JP3910409B2 - 包装材料用積層体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、包装材料用積層体に関し、より詳細には液体食品等の液体の包装に適した包装材料用積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、液体食品等の包装材に紙を主体として、これとポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル等のプラスチックフィルム等の材料を積層したものが用いられている。この内部充填物である液体を保護するために包装材内側にアルミニウム箔等のバリア層が設けられることが多い。更に、このバリア層を保護するために包装材の最内層になるプラスチック層が接着層を介して設けられている。最内層になるプラスチック層には、包装材から包装容器を作製する際に作製を容易にするために、比較的接着性が良好で比較的低融点のポリエチレン、特に低密度ポリエチレンが用いられることが多い。
【0003】
しかし、この低密度ポリエチレンは、強度が十分でないことから包装容器の保形性が悪く、又、包装容器の低密度ポリエチレンの接合部を引き剥がして内容物を取り出す包装容器の開封手段において、接合部を引き剥がし難く包装容器の開封性に難がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、少なくとも紙層及びその内側にバリア層を有する液体食品等の包装材料において、該包装材料から作製された包装容器の保形性が良好で、包装容器の開封性に優れた包装材料を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の問題点を改善すべく鋭意検討した結果、紙層及びその内側にバリア層を有する包装材料において、該バリア層の内側に接着層を介して多環状オレフィン共重合体含有ポリエチレン層を設け、更にその内側にメタロセン触媒を用いることにより製造さ
れる直鎖状低密度ポリエチレン層を設けることにより、本発明の目的を達成し得ることを見出し、本発明に到達した。なお、本発明において、内層とは包装材料用積層体を用いて内部充填物を包装する場合、内部充填物に接する側の層を言い、外層とはその反対側の層を言う。又、内側とは同様に内部充填物を包装する場合、内部充填物に近い側を言い、外側とはその反対側を言う。
【0006】
すなわち、本発明は、少なくとも紙層を有する外層とバリア層、接着層、多環状オレフィン共重合体を1〜50重量%含有する多環状オレフィン共重合体含有ポリエチレン層及びメタロセン触媒を用いることにより製造される直鎖状低密度ポリエチレン層がその順に積層した内層とが積層した積層体であり、該直鎖状低密度ポリエチレン層は該内層の最内側層を形成することからなる包装材料用積層体を要旨とする。
又、本発明の包装材料用積層体は、上記外層は上記紙層の外側に熱可塑性樹脂層を有することを特徴とする。
又、本発明の包装材料用積層体は、上記外層は上記紙層の内側に熱可塑性樹脂層を有することを特徴とする。
又、本発明の包装材料用積層体は、上記多環状オレフィン共重合体含有ポリエチレン層は0.910g/cm3 以上の密度と5〜25g/10分のメルトフローインデックスを有するポリエチレンからなることを特徴とする。
又、本発明の包装材料用積層体は、上記直鎖状低密度ポリエチレン層は0.900〜0.925g/cm3 の密度、10〜20g/10分のメルトフローインデックス及び1.4以上のスウェル比を有する直鎖状低密度ポリエチレンからなることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の包装材料用積層体の外層は、少なくとも紙層を有するものである。紙層を形成する紙は、坪量が50〜350g/m2 の通常のものが使用できる。
【0008】
上記外層は、少なくとも紙層を有するものであるが、紙層の外側に1層又は複数の他層を設けた構成、紙層の内側に1層又は複数の他層を設けた構成、紙層の外側及び内側に1層又は複数の他層を設けた構成を採ることができる。上記他層の少なくとも1つは、熱可塑性樹脂フィルム層が好ましい。
【0009】
熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン、ナイロン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1等が挙げられる。ナイロンとしては、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン−11、ナイロン−12等が挙げられる。ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。これらの中でもポリオレフィンが好ましい。ポリエチレンとしては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等が挙げられ、これらのいずれでも良い。
【0010】
上記熱可塑性樹脂フィルム層を複数設ける場合、それら各々の熱可塑性樹脂フィルム層は、同種のフィルム層であっても、異種のフィルム層であってもよい。上記熱可塑性樹脂フィルム層の厚さは、通常5〜200μmである。上記外層は、更に、例えば、印刷層を設けることができる。印刷層の形成は、通常のインクを用い、通常の方法で外層の紙層の外側や紙層の外側に必要に応じて設けられる上記熱可塑性樹脂フィルム層の内側等に印刷すれば良い。
【0011】
本発明の包装材料用積層体の内層の最外側を形成するバリア層は、バリア性材料単独でも良く、バリア性材料を含む多層構造からなるものでも良い。バリア性材料としては、アルミニウム箔、酸化珪素蒸着ポリエチレンフタレート、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ナイロン樹脂等が挙げられる。バリア性材料を含む多層構造としては、ポリエチレンフィルム/アルミニウム箔、接着性ポリエチレン/酸化珪素蒸着ポリエチレンテレフタレートの2軸延伸フィルム(/接着剤)、ポリエチレンフィルム/接着剤/エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム/接着剤、ナイロン樹脂フィルム/接着剤等が挙げられる。バリア層の厚さは、通常5〜25μmである。
【0012】
本発明の包装材料用積層体の内層を形成する多環状オレフィン共重合体含有ポリエチレン層のポリエチレンは、密度が0.910g/cm3 以上でメルトフローインデックスが5〜25g/10分のものが好ましく、特に、密度が0.910〜0.930g/cm3 の低密度ポリエチレン及び直鎖状低密度ポリエチレン並びに密度が0.931〜0.942g/cm3 の中密度ポリエチレンが好適である。
上記ポリエチレンは、該ポリエチレンと相溶性の他のオレフィンポリマー、特に、多環状オレフィン共重合体を混合する。本発明において、多環状オレフィン共重合体含有ポリエチレン層は、多環状オレフィン共重合体を1〜50重量%含有する。
更に無機充填剤と混合したものでも良い。混合物中のこれら他のオレフィンポリマー及び/又は無機充填剤の含有量は、1〜50重量%が好ましい。
【0013】
多環状オレフィン共重合体は、多環状オレフィンとエチレン若しくはα−オレフィンとの共重合体、多環状オレフィンとモノ環状オレフィンとの共重合体、多環状オレフィンと非共役ジエンとの共重合体が等が挙げられるが、多環状オレフィンとエチレン若しくはα−オレフィンとの共重合体、特に多環状オレフィンとエチレンとの共重合体が好ましい。
【0014】
多環状オレフィンとしては、ビシクロ[2,2,1]−ヘプト−2−エン及びその誘導体、テトラシクロ[4,4,0,12,5 ,17,10]−3−ドデセン及びその誘導体、ヘキサシクロ[6,6,1,13,6 ,110,13 ,02,7 ,09,14]−4−ヘプタデセン及びその誘導体、オクタシクロ[8,8,0,12,9 ,14,7 ,111,10 ,113,16 ,03,8 ,012,17 ]−5−ドコセン及びその誘導体、ペンタシクロ[6,6,1,13,6 ,02,7 ,09,14]−4−ヘキサデセン及びその誘導体、ペンタシクロ[6,5,1,13,6 ,02,7 ,09,13]−4−ペンタデセン及びその誘導体、ヘプタシクロ[8,7,0,12,9 ,14,7 ,111,17 ,03,8 ,012,15 ]−5−ヘンエイコセン及びその誘導体、ヘプタシクロ[8,8,0,12,9 ,14,7 ,111,16 ,03,8 ,012,17 ]−5−ヘンエイコセン及びその誘導体、トリシクロ[4,4,0,12,5 ]−3−ウンデセン及びその誘導体、トリシクロ[4,3,0,12,5 ]−3−デセン及びその誘導体、ペンタシクロ[6,5,1,13,6 ,02,7 ,09,13]−4,10−ペンタデカジエン及びその誘導体、ペンタシクロ[4,7,0,12,5 ,08,13,19,12]−3−ペンタデセン及びその誘導体、ヘプタシクロ[7,8,0,13,5 ,12,7 ,110,17 ,011,16 ,012,15 ]−4−エイコセン及びその誘導体、ノナシクロ[10,1,14,7 ,03,8 ,02,10,012,21 ,113,20 ,014,19 ,015,19 ]−5−ペンタセコン及びその誘導体等が挙げられる。
