JP3912280B2 - 乗員保護装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、助手席の前方側に配置されて、助手席に着座した乗員の膝を保護することができる乗員保護装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両の衝突時に、助手席に着座した乗員の膝を保護する装置としては、エアバッグを膨張させて、乗員の膝を保護するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−80797号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、助手席の前方には、従来、車検証や地図等を収納するための収納ボックス(グラブボックス)が配設されていた。
【0005】
そのため、乗員の足先付近のスペースも必要であり、助手席の前方側に、膝保護用エアバッグ装置を搭載する場合には、収納ボックスの収納物を収納する容積が、狭くなることが避けられず、例えば、A4サイズの地図帳等を、折り曲げずに、収納ボックスに収納することが困難となって、対策が望まれていた。
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するもので、助手席前方に収納ボックスを設け、かつ、助手席に着座した乗員の膝を保護可能としても、収納ボックスの収納スペースの低減を抑えて、大きな収納物を極力支障なく収納可能な乗員保護装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る乗員保護装置は、助手席に着座した乗員の前方側に配設されて、車両の衝突時に乗員の膝を保護可能な膝保護用エアバッグ装置と、膝保護用エアバッグ装置の上方に配設されて、収納物を収納可能な収納ボックスと、を備えて構成され、
膝保護用エアバッグ装置が、乗員の膝を保護可能に膨張するエアバッグと、エアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーターと、折り畳まれたエアバッグとインフレーターとを収納して、車両後方側を開口させたケースと、エアバッグの膨張時に開き可能にケースの開口を覆うエアバッグカバーと、を備えて構成され、
収納ボックスが、上面で収納物を支持する底壁部を、後縁側より前縁側を下方に位置させるように、傾斜させて、配設され、
ケースが、開口の周囲を囲む周壁部と、開口から離れた前方側の奥壁部と、を備えて構成されるとともに、周壁部における上壁部の後部側を底壁部に略沿わせて、配設され、
さらに、収納ボックスが、
底壁部の後縁から上方へ延びて、周囲の内装部材から露出させた後壁部と、底壁部の前縁から上方へ延びる前壁部と、底壁部の左右の縁からそれぞれ上方に延びる側壁部と、を備えて、上部を収納物の収納用開口とした箱形状とし、
下部側に回動中心を配設させて、後方側への回動操作により、収納用開口を内装部材から引き出して車内側に開口させるように、配設されていることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る乗員保護装置では、収納ボックスが、収納物を支持する底壁部を、後縁側より前縁側を下方に位置させるように、傾斜させており、収納ボックスの下方に膝保護用エアバッグ装置が配設されていない場合に比べて、底壁部が、上方に配置されることとなっても、前縁側の下がった分、容積の減少を抑えることができる。そして、例えば、A4サイズの地図帳等の横向きとしても高さ寸法の嵩張るシート状の収納物を収納する場合でも、上端側を収納ボックスの後上部に配置させ、下端側を底壁部の前縁側に配置させて、傾斜させるようにして収納すれば、収納ボックスが、底壁部の前縁側を後縁側より下げて、収納ボックスの後上部側と底壁部の前縁側との間の寸法を長くしているため、シート状収納物を、折り曲げずに、容易に収納することができる。
【0009】
また、前縁側を後縁側より下げ、すなわち、後縁側を前縁側より上げている底壁部の傾斜に略沿うように、膝保護用エアバッグ装置のケースが、その周壁部における上壁部の後部側を、車両後方側に向かって、斜め上方向に延びるように、配設させている。そのため、膨張用ガスを流入させたエアバッグがエアバッグカバーを開いてケースから突出する際、エアバッグは、周壁部の上壁部の後部側に案内されて、収納ボックスの後面に沿うように、斜め上方向に突出し、収納ボックスと乗員の膝との間の隙間が狭くとも、膝に干渉することなく、円滑に、展開して膨張を完了させることが可能となる。
【0010】
したがって、本発明に係る乗員保護装置では、助手席前方に収納ボックスを設け、かつ、助手席に着座した乗員の膝を保護可能としても、収納ボックスの収納スペースの低減を抑えて、大きな収納物を極力支障なく収納可能となり、さらに、収納ボックスと乗員の膝との間の隙間が狭くとも、膝に干渉することなく、エアバッグを円滑に展開膨張させることができる。
