JP3909591B2 - スクロール流体機械 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固定スクロールと旋回スクロールとにより流体を圧縮して外部に吐出するスクロール流体機械、更に詳しくは、固定スクロール端板に中央部から外周に向かって植設した渦巻きラップと嵌合する渦巻ラップが植設された端板の中央部で、駆動源と連絡した回転軸と連結して旋回駆動する旋回スクロールを備えたスクロール流体機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
スクロール流体機械は周辺から取り込んだ流体を、固定スクロール及び旋回スクロールによって形成される密閉空間により順次圧縮して中央部に送り、その圧縮流体を中央部分から吐出する。その流体圧縮により、ラップ間の密閉空間は高温となるために、駆動部分に設けられたベアリング、シール部材等の劣化を早めるという問題があり、従来より、スクロールを冷却して所定値以上の温度上昇を抑えるべく冷却が行われている。
【0003】
この冷却方式は、固定スクロールを冷却する非駆動部冷却方式と、旋回スクロールを冷却する駆動部冷却方式とが知られている。
図16に示す方式は、非駆動部冷却方式に係る技術であり、密閉容器105内に枠体109を設け、該枠体上に旋回スクロール116を配置し、該旋回スクロールの端板114の下方に軸113を垂下させ、枠体109の中央部に設けられた開口部から、前記軸113を図示しない駆動源に連結した回転軸104に偏心して連結するとともに、旋回スクロール116のラップ115と嵌合するラップ111を植設した固定スクロール112が配置されている。
【0004】
固定スクロール112には、外周部に気体吸入口118が開設され、回転軸104の回転により旋回スクロール116が固定スクロール112に対して公転揺動して、吸入された気体はラップ111及び115によって形成される密閉空間が徐々に小さい容積を形成することにより圧縮され、圧縮気体は固定スクロール112の中央部に開設された吐出口121から吐出管120を介して外部に吐出されるように構成されている。
そして、固定スクロール112の端板110内には、前記圧縮行程で発生した熱を冷却する複数のヒートパイプ122が、中央部から外周に向かって放射状に配設されている。
【0005】
また、図17に開示されるような旋回スクロールを冷却する駆動部冷却方式も知られている。
図中、ケーシング211はケーシング本体212と前側ケーシング213とから構成され、駆動軸214は軸受215を介して前記ケーシング本体212の軸受部に回転自在に軸支され、駆動軸214の一端側は軸受部外に突出して図示しないモータと連結され、駆動軸214の軸線O1−O1に対してクランク軸214Bの軸線O2−O2は距離δだけ偏心している。
【0006】
旋回スクロール216は鏡板216aと、該鏡板216aの前面側に形成された渦巻状のラップ部216bと、鏡板216aの背面側に位置して軸線O2−O2を中心として形成され、延伸部213bの内周側端面より小径となったボス部216cと、鏡板216aの背面側でその周縁側に形成された環状突起216dと、該環状突起216dに対して径方向に形成された複数の通気孔216eとから構成されている。
【0007】
固定スクロール221は鏡板221aと、該鏡板221aに形成された渦巻状ラップ部221bと、該ラップ部221bの周辺に位置して形成された円筒部221cとから構成されている。
前記ラップ部221bが旋回スクロール216のラップ部216bと所定角度ずらして重なり合うように配置することにより、旋回スクロールが旋回するとき各ラップは複数の圧縮室を形成する。
ハウジング212内の回転軸214にはカウンタウエイト225が取付られ、該カウンタウエイト225には駆動軸214の回転により、冷却風を発生する遠心ファン226が取付られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述する従来技術によると、図16に示す非駆動部冷却方式は、固定スクロールの端板にヒートパイプ122が設けられているために、ヒートパイプ122の熱吸収部は、固定スクロールより駆動する旋回スクロールにとっては遠方に位置し、熱伝導路は旋回スクロールのラップ115の先端と固定スクロールの端板110及び前記端板110とラップが形成する気体が圧縮される密閉空間で形成され、旋回スクロール116と接触して駆動するベアリングやシール部材等の周辺の冷却は固定スクロールの冷却と比べて能率が落ちるとともに、温度分布が一定しないという問題がある。
【0009】
また、ヒートパイプ122の熱放出部分の冷却は、吸入管119によって吸入される気体により満たされる密閉容器内空間105aに熱放出することにより行われる。
そして、固定スクロールと旋回スクロールが形成する圧縮空間が気体を吸入する吸入口118は前記空間105aに導通しているので、ヒートパイプ122の熱放出により温度が上昇した気体が再度吸入口118から前記圧縮空間に吸入することとなり、冷却効率が低下する。
この冷却効率を低下させないためには、吸入管119が接続する外部において、特別の冷却手段を設ける必要がある。これは構成を複雑にするとともに装置が大型化するという問題がある。
【0010】
また、図17に示す駆動部冷却方式は、駆動軸214の回転により、遠心ファン226により吸気通路227から外気を強制吸入し、環状空間部B、冷却風通路220を経て排気通路228から排出される。
