JP3907550B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、家庭用又は業務用で使用されるインバータ回路を用いた複数の加熱口を有する誘導加熱調理器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、誘導加熱を応用し、インバータ回路を用いた誘導加熱調理器はその加熱応答性・制御性の良さを生かして、負荷となる鍋等の近傍に温度検出素子等を載置し、鍋温度等を検出し、それに応じて火力の調節や調理時間の調節を行うことで、きめ細かな調理を実現すると共に、炎を用いず、かつ熱効率が高いので、室内の空気を汚すことも少なく、安全かつ清潔であるという特性が注目され、その需要が急速に伸びてきている。
【0003】
以下に従来の誘導加熱調理器の動作について図面に基づいて説明する。図12は従来例の構成を示すブロック図である。
図12において、21は第1のスイッチング手段21aと第2のスイッチング手段21bを備えた第1のインバータ回路、22は第3のスイッチング手段22aと第4のスイッチング手段22bを備えた第2のインバータ回路、23は第1のインバータ回路21から高周波電流を供給されることにより鍋等の負荷に高周波交番磁界を印加して誘導加熱を行う第1の負荷コイル、24は第2のインバータ回路22から高周波電流を供給されることにより鍋等の負荷に高周波交番磁界を印加して誘導加熱を行う第2の負荷コイル、25はこれらを収納している筐体である。
【0004】
上記構成において動作を説明する。第1のインバータ回路21は商用電源(図示せず)を整流、平滑した直流を高周波交流に変換し、第1の負荷コイル23に高周波電流を流すことで、第1の負荷コイル23と磁気結合した負荷鍋(図示せず)に渦電流を発生させて、そのジュール熱で負荷鍋を誘導加熱する。同様に第2のインバータ回路22は商用電源(図示せず)を整流、平滑した直流を高周波交流に変換し、第2の負荷コイル24に高周波電流を流すことで、第2の負荷コイル24と磁気結合した負荷鍋(図示せず)に渦電流を発生させて、そのジュール熱で負荷鍋を誘導加熱する。
【0005】
この時、第1のインバータ回路21は負荷鍋への誘導加熱出力が所望の値となるように第1のスイッチング手段21aと第2のスイッチング手段21bの駆動周波数及び駆動時間を可変して交互に駆動することにより第1の負荷コイル23に供給する高周波電流の大きさ及び周波数を可変する。同様に第2のインバータ回路22は負荷鍋への誘導加熱出力が所望の値となるように第3のスイッチング手段22aと第4のスイッチング手段22bの駆動周波数及び駆動時間を可変して交互に駆動することにより第2の負荷コイル24に供給する高周波電流の大きさ及び周波数を可変する。
【0006】
この場合、高周波電流が与えられることによって負荷鍋が機械的振動を発しているが、一般的には、使用者にこの振動音が聞こえない可聴周波数以上で且つ、スイッチング手段のスイッチング損失等、パワー部品の損失が機器の冷却能力を超えて増大しない程度の周波数、通常20k〜30kHz程度に設定している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以上のような従来の誘導加熱調理器では、第1のインバータ回路21と第2のインバータ回路22がそれぞれ異なった誘導加熱出力であったり、異なった材質の負荷鍋を加熱している等、同時に動作している場合の大部分で、それぞれの駆動周波数が異なっているために、それら駆動周波数の差が干渉音となって発生し、使用者に不快感等を与えてしまうという不具合点があった。
【0008】
また、上記不具合点を改善するべく、それぞれのインバータ回路が対応する負荷コイルに供給する高周波電流の周波数を常にほぼ同一とする誘導加熱調理器が考案されているが、この同一としている周波数はせいぜい20k〜30kHz程度であるため、アルミ等の低抵抗、低透磁率の材質の鍋を誘導加熱するためには、十分な表皮抵抗が得られず、大きい高周波磁界を与えないと十分な誘導加熱出力が得られないので、負荷コイルやインバータ回路を構成するスイッチング素子等のパワー部品に与える電気及び熱的ストレスが過大となり、それに伴う冷却対策、EMC対策等での多大なコスト増及び部品並びに機器の大型化を招くと共に、浮力が大きいため軽量な鍋が容易に浮いてしまい、実使用に耐えないという課題を有していた。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するもので、同一筐体内に複数のインバータ回路、負荷コイルを収納し、これらを異なる誘導加熱出力で動作させても、干渉音の発生を抑制し、また、低抵抗、低透磁率の材質の鍋であっても誘導加熱を行える様にして、使い勝手の良い誘導加熱調理器を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る誘導加熱調理器は、負荷コイルを含み直流を高周波交流に変換し、前記負荷コイルに可聴域を超える周波数の高周波電流を供給する第1及び第2のインバータ回路と、前記第1及び第2のインバータ回路の加熱対象となる負荷の材質を判別する負荷検知手段と、前記第1のインバータ回路の入力電流を検知する入力検知手段と、前記入力検知手段の出力に応じて対応する負荷コイルに供給する高周波電流の周波数を可変して、所定の入力となるように前記第1のインバータ回路の入力電流を制御する入力電流制御手段とを備え、前記負荷検知手段が、前記第2のインバータ回路の加熱対象となる負荷が鉄系の材質であると判別するとき、前記第2のインバータ回路は対応する負荷コイルに高調波成分の大きさにおいてその第1次高調波成分が最大となる高周波電流を供給し、前記負荷検知手段が、前記第1及び第2のインバータ回路の加熱対象となる負荷が低抵抗かつ低透磁率である所定の材質と判別するとき、前記第1及び第2のインバータ回路は対応する負荷コイルに、その高次の高調波成分の少なくとも1つが大きさにおいてその第1次高調波成分よりも大としかつ周波数において前記第2のインバータ回路の加熱対象となる負荷が鉄系の材質である場合に供給される高周波電流の第1次高調波成分の周波数よりも高くし周波数差が可聴域より大となるようにした高周波電流を供給し、前記第1のインバータ回路が前記所定の材質を負荷として高周波電流を対応する負荷コイルに供給しているときに、前記負荷検知手段が前記第2のインバータ回路の加熱対象の負荷が前記所定の材質であると判別したとき、前記第2のインバータ回路を動作させないことを特徴とする
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の目的は、各請求項に記載した構成を実施の形態とすることにより達成することができるので、以下には各請求項の特徴とする構成に作用を併記して実施の形態の意義を理解しやすく説明することとする。
【0012】
第1の発明に係る誘導加熱調理器は、負荷コイルを含み直流を高周波交流に変換し、前記負荷コイルに可聴域を超える周波数の高周波電流を供給する第1及び第2のインバータ回路と、前記第1及び第2のインバータ回路の加熱対象となる負荷の材質を判別する負荷検知手段と、前記第1のインバータ回路の入力電流を検知する入力検知手段と、前記入力検知手段の出力に応じて対応する負荷コイルに供給する高周波電流の周波数を可変して、所定の入力となるように前記第1のインバータ回路の入力電流を制御する入力電流制御手段とを備え、前記負荷検知手段が、前記第2のインバータ回路の加熱対象となる負荷が鉄系の材質であると判別するとき、前記第2のインバータ回路は対応する負荷コイルに高調波成分の大きさにおいてその第1次高調波成分が最大となる高周波電流を供給し、前記負荷検知手段が、前記第1及び第2のインバータ回路の加熱対象となる負荷が低抵抗かつ低透磁率である所定の材質と判別するとき、前記第1及び第2のインバータ回路は対応する負荷コイルに、その高次の高調波成分の少なくとも1つが大きさにおいてその第1次高調波成分よりも大としかつ周波数において前記第2のインバータ回路の加熱対象となる負荷が鉄系の材質である場合に供給される高周波電流の第1次高調波成分の周波数よりも高くし周波数差が可聴域より大となるようにした高周波電流を供給し、前記第1のインバータ回路が前記所定の材質を負荷として高周波電流を対応する負荷コイルに供給しているときに、前記負荷検知手段が前記第2のインバータ回路の加熱対象の負荷が前記所定の材質であると判別したとき、前記第2のインバータ回路を動作させない構成しているので、第1及び第2のインバータ回路は対応する負荷コイルに可聴域を超える周波数の高周波電流を供給することで、負荷コイルから発生する高周波磁束により鍋等の負荷を誘導加熱することができ、単独動作時の鍋の機械的振動音が使用者には聞こえないようにしている。
また、第1のインバータ回路は低抵抗かつ低透磁率である所定の材質を加熱する場合に対応する負荷コイルに、その高次の高調波成分の少なくとも1つが大きさにおいてその第1次高調波成分よりも大としかつ周波数において第2のインバータ回路が鉄系の材質負荷を加熱する場合において対応する負荷コイルに供給する高周波電流の第1次高調波成分の周波数よりも高くし周波数差が可聴域より大となるようにした高周波電流を供給することで、例えば、第2のインバータ回路が21kHz、第1のインバータ回路はこの2倍の42kHzの高周波電流を供給している場合では、この高周波電流の第1次高調波成分(基本波)は、第2のインバータ回路の供給している高周波電流の第2次高調波成分と周波数がほぼ合致するので、干渉音は発生しないし、また、2.5倍の52.5kHzの高周波電流周波数を供給している場合では、この高周波電流の第1次高調波成分(基本波)は、第2のインバータ回路の供給している高周波電流の第2次高調波成分(42kHz)並びに第3次高調波成分(63kHz)と周波数差が10.5kHz生じ、可聴域の干渉音は発生しているものの、後者の周波数成分の大きさが前者のそれより十分小さく、干渉音の音圧は低減される。
【0013】
更に、第1及び第2のインバータ回路は、鉄系の材質の負荷を加熱対象とする場合に、高調波成分の大きさにおいてその第1次高調波成分が20k〜30kHzという可聴域を超える周波数の高周波電流で加熱し、低抵抗かつ低透磁率である所定の材質の負荷を加熱対象とする場合に、第1次高調波成分よりも高次の高調波成分の少なくとも1つが大となる周波数で高周波電流を供給するので、低抵抗、低透磁率の材質の鍋であっても、十分な表皮抵抗が得られると共に、浮力も低減できるので、負荷を安定して誘導加熱ができると共に、特定のインバータ回路に対して、他のインバータ回路の供給している高周波電流の2倍以上の周波数の高周波電流を供給するので、限定されたインバータ回路の冷却能力向上対策、EMC強化対策を施すだけで良く、これら対策によるコストアップ、機器の大型化を抑えることができるという作用を有する。