【0011】
そして、収納ボックスが、
底壁部の後縁から上方へ延びて、周囲の内装部材から露出させた後壁部と、底壁部の前縁から上方へ延びる前壁部と、底壁部の左右の縁からそれぞれ上方に延びる側壁部と、を備えて、上部を収納物の収納用開口とした箱形状とし、
下部側に回動中心を配設させて、後方側への回動操作により、収納用開口を内装部材から引き出して車内側に開口させるように、配設されていれば、つぎのような作用・効果を得ることができる。
【0012】
すなわち、A4サイズの地図帳等の横向きとしても高さ寸法の嵩張るシート状の収納物を、その上端側を収納ボックスの後上部に配置させ、下端側を底壁部の前縁側に配置させて、傾斜させるようにして、収納している場合、収納ボックスを車両後方側に回転させて、収納用開口を車内側に開口させても、収納物が収納ボックスに収納された状態を維持して回転するだけであり、収納物の飛び出しを防止することが可能となる。
【0013】
ちなみに、収納ボックスが、収納物を収納するボックス本体を、車両に固定させて、ボックス本体の後部側を、収納用開口として開口させ、その開口に開閉操作するリッドを配設させて、構成される場合には、A4サイズの地図帳等のシート状の収納物を、その上端側をボックス本体の後上部に配置させ、下端側をボックス本体の底壁部の前縁側に配置させて、傾斜させるようにして、ボックス本体に収納させている状態で、リッドを開ければ、その収納物の上端側が、リッドの開きとともに急激に下がって、リッドのヒンジ部近傍の下端付近(底壁部の後縁付近)と当たって、ボックス本体から飛び出す虞れが生ずることから、大きな収納物を収納させた際のリッドの開け時、慎重に行なう必要が生ずる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明すると、実施形態の乗員保護装置Sは、図1〜3に示すように、助手席PSに着座した乗員Mの前方側に配設されて、車両の衝突時に乗員Mの膝K(KL・KR)を保護可能な膝保護用エアバッグ装置11と、膝保護用エアバッグ装置11の上方に隣接して配設されて、収納物Bを収納可能な収納ボックス60と、を備えて構成されている。
【0015】
なお、本明細書での前後左右は、乗員保護装置Sが車両に搭載された状態を基準とするもので、搭載時の車両の前後左右と一致するものである。
【0016】
そして、助手席PSの前方側には、車内側の内装部材としてのインストルメントパネル6が、配設されており、実施形態の場合、インストルメントパネル(以下、インパネと略す)6は、上部側のアッパパネル7と下部側のロアパネル8とから構成され、ロアパネル8に囲まれるように、収納ボックス60の後壁部63が配設され、ロアパネル8と後壁部63との下方に、膝保護用エアバッグ装置11のエアバッグカバー44が、配設されている。
【0017】
また、アッパパネル7の部位には、車両の前面衝突時に、乗員Mの上半身MU側の胸部等を保護できるように、助手席用エアバッグ装置80が配設されている。助手席用エアバッグ装置80は、乗員Mの上半身MU側の胸部等を保護するように膨張するエアバッグ81と、エアバッグ81に膨張用ガスを供給するインフレーター82と、膨張時のエアバッグ81を突出可能として折り畳まれたエアバッグ81を覆うエアバッグカバー83と、折り畳まれたエアバッグ81とインフレーター82とを収納するとともにエアバッグカバー83を保持するケース84と、を備えて構成されている。このエアバッグ装置80は、ボディ1側のインパネリインフォースメント2に設けられたブラケット2aに、ボルト85止めされている。ボルト85は、ブラケット2aに固着されたナット2bに螺合している。
【0018】
ロアパネル8は、図1・3・10に示すように、収納ボックス60を収納する開口8aを備え、開口8aの逆U字状の周縁には、前方側に突出する収納壁9が形成されている。収納壁9の左右方向で対向する側壁部9a・9aには、下部に、開閉操作する際の収納ボックス60(ボックス本体61)の軸支ピン(回動中心部)68を支持する軸支孔(回動中心部)9bが配設されるとともに、上部に、開閉操作する際の収納ボックス60(ボックス本体61)のガイドピン67を案内するガイド孔9cが配設されている。なお、ガイド孔9cは、上膨らみの弧状に形成されて、その内周面には、ボックス本体61をロアパネル8内に収納させてボックス本体61の収納用開口69を閉じた際、ボックス本体61をその位置で停止可能で、かつ、ガイドピン67を引き出し可能に係止する突起9dが形成されている。
【0019】
また、ロアパネル8の上縁側の前面には、アッパパネル7と連結させるための複数の取付部8dが形成されている。実施形態の取付部は、パネル7の周縁に係止される係止脚8dから形成されている。さらに、ロアパネル8の下縁側の左右の前面には、膝保護用エアバッグ装置11のケース12に固定される固定片8bが突設されている。各固定片8bには、固定孔8cが貫通されている。
