JP3907605B2 - 造粒装置およびこの造粒装置を用いた粉末製造方法 - Google Patents

造粒装置およびこの造粒装置を用いた粉末製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、密閉された造粒室内に原料を投入して目的とする粉・粒状の製品を造粒する流動層、噴流層、及び噴霧造粒等を含む気流式の造粒装置およびこの造粒装置を用いた粉末製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、気流式の造粒装置は、造粒室の内部に様々な材料を噴霧して、当該材料からなる粉・粒状あるいは顆粒状の製品を製造するものである。
【0003】
この造粒装置を、医薬品製造装置や食品製造装置等の洗浄・滅菌の必要な装置に用いた場合、造粒後、造粒室内部を十分に洗浄・滅菌する必要がある。
【0004】
例えば、特開平5−228353号公報(特許文献1)には、造粒室内で3次元的に回転して該造粒室の内壁面に流体を噴出するノズルを利用して、造粒室内壁面を洗浄する造粒装置が開示されている。
【0005】
また、造粒装置によって製造される製品は、一部が造粒室に付着し残留するので、製品の回収率(投入した材料から実際に造粒装置から取り出される製品の割合)が低下するという問題が生じる。
【0006】
そこで、一般に、製品の造粒後、造粒室の洗浄前に、造粒室の外部からエアノッカー等により該造粒室に衝撃を与えて、造粒室内壁面に付着した製品を払い落とし、製品の回収率を上げるようにしている。
【0007】
【特許文献1】
特開平5−228353号公報(公開日1993年9月7日)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記特許文献1に開示された造粒装置では、造粒室内でノズルが3次元的に回転駆動する構造となっているので、通常、造粒の邪魔にならない位置に格納する必要がある。つまり、上記ノズルは、洗浄位置と格納位置との間を移動することになる。
【0009】
この場合、ノズルを回転させたり、移動させたりする駆動部の一部あるいは全部が造粒室内に設けられていることになり、この駆動部を構成する部材の摩擦等により異物が発生する虞がある。
【0010】
したがって、上記特許文献1に開示された造粒装置では、ノズルにより造粒室内が洗浄されるが、洗浄後、格納位置まで移動することになり、この移動によって異物が発生し、洗浄後の造粒室内に異物が混入する虞がある。
【0011】
また、エアノッカー等により造粒室に外部から衝撃を与えた場合、該造粒室を構成する構成要素、例えば接合フランジ部などが振動により擦れ合って、接合フランジ部を構成するガスケットやフランジなどから異物が発生する虞がある。
【0012】
したがって、従来の造粒装置では、造粒室の洗浄前後で異物が発生する虞があるので、造粒した製品に異物が混入する虞がある。このため、従来の技術においては、洗浄前後で造粒室に異物の発生がなく、製品への異物の混入が無い造粒装置を提供することは困難であった。つまり、従来の造粒装置では、製品への異物混入を極端に嫌う製剤等の製品を造粒する造粒装置として使用することが困難であった。
【0013】
従って、従来、このような造粒装置を、異物混入を嫌う食品等の製品(粉末)の製造に使用することは考えられず、特に、無菌・無塵の状態が必要な製剤等の製品(粉末)の製造に使用することは全く考えられなかった。
【0014】
このため、上記のような異物混入を嫌う粉末、特に、無菌の粉末を製造する方法として、従来では、主に凍結乾燥法、スプレードライ法等が用いられていた。
【0015】
しかしながら、凍結乾燥法は、冷凍機や真空ポンプ等の付帯設備が多く初期設備投資や保守・運転費用に高額を要するほか、製造に長時間を要するという問題が生じる。
【0016】
また、スプレードライ法では、凍結乾燥法に比べて短時間で粉末を製造できるが、低溶媒含量の粉末を得るためには、高温での乾燥が必要となるので、熱に弱い物質には適さない上、装置に付着して熱劣化した粉体が粉末内に混入する虞がある。
【0017】
本発明は、上記の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、洗浄前後で造粒室に異物の発生がなく、製品への異物の混入が無い造粒装置、および本発明の造粒装置を用いて低温で且つ短時間で無菌・無塵の粉末を製造することができる粉末製造方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の造粒装置は、密閉された造粒室内に原料を投入および/または噴霧して目的とする粉・粒状の製品を造粒する気流式の造粒装置であって、上記造粒室内壁面に、該造粒室内壁面に対して流体を噴出するノズルが複数個設けられ、上記各ノズルの流体噴出方向がそれぞれ所定の方向に固定され、上記ノズルから噴出する流体を、気体、液体、スチームのうち何れかに切り替える切り替え手段が設けられていることを特徴としている。
【0019】
上記の構成によれば、造粒室内壁面に、該造粒室内壁面に対して流体を噴出するノズルが複数個設けられていることで、該各ノズルによって噴出された流体によって、該造粒室内壁面に付着した粉・粒状の製品を剥離することができる。つまり、造粒室内壁面に付着した製品を、該造粒室に衝撃を与えることなく剥離することが可能となる。
【0020】
また、ノズルの流体噴出方向が所定方向に固定されているので、ノズルが回転や移動等の駆動せずに、造粒室内壁面に対して流体を噴射することができる。これにより、ノズルの回転や移動等の駆動に伴う造粒室内への異物の発生を無くすことができる。
【0021】
ここで、流体として気体を使用すれば、造粒中に造粒室内壁面に付着した粉体の払落としを行なうことができる。また、流体として液体を使用すれば、この液体に洗浄成分を含ませることで、造粒室内壁面の洗浄を行なうことができる。さらに、流体として滅菌可能な高温のスチームを使用すれば、造粒室内壁面の滅菌を行なうことができる。
【0022】
これにより、流体として気体を使用した場合には、造粒室に外部から衝撃を与えることなく、該造粒室内壁面に流体を噴出することにより、該内壁面に付着した製品を払い落とすことができるので、回収する製品には異物が混入する虞がなくなる。したがって、異物混入の無い製品を、高回収率で回収することができる。
【0023】
また、流体として洗浄成分を含んだ液体を使用した場合には、ノズルの流体噴出方向が所定の方向(内壁面の洗浄可能な方向)に固定されているので、ノズル自体を造粒室内で回転させたり移動させたりする必要がなく、造粒室内壁面の洗浄を行なうことができる。これにより、ノズルが回転、移動等の駆動することによって発生する異物が洗浄後に造粒室に混入するといった問題が生じない。
【0024】
したがって、洗浄前後で造粒室に異物は発生しなくなるので、造粒室で製造された製品への異物の混入を無くすことができる。この結果、製品への異物混入を極端に嫌う製剤等の製品を造粒する造粒装置として、上記構成の造粒装置を使用することが可能となる。
【0025】
また、上述のように、流体の種類を順番に切り替えれば、造粒室内壁面に対する製品の払い落としから、洗浄・滅菌までを順に行なうことができる。この流体の切り替えを自動化すれば、製品の払い落としから洗浄・滅菌までを自動的に行なうことが可能となる。
【0026】
このように、造粒室内の製品の払い落としから洗浄・滅菌までを自動的に行い、しかも、造粒前後において造粒室に異物が混入しない造粒装置では、造粒室を無菌・無塵環境にすることが容易となり、このような無菌・無塵環境で造粒する必要のある製剤、特に用時溶解注射剤の造粒にも上記構成の造粒装置を好適に使用することが可能となる。
【0027】
用時溶解注射剤としては、ワクチン、抗生物質、インターフェロン、各種抗ガン剤、酵素系試薬等の無菌製剤が挙げられる。
【0028】
また、自動洗浄のみを実行させる造粒装置であれば、各種高機能経口製剤のコーティングを行なう造粒装置に好適に使用することができる。
【0029】
上記気体は清浄エアーであり、上記液体は純水であってもよい。
【0030】
本発明の造粒装置は、上記の造粒装置において、流体を各ノズルに導入するための流体導入管が上記造粒室の外周に沿って略円弧状に形成され、当該流体導入管の先端部側で緩やかなRを持たせた折曲部によって分岐形成した枝管に上記ノズルが接続されていることを特徴としている。
【0031】
本発明の造粒装置は、上記の造粒装置において、上記各ノズルの流体噴出方向が、上記造粒室内壁面に噴出された流体によって該造粒室内に旋回流を発生させる方向にそれぞれ固定されていてもよい
【0032】
この場合、各ノズルの流体噴出方向が、上記造粒室内壁面に噴出された流体によって造粒室内に旋回流を発生させる方向にそれぞれ固定されていることで、造粒室内に噴出される流体を用いて効率よく、内壁面に付着した製品を剥離することができる。
【0033】
したがって、造粒室内の製品の払い落としから洗浄・滅菌までに使用する流体量を必要最小限で済ませることが可能となり、省資源・省エネルギー化を図ることのできる造粒装置を提供することができる。
【0034】
本発明の造粒装置は、上記の造粒装置において、上記ノズルからの流体の噴出が、間欠的に行なわれることを特徴としている。
【0035】
この場合、ノズルからの流体の噴出が、間欠的に行なわれることで、各ノズルからの流体の噴出が造粒時の流動層の挙動等に与える影響を少なくすることができる。
【0036】
しかも、上記構成の造粒装置によれば、本体側面または装置内部に導入したノズルからの補助エアーを効率的に利用することで、粉体(粉末)の付着が軽減して、効率よく流動層を形成し、短時間での乾燥が可能となる。
【0037】
また、上記構成の造粒装置によれば、造粒機壁面における粉体付着軽減が図れ、粉体の回収率が向上する。また、造粒機能で粉体の粒子径を調整できるため、凍結乾燥品に比べ粉末のハンドリングが向上する。さらにコーティング機能を用いて、本造粒装置で粉末を製造後、当該粉末にコーティング液を被覆することも可能であるため、表面性状の調整での粉体特性のコントロールも可能となる。
【0038】
また、本発明者等は、種々の検討を行なった結果、本発明の造粒装置を用いて、スプレードライ法での乾燥温度よりも低い温度で、噴霧造粒工程を行い、引き続き流動層乾燥工程を行うことにより、凍結乾燥法で製造した無菌製剤と同程度の化学的品質を持つ粉末を短時間で製造できることを見出した。
【0039】
また、本発明の造粒装置の内壁面に設けられたノズルから流体(除湿エアー等)を効率的に噴射することで、該内壁面への粉体の付着を軽減すると共に、流動層の形成を促進できるので、製造される粉末の短時間での乾燥を可能とし、且つ回収率の向上が図れることを見出した。
【0040】
すなわち、本発明の粉末製造方法は、上記の造粒装置を用いて目的とする粉末を製造する粉末製造方法である。
