JP3908214B2 - 集電装置の防音側壁 - Google Patents

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Description

本発明は、車両における集電装置の防音側壁に関し、特に新幹線車両のような高速鉄道車両の集電装置、いわゆるパンタグラフから発生する騒音を低減するのに好適な車両における集電装置の防音側壁に関するものである。
従来、車両の屋根上にある集電装置に当たる気流を規制して騒音を下げるために、集電装置を囲う風防カバーを設けることが行われている(例えば、特許文献1、2参照。)。
特許文献1には、集電装置の車両走行方向の前後で集電装置に向かって緩やかに立ち上がり最終部がほぼ水平な頂部となるスロープ部と、これらスロープ部間に集電装置の設置領域を残すキャビティ部とを有して、車両走行時の騒音を低減する集電装置の風防カバー装置が記載されている。特に、従来のものとして記載している風防カバーが横断面矩形であるものに対する改良発明として、風防カバーの外面のほぼ全体が連続する湾曲面となり、かつ、車両進行方向に対して垂直方向の断面積が、スロープの立ち上がり始端から舟***置に向かって連続的に増加し、断面積の車両進行方向に沿う変化グラフが直線領域を3分の1程度含むようにしたものを開示している。
特許文献2には、特許文献1に記載の従来例のようなタイプの風防カバーでの、集電装置の設置領域をなす凹部、いわゆるキャビティ部で生じる負圧や気流の乱れによるキャビティ音を低減した改良発明が開示されている。このものは、スロープ部をメッシュ構造として集電装置に対する対向気流の働きを規制しながら、通気作用によってキャビティ音そのものの発生を抑えるのに併せ、キャビティ部の両側に防音側壁を設けることにより発生するキャビティ音がまわりに漏れて騒音となるのを低減できるようにしている。特許文献1に開示の防風カバーでも、キャビティ音は発生するので防音側壁を併用するのが好適となる。防音側壁は集電装置の風防カバーに比し対向気流に対し空気抵抗の小さな薄い流線形状としやすい。
ところで、遮音に関する関係式としていわゆる質量則が知られている。これは、壁体の透過損失TLは、その壁体の単位面積当りの質量Mと、音の周波数fの積にほぼ比例するというもので、単位面積当りの質量が大きいほど、あるいは周波数の高いほど、音の透過損失が大きく遮音効果が高いことを意味し、中空度が高いほど、中間の壁数が少ないほど遮音には大きな厚みが必要となる。また、防音側壁は風防カバーよりも高く、車両の屋根から単独で、しかも、ほぼ真っ直ぐに立ち上がるものであるため、列車のすれ違いやトンネル突入時などの圧力変動、横風などによって左右に煽られやすいので、十分な取り付け強度や煽り剛性も必要である。
そこで従来、図9(a)に一例を示すような側面形状をした防音側壁aにつき、車両の走行方向から見た正背面形状が、図9(b)に示すように上端a2は幅狭でも広幅な取り付け基部a1に向けて連続的に大きくなる、翼状にしては比較的大きな厚みのデルタ型形状とし、取り付け強度や煽り剛性、および適度な遮音特性が共に得られるようにしている。具体的な構造としては、基部a1に厚肉なアルミニウム製の取り付け台gを配して取り付け金具hを介するなどした車両の屋根bへの取り付け強度を確保し、この取り付け台gに対して内外の面板c、dを縦横に走る多数のアルミニウム製の骨e、fによって補強した中空構造部a3の下端部を被せて、縦向きの骨eの下端を取り付け台gに溶接などで接合することにより、全体の必要強度と遮音性を確保している。また、内外の面板c、dの裾部分は車両の屋根bまで延びて取り付け台gを囲う状態となって、防音側壁aの屋根bからの翼状をなした立ち上がり形状を満足している。
特開平10−126903号公報 特開2003−219505号公報
しかし、上記した従来のような縦横に走る骨e、fによる補強構造を有したデルタ型形状の防音側壁aでは、図9に示すように多数の骨e、fが必要であるし、少なくとも縦向きの骨eは内外の面板c、d間がなすデルタ型の空間形状に一致した大きさおよび形状が必要であって、骨e、fによる重量、特に縦向きの骨eの重量が大きく影響して防音側壁aがかなりの重量物となっており、走行速度が300kmを超えようとしている今、さらなる軽量化が必要となってきている。
また、多数の骨e、fは互いを溶接接合するとともに内外の面板c、dに個々に溶接接合しなければならないし、縦向きの骨eは取り付け台gにも個々に溶接接合しなければならない。しかも、縦向きの骨eに対し横向きの骨fを連続材として通すことで、構造や組立て作業の簡略化を図るには、縦向きの骨eに横向きの骨fが通る切り込み部を形成して嵌め合わせる作業も必要である。これらのため、従来の防音側壁aは高価についている。
本発明の目的は、遮音性を損なわずに軽量でさらなる高速化に対応でき、しかも安価な集電装置の防音側壁を提供することにある。
上記のような課題を達成するために、本発明の集電装置の防音側壁は、車両の屋根上に設置された集電装置の両側に立設される集電装置の防音側壁であって、車両の屋根から翼状に立ち上がる形状を有し、表裏に配した面板どうしをそれらの間に挟み込んだハニカム芯を介し結合したことを1つの特徴としている。