【0020】
収納ボックス60は、図2〜4・10・13に示すように、上方を開口させた箱形状の合成樹脂製のボックス本体61から、構成されている。このボックス本体61は、収納物B(図4参照)を上面62eで支持する略長方形板状の底壁部62と、底壁部62の後縁62bから上方へ延びて、周囲の内装部材としてのロアパネル8の開口8aから露出させる後壁部63と、底壁部62の前縁62aから上方へ延びる前壁部64と、底壁部62の左右の縁62c・62dからそれぞれ上方に延びる左・右側壁部65・66と、を備えて、上部の開口を収納物Bの収納用開口69としている。
【0021】
このボックス本体61の底壁部62は、ロアパネル8内に収納させて収納用開口69を閉じている状態で、後縁62b側より前縁62a側を下方に位置させるように、傾斜させている。
【0022】
なお、従来の収納ボックスの配置位置と比較すれば、図2に示すように、膝保護用エアバッグ装置11が、その下方に、乗員Mの足先F付近のスペースHを十分確保した状態で、配設された分、後縁62b側が、上昇した位置に配置されているものの、前縁62a側は、僅かに上昇した位置に配置されている状態としている。
【0023】
そして、ボックス本体61の左・右側壁部65・66は、それぞれ、下部側に、回動中心部としての軸支ピン68が突設され、上部側に、ガイドピン67が突設されている。各ガイドピン67は、ロアパネル8のガイド孔9cに挿入され、各軸支ピン68は、ロアパネル8の回動中心部としての軸支孔9bに嵌挿されている。このボックス本体61は、下部側の軸支ピン68を回動中心として、後方側への回動操作により、収納用開口69をロアパネル8から引き出して車内側に開口させることとなる。ボックス本体61における収納用開口69の開き位置と閉じ位置とは、ガイド孔9cによって、設定されている。なお、ボックス本体61における収納用開口69の開き位置と閉じ位置とは、別途、ロアパネル8やケース12に設けたストッパピンや支持片により、ボックス本体61の底壁部62を当接・支持させて、設定するようにしてもよい。
【0024】
実施形態の乗員保護装置Sにおける膝保護用エアバッグ装置11は、図3・6・7に示すように、折り畳まれたエアバッグ39、エアバッグ39に膨張用ガスを供給するインフレーター31、折り畳まれたエアバッグ39とインフレーター31とを収納するとともに車両後方側を開口させたケース12、及び、ケース12の車両後方側を覆うエアバッグカバー44、を備えて構成されている。
【0025】
インフレーター31は、軸方向を車両の左右方向に沿って配設させるシリンダタイプとして構成され、略円柱状の本体32とディフューザー33とを備えて構成されている。本体32は、略円柱状の一般部32aと、一般部32aの端面から突出する小径の小径部32bと、を備え、小径部32bの外周面に複数のガス吐出口32cを配設させて、構成されている。そして、一般部32aにおける小径部32bから離れた端面に、作動信号入力用のリード線37を結線させたコネクタ36が、接続されている。ディフューザー33は、本体32を覆い可能な略円筒状として、膨張用ガスを流出可能な複数のガス流出口33aを、車両搭載状態の後方側の面に配設させている。また、ディフューザー33は、車両前方側へ突出する複数(実施形態では二本)のボルト33dを備えて構成されている。さらに、ディフューザー33は、本体32を保持するための複数の挟持部33cを備えている。そして、本体32のディフューザー33への固定は、ディフューザー33内に、小径部32bを先頭にして、挿通孔33bから本体32を挿入させ、各挟持部33cを一般部32aの外周面側にさらに押圧すれば、本体32をディフューザー33に固定することができ、各ボルト33dをケース12の奥壁部17の挿通孔17aに挿通させて、ナット34を締め付ければ、インフレーター31をケース12に固定することができる。
【0026】
なお、このインフレーター31は、車両に搭載されたエアバッグ作動回路が、車両の前面衝突を検知した際、リード線37を介して、作動信号が入力されることとなる。また、車両に搭載されたエアバッグ作動回路が、車両の前面衝突を検知した際には、助手席用エアバッグ装置80のインフレーター82にも、同時に作動信号が入力されることとなる。
【0027】