【0041】
これにより、粉末の乾燥時間の短縮と、回収率の向上とを図ることが可能となる。
【0042】
また、本発明の粉末製造方法は、上記の粉末製造方法であって、上記造粒装置の造粒室内で目的物質を溶解した溶液または目的物質を懸濁した懸濁液を噴霧造粒する噴霧造粒工程を含んでいることを特徴としている。
【0043】
この場合、本発明の造粒装置を用いているので、凍結乾燥法に比べて短時間で無菌・無塵の粉体/製剤が得られる上、初期設備投資や運転・保守費用が少なくて済む。
【0044】
また、スプレードライ法に比べて、温度を低くして乾燥できるので、熱に弱い物質を目的物質に使用することができると共に、熱劣化品の混入を防止することができる。
【0045】
従って、低温で且つ短時間で無菌・無塵の粉末を製造することができる。
【0046】
本発明の粉末製造方法は、上記の構成に加えて、上記噴霧造粒工程の後、造粒された粉末内の溶媒含量が目標値に達するまで流動層乾燥を行なう乾燥工程を含んでいることを特徴としている。
【0047】
ここで、粉末中の許容溶媒含量については、粉末として製造される薬物の種類によって異なる。そこで、溶媒が水の場合、薬物が加水分解しない程度の溶媒含量と定義し、溶媒が有機溶媒の場合、人体に影響を与えない程度(残留溶媒がない程度)の溶媒含量と定義する。
【0048】
従って、上記の許容溶媒含量を目標値として、この目標値に達するまで流動層乾燥を行なうことで、所望する溶媒含量の粉末を得ることができる。
【0049】
また、粉末製造方法の乾燥工程において、本発明の造粒装置の内壁面に設けられたノズルから乾燥エアーを噴出することで、粉末に含まれる溶媒(主として水)を低減させ、溶媒含量(水分含量)の低い粉体/製剤をスプレードライ法に比べて低温で製造することができる。
【0050】
さらに、粉末化可能な範囲の低温での噴霧造粒と低温での流動層乾燥を行なうことで、熱に不安定な成分の粉体/製剤を製造することができる。
【0051】
本発明の粉末製造方法は、上記の構成に加えて、上記噴霧造粒工程の前に、上記造粒装置の造粒室内を滅菌し、装置に導入される気体および目的物質を溶解した溶液または目的物質を懸濁した懸濁液を滅菌法あるいは無菌操作法で無菌状態とする工程を含んでいることおよびその後の工程を無菌操作法で行う事を特徴としている。
【0052】
この場合、滅菌後および/または原料段階から一連の無菌工程により粉末が製造されるため、異物の混入が無いだけでなく、無菌の粉末を製造することができる。つまり、無菌・無塵の粉末を得ることができる。
【0053】
ここで、無菌とは日本薬局方記載の無菌試験法に適合すること、無塵とは日本薬局方記載の不溶性微粒子試験法に適合することをいい、滅菌法および無菌操作法は日本薬局方の定めるものをいう。
【0054】
以上のように、本発明の造粒装置およびこの造粒装置を用いた粉末製造方法は、製造工程において無菌性が必須である無菌製剤およびその原料等や無菌の食品に使われる他、製造工程の無菌保証が必要でないが高いレベルでの無菌性が要求される経口製剤や経肺投与製剤等に好適に用いられる。
【0055】
すなわち、上記の粉末製造方法において、好適に製造される粉末としては、医薬品製剤が挙げられ、この医薬品製剤としては、注射剤を好適に挙げることができる。
【0056】
また、上記医薬品製剤中に有効成分として抗生物質が含まれていてもよい。
【0057】
上記抗生物質がセフェム系またはオキサセフェム系抗生物質であってもよく、また、この抗生物質がフロモキセフナトリウムであってもよい。フロモキセフナトリウムとは、化学名:モノソジウム(6R,7R)−7−(2−ジフルオロメチルスルファニルアセチルアミノ)−3−[1−(2−ヒドロキシエチル)−1H−テトラゾール−5−イルスルファニルメチル]−7−メトキシ−8−オキソ−5−オキサ−1−アザビシクロ[4,2,0]オクト−2−エン−2−カルボキシレートである。
【0058】
なお、本願発明に用いられる粉体/製剤となる物質は、医薬品や食品として使用するに際し毒性がなければ、特に限定されず、非常に幅広い物質に適用可能である。但し、噴霧造粒工程および流動層乾燥工程での温度で液状となる物質は、単独で本発明を適用することは原理上困難である。また、噴霧造粒工程および流動乾燥工程での温度で分解する物質も、単独で本発明を適用することは原理上困難である。
【0059】
上記の医薬品製剤中の医薬品としては、特に限定されないが、上述のフロモキセフナトリウム以外に、例えば、ジソジウム(6R,7R)−7−[2−カルボキシレート−2−(4−ヒドロキシフェニル)アセタミド]−7−メトキシ−3−[(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)チオメチル]−8−オキソ−5−オキサ−1−アザビシクロ[4,2,0]オクト−2−エン−2−カルボキシレート(一般名:ラタモキセフナトリウム)、7β−[(Z)−2−(2−アミノ−4−チアゾリル)−2−ヒドロキシイミノアセトアミド]−3−(1,2,3−トリアゾール−4−イルチオメチルチオ)−1−カルバ−3−セフェム−4−カルボン酸、(+)−(6R,7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ−4−チアゾリル)−2−ペンテンアミド]−3−カルバモイルオキシメチル−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボン酸ピバロイルオキシメチルエステルまたはその製薬上許容される塩やそれらの水和物(例:塩酸塩・1水和物、一般名:塩酸セフカペンピボキシル)、クロキサシリンナトリウム、セファゾリンナトリウム、セファピリンナトリウム、セファロチンナトリウム、セファロリジン、セフォタキシムナトリウム、セフォペラゾンナトリウム等が挙げられる。
【0060】
上記の医薬品製剤中の添加物としては、特に限定されないが、例えば安定化剤、緩衝剤、矯味剤、等張化剤、pH調整化剤、可溶化剤、抗酸化剤、保存剤、溶解補助剤、賦形剤、分散剤、無痛化剤等がある。より具体的には、アスコルビン酸、L−アルギニン、塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、無菌炭酸水素ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸ニナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸ニカリウム、リン酸ニ水素カリウム、リン酸ニ水素ナトリウム、果糖、キシリトール、D−ソルビトール、乳糖、白糖、ブドウ糖、マルトース、D−マンニトール等がある。
【0061】
本造粒装置で医薬品製剤を製造するには、医薬品のみを造粒装置中で噴霧して無菌・無塵の医薬品製剤を製造する方法、医薬品とともに上記添加物を造粒装置中で噴霧して無菌・無塵の医薬品製剤を製造する方法のほか、上記添加物のみを造粒装置中で噴霧して無菌・無塵の添加物を製造し、当該添加物と医薬品をあわせ医薬品製剤を製造する方法がある。
【0062】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態について説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態では、本発明の造粒装置を流動層造粒装置に適用した造粒システムについて説明する。
【0063】
本実施の形態に係る造粒システムは、図2に示すように、造粒装置1を中心に、原料供給部2(第1流体供給装置)、圧縮エアー供給部3(第2流体供給装置)、流動用エアー供給部4、排気部5、第1洗浄・滅菌部6(第3洗浄装置)、第2洗浄・滅菌部7(第3洗浄装置)、第3洗浄・滅菌部8(第1洗浄装置)、第4洗浄・滅菌部9(第2洗浄装置)が配置された構成である。
【0064】
上記造粒装置1は、二流体スプレーノズル100を下部に備えた略円筒形状の造粒室200を備えている。
【0065】
上記二流体スプレーノズル100は、上記原料供給部2からの液状材料20(第1流体)と、上記圧縮エアー供給部3からの圧縮エアー(第2流体)とを混合して先端開口部100aから造粒室200内に噴霧するようになっている。
【0066】
上記造粒室200には、下部に流動用エアー供給部4から供給される流動用エアーを取り入れるための開口部200aと、該造粒室200内に溜まった水等の液体を排水するための開口部200cとが形成され、上部に造粒室200内のエアーを外部の排気部5に排出するための開口部200bが形成されている。
【0067】
上記構成の造粒装置1では、上記流動用エアー供給部4から、造粒室200の内部に上向きに流動用エアーを吹き出させると共に、液状材料20を上記二流体スプレーノズル100から流動用エアー中に同じく上向きに噴霧させ、噴霧された液状材料20の微粒子を造粒室200の内部で浮遊させつつ、液状材料20の水分を蒸発させて造粒する。この際、当該微粒子は上記二流体スプレーノズル100から噴霧された液状材料20によって間欠的にレイヤリングされて成長する。このような過程を繰り返して所定の粒径を有する粒子を製造するようになっている。
【0068】
なお、上記構成の造粒システムでは、図示していないが、造粒室200内に噴霧供給する上記液状材料20の温度を最適化するために、二流体スプレーノズル100の外周部の略全体に流体を流通させるジャケットを設けてある。当該ジャケットに温度調節用の媒体を流通させて二流体スプレーノズル100を加熱または冷却することで、噴霧する液状材料20の温度や粘性を最適化し、噴霧された液状材料20の粒径を均一化する。この結果、噴霧した液状材料20の凝集・成長の程度を揃え、粒径分布の狭い製品粒子を得ることができる。
【0069】
また、上記構成の造粒装置においては、図2に示すように、造粒途中にある粒子等がエアー排出口となる開口部200bから排出されてしまうのを防止するために、フィルタ206、および、当該フィルタ206に付着した粒子を払い落とすための払落し手段、さらには、上記造粒室200の内部圧力を瞬間的に上昇させるための圧力付加手段とが付加されている。
【0070】
上記フィルタ206を設けることにより、粒子の排出が防止できるため、造粒室200の容積を比較的小さく構成することができ、上記圧力付加手段を設けていることにより、造粒途中の粒子を締め固めて重質な製品粒子を得ることができる。
【0071】
以下、上記構成の造粒システムを構成する個々の部材について説明する。
【0072】
上記原料供給部2は、図2に示すように、液状材料20が収容された容器21と、該容器21に収容された液状材料20を空気圧で押し出すためのポンプ22とで構成されている。この原料供給部2からの液状材料20は、上記ポンプ22のレギュレータバルブ(図示せず)を操作することで、該ポンプ22からフィルター(図示せず)を通して容器21の該液状材料20内に空気が供給され、この空気によって、後述する第3洗浄・滅菌部8と共通の流路を切り替える切替バルブ10と容器21との間に設けられたフィルター(図示せず)を通して該切替バルブ10から二流体スプレーノズル100に供給されるようになっている。
