JP3907135B2 - ポジ型感光性組成物 - Google Patents

ポジ型感光性組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP3907135B2
JP3907135B2 JP10952697A JP10952697A JP3907135B2 JP 3907135 B2 JP3907135 B2 JP 3907135B2 JP 10952697 A JP10952697 A JP 10952697A JP 10952697 A JP10952697 A JP 10952697A JP 3907135 B2 JP3907135 B2 JP 3907135B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
substituted
unsubstituted
acid
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP10952697A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH112901A (ja
Inventor
邦彦 児玉
利明 青合
一也 上西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP10952697A priority Critical patent/JP3907135B2/ja
Publication of JPH112901A publication Critical patent/JPH112901A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3907135B2 publication Critical patent/JP3907135B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、平版印刷板やIC等の半導体製造工程、液晶、サーマルヘッド等の回路基板の製造、更にその他のフォトファブリケーション工程に使用されるポジ型感光性組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポジ型フォトレジスト組成物としては、一般にアルカリ可溶性樹脂と感光物としてのナフトキノンジアジド化合物とを含む組成物が用いられている。例えば、「ノボラック型フェノール樹脂/ナフトキノンジアジド置換化合物」として米国特許第3,666,473 号、米国特許第4,115,128 号及び米国特許第4,173,470 号等に、また最も典型的な組成物として「クレゾール−ホルムアルデヒドより成るノボラック樹脂/トリヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル」の例がトンプソン「イントロダクション・トゥー・マイクロリソグラフィー」(L.F.Thompson「Introduction to Microlithography」)(ACS出版、No.2,19号、p112〜121)に記載されている。
このような基本的にノボラック樹脂とキノンジアジド化合物から成るポジ型フォトレジストは、ノボラック樹脂がプラズマエッチングに対して高い耐性を与え、ナフトキノンジアジド化合物は溶解阻止剤として作用する。そして、ナフトキノンジアジドは光照射を受けるとカルボン酸を生じることにより溶解阻止能を失い、ノボラック樹脂のアルカリ溶解度を高めるという特性を持つ。
【0003】
これまで、かかる観点からノボラック樹脂とナフトキノンジアジド系感光物を含有する数多くのポジ型フォトレジストが開発、実用化され、0.8μm〜2μm程度までの線幅加工に於いては十分な成果をおさめてきた。
しかし、集積回路はその集積度を益々高めており、超LSIなどの半導体基板の製造に於いてはハーフミクロン以下の線幅から成る超微細パターンの加工が必要とされるようになってきた。この必要な解像力を達成するためにフォトリソグラフィーに用いられる露光装置の使用波長は益々短波化し、今では、遠紫外光やエキシマレーザー光(XeCl、KrF、ArFなど)が検討されるまでになってきている。
従来のノボラックとナフトキノンジアジド化合物から成るレジストを遠紫外光やエキシマレーザー光を用いたリソグラフィーのパターン形成に用いると、ノボラック及びナフトキノンジアジドの遠紫外領域に於ける吸収が強いために光がレジスト底部まで到達しにくくなり、低感度でテーパーのついたパターンしか得られない。
【0004】
このような問題を解決する手段の一つが、米国特許第4,491,628 号、欧州特許第249,139 号等に記載されている化学増幅系レジスト組成物である。化学増幅系ポジ型レジスト組成物は、遠紫外光などの放射線の照射により露光部に酸を生成させ、この酸を触媒とする反応によって、活性放射線の照射部と非照射部の現像液に対する溶解性を変化させパターンを基板上に形成させるパターン形成材料である。
【0005】
このような例として、光分解により酸を発生する化合物と、アセタールまたはO,N−アセタール化合物との組合せ(特開昭48−89003号)、オルトエステル又はアミドアセタール化合物との組合せ(特開昭51−120714号)、主鎖にアセタール又はケタール基を有するポリマーとの組合せ(特開昭53−133429号)、エノールエーテル化合物との組合せ(特開昭55−12995号)、N−アシルイミノ炭酸化合物との組合せ(特開昭55−126236号)、主鎖にオルトエステル基を有するポリマーとの組合せ(特開昭56−17345号)、第3級アルキルエステル化合物との組合せ(特開昭60−3625号)、シリルエステル化合物との組合せ(特開昭60−10247号)、及びシリルエーテル化合物との組合せ(特開昭60−37549号、特開昭60−121446号)等を挙げることができる。これらは原理的に量子収率が1を越えるため、高い感光性を示す。
【0006】
同様に、室温経時下では安定であるが、酸存在下加熱することにより分解し、アルカリ可溶化する系として、例えば、特開昭59−45439号、特開昭60−3625号、特開昭62−229242号、特開昭63−27829号、特開昭63−36240号、特開昭63−250642号、Polym.Eng.Sce.,23 巻、1012頁(1983);ACS.Sym.242 巻、11頁(1984);Semiconductor World 1987年、11月号、91頁;Macromolecules,21 巻、1475頁(1988);SPIE,920巻、42頁(1988)等に記載されている露光により酸を発生する化合物と、第3級又は2級炭素(例えばt-ブチル、2-シクロヘキセニル)のエステル又は炭酸エステル化合物との組合せ系が挙げられる。これらの系も高感度を有し、且つ、ナフトキノンジアジド/ノボラツク樹脂系と比べて、Deep-UV 領域での吸収が小さいことから、前記の光源短波長化に有効な系となり得る。
【0007】
上記ポジ型化学増幅レジストは、アルカリ可溶性樹脂、放射線露光によつて酸を発生する化合物(光酸発生剤)、及び酸分解性基を有するアルカリ可溶性樹脂に対する溶解阻止化合物から成る3成分系と、酸との反応により分解しアルカリ可溶となる基を有する樹脂と光酸発生剤からなる2成分系に大別できる。
これら2成分系あるいは3成分系のポジ型化学増幅レジストにおいては、露光により光酸発生剤からの酸を介在させて、熱処理後現像してレジストパターンを得るものである。
ここで、上記のようなポジ型化学増幅レジストにおいて用いられる光酸発生剤については、N−オキシムスルホネート、o−ニトロベンジルスルホネート、ピロガロールのトリスメタンスルホネート等が知られているが、光分解効率が大きく画像形成性が優れるものとして、代表的には特開昭59−45439号、Polym. Eng. Sci., 23, 1012 (1983).等に記載されたスルホニウム、ヨードニウムのPF6 −、AsF6 −、SbF6 −等の過フルオロルイス酸塩が使用されてきた。
しかしながら半導体用レジスト材料に用いる場合、該光酸発生剤の対アニオンからのリン、砒素、アンチモン等の汚染が問題であった。
【0008】
そこでこれらの汚染がないスルホニウム、ヨードニウム化合物として、特開昭63−27829号、特開平2−25850号、特開平2−150848号、特開平5−134414号、特開平5−232705号等に記載されたトリフルオロメタンスルホン酸アニオンを対アニオンとする塩が使用されている。
但しこの化合物の場合、露光後加熱処理までの経時でレジストパターンの細りが生じたり、レジストパターン表面の形状がT型(T−top)を呈する問題があった。
この問題を解決する方法として、特開平5−242682号公報にアセタール基で保護されたヒドロキシスチレン樹脂と特定の酸発生剤を用いた感光性組成物が記載されている。これらは、露光後加熱処理までの経時で、T−Top形成の抑制には効果があるものの、レジストパターンの細りの抑制に関しては十分とは言えなかった。
特開平7−140666号公報にケタール成分を含む酸不安定化合物と光酸発生剤を用いたレジスト組成物が記載されている。これもT−top形成の抑制には効果がみられるが、レジストパターンの細りに関しては十分な効果が得られるとはいえなかった。また、保存安定性においても著しく問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、上記従来の技術の課題を解決することであり、詳しくは光分解効率が大きく、従って感度が高く、優れたレジストパターンが得られるポジ型感光性組成物を提供することである。
本発明の別の目的は、露光後加熱処理までの経時でレジストパターンの細りが生じたり、レジストパターン表面の形状がT型(T−top)を呈することがなく、保存安定性に優れたポジ型感光性組成物を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記諸特性に留意し鋭意検討した結果、本発明の目的が、ポジ型化学増幅系において、下記のスルホン酸を発生する特定の化合物と特定の構造を有する樹脂を用いることで達成されることを見いだした。
即ち、本発明は、下記構成である。
(1)(a)活性光線または放射線の照射により、スルホン酸を発生する下記一般式(I)で表される化合物、及び
(b)酸の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度を増大させる基を有する下記一般式(II)及び一般式(III) で表される構造の繰り返し単位を含む樹脂、
を含有することを特徴とするポジ型感光性組成物。
【0011】
【化4】
Figure 0003907135
【0012】
式(I)中、Yは置換基を有していてもよい直鎖、分岐、環状アルキル基、置換されていてもよいアラルキル基、
【0013】
【化5】
Figure 0003907135
【0014】
で表される基を示す(R1 〜R21は同一でも異なっていてもよく水素原子、置換基を有していてもよい直鎖、分岐、環状アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、アリール基、アシロキシ基、アラルキル基もしくはアルコキシカルボニル基、又はホルミル基、ニトロ基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、水酸基、もしくはシアノ基を示し、R1 〜R5 、R6 〜R12及びR13〜R21はそれぞれの群のうちの2つが結合して炭素及び/又はヘテロ原子からなる5〜8員環を形成していもよい)。また、Yは別のイミドスルホネート化合物の残基と結合していてもよい。
Xは置換基を有していてもよい直鎖、分岐アルキレン基、置換基を有していてもよくヘテロ原子を含んでいてもよい単環又は多環環状アルキレン基、置換されていてもよい直鎖、分岐アルケニレン基、置換されていてもよくヘテロ原子を含んでいてもよい単環又は多環環状アルケニレン基、置換されていてもよいアリーレン基、置換されていてもよいアラルキレン基を示す。また、Xは別のイミドスルホネート残基と結合していてもよい。
【0015】
【化6】
Figure 0003907135
【0016】
式(II)中、R22は水素原子、置換されていてもよい直鎖、分岐、環状アルキル基又は置換されていてもよいアラルキル基を表す。Aは、置換されていてもよい直鎖、分岐、環状アルキル基、又は置換されていてもよいアラルキル基を表す。また、AとR22が結合して5〜6員環を形成してもよい。
(2) 酸により分解し得る基を有し、アルカリ現像液中での溶解度が酸の作用により増大する、分子量3000以下の低分子酸分解性溶解阻止化合物を含有することを特徴とする上記(1)に記載のポジ型感光性組成物。
【0017】
上記のように、光酸発生剤として上記一般式(I)で表される化合物と特定の繰り返し単位を有する樹脂を用いることにより、化学増幅型レジストにおいて、見事に露光後加熱処理までの経時での問題が解決され、且つ光分解効率が高く、それにより光感度が高く、優れたレジストパターンが得られた。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に使用する化合物について詳細に説明する。
〔I〕一般式(I)で表される酸発生化合物
前記一般式(I)におけるY及びR1 〜R21の直鎖、分岐、環状アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、ヘキシル基、オクチル基のような炭素数1〜20個の直鎖又は分岐アルキル基及びシクロプロピル基、シクロペンチル基又はシクロヘキシル基等の環状アルキル基が挙げられる。アルキル基の好ましい置換基としてはアルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
また、Yのアラルキル基としてはベンジル基もしくはフェネチル基のような炭素数7〜12個のアラルキル基が挙げられる。アラルキル基の好ましい置換基としては、炭素数1〜4の低級アルキル基、炭素数1〜4の低級アルコキシ基、ニトロ基、アセチルアミノ基、ハロゲン原子などが挙げられる。
【0019】