また、第1のインバータ回路の入力電流を検知する入力検知手段と、前記入力検知手段の出力に応じて対応する負荷コイルに供給する高周波電流の周波数を可変して、所定の入力となるように前記第1のインバータ回路の入力電流を制御する入力電流制御手段とを備えるので、第1のインバータ回路の入力電流を可変して、所望の誘導加熱出力が得られると共に、この際、対応する負荷コイルに供給する高周波電流をその高次の高調波成分の少なくとも1つが大きさにおいてその第1次高調波成分よりも大としかつ周波数において第2のインバータ回路の加熱対象とする負荷が鉄系の材質である場合に対応する負荷コイルに供給される高周波電流の第1次高調波成分の周波数よりも高くし周波数差が可聴域より大となるようにした範疇で、可変させているので、第2のインバータ回路に誘導加熱されている負荷との間で発生している干渉音の音圧を低減できる。
【0014】
例えば、第1のインバータ回路は第2のインバータ回路が対応する負荷コイルに供給している高周波電流の周波数の約2.5倍前後で高周波電流周波数を供給している場合では、この高周波電流の第1次高調波成分(基本波)は、第2のインバータ回路の供給している高周波電流の第2次高調波成分と第3次高調波成分とに可聴領域の周波数差が生じ、干渉音は発生しているものの、後者の周波数成分の大きさが前者のそれより十分小さいので、第1のインバータ回路に誘導加熱されている負荷と、第2のインバータ回路に誘導加熱されている負荷との間で発生している干渉音の音圧を低減できるという作用を有する。
また、周波数を可変して行うのでスイッチング素子のターンオン・ターンオフのタイミングをスイッチング損失あるいはスイッチングノイズが少なくなるように設定することを行いやすくすることができる。
【0016】
また、第1及び第2のインバータ回に対して、加熱対象となる負荷の材質を判別する負荷検知手段を備え、前記負荷検知手段が判別した負荷材質が低抵抗かつ低透磁率である所定の材質であれば、この負荷を加熱対象としているインバータ回路が、第2のインバータ回路が加熱対象とする負荷が鉄系の材質である場合に対応する負荷コイルに供給される高周波電流の第1次高調波成分の周波数よりも高くし周波数差が可聴域より大となるようにした高周波電流を、対応する負荷コイルに供給するよう構成しているので、負荷検知手段により、負荷の材質を判別して、低抵抗かつ低透磁率である所定の材質の負荷を検知した時に、この負荷を加熱対象としているインバータ回路が対応する負荷コイルに、第2のインバータ回路が対応する負荷コイルに供給する高周波電流の周波数の2倍以上の高周波電流を供給することができ、また、低抵抗かつ低透磁率である所定の材質でなければ、その負荷を加熱対象とするインバータ回路は、第2のインバータ回路が対応する負荷コイルに供給する高周波電流の周波数の2倍以上にしない等して、負荷の材質に応じて対応する負荷コイルに供給する高周波電流の周波数を切り替えることができる。これによって低抵抗、低透磁率の材質の鍋であっても、十分な表皮抵抗が得られる。また、一般的に高周波電流の周波数が増加するとインバータ回路を構成する負荷コイルやスイッチング素子等のパワー部品やそれらを接続する配線の電気的あるいは熱的ストレスは増大するが、低抵抗かつ低透磁率である所定の材質以外の負荷では対応する負荷コイルに高い周波数の高周波電流を流す必要がない場合には、第2のインバータ回路が対応する負荷コイルに供給する高周波電流の周波数の2倍以上にしないことを選択することで、所定の材質を除く負荷を加熱する際のインバータ回路を構成する負荷コイルやスイッチング素子等のパワー部品、あるいはこれらを接続する配線の電気的あるいは熱的ストレスを低減できるので、この時の冷却ファンの風量等を低減して冷却ファンの風切り音を抑制できるという作用を有する。
【0022】
また、第1のインバータ回路が、低抵抗かつ低透磁率である所定の材質を負荷として高周波電流を対応する負荷コイルに供給している時には、負荷検知手段が第2のインバータ回路の加熱対象の負荷が低抵抗かつ低透磁率である所定の材質であると判別すれば、第2のインバータ回路は動作しないよう構成しているので、この手段によって、同時に第1及び第2のインバータ回路が、その高次の高調波成分の少なくとも1つが大きさにおいてその第1次高調波成分よりも大としかつ周波数において第2のインバータ回路の加熱対象とする負荷が鉄系の材質である場合に供給される高周波電流の第1次高調波成分の周波数よりも高くし周波数差が可聴域より大となるようにした高周波電流を対応する負荷コイルに供給することがないので、干渉音の発生する機会をなくすことができるという作用を有する。
【0024】
第2の発明に係る誘導加熱調理器は、負荷コイルを含み前記負荷コイルに可聴域を超える周波数の高周波電流を供給する複数組のインバータ回路と、加熱対象となる負荷の材質を判別する負荷検知手段とを備え、前記負荷検知手段が、加熱対象となる負荷が低抵抗かつ低透磁率である所定の材質と判別するとき、前記インバータ回路は対応する負荷コイルに、その高次の高調波成分の少なくとも1つが大きさにおいてその第1次高調波成分よりも大としかつ周波数において加熱対象とする負荷が鉄系の材質である場合に供給される高周波電流の第1次高調波成分の周波数よりも高くし周波数差が可聴域より大となるようにした高周波電流を供給し、前記負荷検知手段が、加熱対象となる負荷が鉄系の材質であると判別するとき、前記インバータ回路は対応する前記負荷コイルに供給する高周波電流の高調波成分の大きさにおいて、その第1次高調波成分が最大となる高周波電流を供給し、所定の前記インバータ回路が、対応する前記負荷コイルに供給する高周波電流の高調波成分の大きさにおいて、その第1次高調波成分よりも高次の高調波成分の少なくとも1つが大となる高周波電流を第1次高調波成分の周波数を可変させながら供給しているときに、他の前記インバータ回路の加熱対象の負荷が前記所定の材質であると判別したとき、この負荷を加熱対象とするインバータ回路を動作させない構成しているので、この手段により、各々のインバータ回路は対応する負荷コイルに高周波電流を供給することで、負荷コイルから発生する高周波磁束により低抵抗かつ低透磁率である所定の材質と鉄系の材質の鍋等の負荷を誘導加熱することができる。
【0025】
また、所定のインバータ回路及び他のインバータ加熱対象となる負荷の材質を判別する負荷検知手段が、低抵抗かつ低透磁率である所定の材質と判別すると、対応する負荷コイルに、第1次高調波成分よりも高次の高調波成分の少なくとも1つが大となる高周波電流供給することで、例えば、他のインバータ回路が供給する高周波電流の第1次高調波成分が最大となり、その周波数が21kHz、所定のインバータ回路は、供給する高周波電流の第2次高調波成分が最大となり、その周波数が42kHzと言うような場合では、所定のインバータ回路が供給する高周波電流の第2次高調波成分は、他のインバータ回路の供給している高周波電流の第2次高調波成分と周波数がほぼ合致するので、干渉音は発生しないし、また、所定のインバータ回路が、第2次高調波成分が最大となり、その周波数が52.5kHzと言うような高周波電流を供給している場合では、この高周波電流の第2次高調波成分は、他のインバータ回路の供給している高周波電流の第2次高調波成分(42kHz)並びに第3次高調波成分(63kHz)と周波数差が10.5kHz生じ、可聴域の干渉音は発生しているものの、後者の周波数成分の大きさが前者のそれより十分小さく、干渉音の音圧は低減される。
【0026】
更に、所定のインバータ回路及び他のインバータ回路は、負荷コイルの加熱対象となる負荷の材質を判別する負荷検知手段が、鉄系の材質であると判別すると、通常20k〜30kHz程度の周波数を第1次高調波成分として且つ、その大きさが高次の高調波成分よりも大となる高周波電流を印加して誘導加熱し、所定のインバータ回路及び他のインバータは、負荷検知手段が低抵抗かつ低透磁率である所定の材質と判別すると、供給する高周波電流の第1次高調波成分の周波数を、負荷検知手段が鉄系の材質であると判別した場合にインバータ回路の供給している高周波電流の第1次高調波成分の周波数と同程度とし、且つ、より高次の高調波成分の大きさが大となる高調波電流を必要に応じて供給すれば、低抵抗、低透磁率の材質の鍋であっても、十分な表皮抵抗が得られる誘導加熱ができるという作用を有する。
【0027】
また、所定のインバータ回路が供給する高周波電流の第1次高調波成分より大となっている高次の高調波成分の周波数と、他のインバータ回路が供給する高周波電流の第1次高調波成分の周波数との差を可聴域より大とするよう構成しているので、この手段によって、例えば、他のインバータ回路が第1次高調波成分が最大となり、その周波数が21kHz、所定のインバータ回路は、第2次高調波成分が最大となり、その周波数が50kHzと言うような高周波電流を供給している場合では、所定のインバータ回路が供給する高周波電流の第2次高調波成分は、他のインバータ回路の供給している高周波電流の第1次高調波成分との周波数差が29kHzとなり可聴域より大であるので、この部分での負荷鍋間の干渉音は使用者には聞こえないし、他のインバータ回路の供給している高周波電流の第2次高調波成分(42kHz)並びに第3次高調波成分(63kHz)と周波数差がそれぞれ8kHz、13kHz生じ、可聴域の干渉音は発生しているものの、後者の周波数成分の大きさが前者のそれより十分小さく、干渉音の音圧は低減されると言う作用を有する。
【0028】
また、所定のインバータ回路及び他のインバータに対して、加熱対象となる負荷の材質を判別する負荷検知手段を備え、前記負荷検知手段が判別した負荷材質が低抵抗かつ低透磁率である所定の材質であれば、前記所定のインバータ回路及び他のインバータが、対応する負荷コイルの加熱対象となる負荷の材質を判別する負荷検知手段が低抵抗かつ低透磁率である所定の材質と判別すると、対応する前記負荷コイルに、その高次の高調波成分の少なくとも1つが大きさにおいてその第1次高調波成分よりも大としかつ周波数において加熱対象とする負荷が鉄系の材質である場合に供給される高周波電流の第1次高調波成分の周波数よりも高くし周波数差が可聴域より大となるようにした高周波電流を供給するよう構成しているので、負荷検知手段により、負荷の材質を判別して、低抵抗かつ低透磁率である所定の材質の負荷を検知した時に、この負荷を加熱対象としているインバータ回路が対応する負荷コイルに供給する高周波電流の高調波成分の大きさにおいて、その第1次高調波成分よりも高次の高調波成分の少なくとも1つが大となる高周波電流を供給することができ、また、鉄系の材質であると判別すると、その負荷を加熱対象とするインバータ回路は、対応する負荷コイルに供給する高周波電流の高調波成分の大きさにおいて、その第1次高調波成分よりも高次の高調波成分の少なくとも1つが大となる高周波電流を供給せず、第1次高調波成分が最大となる高周波電流を供給する等して、負荷の材質に応じて対応する負荷コイルに供給する高周波電流の種類を切り替えることができる。これによって低抵抗、低透磁率の材質の鍋であっても、十分な表皮抵抗が得られる誘導加熱ができる。
【0029】
また、一般的に高周波電流の周波数が増加するとインバータ回路を構成する負荷コイルやスイッチング素子等のパワー部品やそれらを接続する配線の電気的あるいは熱的ストレスは増大するが、所定の材質以外の負荷では対応する負荷コイルに、より高次の高調波成分の大きさが大の高周波電流を流す必要がない場合には、他のインバータ回路が対応する負荷コイルに供給する高周波電流と同様の第1次高調波成分が最大となる高周波電流を供給することを選択することで、所定の材質を除く負荷を加熱する際のインバータ回路を構成する負荷コイルやスイッチング素子等のパワー部品、あるいはこれらを接続する配線の電気的あるいは熱的ストレスを低減できるので、この時の冷却ファンの風量等を低減して冷却ファンの風切り音を抑制できるという作用を有する。