【0073】
上記圧縮エアー供給部3は、圧縮機31を備え、外部から取り込んだエアーを圧縮して、フィルター(図示せず)を通して切替バルブ12から二流体スプレーノズル100に供給するようになっている。このときの圧縮条件は、0.6MPa、300NL/minとする。
【0074】
なお、上記二流体スプレーノズル100では、上記原料供給部2から供給される液状材料20と、上記圧縮エアー供給部3から供給される圧縮エアーとは別々の流路に導入され、最終的に混合され先端開口部100aから噴霧されるようになっている。上記二流体スプレーノズル100の詳細については、後述する。
【0075】
上記流動用エアー供給部4は、所定の温度・湿度に温度設定した流動用エアーを、フィルター(図示せず)を通して開口部200aから造粒室200に上向きに供給するようになっている。当該温度・湿度は、主に造粒室200の内壁面200dに設けた温度計・湿度計(図示せず)を用いて計測する。
【0076】
上記流動用エアー供給部4は、外部からエアーを取り込むブロワー41と、該ブロワー41によって取り込まれたエアーを貯蔵するエアタンク42と、該エアタンク42に貯蔵されたエアーを乾燥させるドライヤ43と、該ドライヤ43で乾燥されたエアーを所定の温度に温めるヒータ44とで構成されている。すなわち、ドライヤ43によってエアーの湿度を調整し、ヒータ44によってエアーの温度を調整することで、所定の温度・湿度に設定されたエアーを造粒室200に供給するようになっている。
【0077】
上記流動用エアーの圧力は、個々の粒子が造粒室200の内部で流動する程度のものが望ましい。本実施形態においては、例えば液状材料20を噴霧することのみによって造粒室200の内部で粒子を成長させる例を示すが、その場合、造粒初期においては、粒子どうしが凝集することのないように流動用エアーの吹出流量を調節する。また、流動用エアーの温度・湿度は、例えば粒子の乾燥が遅い場合には粒子どうしの凝集が生じ易くなって、得られる粒子が大きくなり過ぎる等の不都合が生じるため、粒子の乾燥程度に応じて適宜調節する。
【0078】
上記流動用エアーの吹出しは概ね上方に向けて行うが、当該方向は鉛直方向の上方に向かって吹き出させるものであってもよいし、斜め上方に吹き出すこととして、造粒室200の内部に流動用エアーの旋回流を形成するようにしてもよい。旋回流を形成した場合には、粒子をより積極的に上方に巻き上げるので、粒子の乾燥固化を一層促進することができる。
【0079】
上記排気部5は、造粒室200内において造粒中あるいは造粒後のエアーを排出するための排気装置51を備えている。
【0080】
以上の原料供給部2、圧縮エアー供給部3、流動用エアー供給部4、排気部5を用いることにより、造粒装置1において造粒を行うことができる。
【0081】
一方、造粒後には、造粒室200の内壁面200dあるいはフィルタ206には残留物が付着している。また、本造粒装置1を、医薬品製造装置や食品製造装置に用いる場合には、洗浄の他に滅菌処理をする必要がある。
【0082】
そこで、造粒室200の内壁面200dには、流体としての洗浄液、スチーム(水蒸気)、清浄エアーの少なくとも一方を造粒室200内に導入するための流体噴出用の第1ノズル201〜第4ノズル204が形成されると共に、該造粒室200の内部の上方には、フィルタ206を洗浄・滅菌するための洗浄用ノズル205が設けられている。
【0083】
上記第1ノズル201は、他のノズルよりも造粒室200の上部側に配置され、造粒室200内のフィルタ206を中心に洗浄・滅菌するのに利用される。
【0084】
また、上記第2ノズル202〜第4ノズル204は、上記第1ノズル201よりも下方に配置され、造粒室200の内壁面200dを主に洗浄・滅菌するのに利用される。
【0085】
さらに、洗浄用ノズル205は、フィルタ206および造粒室200上部の濾過(空気)室内面全体を洗浄・滅菌するのに利用される。
【0086】
上記第1ノズル201〜第4ノズル204は、第2洗浄・滅菌部7に接続されており、洗浄用ノズル205は、第1洗浄・滅菌部6に接続されている。なお、第1ノズル201〜第4ノズル204の詳細な構造および機能については、後述する。
【0087】
上記第1洗浄・滅菌部6は、PS(pure steam)を供給する蒸気供給部61と、PW(pure water)を供給する純水供給部62と、PA(清浄エアー)を供給する清浄エアー供給部63とで構成されている。
【0088】
上記第2洗浄・滅菌部7も、基本的に第1洗浄・滅菌部6と同じ構成であり、蒸気供給部71と、純水供給部72と、清浄エアー供給部73とで構成されている。
【0089】
なお、上記のPAの代わりに窒素、PWの代わりに洗浄液を使用してもよい。
【0090】
また、第3洗浄・滅菌部8は、切替バルブ10を介して二流体スプレーノズル100の第1導入口100bに接続されており、造粒後の二流体スプレーノズル100における液状材料20の流路(第1流路)の洗浄および滅菌を行うようになっている。
【0091】
さらに、第4洗浄・滅菌部9は、第3洗浄・滅菌部8と同様に、切替バルブ12を介して二流体スプレーノズル100の第2導入口としてのジェットノズル100cに接続されており、造粒後の二流体スプレーノズル100における圧縮エアーの流路(第2流路)の洗浄および滅菌を行うようになっている。
【0092】
また、上記第3洗浄・滅菌部8および第4洗浄・滅菌部9も、第1洗浄・滅菌部6および第2洗浄・滅菌部7と同じ構成であり、蒸気供給部81、91と、純水供給部82、92と、清浄エアー供給部83、93とで構成されている。
【0093】
このように、第1洗浄・滅菌部6、第2洗浄・滅菌部7、第3洗浄・滅菌部8、第4洗浄・滅菌部9ともに同じ構成であれば、別々に設けるのではなく、共通化してもよい。こうすれば、造粒システム全体の省スペース化を図ることができ、各洗浄・滅菌部における各供給部の制御も一本化でき、繁雑な操作を低減することができる。
【0094】
上記造粒室200について、図1を参照しながら概要を説明する。
【0095】
造粒室200は、図1に示すように、3個の筒部(第1筒部301、第2筒部302、第3筒部303)が上下に接続されて構成されている。最上部の第1筒部301上には、蓋部304が設けられると共に、最下部の第3筒部303の下には二流体スプレーノズル100を備えた底部305が設けられている。
【0096】
上記蓋部304には、上述した洗浄用ノズル205が設けられると共に、チューブシート306および蓋部304内面を洗浄するためのシャワーボール207が設けられている。
【0097】
上記蓋部304と第1筒部301との間には、造粒室200内の気密性を確保するためのチューブシート306が該第1筒部301の上部開口を覆うように設けられている。上記チューブシート306は、第1筒部301内でフィルタ206を固定するための固定部306aが設けられている。
【0098】
上記蓋部304と第1筒部301とは、上記チューブシート306を挟持して気密性を確保するようにして接続されている。この接続部分の詳細については後述する。
【0099】
上記第1筒部301には、内部にフィルタ206が配設されると共に、該フィルタ206の洗浄用ノズル(図示せず)を備えた配管209が配設されている。また、上記第1筒部301の内壁面には、第1ノズル201および第2ノズル202の他に、造粒室200内の温度を検出するめの3つの温度センサ211〜213と、該造粒室200内の圧力を検出するための一つの圧力センサ214とが設けられている。
【0100】
上記第1筒部301の、上記蓋部304との接続側とは反対側に接続された第2筒部302の内壁面には、上記第3ノズル203の他に、上記造粒室200内部を外部から観察するための開口部302cが設けられている。この開口部302cには、透明な板ガラス215が嵌め込まれており、第2筒部302内部を密閉するようになっている。
【0101】
また、上記第1筒部301と第2筒部302との接続部分においても、上記蓋部304と第1筒部301との接続部分と同様に気密性を確保するための接続構造となっている。この第1筒部301と第2筒部302との接続部分の詳細は後述する。
【0102】
上記第2筒部302の、上記第1筒部301との接続部とは反対側に接続された第3筒部303の内壁面には、上記第4ノズル204の他に、上記造粒室200内の温度を検出する温度センサ216が設けられている。
【0103】
上記第3筒部303の下方には、上記底部305がスクリーン307を介して接続されている。
【0104】
上記スクリーン307は、第3筒部303の下方の開口を覆い、中心に向かって円錐状に窪んだ形状に形成されており、中心に造粒室200で造粒された製品が集まるようになっている。このスクリーン307の中心には、製品回収のための開口部307aが設けられている。この開口部307aは、底部305に配設された製品回収管308に接続されている。
【0105】
上記底部305には、上記製品回収管308が配設されて、該製品回収管308内を貫通するようにして、二流体スプレーノズル100が設けられている。この二流体スプレーノズル100の先端部は、第3筒部303内に突出するように配設されている。
【0106】
また、上記底部305には、上述した二流体スプレーノズル100の他に、造粒室200に流動用エアーを導入するためのジェットノズル100cが設けられている。
【0107】
上記第3筒部303と底部305とは、上記第2筒部302と第3筒部303との接続と同様に、気密性を持たせるようにして接続されているが、この詳細については後述する。
【0108】
ここで、造粒室200を構成する第1筒部301〜第3筒部303、蓋部304、底部305の接続について、図3(a)〜図3(d)を参照しながら以下に説明する。
【0109】
上記第1筒部301と蓋部304との接続部(第1接続部311)は、図3(a)に示すように、蓋部304に設けられたフランジ311aと、第1筒部301に設けられたフランジ311bとがチューブシート306の周縁部を挟持するようにして接続された構造となっている。
【0110】
上記フランジ311aのチューブシート306側には、溝311cが、チューブシート306のフランジ311b側には、溝311dが形成されており、各溝内には該溝の大きさよりも若干大きな径を有するOリング(図示せず)が嵌合されるようになっている。このOリングは、第1筒部301と蓋部304との接続時に、フランジの溝311c,311d内で潰れるようになっており、第1接続部311における気密性を高める働きをしている。
