JP3906754B2 - クランク軸受 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関のクランク軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の内燃機関のシリンダブロックは、シリンダブロック長手方向と直交する方向の荷重を受けると、弾性曲げ変形を生じて、ジャーナル軸受部の軸受メタル装着穴の同軸度および軸受メタル穴の同軸度が悪化する(たとえば、特開平9−269004号公報)。したがって、シリンダヘッド、シリンダヘッドガスケットをシリンダブロックに組み付ける前に、シリンダブロック単体で、全ジャーナル軸受部の軸受メタル装着穴を機械加工し、全ジャーナル軸受部の軸受メタル装着穴の同軸度を出したシリンダブロックでは、シリンダヘッドガスケット、シリンダヘッドを組み付けると、シリンダブロックの弾性変形により、軸受メタル装着穴の同軸度および軸受メタル穴の同軸度が悪化する。そのため、悪化度合いによっては、クランク軸が回転する時の摩擦は非常に大きくなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
シリンダヘッド組み付け時のシリンダボア変形改善法におけるダミーヘッド組み付け加工と同じ考え方で、シリンダブロックの機械加工時に、ダミーのシリンダヘッドをシリンダブロックに組み付けた状態でシリンダブロックの全ジャーナル軸受部の軸受メタル装着穴を機械加工すれば、エンジン組み立て後の、すなわち、シリンダヘッドガスケットおよびシリンダヘッド組み付け後の全ジャーナル軸受部の軸受メタル穴の同軸度が良好になると考えられる。
しかし、ダミーのシリンダヘッドを組み付けてのシリンダブロックの軸受メタル装着穴の加工では、つぎの問題が生じる。
▲1▼ 加工ラインにダミーのシリンダヘッド組み付け・取外し工程が追加され、ラインが複雑、かつ、設備投資大となる。
▲2▼ 軸受メタル装着穴を加工した後ダミーのシリンダヘッドが外されてシリンダブロックが単体にある段階では、シリンダブロックの軸受メタル装着穴の同軸度が悪く、同軸度が悪い状態を基準としてシリンダブロックの軸受メタル装着穴の管理(加工精度の確認)をすることは困難であり、加工ラインおよび市場サービス時のシリンダブロックの品質補償が難しく、実質的には、無管理にせざるを得ない。
本発明の目的は、(ダミーではなく実際の)シリンダヘッドガスケット、シリンダヘッドをシリンダブロックに組み付けた状態で全ジャーナル軸受部の軸受メタル穴の同軸度が確保され得るクランク軸受を提供することにある。
本発明のもう一つの目的は、(ダミーではなく実際の)シリンダヘッドガスケット、シリンダヘッドをシリンダブロックに組み付けた状態で全ジャーナル軸受部の軸受メタル穴の同軸度が確保され、かつ、シリンダヘッド、シリンダヘッドガスケットがシリンダブロックに組み付けられていない状態で全ジャーナル軸受部の軸受メタル装着穴(軸受メタルを外した穴)の同軸度が従前通りに確保されるクランク軸受を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明はつぎの通りである。
同軸に配置された複数のジャーナル軸受部を有し、各ジャーナル軸受部が、シリンダブロックとそれに装着されたキャップに形成された軸受メタル装着穴と、該軸受メタル装着穴に装着されたメタルアッパとメタルロアからなる軸受メタルとを有し、シリンダヘッド、シリンダヘッドガスケット組み付け前には全てのジャーナル軸受部の軸受メタル装着穴が同軸であり、シリンダヘッド、シリンダヘッドガスケット組み付けられた時にはシリンダブロックの弾性曲げ変形により少なくとも一部のジャーナル軸受部の軸受メタル装着穴の中心が同一の基準の直線から該基準の直線と直交する方向にずれているクランク軸受であって、