エアバッグ39は、可撓性を有したポリエステルやポリアミド糸等からなる織布から形成されて、展開膨張完了時の形状を、図1〜3の二点鎖線に示すように、乗員Mの両膝KL・KRを保護可能な左右方向の幅寸法を備えた略長方形板状としている。そして、エアバッグ39は、展開膨張完了時に、乗員M側に乗員側壁部40を配置させ、収納ボックス60側に車体側壁部41を配置させるように、構成されている。壁部40・41は、相互に略同形状に形成されるとともに、図4・11に示すように、テザー43・43によって、相互に連結されて、膨張時のエアバッグ39を略板状に維持できるように、構成されている。また、展開膨張完了時のエアバッグ39の下縁39d側となる車体側壁部41の部位42には、図4・12に示すように、二つの挿通孔42a・42aと一つの挿通孔42bとが形成されている。挿通孔42a・42aは、インフレーター31の各ボルト33dを挿通させるものであり、挿通孔42bは、インフレーター31の本体32を挿通させるものである。そして、エアバッグ39は、挿通孔42bからインフレーター31の本体32を突出させて、各挿通孔42aの周縁42を、ディフューザー33とケース12の奥壁部17とに挟持させて、ケース12に取り付けられている。すなわち、このエアバッグ39は、挿通孔42aの周縁を取付部42として、この取付部42が、ケース12の奥壁部17に対して、取付固定されている。
【0028】
ケース12は、図4〜7・10に示すように、板金製として、車両後方側に略長方形形状の開口13aを有した箱形状の本体部13と、本体部13の後端から外方に延びるパネル部18と、から構成され、閉じた収納ボックス60の底壁部62の直下に隣接するように、配設されている。本体部13は、開口13aを囲む略四角筒形状の周壁部14と、開口13aから離れて周壁部14の車両前方側を塞ぐ奥壁部17と、を備えて、構成されている。
【0029】
この周壁部14は、奥壁部17から開口13a側に向かう軸方向Xを、閉じた状態のボックス本体61の底壁部62に沿うように、車両後方側に向かって、斜め上方向に延びるように、配設されている。さらに、周壁部14の上部側に位置する上壁部14aは、その後部14ab側を、底壁部62に沿わせている。
【0030】
そして、周壁部14における上下で対向する壁部14a・14bの外表面側には、それぞれ、エアバッグカバー44の上下の連結壁部47・48をケース12に組み付けるための複数の係止部15(15U・15D)が、配設されている。
【0031】
上方側の壁部14aの外表面側に配設される各係止部15Uは、断面略Z字形状として、エアバッグカバー44の上連結壁部47の係止孔47aに挿入されて係止孔47aの周縁を係止可能な係止フックとして構成され、これらの係止フック15Uは、車両の左右方向に沿って壁部14aに複数(実施形態では四個)配設されている(図10参照)。
【0032】
下方側の壁部14bの外表面に配設される係止部15Dは、断面略U字状に形成されて、エアバッグカバー44の下連結壁部48の係止孔48aに挿入可能な係止突起として構成され、係止突起15Dは、車両の左右方向に沿って壁部14bに複数(実施形態では四個)配設されている(図10参照)。そして、複数の係止突起15Dには、各係止孔48aへの挿入後における係止孔48aからの抜け止めを図る閂材16が、挿入されている。閂材16は、下連結壁部48の外表面と各係止突起15Dの内周面との間に挿入される四本の挿入部16aを備えて、車両前方側で一体化され、ケース12に固定されている。なお、閂材16のケース12への固定は、インフレーター31をケース12に固定するためのボルト33dのナット34止め時、共締めされて、ケース12の奥壁部17に固定されている。
【0033】
さらに、周壁部14における側方側の壁部14cには、インフレーター31の本体32の端部を挿通可能な挿通孔14dが、形成されている(図7参照)。また、奥壁部17には、インフレーター31のボルト33dを挿通させるための二つの挿通孔17aが、形成されている。
【0034】
パネル部18は、ケース12の開口13aの周囲を囲むように、左右方向に長く延びた略平板状に形成されている。なお、実施形態では、図10に示すように、ケース12は、箱部12aと板状部12bとの二部材を溶接させて、構成されており、板状部12bは、パネル部18を構成するとともに、本体部13の周壁部14の外周面側に配置させる各係止部15U・15Dを備えて構成されている。このように、ケース12が、箱部12aと板状部12bとの二部材から構成されている理由は、板状部12bとエアバッグカバー44とを搭載部位に対応させるように形成し、かつ、ケース12の箱部12aやインフレーター31を、運転者側の膝保護用エアバッグ装置と共用できるように構成して、車両に搭載する助手席側と運転者側との膝保護用エアバッグ装置相互の構成部品の種類を、低減させるためである。
【0035】
また、ケース12には、ロアパネル8を固定するための二つの固定部23が、配設されている。固定部23・23は、図9・10に示すように、ロアパネル8の下縁側の左右両側付近から下方へ突出した固定片8bを、それぞれ、タッピングボルト25を利用して、固定するものであり、ボルト25を螺合させる固定孔23aが形成されている。
【0036】