【0111】
これにより、第1接続部311から造粒室200内へ塵等の異物の混入を防止することができる。
【0112】
また、上記第1筒部301と第2筒部302との接続部(第2接続部312)は、図3(b)に示すように、第1筒部301に設けられたフランジ312aと、第2筒部302に設けられたフランジ312bとが接続された構造となっている。
【0113】
上記フランジ312aの、上記フランジ312bとの対向面側には、溝312cが形成されており、この溝312c内には該溝312cの大きさよりも若干大きな径を有するOリング(図示せず)が嵌合されるようになっている。このOリングは、第1筒部301と第2筒部302との接続時に、フランジの溝内で潰れるようになっており、第2接続部312における気密性を高める働きをしている。
【0114】
これにより、第2接続部312から造粒室200内へ塵等の異物の混入を防止することができる。
【0115】
同様にして、上記第2筒部302と第3筒部303との接続部(第3接続部313)は、図3(c)に示すように、第2筒部302に設けられたフランジ313aと、第3筒部303に設けられたフランジ313bとが接続された構造となっている。
【0116】
上記フランジ313aの、上記フランジ313bとの対向面側には、溝313cが形成されており、この溝313c内には該溝313cの大きさよりも若干大きな径を有するOリング(図示せず)が嵌合されるようになっている。このOリングは、第2筒部302と第3筒部303との接続時に、フランジの溝内で潰れるようになっており、第3接続部313における気密性を高める働きをしている。
【0117】
これにより、第3接続部313から造粒室200内へ塵等の異物の混入を防止することができる。
【0118】
さらに、上記第3筒部303と底部305との接続部(第4接続部314)は、図3(d)に示すように、第3筒部303に設けられたフランジ314aと、底部305に設けられたフランジ314bとがスクリーン307の周縁部を挟持するようにして接続された構造となっている。
【0119】
上記フランジ314aのスクリーン307側には、溝314cが、スクリーン307のフランジ314b側には、溝314dが形成されており、各溝内には該溝の大きさよりも若干大きな径を有するOリング(図示せず)が嵌合されるようになっている。このOリングは、第3筒部303と底部305との接続時に、フランジの溝内で潰れるようになっており、第4接続部314における気密性を高める働きをしている。
【0120】
これにより、第4接続部314から造粒室200内へ塵等の異物の混入を防止することができる。
【0121】
以上のように、各接続部は気密性を有する構造となっているので、各接続部から造粒室200内への異物の混入を防止することが可能となる。つまり、造粒室200内の無菌・無塵環境を実現することが可能となる。
【0122】
なお、造粒室200内の無菌・無塵環境を実現するには、該造粒室200を一体成形した筒で形成するのが好ましいが、上記のように、各接続部に気密性を持たせるような構造にすれば、複数の筒部で構成するようにしてもよい。
【0123】
このように複数の筒部を気密性を持たせるようにして接続して造粒室を構成するようにすれば、比較的大きな造粒室を構成することが容易となる等の造粒室の設計の自由度が増すことになる。例えば、内容積が1000リットルを越えるような大きな造粒室は、一体成形した筒を用いて実現するのは困難であるが、上記のように複数の筒部で構成するようにすれば容易に実現することができる。
【0124】
以下に、流体噴出用のノズルについての詳細を説明する。
【0125】
まず、上記第1ノズル201の詳細について、図4ないし図7を参照しながら以下に説明する。ここで、図4は、第1ノズル201の第1筒部301での配設位置の概略を示す図である。
【0126】
図4に示すように、上記第1筒部301には、流体の噴出側が該第1筒部301の内壁面301a側に突出した4個の第1ノズル201が等間隔に配設されている。
【0127】
上記の各第1ノズル201は、第1筒部301に設けられた支持部材321によって支持されている。この支持部材321は、略円筒形状をしており、第1筒部301の外壁面301b側から内壁面301a側に向かって貫通する貫通孔321aを形成するように配設されている。
【0128】
上記支持部材321は、図5に示すように、筒部分の一端部が第1筒部301の外壁面301bに溶接等によって接合される一方、他端部には後述する第1ノズル201のフランジ201eと接合するためのフランジ321bが形成されている。この支持部材321の内径は、第1ノズル201の本体部分が挿入可能で、且つ該第1ノズル201が挿入された状態で第1筒部301内の気密性を確保し得る大きさに設定されている。
【0129】
上記第1ノズル201は、図6(a)(b)に示すように、略円柱形状であり、内部に流体を導く為の貫通孔201aが形成されている。図6(a)は、第1ノズル201の断面図を示し、図6(b)は、第1ノズル201の流体噴出側から見た正面図である。
【0130】
上記貫通孔201aは、後端部側の一つの流体導入孔201bと、前端部側の4つの流体噴出孔201cとが連通した構造となっている。この4つの流体噴出孔201cは、それぞれ異なる方向を向いており、第1筒部301の内壁面301aの異なる領域に対して流体を吹きつけるようになっている。
【0131】
また、第1ノズル201表面には、流体噴出孔201c近傍位置に溝201dが円周状に形成されている。この溝201dには、図示しないOリングが嵌合するようになっている。つまり、第1ノズル201が、該第1ノズル201の溝201dにOリングが嵌合された状態で、支持部材321に挿入されたときの、該第1ノズル201表面と支持部材321の貫通孔321aの表面との間に生じる隙間が該Oリングによって埋められることになる。
【0132】
また、第1ノズル201表面には、支持部材321のフランジ321bに接合されるフランジ201eが形成されている。第1ノズル201を支持部材321の貫通孔321aに挿入したとき、上記第1ノズル201のフランジ201eと上記支持部材321のフランジ321bとが接合されることで、該第1ノズル201が第1筒部301内に入り込まないように規制すると共に、気密性の確保に寄与するようになっている。
【0133】
上記第1ノズル201の流体導入孔201bは、後述する流体導入管401(図7)に繋がっている。図7は、第1ノズル201と流体導入管401との接続関係を概略的に示した図である。
【0134】
上記流体導入管401は、図7に示すように、管が第1筒部301の外周に沿うように略円弧状に形成され、該第1筒部301に配設された4つの第1ノズル201のそれぞれに対応して分岐した枝管401aが形成され、この枝管401aが第1ノズル201の流体導入孔201b側に接続されている。なお、この枝管401aと第1ノズル201との接続部分においても、気密性を確保するための構造となっている。
【0135】
また、流体導入管401の先端部側では、枝管401aを形成する際に、緩やかなRを持たせて折曲部401bを構成している。この折曲部401bにおいては、鋭角な部分が無いように形成していることで、流体が管内に残留しないようになっている。
【0136】
上記第1ノズル201には、図2に示す第2洗浄・滅菌部7の蒸気供給部71からの高温スチームと、純水供給部72からの洗浄液と、清浄エアー供給部73からの清浄エアーとの何れかの流体が切り替えられて、流体導入管401を介して導入されるようになっている。この切り替えは、図示しないバルブ(切り替え手段)によって行なわれている。また、図示しない制御回路(制御手段)によって、第2洗浄・滅菌部7を制御することで、第1ノズル201からの流体の噴出タイミングを制御している。
【0137】
次に、第2ノズル202の詳細について、図8〜図10を参照しながら以下に説明する。ここで、図8は、第2ノズル202の第1筒部301での配設位置の概略を示す図である。
【0138】
第2ノズル202は、上記第1ノズル201と同様に、第1筒部301に4個配設されている。すなわち、図8に示すように、上記第1筒部301には、図4で示した第1ノズル201の他に、流体の噴出側が該第1筒部301の内壁面301a側に突出した4個の第2ノズル202が配設されている。
【0139】
上記の各第2ノズル202は、第1筒部301に設けられた支持部材322によって支持されている。この支持部材322は、略円筒形状をしており、第1筒部301の外壁面301b側から内壁面301a側に向かって貫通する貫通孔322aを形成するように配設されている。
【0140】
上記支持部材322は、上記支持部材321とほぼ同じ構成である。すなわち、図9に示すように、支持部材322は、筒部分の一端部が第1筒部301の外壁面301bに溶接等によって接合される一方、他端部には後述する第2ノズル202のフランジ202eと接合するためのフランジ322bが形成されている。この支持部材322の内径は、第2ノズル202の本体部分が挿入可能で、且つ該第2ノズル202が挿入された状態で第1筒部301内の気密性を確保し得る大きさに設定されている。
【0141】
上記第2ノズル202は、図10(a)〜図10(c)に示すように、略円柱形状であり、内部に流体を導く為の貫通孔202aが形成されている。図10(a)は、第2ノズル202の断面図を示し、図10(b)は、図10(a)のBB線矢視断面図を示し、図10(c)は、図10(a)のCC線矢視断面図を示す。
【0142】
上記貫通孔202aは、後端部側の一つの流体導入孔202bと、前端部側の4つの流体噴出孔202cとが連通した構造となっている。この4つの流体噴出孔202cは、それぞれ異なる方向を向いており、第1筒部301の内壁面301aの異なる領域に対して流体を吹きつけるようになっている。
【0143】
また、第2ノズル202表面には、流体噴出孔202c近傍位置に溝202dが円周状に形成されている。この溝202dには、図示しないOリングが嵌合するようになっている。つまり、第2ノズル202が、該第2ノズル202の溝202dにOリングが嵌合された状態で、支持部材322に挿入されたときの、該第2ノズル202表面と支持部材322の貫通孔322aの表面との間に生じる隙間が該Oリングによって埋められることになる。
【0144】
また、第2ノズル202表面には、支持部材322のフランジ322bに接合されるフランジ202eが形成されている。第2ノズル202を支持部材322の貫通孔322aに挿入したとき、上記第2ノズル202のフランジ202eと上記支持部材322のフランジ322bとが接合されることで、該第2ノズル202が第1筒部301内に入り込まないように規制すると共に、気密性の確保に寄与するようになっている。
【0145】