このような構成では、ハニカム芯は薄肉素材にて形成されても厚み方向の座屈や引っ張りの強度、曲げ剛性が高く、取り付け強度、曲げ剛性、煽り剛性が向上するし、内外の面板の結合個所、およびその密度が格段に高く面板の面剛性が増大し、振動特性や共鳴特性を抑えられるので遮音性も向上する。しかも、ハニカム芯は内外の面板の結合域に対応した大きさの芯材としてそれら面板間どうしを簡単な構造で結合することができる。
本発明の集電装置の防音側壁は、また、車両の屋根上に設置された集電装置の両側に立設される集電装置の防音側壁であって、車両の屋根から翼状に立ち上がる形状を有し、アルミニウム系、炭素繊維強化プラスチックスを始めとする軽量構造材よりなる内外の板材どうしをそれらの間に挟み込んだアルミニウム系、炭素繊維強化プラスチックスを始めとする軽量構造材よりなるハニカム芯材を介し結合したことを他の特徴としている。
このような構成では、軽量なアルミニウム系、炭素繊維強化プラスチックを始めとする軽量構造材を全体に用いた軽量なものでありながら、ハニカム芯は薄肉素材にて形成されても厚み方向での座屈や引っ張りの強度が高く、取り付け強度、曲げ剛性、煽り剛性が向上するし、内外の面板の結合個所、およびその密度が格段に高く面板の面剛性が増大して、振動特性や共鳴特性を抑えられるので遮音性も向上する。しかも、ハニカム芯は内外の面板の結合域に対応した大きさの芯材としてそれら面板間どうしを簡単な構造で結合することができる。
前記結合が、ろう接、接着、または拡散や軟化、溶融を伴う溶着、溶接による、さらなる構成では、
ハニカム芯と内外の面板とを互いの合わせ目の少なくとも一方に塗布や融着、挟み込みなどしたろう材や接着剤によって面板域全体を一挙にろう接または接着して結合し、あるいは前記互いの合わせ目に及ぼす摩擦や振動、電気抵抗などによる拡散や軟化、溶融を伴う溶着、溶接環境により面板域全体を一挙に、あるいは順次に連続して結合することができる。
内外の面板が上縁間を形材よりなる枠フレームによって連結され、下縁間を形材よりなり車両の屋根側への固定部を有した固定フレームによって連結されている、さらなる構成では、
内外の面板の上下縁間を連結している形材の断面形状によって、防音側壁の周縁形状を内外の面板との面一な連続状態を満足して得られるし、防音側壁周縁の曲げ剛性や機械的強度を高められる。しかも、固定フレームによって車両の屋根への取り付け部をも前記連結とともに備えられる。
形材がアルミニウム系、炭素繊維強化プラスチックスを始めとする軽量構造材よりなるホロー材である、さらなる構成では、
材料上、およびボックス構造上から、より軽量なものにて、高い曲げ剛性や機械的強度、結合強度、取り付け強度を満足できる。
枠フレームと固定フレームとは内外の面板の上縁間および下縁間をほぼ同じ間隔に保持して連結する連結部を有している、さらなる構成では、
枠フレームおよび固定フレームによって上縁間および下縁間を連結された内外の面板どうしを各フレーム側で一義的に決まる間隔を持った平行状態にすることができ、一様な厚みとした簡単なハニカム芯によって相互を結合することができる。
固定フレームは、連結部の下にそれよりも大きな幅で続くホロー部を有し、ホロー部の底部が屋根への水平な取り付け座をなし、自身の連結部がこの取り付け座に対し所定の角度に面板を取り付ける取り付け角度を有している、さらなる構成では、
固定フレームが内外の面板の下縁間を連結部にて連結するのに、その連結部の下にそれよりも大きな幅のホロー部を有してその底部が屋根への取り付け座をなしていることにより、ホロー部の大きな幅にて屋根への取り付け強度および煽り剛性を確保しながら、連結部から上方へ延びる面板域をホロー部よりも幅の小さな連結部で連結した厚みの小さなものとして、構造や形状を特に複雑にすることなくスリム化を図ることができ、しかも、ハニカム芯により必要な曲げ剛性、煽り剛性を損なうことはない。また、ホロー部の取り付け座が水平であることにより、この取り付け座を水平に保つように固定フレームを屋根に取り付けさえすれば屋根の湾曲の影響なしに所定の立ち上がり姿勢を簡単に確保して適正に設置することができ、取り付け座に対して所定の角度に設定された連結部によって連結した面板域の立ち上がり角度が適正になる。
固定フレームが、ホロー部の底部に屋根への取り付け穴を長手方向に配設し、その各取り付け穴間に窓を設けてこの窓間を屋根へ取り付けるためのブリッジ部とし、ホロー部の内側の壁には前記取り付け部に対応する作業窓が設けられている、さらなる構成では、
ホロー部の底部の長手方向に取り付けのための部分的なブリッジ部を配設して車両の屋根への取り付け強度を確保した上で、各取り付け部間に窓を設けた分だけ、さらなる軽量化が図れるし、ホロー部の内側の壁の前記各取り付け部に対応して設けた作業窓によって、前記各取り付け部での屋根への取り付け作業を容易にしながら、作業窓を設けた分だけ、さらなる軽量化が図れる。
ホロー部の内側の壁にはその作業窓を持った表面を覆って着脱できるように取り付けられるとともに、固定フレームの車両の屋根への取り付け位置にて車両の屋根面にまで延びるカバー部材を有している、さらなる構成では、