【0030】
また、所定のインバータ回路の入力電流を検知する入力検知手段と、前記入力検知手段の出力に応じて対応する負荷コイルに供給する高周波電流の第1次高調波成分の周波数又は大きさを可変して、所定の入力となるように前記所定のインバータ回路の入力電流を制御する入力電流制御手段とを備える構成とすれば、この手段によって、所定のインバータ回路の入力電流を可変して、所望の誘導加熱出力が得られると共に、この際、対応する負荷コイルに供給する高周波電流を、その第1次高調波成分よりも高次の高調波成分の少なくとも1つを大として、可変させているので、例えば、他のインバータ回路が第1次高調波成分が最大となり、その周波数が21kHz、所定のインバータ回路は、第1次高調波成分の周波数が21kHzの前後で可変させて、第2次高調波成分が最大となり、その周波数が42kHzの前後で可変するようにして高周波電流を供給している場合では、所定のインバータ回路が供給する高周波電流の第2次高調波成分は、他のインバータ回路の供給している高周波電流の第2次高調波成分と周波数が多少ずれて、その周波数差分の干渉音は発生しているが、前者の大きさが後者の大きさよりも十分大きいので、干渉音の音圧は小さいものとできる。
【0031】
また、同様に所定のインバータ回路が、第2次高調波成分が最大となり、その周波数が52.5kHz一定でその大きさを可変するようにして高周波電流を供給している場合では、この高周波電流の第2次高調波成分は、他のインバータ回路の供給している高周波電流の第2次高調波成分(42kHz)並びに第3次高調波成分(63kHz)と周波数差が10.5kHz生じ、可聴域の干渉音は発生しているものの、後者の周波数成分の大きさが前者のそれより十分小さく、干渉音の音圧は低減される。
【0032】
このようにして、所定のインバータ回路に誘導加熱されている負荷と、他のインバータ回路に誘導加熱されている負荷との間で発生している干渉音の音圧を低減できるという作用を有する。
【0037】
また、所定のインバータ回路が、対応する負荷コイルに供給する高周波電流の高調波成分の大きさにおいて、その第1次高調波成分よりも高次の高調波成分の少なくとも1つが大となる高周波電流を第1次高調波成分の周波数を可変させながら供給している時には、他のインバータ回路の加熱対象の負荷が低抵抗かつ低透磁率である所定の材質であれば、この負荷を加熱対象とするインバータ回路は動作しないよう構成しているので、この手段によって、同時に複数のインバータ回路が、それぞれ対応する負荷コイルに供給する高周波電流の高調波成分の大きさにおいて、その第1次高調波成分よりも高次の高調波成分の少なくとも1つが大となる高周波電流を第1次高調波成分の周波数を可変させて供給することによる干渉音の発生する機会をなくすことができるという作用を有する。
【0038】
上記誘導加熱調理器において、前記他のインバータ回路の加熱対象の負荷が前記所定の材質であると判別されたとき、前記他のインバータ回路を動作しない旨を報知する報知手段をさらに備えた構成しているので、この手段により、使用者に所定の材質の負荷で複数のインバータ回路を動作させようとしていることを認知させることができ、使用者が戸惑うことなく、対処ができるという作用を有する。
【0052】
【実施例】
以下本発明の実施をするための最良の形態を具体的に示した実施例について図面とともに記載する。
【0053】
《実施例1》
図1〜6を用いて、本発明の実施例1の誘導加熱調理器を説明する。
図1は本発明の実施例1の構成の全体を示すブロック図である。図1において、1は第1のスイッチング手段1aと第2のスイッチング手段1bを備えた第1のインバータ回路、2は第3のスイッチング手段2aと第4のスイッチング手段2bを備えた第2のインバータ回路、3は第1のインバータ回路1に含まれ可聴域を超える周波数の高周波電流を供給されることにより鍋等の負荷に高周波交番磁界を印加して誘導加熱を行う第1の負荷コイル、4は第2のインバータ回路2に含まれ可聴域を超える周波数の高周波電流を供給されることにより鍋等の負荷に高周波交番磁界を印加して誘導加熱を行う第2の負荷コイル、5はこれらを収納している筐体、6は第1のインバータ回路1又は第2のインバータ回路2の加熱対象とする鍋等の負荷の材質を判別する負荷検知手段、7は第1のインバータ回路1又は第2のインバータ回路2への入力電流を検知する入力検知手段、8は入力検知手段7の出力に基づいて第1のインバータ回路1又は第2のインバータ回路2の入力電流を可変することで負荷への誘導加熱出力を所望の値に制御する入力電流制御手段、9は報知手段である。
【0054】
実施例1の報知手段9は、第1又は第2のインバータ回路1、2の内、何れか1つが、対応する負荷コイルに供給する高周波電流の高調波成分の大きさにおいて、その第1次高調波成分よりも高次の高調波成分の少なくとも1つが大となる高周波電流を第1次高調波成分の周波数を可変しながら対応する負荷コイルに供給しており、且つ他のインバータ回路の加熱対象の負荷が所定の材質であれば、この負荷を加熱対象とする他のインバータ回路は動作しない旨を使用者に報知する。冷却ファン駆動手段100は、第1のインバータ回路1と第2のインバータ回路2を冷却する冷却ファン(図示していない。)を回転させるモータ及びモータの駆動回路等を含むものである。冷却ファン駆動手段100は負荷検知手段の検知結果に基づき冷却ファンの風量を変更する。
【0055】
上記構成において動作を説明する。第1のインバータ回路1は商用電源(図示せず)を整流、平滑した直流を第1及び第2のスイッチング手段1a、1bを交互にオンオフさせることで高周波交流に変換し、第1の負荷コイル3に可聴域を超える周波数の高周波電流を流すことで、第1の負荷コイル3と磁気結合した負荷鍋(図示せず)に渦電流を発生させて、そのジュール熱で負荷鍋を誘導加熱する。同様に第2のインバータ回路2は商用電源(図示せず)を整流、平滑した直流を高周波交流に変換し、第3及び第4のスイッチング手段2a、2bを交互にオンオフさせることで高周波交流に変換し、第2の負荷コイル4に可聴域を超える周波数の高周波電流を流し、第2の負荷コイル4と磁気結合した負荷鍋(図示せず)に渦電流を発生させて、そのジュール熱で負荷鍋を誘導加熱する。
【0056】
この時、入力電流制御手段8は入力検知手段7が検知した第1のインバータ回路1又は第2のインバータ回路2の入力電流が所望の値になるように、第1及び第2のスイッチング手段1a、1b又は第3及び第4のスイッチング手段2a、2bの導通時間及び導通時間比又は駆動周期を可変させることで、第1又は第2の負荷コイル3、4へ供給する高周波電流の大きさ又は周波数を可変して(大きさ及び周波数を可変しても良い。)、各々の加熱対象となっている負荷への誘導加熱出力を調整している。
【0057】
また、負荷検知手段6は、第1及び第2のインバータ回路1、2の各々が動作開始する時に、それぞれの加熱対象としている負荷が所定の材質の鍋であるかどうかを判別している。
本実施例では、所定の材質は低抵抗(抵抗率は約50×10−8Ωm程度以下)且つ低透磁率(比透磁率=1)の材質で、例えば、アルミ、銅等の材質を想定している。
【0058】
図2は実施例1の誘導加熱調理器の回路構成(第1の負荷コイル3を含む第1のインバータ回路1と第2の負荷コイル4を含む第2のインバータ回路2は同一の構成を有する。)を示す図である。電源51は低周波交流電源である200V商用電源であり、ブリッジダイオードである整流回路52の入力端に接続される。整流回路52の出力端間に第1の平滑コンデンサ53が接続される。整流回路52の出力端間には、さらに、チョークコイル54と第1のスイッチング素子57の直列接続体が接続される。負荷コイル59は被加熱物であるアルミニウム製の鍋61と対向して配置されている。
【0059】
50はインバータであり、第2の平滑コンデンサ62の低電位側端子は整流回路52の負極端子に接続され、第2の平滑コンデンサ62の高電位側端子は第2のスイッチング素子(IGBT、Insulated Gate Bipolar Transistorの略称)55の高電位側端子(コレクタ)に接続され、第2のスイッチング素子(IGBT)55の低電位側端子(エミッタ)はチョークコイル54と第1のスイッチング素子(IGBT)57の高電位側端子(コレクタ)との接続点に接続される。負荷コイル59と共振コンデンサ60の直列接続体が第1のスイッチング素子57に並列に接続される。
【0060】
第2のダイオード56(第2の逆導通素子)は第2のスイッチング素子55に逆並列に接続(第2のダイオード56のカソードと第2のスイッチング素子55のコレクタとを接続)され、第1のダイオード58(第1の逆導通素子)は第1のスイッチング素子57に逆並列に接続される(第2のスイッチング素子55及び第1のスイッチング素子57は図1の第1のスイッチング手段1a及び第2のスイッチング手段1bに相当する。)。スナバコンデンサ64は、第1のスイッチング素子57に並列に接続される。補正用共振コンデンサ65とリレー66の直列接続体は共振コンデンサ60に並列に接続されている。制御回路63は、電源51からの入力電流を検知するカレントトランス67と、負荷コイル59の電流を検知するカレントトランス68の検知信号を入力するとともに、第2のスイッチング素子55と第1のスイッチング素子57のゲートとリレー66の駆動コイル(図示せず)に信号を出力する。
【0061】
以上のように構成された誘導加熱調理器において、以下動作を説明する。電源51は整流回路52により全波整流され、整流回路52の出力端に接続された第1の平滑コンデンサ53に供給される。この第1の平滑コンデンサ53はインバータに高周波電流を供給する供給源として働く。
【0062】
図3は上記回路における各部波形を示す図であり、図3(A)は出力が大出力である2kWの時のものである。同図(a)は第2のスイッチング素子55及び第2のダイオード56に流れる電流波形Ic2を、同図(b)は第1のスイッチング素子57及び第1のダイオード58に流れる電流波形Ic1を、同図(c)は第1のスイッチング素子57のコレクタ−エミッタ間に生じる電圧Vce1を、同図(d)は第2のスイッチング素子55のゲートに加わる駆動電圧Vg2を、同図(e)は第1のスイッチング素子57のゲートに加わる駆動電圧Vg1を、同図(f)は負荷コイル59に流れる電流ILをそれぞれ示している。
【0063】
出力が2kWのとき(図3(A))、制御回路63は時点t0から時点t1まで(e)に示すように第1のスイッチング素子57のゲートに駆動期間がT(約24μ秒)であるオン信号を出力する。この駆動期間Tの間では第1のスイッチング素子57及び第1のダイオード58と、負荷コイル59と、共振コンデンサ60で形成される閉回路で共振し、鍋61がアルミニウム製の鍋であるときの共振周期(1/f)が駆動期間Tの約2/3倍(約16μ秒)となるように負荷コイル59の巻き数(40T)と共振コンデンサ60の容量(0.04μF)と、駆動期間Tが設定されている。チョークコイル54はこの第1のスイッチング素子57の駆動期間Tにおいて、平滑コンデンサ53の静電エネルギーを磁気エネルギーとして蓄える。共振周期(1/f)は、第1のスイッチング素子57の駆動周期T(=約2×T=約50μ秒)の約1/3倍となる。