上記第2ノズル202の流体導入孔202bは、前述した図7に示す流体導入管401と同じ構成の流体導入管(図示せず)に繋がっている。
【0146】
上記第2ノズル202には、図2に示す第2洗浄・滅菌部7の蒸気供給部71からの高温スチームと、純水供給部72からの洗浄液と、清浄エアー供給部73からの清浄エアーとの何れかの流体が切り替えられて、流体導入管を介して導入されるようになっている。この切り替えは、図示しないバルブ(切り替え手段)によって行なわれている。また、図示しない制御回路(制御手段)によって、第2洗浄・滅菌部7を制御することで、第2ノズル202からの流体の噴出タイミングを制御している。
【0147】
以上のように、第1筒部301は他の筒部よりも内壁面の面積が広いので、4個の第1ノズル201と4個の第2ノズル202との合計8個の流体噴出用のノズルが使用されている。なお、ノズルの数は、筒部の内壁面の面積や各ノズルの流体噴出の範囲等を考慮して適宜設定すればよい。
【0148】
次に、第3ノズル203の詳細について、図11ないし図15を参照しながら以下に説明する。ここで、図11は、第3ノズル203の第2筒部302での配設位置の概略を示す図である。
【0149】
図11に示すように、上記第2筒部302には、流体の噴出側が該第2筒部302の内壁面302a側に突出した2個の第3ノズル203が配設されている。
【0150】
上記の各第3ノズル203は、第2筒部302に設けられた支持部材323によって支持されている。この支持部材323は、略円筒形状をしており、第2筒部302の外壁面302b側から内壁面302a側に向かって貫通する貫通孔323aを形成するように配設されている。
【0151】
上記支持部材323は、図12に示すように、筒部分の一端部が第2筒部302の外壁面302bに溶接等によって接合される一方、他端部には後述する第3ノズル203のフランジ203fと接合するためのフランジ323bが形成されている。この支持部材323の内径は、第3ノズル203の本体部分が挿入可能で、且つ該第3ノズル203が挿入された状態で第2筒部302内の気密性を確保し得る大きさに設定されている。
【0152】
上記第3ノズル203は、図13(a)(b)に示すように、略円柱形状であり、内部に流体を導く為の貫通孔203aが形成されている。図13(a)は、第3ノズル203の断面図を示し、図13(b)は、第3ノズル203の流体噴出側から見た正面図である。
【0153】
上記貫通孔203aは、後端部側の一つの流体導入孔203bと、前端部側の流体噴出孔203cとが連通した構造となっている。上記流体導入孔203bは、さらに、図14に示すように、第3ノズル203の横断面(図13(a)のDD線矢視断面図)を貫通する流体噴出孔203dと連通した構造となっている。これら流体噴出孔203c、203dは、何れも第2筒部302の内壁面302aの異なる領域に対して流体を吹きつけるようになっている。特に、流体噴出孔203cは、図11に示すように、第2筒部302の内壁面302aに沿うようにして設けられているため、該内壁面302aに対して流体を効率よく噴出することができる。
【0154】
また、第3ノズル203表面には、流体噴出孔203d近傍位置に溝203eが円周状に形成されている。この溝203eには、図示しないOリングが嵌合するようになっている。つまり、第3ノズル203が、該第3ノズル203の溝203eにOリングが嵌合された状態で、支持部材321に挿入されたときの、該第1ノズル201表面と支持部材323の貫通孔323aの表面との間に生じる隙間が該Oリングによって埋められることになる。
【0155】
また、第3ノズル203表面には、支持部材323のフランジ323bに接合されるフランジ203fが形成されている。第3ノズル203を支持部材323の貫通孔323aに挿入したとき、上記第3ノズル203のフランジ203fと上記支持部材323のフランジ323bとが接合されることで、該第3ノズル203が第2筒部302内に入り込まないように規制すると共に、気密性の確保に寄与するようになっている。
【0156】
上記第3ノズル203の流体導入孔203bは、後述する流体導入管403(図15)に繋がっている。図15は、第3ノズル203と流体導入管403との接続関係を概略的に示した図である。
【0157】
上記流体導入管403は、図15に示すように、管が第2筒部302の外周に沿うように略円弧状に分岐して設けられ、各先端部403aに該第2筒部302に配設された2つの第3ノズル203が接続されるようになっている。なお、この先端部403aと第3ノズル203との接続部分においても、気密性を確保するための構造となっている。
【0158】
また、流体導入管403の先端部403aは、緩やかなRを持たせた折曲部403bを有する構成となっている。この折曲部403bにおいては、鋭角な部分が無いように形成していることで、流体が管内に残留しないようになっている。
【0159】
上記第3ノズル203には、図2に示す第2洗浄・滅菌部7の蒸気供給部71からの高温スチームと、純水供給部72からの洗浄液と、清浄エアー供給部73からの清浄エアーとの何れかの流体が切り替えられて、流体導入管403を介して導入されるようになっている。この切り替えは、図示しないバルブ(切り替え手段)によって行なわれている。また、図示しない制御回路(制御手段)によって、第2洗浄・滅菌部7を制御することで、第3ノズル203からの流体の噴出タイミングを制御している。
【0160】
次に、第4ノズル204の詳細について、図16ないし図20を参照しながら以下に説明する。ここで、図16は、第4ノズル204の第3筒部303での配設位置の概略を示す図である。
【0161】
図16に示すように、上記第3筒部303には、流体の噴出側が該第3筒部303の内壁面303a側に突出した3個の第4ノズル204が等間隔に配設されている。
【0162】
上記の各第4ノズル204は、第3筒部303に設けられた支持部材324によって支持されている。この支持部材324は、略円筒形状をしており、第3筒部303の外壁面303b側から内壁面303a側に向かって貫通する貫通孔324aを形成するように配設されている。
【0163】
上記支持部材324は、図17に示すように、筒部分の一端部が第3筒部303の外壁面303bに溶接等によって接合される一方、他端部には後述する第4ノズル204のフランジ204eと接合するためのフランジ324bが形成されている。この支持部材324の内径は、第4ノズル204の本体部分が挿入可能で、且つ該第4ノズル204が挿入された状態で第3筒部303内の気密性を確保し得る大きさに設定されている。
【0164】
上記第4ノズル204は、図18(a)(b)に示すように、略円柱形状であり、内部に流体を導く為の貫通孔204aが形成されている。図18(a)は、第4ノズル204の断面図を示し、図18(b)は、第4ノズル204の流体噴出側から見た正面図である。
【0165】
上記貫通孔204aは、後端部側の一つの流体導入孔204bと、前端部側の3つの流体噴出孔204cとが連通した構造となっている。この3つの流体噴出孔204cは、それぞれ異なる方向を向いており、第3筒部303の内壁面303aの異なる領域に対して流体を吹きつけるようになっている。
【0166】
上記3つの流体噴出孔204cのうち、2つの流体噴出孔204cは、図18(a)に示すように、流体導入孔204b側に向かって流体噴出する形状となっており、残りの1つの流体噴出孔204cは、図16に示すように、第3筒部303の内壁面303aから遠ざかるように流体噴出する形状となっている。
【0167】
また、第4ノズル204表面には、流体噴出孔204c近傍位置に溝204dが円周状に形成されている。この溝204dには、図示しないOリングが嵌合するようになっている。つまり、第4ノズル204が、該第4ノズル204の溝204dにOリングが嵌合された状態で、支持部材324に挿入されたときに、該第4ノズル204表面と支持部材324の貫通孔324aの表面との間に生じる隙間が該Oリングによって埋められることになる。
【0168】
また、第4ノズル204表面には、支持部材324のフランジ324bに接合されるフランジ204eが形成されている。第4ノズル204を支持部材324の貫通孔324aに挿入したとき、上記第4ノズル204のフランジ204eと上記支持部材324のフランジ324bとが接合されることで、該第4ノズル204が第3筒部303内に入り込まないように規制すると共に、気密性の確保に寄与するようになっている。
【0169】
上記第4ノズル204の流体導入孔204bは、後述する流体導入管404(図19)に繋がっている。図19は、第4ノズル204と流体導入管404との接続関係を概略的に示した図である。
【0170】
上記流体導入管404は、図19に示すように、管が第3筒部303の外周に沿うように略円弧状に形成され、該第3筒部303に配設された3つの第4ノズル204のそれぞれに対応して分岐した枝管404aが形成され、この枝管404aが第4ノズル204の流体導入孔204b側に接続されている。なお、この枝管404aと第4ノズル204との接続部分においても、気密性を確保するための構造となっている。
【0171】
また、流体導入管404の先端部側では、枝管404aを形成する際に、緩やかなRを持たせて折曲部404bを構成している。この折曲部404bにおいては、鋭角な部分が無いように形成していることで、流体が管内に残留しないようになっている。
【0172】
上記第4ノズル204には、図2に示す第2洗浄・滅菌部7の蒸気供給部71からの高温スチームと、純水供給部72からの洗浄液と、清浄エアー供給部73からの清浄エアーとの何れかの流体が切り替えられて、流体導入管404を介して導入されるようになっている。この切り替えは、図示しないバルブ(切り替え手段)によって行なわれている。また、図示しない制御回路(制御手段)によって、第2洗浄・滅菌部7を制御することで、第4ノズル204からの流体の噴出タイミングを制御している。
【0173】
上記の第1ノズル201〜第4ノズル204は、何れも流体噴出側の先端部が造粒室200内での造粒に支障をきたさない程度の突出量に設定されている。しかも、各ノズルの流体噴出方向は、所定の方向に固定されている。この場合、各ノズルの流体噴出孔(201c、202c、203c、203d、204c)の形成によって、流体噴出方向が決定される。この固定した流体噴出方向は、各ノズルが造粒室200の内壁面200dに設置されたときに、該造粒室200内において流体による旋回流が発生する方向に設定するのが好ましい。このように各ノズルの流体噴出方向を規定した場合には、噴出する流体を必要最小限にすることが可能となるので、省資源、省エネルギー化を実現することが可能となる。
【0174】