この方式は、旋回スクロール216の中央部分を冷却した後の気体は旋回スクロール216の背面にそって排気通路228から排気するために、この排気通路を必要とし、また、さらに冷却効率を上げるためには別途固定スクロール221の背面を冷却するファンを設ける必要があり、装置が大型化するという問題があった。
【0011】
上述の事情に鑑み、本発明は、冷却効率のよいスクロール流体機械を提供する事を目的とする。
また、本発明の他の目的は、耐久性のよいスクロール流体機械を提供することである。
また、本発明の他の目的は、小型のスクロール流体機械を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の特徴は、端板の中央部から外周に向かって渦巻きラップを植設した固定スクロールと、前記渦巻ラップと嵌合する渦巻ラップが植設された端板の中央部で駆動源と連絡した回転軸と連結して旋回駆動する旋回スクロールとを備えたスクロール流体機械において、
中空の冷却通路を前記回転軸内に形成し、該回転軸の一端から冷却用気体を導入して他端から排気するように、前記回転軸の端部にファンを配設するとともに、前記冷却通路の他端に前記回転軸外周に向かって導通する連通孔を開設し、前記ファンによって冷却に寄与した気体を前記連通孔から強制排気することにより前記旋回スクロールの中央部分を冷却するとともに、前記連通孔を通らない気体により前記中央部分以外を冷却するように構成し、好ましくは前記ファンが回転軸の他端若しくは両端に配設されていることを特徴とする。
【0013】
このように構成したので、回転軸を直接冷却することができ、旋回スクロールは端板の中央部で駆動源と連絡した回転軸により旋回駆動され、スクロールの周辺部から取り込んだ流体を中央部に順次圧縮移送される過程において発生する熱を、最も高い中央部において冷却することができ、旋回スクロールの中央部周辺に設けられたベアリングやシール部材、また、回転軸周囲のベアリングやシール部材を効率よく冷却することができる。
そして、固定スクロールと旋回スクロールとの熱膨張による差をなくし、温度分布を一定にし、ラップのかじりを防止し、グリスメンテナンス期間を延長することができ、よって、耐久性が向上することができる。
また、発熱を低減することにより各スクロールのクリアランスを小さくでき、また、高速運転を行うことができることにより、到達圧力が向上できる。
【0014】
また、この冷却通路内に、導入した冷却用気体を撹拌する乱流形成手段を設けて構成すると、さらに好ましい。
このように構成すると、簡単な構成で気体による冷却手段を形成することができ、また、乱流形成手段を設けることにより、冷却通路の内壁面近辺と中心部分との気体の温度差が迅速に縮まり、効率のよい冷却を行うことができる。
【0015】
また、本発明によれば、冷却通路11Ad(図1)、11Bd(図2)内を冷却気体32が通過することにより、旋回スクロール3の中央部を冷却し、この冷却に寄与した気体は連通孔11Ac(図1)、11Bc(図2)から他端に配したファン13により強制排気される。
そして、他端に配したファン13はさらに、ラップ7が植設された固定スクロールであるハウジング4の背面を冷却した気体を矢印40(図8)のごとく排気する。
よって、旋回スクロールの中央部のみでなく、それ以外の部分も冷却され、効率のよい冷却を行うことができる。
【0016】
また、参考例として端板の中央部から外周に向かって渦巻きラップを植設した固定スクロールと、前記渦巻ラップと嵌合する渦巻ラップが植設された端板の中央部で駆動源と連絡した回転軸と連結して旋回駆動する旋回スクロールとを備えたスクロール流体機械において、
中空の冷却通路を前記回転軸内に形成し、該中空冷却通路内に1端に蒸発部、他端に凝縮部を有する一対の熱移動手段を挿設し、前記回転軸の中央側に前記夫々の熱移動手段の蒸発部を位置させ、旋回スクロールの中央部分を冷却するように構成し、好ましくは前記夫々の熱移動手段の凝縮部を回転軸両端部に位置させ、該両端部に設けたファンにより前記熱移動手段の凝縮部とともに、旋回スクロールもしくは固定スクロールの反ラップ部を冷却するように構成すると好ましい。
図3に示すように、回転軸11Cの軸心方向に開設した中空路11Cd内に一対のヒートパイプ24A、24Bが配置されている。
図4に示すように、ヒートパイプ24は、銅、ステンレス鋼、ニッケル、タングステン、モリブデン等により密閉容器25内に設けられたウイック構造体28と、このウイック構造体28に囲繞された内部空間25dと、前記ウイック構造体と前記内部空間25d間を加熱及び冷却により状態を変化して気化及び液化して循環する動作液とで構成され、蒸発部25aにより旋回スクロールの中央部から熱を受け、動作液が気化し、矢印37に示すように凝縮部25cに移動し、該凝縮部25cにおいて、放熱して液化してウイック構造体28内に動作液として戻る。
前記ヒートパイプ24の熱輸送量は、熱伝導性のよい銅、アルミニウム等の金属に比較して数百倍も多量の熱輸送が行えるために、効率のよい旋回スクロールの中央部の冷却を行うことができる。
【0017】
このように構成することにより、例えば前記回転軸の両端部に配したファン12、13によって図3に示すように矢印35、36方向に冷却風が流れ、一対のヒートパイプ24A、24Bの放熱部(凝縮部)を冷却する。