1 〜R21のアルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、t-ブトキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基のような炭素数1〜20個のアルコキシ基又はエトキシエトキシ基などの置換基を有するアルコキシ基が挙げられる。アシル基としてはアセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基などが挙げられる。アシルアミノ基としてはアセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる。スルホニルアミノ基としてはメタンスルホニルアミノ基、エタンスルホニルアミノ基など炭素数1〜4個のスルホニルアミノ基、p−トルエンスルホニルアミノ基のような置換または無置換のベンゼンスルホニルアミノ基があげられる。アリール基としてはフェニル基、トリル基、ナフチル基などが挙げられる。アルコキシカルボニル基としてはメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、エトキシエトキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基などの炭素数2〜20個のアルコキシカルボニル基があげられる。
アシロキシ基としてはアセトキシ基、プロパノイルオキシ基、オクタノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基のような炭素数2〜20個のアシロキシ基があげられる。
アラルキル基としては置換または無置換ベンジル基、置換または無置換フェネチル基などの炭素数7〜15個のアラルキル基があげられる。アラルキル基の好ましい置換基としては前記にあげたものと同じものがあげられる。
1 〜R21においては、R1 〜R5 、R6 〜R12及びR13〜R21はそれぞれの群のうちの2つが結合して炭素及び/又はヘテロ原子からなる5〜8員環を形成していもよい。このような5〜8員環としては、例えばシクロヘキサン、ピリジン、フラン又はピロリジンがあげられる。
また、X、Yは別のイミドスルホネート化合物の残基と結合していてもよく、2量体、3量体を形成していても良い。別のイミドスルホネートとしては、本発明の一般式(I)で表される化合物で、X又はYのところで1価の基になったものがあげられる。
【0020】
Xのアルキレン基としては、直鎖又は分岐の炭素数1〜10個のアルキレン基あるいはヘテロ原子を含んでいてもよい単環又は多環の環状アルキレン基が挙げられる。直鎖又は分岐のアルキレン基としてはメチレン基、エチレン基、プロピレン基又はオクチレン基などがあげられる。アルキレン基の好ましい置換基としてはアルコキシ基、アシル基、ホルミル基、ニトロ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、ハロゲン原子、アリール基、アルコキシカルボニル基が挙げられる。ここで挙げたアルコキシ基、アシル基、ニトロ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、アリール基、アルコキシカルボニル基はR1 〜R21で挙げたものと同義である。ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができる。
【0021】
環状アルキレン基としてはシクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、などの炭素数4〜8個の単環シクロアルキレン基、7−オキサビシクロ〔2,2,1〕ヘプチレン基などの炭素数5〜15個の多環シクロアルキレン基が挙げられ、シクロアルキレン基の好ましい置換基としては、炭素数1〜4個のアルキル基、アルコキシ基、アシル基、ホルミル基、ニトロ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、ハロゲン原子、アリール基、アルコキシカルボニル基が挙げられる。ここで挙げたアルコキシ基、アシル基、ニトロ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、アリール基、アルコキシカルボニル基はR1 〜R21で挙げたものと同義である。ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができる。
【0022】
アリーレン基としてはフェニレン基、ナフチレン基等が挙げられる。アリーレン基の好ましい置換基としてはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アシル基、ホルミル基、ニトロ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、ハロゲン原子、アリール基、アルコキシカルボニル基が挙げられる。ここで挙げたアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アシル基、ホルミル基、ニトロ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、アリール基、アルコキシカルボニル基はR1 〜R21で挙げたものと同義である。ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができる。
【0023】
アルケニレン基としては炭素数2〜4個のアルケニレン基があげられ、例えばエテニレン基、ブテニレン基等が挙げられ、アルケニレン基の好ましい置換基としてはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アシル基、ホルミル基、ニトロ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、ハロゲン原子、アリール基、アルコキシカルボニル基が挙げられる。ここで挙げたアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アシル基、ホルミル基、ニトロ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、アリール基、アルコキシカルボニル基はR1 〜R21で挙げたものと同義である。ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができる。
環状アルケニレン基としてはシクロぺンテニレン基、シクロヘキセニレン基、などの炭素数4〜8個の単環シクロアルケニレン基、7−オキサビシクロ〔2,2,1〕ヘプテニレン基、ノルボルネニレン基などの炭素数5〜15個の多環シクロアルケニレン基が挙げられる。
アラルキレン基としては、トリレン基、キシリレン基などが挙げられ、その置換基としてはアリーレン基で挙げた置換基をあげることができる。
一般式(I)で表される化合物の含量は、全組成物の固形分に対し、0.1〜20重量%が適当であり、好ましくは0.5〜10重量%、更に好ましくは1〜7重量%である。
以下に、これらの一般式(I)で表される化合物の具体例(I−1)〜(I−38)を示すが、これに限定されるものではない。
【0024】
【化7】
Figure 0003907135
【0025】
【化8】
Figure 0003907135
【0026】
【化9】
Figure 0003907135
【0027】
【化10】
Figure 0003907135
【0028】
【化11】
Figure 0003907135
【0029】
【化12】
Figure 0003907135
【0030】
【化13】
Figure 0003907135
【0031】
【化14】
Figure 0003907135
【0032】
【化15】
Figure 0003907135
【0033】
一般式(I)で表される化合物は、G.F.Jaubert 著、Ber.. 28,360(1895)の方法、D.E.Ames等著、J.Chem.Soc..3518(1955)の方法、あるいはM.A.Stolberg等著、J.Am. Chem.Soc..79,2615(1957) の方法等に従い合成されたN−ヒドロキシイミド化合物とスルホン酸クロリドとを塩基性条件下、例えばL.Bauer 等著、J.Org.Chem..24,1294(1959) の方法に従い合成することが可能である。
【0034】
〔II〕他の併用しうる酸発生化合物
本発明において、上記スルホン酸を発生する一般式(I)で表わされる化合物以外に、他の活性光線または放射線の照射により分解して酸を発生する化合物を併用してもよい。
他の光酸発生剤を併用する際の本発明の一般式(I)で表わされる化合物と併用しうる光酸発生剤の比率は、モル比で95/5〜20/80、好ましくは90/10〜40/60、更に好ましくは80/20〜60/40である。
そのような併用可能な光酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている公知の光により酸を発生する化合物およびそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
【0035】
たとえば S.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Bal etal,Polymer,21,423(1980) 等に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055 号、同4,069,056号、同 Re 27,992号、特願平3-140,140号等に記載のアンモニウム塩、D.C.Necker etal,Macromolecules,17,2468(1984)、C.S.Wen etal,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988) 、米国特許第4,069,055 号、同4,069,056 号等に記載のホスホニウム塩、J.V.Crivello etal,Macromorecules,10(6),1307(1977) 、Chem.&Eng.News,Nov.28,p31(1988) 、欧州特許第104,143 号、米国特許第339,049 号、同第410,201 号、特開平2-150,848 号、特開平2-296,514 号等に記載のヨードニウム塩、J.V.Crivello etal,Polymer J.17,73(1985) 、J.V.Crivello etal.J.Org.Chem.,43,3055(1978) 、W.R.Watt etal,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,22,1789(1984) 、J.V.Crivello etal,Polymer Bull.,14,279(1985)、J.V.Crivello etal,Macromorecules,14(5),1141(1981) 、J.V.Crivello etal,J.PolymerSci.,Polymer Chem.Ed.,17,2877(1979)、欧州特許第370,693 号、同3,902,114 号、同233,567 号、同297,443 号、同297,442 号、米国特許第4,933,377 号、同161,811 号、同410,201 号、同339,049 号、同4,760,013 号、同4,734,444 号、同2,833,827 号、獨国特許第2,904,626 号、同3,604,580 号、同3,604,581 号等に記載のスルホニウム塩、J.V.Crivello etal,Macromorecules,10(6),1307(1977) 、J.V.Crivello etal,J.PolymerSci.,Polymer Chem.Ed., 17,1047(1979) 等に記載のセレノニウム塩、C.S.Wen etal,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988) 等に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩、米国特許第3,905,815 号、特公昭46-4605 号、特開昭48-36281号、特開昭55-32070号、特開昭60-239736 号、特開昭61-169835 号、特開昭61-169837 号、特開昭62-58241号、特開昭62-212401 号、特開昭63-70243号、特開昭63-298339 号等に記載の有機ハロゲン化合物、K.Meier etal,J.Rad.Curing,13(4),26(1986)、T.P.Gill etal,Inorg.Chem.,19,3007(1980)、D.Astruc,Acc.Chem.Res.,19(12),377(1896) 、特開平2-161445号等に記載の有機金属/有機ハロゲン化物、S.Hayase etal,J.Polymer Sci.,25,753(1987)、 E.Reichmanis etal,J.Pholymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,23,1(1985)、 Q.Q.Zhu etal,J.Photochem.,36,85,39,317(1987)、 B.Amit etal,Tetrahedron Lett.,(24)2205(1973)、D.H.R.Barton etal,J.Chem Soc.,3571(1965)、 P.M.Collins etal,J.Chem.SoC.,Perkin I,1695(1975)、 M.Rudinstein etal,Tetrahedron Lett.,(17),1445(1975)、 J.W.Walker etalJ.Am.Chem.Soc.,110,7170(1988)、 S.C.Busman etal,J.Imaging Technol.,11(4),191(1985)、 H.M.Houlihan etal,Macormolecules,21,2001(1988)、P.M.Collins etal,J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,532(1972)、S.Hayase etal,Macromolecules,18,1799(1985)、 E.Reichmanis etal,J.Electrochem.Soc.,Solid State Sci.Technol.,130(6)、 F.M.Houlihan etal,Macromolcules,21,2001(1988)、欧州特許第0290,750号、同046,083 号、同156,535 号、同271,851 号、同0,388,343 号、 米国特許第3,901,710 号、同4,181,531 号、特開昭60-198538 号、特開昭53-133022 号等に記載のo−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、特開昭61-166544 号等に記載のジスルホン化合物を挙げることができる。
【0036】