以上のように、密閉された造粒室200内に原料を投入して目的とする粒子を製造する造粒装置であって、上記造粒室200内壁面200dに対して流体を噴出するノズル(第1ノズル201〜第4ノズル204)を、該造粒室200内壁面200dに1個または複数個設けることにより、以下のようなメリットを有する。
【0175】
すなわち、造粒室200の内壁面200dに対して非連続に流体を噴出することで、造粒時に造粒室200内壁面200dに付着した粉体を噴出された流体によって剥離することができる。つまり、造粒室200内壁面200dに付着した粉体を、該造粒室200に衝撃を与えることなく剥離することが可能となる。
【0176】
これにより、造粒室200に衝撃を与えた場合に生じる問題、すなわち、異物の発生を防止することができるので、造粒した製品に異物が混入することがなくなる。
【0177】
したがって、上記構成の造粒室200を、製品への異物混入を極端に嫌う製剤等の製品を造粒する造粒装置に適用できる。
【0178】
ここで、流体として気体を使用すれば、造粒中に造粒室200内壁面200dに付着した粉体の払落としを行なうことができる。また、流体として液体を使用すれば、この液体に洗浄成分を含ませることで、造粒室200内壁面200dの洗浄を行なうことができる。さらに、流体として滅菌し得るような高温のスチームを使用すれば、造粒室200内壁面200dの滅菌を行なうことができる。
【0179】
このように、流体の種類を順番に切り替えれば、造粒室200内壁面200dに対する洗浄から滅菌を順に行なうことができる。この切り替えを自動化すれば、上記洗浄から滅菌を自動的に行なうことが可能となる。
【0180】
また、各ノズルからの流体の噴出は、所定の時間間隔で行なわれるようになっている。この場合、造粒に支障をきたさない程度の時間で行なうのが望ましい。特に、間欠的、瞬間的に行なうのが好ましい。
【0181】
そして、洗浄や滅菌のために流体を上記第1ノズル201〜第4ノズル204から噴出する場合、各ノズル毎に噴出のタイミングをずらしてもよいし、各ノズルで噴出のタイミングを合わせてもよい。なお、ノズル毎に噴出のタイミングをずらした場合には、造粒に与える影響を極力小さくすることができる。
【0182】
上記構成の造粒装置を使用すれば、凍結乾燥法やスプレードライ法よりも優れた無菌・無塵の粉末を製造する粉末製造方法を提供することができる。
【0183】
すなわち、本発明の粉末製造方法は、スプレードライ法に比べて低い温度で行なう噴霧造粒工程と、この噴霧造粒工程から引き続いて行なう流動層乾燥工程とを実行することにより、凍結乾燥法で製造した無菌製剤と同程度の化学的品質を持つ粉末を短時間で製造できる。
【0184】
このとき、上記造粒装置の内壁面に設けられたノズルから流体(除湿エアー等)を効率的に噴射することで、該内壁面への粉体の付着を軽減すると共に、流動層の形成を促進できるので、製造される粉末の短時間での乾燥を可能とし、且つ回収率の向上を図ることができる。
【0185】
具体的には、上記噴霧造粒工程は、上記造粒装置の造粒室内で目的物質を溶解した溶液または目的物質を懸濁した懸濁液を流体として噴霧造粒する工程である。
【0186】
また、上記流動層乾燥工程は、上記噴霧造粒工程の後、造粒された粉末内の溶媒含量が目標値に達するまで流動層乾燥を行なう乾燥工程である。
【0187】
そして、無菌・無塵の粉末を得るためには、上記噴霧造粒工程の前に、目的物質を溶解した溶液または目的物質を懸濁した懸濁液を流体および/または上記造粒装置の造粒室内を無菌状態とする無菌処理工程を行なう必要がある。
【0188】
この無菌処理工程によって、粉末の原料と装置の無菌処理が施されるので、異物の混入が無いだけでなく、無菌の粉末を製造することができる。つまり、無菌・無塵の粉末を得ることができる。
【0189】
従って、本発明の粉末製造方法では、無菌・無塵の粉末(製剤)を得るために、気流式の造粒装置を用いているので、凍結乾燥法に比べて短時間で無菌・無塵の粉体/製剤が得られる上、初期設備投資や運転・保守費用が少なくて済む。
【0190】
また、スプレードライ法に比べて、温度を低くして乾燥できるので、熱に弱い物質を目的物質に使用することができると共に、熱劣化品の混入を防止することができる。
【0191】
また、粉末製造方法の乾燥工程において、本発明の造粒装置の内壁面に設けられたノズルから乾燥エアーを噴出することで、粉末に含まれる溶媒(主として水)を低減させ、溶媒含量(水分含量)の低い粉体/製剤をスプレードライ法に比べて低温で製造することができる。
【0192】
なお、粉末中の許容溶媒含量については、粉末として製造される薬物の種類によって異なる。そこで、溶媒が水の場合、薬物が加水分解しない程度の溶媒含量と定義し、溶媒が有機溶媒の場合、人体に影響を与えない程度(残留溶媒がない程度)の溶媒含量と定義する。
【0193】
また、粉末化可能な範囲の低温での噴霧造粒と低温での流動層乾燥を行なうことで、熱に不安定な成分の粉体/製剤を製造することができる。
【0194】
従って、本発明の造粒装置を用いれば、粉末中の許容溶媒含量を超えない粉末を低温で且つ熱劣化の無い状態で製造することができる。
【0195】
しかも、本発明の造粒装置を用いて、粉末を製造した場合、凍結乾燥法で得られるバルクに比べて再溶解性に優れた粉末が得られる。
【0196】
【実施例】
本発明を適用した実施例について、以下に説明する。
【0197】
まず、本実施例に係る造粒装置の造粒室200の容量を800L、表面積を10m2、30%固形分のソルビン酸カリ水溶液をモデル原料として、造粒室200の原料の入口温度80℃、出口温度50℃、噴霧液速度120g/min、スプレー空気量300L/min(2本使用)において、33.4kgの液体原料(ソルビン酸カリ水溶液)を吹き込み(液滴径は10μm以下)、約10kgのソルビン酸カリの微細粒子を造粒室200内に生成させた。
【0198】
ここで、2つの条件によって、造粒室200内壁面に付着した微細粒子の払落としおよび洗浄を行なった結果について以下に述べる。
【0199】
(a)第1ノズル201〜第4ノズル204を使用しないとき
まず、製品回収管308から製品を排出する際に、流動化空気を流通させつつフィルタ206に逆洗エアーを吹き込むことを行なって、造粒室200内壁面200dに付着した微細粒子を払落とした。この場合、造粒室200内壁面200dに付着した微細粒子を製品として回収することが非常に困難であり、この時の製品回収率は70%(約7kg)であった。残りの約3kgの微細粒子は、造粒室200内壁面200dに残留していることになる。
【0200】
次に、微細粒子を払落とした後の造粒室200内壁面200dの洗浄を、洗浄用ノズル205を中心にして従来法で行なった結果、洗い残し部分(微細粒子が付着している部分)が認められた。ここで、残留微細粒子の確認には、UV(紫外線)吸収法を使用した。このUV吸収法とは、リボフラビン水溶液を造粒室200の内壁面200dに吹きつけ、その後洗浄し、UVランプを照射することで、残留微粒子を確認する方法である。
【0201】
(b)第1ノズル201〜第4ノズル204を使用したとき(本願発明)
まず、第1ノズル201〜第4ノズル204の作動条件を、
圧縮空気圧:5kgf/cm2
噴射(ON)時間:0.5秒
停止(OFF)時間:30秒
として、造粒室200内壁面200dに流体を噴射することにより、該内壁面200dに付着した微細粒子を払い落とした。この場合、払い落とした微細粒子を製品として回収したときの回収率は90%(約9kg)以上であった。つまり、造粒室200内壁面200dに残留した微細粒子は約1kgであった。
【0202】
次に、第1ノズル201〜第4ノズル204を使用して造粒室200内壁面200dの洗浄を行なった。このときの第1ノズル201〜第4ノズル204の作動条件を、
洗浄液供給圧:2kgf/cm2
噴射(ON)時間:5秒
停止(OFF)時間:90秒
として、造粒室200内壁面200dの洗浄を行なった。ここで、残留微細粒子の確認に、上述のUV(紫外線)吸収法を使用したが、残留物の確認はできなかった。つまり、より少量の洗浄液で、造粒室200の内壁面200dの全域を洗浄できるようになった。
【0203】
ここで、上記2つの条件における洗浄度の比較結果を図20に示す。この場合、洗浄度は、造粒室200から排出される排水の電気伝導度を用いて表している。つまり、排水の電気伝導度が高いほど、排水中に残留物(ソルビン酸カリウム)が含まれていることを示す。
【0204】
図20は、造粒室200の内壁面200dに残留するソルビン酸カリウムの粉体が2kgとした場合に、図1に示した各ノズル(第1ノズル201〜第4ノズル204)を使用して洗浄した場合(側壁ノズル使用:上記条件(a)に相当)と、これら各ノズルを使用せず、既存の洗浄用ノズルのみを使用した場合(側壁ノズル不使用:上記条件(b)に相当)とにおける処理時間毎の排水の電気伝導度を比較したグラフである。
【0205】
図中、●は、側壁ノズル使用の場合を示し、△は、側壁ノズル不使用の場合を示し、○は、排水量を示している。
【0206】
図20に示すグラフから、本願発明の側壁ノズルを使用した場合には、処理時間が2分経過した時点で急激に電気伝導度が低下しているのに対して、同じレベルの電気伝導度に達するのに、側壁ノズルを使用しない場合には、5分程度かかかることが分かった。つまり、側壁ノズルを使用した方が、側壁ノズルを使用しない場合に比べて、造粒室200内壁面200dの洗浄を迅速に行なえることが明らかとなった。
【0207】
以上のように、上記構成の造粒装置によれば、造粒室200の内壁面200dに噴出孔が露出するように第1ノズル201〜第4ノズル204が設けられ、これによって、該造粒室200を外部から振動させたり、内部においてノズルを回転駆動させることなく、内壁面200dに付着した微細粒子を、異物を発生させることなく払い落としたり、洗浄したりすることができるので、無塵状態で造粒が可能になる。しかも、造粒室200を、無塵状態を維持できることから、無菌状態にすることも容易である。
【0208】
しかも、上記構成の造粒装置では、第1ノズル201〜第4ノズル204から噴出される流体として、清浄エアーの他に、洗浄剤を含む溶液、高温スチームを自動的に切り替えて噴出することで、無菌、無塵状態で、造粒から乾燥、払い落とし、洗浄、滅菌までの工程の自動化を図ることができる。
【0209】
このように、本願発明の造粒装置は、自動洗浄、自動滅菌(自動高圧蒸気滅菌)を可能としているので、無菌・無塵環境が求められる用時溶解注射剤製造プロセスにおいて、「凍結乾燥」のみによって行なわれてきた乾燥粉末製造法に適用することができる。
【0210】
特に、上記構成の造粒装置では、無菌・無塵状態にすることが可能であるので、コンタミネーションの無い環境下で凝集の少ない数μオーダーでの微細粒子生成やマイクロコーティングが容易に行なえ、噴霧後の流動層乾燥(2次乾燥)を継続すれば、従来のスプレードライヤでは達成不可能な、凍結乾燥品と同等の低水分の乾燥製品を得ることができる。