さらに、ケース12には、図5・8・10に示すように、エアバッグ装置11をボディ1側に連結固定するための連結部26が、三箇所に、形成されている。これらの連結部26は、パネル部18の本体部13から離れた部位に配置され、上縁側における左右両側付近の連結部26A・26Bと、下縁側の右縁側付近の連結部26Cと、から構成され、それぞれ、ボルト27を挿通させる連結孔26aを開口させている。これらの連結部26は、ボディ1側のセンタ−ブレースやサイドメンバ等から延びるブラケット3に、ボルト27止めされて、車両に取付固定されることとなる。なお、各ブラケット3には、ボルト27を螺合させるナット3aが固着されている。
【0037】
また、ケース12のパネル部18には、図5・6・10に示すように、エアバッグカバー44の上連結壁部47を挿通させる挿通孔18aが、開口13aの上側周縁の四箇所に形成されるとともに、エアバッグカバー44の各係止脚部46を周縁で係止する係止孔18bが、左右両縁付近の二箇所に形成されている(図9参照)。なお、図5・10に示す符号18cの孔は、アンダーカバー4の図示しない係止脚部を周縁で係止する係止孔である。また、図5・7に示す挿通孔18dは、エアバッグカバー44の左右の側壁部49を挿通させる孔である。
【0038】
さらに、実施形態の場合、図6に示すように、ケース12のパネル部18の上縁が、閉じたボックス本体61の底壁部62の後縁62b付近を当接支持しているが、ボックス本体61の重い収納物の収納を考慮して、底壁部62の前縁62a付近を当接支持できるように、ケース12に支持ブラケット22を設けてもよい。
【0039】
エアバッグカバー44は、折り畳まれたエアバッグ39とケース12との車両後方側を覆い可能なように、構成されて、ケース12に連結保持されている。このエアバッグカバー44は、ケース12の開口13aを車両後方側で覆っている上下二つの扉部52(52U・52D)を備え、扉部52U・52Dは、略長方形板状に形成されて、図1に示すように、周囲に、車両後方側から見て、略H字形状となる薄肉の破断予定部51を配設させて、構成されている。破断予定部51は、扉部52U・52Dが膨張するエアバッグ39に押された際に容易に破断するように、エアバッグカバー44の車両前方側の面に連続的若しくは断続的な凹溝を設けて形成されている。そして、扉部52U・52Dは、膨張するエアバッグ39に押されて破断予定部51が破断すれば、破断予定部51におけるH字の左右の縦線における上端相互と下端相互とをそれぞれ連結する位置に配置されて、インテグラルヒンジからなるヒンジ部53を回転中心として、上下両側に離れて開くように構成されている。
【0040】
また、扉部52U・52Dの周縁近傍の部位には、図6・7・10に示すように、ケース12の周壁部14の外周側において、周壁部14と隣接するように車両前方側に突出する4つの壁部47・48・49・49が、形成されている。ケース周壁部14の上部側に配置される上連結壁部47と周壁部14の下部側に配置される下連結壁部48とは、エアバッグカバー44をケース12に連結保持させる部位となり、これらの各壁部47・48には、周壁部14に配設された各係止部15(15U・15D)を挿入させて、各係止部15に周縁を係止させる係止孔47a・48aが、それぞれ、形成されている。各係止孔47a・48aは、長方形形状に開口している。
【0041】
扉部52の左右両側には、一般部45が配設され、一般部45は、ケース12のパネル部18の車両後方側を覆っている。一般部45における左右両側付近の下縁付近には、それぞれ、パネル部18の係止孔18bに挿入されて(図9・10参照)、パネル部18に係止される係止脚部46が、車両前方側に突設されている。
【0042】
つぎに、乗員保護装置Sの車両への搭載について説明すると、まず、膝保護用エアバッグ装置11のケース12内に、エアバッグ39とインフレーター31とを収納する。その際、まず、図11・12のAに示すように、各挿通孔42aからボルト33dを突出させ、挿通孔42bから本体32の端部を突出させるように、エアバッグ39内に、ディフューザー33を本体32に組み付け済みのインフレーター31を、収納させ、ついで、エアバッグ39を折り畳む。
【0043】
このエアバッグ39の折り畳みは、図12のA・Bに示すように、乗員側・車体側壁部40・41を重ねて平らに展開し、エアバッグ39の左右の縁39a・39bを乗員側壁部40の側に折り重ね、ついで、図12のB・Cに示すように、エアバッグ39の上縁39c側を、下縁39d側に接近させるように、車体側壁部41の側で巻くロール折りをして、ロール折り部位39eを形成する。その後、左右の両端部39eをロール折り部位39eの下方に折り重ねれば、エアバッグ39の折り畳み作業が完了する。
【0044】
そして、折り崩れ防止用の破断可能な図示しないラッピングフィルムにより、エアバッグ39をくるむ。この時、挿通孔42a・42bから突出したインフレーター31のボルト33dや本体32の端部は、ラッピングフィルムから突出させておく。なお、ラッピングフィルムとしては、樹脂製のシート材の他、エアバッグ39を形成した織布等の布材・テープ材・紐材を利用してもよい。