【0064】
次に、第1のスイッチング素子57に流れる共振電流の第2番目のピークと共振電流が次に零となる間のタイミングである時点t1、すなわち第1のスイッチング素子57の順方向にコレクタ電流が流れている時点で第1のスイッチング素子57の駆動が停止される。
【0065】
すると、第1のスイッチング素子57がオフするので、第1のスイッチング素子57のコレクタと接続されたチョークコイル54の端子の電位が立ち上がり、この電位が第2の平滑コンデンサ62の電位を越えると、第2のダイオード56を通して第2の平滑コンデンサ62に充電して、チョークコイル54に蓄えた磁気エネルギーを放出する。第2の平滑コンデンサ62の電圧は整流回路52の直流出力電圧Vdcのピーク値(283V)よりも高くなるように昇圧される(本実施例では500V)。昇圧されるレベルは第1のスイッチング素子57の導通時間に依存し、導通時間が長くなると第2の平滑コンデンサ62に発生する電圧が高くなる傾向にある。
【0066】
このように、第2の平滑コンデンサ62−第2のスイッチング素子55あるいは第2のダイオード56−負荷コイル59−共振コンデンサ60で形成される閉回路で共振する際に直流電源として働く第2の平滑コンデンサ62の電圧レベルが昇圧されることにより、図3(A)の(a)に示す第2のスイッチング素子55に流れる共振電流の尖頭値(ピーク値)、及び共振経路を変えて、継続して共振する同図(b)の第1のスイッチング素子57に流れる共振電流の尖頭値が零とならないように、あるいは小さくならないようにして、アルミニウム製の鍋を高出力で誘導加熱し、かつ、出力を連続的に増減して制御するようにできる。
【0067】
そして、図3(A)の(d)及び(e)で示すように、制御回路63は、時点t1から両スイッチング素子が同時に導通するのを防止するために設けた休止期間(d1)後の時点t2において、第2のスイッチング素子55のゲートに駆動信号を出力する。この結果、同図(a)示すように負荷コイル59−共振コンデンサ60−第2のスイッチング素子55又は第2のダイオード56−第2の平滑コンデンサ62とからなる閉回路に経路を変えて共振電流が流れることになる。この駆動信号の駆動期間Tは、この場合にはTとほぼ同じ期間に設定されているので、第1のスイッチング素子57が導通していた場合と同様に、駆動期間Tの約2/3の周期の共振電流が流れる。
【0068】
従って、負荷コイル59に流れる電流ILは、図3(A)の(f)に示すような波形となり、第1及び第2のスイッチング素子の駆動周期(TとTと休止期間の和)は共振電流の周期の約3倍となり、第1及び第2の駆動周波数が約20kHzであれば、負荷コイル59に流れる共振電流の周波数は約60kHzとなる。
【0069】
図4は、実施例1の誘導加熱調理器における、各部波形を示す。図4(a)は商用電源51の電圧波形、図4(b)は負荷コイル59と共振コンデンサ60の直列接続体に加わる電圧Vce1、図4(c)は負荷コイル59に流れる電流ILを示している。
図13は、従来例の誘導加熱調理器における、各部波形を示す。図13(a)は商用電源51の電圧波形、図13(b)は負荷コイルと共振コンデンサの直列接続体に加わる電圧、図13(c)は負荷コイルに流れる電流を示している。従来例では、図13(c)に示すように負荷コイル電流の包絡線が商用電源周波数の2倍の周波数のリップルを持っていた。このリップルが鍋鳴り音を生じるという問題があった。
実施例1においては、第2の平滑コンデンサ62により、整流回路52の出力電圧は、図4(a)に示す商用電源を全波整流した脈流波形であるのに対して、負荷コイル59に流れる電流の包絡線が図4(c)のように平滑化されるため、負荷コイル電流の包絡線のリップルが大幅に小さくなっており、鍋鳴り音が抑えられる。
【0070】
図3(B)の波形は出力が低出力である450Wの時のものである。図3(B)の(a’)〜(e’)は図3(A)の(a)〜(e)に対応する波形である。出力電力の制御は、図3(B)に示すように、第2のスイッチング素子55の駆動時間(T’)及び第1のスイッチング素子57の駆動時間(T’)を2kW出力時の各々の駆動時間T、Tより短くすることによりおこなう。
【0071】
図3(A)において、第2のダイオード56に流れる電流がピークになる時点(図3(A)の時点t5)で第1のスイッチング素子57をターンオンした場合には、出力電力は最小出力電力又はそれに近い値となる。これに対して、第2のスイッチング素子55に2回目に流れ始めて(同図t6で示す時点)から再度共振で零になる時点(図示していない)で第2のスイッチング素子55をオフするとともに第1のスイッチング素子57をオンするように制御すると最大出力電力を得ることができる(共振点電力制御)。
【0072】
出力設定が低出力である450Wのときには上記の原理により、図3(B)の(a’)に示すように、駆動時間(T2’)を出力設定が最大出力設定である2kWのときよりも短くするが、第2のスイッチング素子55に順方向電流が流れている時点(t3’)で第2のスイッチング素子55がオフするようになっている。 このようにすることで、最大出力設定の時でも、低出力設定の時でも、第2のスイッチング素子55のターンオフに伴、負荷コイル59に蓄積したエネルギーでスナバコンデンサ64と共振させて、第2のスイッチング素子55のコレクタ電位を立ち下げ、かつそのコレクタエミッタ間の電圧の立ち上がりを緩やかにしてスイッチング損失を低減することができる。
【0073】
その結果、引き続きターンオンすることになる第1のスイッチング素子57のターンオン時に順方向に電圧が印加しないように又は印加してもそのレベルを小さくして、ターンオン損失を抑制するあるいはターンオン時の雑音の発生を防止することができるととともに、第2のスイッチング素子55のターンオフ損失を低減することができるものである。
【0074】
次に起動時においては、制御回路63はリレー66はオフ状態にし、一定の周波数(約21kHz)で第2のスイッチング素子55と第1のスイッチング素子57を交互に駆動する。第2のスイッチング素子55の駆動期間は共振電流の共振周期よりも短いモードで駆動し、駆動時間比を最小にして、最小の出力にしてから徐々に駆動時間比を増加し、その間に制御回路63はカレントトランス67の検知出力とカレントトランス68の検知出力から、負荷鍋61の材料を検知する。制御回路63は負荷鍋61の材料が鉄系のものであると判断すると、加熱を停止してからリレー66を投入して、再度低出力で加熱を開始する。このとき、制御回路63は第2のスイッチング素子55と第1のスイッチング素子57を一定の周波数(約21kHz)で再度最小駆動時間比で最小出力からスタートして所定の出力まで徐々に増加させる。
【0075】
一方、鉄系の負荷であると検知しない場合には、所定の駆動時間比に到達すると、図3(B)に示すような、第2のスイッチング素子55の駆動期間より共振電流の周期の短いモードに移行する。このとき、出力は低出力状態になるように駆動期間が設定される。
【0076】
図5は第2のスイッチング素子55と第1のスイッチング素子57の駆動周波数を一定(20kHz)にしたときの第1のスイッチング素子57のオン時間と入力電力の関係を示す図である。この図が示すように、本実施例においては、周期の1/2付近で約2kWの加熱出力がえられ、その付近のピークから第1のスイッチング素子の駆動期間を短くしていけば出力を線形的に低下することができる。従って、図5に示すように駆動時間あるいは駆動時間比のリミッタの下限Tonminと上限Tonmaxを設定すれば、安定した制御を行うことができる。
【0077】
以上のように、本実施例によれば、負荷コイル59の発生する磁界によりアルミニウムや銅など高導電率、低透磁率の負荷を加熱すると、第2のスイッチング素子55、第1ダイオード56を流れる負荷コイル59と共振コンデンサ60による共振電流は、両スイッチング素子それぞれの駆動期間(T,T)より短い周期で共振してなるので、第2のスイッチング素子55の駆動周波数より高い周波数(この実施例では3倍)の電流を負荷コイル59に供給して加熱することができ、さらに、昇圧手段であるチョークコイル54と平滑手段である第2の平滑コンデンサ62を設けて、高周波電源である平滑コンデンサ62の電圧を昇圧して平滑し、各駆動期間(T及びT’)において共振電流の振幅を大きくしているため、駆動開始後、共振電流が流れ始めてから1周期目が終了し、2周期目に到達して以降においても十分大きな振幅の共振電流を継続させ、2周期目以降において各スイッチング素子の駆動停止タイミングを変更することにより大きな出力の可変範囲を得ることができるものである。
【0078】
また、昇圧手段であるチョークコイル54は、第1のスイッチング素子57の駆動期間と関連性を持たせて昇圧の大きさを変更してなる、すなわち、第1のスイッチング素子57の導通時間が例えば長くなると、チョークコイル54の昇圧作用が大きくなり平滑手段である平滑コンデンサ62の電圧が高くなるので出力制御に利用することができる。
【0079】
また、昇圧手段54は、第1のスイッチング素子57の導通によりチョークコイル54に蓄積されたエネルギーを第2のダイオード56を経由して第2の平滑コンデンサ62に移動してなることにより、簡単な構成で脈流の入力直流電圧を平滑した高圧の電源とすることができ、この電源をもとに包絡線が平滑された高周波電流に変換して負荷コイル59に供給するので鍋鳴り音を抑制することができる。
【0080】
また、第1のスイッチング素子57又は第1のダイオード58に流れる共振電流は、負荷コイル59の発生する磁界によりアルミニウムや銅等、高導電率かつ低透磁率の負荷を加熱すると第1のスイッチング素子57の駆動期間(T)より短い周期で共振してなることにより、第2のスイッチング素子55又は第2のダイオード56に流れる共振電流と合わせさらに第1及び第2のスイッチング素子の駆動周期内の共振周波数の波数を多くすることができる。
【0081】
また、第1のスイッチング素子57が導通した時、チョークコイル54にエネルギーを与える第1の平滑コンデンサ53を有することにより、チョークコイル54にエネルギーを蓄積する際の高周波成分が電源51に漏洩するのを抑制することができるものである。
【0082】
また、制御回路63は、最大出力設定時に、第2のスイッチング素子55の駆動開始後、共振電流が2周期目以降であって第2のスイッチング素子55に流れている期間内に第2のスイッチング素子55の導通を遮断する信号を出力してなる、又は、第1のスイッチング素子57の駆動開始後共振電流が2周期目以降であって第1のスイッチング素子57に流れている期間内に第1のスイッチング素子の導通を遮断する信号を出力してなるので、最大出力時の第1のスイッチング素子57又は第2のスイッチング素子55のターンオン損失の増大を抑制することができる。