また、端板の両方の面に旋回ラップを植設したダブルラップ旋回スクロールと固定スクロールとの組み合わせの場合は、前記回転軸の両端部に配したファン12、13の回転により、矢印方向39、40(図8)に冷却風が移動し、前記ファンによるヒートパイプの冷却とともにハウジング4、5によって形成される固定スクロールの反ラップ部を冷却した気体を排気することができる。
【0018】
また、端板の一方の面に旋回ラップを植設したシングルラップ旋回スクロールと固定スクロールとの組み合わせの場合にも適用されるものであり、この場合は、前記ファンの近傍には固定スクロールが位置する方式と、旋回スクロールが位置する方式とがあり、前記ファンにより一対のヒートパイプ24A、24Bの凝縮部の冷却とともに固定スクロールもしくは旋回スクロールの反ラップ部を冷却した気体を排気することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載される構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載が無い限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0020】
図1は、本発明の実施例に係るスクロール流体機械の回転軸とファンの組立構造を示す第1実施例図、図2は、本発明の実施例に係るスクロール流体機械の回転軸とファンの組立構造を示す第2実施例図、図5は、本発明の実施例に係るスクロール流体機械の組立構造図、図6は、図5のC−C方向から見た図、図7は、図5のD−D方向から見た図、図8は、図1の部分拡大図、図9〜図12は回転軸がそれぞれ90゜ずつ回転変位した状態におけるスクロールの作用を示す図であって、図9は、ガスバラスト用の気体の導入を開始したスクロールの状態を示す概略図、図10は、ガスバラスト用の気体の導入をしているスクロールの状態を示す概略図、図11は、ガスバラスト用の気体の導入終了直前のスクロールの状態を示す概略図、図12は、ガスバラスト用の気体の導入孔を閉鎖したスクロールの状態を示す概略図、図13は、本発明の実施例に係るスクロール流体機械の回転軸とファンの組立構造を示す第1実施例の改良実施例を示す図、図14は、本発明の実施例に係るスクロール流体機械の回転軸とファンの組立構造を示す第2実施例の改良実施例を示す図である。
【0021】
まず、本発明の実施例に係る回転軸冷却構造を適用するスクロール流体機械の基本構造を説明する。
図5において、ポンプ本体1の回転軸11は右端をモータ2の駆動軸に連結され、モータ2の回転力により回転可能に設けられている。
この回転軸11の中央部分は、その外周が回転中心軸線よりは幾分膨らんだ偏芯部11aを有し、その偏芯部11aの両端部はハウジング4及び5の軸受け及びパッキング部に支持され、回転可能に設けられている。
【0022】
固定スクロールを構成するハウジング4及び5は、それぞれ円蓋状をなし、ケーシングとして機能するその周壁をシール部材を介して当接させてその内部に密閉空間を形成している。
ハウジング4には、ラップ摺動面4bが軸方向垂直に設けられ、その摺動面4bには、その中央部分に、前述の回転軸11の偏芯部11aを外れた、偏芯しない部分が回転可能に嵌合する開口部4i(図8)が設けられ、その開口部近傍を先端7a(図9)として矢印30方向から見て時計方向回転に渦巻状のラップ7が植設され、該ラップ7の上縁には溝が設けられ、該溝には相手側摺動面と接触して密閉状態を完全にするフッソ系樹脂等の自己潤滑性のあるチップシール14が嵌入(図8)されている。
【0023】
前記ラップ7の先端7aの近傍の摺動面4bに開口部を有する吐出孔4c(図8、図9)が開設され、該吐出孔4cから吐出通路4dを通ってハウジング4の外周面4aに設けた吐出口部9から外部に圧縮気体が排出されるように構成されている。
また、ハウジング4のラップと反対側面にある基部4fにはガスバラスト用の気体を導入する導入管10が設けられ、気体はこの導入管10から通路4gを通って導入孔4eから密閉空間Rに導入される。
【0024】
また、ハウジング4の周壁部分には、120゜ずつ円周方向3箇所に3対の公転機構17が設けられている。
この公転機構17は、後述する旋回スクロールと連結している。
また、ハウジング4の外周部4aには、吸入口部8が設けられ、該吸入口部8は図示しない、真空にしようとする容器と連結され、その容器から開口部8aを介して、前記容器内の気体が吸引される。
【0025】
一方、ハウジング5には、ラップ摺動面5bが軸方向垂直に設けられ、その摺動面5bには、その中央部分に、前述の回転軸11の偏芯部11aを外れた、偏芯しない部分が回転可能に嵌合する開口部が設けられ、その開口部近傍を周端として矢印31方向から見て反時計方向回転に渦巻状のラップ6が植設され、該ラップ6の上縁には溝が設けられ、該溝には相手側摺動面と接触して密閉状態を完全にするチップシール14が嵌入(図8)されている。
【0026】
ハウジング4及び5が形成する内部空間には、旋回スクロール3が公転可能に嵌挿される。
旋回スクロール3は、円盤状に形成されたプレートの摺動面3d及び3fに前記固定スクロールに設けられたラップと嵌合可能なラップ26及び27が植設されている。
【0027】
前記ラップ26は矢印30方向から見て、時計方向回転に設けられ、前記ラップ27は矢印31方向から見て、反時計方向回転に設けられている。
