JP3911822B2 - 熱交換器の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はろう付けにより製造される熱交換器において、ろう付け前にコア部内に所定の大きさを持った保形部材(治具)を配置して、空間部を形成する製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明者らは、車両エンジン(内燃機関)にて加熱された温水(エンジン冷却水)を熱源として空気を加熱する車両暖房用熱交換器において、温水温度の低温時における暖房熱源不足の解消のために、熱交換用コア部内に電気発熱体を一体化して、電気発熱体により空気を加熱するようにしたものを開発中であり、例えば、特願平9−211954号の特許出願にて「電気発熱体を一体化した暖房用熱交換器」を提案している。
【0003】
この先願においては、図8〜10に示すように、温水が流通する偏平チューブ6を多数本並列配置するとともに、この多数本の偏平チューブ6の間にコルゲートフィン7を接合することにより熱交換用コア部3が構成される暖房用熱交換器において、熱交換用コア部3の一部の部位に電気発熱体ユニット9設置用の所定間隔の空間部を設定して、熱交換用コア部3をろう付けにより組付けた後に、前記一部の部位に電気発熱体ユニット9を設置している。
【0004】
この電気発熱体ユニット9は発熱体素子90aを包含する発熱体本体部90を備え、この発熱体本体部90をコルゲートフィン91、92を介して枠体93、94の内側に一体保持する構成となっている。
これによると、熱交換用コア部3の組付後(一体ろう付け終了後)に電気発熱体ユニット9を設置できるから、熱交換用コア部3のろう付けによって発熱体素子90aの電気的特性を損なう恐れがない。しかも、電気発熱体ユニット9は予め、枠体93、94の内側に発熱体本体部90とコルゲートフィン91、92とを一体保持した1ユニットとして構成しており、かつ熱交換用コア部3がコルゲートフィンタイプであるから、電気発熱体ユニット9の厚さに相当する分の偏平チューブ6とコルゲートフィン7を除去するだけで、電気発熱体ユニット9を熱交換用コア部3に対して簡単に組付できる等の特徴を持っている。
【0005】
ところで、偏平チューブ6とコルゲートフィン7との組合せで構成される熱交換用コア部3の一部の部位に所定間隔の空間部を設定する製造方法としては、従来、特公平6−77827号公報において提案されているものがあり、この従来方法によると、図11に示すように、保形部材11が全面的に両隣の偏平チューブ6、6の偏平面に密着するように配置されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このため、保形部材11の存在により偏平チューブ6へのフラックス塗布が妨げられ、偏平チューブ接合部6cのろう付け性を悪化させるという不具合が生じることが判明した。
すなわち、熱交換器の各部を一体ろう付けにより組み立てる場合に、ろう付け性の確保のために、熱交換器の組み立て体に噴射器12からフラックスを噴射して、熱交換器の各部品を構成するアルミニウム部材表面にフラックスを塗布する。このフラックスは熱交換器のアルミニウム部材表面の酸化皮膜の除去、再酸化の防止作用を果して、アルミニウム部材のろう付け性を向上するものである。
【0007】
しかるに、上記の従来方法によると、保形部材11が全面的に偏平チューブ6の偏平面に密着するので、保形部材11と接するチューブ偏平面へのフラックス塗布が阻害される。その結果、図11において、偏平チューブ6の中央接合部6cのろう付け不良が発生して、偏平チューブ6からの流体洩れ(例えば、暖房用温水の洩れ)を引き起こす原因になることが判明した。
【0008】