【0015】
多環状オレフィンと共重合されるα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等が挙げられる。モノ環状オレフィンとしては、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3−メチルシクロヘキセン、シクロオクテン等が挙げられる。非共役ジエンとしては、1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン等が挙げられる。多環状オレフィンと共重合されるこれらオレフィン類は、1種又は2種以上用いることができる。
【0016】
多環状オレフィンと上記オレフィン類との共重合は、通常、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ハフニウム等の遷移金属化合物と有機アルミニウム化合物を組み合わせた触媒を用い、有機溶媒等の媒体の存在下若しくは不存在下、−50〜150℃の温度で行われる。上記の共重合により製造される本発明で用いられる多環状オレフィン共重合体は、多環状オレフィンと上記オレフィン類とのランダム共重合体であるが、多環状オレフィンに由来する構造単位が30〜95モル%、特に40〜80モル%のものが好ましい。
【0017】
上記ポリエチレンに上記の多環状オレフィン共重合体を混合したものを内層とした包装材料用積層体から作成され、内部充填物が充填された容器を、例えば、70℃以上で折り曲げたり、130℃程度までの温度でレトルト処理する等を行ってなんら問題が生じないという効果を発揮する。
【0018】
上記ポリエチレンと混合することができる無機充填剤としては、マイカ、タルク、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。ポリエチレン層の厚さは、通常10〜25μmである。
【0019】
上記バリア層と上記ポリエチレン層を接合させる接着層としては、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、アイオノマー、低密度ポリエチレン等の他、本発明の包装材料用積層体を形成する内層の最内側に設けられる層に用いられる後記のメタロセン触媒を用いることにより製造される直鎖状低密度ポリエチレンが使用可能である。接着層の厚さは、通常4〜10μmである。
【0020】
本発明の包装材料用積層体を形成する内層の最内側に設けられる層に用いられるメタロセン触媒を用いることにより製造される直鎖状低密度ポリエチレン(以下、mLLDPEという。)は、メタロセン触媒の存在下、エチレン及びコモノマーの炭素数が4〜8個のα−オレフィン、好ましくは1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン等の炭素数が6個以上のα−オレフィンを共重合することによって製造したものが望ましい。
【0021】
上記メタロセン触媒とは、チタン、ジルコニウム、ハフニウム等の遷移金属をπ電子系のシクロペンタジエニル基又は置換シクロペンタジエニル基等を含有する不飽和環状化合物ではさんだ構造の化合物であるメタロセンと、アルキルアルミノキサン、アルキルアルミニウム、アルミニウムハライド、アルキルアルミニウムルハライド等のアルミニウム化合物等の助触媒とを組合わせたものである。
【0022】
mLLDPEは、分子量分布が重量平均分子量/数平均分子量で2〜4と狭く、密度が0.900〜0.925g/cm3 のものが用いられるが、密度が0.900〜0.915g/cm3 のものが好ましく、0.905〜0.910g/cm3 のものがより好ましい。又、このmLLDPEは、メルトフローインデックス(MFI:190℃、荷重2.16kg)が10〜20g/10分、スウェル比(SR)が1.4以上、特に1.4〜1.6のものが好ましい。更に、示査熱分析による最高溶融温度が88〜103℃のものが好ましく、特に93〜103℃のものが好ましい。mLLDPEの厚さは、通常10〜25μmである。