また、これらの光により酸を発生する基、あるいは化合物をポリマーの主鎖または側鎖に導入した化合物、たとえば、M.E.Woodhouse etal,J.Am.Chem.Soc.,104,5586(1982) 、S.P.Pappas etal,J.Imaging Sci.,30(5),218(1986) 、S.Kondoetal,Makromol.Chem.,Rapid Commun.,9,625(1988)、Y.Yamadaetal,Makromol.Chem.,152,153,163(1972) 、J.V.Crivello etal,J.PolymerSci.,Polymer Chem.Ed., 17,3845(1979) 、米国特許第3,849,137 号、獨国特許第3914407 号、特開昭63-26653号、特開昭55-164824 号、特開昭62-69263号、特開昭63-146038 号、特開昭63-163452 号、特開昭62-153853 号、特開昭63-146029 号等に記載の化合物を用いることができる。
【0037】
さらにV.N.R.Pillai,Synthesis,(1),1(1980)、A.Abad etal,Tetrahedron Lett.,(47)4555(1971)、D.H.R.Barton etal,J.Chem.Soc.,(C),329(1970) 、米国特許第3,779,778 号、欧州特許第126,712 号等に記載の光により酸を発生する化合物も使用することができる。
【0038】
上記併用可能な活性光線または放射線の照射により分解して酸を発生する化合物の中で、特に有効に用いられるものについて以下に説明する。
(1)トリハロメチル基が置換した下記一般式(PAG1)で表されるオキサゾール誘導体または一般式(PAG2)で表されるS−トリアジン誘導体。
【0039】
【化16】
Figure 0003907135
【0040】
式中、R201 は置換もしくは未置換のアリール基、アルケニル基、R202 は置換もしくは未置換のアリール基、アルケニル基、アルキル基、−C(Y)3をしめす。Yは塩素原子または臭素原子を示す。
具体的には以下の化合物を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
【0041】
【化17】
Figure 0003907135
【0042】
【化18】
Figure 0003907135
【0043】
【化19】
Figure 0003907135
【0044】
(2)下記の一般式(PAG3)で表されるヨードニウム塩、または一般式(PAG4)で表されるスルホニウム塩。
【0045】
【化20】
Figure 0003907135
【0046】
式中、Ar1 、Ar2 は各々独立に置換もしくは未置換のアリール基を示す。ここで、好ましい置換基としては、アルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ヒロドキシ基、メルカプト基およびハロゲン原子が挙げられる。
【0047】
203 、R204 、R205 は各々独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、アリール基を示す。好ましくは、炭素数6〜14のアリール基、炭素数1〜8のアルキル基およびそれらの置換誘導体である。好ましい置換基としては、アリール基に対しては炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルキル基、ニトロ基、カルボキシル基、ヒロドキシ基およびハロゲン原子であり、アルキル基に対しては炭素数1〜8のアルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基である。
【0048】
-は対アニオンを示し、例えばBF4 -、AsF6 -、PF6 -、SbF6-、SiF6 2-、ClO4 -、メタンスルホン酸アニオン、トリフロロメタンスルホン酸アニオン等の置換もしくは無置換アルキルスルホン酸アニオン、トルエンスルホン酸アニオン、ペンタフロロベンゼンスルホン酸アニオン等の置換もしくは無置換ベンゼンスルホン酸アニオン、ナフタレンスルホン酸アニオン、アントラキノンスルホン酸アニオン等の縮合多核芳香族スルホン酸アニオン、スルホン酸基含有染料等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
【0049】
またR203 、R204 、R205 のうちの2つおよびAr1、Ar2はそれぞれの単結合または置換基を介して結合してもよい。
【0050】
具体例としては以下に示す化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0051】
【化21】
Figure 0003907135
【0052】
【化22】
Figure 0003907135
【0053】
【化23】
Figure 0003907135
【0054】
【化24】
Figure 0003907135
【0055】
【化25】
Figure 0003907135
【0056】
【化26】
Figure 0003907135
【0057】
【化27】
Figure 0003907135
【0058】
【化28】
Figure 0003907135
【0059】
【化29】
Figure 0003907135
【0060】
【化30】
Figure 0003907135
【0061】
【化31】
Figure 0003907135
【0062】
一般式(PAG3)、(PAG4)で示される上記オニウム塩は公知であり、たとえばJ.W.Knapczyk etal,J.Am.Chem.Soc.,91,145(1969) 、A.L.Maycok etal,J.Org.Chem.,35,2532,(1970)、E.Goethas etal ,Bull.Soc.Chem.Belg.,73,546,(1964) 、H.M.Leicester 、 J.Ame.Chem.Soc.,51,3587(1929) 、J.V.Crivello etal,J.Polym.Chem.Ed.,18,2677(1980)、米国特許第2,807,648 号および同4,247,473 号、特開昭53-101,331号等に記載の方法により合成することができる。
【0063】
(3)下記一般式(PAG5)で表されるジスルホン誘導体。
【0064】
【化32】
Figure 0003907135
【0065】
式中、Ar3、Ar4は各々独立に置換もしくは未置換のアリール基を示す。具体例としては以下に示す化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0066】
【化33】
Figure 0003907135
【0067】
【化34】
Figure 0003907135
【0068】
(b)酸の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度を増大させる基を有し、上記一般式(II)及び(III) で表される構造の繰り返し単位を含む樹脂
前記一般式(II)におけるA基、R22の直鎖、分岐、環状のアルキル基、及び置換されていても良いアラルキル基としては一般式(I)におけるY及びR1 〜R21と同義のアルキル基及び置換されていても良いアラルキル基を示し、アラルキル基の好ましい置換基も同義である。
AとR22が結合して5〜6員環を形成している例としてはテトラヒドロピラン環、フラン環などを挙げることができる。
本発明において、酸の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度を増大させる基を有する樹脂は、一般式(II)及び(III) で表される構造単位の他に共重合成分として他のモノマー単位を含んでいてもよい。他のモノマー単位としては水素化ヒドロキシスチレン、ハロゲン、アルコキシ、もしくはアルキル置換ヒドロキシスチレン、スチレン、ハロゲン、アルコキシ、アシロキシ、もしくはアルキル置換スチレン、無水マレイン酸、アクリル酸誘導体、メタクリル酸誘導体、N−置換マレイミドを挙げられるが、これらに限定されるものではない。他のモノマーを併用する際の一般式(II)及び(III) の成分と他のモノマー成分の比率は〔(II)+(III) 〕/〔他のモノマー成分〕=99/1〜50/50であり、好ましくは95/5〜60/40であり、さらに好ましくは90/10〜70/30である。
【0069】
本発明で用いる樹脂は、アルカリ溶解速度調整及び耐熱姓向上のために合成段階においてポリヒドロキシ化合物を添加して、ポリマー主鎖を多官能アセタール基で連結する架橋部位を導入しても良い。
ポリヒドロキシ化合物の添加量は樹脂の水酸基の数に対して、0.01〜10 mol%、好ましくは0.05〜8 mol%、更に好ましくは0.1〜5 mol%である。
ポリヒドロキシ化合物としては、フェノール性水酸基あるいアルコール性水酸基を2〜6個持つものがあげられ、好ましくは水酸基の数が2〜4個であり、更に好ましくは水酸基の数が2または3個である。以下に具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0070】
【化35】
Figure 0003907135
【0071】
本発明に使用される酸により分解し得る基を有する樹脂の具体例を以下に示すが、本発明がこれらに限定されるものではない。
【0072】
【化36】
Figure 0003907135
【0073】
【化37】
Figure 0003907135
【0074】
【化38】
Figure 0003907135
【0075】
【化39】
Figure 0003907135
【0076】
酸で分解し得る基の含有率は、一般式(II)で表される樹脂中の酸で分解し得る基の数(B)と一般式(III) で表される樹脂中の酸で分解し得る基で保護されていないアルカリ可溶性基の数(S)をもって、B/(B+S)で表される。含有率は好ましくは0.01〜0.7、より好ましくは0.05〜0.6、更に好ましくは0.1〜0.6である。B/(B+S)>0.7ではPEB後の膜収縮、基板への密着不良やスカムの原因となり好ましくない。一方、B/(B+S)<0.01では、パターン側壁に顕著に定在波が残ることがあるので好ましくない。
【0077】
酸で分解し得る基を有する樹脂の重量平均分子量(Mw)は、2,000〜200,000の範囲であることが好ましい。2,000未満では未露光部の現像により膜減りが大きく、200,000を越えるとアルカリ可溶性樹脂自体のアルカリに対する溶解速度が遅くなり感度が低下してしまう。より好ましくは、5,000〜150,000の範囲であり、更に好ましくは8,000〜150,000の範囲である。
ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーのポリスチレン換算値をもって定義される。
【0078】
また、本発明における酸で分解し得る基を有する樹脂は2種類以上混合して使用しても良い。本発明におけるこれら樹脂の使用量は、感光性組成物の全重量(溶媒を除く)を基準として40〜99重量%、好ましくは60〜95重量%である。
【0079】
上記、本発明における樹脂以外に酸分解性基を有する樹脂を併用してもよい。本発明における化学増幅型レジストにおいて用いられる他の酸により分解し、アルカリ現像液中での溶解性を増大させる基を有する樹脂としては、樹脂の主鎖または側鎖、あるいは、主鎖及び側鎖の両方に、酸で分解し得る基を有する樹脂である。この内、酸で分解し得る基を側鎖に有する樹脂がより好ましい。
酸で分解し得る基として好ましい基は、−COOA0 、−O−B0 基であり、更にこれらを含む基としては、−R0 −COOA0 、又は−Ar −O−B0 で示される基が挙げられる。
ここでA0 は、−C(R01)(R02)(R03)、−Si(R01)(R02)(R03)もしくは−C(R04)(R05)−O−R06基を示す。B0 は、−A0 又は−CO−O−A0 基を示す(R0 、R01〜R06、及びArは後述のものと同義)。
【0080】
酸分解性基としては好ましくは、シリルエーテル基、クミルエステル基、アセタール基、テトラヒドロピラニルエーテル基、テトラヒドロピラニルエステル基、エノールエーテル基、エノールエステル基、第3級のアルキルエーテル基、第3級のアルキルエステル基、第3級のアルキルカーボネート基等である。更に好ましくは、第3級アルキルエステル基、第3級アルキルカーボネート基、クミルエステル基、アセタール基、テトラヒドロピラニルエーテル基である。
【0081】
次に、これら酸で分解し得る基が側鎖として結合する場合の母体樹脂としては、側鎖に−OHもしくは−COOH、好ましくは−R0 −COOHもしくは−Ar −OH基を有するアルカリ可溶性樹脂である。例えば、後述するアルカリ可溶性樹脂を挙げることができる。
【0082】
これらアルカリ可溶性樹脂のアルカリ溶解速度は、0.261Nテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)で測定(23℃)して170A/秒以上のものが好ましい。特に好ましくは330A/秒以上のものである(Aはオングストローム)。
また、矩形プロファイルを達成する点から遠紫外光やエキシマレーザー光に対する透過率が高いアルカリ可溶性樹脂が好ましい。好ましくは、1μm膜厚の248nmでの透過率が20〜90%である。
このような観点から、特に好ましいアルカリ可溶性樹脂は、o−,m−,p−ポリ(ヒドロキシスチレン)及びこれらの共重合体、水素化ポリ(ヒドロキシスチレン)、ハロゲンもしくはアルキル置換ポリ(ヒドロキシスチレン)、ポリ(ヒドロキシスチレン)の一部、O−アルキル化もしくはO−アシル化物、スチレン−ヒドロキシスチレン共重合体、α−メチルスチレン−ヒドロキシスチレン共重合体及び水素化ノボラック樹脂である。
【0083】
本発明に用いられる酸で分解し得る基を有する樹脂は、アルカリ可溶性樹脂に酸で分解し得る基の前駆体を反応させる、もしくは、酸で分解し得る基の結合したアルカリ可溶性樹脂モノマーを種々のモノマーと共重合して得ることができる。
【0084】
上記酸発生剤、酸で分解し得る基を有する樹脂とともに、後記する酸分解性低分子溶解阻止化合物を混合してもよい。
本発明に用いられる酸分解性溶解阻止化合物としては、その構造中に酸で分解し得る基を少なくとも2個有し、該酸分解性基間の距離が最も離れた位置において、酸分解性基を除く結合原子を少なくとも8個経由する化合物である。