本発明は上記点に鑑みてなされたもので、ろう付け前にコア部内に所定の大きさを持った保形部材を配置して、空間部を形成する製造方法において、保形部材によるろう付け性の悪化を解消することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、保形部材(11)のうち、偏平チューブ(6)に接する面を、偏平チューブ(6)の長手方向と直交する方向に延びる凸面(11a)と凹面(11b)とを有する凹凸面となし、凸面(11a)の部分で保形部材(11)が偏平チューブ(6)の面と接するようにしたことを特徴としている。
【0010】
これによると、保形部材(11)が全面的に偏平チューブ(6)の面と接することがなくなり、保形部材(11)の凹面(11b)の部分はフラックスの浸透経路となるので、凹面(11b)部を通ってフラックスを偏平チューブ(6)の接合部(6c)に十分塗布することができる。
その結果、ろう付け前にコア部(3)内に所定の大きさを持った保形部材(11)を配置して空間部を形成する熱交換器においても、保形部材(11)に阻害されることなく、偏平チューブ(6)へのフラックス塗布を十分行って、偏平チューブ(6)の接合部(6c)のろう付けを良好に行うことができる。
【0011】
本発明は、具体的には、請求項2記載のように、保形部材(11)を取り出した後に形成される空間部に電気発熱体ユニット(9)を組付ける熱交換器において良好に実施できる。
また、請求項3記載の発明のように、凸面(11a)と凹面(11b)を偏平チューブ(6)の長手方向と直交する方向に対して所定角度(θ)傾斜させれば、偏平チューブ(6)の長手方向において、隣接する凸面(11a)相互のラップ部分(11c)を形成でき、偏平チューブ(6)の厚さ寸法の管理を良好に行うことができ、偏平チューブ(6)の厚さ寸法のばらつきを解消できる。
【0012】
また、請求項4記載の発明のように、凸面(11a)の途中に凸面(11a)を分断する溝部(11e)を形成すれば、この溝部(11e)を通して偏平チューブ(6)へのフラックス塗布をより一層良好に行うことができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
最初に、本発明方法により製造された車両暖房用熱交換器の全体構成を前述の図8〜10に基づいて説明する。この熱交換器は、温水入口側タンク1と、温水出口側タンク2と、この両タンク1、2の間に設けられた熱交換用コア部3とを有している。
【0014】
温水入口側タンク1には図示しない車両エンジンからの温水(エンジン冷却水)が流入する入口パイプ4が設けられ、温水出口側タンク2には温水を外部へ流出させ、エンジン側に還流させる出口パイプ5が設けられている。なお、本例の熱交換器は図8に示すように上下対称形であるので、温水入口側タンク1と温水出口側タンク2とを上下逆転してもよい。
【0015】
各タンク1、2はそれぞれタンク本体部1a、2aと、このタンク本体部1a、2aの開口端面を閉じるシートメタル1b、2bとからなり、図8の左右方向が長手方向となる周知のタンク構造である。そして、シートメタル1b、2bには偏平状のチューブ挿入穴(図示せず)が多数個、図8の左右方向に1列または複数列並んで形成されている。
【0016】
熱交換用コア部3は暖房用空気の流れ方向(図8の矢印A方向)に対して平行な偏平状に形成された偏平チューブ6を多数個図8の左右方向に並列配置している。そして、この多数個の偏平チューブ6相互の間に波形状に成形されたコルゲートフィン(フィン部材)7を配置し接合している。このコルゲートフィン7には周知のごとく暖房用空気の流れ方向に対して所定角度で斜めに多数のルーバ7a(図1等参照)が切り起こし成形されており、このルーバ7aの成形によりフィン熱伝達率を向上させている。
【0017】
偏平チューブ6の両端開口部はシートメタル1b、2bのチューブ挿入穴内にそれぞれ挿入され、接合される。また、コア部3の最外側(図8の左右両端部)のコルゲートフィン7のさらに外側にはサイドプレート8a、8bが配設され、このサイドプレート8a、8bは最外側のコルゲートフィン7およびシートメタル1b、2bに接合される。