【0023】
本発明の包装材料用積層体は、少なくとも紙層を有する上記の外層と上記の内層のバリア層とが接合して該外層と該内層が積層してなるものであるが、それら外層と内層を接合して積層体とする方法は、予め準備した該外層と該内層を接着剤を介して行う方法の他、該外層及び/又は該内層の接する層が熱溶融可能な層の場合それらの層を熱溶融してそれと接する層と貼り合わせる方法、該外層及び/又は該内層を同時押し出し成形する場合それらを同時押し出し成形して積層する方法、それらを組み合わせる方法等、従来積層体を製造する際に行われている方法のいずれも採用することができる。
【0024】
本発明の上記各包装材料用積層体からは、テトラブリック(商標)型等の直方体、1l牛乳入
り容器に代表される屋根付き直方体、立方体、円筒形、平行8角柱体、胴部中央部が平行8角柱で頂部及び底部が4角形のテトラプリズマ(商標)型、パウチ等、従来公知
の任意の形態の包装容器等を成形することができる。
【0025】
【実施例】
以下、本発明を実施例により、詳細に説明する。
(実施例1)
クラフト紙(坪量:220g/m2 )からなる外層と、アルミニウム箔(7μm)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体からなる接着層(4μm)、密度:0.915g/cm3 、MFI:8g/10分の低密度ポリエチレン70重量%と多環状オレフィン共重合体(多環状オレフィン成分60モル%、エチレン成分40モル%)30重量%との混合物から成形したフィル
ム(17μm)及び密度:0.908g/cm3 、MFI:16g/10分、SR1.5、示査熱分析による最高溶融温度が98℃のmLLDPEからなるフィルム(15μm)からなる内層を該内層のmLLDPEフィルムが最内側になるようにして熱接着し、本発明の積層体を製造した。
【0026】
(実施例2)
実施例1の紙層の外側に低密度ポリエチレンフィルム(15μm)を設けた外層と実施例1で用いた内層を実施例1と同様にして接着し、本発明の積層体を製造した。
【0027】
(実施例3)
実施例1の紙層の内側に直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(10μm)を設けた外層と、実施例1で用いた内層の低密度ポリエチレンフィルムの代りに密度:0.923g/cm3 、MFI:12g/10分の低密度ポリエチレン70重量%と多環状オレフィン共重合体(多環状オレフィン成分60モル%、エチレン成分40モル%)30重量%との混合物から成形したフィルム(17μm)を用いて作成した内層を実施例1と同様にして接着し、本発明の積層体を製造した。
【0028】
(実施例4)
実施例1の紙層の外側にポリプロピレンフィルム(20μm)を内側に低密度ポリエチレンフィルム(17μm)を設けた外層と、実施例1で用いた内層のアルミニウム箔の代りに酸化珪素蒸着ポリエチレンテレフタレートの2軸延伸フィルム(12μm)を用いて作成した内層を実施例1と同様にして接着し、本発明の積層体を製造した。
【0029】
(比較例)
実施例1の紙層とその内側に低密度ポリエチレンフィルム(30μm)を用いて実施例1と同様にして接着して積層体を製造した。
【0030】
実施例1〜4及び比較例で製造した積層体を用い、200ml入りのレンガ型液体食品容器を作製し、これに水を充填して、それらの容器の性能を下記の要領で評価した。
【0031】
保形性
振動試験(JIS Z0232 A−1法)を行った上記各容器20個について、その正面、裏面、天面、底面の皺、凹み及び起立性を目視にて観察した。又、容器外部の寸法を測定し、規格値との誤差を求めた。
【0032】
その結果、実施例1〜4で製造した積層体を用いて作製した容器では、皺は全面になく(但し、正面と裏面には薄い影がある)、正面と裏面に1〜2mm程度の凹みがあり、規格値に比べ1〜2mm程度の寸法誤差があったのに対して、比較例で製造した積層体を用いて作製した容器では、正面と裏面に2〜3mm程度の皺が、正面と裏面に2〜3mm程度の凹みがそれぞれあり、規格値に比べ2〜4mm程度の寸法誤差があった。なお、起立性は両者共に良好であった。
このことから、各実施例に係る積層体を用いて成形した容器は、比較例に係る従来の積層体を用いて成形した容器に比べ、保形性に優れていることが判る。
【0033】
開封性