本発明において、好ましくは酸分解性溶解阻止化合物は、その構造中に酸で分解し得る基を少なくとも2個有し、該酸分解性基間の距離が最も離れた位置において、酸分解性基を除く結合原子を少なくとも10個、好ましくは少なくとも11個、更に好ましくは少なくとも12個経由する化合物、又は酸分解性基を少なくとも3個有し、該酸分解性基間の距離が最も離れた位置において、酸分解性基を除く結合原子を少なくとも9個、好ましくは少なくとも10個、更に好ましくは少なくとも11個経由する化合物である。又、上記結合原子の好ましい上限は50個、更に好ましくは30個である。
本発明において、酸分解性溶解阻止化合物が、酸分解性基を3個以上、好ましくは4個以上有する場合、又酸分解性基を2個有するものにおいても、該酸分解性基が互いにある一定の距離以上離れている場合、アルカリ可溶性樹脂に対する溶解阻止性が著しく向上する。
なお、本発明における酸分解性基間の距離は、酸分解性基を除く、経由結合原子数で示される。例えば、以下の化合物(1),(2)の場合、酸分解性基間の距離は、各々結合原子4個であり、化合物(3)では結合原子12個である。
【0085】
【化40】
Figure 0003907135
【0086】
また、本発明の酸分解性溶解阻止化合物は、1つのベンゼン環上に複数個の酸分解性基を有していても良いが、好ましくは、1つのベンゼン環上に1個の酸分解性基を有する骨格から構成される化合物である。更に、本発明の酸分解性溶解阻止化合物の分子量は3,000以下であり、好ましくは500〜3,000、更に好ましくは1,000〜2,500である。
【0087】
本発明の好ましい実施態様においては、酸により分解し得る基、即ち−COO−A0 、−O−B0 基を含む基としては、−R0 −COO−A0 、又は−Ar−O−B0 で示される基が挙げられる。
ここでA0 は、−C(R01)(R02)(R03)、−Si(R01)(R02)(R03)もしくは−C(R04)(R05)−O−R06基を示す。B0 は、A0 又は−CO−O−A0 基を示す。
01、R02、R03、R04及びR05は、それぞれ同一でも相異していても良く、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基もしくはアリール基を示し、R06はアルキル基もしくはアリール基を示す。但し、R01〜R03の内少なくとも2つは水素原子以外の基であり、又、R01〜R03、及びR04〜R06の内の2つの基が結合して環を形成してもよい。R0 は置換基を有していても良い2価以上の脂肪族もしくは芳香族炭化水素基を示し、−Ar−は単環もしくは多環の置換基を有していても良い2価以上の芳香族基を示す。
【0088】
ここで、アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基の様な炭素数1〜4個のものが好ましく、シクロアルキル基としてはシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基の様な炭素数3〜10個のものが好ましく、アルケニル基としてはビニル基、プロペニル基、アリル基、ブテニル基の様な炭素数2〜4個のものが好ましく、アリール基としてはフエニル基、キシリル基、トルイル基、クメニル基、ナフチル基、アントラセニル基の様な炭素数6〜14個のものが好ましい。
また、置換基としては水酸基、ハロゲン原子(フツ素、塩素、臭素、ヨウ素)、ニトロ基、シアノ基、上記のアルキル基、メトキシ基・エトキシ基・ヒドロキシエトキシ基・プロポキシ基・ヒドロキシプロポキシ基・n−ブトキシ基・イソブトキシ基・sec−ブトキシ基・t−ブトキシ基等のアルコキシ基、メトキシカルボニル基・エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、ベンジル基・フエネチル基・クミル基等のアラルキル基、アラルキルオキシ基、ホルミル基・アセチル基・ブチリル基・ベンゾイル基・シアナミル基・バレリル基等のアシル基、ブチリルオキシ基等のアシロキシ基、上記のアルケニル基、ビニルオキシ基・プロペニルオキシ基・アリルオキシ基・ブテニルオキシ基等のアルケニルオキシ基、上記のアリール基、フエノキシ基等のアリールオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアリールオキシカルボニル基を挙げることができる。
【0089】
酸により分解しうる基として、好ましくは、シリルエーテル基、クミルエステル基、アセタール基、テトラヒドロピラニルエーテル基、エノールエーテル基、エノールエステル基、第3級のアルキルエーテル基、第3級のアルキルエステル基、第3級のアルキルカーボネート基等である。更に好ましくは、第3級アルキルエステル基、第3級アルキルカーボネート基、クミルエステル基、テトラヒドロピラニルエーテル基である。
【0090】
酸分解性溶解阻止化合物としては、好ましくは、特開平1−289946号、特開平1−289947号、特開平2−2560号、特開平3−128959号、特開平3−158855号、特開平3−179353号、特開平3−191351号、特開平3−200251号、特開平3−200252号、特開平3−200253号、特開平3−200254号、特開平3−200255号、特開平3−259149号、特開平3−279958号、特開平3−279959号、特開平4−1650号、特開平4−1651号、特開平4−11260号、特開平4−12356号、特開平4−12357号、特願平3−33229号、特願平3−230790号、特願平3−320438号、特願平4−25157号、特願平4−52732号、特願平4−103215号、特願平4−104542号、特願平4−107885号、特願平4−107889号、同4−152195号等の明細書に記載されたポリヒドロキシ化合物のフエノール性OH基の一部もしくは全部を上に示した基、−R0 −COO−A0 もしくはB0 基で結合し、保護した化合物が含まれる。
【0091】
更に好ましくは、特開平1−289946号、特開平3−128959号、特開平3−158855号、特開平3−179353号、特開平3−200251号、特開平3−200252号、特開平3−200255号、特開平3−259149号、特開平3−279958号、特開平4−1650号、特開平4−11260号、特開平4−12356号、特開平4−12357号、特願平4−25157号、特願平4−103215号、特願平4−104542号、特願平4−107885号、特願平4−107889号、同4−152195号の明細書に記載されたポリヒドロキシ化合物を用いたものが挙げられる。
【0092】
より具体的には、一般式[I]〜[XVI]で表される化合物が挙げられる。
【0093】
【化41】
Figure 0003907135
【0094】
【化42】
Figure 0003907135
【0095】
【化43】
Figure 0003907135
【0096】
【化44】
Figure 0003907135
【0097】
101 、R102 、R108 、R130 :同一でも異なっていても良く、水素原子、−R0−COO−C(R01)(R02)(R03)又は−CO−O−C(R01)(R02)(R03)、但し、R0、R01、R02及びR03の定義は前記と同じである。
【0098】
100 :−CO−,−COO−,−NHCONH−,−NHCOO−,−O−、−S−,−SO−,−SO2−,−SO3−,もしくは
【0099】
【化45】
Figure 0003907135
【0100】
ここで、G=2〜6 但し、G=2の時はR150 、R151 のうち少なくとも一方はアルキル基、
150 、R151 :同一でも異なっていても良く、水素原子,アルキル基,アルコキシ基、−OH,−COOH,−CN,ハロゲン原子,−R152 −COOR153 もしくは−R154 −OH、
152 、R154 :アルキレン基、
153 :水素原子,アルキル基,アリール基,もしくはアラルキル基、R99、R103 〜R107 、R109 、R111 〜R118 、R121 〜R123 、R128 〜R129 、R131 〜R134 、R138 〜R141 及びR143 :同一でも異なっても良く、水素原子,水酸基,アルキル基,アルコキシ基,アシル基,アシロキシ基,アリール基,アリールオキシ基,アラルキル基,アラルキルオキシ基,ハロゲン原子,ニトロ基,カルボキシル基,シアノ基,もしくは
−N(R155)(R156)(R155、R156:H,アルキル基,もしくはアリール基)
110 :単結合,アルキレン基,もしくは
【0101】
【化46】
Figure 0003907135
【0102】
157 、R159 :同一でも異なっても良く、単結合,アルキレン基,−O−,−S−,−CO−,もしくはカルボキシル基、
158 :水素原子,アルキル基,アルコキシ基,アシル基,アシロキシ基,アリール基,ニトロ基,水酸基,シアノ基,もしくはカルボキシル基、但し、水酸基が酸分解性基(例えば、t−ブトキシカルボニルメチル基、テトラヒドロピラニル基、1−エトキシ−1−エチル基、1−t−ブトキシ−1−エチル基)で置き換ってもよい。
【0103】
119 、R120 :同一でも異なっても良く、メチレン基,低級アルキル置換メチレン基,ハロメチレン基,もしくはハロアルキレン基、但し本願において低級アルキル基とは炭素数1〜4のアルキル基を指す、
124 〜R127 :同一でも異なっても良く、水素原子もしくはアルキル基、
135 〜R137 :同一でも異なっても良く、水素原子,アルキル基,アルコキシ基,アシル基,もしくはアシロキシ基、
142 :水素原子,−R0−COO−C(R01)(R02)(R03)又は−CO−O−C(R01)(R02)(R03)、もしくは
【0104】
【化47】
Figure 0003907135
【0105】
144 、R145 :同一でも異なっても良く、水素原子,低級アルキル基,低級ハロアルキル基,もしくはアリール基、
146 〜R149 :同一でも異なっていても良く、水素原子,水酸基,ハロゲン原子,ニトロ基,シアノ基,カルボニル基,アルキル基,アルコキシ基,アルコキシカルボニル基,アラルキル基,アラルキルオキシ基,アシル基,アシロキシ基,アルケニル基,アルケニルオキシ基,アリール基,アリールオキシ基,もしくはアリールオキシカルボニル基、但し、各4個の同一記号の置換基は同一の基でなくても良い、
Y:−CO−,もしくは−SO2−、
Z,B:単結合,もしくは−O−、
A:メチレン基,低級アルキル置換メチレン基,ハロメチレン基,もしくはハロアルキレン基、
E:単結合,もしくはオキシメチレン基、
a〜z,a1〜y1:複数の時、()内の基は同一または異なっていてもよい、
a〜q、s,t,v,g1〜i1,k1〜m1,o1,q1,s1,u1:0もしくは1〜5の整数、
r,u,w,x,y,z,a1〜f1,p1,r1,t1,v1〜x1:0もしくは1〜4の整数、
j1,n1,z1,a2,b2,c2,d2:0もしくは1〜3の整数、
z1,a2,c2,d2のうち少なくとも1つは1以上、
y1:3〜8の整数、
(a+b),(e+f+g),(k+l+m),(q+r+s),(w+x+y),(c1+d1),(g1+h1+i1+j1),(o1+p1), (s1+t1)≧2、
(j1+n1)≦3、
(r+u),(w+z),(x+a1),(y+b1),(c1+e1),(d1+f1),(p1+r1),(t1+v1),(x1+w1)≦4、但し一般式[V]の場合は(w+z),(x+a1)≦5、
(a+c),(b+d),(e+h),(f+i),(g+j),(k+n),(l+o),(m+p),(q+t),(s+v),(g1+k1), (h1+l1),(i1+m1),(o1+q1),(s1+u1)≦5、
を表す。
【0106】
【化48】
Figure 0003907135
【0107】
【化49】
Figure 0003907135
【0108】
【化50】
Figure 0003907135
【0109】
【化51】
Figure 0003907135
【0110】
好ましい化合物骨格の具体例を以下に示す。
【0111】
【化52】
Figure 0003907135
【0112】
【化53】
Figure 0003907135
【0113】
【化54】
Figure 0003907135
【0114】
【化55】
Figure 0003907135
【0115】
【化56】
Figure 0003907135
【0116】
【化57】
Figure 0003907135
【0117】
【化58】
Figure 0003907135
【0118】
【化59】
Figure 0003907135
【0119】
【化60】
Figure 0003907135
【0120】
【化61】
Figure 0003907135
【0121】
【化62】
Figure 0003907135
【0122】
【化63】
Figure 0003907135
【0123】
【化64】
Figure 0003907135
【0124】
【化65】
Figure 0003907135
【0125】
【化66】
Figure 0003907135
【0126】
【化67】
Figure 0003907135
【0127】
【化68】
Figure 0003907135
【0128】
【化69】
Figure 0003907135
【0129】
【化70】
Figure 0003907135
【0130】
化合物(1)〜(63)中のRは、水素原子、
【0131】
【化71】
Figure 0003907135
【0132】
を表す。但し、少なくとも2個、もしくは構造により3個は水素原子以外の基であり、各置換基Rは同一の基でなくても良い。
【0133】
この場合、該溶解阻止化合物の含量は、感光性組成物の全重量(溶媒を除く)を基準として3〜45重量%、好ましくは5〜30重量%、より好ましくは10〜20重量%である。
【0134】
更に、アルカリ溶解性を調節するために、酸で分解し得る基を有さないアルカリ可溶性樹脂を混合しても良い。
そのようなアルカリ可溶性樹脂としては、例えばノボラック樹脂、水素化ノボラツク樹脂、アセトン−ピロガロール樹脂、o−ポリヒドロキシスチレン、m−ポリヒドロキシスチレン、p−ポリヒドロキシスチレン、水素化ポリヒドロキシスチレン、ハロゲンもしくはアルキル置換ポリヒドロキシスチレン、ヒドロキシスチレン−N−置換マレイミド共重合体、o/p−及びm/p−ヒドロキシスチレン共重合体、ポリヒドロキシスチレンの水酸基に対する一部O−アルキル化物(例えば、5〜30モル%のO−メチル化物等)もしくはO−アシル化物(例えば、5〜30モル%のo−アセチル化物等)、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ヒドロキシスチレン共重合体、α−メチルスチレン−ヒドロキシスチレン共重合体、カルボキシル基含有メタクリル系樹脂及びその誘導体を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