【0045】
その後、インフレーター31の各ボルト33dを挿通孔17aから突出させるとともに、インフレーター本体32の端部を挿通孔14dから突出させるようにして、インフレーター31を、折り畳まれたエアバッグ39とともに、ケース12内に収納させ、各ボルト33dに対し、奥壁部17の前方側から、図示しないスプリングナットを締結すれば、インフレーター31とエアバッグ39とを、ケース12に収納させるとともに、ケース12に取り付けることができる。なお、インフレーター31の本体32には、リード線37を結線させたコネクタ36を接続させておく。
【0046】
ついで、エアバッグカバー44を、ケース12に組み付ける。このエアバッグカバー44のケース12への組み付けは、エアバッグカバー44の各壁部47・48・49・49を、開口13a側のケース周壁部14に外装させ、各係止フック15Uを、上連結壁部47の係止孔47aに挿入させて、上連結壁部47の上面側における係止孔47aの周縁に係止させ、また、各係止突起15Dを、下連結壁部48の各係止孔48aに挿入させ、さらに、各係止脚部46を、係止孔18bに挿入させて、係止孔18b周縁に係止させる。ついで、下連結壁部48の外表面と各係止突起15Dの内周面との間に、閂材16の挿入部16aを挿入させて、閂材16に各ボルト33dを挿通させ、各ボルト33dにナット34を螺合させれば、エアバッグカバー44を、ケース12に連結保持させることができる。
【0047】
そして、ボルト27を、各連結孔26aを経て、ナット3aに螺合させれば、ケース12の各連結部26を、ボディ1側に固定することができて、膝保護用エアバッグ装置11を車両に搭載することができる。なお、リード線37の端末は、車両の所定のエアバッグ作動回路に接続させておく。
【0048】
また、ロアパネル8の開口8a内における収納壁9の内周側に、ボックス本体61を入れて、各軸支孔9bや各ガイド孔9cに、軸支ピン68やガイドピン67を挿入させて、ロアパネル8にボックス本体61を組み付け、さらに、係止脚8dをアッパパネル7に係止させるとともに、ロアパネル8の各固定片8bを、ケース12の固定部23にボルト25止めし、アンダーカバー4を取り付ければ、収納ボックス60の車両への搭載作業を完了することができ、乗員保護装置Sを車両に搭載することができる。なお、ロアパネル8や収納ボックス60の車両搭載前までには、予め、車両に、インパネ6のアッパパネル7や助手席用エアバッグ装置80を搭載させておく。
【0049】
そして、実施形態の場合、収納ボックス60の使用時には、所定の取っ手63aを把持して後方側に引けば、図13に示すように、回動中心部としての軸支ピン68を回動中心として、ボックス本体61が後方へ回動して、収納用開口69をロアパネル8から引き出して開口させることができ、その開口69からボックス本体61内に収納物Bを収納させることができる。そして、その後、元に戻すように、ボックス本体61を前方側に回動させれば、ボックス本体61をロアパネル8内に収納させることができて、収納用開口69を閉じることができる(図4参照)。
【0050】
そして、実施形態の場合、収納ボックス61が、収納物Bを支持する底壁部62を、後縁62b側より前縁62a側を下方に位置させるように、傾斜させており、膝保護用エアバッグ装置11が配設されていない場合に比べて、底壁部62が、上方に配置されることとなっても、前縁62a側の下がった分、容積の減少を抑えることができる。そして、例えば、A4サイズの地図帳等の横向きとしても高さ寸法の嵩張るシート状の収納物Bを収納する場合でも、上端Bu側を収納ボックス60の後上部60aに配置させ、下端Bd側を底壁部62の前縁62a側に配置させて、傾斜させるようにして収納すれば、収納ボックス60が、底壁部62の前縁62a側を後縁62b側より下げて、収納ボックス60の後上部60a側と底壁部62の前縁62a側との間の寸法L(図4参照)を長くしているため、シート状収納物Bを、折り曲げずに、容易に収納することができる。
【0051】
また、リード線37を経て、インフレーター31の本体32に作動信号が入力されれば、インフレーター31のガス吐出口32cから膨張用ガスが吐出され、膨張用ガスが、ディフューザー33のガス流出口33aを経て、エアバッグ39内に流入することとなる。すると、エアバッグ39は、膨張して、図示しないラッピングフィルムを破断するとともに、エアバッグカバー44の扉部52(52U・52D)を押し、破断予定部51を破断させ、ヒンジ部53を回転中心として、扉部52Uを上方へ、扉部52Dを下方へ、それぞれ回転させて開かせる。そして、エアバッグ39は、図2〜4の二点鎖線に示すように、扉部52U・52Dの開いた開口54から車両後方側へ突出し、さらに、ボックス本体61の後壁部63の後面60bに沿いつつ上方へ向かって大きく突出するように、展開膨張する。そのため、助手席に着座した乗員Mが前進してきても、膨張したエアバッグ39が、膝Kを的確に保護できる。