シリンダヘッド、シリンダヘッドガスケット組み付けられた時には軸受メタル装着穴の中心が前記基準の直線から該基準の直線と直交する方向にずれているジャーナル軸受部では、メタルアッパとメタルロアのうち前記軸受メタル装着穴のずれの方向と同じ方向に位置するメタルの前記ずれの方向と平行な方向の厚さが前記軸受メタル装着穴の中心の前記基準の直線からのずれ量だけ厚くされ、メタルアッパとメタルロアのうち前記軸受メタル装着穴のずれの方向と反対方向に位置するメタルの前記ずれの方向と平行な方向の厚さが前記軸受メタル装着穴の中心の前記基準の直線からのずれ量だけ薄くされた軸受メタルが装着されることによって、シリンダヘッド、シリンダヘッドガスケットが組み付けられた時には軸受メタル孔が全ジャーナル軸受部にわたって同軸となっている、クランク軸受。
【0005】
上記の本発明のクランク軸受では、ダミーのシリンダヘッドを組み付けることなく、シリンダブロック単体で、全ジャーナル軸受部の軸受メタル装着穴を同軸に機械加工する。全ジャーナル軸受部の軸受メタル装着穴に、従来の軸受メタルを装着すると、シリンダブロック単体の段階では、全ジャーナル軸受部の軸受メタル穴は同軸となる。この段階で、同軸の全ジャーナル軸受部の軸受メタルにクランク軸を装着して回転させても摩擦は小であり、管理(加工精度の確認)は従来同様に容易である。
実際のシリンダヘッド、シリンダヘッドガスケットをシリンダブロックに組み付け締結すると、シリンダブロックは弾性曲げ変形して、少なくとも一部のジャーナル軸受部の軸受メタル装着穴の中心が同一の基準の直線から該基準の直線と直交する方向にずれる。ずれ分をαとする。各ジャーナル軸受部のαの大きさは異なってもよい。本発明のクランク軸受では、軸受メタル装着穴に装着される軸受メタルの、メタルアッパとメタルロアの上記ずれの方向と平行な方向の厚みを肉厚狙い値(従来の場合の肉厚狙い値)からα分変えてあるので、軸受メタル穴は全ジャーナル軸受部にわたって同軸となり、この軸受メタル穴に装着されるクランク軸の回転摺動摩擦は小であり、従来に比べて摩擦ロスを低減できる。
これによって、シリンダブロックの加工を従来と変えずに、軸受メタルを変えるだけで、内燃機関運転時のクランク軸の摩擦ロスを低減できる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施例に係るクランク軸受を、図1〜図8を参照して説明する。
図6、図7は、本発明の実施例に係るクランク軸受が適用される内燃機関のシリンダブロックの一例を示している。図示例はV型(左右バンクがV字状をなす)6気筒エンジンのシリンダブロック1を示しており、図7の、左右の上面にシリンダヘッドガスケット、シリンダヘッドが組み付けられて左右のバンクを構成し、各シリンダヘッドは、シリンダブロック1にボルトにより締結される。ただし、本発明のクランク軸受が適用されるエンジンは、V型6気筒エンジンに限られるものではなく、6気筒以外のV型エンジンでもよいし、あるいはV型でなく直列複数気筒エンジンでもよい。
【0007】
シリンダブロック1には、クランク軸を回転自在に支持するための、複数のジャーナル軸受部2が設けられる。複数のジャーナル軸受部2は、シリンダブロック長手方向に、互いに間隔をおいて配置されている。各ジャーナル軸受部2は、シリンダブロックとそれに装着されたキャップ3に形成された軸受メタル装着穴4と、軸受メタル装着穴4に装着された軸受メタル5とを有している。
各軸受メタル5は、図1に示すように、メタルアッパ6とメタルロア7からなり、メタルアッパ6は軸受メタル装着穴4のうちシリンダブロック1に形成された部分に装着され、メタルロア7は軸受メタル装着穴4のうちキャップ3に形成された部分に装着される。図1において、5aは位置決め用の爪、5bは潤滑オイルの供給穴、5cは潤滑オイルの供給溝である。