特に好ましいアルカリ可溶性樹脂はノボラック樹脂及びo−ポリヒドロキシスチレン、m−ポリヒドロキシスチレン、p−ポリヒドロキシスチレン及びこれらの共重合体、アルキル置換ポリヒドロキシスチレン、ポリヒドロキシスチレンの一部O−アルキル化、もしくはO−アシル化物、スチレン−ヒドロキシスチレン共重合体、α−メチルスチレン−ヒドロキシスチレン共重合体である。該ノボラック樹脂は所定のモノマーを主成分として、酸性触媒の存在下、アルデヒド類と付加縮合させることにより得られる。
【0135】
所定のモノマーとしては、フェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−クレゾール等のクレゾール類、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、3,4−キシレノール、2,3−キシレノール等のキシレノール類、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、o−エチルフェノール、p−t−ブチルフェノール、p−オクチルフエノール、2,3,5−トリメチルフェノール等のアルキルフェノール類、p−メトキシフェノール、m−メトキシフェノール、3,5−ジメトキシフェノール、2−メトキシ−4−メチルフェノール、m−エトキシフェノール、p−エトキシフェノール、m−プロポキシフェノール、p−プロポキシフェノール、m−ブトキシフェノール、p−ブトキシフェノール等のアルコキシフェノール類、2−メチル−4−イソプロピルフェノール等のビスアルキルフェノール類、m−クロロフェノール、p−クロロフェノール、o−クロロフェノール、ジヒドロキシビフェニル、ビスフェノールA、フェニルフェノール、レゾルシノール、ナフトール等のヒドロキシ芳香化合物を単独もしくは2種類以上混合して使用することができるが、これらに限定されるものではない。
【0136】
アルデヒド類としては、例えばホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、α−フェニルプロピルアルデヒド、β−フェニルプロピルアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−クロロベンズアルデヒド、m−クロロベンズアルデヒド、p−クロロベンズアルデヒド、o−ニトロベンズアルデヒド、m−ニトロベンズアルデヒド、p−ニトロベンズアルデヒド、o−メチルベンズアルデヒド、m−メチルベンズアルデヒド、p−メチルベンズアルデヒド、p−エチルベンズアルデヒド、p−n−ブチルベンズアルデヒド、フルフラール、クロロアセトアルデヒド及びこれらのアセタール体、例えばクロロアセトアルデヒドジエチルアセタール等を使用することができるが、これらの中で、ホルムアルデヒドを使用するのが好ましい。
これらのアルデヒド類は、単独でもしくは2種類以上組み合わせて用いられる。酸性触媒としては塩酸、硫酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸等を使用することができる。
【0137】
こうして得られたノボラック樹脂の重量平均分子量は、1,000〜30,000の範囲であることが好ましい。1,000未満では未露光部の現像後の膜減りが大きく、30,000を越えると現像速度が小さくなってしまう。特に好適なのは2,000〜20,000の範囲である。
また、ノボラック樹脂以外の前記ポリヒドロキシスチレン、及びその誘導体、共重合体の重量平均分子量は、2000以上、好ましくは5000〜200000、より好ましくは10000〜100000である。また、レジスト膜の耐熱性を向上させるという観点からは、25000以上が好ましい。
ここで、重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーのポリスチレン換算値をもって定義される。
本発明に於けるこれらのアルカリ可溶性樹脂は2種類以上混合して使用しても良い。
【0138】
本発明に使用されるその他の成分
本発明の感光性組成物には必要に応じて、更に染料、顔料、可塑剤、界面活性剤、光増感剤、有機塩基性化合物及び現像液に対する溶解性を促進させるフエノール性OH基を2個以上有する化合物などを含有させることができる。
【0139】
本発明で使用できるフェノール性OH基を2個以上有する化合物は、好ましくは分子量1000以下のフェノール化合物である。また、分子中に少なくとも2個のフェノール性水酸基を有することが必要であるが、これが10を越えると、現像ラチチュードの改良効果が失われる。また、フェノ−ル性水酸基と芳香環との比が0.5未満では膜厚依存性が大きく、また、現像ラチチュードが狭くなる傾向がある。この比が1.4を越えると該組成物の安定性が劣化し、高解像力及び良好な膜厚依存性を得るのが困難となって好ましくない。
【0140】
このフェノール化合物の好ましい添加量はアルカリ可溶性樹脂に対して2〜50重量%であり、更に好ましくは5〜30重量%である。50重量%を越えた添加量では、現像残渣が悪化し、また現像時にパターンが変形するという新たな欠点が発生して好ましくない。
【0141】
このような分子量1000以下のフェノール化合物は、例えば、特開平4−122938、特開平2−28531、米国特許第4916210、欧州特許第219294等に記載の方法を参考にして、当業者に於て容易に合成することが出来る。
フェノール化合物の具体例を以下に示すが、本発明で使用できる化合物はこれらに限定されるものではない。
【0142】
レゾルシン、フロログルシン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,3′,4′,5′−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、アセトン−ピロガロール縮合樹脂、フロログルコシド、2,4,2′,4′−ビフェニルテトロール、4,4′− チオビス(1,3−ジヒドロキシ)ベンゼン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシジフェニルエーテル、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシジフェニルスルフォキシド、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシジフェニルスルフォン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4−(α−メチルベンジリデン)ビスフェノール、α,α′,α″−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、α,α′,α″−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1−エチル−4−イソプロピルベンゼン、1,2,2−トリス(ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,2−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2,5,5−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,3−トリス(ヒドロキシフェニル)ブタン、パラ〔α,α,α′,α′−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)〕−キシレン等を挙げることができる。
【0143】
本発明で用いることのできる好ましい有機塩基性化合物とは、フェノールよりも塩基性の強い化合物である。中でも含窒素塩基性化合物が好ましい。
好ましい化学的環境として、下記式(A)〜(E)の構造を挙げることができる。
【0144】
【化72】
Figure 0003907135
【0145】
更に好ましい化合物は、一分子中に異なる化学的環境の窒素原子を2個以上有する含窒素塩基性化合物であり、特に好ましくは、置換もしくは未置換のアミノ基と窒素原子を含む環構造の両方を含む化合物もしくはアルキルアミノ基を有する化合物である。好ましい具体例としては、置換もしくは未置換のグアニジン、置換もしくは未置換のアミノピリジン、置換もしくは未置換のアミノアルキルピリジン、置換もしくは未置換のアミノピロリジン、置換もしくは未置換のインダーゾル、置換もしくは未置換のピラゾール、置換もしくは未置換のピラジン、置換もしくは未置換のピリミジン、置換もしくは未置換のプリン、置換もしくは未置換のイミダゾリン、置換もしくは未置換のピラゾリン、置換もしくは未置換のピペラジン、置換もしくは未置換のアミノモルフォリン、置換もしくは未置換のアミノアルキルモルフォリン等が挙げられる。好ましい置換基は、アミノ基、アミノアルキル基、アルキルアミノ基、アミノアリール基、アリールアミノ基、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ニトロ基、水酸基、シアノ基である。特に好ましい化合物として、グアニジン、1,1−ジメチルグアニジン、1,1,3,3,−テトラメチルグアニジン、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジン、2−ジメチルアミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2−ジエチルアミノピリジン、2−(アミノメチル)ピリジン、2−アミノ−3−メチルピリジン、2−アミノ−4−メチルピリジン、2−アミノ−5−メチルピリジン、2−アミノ−6−メチルピリジン、3−アミノエチルピリジン、4−アミノエチルピリジン、3−アミノピロリジン、ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペリジン、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ピペリジノピペリジン、2−イミノピペリジン、1−(2−アミノエチル)ピロリジン、ピラゾール、3−アミノ−5−メチルピラゾール、5−アミノ−3−メチル−1−p−トリルピラゾール、ピラジン、2−(アミノメチル)−5−メチルピラジン、ピリミジン、2,4−ジアミノピリミジン、4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、N−アミノモルフォリン、N−(2−アミノエチル)モルフォリンなどが挙げられるがこれに限定されるものではない。
【0146】
これらの含窒素塩基性化合物は、単独であるいは2種以上一緒に用いられる。含窒素塩基性化合物の使用量は、感光性樹脂組成物(溶媒を除く)100重量部に対し、通常、0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部である。0.001重量部未満では本発明の効果が得られない。一方、10重量部を超えると感度の低下や非露光部の現像性が悪化する傾向がある。
【0147】
好適な染料としては油性染料及び塩基性染料がある。具体的にはオイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS,オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業株式会社製)、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、ローダミンB(CI45170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)等を挙げることができる。
【0148】
さらに、下記に挙げるような分光増感剤を添加し、使用する光酸発生剤が吸収を持たない遠紫外より長波長領域に増感させることで、本発明の感光性組成物をiまたはg線に感度を持たせることができる。好適な分光増感剤としては、具体的にはベンゾフェノン、p,p’−テトラメチルジアミノベンゾフェノン、p,p’−テトラエチルエチルアミノベンゾフェノン、2−クロロチオキサントン、アントロン、9−エトキシアントラセン、アントラセン、ピレン、ペリレン、フェノチアジン、ベンジル、アクリジンオレンジ、ベンゾフラビン、セトフラビン−T、9,10−ジフェニルアントラセン、9−フルオレノン、アセトフェノン、フェナントレン、2−ニトロフルオレン、5−ニトロアセナフテン、ベンゾキノン、2−クロロ−4−ニトロアニリン、N−アセチル−p−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、、N−アセチル−4−ニトロ−1−ナフチルアミン、ピクラミド、アントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン1,2−ベンズアンスラキノン、3−メチル−1,3−ジアザ−1,9−ベンズアンスロン、ジベンザルアセトン、1,2−ナフトキノン、3,3’−カルボニル−ビス(5,7−ジメトキシカルボニルクマリン)及びコロネン等であるがこれらに限定されるものではない。
また、これらの分光増感剤は、光源の遠紫外光の吸光剤としても使用可能である。この場合、吸光剤は基板からの反射光を低減し、レジスト膜内の多重反射の影響を少なくさせることで、定在波改良の効果を発現する。
【0149】
本発明の感光性組成物は、上記各成分を溶解する溶媒に溶かして支持体上に塗布する。ここで使用する溶媒としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等が好ましく、これらの溶媒を単独あるいは混合して使用する。
【0150】
上記溶媒に界面活性剤を加えることもできる。具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテ−ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤、エフトップEF301,EF303,EF352(新秋田化成(株)製)、メガファックF171,F173 (大日本インキ(株)製)、フロラ−ドFC430,FC431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG710,サーフロンS−382,SC101,SC102,SC103,SC104,SC105,SC106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)やアクリル酸系もしくはメタクリル酸系(共)重合ポリフローNo.75,No.95(共栄社油脂化学工業(株)製)等を挙げることができる。これらの界面活性剤の配合量は、本発明の組成物中の固形分100重量部当たり、通常、2重量部以下、好ましくは1重量部以下である。