ホロー部の作業窓を持った面が露出すると、作業窓の部分が空力抵抗を高めたり空力音を発生させたりする原因になるのを、カバー部材で覆って回避することができ、しかも、カバー部材は固定フレームの屋根への取り付け位置にて屋根面にまで延びるものであるので、防音側壁が屋根から隙間なく立ち上がる表面を形成することができる。
ホロー部の外側の壁が、固定フレームの車両の屋根への取り付け位置にて車両の屋根面にまで延びるスカート壁を有している、さらなる構成では、
ホロー部の外側の壁におけるホロー部の底部よりも下方に延びるスカート壁が、固定フレームの屋根への取り付け位置にて屋根面にまで延びるものであるので、屋根面のカーブによるホロー部の内側の壁位置よりも外側の壁位置の方の高さが低くなるようなことの影響なく、スカート壁によって、防音側壁が屋根から隙間なく立ち上がる表面を形成することができる。
枠フレームおよび固定フレームは互いの端部どうしが寄せ合わせて結合された結合端を持って、それら枠フレームおよび固定フレーム間に前記面板およびハニカム芯材を保持した本体部をなし、固定フレームが車両の屋根に取り付け位置にて前記結合端から本体部と面一な状態にて車両の屋根面にまで延びる側壁表面を形成した板金加工部材が前記結合端に接続されている、さらなる構成では、
枠フレームおよび固定フレームは互いの端部どうしを寄せ合わせて結合されていることにより、内外の面板どうしを上縁間および下縁間にて連結する閉じた環状枠をなして、内外の面板の全周を高い曲げ剛性、機械的強度を持って連結し合い、支持するので、面板域と固定フレーム側との連結強度および煽り剛性共に高まる。また、板金加工部材が前記結合端に接続されて、固定フレームが車両の屋根に取り付けられた位置にて、前記結合端から本体部と面一な状態にて車両の屋根面にまで延びる側壁表面を形成するので、防音側壁の両端における魚のヒレ状の立ち上がり形状が、枠フレーム、固定フレーム使用の影響なしにどのような形状にも簡単に形成できる。
カバー部材が、アルミニウム系、炭素繊維強化プラスチックスを始めとする軽量構造材よりなる、さらなる構成では、
カバー部材はホロー部の内側の壁への取り付けによってその全体が十分に支持されやすく、その分だけ薄肉のものとすることができる上、アルミニウム系、炭素繊維強化プラスチックスなどの軽量構造材であることにより、全体の機械的強度や曲げ剛性、煽り剛性を低下させるようなことなくさらなる軽量化が図れる。
本発明のそれ以上の目的および特徴は、以下の詳細な説明および図面の記載によって明らかになる。本発明の各特徴は、それ単独で、あるいは可能な限りにおいて種々な組合せで複合して用いることができる。
本発明の集電装置の防音側壁における1つの特徴によれば、取り付け強度、曲げ剛性、煽り剛性が向上し、面板の面剛性が増大して振動特性や共鳴特性を抑えられ遮音性も向上するので、その分各部のスリム化を図ってさらなる軽量化ができ、車両のさらなる高速化に好適である。しかも、構造が簡単でコストを低減することができる。
本発明の集電装置の防音側壁における他の特徴によれば、全体に軽量構造材を用いて軽量化を図りながら、取り付け強度、曲げ剛性、煽り剛性が向上し、面板の面剛性が増大して振動特性や共鳴特性を抑えられ遮音性も向上するので、その分各部のスリム化を図ってさらなる軽量化ができ、車両のさらなる高速化により好適である。しかも、構造が簡単でコストを低減することができる。
前記結合が、ろう接、接着、または拡散や軟化、溶融を伴う溶着、溶接による、さらなる構成によれば、
面板域全体を一挙にろう接または接着して結合し、あるいは面板域全体を一挙に、あるいは順次に連続して溶着や溶接して結合することができる。
内外の面板が上縁間を形材よりなる枠フレームによって連結され、下縁間を形材よりなり車両の屋根側への固定部を有した固定フレームによって連結されている、さらなる構成によれば、
形材による内外面板の上下縁どうしの連結にて、防音側壁の内外の面板と連続した周縁状態を得ながら、防音側壁周縁の曲げ剛性や機械的強度を高め、しかも、固定フレームによって車両の屋根への取り付け部を備えることができる。
形材がアルミニウム系、炭素繊維強化プラスチックスを始めとする軽量構造材よりなるホロー材である、さらなる構成によれば、
材料および構造上から、より軽量なものにて、高い曲げ剛性や機械的強度、結合強度、取り付け強度を満足できる。
枠フレームと固定フレームとは内外の面板の上縁間および下縁間をほぼ同じ間隔に保持して連結する連結部を有している、さらなる構成によれば、
内外の面板どうしを各フレーム側で一義的に決まる間隔を持った平行状態に連結し、一様な厚みとした簡単なハニカム芯によって相互を結合することができる。
固定フレームは、連結部の下にそれよりも大きな幅で続くホロー部を有し、ホロー部の底部が屋根への水平な取り付け座をなし、自身の連結部がこの取り付け座に対し所定の角度に面板を取り付ける取り付け角度を有している、さらなる構成によれば、