旋回スクロール3の中央部分には、前述した回転軸11の偏芯部分11aが回転可能に嵌合する開口部3aが開設され、該開口部3aの周囲は、前記回転軸11の偏芯部分11aの全長に亙ってラップ26a及び27a(図9)によって囲繞するように構成されている。
【0028】
ガスバラスト用の気体を導入する前述した固定スクロールのラップ7と旋回スクロール3のラップ27とで形成される密閉空間Rに対応する、固定スクロールのラップ6と旋回スクロール3のラップ26とで形成される密閉空間Lとの間には連通孔3eが開設され、導入管10から侵入する気体は、密閉空間Rから該連通孔3eを通って密閉空間Lに充満されるように構成されている。
【0029】
また、ハウジング5の外側と、ハウジング4の外側の回転軸11の両端部には、この真空ポンプを冷却するファン12、13が設けられ、これらのファンを保護するために、中央部に開口孔18aを有したカバー18、及び19がハウジング5及び4に取付られている。
そして、カバー18とハウジング5との間には多数の開口孔29Ba、29Bb(図7)を開設した遮蔽板29Bが、カバー19とハウジング4との間には多数の開口孔29Aa、29Ab(図6)を開設した遮蔽板29Aが取付られている。
また、旋回スクロールの外周部には、前述したようにハウジング4に一端が支持され、120゜ずつ円周方向3箇所に3対の公転機構17の他端が支持され、該公転機構17を介して前記固定スクロールとは偏心した回転中心を有して公転するように配置される。
【0030】
次に、上述のごとく構成された本実施例の動作を、図9〜図12を用いて説明する。図9〜図12中(a)は図8におけるA−A方向から見た図であり、(b)はB−B方向から見た図である。
図5において、回転軸11が回転すると、旋回スクロール3が公転し、図示しない容器から気体を吸入し、固定スクロールのラップ6、7の外周から気体を旋回スクロールのラップ26及び27によって、それらの固定スクロール及び旋回スクロールのラップによって形成する密閉空間に取り込み、この密閉空間によって圧縮され、3個以上の密閉空間により圧縮された後に、図12(a)に示すR0密閉空間から図9(a)に示す空間R1に到ると、導入管10からの導入孔4eが開成する。
【0031】
このとき、真空にしようとする容器内の圧力が外部気圧に近いときは、前記導入孔から気体が導入される密閉空間R1の内圧はすでに外部大気より高く、また、ガスバラスト用の導入管10から導入される気体の圧力が前記内圧より低いと導入孔4eを通って気体は導入されない。
旋回スクロールの公転駆動により、密閉空間R及びLはR1、L1(図9)、R2、L2(図10)、R3、L3(図11)、R4、L4(図12)と変化して圧縮気体は吐出孔4cから排出される。
【0032】
よって、前記空間R1、L1の時点で、すでに容器内の気体が水蒸気を含んでいると最終密閉空間R4、L4においては飽和蒸気圧以上となり、蒸気が凝縮して液化し、最終密閉空間を形成するラップの内壁に付着して水分が蓄積される。
【0033】
もし、すでに空間R1、L1に到るまでに水蒸気が液化した場合は、若干の水分が固定スクロールの導入孔4eから導入管10に逆流するが、導入孔4eは狭く、且つ、ガスバラスト用気体が存在するので、導入管10に侵入する水分は極めて少ない。
【0034】
真空にしようとする容器内の圧力が低下すると、容器内の水分は気化が進むがガスバラスト用の前記導入孔から気体が導入される密閉空間R1、L1の内圧は、該密閉空間に到るまでに取り込んだ流体が圧縮されたとしても、前記導入孔から導入される気体の圧力より低くなり、前記導入孔から気体が導入される。
【0035】
この時点で導入された気体中の水蒸気の比率が低下する。そして、R2、L2(図10)、R3、L3(図11)まで前記水蒸気を含んだ流体が圧縮される。
この時、この空間の圧縮流体の圧力はガスバラスト用の気体の圧力より大きくなるが、導入孔4eが小径であり、旋回スクロールの駆動速度が早くかつ、ガスバラスト用の気体が存在するので、導入孔4eから逆流する圧縮流体は少なく、また、R4、L4(図12)において密閉空間が吐出孔4cと導通する直前に固定スクロールの導入孔4eは旋回スクロールのラップ27aによって閉鎖される。
【0036】
そして、前記空間が圧縮され、吐出孔と導通するとき(図12)の水蒸気分圧を低下させ、スクロールポンプの飽和蒸気圧以下とし、液化させずに、かつ、前記凝縮して液化してラップ壁に付着した水分を気化させるとともに、吐出孔から排出する。
【0037】
一方、図12に示す空間S0(a)、T0(b)は、回転軸11が90゜回転すると、図9に示すようにS1(a)、T1(b)と圧縮されるが、この圧縮空間にはガスバラスト用の導入孔は存在しない。そして、図10のS2、T2を経て図11のS3、T3空間が吐出孔4cと連通して圧縮流体は外部に吐出される。よって、この行程においては、飽和蒸気圧以上となり、蒸気が凝縮して液化し、最終密閉空間を形成するラップの内壁に付着して水分が蓄積される場合がある。
【0038】
この場合においても、ガスバラスト用の導入管と連通する空間R4、L4(図12)が、空間S3、T3の圧縮流体を吐出孔4cから吐出後に続いて吐出孔4cと導通するので、水蒸気分圧が低い、スクロールポンプの飽和蒸気圧以下の圧縮気体が、前記空間S3、T3において凝縮して液化した水分を気化させつつ、吐出孔から排出する。
【0039】