【0018】
なお、本例における熱交換器では、上記各構成部品1〜8bのすべてがアルミニュウム(アルミニュウム合金も含む)にて成形され、ろう付けにて各部が一体に接合されて組付られる。
さらに、熱交換用コア部3の一部の部位に電気発熱体ユニット9を設置しており、より具体的には、図8の例では、熱交換用コア部3の4箇所に電気発熱体ユニット9を等間隔で設置している。この電気発熱体ユニット9の設置のために、熱交換用コア部3の所定部位において、1本の偏平チューブ6とこの偏平チューブ6の両側に接合されるコルゲートフィン7を除去して設定される所定間隔の空間部を形成しておき、この状態で、熱交換器をろう付けした後に、熱交換用コア部3内の上記偏平チューブ6およびコルゲートフィン7の除去部位に電気発熱体ユニット9を挿入している。
【0019】
従って、電気発熱体ユニット9の厚さt0 (図9)は上記1本の偏平チューブ6とその両側のコルゲートフィン7とを合わせた厚さと同等に設定され、かつ長さLはシートメタル1b、2b間の寸法と同等に設定されている。
図9、図10はフィン付き電気発熱体ユニット9の具体的構造を例示するもので、電気発熱体ユニット9は、大別して発熱体本体部90と、コルゲートフィン(フィン部材)91、92と、枠体93、94とから構成されている。まず、発熱体本体部90は、図10に示す構造になっており、板状の発熱体素子90aと、この発熱体素子90aの表裏両面に配置された細長の平板状の電極板90b、90cとからなる3層のサンドウイッチ構造になっている。
【0020】
そして、この電極板90b、90cの周囲を全周にわたって電気的絶縁材料からなる被覆部材90dにより被覆している。ここで、発熱体素子90aは所定の設定温度T0 (例えば、150°C付近)にて抵抗値が急増する正の抵抗温度特性を有する抵抗体材料(例えば、チタン酸バリウム)からなるPTCヒータ素子である。発熱体素子90aの両電極板90b、90cはアルミニュウム、銅、ステンレス等の導電金属材から成形されている。発熱体素子90aと両電極板90b、90cは互いに圧接することにより、両者間の電気的導通を得る。
【0021】
発熱体本体部90はその被覆部材90dが両側のコルゲートフィン91、92の波状の折り曲げ頂部に圧接するようにして、2つの枠体93、94内に組付られる。被覆部材90dの具体的材質としては、高耐熱性の樹脂(例えば、ポリイミド樹脂等)が好ましい。上記電極板90bは正極側電極板であり、また、上記電極板90cは負極側電極板であり、それぞれ外部回路との電気接続用の端子部90e、90fが一体成形されている。なお、端子部90e、90fには、図示しない外部制御回路が電気接続され、この外部制御回路を介して車載電源から各電気発熱体ユニット9に通電されるようになっている。
【0022】
次に、コルゲートフィン91、92は、熱交換用コア部3のコルゲートフィン7と同様の波形状のもので、アルミニウム等の熱伝導性に優れた金属からなる。また、枠体93、94はアルミニウム、ステンレス等の熱伝導性に優れた金属でコ字状に成形されており、枠体93、94にはその長手方向の両側面(空気流れ方向A前後の両側面)の途中にそれぞれ、複数(本例では2個)の取付片93a、94aが曲げ成形されている。
【0023】
そして、この取付片93a、94aの先端部を互いに重ね合わせて、この重ね合わせ部を溶接、ろう付け等の手段で接合することにより、2つの枠体93、94を一体に結合するとともに、2つの枠体93、94の間で発熱体本体部90と、コルゲートフィン91、92に対して押圧力を作用させて、枠体93、94の内側空間に発熱体本体部90と、コルゲートフィン91、92を保持する。
【0024】
10はステンレスのような耐食性に優れた金属材料からなる締結(バンド)部材であって、熱交換用コア部3の空気入口側の面および空気出口側の面の両方に配置される。締結部材10はその両端に折り曲げ形状からなる引掛け部を有しており、この引掛け部を上下のサイドプレート8a、8bの長手方向の中央部に形成された係止溝部8c、8dに引掛けて、上下のサイドプレート8a、8bの間に装着する。