これらの界面活性剤は単独で添加してもよいし、また、いくつかの組み合わせで添加することもできる。
【0151】
上記感光性組成物を精密集積回路素子の製造に使用されるような基板(例:シリコン/二酸化シリコン被覆)上にスピナー、コーター等の適当な塗布方法により塗布後、所定のマスクを通して露光し、ベークを行い現像することにより良好なレジストパターンを得ることができる。
【0152】
本発明の感光性組成物の現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピヘリジン等の環状アミン類等のアルカリ性水溶液を使用することができる。
更に、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
【0153】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明の内容がこれにより限定されるものではない。
合成例1(化合物I−1の合成)
N−ヒドロキシフタルイミド10.0gとベンゼンスルホニルクロリド10.8gをアセトン100mlに溶解させ、この溶液にトリエチルアミン6.5gを20分かけて滴下した。室温で2時間撹拌した後、蒸留水500mlに注いだ。析出した粉体をろ取、水洗、乾燥すると化合物I−1が18.2g得られた。
【0154】
合成例2(化合物I−2の合成)
N−ヒドロキシフタルイミド10.0gとp−トルエンスルホニルクロリド11.7gをアセトン100mlに溶解させ、この溶液にトリエチルアミン6.5gを20分かけて滴下した。室温で2時間撹拌した後、蒸留水500mlに注いだ。析出した粉体をろ取、水洗、乾燥し、粗結晶を得た。これをエタノール/トルエンから再結晶すると化合物(I−2)が17.3g得られた。
【0155】
合成例3(化合物I−21の合成)
ヒドロキシアミン塩酸塩21.4gを蒸留水80mlに溶かし、この溶液にNaOH12.3gを蒸留水50mlに溶解させたものを氷冷下30分かけて加えた。この溶液に4−メチル無水フタル酸50.0g加えて室温で1時間撹拌した後、4時間還流した。反応液を氷冷し、析出した粉体をろ過、水洗した。得られた粗結晶をアセトン/水から再結晶すると4−メチル−N−ヒドロキシフタルイミドが27.0g得られた。
4−メチル−N−ヒドロキシフタルイミド0.53gと4−メトキシベンゼンスルホニルクロリド0.62gをアセトン30mlに溶解させ、この溶液にトリエチルアミン0.32gを10分かけて加えた。室温で2時間反応させた後、反応液を蒸留水150mlに注ぎ、析出した粉体をろ取、水洗、乾燥すると化合物I−21が1.0g得られた。
以下同様にして対応するN−ヒドロキシイミドとスルホン酸クロリドを塩基存在下反応させることによりN−ヒドロキシイミドのスルホン酸エステルを得た。
【0156】
合成例4(比較用酸発生剤の合成)
特開平5−249682記載の方法により2−シクロヘキシルカルボニル−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン(PAG−Y)を得た。
【0157】
合成例5(樹脂の合成例1)
ポリp−ヒドロキシスチレン(重量平均分子量11000)48gを脱水THF250mlに溶解した。この溶液にt−ブチルビニルエーテル23.3g及び脱水p−トルエンスルホン酸0.1gを加え、室温で4時間撹拌した。反応液をイオン交換水3l/トリエチルアミン3gの溶液に投入し、析出した粉体をろ取、水洗、乾燥するとp−ヒドロキシスチレン/p−(1−t−ブトキシエトキシ)スチレン共重合体(50/50)(重量平均分子量13000)を得た。
【0158】
合成例6(樹脂の合成例2)
ポリp−ヒドロキシスチレン(重量平均分子量11000)48gを脱水THF250mlに溶解した。この溶液にt−ブチルビニルエーテル14.0g、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン0.96g及び脱水p−トルエンスルホン酸0.1gを加え、室温で24時間撹拌した。反応液をイオン交換水3l/トリエチルアミン3gの溶液に投入し、析出した粉体をろ取、水洗、乾燥するとp−ヒドロキシスチレン/p−(1−t−ブトキシエトキシ)スチレン共重合体(部分架橋型)(重量平均分子量18000)を得た。
【0159】
合成例7(樹脂の合成例3)
合成例1のt−ブチルビニルエーテルの代わりに2,3−ジヒドロ−4H−ピランを用いた他は合成例1と同様にしてp−ヒドロキシスチレン/p−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)スチレン共重合体(50/50)(重量平均分子量13000)を得た。
【0160】
合成例8(樹脂の合成例4)
ポリp−ヒドロキシスチレン(重量平均分子量11000)をピリジン40mlに溶解させ、これに室温撹拌下二炭酸ジ−t−ブチル1.6gを添加した。室温で3時間反応させた後、イオン交換水1l/濃塩酸20gの溶液に投入した。析出した粉体をろ過、水洗、乾燥しp−ヒドロキシスチレン/p−(t−ブチルオキシカルボニルオキシ)スチレン共重合体(50/50)を得た。
【0161】
合成例9(樹脂の合成例5)
合成例5と同様の方法を用いてp−ヒドロキシスチレン/p−(1−シクロヘキシルオキシエトキシ)スチレン共重合体(50/50)(重量平均分子量13000)及びp−ヒドロキシスチレン/p−(1−エトキシエトキシ)スチレン共重合体(50/50)(重量平均分子量12000)を得た。
【0162】
合成例10(樹脂の合成例6)
ポリp−ヒドロキシスチレン(日本曹達製VP−8000、重量平均分子量11000)500gを脱水THF2000mlに溶解した。この溶液にiso−ブチルビニルエーテル176g及び脱水p−トルエンスルホン酸0.15gを加え、室温で10時間撹拌した。反応液にトリエチルアミン16gを加えた後イオン交換水40lの溶液に投入し、析出した粉体をろ取、水洗、乾燥するとp−ヒドロキシスチレン/p−(1−iso−ブトキシエトキシ)スチレン共重合体(60/40)(重量平均分子量12000)を得た。
【0163】
合成例11(樹脂の合成例7)
ポリp−ヒドロキシスチレン(日本曹達製VP−8000、重量平均分子量11000)500gを脱水THF2000mlに溶解した。この溶液にiso−ブチルビニルエーテル166g、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン40g及び脱水p−トルエンスルホン酸0.15gを加え、室温で10時間撹拌した。反応液にトリエチルアミン16gを加えた後イオン交換水40lの溶液に投入し、析出した粉体をろ取、水洗、乾燥するとp−ヒドロキシスチレン/p−(1−iso−ブトキシエトキシ)スチレン共重合体(70/30部分架橋型)(重量平均分子量96000)を得た。
【0164】
合成例12(溶解阻止剤化合物の合成例−1)
α, α',α''−トリス(4−ヒドロキシフエニル)−1, 3, 5−トリイソプロピルベンゼン20g をテトラヒドロフラン400mlに溶解した。この溶液に窒素雰囲気下でtert- ブトキシカリウム14g を加え、室温にて10分間攪拌後、ジ−tert−ブチルジカーボネート29.2g を加えた。室温下、3時間反応させ、反応液を氷水に注ぎ、生成物を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を更に水洗浄し、乾燥させた後溶媒を留去した。得られた結晶性の固体を再結晶後(ジエチルエーテル)、乾燥させ、化合物例(31:Rは全てt−BOC基)25.6g を得た。
【0165】
合成例13(溶解阻止剤化合物の合成例−2)
1−[α−メチル−α−(4' −ヒドロキシフェニル)エチル]−4−[α' ,α' −ビス(4" −ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン42.4g(0.10モル)をN,N−ジメチルアセトアミド300mlに溶解し、これに炭酸カリウム49.5g(0.35モル)、及びブロモ酢酸クミルエステル84.8g(0.33モル)を添加した。その後、120℃にて7時間撹拌した。反応混合物をイオン交換水2lに投入し、酢酸にて中和した後、酢酸エチルにて抽出した。酢酸エチル抽出液を濃縮し、これをカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物例(18:Rは総て−CH2 COOC(CH3 2 6 5 基)70gを得た。
【0166】
合成例14(溶解阻止剤化合物の合成例−3)
1,3,3,5−テトラキス−(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン44gをN,N−ジメチルアセトアミド250mlに溶解させ、これに炭酸カリウム70.7g、次いでブロモ酢酸t−ブチル90.3gを加え120℃にて7時間撹拌した。反応混合物をイオン交換水2lに投入し、得られた粘稠物を水洗した。これをカラムクロマトグラフィーにて精製すると化合物例60(Rはすべて−CH2COOC4H9t)が87g得られた。
【0167】
合成例15(溶解阻止剤化合物の合成例−4)
α,α,α’,α’,α”,α”,−ヘキサキス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリエチルベンゼン20gをジエチルエーテル400mlに溶解させた。この溶液に窒素雰囲気下で3,4−ジヒドロ−2H−ピラン42.4g、触媒量の塩酸を加え、24時間還流した。反応終了後少量の水酸化ナトリウムを加えた後ろ過した。ろ液を濃縮し、これをカラムクロマトグラフィーにて精製すると化合物例62(RはすべてTHP基)が55.3g得られた。
【0168】
実施例および比較例、参考例
上記合成例で示した本発明の化合物を用いレジストを調製した。そのときの処方を下記表1に示す。
【0169】
【表1】
Figure 0003907135
表1において使用した略号は下記の内容を示す。
<ポリマー>
( )内はモル比
PHS/iBES p−ヒドロキシスチレン/p−(1−iso−ブトキシエトキシ)スチレン共重合体(60/40)
PHS/iBESB p−ヒドロキシスチレン/p−(1−iso−ブトキシエトキシ)スチレン共重合体(70/30部分架橋型)
PHS/tBES p−ヒドロキシスチレン/p−(1−t−ブトキシエトキシ)スチレン共重合体(60/40)
PHS/tBESB p−ヒドロキシスチレン/p−(1−t−ブトキシエトキシ)スチレン共重合体(70/30部分架橋型)
PHS/EES p−ヒドロキシスチレン/p−(1−エトキシエトキシ)スチレン共重合体(55/45)
PHS/EESB p−ヒドロキシスチレン/p−(1−エトキシエトキシ)スチレン共重合体(55/45部分架橋型)
PHS/THPS p−ヒドロキシスチレン/p−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)スチレン共重合体(60/40)
PHS/tBOCS p−ヒドロキシスチレン/p−(t−ブチルオキシカルボニルオキシ)スチレン共重合体(60/40)
PHS/CHES p−ヒドロキシスチレン/p−(1−シクロヘキシルオキシエトキシ)スチレン共重合体(50/50)
【0170】
<溶解阻止剤中酸分解性基>
【0171】
【化73】
Figure 0003907135
【0172】
[感光性組成物の調製と評価]
表1に示す各素材に4−ジメチルアミノピリジン0.02gを加え、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート9.5gに溶解し、0.2μmのフィルターで濾過してレジスト溶液を作成した。このレジスト溶液を、スピンコーターを利用して、シリコンウエハー上に塗布し、110℃90秒間真空吸着型のホットプレートで乾燥して、膜厚0.83μmのレジスト膜を得た。
このレジスト膜に、248nmKrFエキシマレーザーステツパー(NA=0.42)を用いて露光を行った。露光直後にそれぞれ100℃の真空吸着型ホットプレートで60秒間加熱を行い、ただちに2.38%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液で60秒間浸漬し、30秒間水でリンスして乾燥した。このようにして得られたシリコンウエハー上のパターンのプロファイル、感度、解像力を各々下記のように評価し、比較した。その結果を下記表2に示す。
【0173】
〔プロファイル〕
このようにして得られたシリコンウエハー上のパターンを走査型電子顕微鏡で観察し、レジストのプロファイルを評価した。
〔感度〕
感度は0.40μmのマスクパターンを再現する露光量をもって定義した。
〔解像力〕
解像力は0.40μmのマスクパターンを再現する露光量における限界解像力を表す。
【0174】
更に同様にして露光後2時間経時した後、上記の通り加熱し、ただちに2.38%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液で60秒間浸漬し、30秒間水でリンスして乾燥した。このようにして得られた0.35μmのマスクパターンの線巾を測り、露光直後での値からの変化率を計算した。その結果を表2に示す。
なお、表中「露光後2時間経時による線幅変化」は次の式によるものである。すなわち、
Figure 0003907135
【0175】
【表2】
Figure 0003907135
【0176】
[保存安定性]
樹脂の合成例5で得られたp−ヒドロキシスチレン/p−(1−エトキシエトキシ)スチレン共重合体(50/50)(PHS/EES)及び特開平7−140666号公報記載と同様の方法をもちいて合成したp−ヒドロキシスチレン/p−(2−(2−メトキシ)−プロピルオキシ)スチレン共重合体(50/50)(PHS/MPS)を用いて下記処方によりレジスト液を調整した。これを調液直後及びレジスト液を窒素封入して5℃で3ヶ月保存したものについて上記実施例と同様の方法を用いて感度、解像力について評価を行った。
【0177】
【表3】
Figure 0003907135
【0178】
表2、表3の結果から本発明のレジストは、良好なプロファイルと高感度、高解像力を有し、且つ露光後経時でのパターンの線幅変化の小さく、保存安定性にも優れるポジ型感光性組成物であることがわかる。
【0179】
【発明の効果】
本発明の化学増幅型のポジ型感光性組成物により、良好なプロファイルと高感度、高解像力を有し、露光後経時での性能変化の少なく、保存安定性にも優れるポジ型感光性組成物を提供することができる。