上述のように動作するスクロール流体機械は、周辺から取り込んだ流体を中央部に向けて連続的に圧縮するものであり、中央部が最高に圧縮されるために、中央部が最も高温になる。
次に、この中央部を冷却する冷却手段の構成を説明する。
図1は、本発明の実施例に係るスクロール流体機械の回転軸とファンの組立構造を示す第1実施例図である。同図において、回転軸11Aの回転軸中心にそって外部の気体を左端の開口11Agから導入する冷却通路11Adが削設され、該冷却通路11Adの右端には遮蔽板23により遮蔽されている。
【0040】
回転軸11Aの右端部11Abには、冷却通路11Adから右端部11Abの外周面に向かって放射状に複数の開口孔11Acが開設され、該開口孔11Acは、前記右端部11Abに嵌合固着するファン13の嵌合部20Aに設けられた開口孔13aに連通して、ファン13の回転により、冷却通路11Ad内を冷却した冷却気体を前記開口孔13aから外部に矢印34のごとく排気可能に構成されている。
【0041】
回転軸11Aの左端部11Aeには、該左端部11Aeに嵌合するファン12の嵌合部20Bが、先端のネジ部11Afにナット22によって固着され、ファン12の回転により、遮蔽板29B(図7)に開設された開口孔29Baからハウジング5の反ラップ面(図5)を冷却した冷却気体を外部に矢印39のごとく排気可能に構成されている。
【0042】
このように構成されているので、冷却通路11Ad内を冷却気体32が通過することにより、旋回スクロール3の中央部を冷却し、この冷却に寄与した気体は連通孔11Acから遮蔽板29Aの開口孔29Ab(図6)を通ってファン13により強制排気される。
【0043】
図2は、本発明の実施例に係るスクロール流体機械の回転軸とファンの組立構造を示す第2実施例図である。
同図において、回転軸11Bの回転軸中心にそって外部の気体を左端の開口11Bgから導入する冷却通路11Bdと、該通路11Bd内周面に溝11Bhがスパイラル状に削設され、該冷却通路11Bdの右端には遮蔽板23により遮蔽されている。
【0044】
回転軸11Bの右端部11Bbには、冷却通路11Bdから右端部11Bbの外周面に向かって放射状に複数の開口孔11Bcが開設され、該開口孔11Bcは、前記右端部11Bbに嵌合固着するファン13の嵌合部20Aに設けられた開口孔13aに連通して、ファン13の回転により、冷却通路11Bd内を冷却した冷却気体を前記開口孔13aから外部に矢印34のごとく排気可能に構成されている。
【0045】
回転軸11Bの左端部11Beには、該左端部11Beに嵌合するファン12の嵌合部20Bが、先端のネジ部11Bfにナット22によって固着され、ファン12の回転により、遮蔽板29B(図7)に開設された開口孔29Baからハウジング5の反ラップ面(図5)を冷却した冷却気体を外部に矢印39のごとく排気可能に構成されている。
【0046】
このように構成されているので、冷却通路11Bd内を冷却気体32が通過することにより、旋回スクロール3の中央部を冷却される、この際に、スパイラル状に形成された溝11Bhにより導入した冷却用気体を撹拌する乱流形成手段を設けているので、冷却通路の内壁面近辺と中心部分との気体の温度差が迅速にちじまり、効率のよい冷却を行うことができる。
尚、前記乱流形成手段は、前記冷却通路11Bd内にスパイラル状のコイルスプリングを挿入してよい。
また、前記冷却通路11Bdの内径を外径とする、2液を混合するようなミキシングパイプを前記冷却通路11Bd内に挿入してもよい。
【0047】
図3は、本発明の参考例に係るスクロール流体機械の回転軸とファンの組立構造を示す参考例図、図4は、該参考例に用いるヒートパイプの構造図である。
より具体的には図3は、本発明の参考例に係るスクロール流体機械の回転軸とファンの組立構造を示す参考例図である。同図において、回転軸11Cの回転軸中心にそって中空路11Cdが削設され、該中空路11Cd内にはヒートパイプ24A、24Bが配置されている。
【0048】
回転軸11Cの右端部11Cbには、ファン13の嵌合部21Aが嵌合固着し、ファン13の回転により、ヒートパイプ24Aの放熱部25cを冷却した冷却気体を外部に矢印36のごとく排気可能に構成されている。
回転軸11Cの左端部11Ceには、該左端部11Ceに嵌合するファン12の嵌合部21Bが、先端のネジ部11Cfにナット22によって固着され、ファン12の回転により、ヒートパイプ24Bの放熱部25cを冷却した冷却気体を外部に矢印36のごとく排気可能に構成されている。
【0049】
前記一対のヒートパイプ24A、24Bは、図4に示すように、銅、ステンレス鋼、ニッケル、タングステン、モリブデン等により形成された密閉容器25内に設けられたウイック構造体28と、このウイック構造体28に囲繞された内部空間25dと、前記ウイック構造体28と前記内部空間25d間を加熱及び冷却により状態を変化して気化及び液化して循環する動作液とで構成され、蒸発部25aにより旋回スクロール3の中央部から熱を受け、動作液が気化し、矢印37に示すように凝縮部(放熱部)25cに移動し、該凝縮部25cにおいて、放熱して液化してウイック構造体28内に動作液として戻る。
【0050】