【0083】
また、制御回路63は、最大出力設定時に、第2のスイッチング素子55の駆動開始後共振電流が2周期目以降のピーク位相を過ぎ零点に至るまでの間に前記第2のスイッチング素子55を遮断する信号を出力してなる、又は、第1のスイッチング素子57の駆動開始後共振電流が2周期目以降のピーク位相を過ぎ零点に至るまでの間に前記第2のスイッチング素子55を遮断する信号を出力してなることにより、最大出力時の第1のスイッチング素子57又は第2のスイッチング素子55のターンオン損失の発生を抑制するとともに、それらの駆動期間を短くすると出力を低下させることができかつ、低出力にしても各スイッチング素子のターンオンモードが起きにくくターンオン損失が発生しにくくなる。
【0084】
また、第2のスイッチング素子55と第1のスイッチング素子57の導通期間T及びTの比を略1にすると共に、負荷コイル59の発生する磁界により高導電率かつ低透磁率の負荷を加熱すると、第2のスイッチング素子55及び第2のダイオード56に流れる共振電流は、第2のスイッチング素子55の駆動期間Tの略2/3倍の周期で共振してなることにより、第2のスイッチング素子55と第1のスイッチング素子57の駆動期間T及びT中に3個の共振電流の波数を発生させることができ、駆動周波数の約3倍の高周波電流を負荷コイル59に供給することができるとともに、第2のスイッチング素子55の駆動を第2のダイオード56に電流が流れているタイミングで開始し、駆動の停止を第2のスイッチング素子55に順方向に電流が流れているタイミングで行うことができ、第1のスイッチング素子57及び第1のダイオード58についても同様とすることができ制御が安定する。
【0085】
また、起動時、第2のスイッチング素子55と第1のスイッチング素子57の駆動周波数を一定として駆動時間比を変え加熱出力を増加させ、途中から駆動周波数を変え加熱出力を増加させてなることにより、負荷の検知を行いやすくすることができる。すなわち、駆動周波数を一定として駆動時間比を変えることにより高導電率かつ低透磁率のアルミニウム等の材質の負荷でも鉄系の負荷でも低出力状態で単調に出力を変化させることができ、制御回路63は負荷検知が正確にかつ低出力状態でできる。また、所定の駆動時間比、駆動時間あるいは加熱出力に到達後は、高導電率かつ低透磁率の負荷の場合には特定の位相範囲でスイッチング素子を駆動及び遮断できるように駆動時間比を一定にして遮断位相を変え、駆動周波数を変えることによりスイッチング素子の損失の急激な増加を抑制して出力を可変することができるものである。
【0086】
また、起動時、第2のスイッチング素子55の駆動期間Tが共振電流の共振周期より短くなるようにして第2のスイッチング素子55と第1のスイッチング素子57の駆動時間比を変え加熱出力を増加させ、所定の駆動時間あるいは所定の駆動時間比に到達すると、第2のスイッチング素子55の駆動期間Tを共振電流の周期より長くかつ低出力になるように離散的に長く変更してから駆動期間を徐々に短くして加熱出力を低出力値から所定出力値まで増加させてなることにより、所定の駆動時間あるいは所定の駆動時間比に到達までに負荷61が高導電率かつ低透磁率の負荷かどうかを精度良くかつ安定的に判断し、負荷61が高導電率かつ低透磁率の負荷である場合には離散的に駆動期間を長くして、低出力状態に移行しそこから所定の値まで安定に増加させ到達させることができるものである。
【0087】
また、負荷コイル59の発生する磁界により、鉄系の負荷又は非磁性ステンレスの負荷61を加熱すると共振電流は第2のスイッチング素子55及び第1のスイッチング素子57の導通期間T及びTより長い周期で共振してなり、鉄系の負荷又は非磁性ステンレス製の負荷61を最大出力で加熱する場合に第2のスイッチング素子55及び第1のスイッチング素子57に順方向に電流が流れているタイミングで前記スイッチング素子を遮断可能とするように補正用共振コンデンサ65を共振コンデンサ60に並列に接続して、高導電率かつ低透磁率の負荷を加熱する場合よりも大きい容量に切り替えてなるので、共振コンデンサ60と補正用コンデンサ64は負荷コイル59と直列に接続されると共に容量を切り替え可能とし、鉄系の負荷又は非磁性ステンレス製の負荷を加熱する場合に共振コンデンサ60を、高導電率かつ低透磁率の負荷を加熱する場合よりも大きい容量に切り替えてなることにより、共振周波数が長くなるとともに電流が増え、さらにチョークコイル54により直流電圧Vdcを昇圧しているので、共振電流の振幅が大きくなることから、スイッチング素子に順方向に電流が流れているタイミングでスイッチング素子を遮断可能な範囲で最大出力を設定してスイッチング素子のターンオン時のスイッチング損失の増大を抑制しようとする場合に、最大出力を従来の構成のものより大きくすることができる。また、アルミニウム系の鍋と、鉄系の鍋を同一のインバータで加熱しようとするときに、従来は負荷コイル59の巻き数と共振コンデンサを同時に切り替えて共振周波数と被加熱物61に放射する磁界の強さ(アンペアターン)を切り替えていたが、チョークコイル54と第1のスイッチング手段57の昇圧作用により前記のコイル巻き数切り替えの作用を置き換えることができ、同一の負荷コイル59で共振コンデンサ60の切り替えをすることで、広い範囲の材質の被加熱物を加熱できるという効果がある。
【0088】
また、補正用共振コンデンサ65を共振コンデンサ60に接続せずに起動し、すなわち、容量の小なる共振コンデンサ60ので起動し、徐々に出力を増加させ、その途中で負荷61が鉄系か、高導電率かつ低透磁率のものかを判定し、鉄系の負荷であると判定した場合には駆動停止後、リレー60をオンして補正用共振コンデンサ65を並列に接続して、すなわち、共振コンデンサ60を容量が大となるよう切り変え、駆動周波数を低周波数で再駆動するので、共振周波数が長くなるとともに電流が増え、さらに昇圧手段であるチョークコイル54と第2の平滑コンデンサ62により直流電源電圧を昇圧しているので、共振電流値が増えることから、第2のスイッチング素子55及びに順方向に電流が流れているタイミングでスイッチング素子を遮断可能な範囲で最大出力を設定してスイッチング素子57のターンオン時のスイッチング損失の増大を抑制しようとする場合に、最大出力を従来の構成のものより大きくすることができる。また、高導電率、低透磁率の負荷であると判定した場合には継続して所定の駆動時間比又は所定の出力まで出力を増加した後駆動時間比を固定して導通時間を変更して出力を所定の出力に到達させてなるので、いずれの負荷においても低出力で起動して負荷の判定をして、安定的に所定の出力値あるいはリミット値へと到達させるいわゆるソフトスタート動作が可能となる。
【0089】
なお、図2において、第1の平滑コンデンサ53と第2の平滑コンデンサ62の容量の比率は場合に応じて適宜決定すればよい。例えば前者を1000マイクロファラッド、後者を15マイクロファラッドとすると負荷コイル電流の包絡線の平滑度が高くなる。この場合には第1の平滑コンデンサ53の入力側の電源線にチョークコイルを挿入すればよい。逆に前者を10マイクロファラッド、後者を100マイクロファラッド程度にすれば、力率の低下を抑制できるが、後者は耐圧の大きなものを必要とするので高価となる場合がある。
【0090】
また、図2において、第2の平滑コンデンサ62は、低電位側を整流回路52の正極に接続しても良く、また、スナバコンデンサ64は第2のスイッチング素子55に並列に接続しても同様の効果が得られる。
【0091】
また、共振コンデンサ60の低電位側端子は第2のスイッチング素子55の高電位側端子(コレクタ)に接続してもよく、容量を分割して第2のスイッチング素子55の高電位側と、第1のスイッチング素子57の低電位側端子(エミッタ)に同時に接続しても同様の動作を行う。そして、第2のスイッチング素子55又は第1のスイッチング素子57に並列に接続する共振回路は本実施例のものには限らず適宜本実施例の技術を応用できるものである。
【0092】
図6及び図7は本発明の実施例1の誘導加熱調理器のインバータ回路が負荷コイル供給する高周波電流の周波数スペクトル図である。
負荷検知手段6が第1のインバータ回路1の加熱対象の負荷材質が、アルミ等の低抵抗且つ低透磁率の材質でないと判断した場合は、第1の負荷コイル3に供給する高周波電流の第1次高調波成分を最大とし且つその周波数は21kHzに設定して誘導加熱を行う(以下「通常加熱動作」と呼ぶ。)。この時、第1の負荷コイル3に供給される高周波電流の周波数スペクトルは図6のように、第1次高調波成分(21kHz)を最大とし、以降の高次の高調波成分は第1次高調波成分に比して小さい。
加熱対象の負荷材質がアルミ等の低抵抗且つ低透磁率の材質であると判断した場合は、第1の負荷コイル3に供給する高周波電流の第1次高調波成分(周波数22kHz)よりも第3次高調波成分(周波数66kHz)の大きさを大(最大)にした高周波電流に設定して誘導加熱を行う(以下「高周波加熱動作」と呼ぶ。)。この時、第1の負荷コイル3に供給される高周波電流の周波数スペクトルは図7のように、第3次高調波成分(66kHz)を最大とし、その他の高調波成分は第3次高調波成分に比して小さい。故に、低抵抗且つ低透磁率の材質の負荷であっても、負荷表面の表皮抵抗を稼ぎ、負荷の浮力を低減しつつ加熱調理に十分な誘導加熱出力を得ることができる。
【0093】
負荷検知手段6が第2のインバータ回路2の加熱対象の負荷材質が、アルミ等の低抵抗且つ低透磁率の材質でないと判断した場合は、「通常加熱動作」として、第2の負荷コイル4に供給する高周波電流の第1次高調波成分を最大とし且つその周波数は21kHzに設定して誘導加熱を行う。この時、第2の負荷コイル4に供給される高周波電流の周波数スペクトルは図6のように、第1次高調波成分(21kHz)を最大とし、以降の高次の高調波成分は第1次高調波成分に比して小さい。
加熱対象の負荷材質がアルミ等の低抵抗且つ低透磁率の材質であると判断した場合は、「高周波加熱動作」として、第2の負荷コイル4に供給する高周波電流の第1次高調波成分(周波数22kHz)よりも第3次高調波成分(周波数66kHz)の大きさを大(最大)にした高周波電流に設定して誘導加熱を行う。この時、第2の負荷コイル4に供給される高周波電流の周波数スペクトルは図7のように、第3次高調波成分(66kHz)を最大とし、その他の高調波成分は第3次高調波成分に比して小さい。故に、低抵抗且つ低透磁率の材質の負荷であっても、負荷表面の表皮抵抗を稼ぎ、負荷の浮力を低減しつつ加熱調理に十分な誘導加熱出力を得ることができる。
【0094】