Claims (8)

  1. (a)活性光線または放射線の照射により、スルホン酸を発生する下記一般式(I)で表される化合物、及び(b)酸の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度を増大させる基を有する下記一般式(II)及び一般式(III) で表される構造の繰り返し単位を含む樹脂、を含有することを特徴とするポジ型感光性組成物。
    Figure 0003907135
    式(I)中、Yは
    Figure 0003907135
    で表される基を示す(R1 〜R21は同一でも異なっていてもよく水素原子、置換基を有していてもよい直鎖、分岐、環状アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、アリール基、アシロキシ基、アラルキル基もしくはアルコキシカルボニル基、又はホルミル基、ニトロ基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、水酸基、もしくはシアノ基を示し、R1 〜R5 、R6 〜R12及びR13〜R21はそれぞれの群のうちの2つが結合して炭素及び/又はヘテロ原子からなる5〜8員環を形成していもよい)。また、Yは別のイミドスルホネート化合物の残基と結合していてもよい。但し、R 1 〜R 5 のうち4つが水素原子であり、残る1つがメチル基である化合物を除く。
    Xは置換基を有していてもよい直鎖、分岐アルキレン基、置換基を有していてもよくヘテロ原子を含んでいてもよい単環又は多環環状アルキレン基、置換されていてもよい直鎖、分岐アルケニレン基、置換されていてもよくヘテロ原子を含んでいてもよい単環又は多環環状アルケニレン基、置換されていてもよいアリーレン基、置換されていてもよいアラルキレン基を示す。また、Xは別のイミドスルホネート残基と結合していてもよい。但し、
    Figure 0003907135
    式(II)中、R22は水素原子、置換されていてもよい直鎖、分岐、環状アルキル基又は置換されていてもよいアラルキル基を表す。Aは、置換されていてもよい直鎖、分岐、環状アルキル基、又は置換されていてもよいアラルキル基を表す。また、AとR22が結合して5〜6員環を形成してもよい。
  2. 更に、一分子中に異なる化学的環境の窒素原子を2個以上有する含窒素塩基性化合物を含有することを特徴とする請求項1のポジ型感光性組成物。
  3. 一分子中に異なる化学的環境の窒素原子を2個以上有する含窒素塩基性化合物が、置換もしくは未置換のアミノ基と窒素原子を含む環構造の両方を含む化合物であることを特徴とする請求項2のポジ型感光性組成物。
  4. 一分子中に異なる化学的環境の窒素原子を2個以上有する含窒素塩基性化合物が、置換もしくは未置換のグアニジン、置換もしくは未置換のアミノピリジン、置換もしくは未置換のアミノアルキルピリジン、置換もしくは未置換のアミノピロリジン、置換もしくは未置換のインダーゾル、置換もしくは未置換のピラゾール、置換もしくは未置換のピラジン、置換もしくは未置換のピリミジン、置換もしくは未置換のプリン、置換もしくは未置換のイミダゾリン、置換もしくは未置換のピラゾリン、置換もしくは未置換のピペラジン、置換もしくは未置換のアミノモルフォリン、置換もしくは未置換のアミノアルキルモルフォリンであることを特徴とする請求項2のポジ型感光性組成物。
  5. (b)酸の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度を増大させる基を有する樹脂が、ポリマー主鎖を多官能アセタール基で連結した架橋部位が導入された樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポジ型感光性組成物。
  6. 更に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含有する請求項1〜5のいずれかに記載のポジ型感光性組成物。
  7. 酸により分解し得る基を有し、アルカリ現像液中での溶解度が酸の作用により増大する、分子量3000以下の低分子酸分解性溶解阻止化合物を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のポジ型感光性組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のポジ型感光性組成物により膜を形成し、該膜を露光、現像することを特徴とするポジ型パターン形成方法。
JP10952697A 1996-04-25 1997-04-25 ポジ型感光性組成物 Expired - Fee Related JP3907135B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10952697A JP3907135B2 (ja) 1996-04-25 1997-04-25 ポジ型感光性組成物