【0211】
また、上記構成の造粒装置では、凍結乾燥法に対して、経済性(イニシャル、ランニング、メンテナンスコスト)の観点から有利である。
【0212】
さらに、上記造粒装置は、自動洗浄のみを行なってもよいし、自動洗浄と自動滅菌を合わせて行なってもよい。
【0213】
すなわち、上記造粒装置は、例えば自動洗浄のみを行なう場合であれば、製剤のコーティング、造粒、乾燥に好適に用いられ、自動洗浄と自動滅菌を合わせて行なう場合であれば、上述した用時溶解注射剤の乾燥、造粒に好適に用いられる。
【0214】
ここで、本発明の造粒装置を用いた粉末製造方法について、以下に説明する。
【0215】
(実施例1)
本実施例では、図1に示す造粒装置として、流動層造粒装置(ホソカワミクロン(株)社製:AGM−2SD−S)を使用し、この流動層造粒装置内の各所にケミカルインジケータ(HOGY社製:AC用検知カード)と、温度センサとを配置した。
【0216】
上記の流動層造粒装置を、121℃以上で30分以上昇温した後、造粒を開始した。
【0217】
まず、製品(粉末)の原料として、オキサセフェム系抗生物質であるフロモキセフナトリウムを29.5W/W%と塩化ナトリウムを1.5W/W%とを含む水溶液2kgを0.22μmフィルターでろ過して送液タンクに移し、0.22μmフィルターろ過窒素で加圧して18g/分の流量で二流体スプレーノズルの液供給側に送液した。
【0218】
上記二流体スプレーノズルの気体供給側に、上記水溶液の他に、0.22μmフィルターろ過窒素を45L/分の流量で供給し、水溶液と窒素ガスとを混合した流体を、流動層造粒装置内に噴霧し、目的物を造粒した(噴霧造粒工程)。なお、上記流体を流動層造粒装置内に噴霧する前に、該流動層造粒装置内を予め滅菌しておく(滅菌処理工程)。但し、ここで行なう滅菌処理工程での滅菌の度合いについては、製造する製品の品質に応じて設定するものとする。
【0219】
なお、上記噴霧造粒工程を行なっている間、流動層造粒装置の本体に設けられた11個のノズル(図1、4、8、11、16)のうち、除湿エアーを噴出するノズル以外の7個のノズルから、本体側壁面に向けて、0.6MPaの0.22μmフィルターろ過窒素を20秒間隔で0.4秒間噴出し、該壁面への粉体の付着防止と流動層形成の促進とを行なった。
【0220】
また、同様に、目皿板付近の3箇所のノズル(図16)から0.6MPaの0.22μmフィルターろ過窒素を60秒間隔で0.4秒間噴出し、目皿板への粉体の堆積を解消させた。
【0221】
次に、噴霧造粒工程が完了した状態の流動層造粒装置において、内壁面に設けられたノズルから除湿用のエアーを噴出し、粉体に含まれる水(溶媒)を取り除いた(流動層乾燥工程)。ここで、使用する除湿エアーは、除湿機を用いて露点−45℃のエアーを、ルーツブロワで0.8m3/分の流量で送風し、ヒータで80℃に加温後に0.22μmフィルターでろ過した除湿エアーとした。また、上記除湿エアーは、流動層を形成するための流動化エアーとしても使用した。
【0222】
なお、上記の流動層乾燥工程における乾燥は、流体の噴霧終了後に1時間行なった。
【0223】
(実施例2)
本実施例では、前記実施例1と同じ.粉末の原料として、オキサセフェム系抗生物質であるフロモキセフナトリウムに対して、噴霧造粒と流動層乾燥とを行なった。
【0224】
但し、乾燥/流動化エアーとして、元圧7kg/cm3の窒素を圧力調整して0.8m3/分の流量で送風し、ヒーターで80℃に加温後に0.22μmフィルタでろ過したエアーを用いた。
【0225】
(比較例1)
本比較例では、小型のスプレードライヤ(ニロ社製)を用いてオキサセフェム系抗生物質であるフロモキセフナトリウムを粉末化した。
【0226】
ここでは、実施例1と同じオキサセフェム系抗生物質であるフロモキセフナトリウムを29.5W/W%と塩化ナトリウムを1.5W/W%とを含む水溶液を、3.7g/分の速度で該スプレードライヤに送液し、入口温度95℃の窒素(露点−80℃)を32.1kg/hで送風して粉末化した。なお、スプレードライヤの乾燥筒内には粉末が付着していたが、熱劣化は認められなかった。
【0227】
(比較例2)
本比較例では、前記比較例1と同じ小型のスプレードライヤを用いてオキサセフェム系抗生物質であるフロモキセフナトリウムを粉末化した。
【0228】
ここでは、実施例1と同じオキサセフェム系抗生物質であるフロモキセフナトリウムを29.5W/W%と塩化ナトリウムを1.5W/W%とを含む水溶液を、2.1g/分の速度で該スプレードライヤに送液し、入口温度95℃の窒素(露点−80℃)を32.1kg/hで送風して粉末化した。なお、スプレードライヤの乾燥筒内には粉末が付着していたが、熱劣化は認められなかった。
【0229】
(比較例3)
本比較例では、前記比較例1、2とは異なる小型のスプレードライヤ(大川原製作所:LB−8F型)を用いてオキサセフェム系抗生物質であるフロモキセフナトリウムを粉末化した。
【0230】
ここでは、実施例1と同じオキサセフェム系抗生物質であるフロモキセフナトリウムを29.5W/W%と塩化ナトリウムを1.5W/W%とを含む水溶液を、24g/分の速度で該スプレードライヤに送液し、入口温度170℃の通常エアーを約100m3/hで送風して粉末化した。なお、回収缶内には、熱劣化した粉末は認められなかったが、乾燥筒内に熱劣化して褐色となった粉末が多数付着していた。
【0231】
以上の各実施例および各比較例によって粉末を回収した。
【0232】
ここで、上記の各実施例と各比較例との結果をふまえて、以下に示す各種試験を行なった。
【0233】
(試験例1)
実施例1、2において使用した流動層造粒装置における造粒室の菌の有無を調べた。具体的には、造粒室を蒸気滅菌(121℃、15分)後、106個以上のBacillus Stearothermophilus ATCC7953を含むバイオインジケータ(B.I.、Raven社製:SPORE STRIPS)によって、該造粒室内の滅菌状態を調べた。その結果、B.I.をSCD液体培地中で、57℃下で7日間培養し、菌の増殖が無いことを確認できた。
【0234】
(試験例2)
実施例1で製造した粉末について、日本薬局方の試験法に準じた試験を行なった。ここでは、実施例1で製造した粉末の1.1gを100mLの注射用水に溶解させてパーティクルカウンターで不溶性微粒子を測定した結果、日本薬局方の注射剤の規格に適合していることを確認できた。
【0235】
(試験例3)
各実施例および各比較例において製造した粉末に対して、水分含量を調べた。ここでは、各粉末に対して、カールフィッシャー法で水分含量を測定した。この測定結果を、表1に示す。なお、製剤としてのフロモキセフナトリウムの許容水分量(目標値)は、0.5%よりも少なくする必要がある。
【0236】
【表1】
Figure 0003907605
【0237】
表1から、比較例1〜3の粉末の水分含量は、フロモキセフナトリウムの許容水分量の0.5%を上回っていたが、実施例1、2の粉末の水分含量は、いずれもフロモキセフナトリウムの許容水分量の0.5%を下回っていた。この結果、実施例1、2の製造方法で製造された粉末は、製剤として好適に使用できることが明らかとなった。
【0238】
(試験例4)
実施例1、2で製造した粉末について、高速液体クロマトグラフ法を用い、使用した原料粉末に対する相対力価を測定した。ここで、高速液体クロマトグラフ方法の測定条件は以下の通りである。
【0239】
測定装置:Waters 600E, 741, 712 ,741型
カラム :YMC Pack ODS-AM-302 S-5μm, 120A SIZE 4.6×150mm
移動相 :臭化テトラ-n-フ゛チルアンモニウム リン酸塩緩衝液 / メタノール( 75 : 25 )
流速 :1mL/min 、検出波長:246nm
注入量 :5μL、サンプルクーラー温度設定:5℃
上記測定条件による測定結果を、表2に示す。
【0240】
【表2】
Figure 0003907605
【0241】
表2から、実施例1、2で製造した粉末の相対力価はほぼ100%であることが明らかとなった。
【0242】
なお、試験例4では相対力価を測定したが、製造された製剤の薬物含量を測定してもよい。
【0243】
この場合、製剤中の薬物含量は、90〜100%であればよく、好ましくは95〜100%、より好ましく98〜100%であればよい。したがって、本発明の粉末製造方法によれば、製剤中の薬物含量を上記の範囲にすることが可能である。
【0244】
以上のように、本発明の粉末製造方法によれば、無菌・無塵の溶液あるいは懸濁液から、被乾燥物(粉末)の化学的特性を損なう事無く、無菌・無塵の粉末製剤を製造することが可能となる。
【0245】
また、本発明の粉末製造方法は、凍結乾燥法に比べて、短時間で乾燥粉末/製剤が製造できる他、冷凍機や真空ポンプ等の付帯設備が不要であるので、初期設備投資や保守・運転費用が軽減できて経済的である。
【0246】
また、本発明の粉末製造方法は、スプレードライ法に比べて低温で乾燥が可能であり、熱に弱い物質でも粉末/製剤化が可能となる。
【0247】
さらに、本発明の粉末製造方法は、装置に付着して熱劣化した粉体が混入する危険性がないため、安全である。
【0248】
しかも、本発明の粉末製造方法によれば、コーティング機能や造粒機能を用いて、粉体特性に優れ、流動性がよく、強度が強く、工業的に取り扱いやすい粉末/製剤が得られる。
【0249】
本発明は上述した実施形態および各実施例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。
【0250】
【発明の効果】
以上のように、本発明の造粒装置は、密閉された造粒室内に原料を投入および/または噴霧して目的とする粉・粒状の製品を造粒する気流式の造粒装置であって、上記造粒室内壁面に、該造粒室内壁面に対して流体を噴出するノズルが複数個設けられ、上記各ノズルの流体噴出方向がそれぞれ所定の方向に固定され、上記ノズルから噴出する流体を、気体、液体、スチームのうち何れかに切り替える切り替え手段が設けられている構成である。
【0251】
それゆえ、造粒室内壁面に、該造粒室内壁面に対して流体を噴出するノズルが複数個設けられていることで、該各ノズルによって噴出された流体によって、該造粒室内壁面に付着した粉・粒状の製品を剥離することができる。つまり、造粒室内壁面に付着した製品を、該造粒室に衝撃を与えることなく剥離することが可能となる。
【0252】
また、ノズルの流体噴出方向が所定方向に固定されているので、ノズルが回転や移動等の駆動せずに、造粒室内壁面に対して流体を噴射することができる。これにより、ノズルの回転や移動等の駆動に伴う造粒室内への異物の発生を無くすことができる。
【0253】