これによって、第1のインバータ回路1の加熱対象の負荷材質が、低抵抗且つ低透磁率の材質であり、第2のインバータ回路2の加熱対象の負荷材質が、低抵抗、低透磁率の材質でない場合、あるいはこの逆の第1のインバータ回路1の加熱対象の負荷材質が、低抵抗且つ低透磁率の材質でなく、第2のインバータ回路2の加熱対象の負荷材質が、低抵抗且つ低透磁率の材質である場合は、第3次高調波成分(周波数66kHz)を最大とする高周波電流を供給している側の高周波電流の第3次高調波成分は、第1次高調波成分(周波数21kHz)を最大とする高周波電流を供給している側のインバータ回路の高周波電流の第1次高調波成分との周波数差は45kHzとなって、各々の高調波成分の最大値同士による干渉音は可聴領域外となるし、また、高周波加熱動作しているインバータ回路が供給する高周波電流の第1次高調波成分(周波数22kHz)と、通常加熱動作しているインバータ回路が供給する高周波電流の第1次高調波成分(周波数21kHz)との周波数差は1kHzとなり干渉音は発生しているが、前者の大きさが後者よりも十分小さいので、干渉音の音圧は低減されている。他の次数の高調波成分でも同様である。
【0095】
更に、この時、高周波加熱動作として動作しているインバータ回路の誘導加熱出力の制御を、対応するスイッチング手段の導通時間比並びに駆動周期を可変して行う場合では、例えば第1のインバータ回路1が高周波加熱動作、第2のインバータ回路2が通常加熱動作であり、第2のインバータ回路2は第2の負荷コイル4に第1次高調波成分(周波数21kHz)を最大でその周波数一定の高周波電流を供給している場合には、第1のインバータ回路1はその21kHzの2倍の42kHzより高い周波数(実施例では21kHzの2.5倍の52.5kHzを下限としている。)を第3次高調波成分の周波数を下限とした周波数で可変して第1の負荷コイル3に高周波電流を供給するので、この高周波電流の第3次高調波成分は、第2のインバータ回路2の供給している高周波電流の第2次高調波成分(42kHz)と第3次高調波成分(63kHz)とに可聴領域の周波数差が生じ、干渉音は発生しているものの、後者の周波数成分の大きさが前者のそれより十分小さいので、第1のインバータ回路1に誘導加熱されている負荷と、第2のインバータ回路2に誘導加熱されている負荷との間で発生している干渉音の音圧を低減できる。
【0096】
また、第1及び第2のインバータ回路1、2のそれぞれの加熱対象の負荷材質が、低抵抗、低透磁率の材質でない場合は、第1及び第2のインバータ回路1、2は対応する第1及び第2の負荷コイル3、4に第1次高調波成分(周波数21kHz)の大きさが最大の高周波電流を供給するので、第1及び第2のインバータ回路1、2が同時に動作する際の干渉音は発生しない。
この場合、一方のインバータ回路が対応するスイッチング手段の導通時間比及び駆動周波数を可変して、対応する負荷コイルに供給する高周波電流の大きさ及び周波数を可変して負荷への誘導加熱出力を可変している場合は、他方のインバータ回路もこれに追随して対応するスイッチング手段の導通時間比及び駆動周波数を可変して、対応する負荷コイルに供給する高周波電流の大きさ及び周波数を可変して負荷への誘導加熱出力を可変する。
【0097】
また、こうすることで、他方の誘導加熱出力が変化することに不都合があるなら、それぞれのインバータ回路は負荷の材質、形状、誘導加熱出力の大きさに関わらず対応する負荷コイルの高周波電流の周波数を一定にして、本実施例では21kHz固定で各々のスイッチング手段の導通時間比のみを可変することで、加熱対象とする負荷への誘導加熱出力を可変することで容易に回避できると共に、スイッチング手段の導通時間比のみを可変するという簡便な制御はマイクロコンピュータ等の集積回路にプログラミングされたプログラムで容易に実現できるので、機器の小型化及び低コスト化を図ることができる。
冷却ファン駆動手段100は、負荷検知手段6の検知結果に基づき、第1のインバータ回路1及び第2のインバータ回路2のいずれもが、低抵抗、低透磁率の材質を加熱対象として加熱動作をしていない場合は、冷却ファンの回転速度を低速度としてその送風する能力である風量を小とする。
冷却ファン駆動手段100は、負荷検知手段6の検知結果に基づき、第1のインバータ回路1又は第2のインバータ回路2の何れか1つのみが、低抵抗、低透磁率の材質を加熱対象として加熱動作をしている場合は、冷却ファンの回転速度を中速度としてその送風する能力である風量を中とする。
また、冷却ファン駆動手段100は、負荷検知手段6の検知結果に基づき、第1のインバータ回路1と第2のインバータ回路2のいずれもが加熱動作をしており、それらの加熱対象の負荷材質が低抵抗、低透磁率の材質である場合は、冷却ファンの回転速度を高速度としてその送風する能力である風量を大とする。
【0098】
実施例の誘導加熱調理器は、加熱出力を4段階(最小の出力レベル1〜最大の出力レベル4)で切り換えられる操作部を有する。冷却ファン駆動手段100が冷却ファンの風量を5段階で切り換えられるものとする(最小の風量レベル1〜最大の風量レベル5)。
負荷検知手段6の検知結果に基づき、第1のインバータ回路1及び第2のインバータ回路2のいずれもが、低抵抗、低透磁率の材質を加熱対象として加熱動作をしていない場合は、インバータの出力レベル1では、冷却ファン駆動手段100は冷却ファンの風量を風量レベル1とし、出力レベル2〜4では冷却ファンの風量を風量レベル2とする。
負荷検知手段6の検知結果に基づき、第1のインバータ回路1又は第2のインバータ回路2の何れか1つのみが、低抵抗、低透磁率の材質を加熱対象として加熱動作をしている場合は、インバータの出力レベル1、2では、冷却ファン駆動手段100は冷却ファンの風量を風量レベル3とし、出力レベル3、4では冷却ファンの風量を風量レベル4とする。
負荷検知手段6の検知結果に基づき、第1のインバータ回路1と第2のインバータ回路2のいずれもが加熱動作をしており、それらの加熱対象の負荷材質が低抵抗、低透磁率の材質である場合は、インバータの出力レベル1〜3では、冷却ファン駆動手段100は冷却ファンの風量を風量レベル4とし、出力レベル4では冷却ファンの風量を風量レベル5とする。
上記のように実施例の誘導加熱調理器においては、複数のインバータの駆動条件の組み合わせに応じて、風量の変更条件を最適に変えている。
【0099】
一般的に高周波電流の周波数が増加するとインバータ回路を構成する負荷コイルやスイッチング素子等のパワー部品やそれらを接続する配線の電気的あるいは熱的ストレスは増大するが、所定の材質を除く負荷を加熱する際のインバータ回路を構成する負荷コイルやスイッチング素子等のパワー部品、あるいはこれらを接続する配線の電気的あるいは熱的ストレスを低減できるので、上記のように、負荷検知手段6の検知結果に応じて、冷却ファン駆動手段100が高周波電流の周波数が増加すると冷却ファンの冷却能力を高めるようにしているので、逆に高周波電流の周波数が増加しない所定の材質を除く負荷の場合の冷却ファンの風量等を低減して冷却ファンの風切り音を抑制できる。
なお、上記の例では、冷却ファン駆動手段100が負荷検知手段6の検知結果により冷却ファンの風量を決めたが、第1のインバータ回路1あるいは第2のインバータ回路2が上記所定の材質を加熱対象として動作しているかどうかの情報を得る方法は負荷検知手段6の検知結果に限定されるものではなく、使用者の入力設定情報、他の検知回路の出力情報などを利用して識別することができる。
【0100】
更に、本実施例では、第1及び第2のインバータ回路1、2が同時に負荷材質が、低抵抗、低透磁率の材質を加熱しようとした場合には、一方のインバータ回路が高周波加熱動作として、対応するスイッチング手段の導通時間比及び駆動周波数(本実施例では22kHz程度)を可変して、対応する負荷コイルに供給する高周波電流の大きさ及び最大となる第3次高調波成分の周波数を可変して負荷への誘導加熱出力を可変している場合は、他方のインバータ回路もこれに追随して高周波加熱動作として、対応するスイッチング手段の導通時間比及び駆動周波数(本実施例では22kHz程度)を可変して、対応する負荷コイルに供給する高周波電流の大きさ及び最大となる第3次高調波成分の周波数を可変して負荷への誘導加熱出力を可変する。また、こうすることで、他方の誘導加熱出力が変化することに不都合があるなら、それぞれのインバータ回路は負荷の材質、形状、誘導加熱出力の大きさに関わらず対応する負荷コイルの高周波電流の第3次高調波成分の周波数を一定にして、本実施例では66kHz固定で各々のスイッチング手段の導通時間比のみを可変することで、加熱対象とする負荷への誘導加熱出力を可変することで回避できるし、或いは、時系列的に後から動作させようとしたインバータ回路を動作させないようにして、高周波動作を複数同時に行うことを防止することで、干渉音の発生を防止することができる。この時、本実施例では、報知手段9が第1又は第2のインバータ回路1、2の内、何れか1つが、高周波加熱動作している時には、他のインバータ回路の加熱対象の負荷が所定の材質、アルミ等であれば、この負荷を加熱対象とするインバータ回路は動作しない旨を使用者に報知するので、使用者が戸惑うことなく対処ができる。
【0101】
また、一般的に高周波電流の高調波成分の大きさが大となる周波数が増加するとインバータ回路を構成する負荷コイルやスイッチング素子等のパワー部品やそれらを接続する配線の電気的あるいは熱的ストレスは増大し、また放出する雑音レベルも最大となる高調波成分が高い周波数帯域にあるため、EMC性能も強化する必要が生じるが、所定の材質以外の負荷では高周波加熱動作をする必要がない場合には、他のインバータ回路が通常加熱動作をするように選択したり、特定のインバータ回路に対して、高周波加熱動作をするようにすれば、所定の材質を除く負荷を加熱する際のインバータ回路を構成する負荷コイルやスイッチング素子等のパワー部品、あるいはこれらを接続する配線の電気的あるいは熱的ストレスを低減できるし、限定されたインバータ回路の冷却能力向上対策、EMC強化対策を施すだけで良く、これら対策によるコストアップ、機器の大型化を抑えることができる。
【0102】
本実施例ではインバータ回路を2つ含む構成で説明してあるが、3つ以上有する構成であっても同様であり、例えば、1つのインバータ回路が高周波加熱動作で動作し、残り2つのインバータ回路が通常加熱動作している場合は、残り2つのインバータ回路は高周波加熱動作しているインバータ回路が加熱対象の負荷の誘導加熱出力をその高周波電流の第3次高調波成分の周波数を可変させて制御しているのなら、それに追随して自己の供給している高周波電流の第1次高調波成分の周波数をそれぞれが可変さて第3次高調波成分の周波数をも変化させたり、或いは残り2つの通常加熱動作しているインバータ回路は負荷の材質、形状、誘導加熱出力に関係なく一定周波数(第1次高調波成分の周波数を21kHz固定)で動作し、高周波加熱動作しているインバータ回路が対応する負荷コイルに供給している高周波電流の第3次高調波成分の周波数を21kHzの2倍の42kHzより高い周波数を下限として可変させ(実施例では21kHzの2.5倍の52.5kHzを下限としている。)、その誘導加熱出力を制御することにより、3つのインバータ回路が同時に動作しても、干渉音を低減しつつ、低抵抗、低透磁率の材質の負荷を誘導加熱することができる。
【0103】
なお、本実施例では、各インバータ回路はスイッチング手段を2ずつ含む構成で説明しているが、対応する負荷コイルに所望の高周波電流を供給できるものであれば、幾つ含んでいようと、同様の効果を得られる。
また、高周波加熱動作では第3次高調波成分の大きさが最大となる場合を説明しているが、第2次以上の何れかの高調波成分の大きさが最大であれば、同様の効果が得られる。
【0104】
21kHzの第3次高調波成分と66kHzの周波数との間では前者のパワーレベルが小さいので、干渉音は使用者には聞こえない。
本実施例では、負荷検知手段6が、加熱対象の負荷材質がアルミ等の低抵抗且つ低透磁率の材質であると判断した場合は、高周波加熱動作として、対応する負荷コイルに供給する高周波電流の周波数を通常加熱動作時の3倍の66kHzに設定している。これに代えて例えば通常加熱動作時の2.5倍の52.5kHzの高周波電流を負荷コイルに供給するようにしている場合では、この高周波電流は、他のインバータ回路の供給している高周波電流(基本波21kHz)の第2次高調波成分(42kHz)並びに第3次高調波成分(63kHz)と周波数差が10.5kHz生じ、干渉音は発生しているものの、後者の周波数成分の大きさが前者のそれより十分小さく、干渉音の音圧は低減される。
【0105】
また、負荷検知手段が判別しているのは、その材質である旨を説明しているが、材質のみならず、形状、大きさ等、必要に応じて選択しても良い。
【0106】
更に、各インバータ回路が同一の周波数の高周波電流を対応する負荷コイルに供給している時の周波数は全く同一である必要はなく、回路定数などのばらつきの範疇での差であれば問題ない。
【0107】
なお、所定の材質はアルミで説明しているが、抵抗率が約50×10−8Ωm以下、比透磁率=1である材質又は、多層鍋であってこの材質が誘導加熱に主に影響する構成で含んでいる場合であっても同様の効果を得られる。
【0108】
《実施例2》
本発明の実施例2の誘導加熱調理器について図面を参照しながら説明する。図1は実施例2の誘導加熱調理器の全体構成を示すブロック図である。図1は既に説明している。図8は実施例2のインバータ回路の回路構成を示す図である。本実施例が実施例1の構成と異なるのは第1の平滑コンデンサ71及びチョークコイル72が電源51と整流回路52の間に配置されている点である。
【0109】
本実施例における動作を説明する。50はインバータであり、制御回路63の動作は実施例1と同様に第2のスイッチング素子55と第1のスイッチング素子57を必要な入力電力を確保するため交互にオン・オフ動作を行う。この際、第2のスイッチング素子55のオン時には、実施例1では負荷コイル59に電流が流れるとともに、チョークコイル72から第1の平滑コンデンサ71電流の一部が回生することになる。そこで、本実施例の構成を取ることにより、整流回路52が回生電流を阻止する様に働くため、第1の平滑コンデンサ71に電流が回生することがなく、入力電力を負荷コイル59及び鍋61に伝達することが可能になる。なお、整流回路52に使用されるダイオードは高周波電流が通過するため、高速のダイオードが望ましいことになる。
【0110】
以上のように本実施例によれば、第1の平滑コンデンサ71に電流が回生しないために、入力電力が無駄なく回路に供給されるため、効率の良いアルミ鍋の加熱が可能な誘導加熱調理器を実現できるものである。
【0111】
《実施例3》
本発明の誘導加熱調理器の実施例3について図面を参照しながら説明する。図1は実施例3の誘導加熱調理器の全体構成を示すブロック図である。図1は既に説明している。図9は実施例3のインバータ回路の回路構成を示す図である。電源51は商用電源であり整流回路52により整流され、チョークコイル80とトランジスタ87(スイッチング素子)の直列回路に印加される。トランジスタ87のコレクタはダイオード82のアノードに接続されダイオード82のカソードは平滑コンデンサ81の高電位側に接続される。平滑コンデンサ81の低電位側は整流回路52の負極側に接続される。
【0112】
79はインバータであり、チョークコイル83とトランジスタ88の直列接続体は平滑コンデンサ81の両端に接続される。負荷コイル89と共振コンデンサ91の直列接続体はトランジスタ88の両端に接続され、共振コンデンサ92とリレー93の直列接続体は共振コンデンサ91に並列に接続される。制御回路85はトランジスタ88を駆動するとともに、電源51からの入力電流を検知するカレントトランス67と負荷コイル89の電流を検知するカレントトランス94からの検知信号を入力して負荷鍋90の材質を判断する負荷検知機能を有する。そして制御回路85はその負荷検知機能の検知結果に応じて、昇圧制御回路86、リレー93、及びトランジスタ88に制御信号又は駆動信号を出力する。昇圧制御回路86は、制御回路85の制御信号に基づきトランジスタ87の駆動信号を出力する。
【0113】
上記の構成について動作を説明する。制御回路85はチョークコイル80が昇圧チョッパとして働くようにトランジスタ87をオンオフ制御する。この結果、ダイオード82を介して平滑コンデンサ81の両端に整流回路52の出力Vdcが昇圧されかつ平滑された電圧が印加される。この平滑された電圧はインバータの高周波電流を供給する供給源として働く。チョークコイル83は整流回路52の正極に接続され、トランジスタ88がターンオフ時に零電流スイッチングを行うことに使用されている。
【0114】
また、トランジスタ88にはダイオード84が逆並列に接続されており、共振電流がトランジスタ88と逆方向に流れる場合に電流を環流するために用いられる。トランジスタ88はオン状態の時に負荷コイル89と共振コンデンサ91で決まる共振周波数で共振する共振電流を発生させ、鍋90に高周波磁界を供給する。
【0115】
制御回路85は、マイクロコンピュータなどを用いて入力電力に応じた制御をトランジスタ88に行わせている。制御回路85は負荷検知機能により負荷コイル89で加熱する鍋90がアルミニウムなどの高導電率かつ低透率の材質であると判断するとリレー93をオフした状態で図10に示すような駆動制御をおこない、鍋90が鉄系の鍋であると判断するとリレー93をオンし、共振コンデンサ91の容量を増加させた状態で、図11に示すような駆動制御をおこない最大出力を得る。
【0116】
図10は本実施例における各部波形を示す図である。波形(a)はトランジスタ88及びダイオード84に流れる電流波形Icを示し、波形(b)はトランジスタ88のコレクタ−エミッタ間に生じる電圧Vceを示し、波形(c)は負荷コイル89に流れる電流ILを示し、波形(d)は制御回路85によりトランジスタ
88に与えられる駆動波形VGEを示している。
【0117】
制御回路85はトランジスタ88にゲート信号を与え、トランジスタ88を導通状態にする。この時、トランジスタ88には負荷コイル89と共振コンデンサ91で生じた共振電流が流れることになる。ここで、共振電流の周波数は駆動周波数より2倍以上高いため、共振電流はやがて零になり、今度はダイオード84を通して電流は先ほどと逆方向に流れることになる。この間負荷コイル89には共振電流が流れ続けるため、鍋90には共振周波数決で決まる高周波磁界が供給されることになる。つまり、通常の2倍以上の周波数で駆動している状態と同様な効果が得られることになる。
【0118】
この後、必要なパワーを供給した後、制御回路85はダイオード84に電流が流れているタイミングでトランジスタ88をオフし、一定周期後再びオン状態に移り、これを繰り返すことになる。
【0119】
図11に示すように材質が鉄系の鍋の場合に、トランジスタ88の駆動周期(T’)は、すなわち、負荷コイル89のインダクタンスと共振コンデンサ91の容量に共振コンデンサ92の容量を付加した容量で決まる共振周期(T’)と休止期間(T’)の和は、スイッチング損失などを考慮して、周波数(1/T’)が通常20〜30kHzとなるように設定されている。
【0120】
これに対して、制御回路85が鍋90がアルミニウムなどの材質であると判断した場合には、共振コンデンサ92を付加せず、共振周波数を高くするとともに、トランジスタ86とチョークコイル80による昇圧レベルを上げる。
【0121】
これは、図10の(a)のIcの振動が減衰により低下しないようにして、最大出力設定時において、トランジスタ88の駆動周期(T)の間、図10に示すように共振電流を必要とする波数分所定以上の振幅で継続させ、休止期間Tを短くして最大出力を得る。
【0122】
このとき、鍋90と結合した負荷コイル89のインダクタンスと共振コンデンサ91の容量で決まる共振周波数を、トランジスタ88の動作周波数(1/T’)の2倍以上、すなわち2波形以上の共振電流が一回のスイッチング動作で流れるような定数としている。これは、アルミ鍋などを加熱を行う場合に鍋の表皮抵抗が周波数の平方根に比例する特徴を用いて発熱を起こすことを目的としているものであり、表皮抵抗を上昇させかつスイッチング損失を増加させないものであり、このようにしてアルミ鍋や多層鍋などの加熱を可能にしている。
【0123】
以上のように、本実施例によれば、負荷コイル89の発生する磁界により高導電率かつ低透磁率の負荷90を加熱すると、スイッチング素子88とダイオード84を流れる共振電流は、スイッチング素子88の駆動期間より短い周期で共振してなり、かつ前記共振電流が前記駆動期間継続すべく前記直流電圧Vdcを昇圧する昇圧手段であるチョークコイル80、スイッチング素子87,及びダイオード82、そして昇圧手段で昇圧された電圧を平滑する平滑手段である平滑コンデンサ81を設けてなることにより、共振電流が零電流スイッチングすることを可能にして、スイッチング素子88の駆動周波数を共振周波数より低くし、かつ、零電流スイッチングをできるようにしてスイッチング損失を低下するとともに、鍋音を防止してアルミ鍋を加熱することができるものである。
【0124】
なお、本願には、次のような誘導加熱調理器が含まれる。すなわち、電源に並列に接続された整流回路と、前記整流回路の直流出力端に並列接続された第1の平滑コンデンサと、前記整流回路の直流出力端の正極側にその一端が接続されたチョークコイルと、前記チョークコイルの他端にそのエミッタが接続された第1の半導体スイッチング素子と、前記チョークコイルの他端にそのコレクタが接続され、前記直流端の負極側にそのエミッタが接続された第2の半導体スイッチング素子と、前記第1の半導体スイッチング素子に並列に接続された第1のダイオードと、前記第2の半導体スイッチング素子に並列に接続された第2のダイオードと、前記第2の半導体スイッチング素子と並列に接続されて、互いには直列接続された負荷コイル及び共振コンデンサ直列回路と、ならびに前記第1の半導体スイッチング素子のコレクタ及び前記第2の半導体スイッチング素子のエミッタに接続された第2の平滑コンデンサと、所定の出力が得られる様に前記第1及び第2の半導体スイッチング素子を制御する制御手段と、を備える誘導加熱調理器、が含まれる。
【0125】
また、電源に並列に接続されたフィルタコンデンサと、前記電源に直列に接続されたチョークコイルと、前記チョークコイルに接続された整流回路と、
前記整流回路の直流出力端の正極側にそのエミッタが接続された第1の半導体スイッチング素子と、前記整流回路の直流出力端の正極側にそのコレクタが接続され、前記直流端の負極側にそのエミッタが接続された第2の半導体スイッチング素子と、前記第1の半導体スイッチング素子に並列接続された第1のダイオードと、前記第2の半導体スイッチング素子に並列接続された第2のダイオードと、前記第2の半導体スイッチング素子と並列に接続されて、互いには直列接続された負荷コイルと共振コンデンサ直列回路と、ならびに前記第1の半導体スイッチング素子のコレクタ及び前記第2の半導体スイッチング素子のエミッタに接続された第2の平滑コンデンサと、所定の出力が得られる様に前記第1及び第2の半導体スイッチング素子を制御する制御手段と、を備える誘導加熱調理器、が含まれる。
【0126】
上記の実施例の誘導加熱調理器においては、高周波加熱動作時(アルミ等の高導電率且つ低透磁率の負荷を加熱時)に、発振周波数の第3次高調波成分が最大になる高周波電流を負荷コイルに流した。これに代えて、高周波加熱動作時に、通常加熱動作時(鉄系の負荷又は非磁性ステンレス製の負荷を加熱時)の周波数(例えば20kHz)より高い周波数(例えば基本周波数が50kHz)の高周波電流を負荷コイルに流す構成にしても良い。例えば高周波加熱動作時に基本周波数が50kHzの高周波電流を負荷コイルに流す誘導加熱調理器(インバータ回路)が、特公平2−37076号公報に記載されている。このようなインバータ回路を複数有する誘導加熱調理器において、1つのインバータが50kHzの高周波電流を負荷コイルに流している時に、他のインバータが50kHzの高周波電流を負荷コイルに流すことを禁止する。又は他のインバータが50kHzで高出力の加熱をする機能を設けない。これにより、干渉音が発生すること防止できる。あるいは、複数のインバータのそれぞれが通常加熱動作であるか又は高周波加熱動作であるかに応じて、冷却ファンの風量又は風量の変更条件を変更する。これにより、不必要に冷却ファンの風量を増加させることなく、冷却ファンの騒音、風切り音を低減できる。
【0127】
【発明の効果】
第1の発明に係る誘導加熱調理器によれば、負荷が鉄系の材質であると対応する負荷コイルに高調波成分の大きさにおいてその第1次高調波成分が最大となる高周波電流を供給し、負荷が低抵抗かつ低透磁率である所定の材質であると、対応する前記負荷コイルに、その高次の高調波成分の少なくとも1つが大きさにおいてその第1次高調波成分よりも大としかつ周波数において前記第2のインバータ回路の加熱対象とする負荷が鉄系の材質である場合に供給される高周波電流の第1次高調波成分の周波数よりも高くし周波数差が可聴域より大となるようにした高周波電流を供給するようにしつつ負荷が低抵抗かつ低透磁率である所定の材質を加熱対象とするインバータ回路の誘導加熱出力を高周波電流の周波数を可変させて制御するので、スイッチング損失やスイッチング時のノイズの発生を抑制でき、且つ他のインバータ回路に誘導加熱されている負荷との間で発生している干渉音の音圧を低減できる。
【0135】
また、同時に複数のインバータ回路が、その高次の高調波成分の少なくとも1つが大きさにおいてその第1次高調波成分よりも大とした高周波電流を供給することによる干渉音の発生する機会をなくすことができる。
【0137】
第2の発明に係る誘導加熱調理器によれば、特定のインバータ回路は、対応する負荷コイルに供給する高周波電流の高調波成分の大きさにおいて、その第1次高調波成分よりも高次の高調波成分の少なくとも1つが大となる高周波電流を供給する際に、他のインバータ回路が動作することによる干渉音の音圧レベルを抑制できると共に、その特定のインバータ回路は低抵抗、低透磁率の材質の負荷であっても誘導加熱することができ、また、限定されたインバータ回路の冷却能力向上対策、EMC強化対策を施すだけで良く、これら対策によるコストアップ、機器の大型化を抑えることができる。
【0138】
また、特定のインバータ回路が供給する高周波電流の第1次高調波成分より大となっている高次の高調波成分の周波数と、他のインバータ回路が供給する高周波電流の第1次高調波成分の周波数との差を可聴域より大とすることで、それぞれが対応する負荷コイルに供給する高周波電流の高調波成分の大きさが最大である周波数成分同士による可聴域での干渉音は発生しないようにできる。
【0139】
また、加熱対象の負荷の材質を判別することで、所望の負荷に対して選択的に、所定のインバータ回路が、対応する負荷コイルに供給する高周波電流の高調波成分の大きさにおいて、その第1次高調波成分よりも高次の高調波成分の少なくとも1つが大となる高周波電流を供給することができ、所定の材質を除く負荷を加熱する際のインバータ回路を構成する負荷コイルやスイッチング素子等のパワー部品、あるいはこれらを接続する配線の電気的あるいは熱的ストレスを低減できるので、この時の冷却ファンの風量等を低減して冷却ファンの風切り音を抑制できる。
【0140】
また、あるインバータ回路が、対応する負荷コイルに供給する高周波電流の高調波成分の大きさにおいて、その第1次高調波成分よりも高次の高調波成分の少なくとも1つが大となる高周波電流を供給している時に、その誘導加熱出力を高周波電流の周波数を可変させて制御する場合でも、他のインバータ回路に誘導加熱されている負荷との間で発生している干渉音の音圧を低減できる。
【0145】
また、同時に複数のインバータ回路が、対応する負荷コイルに供給する高周波電流の高調波成分の大きさにおいて、その第1次高調波成分よりも高次の高調波成分の少なくとも1つが大となる高周波電流を第1次高調波成分の周波数を可変させながら供給することによる干渉音の発生する機会をなくすことができる。
【0146】
上記誘導加熱調理器において、使用者に所定の材質の負荷で複数のインバータ回路を動作させようとしていることを認知させることができ、使用者が戸惑うことなく、対処ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1〜3の誘導加熱調理器の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施例1における誘導加熱調理器の回路構成を示す図
【図3】本発明の実施例1における誘導加熱調理器の各部の動作を示す波形図
【図4】本発明の実施例1における誘導加熱調理器の各部の動作を示す別の波形図
【図5】本発明の実施例1における誘導加熱調理器の入力電力制御特性を示す図
【図6】本発明の実施例1の誘導加熱調理器のインバータ回路が負荷コイル供給する高周波電流の通常加熱動作時の周波数スペクトル図
【図7】本発明の実施例1の誘導加熱調理器のインバータ回路が負荷コイル供給する高周波電流の高周波加熱動作時の周波数スペクトル図
【図8】本発明の実施例2における誘導加熱調理器の回路構成を示す図
【図9】本発明の実施例3における誘導加熱調理器の回路構成を示す図
【図10】本発明の実施例3における誘導加熱調理器の各部の動作を示す波形図
【図11】本発明の実施例3における誘導加熱調理器の各部の動作を示す別の波形図
【図12】従来例の誘導加熱調理器の構成を示すブロック図
【図13】従来例の誘導加熱調理器の各部の動作を示す波形図
【符号の説明】
1 第1のインバータ回路
2 第2のインバータ回路
3 第1の負荷コイル
4 第2の負荷コイル
6 負荷検知手段
7 入力検知手段
8 入力電流制御手段
9 報知手段
50、79 インバータ
51 交流電源
52 整流回路
53 第1の平滑コンデンサ
54、72、80、83 チョークコイル
55 第2のスイッチング素子
56 第2のダイオード(第2の逆導通素子)
57 第1のスイッチング素子
58 第1のダイオード(第1の逆導通素子)
59、89 負荷コイル
60、91 共振コンデンサ
61 鍋(負荷)
62 第2の平滑コンデンサ(平滑手段)
63 制御回路
65、92 補正用共振コンデンサ
71 第1の平滑コンデンサ
81 平滑コンデンサ
84 ダイオード(整流素子)
85 制御回路
87、88 スイッチング素子
90 鍋(負荷)
100 冷却ファン駆動手段

Claims (3)

  1. 負荷コイルを含み直流を高周波交流に変換し、前記負荷コイルに可聴域を超える周波数の高周波電流を供給する第1及び第2のインバータ回路と、
    前記第1及び第2のインバータ回路の加熱対象となる負荷の材質を判別する負荷検知手段と、
    前記第1のインバータ回路の入力電流を検知する入力検知手段と、
    前記入力検知手段の出力に応じて対応する負荷コイルに供給する高周波電流の周波数を可変して、所定の入力となるように前記第1のインバータ回路の入力電流を制御する入力電流制御手段とを備え、
    前記負荷検知手段が、前記第2のインバータ回路の加熱対象となる負荷が鉄系の材質であると判別するとき、前記第2のインバータ回路は対応する負荷コイルに高調波成分の大きさにおいてその第1次高調波成分が最大となる高周波電流を供給し、
    前記負荷検知手段が、前記第1及び第2のインバータ回路の加熱対象となる負荷が低抵抗かつ低透磁率である所定の材質と判別するとき、前記第1及び第2のインバータ回路は対応する負荷コイルに、その高次の高調波成分の少なくとも1つが大きさにおいてその第1次高調波成分よりも大としかつ周波数において前記第2のインバータ回路の加熱対象となる負荷が鉄系の材質である場合に供給される高周波電流の第1次高調波成分の周波数よりも高くし周波数差が可聴域より大となるようにした高周波電流を供給し、
    前記第1のインバータ回路が前記所定の材質を負荷として高周波電流を対応する負荷コイルに供給しているときに、前記負荷検知手段が前記第2のインバータ回路の加熱対象の負荷が前記所定の材質であると判別したとき、前記第2のインバータ回路を動作させないことを特徴とする誘導加熱調理器。
  2. 負荷コイルを含み前記負荷コイルに可聴域を超える周波数の高周波電流を供給する複数組のインバータ回路と、
    加熱対象となる負荷の材質を判別する負荷検知手段とを備え、
    前記負荷検知手段が、加熱対象となる負荷が低抵抗かつ低透磁率である所定の材質と判別するとき、前記インバータ回路は対応する負荷コイルに、その高次の高調波成分の少なくとも1つが大きさにおいてその第1次高調波成分よりも大としかつ周波数において加熱対象とする負荷が鉄系の材質である場合に供給される高周波電流の第1次高調波成分の周波数よりも高くし周波数差が可聴域より大となるようにした高周波電流を供給し、
    前記負荷検知手段が、加熱対象となる負荷が鉄系の材質であると判別するとき、前記インバータ回路は対応する前記負荷コイルに供給する高周波電流の高調波成分の大きさにおいて、その第1次高調波成分が最大となる高周波電流を供給し、
    所定の前記インバータ回路が、対応する前記負荷コイルに供給する高周波電流の高調波成分の大きさにおいて、その第1次高調波成分よりも高次の高調波成分の少なくとも1つが大となる高周波電流を第1次高調波成分の周波数を可変させながら供給しているときに、他の前記インバータ回路の加熱対象の負荷が前記所定の材質であると判別したとき、この負荷を加熱対象とするインバータ回路を動作させないことを特徴とする誘導加熱調理器。
  3. 前記他のインバータ回路の加熱対象の負荷が前記所定の材質であると判別されたとき、前記他のインバータ回路を動作しない旨を報知する報知手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の誘導加熱調理器。
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