実施例1〜3及び比較例で製造した積層体を用いて作製した上記の容器に水を充填して密封したものについて、無作為で抽出した10人のパネラーに開封試験を依頼した所、比較例のもので作製した容器に比べ、実施例のもので作成した容器のものの方が、非常に開封し易いとした者が1人、開封し易いとした者が4人、同等とした者が5人であった。
このことから、本発明の積層体を用いて容器の開封性が優れていることが判る。
【0034】
【発明の効果】
本発明の積層体を用いて容器を成形した場合、その最内層を構成するメタロセン触媒重合より得られた直鎖状低密度ポリエチレン層と多環状オレフィン共重合体含有層とにより成形された容器は保形性が良好であり、容器の開封性に優れている。
本発明の積層体を用いて容器を成形した場合、器壁を構成する多環状オレフィン共重合体含有ポリエチレン層により従来用いられているプラスチック等の剛性、つや、透明性、耐引っ掻き性、耐熱性、耐湿性等が改良され、引いては容器の外観、見栄えが良好になる。
多環状オレフィン共重合体含有ポリエチレン層は本発明の積層体の内層を構成する直鎖状低密度ポリエチレン層と相溶性が良好であり、最内層の接着性を向上改善する。その結果、得られる容器は好シール性を示す。
本発明の積層体を用いて容器を成形した場合、層構成された多環状オレフィン共重合体含有ポリエチレン層などの層構成により成形容器が保形性に優れる。従って、容器の出来映えは良好である。
容器壁の構成層に多環状オレフィン共重合体含有ポリエチレン層が設けられているので、理論上必ずしも明らかではないが、紙層の機械的強度を補完し、容器形状を良好に保持する。従って、容器の外観は良好である。
多環状オレフィン共重合体含有ポリエチレン層は、耐熱性に優れることのみならず、130℃程度の高温であっても、容器壁内部に損傷、熱履歴などをおこさず、オートクレーブ処理及びレトルト処理を行う必要がある包装容器に最適である。
多環状オレフィン共重合体含有ポリエチレン層で容器内部及び容器自体が保護されているので、内容充填物の酸性が強い場合でも、アルミ箔等のバリア性が維持され、特に高温下でも容器漏れが発生しない。
本発明の積層体の最内層をメタロセン触媒での重合により得られた直鎖状低密度ポリエチレン層とすることにより、内側で直鎖状低密度ポリエチレン層と多環状オレフィン共重合体とが適度に混合してシールするので、包装積層体から成形した容器のシール性を向上することができる。
本発明の積層体を用いて容器を成形した場合、メタロセン触媒による重合により得られた直鎖状低密度ポリエチレン層を最内層に構成すると、意外にも、シール性と共に、容器の開封性に優れている。
本発明の積層体から成形された容器を構成する層の多環状オレフィン共重合体は、非常に良好な湿気バリア性を有し、容器の湿気バリア性が改良される。多環状オレフィン共重合体層内側のバリア層の酸素捕捉性能を維持保護することができる。紙層の内側にあるバリア層の酸素バリア性を相俟って、容器により完全なバリア機能を付加することができる。

Claims (5)

  1. 少なくとも紙層を有する外層とバリア層、接着層、多環状オレフィン共重合体を1〜50重量%含有する多環状オレフィン共重合体含有ポリエチレン層及びメタロセン触媒を用いることにより製造される直鎖状低密度ポリエチレン層がその順に積層した内層とが積層した積層体であり、該直鎖状低密度ポリエチレン層は該内層の最内側層を形成することからなる包装材料用積層体。
  2. 上記外層は上記紙層の外側に熱可塑性樹脂層を有することを特徴とする請求項1記載の包装材料用積層体。
  3. 上記外層は上記紙層の内側に熱可塑性樹脂層を有することを特徴とする請求項1又は2記載の包装材料用積層体。
  4. 上記ポリエチレン層は0.910g/cm3 以上の密度と5〜25g/10分のメルトフローインデックスを有するポリエチレンからなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の包装材料用積層体。
  5. 上記直鎖状低密度ポリエチレン層は0.900〜0.925g/cm3 の密度、10〜20g/10分のメルトフローインデックス及び1.4以上のスウェル比を有する直鎖状低密度ポリエチレンからなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の包装材料用積層体。
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