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10563596 1996-04-25
JP17132796 1996-07-01
JP10192497 1997-04-18
JP8-171327 1997-04-18
JP9-101924 1997-04-18
JP8-105635 1997-04-18
JP10952697A JP3907135B2 (ja) 1996-04-25 1997-04-25 ポジ型感光性組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH112901A JPH112901A (ja) 1999-01-06
JP3907135B2 true JP3907135B2 (ja) 2007-04-18

Family

ID=27468966

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10952697A Expired - Fee Related JP3907135B2 (ja) 1996-04-25 1997-04-25 ポジ型感光性組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3907135B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3285086B2 (ja) 1999-05-20 2002-05-27 日本電気株式会社 化学増幅型レジスト組成物
JP4557115B2 (ja) * 2000-03-07 2010-10-06 信越化学工業株式会社 化学増幅ポジ型レジスト材料
WO2003045915A1 (fr) 2001-11-30 2003-06-05 Wako Pure Chemical Industries, Ltd. Compose de bisimide, generateur d'acide et composition de reserve contenant ledit compose, procede de formation de motif au moyen de ladite composition
WO2015146053A1 (ja) * 2014-03-24 2015-10-01 サンアプロ株式会社 イミドスルホネート化合物、光酸発生剤及びフォトリソグラフィー用樹脂組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JPH112901A (ja) 1999-01-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3587325B2 (ja) ポジ型感光性組成物
JP3613491B2 (ja) 感光性組成物
JP3679205B2 (ja) ポジ型感光性組成物
JP3591672B2 (ja) ポジ型感光性組成物
US5891603A (en) Positive working photosensitive composition
JPH0954437A (ja) 化学増幅型ポジレジスト組成物
EP0795786A2 (en) Positive photosensitive composition
JP3773139B2 (ja) ポジ型感光性組成物
JP3954233B2 (ja) ポジ型フォトレジスト組成物
JP3802179B2 (ja) ポジ型フォトレジスト組成物
JPH09309874A (ja) ポジ型感光性組成物
JPH1010715A (ja) ポジ型感光性組成物
JPH10123703A (ja) ポジ型感光性組成物
JPH09258435A (ja) ポジ型感光性組成物
JP3778391B2 (ja) ポジ型感光性組成物
JP3890358B2 (ja) ポジ型感光性樹脂組成物及びパターン形成方法
JP3741330B2 (ja) ポジ型フォトレジスト組成物及びそれを用いるパターン形成方法
KR100458398B1 (ko) 화학증폭형포지티브레지스트조성물
JP3813721B2 (ja) ポジ型感光性組成物
JPH11109631A (ja) ポジ型感光性組成物
JP3907135B2 (ja) ポジ型感光性組成物
JPH11295895A (ja) ポジ型フォトレジスト組成物
JP3890375B2 (ja) ポジ型感光性組成物
JP3746854B2 (ja) 感光性組成物
JPH11153870A (ja) ポジ型感光性組成物

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060324

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060707

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060712

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060911

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061004

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20061124

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061130

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070110

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070115

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110126

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110126

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120126

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120126

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130126

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130126

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140126

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees