JP3911499B2 - カセットフィルター - Google Patents

Description

本発明は、濾材の折畳みパックが枠体に挿入されてなるカセットフィルターに関する。

クリーンルーム内において作業を行う場合には、その室内空気の純度に対して著しく高い要求が示される。その作業空間では、望まれる空気純度を維持するために、粉塵と微生物の浄化された空気が必要とされている。フィルターマットとバグフィルターとともに、カセットフィルターは、エアフィルターの通常の構造形態である。カセットフィルターは、外枠を有し、流れの方向に対して垂直に配置されている折畳みパックを有する。折畳みパックと枠体は、封止材料によって相互に封止されている。この折畳みパックは、ジグザグ形状に折りたたまれている紙フィルターから形成されている。微粒子フィルターの場合には、封止材料として液状で加工することのできるプラスチックがもっぱら使用される。マイクロフィルターの場合には、封止材料としてフィルター不織布が挿入されることもある。

外枠はフィルターに必要な機械的な安定性を与え、折畳みパックを損傷から保護し、そして取付装置内でのフィルター要素の固定具に対する隙間のないぴったりと合った取付を可能にする。枠体の材料として木、金属薄板又はアルミニウム押出成形材が使用される。液状で加工されたプラスチックからなるシーリング材料を利用して、カセットフィルターを枠体に組み込む場合には、４つの枠体の部品が互いに垂直位置で同時に接合され、そして折畳みパックと接着される。この方法の利点は、追加の型又は枠体の部品の特別な形状を必要としないことにある。しかしながら、欠点は、封止に使用されるプラスチックが完全な液状ではなく、それによって場合によっては、折畳みパックがすべての箇所においてプラスチックに入り込むことができるわけではなく、従って漏れが生じる可能性があることにある。

カセットフィルターを製造するためのもう１つの方法では、液状の流し込み材が、枠体の辺に対応する準備された型に入れられ、そして引き続き折畳みパックがこの液体に配置される。流し込み材の硬化後、折畳みパックの残りの側面に対して、このプロセスが繰り返される。この方法の場合には、折畳みパックが液状のプラスチック内に常に完全に入り込んでいるので、漏れは初めから排除される。この場合には希薄溶液状のプラスチックが流し込まれるので、枠体の部品自体が型として形成されていなければならないか、又は製造中の封止材の流出を妨げる追加の補助装置が必要である。この場合には継ぎ目、例えば追加の障害物が、流し込み材の流路を妨げる型の縁部として平らな枠体の部品に取り付けられる。流し込み材の硬化後に、この補助装置は再び取り去られる。しかしながら、市場では、ほとんどあらゆる寸法のカセットフィルターに対する需要があるので、個々の枠体の製造に個別の装置が必要とされる。従って木枠、あるいはまた深絞り又は鋳造された枠部品のこの多種多様さは、例えばすべての寸法に対して個別の深絞り型を必要とするため、著しくコストを集中させなければ実施することができない。

従って本発明は、カセットフィルターの製造、特にその枠体への組み込みを改善し、かつカセットフィルターを製造するために折畳みパックとともに組み立てることができる多種多様な寸法の枠体を簡単な方法で製造可能とすることを課題としている。

上記課題は、濾材からなる折畳みパックが枠体に挿入されて、形成されているカセットフィルター、特にマイクロフィルター又は微粒子フィルターのようなものおいて、本発明によれば、枠体が、同じ構造を有する側面枠縁と、この側面枠縁をその末端部で把持する角部継手とからなり、角部継手が、それぞれ２個１組で重ね合わせて嵌め込み可能であるエンドキャップを有することによって解決される。枠体がこのような構造であることによって、４つのすべての枠体の部品を容器として形成することができ、その結果、折畳みパックの周囲に希薄溶液状のプラスチックを完全に封止させながら流し込むことができる。しかしながら、同じ枠体構造で実施することができる封止の他の変形形態もまた可能である。