ホロー部にて屋根への取り付け強度および煽り剛性を確保しながら、内外面間の厚みを連結部の幅に見合った小さなものとして、構造や形状を特に複雑にすることなくスリム化し、軽量化、低コスト化が図れる。しかも、ハニカム芯によって曲げ剛性、煽り剛性は損なわれない。また、屋根の湾曲の影響なしに簡単に取り付けて適正な立ち上がり姿勢に設置できる上、連結部によって連結した面板域の立ち上がり角度も適正になる。
固定フレームが、ホロー部の底部に屋根への取り付け穴を長手方向に配設し、その各取り付け穴間に窓を設けてこの窓間を屋根へ取り付けるためのブリッジ部とし、ホロー部の内側の壁には前記取り付け部に対応する作業窓が設けられている、さらなる構成によれば、
ホロー部において、長手方向に配設した部分的なブリッジ部により車両の屋根への取り付け強度を確保しながら、各取り付け部間の窓による軽量化を図り、かつ、各取り付け部による取り付け作業がそれに対応した作業窓にて容易にしながら、作業窓による軽量化も図れる。
ホロー部の内側の壁にはその作業窓を持った表面を覆って着脱できるように取り付けられるとともに、固定フレームの車両の屋根への取り付け位置にて車両の屋根面にまで延びるカバー部材を有している、さらなる構成によれば、
カバー部材により、作業窓が空力抵抗を高めたり空力音を発生させたりするのを回避しながら、防音側壁が屋根から隙間なく立ち上がる表面を形成することができる。
ホロー部の外側の壁が、固定フレームの車両の屋根への取り付け位置にて車両の屋根面にまで延びるスカート壁を有している、さらなる構成によれば、
ホロー部の外側の壁下方に延びるスカート壁が屋根面のカーブによる影響なく、防音側壁が屋根から隙間なく立ち上がる表面を形成することができる。
枠フレームおよび固定フレームは互いの端部どうしが寄せ合わせて結合された結合端を持って、それら枠フレームおよび固定フレーム間に前記面板およびハニカム芯材を保持した本体部をなし、固定フレームが車両の屋根に取り付け位置にて前記結合端から本体部と面一な状態にて車両の屋根面にまで延びる側壁表面を形成した板金加工部材が前記結合端に接続されている、さらなる構成によれば、
枠フレームおよび固定フレームが閉じた環状枠をなして内外の面板の全周を連結、支持して、面板域の固定フレーム側との連結強度、煽り剛性共に高まる分だけ各部のスリム化を図ってさらなる軽量化、低コスト化できる。また、板金加工部材によって防音側壁の両端における魚のヒレ状の立ち上がり形状が、枠フレーム、固定フレーム使用の影響なしにどのような形状にも簡単に形成できる。
カバー部材が、アルミニウム系、炭素繊維強化プラスチックスを始めとする軽量構造材よりなる、さらなる構成によれば、
カバー部材は薄肉のものとすることができる上、軽量構造材であることにより、全体の機械的強度や曲げ剛性、煽り剛性を低下させるようなことなくさらなる軽量化が図れる。
本発明の車両における集電装置の防音側壁に係る最良の実施の形態につき、以下、図1〜図5を参照しながら詳細に説明する。本実施の形態は鉄道車両、特に図1に示すような新幹線車両1用の集電装置2に対応した防音側壁3の場合の一例であり、集電装置2の風防カバー4の両側に設けてある。風防カバー4は集電装置2に対する対向気流による空力抵抗、空力音の発生を低減し、かつ舟体5に向かう対向気流の安定を図って揚力変動を軽減する。しかし、対向気流が風防カバー4における集電装置2の設置域となるキャビティ6の上を通過するとき、キャビティ6への入り込みによる衝突や気流の乱れ、渦流の発生などによって、いわゆるキャビティ音を発生する。キャビティ音はキャビティ6に図1に示すような側壁7がなければ、もとより、側壁7があっても舟体5との絶縁距離を採るための高さ制限や、切り欠き8などのために、側方への騒音源となる。また、風防カバー自体による空力音の発生も前記騒音源の一部となる。また、車両1のさらなる高速化によって舟体5の架線に対する摺動音も遮断が必要な騒音源になってくる。
本実施の形態の防音側壁3は、以上のような騒音源からの騒音を遮音するのに、車両1の屋根1aから図1に示すように翼状に立ち上がる形状を有し、内外に配した面板11、12どうしをそれらの間に挟み込んだ図3、図4、図5(a)に例示するようなハニカム芯13を介し結合した基本構造を有したものとしている。このハニカム芯13は薄肉素材にて形成されても厚み方向の座屈や引っ張りの強度、曲げ剛性は高い。従って、これを芯材として面板11、12どうしを結合したサンドイッチ構造の防音側壁3は、屋根1aへの取り付け強度、防音側壁3自体の曲げ剛性、煽り剛性が向上する。
また、内外の面板11、12の結合個所、およびその密度が格段に高くなるので、面板11、12の曲げ剛性、つまり面剛性が増大し、振動特性や共鳴特性を抑えられるので、従来の場合の比較的多い骨e、fによりながらまばらな間隔での補強、結合構造となる場合に比し、遮音性も向上する。一般的に、一重壁では図6に示すようなある1つの周波数帯で、壁材料の屈曲振動と入射音波の振動とが一致して共振することにより、二重、多重の中空壁では図7に示すようなある2つの周波数帯で、中空部での空気ばね作用が関係した壁板どうしの共鳴により、透過損失が質量則より下回るコインシデンス現象が生じるが、ハニカム芯13を介した面板11、12の結合によりそのような共振や共鳴を抑制でき、コインシデンス現象を軽減できる。