【0052】
なお、実施形態では、この時、助手席用エアバッグ装置80も作動するため、図2の二点鎖線に示すように、エアバッグ81が、インパネ6から突出し、乗員Mの上半身MU側を保護可能に、膨張を完了させることとなる。
【0053】
そして特に、実施形態では、膝保護用エアバッグ装置11のケース12が、前縁62a側を後縁62b側より下げ、すなわち、後縁62b側を前縁62a側より上げている底壁部62の傾斜に略沿うように、周壁部14における上壁部14aの後部14ab側を、車両後方側に向かって、斜め上方向に延びるように、配設させている。そのため、膨張用ガスを流入させたエアバッグ39がエアバッグカバー44の扉部52U・52Dを開いてケース12から突出する際、エアバッグ39は、周壁部14の上壁部14aの後部14ab側に案内されて、収納ボックス60の後面60bに沿うように、斜め上方向に突出し、収納ボックス60と乗員Mの膝Kとの間の隙間が狭くとも、膝Kに干渉することなく、円滑に、展開して膨張を完了させることが可能となる。
【0054】
特に、実施形態の場合には、周壁部14の下部側の下壁部14bも、上壁部14aの後部14abに略沿っている。すなわち、周壁部14自体が、奥壁部17から開口13a側に向かう軸方向Xを、閉じた状態のボックス本体61の底壁部62に沿わせて、車両後方側に向かって斜め上方向に延びるように、配設されていることから、エアバッグ39がエアバッグカバー44の扉部52U・52Dを開いてケース12から突出する際、エアバッグ39は、周壁部14の上壁部14aと下壁部14bとを含めた内周面の全体に案内されて、一層、収納ボックス60の後面60bに沿うように、斜め上方向に突出して、収納ボックス60と乗員Mの膝Kとの間の隙間が狭くとも、膝Kに干渉することなく、円滑に、展開して膨張を完了させることができる。
【0055】
さらに、実施形態の場合、エアバッグ39が、後面60bに沿って展開膨張し易いロール折り、すなわち、エアバッグ39の上縁39c側を車体側壁部41の側で巻いて下縁39d側に接近させる折り方で、ケース12内に収納されており、一層、エアバッグ39は、収納ボックス60と乗員Mの膝Kとの間の隙間が狭くとも、膝Kに干渉することなく、円滑に、展開して膨張を完了させることができる。
【0056】
したがって、実施形態の乗員保護装置Sでは、助手席前方に収納ボックス60を設け、かつ、助手席に着座した乗員Mの膝Kを保護可能としても、収納ボックス60の収納スペースの低減を抑えて、大きな収納物Bを極力支障なく収納可能となり、さらに、収納ボックス60と乗員Mの膝Kとの間の隙間が狭くとも、膝Kに干渉することなく、エアバッグ39を円滑に展開膨張させることができる。
【0057】
さらに、実施形態の場合、収納ボックス60が、底壁部62の後縁62bから上方へ延びて、周囲の内装部材としてのロアパネル8から露出させた後壁部63と、底壁部62の前縁62aから上方へ延びる前壁部64と、底壁部62の左右の縁62c・62dからそれぞれ上方に延びる側壁部65・66と、を備えて、上部を収納物Bの収納用開口69とした箱形状のボックス本体61から、構成されている。さらに、このボックス本体61は、下部側に回動中心を配設させて、後方側への回動操作により、収納用開口69をロアパネル8から引き出して車内側に開口させるように、配設されている。
【0058】
そのため、A4サイズの地図帳等の横向きとしても高さ寸法の嵩張るシート状の収納物Bを、その上端Bu側を収納ボックス60の後上部60aに配置させ、下端Bd側を底壁部62の前縁62a側に配置させて、傾斜させるようにして、収納している場合、図4に示す状態から図13の実線に示す状態とするように、収納ボックス60を車両後方側に回転させて、収納用開口69を車内側に開口させても、収納物Bが収納ボックス60に収納された状態を維持して回転するだけであり、収納物Bの飛び出しを防止することが可能となる。
【0059】
上記の点を考慮しなければ、図14・15に示す収納ボックス60Aのように構成してもよい。この収納ボックス60Aは、収納物Bを収納するボックス本体61Aが、ブラケット2c等を利用して、車両に固定されている。ボックス本体61Aは、後縁62bより前縁62aを下げた底壁部62を備えるとともに、ボックス本体61Aの後部側を、収納用開口69として開口させ、その開口69に開閉操作するリッド71を配設させて、構成されている。リッド71は、ケース12のパネル部18の軸支部(回動中心部)28に、回動自在に軸支されるヒンジアーム(回動中心部)72を左右の下縁付近の前面側に備えて、開口69を開閉可能に配設されている。なお、この収納ボックス60Aでは、A4サイズの地図帳等のシート状の収納物Bを、その上端Bu側をボックス本体61Aの後上部60aに配置させ、下端Bd側をボックス本体61Aの底壁部62の前縁62a側に配置させて、傾斜させるようにして、ボックス本体61Aに収納させている状態で、リッド71を大きく開ければ、その収納物Bの上端Bu側がリッド71の開きとともに急激に下がり、収納物Bが、リッド71の回動中心部72近傍の下端付近(この場合は、底壁部62の後縁62b付近)と当たって、バランスを崩し、ボックス本体61Aから飛び出す虞れが生ずることから、大きな収納物を収納させた際のリッド71の開け時、慎重に行なう必要が生ずる。