【0008】
シリンダヘッドおよびシリンダヘッドガスケットがシリンダブロック1に組み付けられていない時(シリンダヘッド、シリンダヘッドガスケット組み付け前)には、図6に示すように、全ジャーナル軸受部2の軸受メタル装着穴4は互いに同軸であり、同軸の軸芯8を有する。
また、シリンダヘッド、シリンダヘッドガスケットがシリンダブロック1に組み付けられた時(シリンダヘッド、シリンダヘッドガスケット組み付け時)には、図8に示すように、シリンダブロック1の弾性曲げ変形により、少なくとも一部のジャーナル軸受部2の軸受メタル装着穴4の中心が同一の基準の直線10から該基準の直線10と直交する方向にずれる。このずれ量をαとする。
基準の直線10は、上記の同軸の軸芯8と一致する直線であってもよいし、同軸の軸芯8と平行な直線であってもよいし、あるいは同軸の軸芯8と平行でかつ同軸の軸芯8から傾いた直線であってもよい(ただし、傾きはクランク軸の回転の摩擦力を上げない程度の微小の傾きとする)。αの大きさはジャーナル軸受部2で変わってもよい。1番ジャーナルのαをα1 、2番ジャーナルのαをα2 、3番ジャーナルのαをα3 、4番ジャーナルのαをα4 とすると、α1 、α2 、α3 、α4 は同一の値でなくてもよい。αの大きさはエンジンの種類、シリンダブロック剛性、ヘッドガスケット諸元等によって異なるが、V型6気筒エンジンのシリンダブロックの場合10〜50μm程度である。なお、図中、符号11は、シリンダヘッド、シリンダヘッドガスケット組み付け時の、シリンダブロックの弾性曲げ変形による、軸受メタル装着穴4の中心を結ぶ曲線を示している。
たとえば、図3、図4、図8は、シリンダブロック長手方向中央部に位置する2つのジャーナル軸受部2の軸受メタル装着穴4の中心を通る直線を基準の直線10とした場合に、シリンダブロック長手方向両端に位置する2つのジャーナル軸受部2が、シリンダブロック長手方向中央部に位置する2つのジャーナル軸受部2の軸受メタル装着穴4の中心が基準の直線10から、直線10と直交する方向にαだけずれた状態を示している。
【0009】
シリンダヘッド、シリンダヘッドガスケット組み付け時に軸受メタル装着穴4の中心が基準の直線10から基準の直線10と直交する方向(図3、図4、図8の例では上下方向)にずれるジャーナル軸受部2に装着される軸受メタル5では、メタルアッパ6とメタルロア7のうち軸受メタル装着穴4のずれの方向と同じ方向に位置するメタル(図3、図4、図8の例ではメタルアッパ6)の上記ずれの方向と平行な方向(図3、図4、図8の例では上下方向)の厚さが、軸受メタル装着穴4の中心の、基準の直線10からのずれ量αだけ厚くされ、メタルアッパ6とメタルロア7のうち軸受メタル装着穴4のずれの方向と反対方向に位置するメタル(図3、図4、図8の例ではメタルロア7)の上記ずれの方向と平行な方向(図3、図4、図8の例では上下方向)の厚さが、軸受メタル装着穴4の中心の、基準の直線10からのずれ量αだけ薄くされている(図1参照)。
【0010】
言い換えれば、シリンダヘッド、シリンダヘッドガスケット組み付け時に軸受メタル装着穴4の中心が基準の直線10から基準の直線10と直交する方向にずれるジャーナル軸受部2に装着される軸受メタル5の内周面(軸受メタル穴9)の軸芯を、軸受メタル5の外周面の軸芯に対して、軸芯と直交する方向に、軸受メタル装着穴4の中心の、基準の直線10からのずれα分だけ、該ずれの方向と反対方向にずらす。
【0011】