これらによって、防音側壁3は取り付け強度、煽り剛性、遮音性の低下なしに、各部の材料および全体のスリム化を図って、軽量化および低コスト化することができる。従って、車両のさらなる高速化に十分対応できる。しかも、ハニカム芯13は内外の面板11、12の結合域に対応した大きさの芯材としてそれら面板11、12間どうしを簡単な構造で結合することができ、これによってもコストの低減が図れる。
ここで、内外の面板11、12およびハニカム芯13は、共にアルミニウム系、炭素繊維強化プラスチックスを始めとする軽量構造材よりなるものとして、上記のような機械的、物理的特性を損なわずにさらに軽量化することができる。軽量構造材としてはその成形性、機械的強度、物理的特性などから既に知られる種々なものを選択して採用することができ、発泡アルミニウム、マグネシウムなども採用することができるし、以降に開発されるものも同様である。
前記面板11、12のハニカム芯13を介した結合は、ろう接、接着、または拡散や軟化、溶融を伴う溶着、溶接によるのが好適である。これは、ハニカム芯13の隔壁13aの端部が細かく均一な開口をなして端面13b全域に及び、これに対向する面板11、12とその面域全体で当接し合い、その網の目状に均一に広がる当接境界部全てを結合部に活かせる利点があるからで、高い結合度が得られる。具体的には、ハニカム芯13と内外の面板11、12とを互いの合わせ目の少なくとも一方に塗布や融着、挟み込みなどしたろう材や接着剤によって面板域全体を一挙にろう接または接着して結合することができる。また、互いの合わせ目に及ぼす摩擦や振動、電気抵抗などによる拡散や軟化、溶融を伴う溶着、溶接環境により面板域全体を一挙に、あるいは順次に連続して結合することができる。
ろう接には樹脂系やガラス系、金属系の各種ろう材を用い、接着には熱硬化性接着剤を用いるのが便利である。いずれも、ハニカム芯13と面板11、12との合わせ目の少なくとも一方に塗布や融着し、あるいは挟み込んでおいたものを、当接させ合って外部から熱を加えることにより、ろう材は一旦溶融させた後に硬化を図って、接着材はそのまま硬化を図って、ハニカム芯13と面板11、12とを結合することができる。溶着には超音波を用い、溶接には抵抗溶接を用いるのが一般的で、容易に実現できる。本実施の形態では面板11、12およびハニカム芯13のいずれもアルミニウム材で相互の結合にろう接を採用している。
しかし、結合方法は特に限定するものではなく、既に知られ、以降開発される種々な方法を選択し、採用することができる。溶接、溶着、接着が向かない材質であるなど、場合によってはステーなどによるサンドイッチ状態へのカシメ結合、ねじ結合などの機械的な結合手法を採用することもできるが、手間が掛る。
本実施の形態では、内外の面板11、12は図3〜図5に示すように、上縁間を形材よりなる枠フレーム14によって連結し、下縁間を形材よりなり車両1の屋根1a側への取り付け部15aを有した固定フレーム15によって連結している。これにより、内外の面板11、12の上下縁間を連結している枠フレーム14および固定フレーム15をなす形材の断面形状によって、防音側壁3の周縁形状を内外の面板11、12との図で見られるような面一な連続状態を満足して得られる。
具体的には、枠フレーム14は図3、図4に示すように、防音側壁3の上縁をなす部分を半円形断面部14aとし、面板11、12との接合側を内外両側に段差部14bを有した防音側壁3の厚み方向にストレートな連結部14cをなしている。面板11、12の上縁は段差部14bに当てがわれて連結部14cを挟み込んだ状態で半円形断面部14aの外面と面一になり、連結部14cと面板11、12の上縁とを溶接接合することにより、面板11、12の上縁間を、連結部14cを介し連結している。これにより手間が掛らず高い結合力が得られる。
固定フレーム15は上部に上向きに開放したチャンネル形状の連結部15bを有し、この連結部15bの開放部外側にチャンネル材16を被せた部分の内外部に段差部15cを形成している。内外の面板11、12下縁はこの段差部15cに当てがわれて連結部15bを挟み込んだ状態で連結部14bの基部外面と面一になり、連結部15bと面板11、12の下縁とを溶接接合することにより、面板11、12の下縁間を、連結部15bを介し連結している。これにより手間が掛らず高い結合力が得られる。
これらによって、防音側壁3周縁の曲げ剛性や機械的強度を高められるし、固定フレーム15によって車両1の屋根1aへの取り付け部15aをも前記連結とともに、つまり連結によって同時に備えられる。特に、枠フレーム14、固定フレーム15は共にホロー部材であって、軽量でありながら曲げ剛性や機械的強度のより高いものとなる。この場合の連結のための溶接は、スポット的な不連続溶接でもよいが、シーム溶接など連続した溶接の方が各種強度および各種剛性の面で有利である。また、枠フレーム14および固定フレーム15をなす形材もアルミニウム系、炭素繊維強化プラスチックスを始めとする軽量構造材よりなるものとしてあり、これによっても、防音側壁3の前記機械的、物理的特性を損なわずに、さらなる軽量化が図れる。この場合も、溶接に代わる溶着や接着などでもよいが、ステーや鋲、突起などによるカシメ結合、ねじ結合などの機械的な結合手法を採用することもできる。