【0060】
また、実施形態では、回動操作するボックス本体61を、ロアパネル8に支持させたものを示した。しかし、ボックス本体61は、図14・15に示すように、板金製として剛性を有したケース12に設けた回動中心部(軸支部)28に、回動可能に支持させてもよい。また逆に、図14・15に示すリッド71は、ボックス本体71やロアパネル8によって、回動可能に支持させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の乗員保護装置における車両搭載状態の車両後方側から見た正面図である。
【図2】実施形態の乗員保護装置における車両搭載状態の車両前後方向の概略縦断面図である。
【図3】実施形態の乗員保護装置における車両搭載状態の車両前後方向の概略拡大縦断面図である。
【図4】実施形態の乗員保護装置の車両前後方向におけるさらに拡大させた概略縦断面図である。
【図5】実施形態の乗員保護装置の車両後方側の僅かに上方側から見た正面図である。
【図6】実施形態の膝保護用エアバッグ装置の概略拡大縦断面図である。
【図7】実施形態の膝保護用エアバッグ装置の概略拡大横断面図である。
【図8】実施形態の膝保護用エアバッグ装置におけるボディ側との連結状態を示す概略縦断面図であり、図5のVIII−VIII部位に対応する。
【図9】実施形態のロアパネルとケースとの連結状態を示す概略縦断面図であり、図5のIX−IX部位に対応する。
【図10】実施形態の収納ボックスと膝保護用エアバッグ装置のケースとの分解斜視図である。
【図11】実施形態の膝保護用エアバッグ装置のインフレーターを内部に入れた状態のエアバッグの展開図である。
【図12】実施形態の膝保護用エアバッグ装置のエアバッグの折り畳み工程を説明する図である。
【図13】実施形態の収納ボックスの開閉状態を示す概略断面図である。
【図14】収納ボックスの変形例を示す概略断面図である。
【図15】図14に示す収納ボックスとケースとの分解斜視図である。
【符号の説明】
8…(内装部材)ロアパネル、
11…膝保護用エアバッグ装置、
12…ケース、
14…周壁部、
14a…上壁部、
14ab…(上壁部の)後部、
17…奥壁部、
13a…開口、
31…インフレーター、
39…エアバッグ、
44…エアバッグカバー、
60…収納ボックス、
61…ボックス本体、
62…底壁部、
62a…前縁、
62b…後縁、
63…後壁部、
64…前壁部、
65・66…側壁部、
69…収納用開口、
X…(ケース周壁部の)軸方向、
PS…助手席、
M…乗員、
K(KL・KR)…膝、
B…収納物、
S…乗員保護装置。
Claims (1)
- 助手席に着座した乗員の前方側に配設されて、車両の衝突時に乗員の膝を保護可能な膝保護用エアバッグ装置と、該膝保護用エアバッグ装置の上方に配設されて、収納物を収納可能な収納ボックスと、を備えて構成され、
前記膝保護用エアバッグ装置が、乗員の膝を保護可能に膨張するエアバッグと、該エアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーターと、折り畳まれた前記エアバッグと前記インフレーターとを収納して、車両後方側を開口させたケースと、前記エアバッグの膨張時に開き可能に前記ケースの開口を覆うエアバッグカバーと、を備えて構成され、
前記収納ボックスが、上面で収納物を支持する底壁部を、後縁側より前縁側を下方に位置させるように、傾斜させて、配設され、
前記ケースが、前記開口の周囲を囲む周壁部と、前記開口から離れた前方側の奥壁部と、を備えて構成されるとともに、前記周壁部における上壁部の後部側を前記底壁部に略沿わせて、配設され、
さらに、前記収納ボックスが、
前記底壁部の後縁から上方へ延びて、周囲の内装部材から露出させた後壁部と、前記底壁部の前縁から上方へ延びる前壁部と、前記底壁部の左右の縁からそれぞれ上方に延びる側壁部と、を備えて、上部を収納物の収納用開口とした箱形状とし、
下部側に回動中心を配設させて、後方側への回動操作により、前記収納用開口を前記内装部材から引き出して車内側に開口させるように、配設されていることを特徴とする乗員保護装置。
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