このように構成された一対のヒートパイプ24A、24Bを中空冷却通路11Cd内に配置した参考例に係る回転軸11Cは、図3において、回転軸11C中央側に位置する一対のヒートパイプ24A、24Bを形成する容器25の夫々の一端側加熱部(蒸発部)25aにおいて旋回スクロール3により発生した熱を吸収し、ヒートパイプ内の動作液を蒸発気化させ、この気化した気体は回転軸11C両端側に位置する夫々の凝縮部25cにおいてファン12、13において矢印35、35として吸引する外部気体により冷却され液化される。
【0051】
冷却に寄与した外部気体は遮蔽板29A、29B(図6、図7)の開口孔29Ab、29Bbを通って矢印36、36として外部に排出される。
また、固定スクロールのラップを植設したハウジング4、5の反ラップ面を冷却した気体は遮蔽板29A、29B(図6、図7)の開口孔29Aa、29Baを通って矢印39、40(図8)として、前記旋回スクロール3の中央部を冷却した気体とともに外部に排出される。
【0052】
前記ヒートパイプ24の熱輸送量は、熱伝導性のよい銅、アルミニウム等の金属に比較して数百倍も多量の熱輸送が行えるために、効率のよい旋回スクロールの中央部の冷却を行うことができる。
また、ヒートパイプは内部を中空に形成し、該中空の周面にウイック構造体と動作液を配置しているだけであるので、軽量であり、熱源から離れた場所に、しかも少ない温度差で、かつ極めて迅速に熱を移動することができ、効率のよい中央部の冷却を行うことができる。
また、断熱部25bを適宜設計することにより、また、蒸発部25aおよび凝縮部25cの大きさ形状を設計することにより、熱移動量を簡単に設定することができる。
【0053】
次に、本発明の実施例に係るスクロール流体機械の回転軸とファンの組立構造を示す第1実施例の改良実施例を説明する。図13は、第1実施例である図1の改良に係るものであり、中心に冷却気体が導通する冷却通路11Ddを有した円筒で形成された小径部11Dkと、同じ径の冷却通路11Ddを有した円筒で形成された中径部11Dbとの間に、前記冷却通路11Ddより大径の内部空間11Djを有した大径の円筒で形成された偏芯部11Daを挟んで、お互いの冷却通路11Ddの内周面及び空間11Djの内周面をラインM−Mを合わせて、お互いの円筒の接続端を40A〜40dのごとくロー付けして、回転軸11Dを構成したものである。
【0054】
このように構成しているので、回転軸11Dが回転すると偏芯部11Daの内部空間11Djが回転し、冷却通路11Ddから導入された冷却気体は、空間11Dj部で気体は偏芯部分に広がるとともに、該部分の気体は空間の偏芯部内周面で押され、乱流が発生し、熱交換を効率よく行うことができる。
【0055】
次に、本発明の実施例に係るスクロール流体機械の回転軸とファンの組立構造を示す第2実施例の改良実施例を説明する。図14は、第2実施例である図2の改良に係るものであり、中心に冷却気体が導通する冷却通路11Edを有した円筒で形成された小径部11Ekと、同じ径の冷却通路11Edを有した円筒で形成された中径部11Ebとの間に、前記冷却通路11Edより大径の内部空間11Ejを有した大径の円筒で形成された偏芯部11Eaを挟んで、お互いの冷却通路11Edの内周面及び空間11Ejの内周面をラインN−Nを合わせて、お互いの円筒の接続端を40A〜40dのごとくロー付けするとともに、螺旋溝11Ehを削設して回転軸11Eを構成したものである。
【0056】
このように構成しているので、回転軸11Eが回転すると螺旋溝11Ehにより冷却通路11Edから導入された冷却気体は、乱流を発生し、さらに、偏芯部11Eaの内部空間11Ejが回転し、冷却気体は、空間11Ej部で偏芯部分に広がるとともに、該部分の気体は空間の偏芯部内周面で押され、乱流が増長され、熱交換を効率よく行うことができる。
尚、第2実施例において説明したように、前記乱流形成手段としては、前記冷却通路11Ed内にスパイラル状のコイルスプリングを挿入してよく、また、前記冷却通路11Edの内径を外径とする、2液を混合するようなミキシングパイプを前記冷却通路11Ed内に挿入してもよいことは勿論のことである。
【0057】
次に、本発明の実施例に係るスクロール流体機械の回転軸とファンの組立構造を示す第3実施例の改良実施例を説明する。図15は、参考例である図3の改良に係るものであり、同図において、回転軸11Fの両端部から偏芯部11Faに向かって回転軸中心線Pより角度αだけ傾斜した線Qを中心として中空路11Fr、11Flが削設され、該中空路11Fr、11Fl内にはヒートパイプ24A、24Bが配置されている。
【0058】
回転軸11Fの右端部11Fbには、ファン13の嵌合部21Aが嵌合固着し、ファン13の回転により、ヒートパイプ24Aの放熱部25cを冷却した冷却気体を外部に矢印36のごとく排気可能に構成されている。
回転軸11Fの左端部11Feには、該左端部11Feに嵌合するファン12の嵌合部21Bが、先端のネジ部11Ffにナット22によって固着され、ファン12の回転により、ヒートパイプ24Bの放熱部25cを冷却した冷却気体を外部に矢印36のごとく排気可能に構成されている。
【0059】
このように構成された本実施例は、前記参考例において説明したような動作により、熱交換が行われる。
すなわち、ヒートパイプ24A、24Bの夫々の一端側加熱部(蒸発部)25aにおいて旋回スクロール3により発生した熱を吸収し、ヒートパイプ内の動作液を蒸発気化させ、この気化した気体は凝縮部25cにおいてファン12、13において矢印35、35として吸引する外部気体により冷却され液化される。
【0060】