さらに、枠フレーム14と固定フレーム15の各連結部14c、15bは内外の面板11、12の上縁間および下縁間をほぼ同じ間隔に保持するようにしている。これにより、枠フレーム14および固定フレーム15によって上縁間および下縁間を連結された内外の面板11、12どうしを各フレーム14、15側で一義的に決まる間隔Sを持った図3、図4に示すような平行状態にすることができ、一様な厚みとした簡単なハニカム芯13によって相互を結合することができる。つまり、ハニカム芯13の内外端面が互いに平行な平面となる単純な形状のものでよく、形状が複雑になる場合に比しコスト高にならない。
もっとも、図5(b)に示すように防音側壁3の一面左右、例えば外面の左右にアイボルト接続用のねじ穴17が設けられ、必要に応じアイボルトを接続してクレーンによる吊り上げ、吊り下げの作業ができるようにしており、ねじ穴17の部分の内側にはそのときの負荷に耐えるために補強部材18を当てがっているので、ハニカム芯13は補強部材18を避けて設ける必要がある。そのために、補強部材18を内外の面板11、12間に挟み込み、その部分でハニカム芯13を分断しておくか、補強部材18をねじ穴17を持った面板11側にだけ当てがい、ハニカム芯13に補強部材18を避ける掘り込み溝を設けるなどすることになる。しかし、いずれにしても、余り手間が掛らずコスト上昇の原因にはならない。
枠フレーム14および固定フレーム15は、さらに、図4、図5に示すように、互いの端部14f、15fどうしが寄せ合わせ結合された結合端31を持って、それら端部結合された枠フレーム14および固定フレーム15間に前記面板11、12およびハニカム芯13を保持した本体部Aをなし、固定フレーム15が車両1の屋根1aに取り付けられた位置にて前記結合端31から本体部Aと面一な状態にて車両1の屋根面にまで延びる側壁表面を形成した板金加工部材32を前記結合端31に接続し、側面形状が三角形状の図5(c)に示す用に中空な端部Bを形成している。前記結合端31の結合は、手間が掛らず結合力が高い溶接によるのが好適であるが、他の結合の場合同様これに限られることはない。溶接するのに、枠フレーム14および固定フレーム15の端部14f、15fどうしに適当な広さの平面的な当り面を削り出して当接させ溶接すると必要な結合強度を得やすい。また、本体部Aと端部Bとの接続によるのが好適であるが、これに限られることはない。
このように、枠フレーム14および固定フレーム15は互いの端部14f、15fどうしを寄せ合わせて結合されていることにより、内外の面板11、12どうしを上縁間および下縁間にて連結する閉じた環状枠をなして、内外の面板11、12の全周を高い曲げ剛性、機械的強度を持って連結し合い、支持することができる。従って、面板11、12による面板域と固定フレーム15側との連結強度および煽り剛性共に高まる。また、板金加工部材32が前記結合端31に接続されて、固定フレーム15が車両1の屋根1aに取り付けられた位置にて、前記結合端31から本体部Aと面一な状態にて車両1の屋根面にまで延びる側壁表面を形成するので、防音側壁3の両端における魚のヒレ状の立ち上がり形状が、形材よりなる枠フレーム14、固定フレーム15使用の影響なしにどのような形状にも簡単に形成できる。板金加工部材31も面板11、12と同じ材料のものとするのが好適である。
また、固定フレーム15は、連結部15bの下にそれよりも大きな幅で続くホロー部を有して取り付け部15aとしており、ホロー部である取り付け部15aの底部が屋根への水平な取り付け座15dをなし、連結部15bがこの取り付け座15dに対し図3に示すように所定の角度に面板11、12を取り付ける取り付け角度θを有している。このようにすると、固定フレーム15が内外の面板11、12の下縁間を連結部15bにて連結するのに、その連結部15bの下にそれよりも大きな幅のホロー部である取り付け部15aを有してその底部が屋根への取り付け座15dをなしていることにより、ホロー部である取り付け部15aの大きな幅およびボックス構造にて屋根1aへの取り付け強度および防音側壁3の基部における煽り剛性を確保しながら、連結部15bから上方へ延びる面板11、12がなす面板域を図3、図4に示すようにホロー部である取り付け部15aよりも幅の小さな連結部15bで連結した厚みの小さなものとして、構造や形状を特に複雑にすることなくスリム化を図ることができ、この面板域でも、ハニカム芯13により必要な曲げ剛性、煽り剛性を損なうことはない。また、取り付け座15dが水平であることにより、この取り付け座15dを水平に保つように固定フレーム15を屋根1aに取り付けさえすれば屋根1aの湾曲の影響なしに所定の立ち上がり姿勢を簡単に確保して適正に設置することができ、取り付け座15dに対して所定の角度に設定された連結部15bによって連結した面板11、12による面板域の立ち上がり角度θが適正になる。鉛直線118に対する傾斜各αは90°−θとなる。傾斜各αは傾斜勾配で見て例えば1/8程度としてあり、内側に傾斜していることで反射音がまわりに出て騒音となるのを防止する。
