure 0003912985
【0089】
実施例1
顆粒群1をフレキソミックス((株)パウレック製、160型)に300kg/hrの割合で連続的に投入し、界面活性剤担持用顆粒群1を得た。このときのフレキソミックスの攪拌翼の回転数を3000rpmに設定し、水性媒体の添加は行わなかった。
【0090】
実施例2
顆粒群1をフレキソミックス((株)パウレック製、160型)に300kg/hrの割合で連続的に投入した。フレキソミックス混合シリンダ内に設置したスプレーノズルを用いて3kg/hrの割合で水を噴霧し、連続的に混合して界面活性剤担持用顆粒群2を得た。このときのフレキソミックスの攪拌翼の回転数を3000rpmに設定した。界面活性剤担持用顆粒群2の表面をSEMにて観察したところ、該顆粒表面からは水溶性成分を含んでなる被膜が部分的に溶融しており、細孔が露出していた(第2図)。
【0091】
実施例3
顆粒群1をフレキソミックスに300kg/hrの割合で連続的に投入した。混合シリンダ内に設置したスプレーノズルを用いて9kg/hrの割合で水を噴霧した。得られた顆粒群10kgを流動層乾燥機に仕込み、100℃の熱風で30分間乾燥することにより水分量が5重量%の界面活性剤担持用顆粒群3を得た。
【0092】
実施例4
実施例2において、水の代わりに120℃の水蒸気を噴霧して界面活性剤担持用顆粒群4を得た。
【0093】
実施例5
顆粒群1を、プロシェアミキサー(太平洋機工(株)製、容量150L)に30kg投入し、主軸を120rpmで回転させた。そこに、スプレーノズルを用いて水0.3kgを2分間で噴霧した。得られた顆粒群のうちの10kgを流動層乾燥機に仕込み、100℃の熱風で30分間乾燥することにより水分量が5重量%の界面活性剤担持用顆粒群5を得た。
顆粒群1及び界面活性剤担持用顆粒群1〜5の物性を表2に示す。本発明による担持能向上効果は明らかである。
【0094】
Figure 0003912985
【0095】
上記で得られた顆粒群1及び界面活性剤担持用顆粒群1〜5を用いて洗剤粒子群を製造した。
【0096】
実施例6
界面活性剤組成物(ポリオキシエチレンアルキルエーテル/ポリエチレングリコール/LAS−Na/水=42/8/42/8(重量比))を80℃にした。この温度では、上記界面活性剤組成物は液状を呈していた。次に、レディゲミキサー(松坂技研(株)製、容量130L、ジャケット付)に界面活性剤担持用顆粒群1を100重量部(20kg)投入し、主軸(攪拌翼回転数:60rpm、周速:1 .6m/s)の攪拌を開始した。尚、ジャケットに80℃の温水を10L/分で流した。そこに、上記界面活性剤組成物30重量部(6kg)を2分間で投入し、その後5分間攪拌を行った。更に、洗剤粒子群として良好な流動性を付与するために、無定形アルミノケイ酸塩を投入し、主軸(攪拌翼回転数:120rpm、周速:3 .1m/s)とチョッパー(回転数:3600rpm、周速:28m/s)の攪拌を1分間行い、洗剤粒子群1を排出した。
【0097】
実施例7〜10
実施例6において、界面活性剤担持用顆粒群1の代わりにそれぞれ界面活性剤担持用顆粒群2〜5を用いて同様の方法で洗剤粒子群2〜5を製造した。
【0098】
比較例1
実施例6において、界面活性剤担持用顆粒群1のかわりに顆粒群1を用いて同様の方法で洗剤粒子群を製造した。
得られた洗剤粒子群の物性及び洗剤粒子群を製造するために使用した無定形アルミノケイ酸塩(吸油担体)の量を表3に示す。原料顆粒群の担持能を向上させることにより吸油担体の量を低減することができた。
【0099】
Figure 0003912985
【0100】
ここで、ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、花王(株)製のエマルゲン108KM(エチレンオキサイド平均付加モル数:8.5、アルキル鎖の炭素数:12〜14)を用いた。ポリエチレングリコールとしては、花王(株)製のK−PEG6000(平均分子量:8500)を用いた。無定形アルミノケイ酸塩としては、特開平9−132794号公報記載の調製例2の無定形アルミノケイ酸塩を平均粒径8μmに粉砕して用いた。
【0101】
産業上の利用可能性
液状の界面活性剤を添加して洗剤粒子群を製造するための界面活性剤担持用顆粒群の製法であって、洗剤組成物の性能に影響を与える原料を用いることなく、顆粒群の担持能を向上させることが可能となる。さらには洗剤粒子群の製法において、洗剤粒子群の流動性等の粉末物性を損なうことなく、該界面活性剤を多量配合することが可能となる。
【0102】
以上に述べた本発明は、明らかに同一性の範囲のものが多数存在する。そのような多様性は発明の意図及び範囲から離脱したものとはみなされず、当業者に自明であるそのような全ての変更は、以下の請求の範囲の技術範囲内に含まれる。
【図面の簡単な説明】
第1図は原料顆粒群のSEMの図面であり、(a)はその割断面を示し、(b)はその表面を示す。
第2図は、原料顆粒群に水性媒体を接触させた後の顆粒群の表面を示すSEMの図面である。

Claims (4)

  1. 顆粒表面に水溶性成分を含有する被膜が形成されている原料顆粒群において、原料顆粒群と水性媒体とを接触させて被膜に欠損を与える工程を含み、接触させる水性媒体の量が、原料顆粒群100重量部に対して水として0.1〜10重量部である界面活性剤担持用顆粒群の製法。
  2. 原料顆粒群が水溶性ポリマー、水溶性塩類及び水不溶性無機物を含有してなり、実質的に界面活性剤を含まない請求項1記載の製法。
  3. 原料顆粒群が水溶性成分を含有するスラリーを噴霧乾燥して得られる乾燥粒子群である請求項1又は2記載の製法。
  4. 界面活性剤組成物が液状を呈する条件下にて、該界面活性剤組成物と請求項1〜いずれか記載の製法によって得られた界面活性剤担持用顆粒群とを混合する工程を有する洗剤粒子群の製法。
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