図2、図3、図4の例は、ジャーナル軸受部2(エンジンフフロント(Fr)側から順に1番ジャーナル、2番ジャーナル、3番ジャーナル、4番ジャーナル)のうちシリンダブロック長手方向にみて中央に位置するジャーナル軸受部2(2番ジャーナル、3番ジャーナル)の軸受メタル装着穴(軸受メタルが無い、シリンダブロックに形成された穴)4の中心を通る直線を基準の直線10にとった場合を示す。基準の直線10は、シリンダヘッド、シリンダヘッドガスケット組み付け前の複数のジャーナル軸受部2の軸受メタル装着穴4の同軸の軸芯8と一致するかまたは平行な直線である。
図2、図3、図4の例では、シリンダヘッド、シリンダヘッドガスケット組み付け時には、複数のジャーナル軸受部2のうち両端に位置するジャーナル軸受部2(1番ジャーナル、4番ジャーナル)の軸受メタル装着穴4の中心は、基準の直線10からαだけ上方にずれている。
【0012】
そして、図1、図3に示すように、軸受メタル装着穴4の中心が基準の直線10からαだけ上方にずれたジャーナル軸受部(1番ジャーナル、4番ジャーナル)の軸受メタル装着穴4に装着される軸受メタル5は、メタルアッパ6の厚みが上下方向にαだけ厚くされ、メタルロア7の厚みが上下方向にαだけ薄くされている。これによって、軸受メタル穴9の軸芯はメタル外周面の軸芯に対して下方にαだけずれ、軸受メタル穴9の中心は基準の直線10上にくる。
軸受メタル装着穴4が基準の直線10からずれないジャーナル軸受部(図2、図3、図4の例では、シリンダブロック長手方向にみてジャーナル軸受部列の中央に位置する2番ジャーナル、3番ジャーナル)の軸受メタル装着穴4に装着される軸受メタル5は、メタルアッパ6もメタルロア7も厚みは変えられず(従来と同じ厚みのまま)、したがって、全ジャーナル軸受部2の軸受メタル穴9の中心は、図3に示すように、基準の直線10上にある。
これによって、全ジャーナル軸受部2について、軸受メタル穴9の中心が基準の直線10上に位置することとなり、クランク軸を基準の直線10上で回転自在に支持できるようになる。
【0013】
なお、基準の直線10の、ジャーナル軸受部2に対する位置は、任意に選定できる。
たとえば、図2〜図4、図8の例では、図5の(イ)に示すように、シリンダブロック長手方向にみてジャーナル軸受部列の中央のジャーナル軸受部2(2番ジャーナル、3番ジャーナル)の軸受メタル装着穴4の中心を通る直線を基準の直線10に選定して、両端(1番ジャーナル、4番ジャーナル)のジャーナル軸受部2の軸受メタル5の厚さを変える(軸受メタル5の内周の中心を外周の中心に対して下方にずらす)ようにした。
それに代えて、図5の(ロ)に示すように、両端に位置するジャーナル軸受部2の軸受メタル装着穴4の中心を通る直線を基準の直線10に選定して、両端ジャーナル軸受部の軸受メタルの厚さは従来のままにして、中央(2番ジャーナル、3番ジャーナル)のジャーナル軸受部2の軸受メタル5の厚さを図5(イ)の場合と逆方向に変える(メタルアッパを薄くし、メタルロアを厚くする)ようにしてもよい。
あるいは、図5の(ハ)に示すように、両端に位置するジャーナル軸受部2の軸受メタル装着穴4の中心と、中央に位置するジャーナル軸受部2の軸受メタル装着穴4の中心との中間を通る直線を基準の直線10に選定して、両端(1番ジャーナル、4番ジャーナル)のジャーナル軸受部2の軸受メタル5の内周の軸芯をα/2分(または、α/n。ここで、nは1以上の数で、整数とは限らない。)分外周の軸芯に対して下方にずらし、中央部(2番ジャーナル、3番ジャーナル)のジャーナル軸受部2の軸受メタル5の内周の軸芯をα/2分(または、(n−1)α/n)分外周の軸芯に対して上方にずらすようにしてもよい。
なお、図5の(ニ)に示すように、各ジャーナル軸受部2でαの値、α1 、α2 、α3 、α4 は変わってもよい。また、ジャーナル軸受部2の数は4でも、4以外でもよい。
【0014】
つぎに、作用を説明する。