固定フレーム15の屋根1aへの取り付けは、図3、図4に示すように屋根1aの長手方向に配設して隅肉溶接などして取り付けた取り付け台21に対してねじ止めする。取り付け台21は図5に示すように断面コの字状に折り曲げた板金加工部材や形材の寸切り材を用いて、その両脚部21aを板面が車両1の走行方向に向くようにして屋根1aに溶接付けし、両脚部21a間のブリッジ部21bに対し固定フレーム15の取り付け座15dを図3に示すようにねじ23により内外方向の2箇所をねじ止めする。これにより、防音側壁3の十分な耐煽り性が保証できる取り付け強度を確保している。取り付け台21は固定フレーム15のねじ止めの関係から材料的な制約はなく、溶接の関係からは屋根1aと同じ材料とするのが好適である。しかし、これに限られることはない。
この取り付け作業のために、固定フレーム15はそのホロー部である取り付け部15aの取り付け座15dとなっている底部に図4に示すような屋根1aへの取り付け穴22を内外方向に2つずつが対をなすようにして、長手方向に所定間隔で配設している。また、それら一対の取り付け穴22と、一対の取り付け穴22との間に窓24を設けて、この窓24間の一対の取り付け穴22を持った部分を屋根1aへ取り付けるための部分的なブリッジ部15a1とし、ホロー部である取り付け部15aの内側の壁15eには図3、図4に示すように前記ブリッジ部15a1に対応する作業窓25を設けてある。
これにより、ホロー部である取り付け部15aの底部の長手方向に部分的なブリッジ部15a1を所定幅で所定数配設することにより車両1の屋根1aへの必要な取り付け強度を確保した上で、各ブリッジ部15a1間に窓24を設けた分だけ、さらなる軽量化が図れるし、取り付け部15aの内側の壁15eの前記各ブリッジ部15a1に対応して設けた作業窓25によって、前記各ブリッジ部15a1での屋根1aへの取り付け作業を容易にしながら、作業窓25を設けた分だけ、さらなる軽量化が図れる。
また、取り付け部15aの内側の壁15eは取り付け座15dに対して図3に示すように斜め外向きに傾斜している。その傾斜角βは60°程度としてある。このような傾斜は
、取り付け部15aが面板11、12による面板域の厚みに対して十分に大きな幅を確保しながら、前記面板域との境界部での幅の差を小さくして対向気流との馴染みをよくしてそれを乱さないようにすることができる。さらに、ブリッジ部15a1側におじぎするように傾斜していることにより、ブリッジ部15a1に内外方向に対をなして設けた2つの取り付け穴22を利用したねじ23によりねじ止め作業や、補修など万一の場合の取り外し作業をするのに、覗き込みやすく、手や工具を入れやすく、作業が容易になる。また、取り付け部15aの断面形状が台形になるので、四角形よりもスリム化ができて軽量化、低コスト化に有利であるうえ、防音側壁3の取り付け強度や基部での耐煽り性を確保するのに好都合な形態である。
さらに、ホロー部である取り付け部15aの内側の壁15eにはその作業窓25を持った表面を覆って着脱できるように取り付けられるとともに、固定フレーム15の車両1の屋根1aへの取り付け位置にて図3に示すように車両1の屋根面にまで延びるカバー部材33を有している。カバー部材33の取り付けは図3に示すようにねじ34によりねじ止めするのが好適である。しかし、これに限られることはない。ホロー部である取り付け部15aの作業窓25を持った面が露出すると、作業窓25の部分が空力抵抗を高めたり空力音を発生させたりする原因になるのを、カバー部材33で覆って回避することができる。しかも、カバー部材33は固定フレーム15の屋根1aへの取り付け位置にて図3に示すように屋根面にまで延びるものであるので、防音側壁3が屋根1aから隙間なく立ち上がる表面を形成することができる。
このようなカバー部材33も、アルミニウム系、炭素繊維強化プラスチックスを始めとする軽量構造材よりなるものとすることができ、カバー部材33はホロー部である取り付け部15aの内側の壁15eへの取り付けによってその全体が十分に支持されやすく薄肉のものとすることができるのと相まって、全体の機械的強度や曲げ剛性、煽り剛性を低下させるようなことなくさらなる軽量化が図れる。
しかも、ホロー部をなす取り付け部15aの外側の壁15gが、固定フレーム15の車両1の屋根1aへの取り付け位置にて車両1の屋根面にまで延びるスカート壁15hを有しているので、屋根面のカーブによる取り付け部15aの内側の壁位置よりも外側の壁位置の方の高さが低くなるようなことの影響なく、スカート壁15hによって、防音側壁3が屋根1aから隙間なく立ち上がる表面を形成することができる。
ここで、本実施の形態における2つの実施例と、従来構造である比較例との音の透過損失についての実験結果を、板厚5mmの場合の質量則とともに示せば図8の通りである。なお、比較例は面板の双方を2.5mmとし、実施例1、2では面板の一方を1.0mm、他方を0.5mmとスリム化し、実施例1の面板部の総厚を21.7mm、実施例2の面板部の総厚を41.7mmとし、実施例1、2共にハニカム芯13は隔壁ピッチを20mm、隔壁の厚みを0.2mmとした。