冷却に寄与した外部気体は遮蔽板29A、29B(図6、図7)の開口孔29Ab、29Bbを通って矢印36、36として外部に排出される。
また、固定スクロールのラップを植設したハウジング4、5の反ラップ面を冷却した気体は遮蔽板29A、29B(図6、図7)の開口孔29Aa、29Baを通って矢印39、40(図8)として、前記旋回スクロール3の中央部を冷却した気体とともに外部に排出される。
【0061】
上述の熱交換過程において、本実施例は中空路11Fr、11Flが中心線Pより傾斜しているので、加熱部25aは中心線Pを中心として偏芯して回転することとなり、遠心力を発生し、回転軸11C両端側の凝縮部25cにおいて液化された動作液を加熱部に引き上げる作用をなし、動作液の循環を助長させ、冷却効果が向上する。
よって、本実施例においては毛細管作用の動作液還流方法を有するヒートパイプのみでなく、遠心力を利用した回転式ヒートパイプにおいても使用可能であって、その利用範囲は広い。
【0062】
尚、上述の実施例においては、図5に示すように、端板の両方の面に旋回ラップを植設したダブルラップ旋回スクロールと固定スクロールとの組み合わせで説明したが、これに限定されるものではなく、端板の一方の面に旋回ラップを植設したシングルラップ旋回スクロールと固定スクロールとの組み合わせの場合にも適用されるものであり、この場合は、前記ファンの近傍には固定スクロールが位置する方式と、旋回スクロールが位置する方式とがあり、前記ファンによりヒートパイプの冷却とともに固定スクロールもしくは旋回スクロールの反ラップ部を冷却した気体を排気することができることは勿論のことである。
【0063】
また、本実施例は前記回転軸の端部にファンを配設するとともに、前記冷却通路の他端に前記回転軸外周に向かって導通する連通孔を開設し、前記ファンによって冷却に寄与した気体を前記連通孔から強制排気することにより前記旋回スクロールの中央部分を冷却するとともに、前記連通孔を通らない気体により前記中央部分以外を冷却するように構成している。
すなわち、冷却通路11Ad(図1)、11Bd(図2)内を冷却気体32が通過することにより、旋回スクロール3の中央部を冷却し、この冷却に寄与した気体は連通孔11Ac(図1)、11Bc(図2)からファン13により強制排気される。
そして、ファン13はさらに、ラップ7が植設された固定スクロールであるハウジング4の背面を冷却した気体を矢印40のごとく排気する。
よって、旋回スクロールの中央部のみでなく、それ以外の部分も冷却され、効率のよい冷却を行うことができる。
【0064】
上述したように、本実施例は、回転軸を直接冷却することができので、旋回スクロールは端板の中央部で駆動源と連絡した回転軸により旋回駆動され、スクロールの周辺部から取り込んだ流体を中央部に順次圧縮移送される過程において発生する熱を、最も高い中央部において冷却することができ、旋回スクロールの中央部周辺に設けられたベアリングやシール部材、また、回転軸周囲のベアリングやシール部材を効率よく冷却することができる。
そして、固定スクロールと旋回スクロールとの熱膨張による差をなくし、温度分布を一定にし、ラップのかじりを防止し、グリスメンテナンス期間を延長することができ、よって、耐久性が向上することができる。
また、発熱を低減することにより各スクロールのクリアランスを小さくでき、また、高速運転を行うことができることにより、到達圧力が向上できる。
【0065】
また、上述した実施例の、ガスバラスト用の前記導入孔の開口部を前記旋回スクロールのラップ摺動面に設けるとともに、前記開口部の開口孔径を前記ラップ幅より小に形成し、前記旋回スクロールのラップ駆動により前記導入孔の開口を開閉可能に構成し、前記固定スクロール及び旋回スクロールが形成する最終密閉空間が外部への吐出通路と導通する時期に同期して前記導入孔の開口部を閉鎖するように構成しているので、最終密閉空間が吐出通路と導通しているときにガスバラスト用の前記導入孔とは遮断され、前記導入孔へ圧縮流体が逆流することが防止され、圧縮流体は吐出通路から外部に排出される。
したがって、導入孔開口部をラップ幅より小さい径に設定するという簡単な構成で前記圧縮流体の逆流が防止でき、前記気体導入孔の部分に特別な逆止め弁を設ける必要がない。
【0066】
また、前記旋回スクロールのプレートの表裏面にそれぞれラップを形成し、これらのラップとお互いに嵌合するラップを有する第1固定スクロール及び第2固定スクロールとにより前記旋回スクロールを旋回駆動可能に設け、前記第1固定スクロール及び第2固定スクロールのうちの一方の固定スクロールにガスバラスト用導入孔を設けるとともに、前記旋回スクロールのプレートには他方の固定スクロールとで形成する密閉空間に前記気体を送る連通孔を開設し、前記一方の固定スクロールに吐出孔を設け、前記密閉空間内の圧縮流体を前記気体とともに圧縮して外部に吐出するように構成しているので、一方の固定スクロールに前記導入孔を設けるとともに、圧縮流体の吐出孔を設けているので、前記導入孔及び吐出孔が片方の固定スクロール側のラップの反対側の部分に集中配置され、それらを一方及び他方の固定スクロールに分散させて配置するより、構成が簡単になり製造が容易になる。
【0067】
また、ガスバラスト用の前記導入孔から旋回スクロールの一方のラップと一方の固定スクロールのラップとで形成される密閉空間に導入された気体は旋回スクロールのプレートに設けられた前記連通孔を介して旋回スクロールの他方のラップと他方の固定スクロールのラップとで形成されるもう一方の密閉空間に導入しているので、両方の固定スクロールにガスバラスト用の気体を導入する導入孔を設けなくても、一方の固定スクロールに導入孔を設ければよいために、構成が簡単で製造が容易になる。
【0068】
尚、本実施例は種々変形することができる。
上述したように、R空間、L空間にガスバラスト用の導入孔からの気体を導入しているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、S空間、T空間にガスバラスト用の気体を導入するように構成してもよい。
また、ガスバラスト用の導入管10及び吐出通路4c、4dはハウジング4側に取付られているが、これはハウジング5側に設けてもよい。
また、ガスバラスト用の気体はハウジング4及び5の両方に導入管を設け、旋回及び固定スクロールのラップで形成される空間R及びLに両方から導入してもよい。その場合は、前記空間RとLを連通する導入孔3eは不用となるとともに、両方から迅速にガスバラスト用の気体が導入されるので効率がアップする。
また、吐出通路はハウジング4側の4c、4dとともに、ハウジング5側にも設けてもよいことは勿論のことである。
【0069】
また、ガスバラスト用の気体は導入管10から外部大気を導入してもよいが、空気また N2 等乾燥ガスに熱を加えて導入するのが望ましい。この場合は、スクロールラップ内の蒸気または液体の乾燥が早められ、劣化防止が促進される。
また、本実施例は、容器から有害なガスなどを吸引した場合は、導入管から N2 等の希釈用ガスを導入して有害ガスを安全基準まで希釈することができる。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は冷却効率のよい構造であるので、ラップのかじりを防止し、グリスメンテナンス期間を延長することができ、よって、耐久性を向上することができる。
また、発熱を低減することにより各スクロールのクリアランスを小さくでき、また、高速運転を行うことができることにより、到達圧力が向上できる。等の著効を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係るスクロール流体機械の回転軸とファンの組立構造を示す第1実施例図である。
【図2】 本発明の実施例に係るスクロール流体機械の回転軸とファンの組立構造を示す第2実施例図である。
【図3】 本発明の参考例に係るスクロール流体機械の回転軸とファンの組立構造を示す図である。
【図4】 図3に用いるヒートパイプの構造図である。
【図5】 本発明の実施例に係るスクロール流体機械の組立構造図である。
【図6】 図5のC−C方向から見た図である。
【図7】 図5のD−D方向から見た図である。
【図8】 図1の部分拡大図である。
【図9】 ガスバラスト用の気体の導入を開始したスクロールの状態を示す概略図である。
【図10】 ガスバラスト用の気体の導入をしているスクロールの状態を示す概略図である。
【図11】 ガスバラスト用の気体の導入終了直前のスクロールの状態を示す概略図である。
【図12】 ガスバラスト用の気体の導入孔を閉鎖したスクロールの状態を示す概略図である。
【図13】 本発明の実施例に係るスクロール流体機械の回転軸とファンの組立構造を示す第1実施例の改良実施例を示す図である。
【図14】 本発明の実施例に係るスクロール流体機械の回転軸とファンの組立構造を示す第2実施例の改良実施例を示す図である。
【図15】 本発明の参考例に係るスクロール流体機械の回転軸とファンの組立構造を示す第3の改良実施例を示す図である。
【図16】 非駆動部冷却方式を示す従来例図である。
【図17】 駆動部冷却方式を示す従来例図である。
【符号の説明】
1 ポンプ本体
3 旋回スクロール
4、5 ハウジング
6、7、26、27 ラップ
8 吸入口部
9 吐出口部
10 導入管
11 回転軸(11A、11B、11C、11D、11E)
12、13 ファン
14 チップシール
15、16 パッキング
18、19 カバー
20 軸受(20A、20B)
21 軸受(21A、21B)
24 ヒートパイプ(24A、24B)
25 容器
28 ウイック構造体
29 遮蔽板(29A、29B)

Claims (3)

  1. 端板の中央部から外周に向かって渦巻きラップを植設した固定スクロールと、前記渦巻ラップと嵌合する渦巻ラップが植設された端板の中央部で駆動源と連絡した回転軸と連結して旋回駆動する旋回スクロールとを備えたスクロール流体機械において、
    中空の冷却通路を前記回転軸内に形成し、該回転軸の一端から冷却用気体を導入して他端から排気するように、前記回転軸の端部にファンを配設するとともに、前記冷却通路の他端に前記回転軸外周に向かって導通する連通孔を開設し、前記ファンによって冷却に寄与した気体を前記連通孔から強制排気することにより前記旋回スクロールの中央部分を冷却するとともに、前記連通孔を通らない気体により前記中央部分以外を冷却するように構成したことを特徴とするスクロール流体機械。
  2. 前記ファンが回転軸の他端若しくは両端に配設されていることを特徴とする請求項1記載のスクロール流体機械。
  3. 前記冷却通路内に、導入した冷却用気体を撹拌する乱流形成手段を設けたことを特徴とする請求項1記載のスクロール流体機械。
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