本発明の実施例のクランク軸受では、ダミーシリンダヘッドを組み付けることなく、シリンダブロック単体で、全ジャーナル軸受部2の軸受メタル装着穴4を同軸に機械加工する。同軸のため、従来同様に全軸受メタル装着穴4を同一の工具の直線送りで一度に加工でき、シリンダブロック単体段階での軸受メタル装着穴4の機械加工とその管理(加工精度の確認)は容易である。
全ジャーナル軸受部2の軸受メタル装着穴4に、全周にわたって均一厚さとされたダミーの軸受メタルを装着すると、シリンダブロック単体の段階(シリンダヘッドを組み付けない段階)では、全ジャーナル軸受部の軸受メタル穴は同軸となる。この段階で、同軸の全ジャーナル軸受部の軸受メタルにクランク軸を装着して回転させても摩擦は小である。その結果、シリンダブロック単体での軸受メタル装着穴4の管理は従来通り容易である。もしダミーヘッド付きで加工すると、シリンダブロック単体では同軸度が崩れることになり、管理が難しくなる。
【0015】
エンジン組立工場で、実際のシリンダヘッド、シリンダヘッドガスケットをシリンダブロック1に組み付け締結すると、シリンダブロック1は弾性曲げ変形して、図4に示すように、少なくとも一部のジャーナル軸受部2の軸受メタル装着穴4が基準の直線10(シリンダヘッドを組み付けない状態で全ジャーナル軸受部の中心を通る軸芯)から基準の直線10と直交する方向にずれる。ずれ分をαとする。
【0016】
しかし、軸受メタル装着穴4に装着される軸受メタル5の、メタルアッパ6とメタルロア7の上記ずれの方向と平行な方向の厚みを肉厚狙い値(肉厚が全周にわたって同じ場合の肉厚狙い値)からα分変えてあるので、たとえば図3の例ではシリンダブロック長手方向両端にある1番ジャーナル、4番ジャーナルのメタルアッパ6の上下方向厚さをαだけ厚くするとともにメタルロア7の上下方向厚さをαだけ薄くし、シリンダブロック長手方向中央部にある2番ジャーナル、3番ジャーナルのメタルアッパ6、メタルロア7の厚さは従来の厚さ(均一厚さ)のままとしてあるので、軸受メタル穴9は全ジャーナル軸受部2にわたって同軸となり(全軸受メタル穴9の中心が基準の直線10に位置するようになり)、この軸受メタル穴9に装着されるクランク軸の回転摺動摩擦は小であり、従来に比べて摩擦ロスを低減できる。
【0017】
言い換えれば、軸受メタル装着穴4に装着される軸受メタル5の、内周面(軸受メタル穴9)の軸芯を軸受メタル外周面の軸芯に対してα分ずらしてある(内外周を、α分、互いに偏芯させてある)ので、軸受メタル穴9は全ジャーナル軸受部2にわって同軸となり、この軸受メタル穴9に装着されるクランク軸の回転摺動摩擦は小であり、従来に比べて摩擦ロスを低減できる。
【0018】
これによって、軸受メタル装着穴4は全ジャーナル軸受部2にわたって同軸加工としてシリンダブロックの加工を従来と変えずに、軸受メタル9の上下方向厚さをα分変えるだけで(言い換えれば、軸受メタル9の内外周を、α分、互いに偏芯させるだけで)、内燃機関運転時のクランク軸の回転の摩擦ロスを低減できる。
【0019】
【発明の効果】
請求項1のクランク軸受によれば、シリンダヘッド、シリンダヘッドガスケット組み付け時に軸受メタル装着穴の中心が基準の直線から基準の直線と直交する方向にずれるジャーナル軸受部に装着される軸受メタルでは、メタルアッパとメタルロアのうち、軸受メタル装着穴のずれの方向と同じ方向に位置するメタルの、ずれの方向と平行な方向の厚さが軸受メタル装着穴の中心の、基準の直線からのずれ量だけ厚くされ、メタルアッパとメタルロアのうち、軸受メタル装着穴のずれの方向と反対方向に位置するメタルの、ずれの方向と平行な方向の厚さが軸受メタル装着穴の中心の、基準の直線からのずれ量だけ薄くされたので、シリンダヘッド、シリンダヘッドガスケットをシリンダブロックに組み付けた状態で全ジャーナル軸受部の軸受メタル穴の同軸度が確保される。また、シリンダヘッドガスケット、シリンダヘッド、シリンダブロックが組み付けられていない状態では全ジャーナル軸受部の軸受メタル装着穴(軸受メタルを外した穴)の同軸度が従来同様に確保されているので、軸受メタル装着穴の加工と加工ラインおよび市場サービス時の管理、品質保証は、従来と同様に容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のクランク軸受の軸受メタルの斜視図である。