図8から比較例に対して実施例1、2は遮音性がよく、実施例1よりも実施例2の方が遮音性が高い。実施例2ではコインシデンス現象のある周波数が200Hz付近と、2.5KHz付近とに生じているが、高周波側の落ち込みがほとんどなく良好である。また、舟体の摺動音を2KHz〜3KHzとしても、遮音効果が損なわれることはないと考えられる。前記スリム化の分遮音特性は低下するが、面板部分の厚みを50mm程度確保すれば十分な遮音効果が得られ、従来に比し十分に軽量化、低コスト化ができる。
新幹線車両での集電装置の防音側壁として産業上実用できるのは勿論、そのさらなる高速化に貢献できる。
本発明の実施の形態に係る鉄道車両用の集電装置の防音側壁を示す斜視図である。 図1の防音側壁の側面図である。 図1の防音側壁の断面図である。 図1の防音側壁の鉄道車両の屋根との関係を取り外し状態で示す斜視図である。 図1の防音側壁を示し、(a)は内側から見た側面図、(b)は外側から見た側面図、(c)は横断面図である。 一重壁での質量則に対する透過損失の関係を示すグラフである。 中空壁での質量則に対する透過損失の関係を示すグラフである。 従来構造を比較例とし、本実施の形態における新構造にて厚みを大小変化させたときの、透過損失の違いを示すグラフである。 従来の防音側壁を示し、(a)は側面図、(b)は車両走行方向で見た正面図である。
符号の説明
1 車両
1a 屋根
2 集電装置
3 防音側壁
11、12 面板
13 ハニカム芯
14 枠フレーム
15 固定フレーム
15a 取り付け部
15a1 ブリッジ部
15d 取り付け座
15e 内側の壁
15g 外側の壁
15h スカート壁
14c、15b 連結部
14f、15f 端部
21 取り付け台
24 窓
25 作業窓
31 結合端
32 板金加工部材
33 カバー部材
A 本体部
B 端部

Claims (10)

  1. 車両の屋根上に設置された集電装置の両側に立設される集電装置の防音側壁であって、
    車両の屋根から翼状に立ち上がる形状を有し、内外の面板は上縁間を形材よりなる枠フレームによって連結され、下縁間を形材よりなり車両の屋根側への固定部を有した固定フレームによって連結され、形材はアルミニウム系、炭素繊維強化プラスチックスを始めとする軽量構造材よりなるホロー材であり、枠フレームと固定フレームとは内外の面板の上縁間および下縁間をほぼ同じ間隔に保持して連結する連結部を有し、固定フレームは、連結部の下にそれよりも大きな幅で続くホロー部を有し、ホロー部の底部が屋根への水平な取り付け座をなし、自身の連結部がこの取り付け座に対し所定の角度で面板を取り付ける取り付け角度を有していることを特徴とする集電装置の防音側壁。
  2. 固定フレームは、ホロー部の底部に屋根への取り付け穴を長手方向に配設し、その各取り付け穴間に窓を設けてこの窓間を屋根へ取り付けるためのブリッジ部とし、ホロー部の内側の壁には前記取り付け部に対応する作業窓が設けられている請求項に記載の集電装置の防音側壁。
  3. ホロー部の内側の壁にはその作業窓を持った表面を覆って着脱できるように取り付けられるとともに、固定フレームの車両の屋根への取り付け位置にて車両の屋根面にまで延びるカバー部材を有している請求項1、2のいずれか1項に記載の集電装置の防音側壁。
  4. ホロー部の外側の壁は、固定フレームの車両の屋根への取り付け位置にて車両の屋根面にまで延びるスカート壁を有している請求項1〜3のいずれか1項に記載の集電装置の防音側壁。
  5. 枠フレームおよび固定フレームは互いの端部どうしが寄せ合わせて結合された結合端を持って、それら枠フレームおよび固定フレーム間に前記面板およびハニカム芯材を保持した本体部をなし、固定フレームが車両の屋根への取り付け位置にて前記結合端から本体部と面一な状態にて車両の屋根面にまで延びる側壁表面をなす板金加工部材が前記結合端に接続されている請求項1〜のいずれか1項に記載の集電装置の防音側壁。
  6. カバー部材は、アルミニウム系、炭素繊維強化プラスチックスを始めとする軽量構造材よりなる請求項に記載の集電装置の防音側壁。
  7. 内外の面板どうしをそれらの間に挟み込んだハニカム芯を介し結合している請求項1〜6のいずれか1項に記載の集電装置の防音側壁。
  8. アルミニウム系、炭素繊維強化プラスチックスを始めとする軽量構造材よりなる内外の面板どうしをそれらの間に挟み込んだアルミニウム系、炭素繊維強化プラスチックスを始めとする軽量構造材よりなるハニカム芯材を介し結合している請求項7に記載の集電装置の防音側壁。
  9. 前記結合は、ろう接、接着、または拡散や軟化、溶融をともなう溶着、溶接による請求項7、8のいずれか1項に記載の集電装置の防音側壁。
  10. 集電装置の対向気流に対する風防カバーの両側に立設される請求項1〜9のいずれか1項に記載の集電装置の防音側壁。
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