ここで、流体として気体を使用すれば、造粒中に造粒室内壁面に付着した粉体の払落としを行なうことができる。また、流体として液体を使用すれば、この液体に洗浄成分を含ませることで、造粒室内壁面の洗浄を行なうことができる。さらに、流体として滅菌可能な高温のスチームを使用すれば、造粒室内壁面の滅菌を行なうことができる。
【0254】
これにより、流体として気体を使用した場合には、造粒室に外部から衝撃を与えることなく、該造粒室内壁面に流体を噴出することにより、該内壁面に付着した製品を払い落とすことができるので、回収する製品には異物が混入する虞がなくなる。
【0255】
また、流体として洗浄成分を含んだ液体を使用した場合には、ノズルの流体噴出孔が所定の方向に固定されているので、ノズル自体を造粒室内で回転させたり移動させたりする必要がなく、造粒室内壁面の洗浄を行なうことができる。これにより、ノズルが回転、移動等の駆動することによって発生する異物が洗浄後に造粒室に混入するといった問題が生じない。
【0256】
したがって、洗浄前後で造粒室に異物は発生しなくなるので、造粒室で製造された製品への異物の混入を無くすことができる。この結果、製品への異物混入を極端に嫌う製剤等の製品を造粒する造粒装置として、上記構成の造粒装置を使用することが可能となる。
【0257】
また、上述のように、流体の種類を順番に切り替えれば、造粒室内壁面に対する製品の払い落としから、洗浄・滅菌までを順に行なうことができる。この流体の切り替えを自動化すれば、製品の払い落としから洗浄・滅菌までを自動的に行なうことが可能となる。
【0258】
このように、造粒室内の製品の払い落としから洗浄・滅菌までを自動的に行い、しかも、造粒前後において造粒室に異物が混入しない造粒装置では、造粒室を無菌・無塵環境にすることが容易となり、このような無菌・無塵環境で造粒する必要のある製剤、特に用時溶解注射剤の造粒にも上記構成の造粒装置を好適に使用することが可能となるという効果を奏する。
【0259】
上記気体は清浄エアーであり、上記液体は純水であってもよい。
【0260】
本発明の造粒装置は、上記の造粒装置において、流体を各ノズルに導入するための流体導入管が上記造粒室の外周に沿って略円弧状に形成され、当該流体導入管の先端部側で緩やかなRを持たせた折曲部によって分岐形成した枝管に上記ノズルが接続されている構成である。
【0261】
本発明の造粒装置は、上記の造粒装置において、上記各ノズルの流体噴出方向が、上記造粒室内壁面に噴出された流体によって旋回流を発生させる方向にそれぞれ固定されている構成である。
【0262】
それゆえ、各ノズルの流体噴出方向が、上記造粒室内壁面に噴出された流体によって旋回流を発生させる方向にそれぞれ固定されていることで、造粒室内に噴出される流体を用いて効率よく、該造粒装置内壁面に付着した製品を剥離することができる。
【0263】
したがって、造粒室内の製品の払い落としから洗浄・滅菌までに使用する流体量を必要最小限で済ませることが可能となり、省資源・省エネルギー化を図ることのできる造粒装置を提供することができるという効果を奏する。
【0264】
本発明の造粒装置は、上記の造粒装置において、上記ノズルからの流体の噴出は、間欠的に行なわれる構成である。
【0265】
それゆえ、ノズルからの流体の噴出が、間欠的に行なわれることで、各ノズルからの流体の噴出が造粒時の流動層の挙動等に与える影響を少なくすることができるという効果を奏する。
【0266】
本発明の粉末製造方法は、上記の造粒装置を用いて目的とする粉末を製造する粉末製造方法である。
【0267】
それゆえ、粉末の乾燥時間の短縮と、回収率の向上とを図ることができるという効果を奏する。
【0268】
本発明の粉末製造方法は、上記の粉末製造方法の構成に加えて、上記造粒装置の造粒室内で目的物質を溶解した溶液または目的物質を懸濁した懸濁液を噴霧造粒する噴霧造粒工程を含んでいる構成である。
【0269】
それゆえ、低温で且つ短時間で無菌・無塵の粉末を製造することができるという効果を奏する。
【0270】
本発明の粉末製造方法は、上記の構成に加えて、上記噴霧造粒工程の後、造粒された粉末内の溶媒含量が目標値に達するまで流動層乾燥を行なう乾燥工程を含んでいる構成である。
【0271】
それゆえ、乾燥工程において、異物混入の無い状態の粉末内の溶媒含量が目標値に達するまで流動層乾燥を行なうことで、所望する溶媒含量の粉末を得ることができるという効果を奏する。
【0272】
本発明の粉末製造方法は、上記の構成に加えて、上記噴霧造粒工程の前に、上記造粒装置の造粒室内を滅菌し、装置に導入される気体および目的物質を溶解した溶液または目的物質を懸濁した懸濁液を滅菌法あるいは無菌操作法で無菌状態とする工程を含んでいることおよびその後の工程を無菌操作法で行う構成である。
【0273】
それゆえ、無菌処理工程によって、粉末の原料と装置の無菌処理が施されるので、異物の混入が無いだけでなく、無菌の粉末を製造することができる。つまり、無菌・無塵の粉末を得ることができるという効果を奏する。
【0274】
以上のように、本発明の造粒装置およびこの造粒装置を用いた粉末製造方法は、製造工程において無菌性が必須である無菌製剤およびその原料等や無菌の食品に使われる他、製造工程の無菌保証が必要でないが高いレベルでの無菌性が要求される経口製剤や経肺投与製剤等に好適に用いることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の造粒装置の造粒室の概略構成図である。
【図2】 図1の造粒装置を備えた造粒システムの概略構成図である。
【図3】 (a)〜(d)は、図1に示す造粒室の各筒体の接合部分の概略断面図である。
【図4】 図1に示す造粒室を構成する第1筒部と第1ノズルとの配置関係を示す概略図である。
【図5】 図4に示す第1筒部に設けられた第1ノズルを支持する支持部材の断面図である。
【図6】 (a)は、第1ノズルの縦断面図であり、(b)は、(a)のAA線矢視断面図である。
【図7】 第1ノズルと流体導入管との接続状態を示す概略構成図である。
【図8】 図1に示す造粒室を構成する第1筒部と第2ノズルとの配置関係を示す概略図である。
【図9】 図8に示す第1筒部に設けられた第2ノズルを支持する支持部材の断面図である。
【図10】 (a)は、第1ノズルの縦断面図であり、(b)は、(a)のBB線矢視断面図であり、(c)は、(a)のCC線矢視断面図である。
【図11】 図1に示す造粒室を構成する第2筒部と第3ノズルとの配置関係を示す概略図である。
【図12】 図11に示す第2筒部に設けられた第3ノズルを支持する支持部材の断面図である。
【図13】 (a)は、第3ノズルの縦断面図であり、(b)は、第3ノズルの流体噴出側から見た正面図である。
【図14】 図13(a)のDD線矢視断面図である。
【図15】 第3ノズルと流体導入管との接続状態を示す概略構成図である。
【図16】 図1に示す造粒室を構成する第3筒部と第4ノズルとの配置関係を示す概略図である。
【図17】 図16に示す第3筒部に設けられた第4ノズルを支持する支持部材の断面図である。
【図18】 (a)は、第4ノズルの縦断面図であり、(b)は、第4ノズルの流体噴出側から見た正面図である。
【図19】 第4ノズルと流体導入管との接続状態を示す概略構成図である。
【図20】 造粒室に設けた側壁ノズルを使用した場合と使用しない場合とにおける洗浄度を比較するためのグラフである。
【符号の説明】
1 造粒装置
200 造粒室
200d 内壁面
201 第1ノズル
201c 流体噴出孔
202 第2ノズル
202c 流体噴出孔
203 第3ノズル
203c 流体噴出孔
203d 流体噴出孔
204 第4ノズル
204c 流体噴出孔
301 第1筒部
301a 内壁面
302 第2筒部
302a 内壁面
303 第3筒部
303a 内壁面

Claims (14)

  1. 密閉された造粒室内に原料を投入および/または噴霧して目的とする粉・粒状の製品を造粒する気流式の造粒装置であって、
    上記造粒室内壁面に、該造粒室内壁面に対して流体を噴出するノズルが複数個設けられ、
    上記各ノズルの流体噴出方向がそれぞれ所定の方向に固定され
    上記ノズルから噴出する流体を、気体、液体、スチームのうち何れかに切り替える切り替え手段が設けられていることを特徴とする造粒装置。
  2. 上記気体は清浄エアーであり、上記液体は純水であることを特徴とする請求項1に記載の造粒装置。
  3. 流体を各ノズルに導入するための流体導入管が上記造粒室の外周に沿って略円弧状に形成され、当該流体導入管の先端部側で緩やかなRを持たせた折曲部によって分岐形成した枝管に上記ノズルが接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載の造粒装置。
  4. 上記各ノズルの流体噴出方向は、上記造粒室内壁面に噴出された流体によって該造粒室内に旋回流を発生させる方向にそれぞれ固定されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の造粒装置。
  5. 上記ノズルからの流体の噴出は、間欠的に行なわれることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の造粒装置。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の造粒装置を用いて目的とする粉末を製造することを特徴とする粉末製造方法。
  7. 上記造粒装置の造粒室内で目的物質を溶解した溶液または目的物質を懸濁した懸濁液を噴霧造粒する噴霧造粒工程を含んでいることを特徴とする請求項に記載の粉末製造方法。
  8. 上記噴霧造粒工程の後、造粒された粉末内の溶媒含量が目標値に達するまで流動層乾燥を行なう乾燥工程を含んでいることを特徴とする請求項に記載の粉末製造方法。
  9. 上記噴霧造粒工程の前に、上記造粒装置の造粒室内を滅菌し、装置に導入される気体および目的物質を溶解した溶液または目的物質を懸濁した懸濁液を滅菌法あるいは無菌操作法で無菌状態とする工程を含んでいることおよびその後の工程を無菌操作法で行うことを特徴とする請求項またはに記載の粉末製造方法。
  10. 上記粉末が医薬品製剤であることを特徴とする請求項6から9の何れか1項に記載の粉末製造方法。
  11. 上記医薬品製剤が注射剤であることを特徴とする請求項10に記載の粉末製造方法。
  12. 上記医薬品製剤中に有効成分として抗生物質が含まれていることを特徴とする請求項10または11に記載の粉末製造方法。
  13. 上記抗生物質がセフェム系またはオキサセフェム系抗生物質であることを特徴とする請求項12に記載の粉末製造方法。
  14. 上記抗生物質がフロモキセフナトリウムであることを特徴とする請求項12に記載の粉末製造方法。
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