【0025】
この締結部材10の装着により、熱交換用コア部3に対して圧縮方向の締付け力が作用するので、電気発熱体ユニット9を隣接する2個の偏平チューブ6、6の間に圧接保持させる締付け力を得ることができる。なお、図8では締結部材10を熱交換用コア部3の上下方向の中央の1箇所のみに配置しているが、上下方向の複数箇所に締結部材10を配置してもよい。
【0026】
次に、上記した暖房用熱交換器の製造方法を説明すると、まず、最初に熱交換器構成を組み付けるコア組付工程を行う。すなわち、図1に示すように、熱交換用コア部3の偏平チューブ6とコルゲートフィン7を交互に積層するとともに、熱交換用コア部3のうち、電気発熱体ユニット9が設置される部位(図8の4箇所の斜線部)では、隣接する2本の偏平チューブ6、6の間に所定間隔Kを保持するために、この2本の偏平チューブ6、6の間に、所定間隔Kと同一の幅寸法を有する保形部材(治具)11を挿入する。
【0027】
この保形部材11は後述の一体ろう付けの工程に対する耐熱性を有し、かつアルミニュウムろう付けされない特性を持った材質(例えば、カーボン等)で形成しておく。また、保形部材11のうち、偏平チューブ6、6の偏平面と接する面には、図2に示すように、偏平チューブ6、6の長手方向(図1の上下方向)と直交する方向(換言すると空気流れ方向A)に延びる凹凸面を形成している。従って、保形部材11には、偏平チューブ6、6の偏平面と接する凸面11aと、偏平チューブ6、6の偏平面と接しない凹面11bが交互に多数形成されている。なお、保形部材11の長手方向寸法は、コア部3内への組み込み作業を容易化するため、偏平チューブ6、6の長手方向寸法より若干短くしてある。
【0028】
上記のコア組付工程において、タンク1、2、パイプ4、5、およびサイドプレート8a、8bも組み付けて、図8に示す熱交換器全体構成の組付を行うことはもちろんである。
次に、上記のごとくして、組み付けた熱交換器組付体の組付状態を図示しない適宜の治具により保持する。
【0029】
次に、熱交換器組付体の外面にフラックス噴射器(ノズル)12からフラックスを吹きつけて、フラックスを熱交換器組付体の各アルミニウム部材の表面に塗布する。ここで、保形部材11のうち、偏平チューブ6、6の偏平面と接する面には、偏平チューブ6、6の長手方向(図1の上下方向)と直交する方向(換言すると空気流れ方向A)に延びる凹凸面を形成しており、そして、保形部材11の凹面11bはフラックス噴射器12からのフラックス噴霧方向と平行になっているから、保形部材11の左右両隣の偏平チューブ6、6においても凹面11bを通って、フラックスが偏平チューブ6、6の偏平面の中央部に位置する接合部6cまで浸透することができ、この接合部6c付近にも十分フラックスを塗布できる。
【0030】
ここで、偏平チューブ6の具体的構成について説明すると、偏平チューブ6は、アルミニウム芯材(例えば:A3000系)の両面あるいは片面にろう材(例えば:A4000系)をクラッドした薄板状のアルミニウムクラッド材を用い、このアルミニウムクラッド材を図1に示すように巻き締め加工して、2つの偏平状の温水通路6a、6bを独立に構成するとともに、この2つの偏平状の温水通路6a、6bの中間に接合部6cを配置している。この接合部6cは、後述の熱交換器全体の一体ろう付けと同時にろう付けされるものである。
【0031】
なお、コルゲートフィン7はろう材をクラッドしてないアルミニウムベア材(例えば:A3000系)からなる。また、上記フラックスとしては、非腐食性のフッ化物系フラックス(KF・AlF3 等)が好適である。
上記のフラックス塗布工程を終了した後に、熱交換器組付体を治具により保持したまま、ろう付け炉内に搬入し、ろう付け工程を行う。すなわち、ろう付け炉内は窒素ガスまたは不活性ガス雰囲気に保持されており、この雰囲気にて熱交換器組付体をろう付け温度(600°C程度)に加熱して、熱交換器各部材のアルミニウムクラッド材のろう材を溶融し、熱交換器組付体の各部材間を一体ろう付けする。このろう付け工程の時間は数分程度である。
【0032】
このろう付け工程において、保形部材11の両隣の偏平チューブ6、6では、その偏平面に保形部材11が当接しているが、前述のごとく保形部材11の凹面11bを通して偏平チューブ6、6の接合部6c付近にも十分フラックスを塗布しているので、偏平チューブ6、6の接合部6cのろう付け性を良好に維持できる。
【0033】
また、保形部材11と偏平チューブ6、6とが凸面11aのみで接触しており、両者間の接触面積を小さくしているから、ろう付け時に、熱容量の大きい保形部材11の影響を受けて、両隣の偏平チューブ6、6の昇温速度が他の部位の偏平チューブ6に比して小さくなることを抑制でき、このことも、両隣の偏平チューブ6、6のろう付け性確保に貢献できる。
【0034】
上記のろう付け工程の終了後に、熱交換器組付体をろう付け炉から搬出し、常温まで熱交換器組付体の温度が低下した後に、電気発熱体ユニット9の組付工程を行う。
電気発熱体ユニット9はそれ単独で、熱交換器組付体とは別に組付を行って、図9の構造を完成しておく。そして、熱交換器組付体の熱交換用コア部3における2本の偏平チューブ6、6の間に挿入されている4箇所の保形部材11を取り出し、2本の偏平チューブ6、6の間に形成される所定間隔Kの空間部に、電気発熱体ユニット9を2つの枠体93、94の外側面が偏平チューブ面に接触するようにして組み付ける。この組付の後に、締結部材10の両端の引掛け部を上下のサイドプレート8a、8bの係止溝部8c、8dに引掛けて、上下のサイドプレート8a、8bの間に締結部材10を熱交換用コア部3が圧縮されるように装着する。
【0035】
これにより、電気発熱体ユニット9を2本の偏平チューブ6、6の間に圧接保持させる締付け力を熱交換用コア部3に対して作用させ、電気発熱体ユニット9を2本の偏平チューブ6、6の間に確実に保持固定できる。
(第2実施形態)
図3は第2実施形態による保形部材11であり、凸面11aおよび凹面11bを右下がりの所定角度θで傾斜させている。この傾斜角度θにより上段の凸面11aと下段の凸面11aとの間にラップ部分11cが形成される。
【0036】
第1実施形態の保形部材11によると、偏平チューブ6、6の長手方向に沿って凸面11aによる押圧面と凹面11bによる非押圧面とが交互に形成され、凹面11bによる非押圧面の部分では偏平チューブ6、6の偏平面に押圧力が作用せず、偏平チューブ6、6の厚さ管理がしにくくなる。
これに対し、第2実施形態の保形部材11によると、上記凸面11aのラップ部分11cの存在により、偏平チューブ6、6の長手方向に沿って凸面11aによる押圧面が断続されることなく連続的に形成されるので、偏平チューブ6、6の厚さを良好に管理でき、偏平チューブ6、6の厚さのばらつきを解消することができる。
【0037】
(第3実施形態)
図4は第3実施形態による保形部材11であり、中央部に中空部11dを有する形状としている。この中空部11dの形成により、保形部材11全体の質量が減少し、その分だけ保形部材11の熱容量を減少できる。その結果、ろう付け時に、保形部材11の昇温速度を高めることができるので、保形部材11の存在による両隣の偏平チューブ6、6の昇温速度が低下することをより一層良好に抑制できる。
【0038】
(第4実施形態)
図5は第4実施形態による保形部材11であり、第1実施形態による凸面11aの形状(図2)に対して、凸面11aの中央部を分断する溝部11eを追加したものである。この溝部11eの追加により、偏平チューブ6、6の中央部の接合部6cへのフラックス塗布をより一層良好にすることができる。
【0039】
(第5実施形態)
図6は第5実施形態による保形部材11であり、凸面11aの形状を矩形状から断面三角状に尖っている楔形にした例である。
(第6実施形態)
図7は第6実施形態による保形部材11であり、凸面11aの形状を矩形状から断面円弧状に成形された曲面形状(R形状)にした例である。
【0040】
(他の実施形態)
なお、上記の実施形態では、車両暖房用熱交換器に方発明方法を適用する場合について説明したが、本発明方法は車両暖房用に限定されることなく、種々な用途の熱交換器に広く適用可能であり、また、所定間隔Kの空間部に、電気発熱体ユニット9を挿入する場合について説明したが、電気発熱体ユニット9以外の機器を挿入する場合にも本発明方法は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す暖房用熱交換器組付状態の要部斜視図である。
【図2】図1の保形部材の斜視図である。
【図3】本発明の第2実施形態の保形部材の側面図である。
【図4】本発明の第3実施形態を示す暖房用熱交換器組付状態の要部斜視図である。
【図5】本発明の第4実施形態の保形部材の側面図である。
【図6】本発明の第5実施形態を示す暖房用熱交換器組付状態の要部斜視図である。
【図7】本発明の第6実施形態を示す暖房用熱交換器組付状態の要部斜視図である。
【図8】先願による暖房用熱交換器全体の斜視図である。
【図9】図8の暖房用熱交換器における電気発熱体ユニットの斜視図である。
【図10】(a)は同電気発熱体ユニットの発熱体本体部の一部破断斜視図、(b)は同発熱体本体部の横断面図、(c)は同発熱体本体部の縦断面図、(d)は同発熱体本体部の平面図である。
【図11】従来方法による暖房用熱交換器組付状態の要部斜視図である。
【符号の説明】
1、2…タンク、3…熱交換用コア部、6…偏平チューブ、6c…接合部、
7…コルゲートフィン、9…電気発熱体ユニット、10…締結部材、
11…保形部材、11a…凸面、11b…凹面、11c…ラップ部分、
11d…中空部、11e…溝部。

Claims (4)

  1. ろう付けにより接合される接合部(6c)を有する偏平チューブ(6)と、コルゲートフィン(7)とを交互に組付けるとともに、前記偏平チューブ(6)相互の間に所定の幅寸法(K)を持つ保形部材(11)を挿入するコア部組付工程と、
    このコア部組付工程の後に、前記偏平チューブ(6)と前記コルゲートフィン(7)との組付体の表面にフラックスを塗布するフラックス塗布工程と、
    このフラックス塗布工程の後に、前記組付体をろう付け炉内で加熱して、前記組付体を一体ろう付けするろう付け工程とを備え、
    前記保形部材(11)をろう付け温度に対する耐熱性を有し、かつ、ろう付けされない性質を有する材料で構成することにより、前記保形部材(11)をろう付け後に取り出して、前記偏平チューブ(6)相互の間に所定の幅寸法(K)の空間部を形成する熱交換器の製造方法であって、
    前記保形部材(11)のうち、前記偏平チューブ(6)に接する面を前記偏平チューブ(6)の長手方向と直交する方向に延びる凸面(11a)と凹面(11b)とを有する凹凸面となし、前記凸面(11a)の部分で前記保形部材(11)が前記偏平チューブ(6)の面と接するようにしたことを特徴とする熱交換器の製造方法。
  2. 前記保形部材(11)を取り出した後に形成される空間部に電気発熱体ユニット(9)を組付けることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器の製造方法。
  3. 前記凸面(11a)と凹面(11b)が前記偏平チューブ(6)の長手方向と直交する方向に対して所定角度(θ)傾斜していることを特徴とする請求項1または2に記載の熱交換器の製造方法。
  4. 前記凸面(11a)の途中に前記凸面(11a)を分断する溝部(11e)を形成したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の熱交換器の製造方法。
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