【図2】本発明の一実施例のV6エンジンのシリンダブロックにおける、各ジャーナル軸受部(1番ジャーナル、2番ジャーナル、3番ジャーナル、4番ジャーナル)の軸受中心位置と、ずれを示すグラフである。
【図3】本発明の一実施例のV6エンジンのシリンダブロックにおける、シリンダヘッド、シリンダヘッドガスケット組み付け時の、各ジャーナル軸受部の軸受メタル装着穴と軸受メタル穴の位置関係を示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施例のV6エンジンのシリンダブロックにおける、シリンダヘッド、シリンダヘッドガスケット組み付け時の、各ジャーナル軸受部の軸受メタル装着穴の位置関係を示す斜視図である。
【図5】シリンダヘッド、シリンダヘッドガスケット組み付け時の、各ジャーナル軸受部の軸受メタル装着穴の種々の変位モードにおける、基準の直線の種々の位置を示す図である。
【図6】一般のV6エンジンのシリンダブロックの左側面図(下半分は断面図)である。
【図7】図6のV6エンジンのシリンダブロックのフロント側の正面図である。
【図8】エンジンシリンダブロックの、シリンダヘッド、シリンダヘッドガスケット組み付け時の弾性曲げ変形のモードを示す概略側面図である。
【符号の説明】
1 シリンダブロック
2 ジャーナル軸受部
3 キャップ
4 軸受メタル装着穴
5 軸受メタル
6 メタルアッパ
7 メタルロア
8 シリンダヘッド、シリンダヘッドガスケット組み付け前の全ジャーナル軸受部の軸受メタル装着穴中心を通る同軸の軸芯
9 軸受メタル穴
10 基準の直線(シリンダヘッド、シリンダヘッドガスケット組み付け時には、全軸受メタル穴の軸芯となる)
11 シリンダヘッド、シリンダヘッドガスケット組み付け時の、軸受メタル装着穴の中心を結ぶ曲線

Claims (1)

  1. 同軸に配置された複数のジャーナル軸受部を有し、各ジャーナル軸受部が、シリンダブロックとそれに装着されたキャップに形成された軸受メタル装着穴と、該軸受メタル装着穴に装着されたメタルアッパとメタルロアからなる軸受メタルとを有し、シリンダヘッド、シリンダヘッドガスケット組み付け前には全てのジャーナル軸受部の軸受メタル装着穴が同軸であり、シリンダヘッド、シリンダヘッドガスケット組み付けられた時にはシリンダブロックの弾性曲げ変形により少なくとも一部のジャーナル軸受部の軸受メタル装着穴の中心が同一の基準の直線から該基準の直線と直交する方向にずれているクランク軸受であって、
    シリンダヘッド、シリンダヘッドガスケット組み付けられた時には軸受メタル装着穴の中心が前記基準の直線から該基準の直線と直交する方向にずれているジャーナル軸受部では、メタルアッパとメタルロアのうち前記軸受メタル装着穴のずれの方向と同じ方向に位置するメタルの前記ずれの方向と平行な方向の厚さが前記軸受メタル装着穴の中心の前記基準の直線からのずれ量だけ厚くされ、メタルアッパとメタルロアのうち前記軸受メタル装着穴のずれの方向と反対方向に位置するメタルの前記ずれの方向と平行な方向の厚さが前記軸受メタル装着穴の中心の前記基準の直線からのずれ量だけ薄くされた軸受メタルが装着されることによって、シリンダヘッド、シリンダヘッドガスケットが組み付けられた時には軸受メタル孔が全ジャーナル軸受部にわたって同軸となっている、クランク軸受。
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