側面枠縁を前もって決定された大きさで個別に製造することが可能である。しかしながら、有利な製造形態では、側面枠縁を、エンドレスに製造されたストランド状の部材から短く切り出された部分より構成することができる。ストランド状の側面部材を、押出されたプラスチック又は、押出されたアルミニウムから形成することができる。このようにしてたった１つの工具のセットにより、固定された幅ではあるが、任意の長さの側面枠縁を製造することができる。

側面枠縁を断面で見てＵ字形に形成し、かつ側面枠縁の縁部を内側に折り返すことが有利である。この構成によって、角部継手との接続が支持されるが、これについては図面に関連させてさらに詳しく説明する。側面枠縁の底面に、側面枠縁の長手に沿って少なくとも１つのガイドリブが設けられ、このガイドリブは断面がＴ字形であり、かつこのＴ字の下端部で溝底面と接続していることが好ましい。これらのＴ字形の***部は、側面枠縁と角部継手の間の嵌め込み接続を支持する。さらにＴ字形の***部によって、流し込み材の硬化後に、構成部品によるしっかりとした把持が得られ、従って流し込み部分と枠体の部品の間の接着が強められる。

本発明によれば、１つの枠体に関し、枠体の対向する辺にそれぞれ２つの同じ角部継手が設けられ、これらの角部継手は側面枠縁に差し込み可能に形成されている。それぞれの角部継手にはＵ字形の段付部が設けられ、この段付部は関連する側面枠縁の端面に形状による嵌め合いにより挿入することができる。さらにＵ字形の段付部には、ガイドリブが嵌め込まれる細長いスリットが設けられている。角部継手には、さらにエンドキャップが設けられ、エンドキャップはそれぞれ２個１組で重ね合わせて嵌め込み可能である。

フィルター枠体を製造するために、角部継手が側面枠縁に挿入されることによって、その末端部にそれぞれ同じ角部継手を有する同じ長さの２つの側面枠縁が形成され、先ず２つの枠体の部品、例えば上辺と下辺が形成される。さらに他の２つの枠体の部品、枠体の右辺と左辺が、同じ長さの２本の側面枠縁及びそれらの端部に差し込まれた角部継手によってもたらされ、このとき、これらの角部継手にはエンドキャップが備えられており、このエンドキャップは第１の枠体の部品の角部継手に被せることができる。従って、先ず枠体の上辺及び下辺と、折畳みパックに流し込まれ、そして次に右側と左側の枠体の辺に流し込まれ、前もって作られた折畳みパックに押し込まれる。

外側のエンドキャップの側面の外壁及び、関連する側面枠縁の外壁は相互に面が整列されており、その結果、滑らかな外壁を有する枠体が得られる。

角部継手と側面枠縁の間の差込みによる接続のために、戻り止めは不要である。なぜならば、これらの部分は、挟み込みによって相互に堅固に結合され、その結果これらの部品が流し込み中及び接合中に相互に脱落しないからである。流し込み材が硬化すると直ちに、枠体の辺の個々の部品の接着もまた行われる。

本発明の実施例を示す添付の図面を参照して、さらに詳細に説明する。

カセットフィルターの構造はそれ自体公知であり、従って以下においてはカセットの枠体の、本発明による発展部分のみを詳述する。

図１に、側面枠縁１を斜め上から見た図を示す。側面枠縁１は、エンドレスに製造されたストランド状の部材から短く切り出された部分である。この側面枠縁は、断面で見るとＵ字形に形成されており、かつ底面２から上方に突出した側壁３を有する。側壁３の縁部４は内側に折り返されている。側面枠縁１の底面２に、断面がＴ字形であるガイドリブ５が長手方向に沿って設けられている。このＴ字の下端部は底面２に接続されている。

図２と３は、それぞれ角部継手６と７を示し、ここで、図２の角部継手６は内側の角部継手を表し、図３の角部継手７は外側の角部継手を表す。角部継手６と７は、注型部品として、例えばプラスチック射出成形部品から製造される。角継手６、７はそれぞれ、Ｕ字形の段付部８を有し、この段付部は側面枠縁１の端面に形状による嵌め合いにより差し込むことができる。さらに段付部８には、ガイドリブ５が嵌め込まれる細長いスリット９が２つ設けられている。ガイドリブ５、側壁３及び縁部４を有する側面枠縁の構成と、角部継手６及び７の構成は、角部継手６及び７が側面枠縁１に差し込まれることによって、これらの間の形状による嵌め合いにより、確実な結合が得られるように、相互に調整されている。その差し込みの深さはスリット９の深さによって画定される。さらに角部継手６と７には、側面にストッパ面10と11が設けられ、これらの角部継手はストッパ面で側面枠縁１の側壁３に当接する。内側の角部継手と呼ばれる角部継手６のエンドキャップ12の寸法は、このエンドキャップに外側の角部継手７のエンドキャップ13を被せることができるように設計されている。このために、エンドキャップ12は、ほんのわずかエンドキャップ13より小さく形成されている。外側のエンドキャップ13の側面の外壁14の寸法は、この外壁が関連する側面枠縁１の外壁３と面が整列するように選択されている。外側のエンドキャップ13の正面壁15は、枠体が完全に組み立てられた場合に、内側のエンドキャップ６の正面壁16を完全に覆う。

図４は、角部継手６及び７が設けられている側面枠縁１の２つの末端部20と21をそれぞれ示す。角部継手６と７はそれぞれ、末端部20と21に差し込まれている。

側面枠縁を斜め上から見た図である。 内側の角部継手を斜め上から見た図である。 外側の角部継手を斜め上から見た図である。 内側の角部継手及び外側の角部継手が備えられている側面枠縁から構成されている予め形成された２つの辺部品を示す図である。

Claims (8)

1. 濾材の折畳みパックが枠体に挿入されてなるカセットフィルター、特にマイクロフィルター又は微粒子フィルターであって、前記枠体が、断面で見てＵ字形に形成されいるとともに同じ構造を有する側面枠縁（１）と、当該側面枠縁（１）をその末端部（20、21）で把持する角部継手（６、７）とからなるものにおいて、
   前記側面枠縁（１）の底面（２）に、前記側面枠縁（１）の長手方向に整列されている少なくとも１つのガイドリブ（５）が設けられ、
   前記ガイドリブ（５）の断面がＴ字形であり、このＴ字の下端部が前記底面（２）と接続し、
   １つの枠体について、当該枠体の対向する辺のそれぞれに同じ２つの角部継手（６、７）が設けられ、これらの角部継手が前記側面枠縁（１）に差し込み可能に形成され、
   前記角部継手（６、７）がエンドキャップ（12、13）を有し、当該エンドキャップ（12、13）が、それぞれ２個１組で重ね合わせて嵌め込み可能であることを特徴とするカセットフィルター。
2. 前記側面枠縁（１）が、エンドレスに製造されたストランド状の部材から短く切り出された部分よりなる請求項１記載のカセットフィルター。
3. 前記側面枠縁（１）が押出されたプラスチックからなる請求項１又は２記載のカセットフィルター。
4. 前記側面枠縁（１）の側壁（３）の縁部（４）が、内側に折り返されている請求項１〜３のいずれか１項に記載のカセットフィルター。
5. 前記角部継手（６、７）が、射出成形物又はダイカスト鋳物からなる請求項１記載のカセットフィルター。
6. 前記角部継手（６、７）のそれぞれにＵ字形の段付部（８）が設けられ、この段付部が関連する前記側面枠縁（１）の端面に対して形状による嵌め合いにより差し込み可能である請求項１〜５のいずれか１項に記載のカセットフィルター。
7. 前記段付部（８）に、前記ガイドリブ（５）が嵌め込まれる細長いスリット（９）が設けられている請求項６記載のカセットフィルター。
8. 外側のエンドキャップ（ 13 ）の側面の外壁（ 14 ）と、関連する前記側面枠縁（１）の外壁（３）との面が互いに整列している請求項１〜７のいずれか１項に記載のカセットフィルター。

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