JP3906645B2 - エンジンの補器冷却装置 - Google Patents

エンジンの補器冷却装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの補器冷却装置に係り、特に手動式始動装置を備えた縦型クランクエンジンの補器冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
クランクシャフトを縦方向に配置した、例えば船外機等に搭載されるエンジンには、エンジン上方に突出したクランクシャフトの上端にフライホイール・マグネト装置を備えたものがある。
【0003】
また、マグネト装置が外磁石方式の場合、点火系駆動ユニットを内蔵したエンジンの補器であるイグナイタをフライホイールの外周面に隣接配置している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、エンジンカバー内への海水等の侵入を防止する目的で吸気口をエンジンカバーの上部ではなく下部に設けた船外機の場合、エンジンによって高温に熱せられたエンジンカバー内の空気がエンジンカバー内上部、すなわちイグナイタの周囲に溜まってしまう。
【0005】
そして、イグナイタはフライホイールに隣接配置するためにエンジン本体、例えばシリンダブロックに取り付けられ、エンジン本体の伝導熱を受けると共に、上述した高温の空気にも晒されてしまう。
【0006】
イグナイタを含む電子機器は高温に弱いため、上述した周辺環境は好ましいものではない。
【0007】
本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、イグナイタ等のエンジン補器周辺の雰囲気温度の低下を図ったエンジンの補器冷却装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るエンジンの補器冷却装置は、上述した課題を解決するために、請求項1に記載したように、内部にクランクシャフトを縦方向に配置し、エンジン上方に突出した上記クランクシャフトの上端にフライホイールを備えると共に、このフライホイールに隣接して補器を配置したエンジンにおいて、上記フライホイールを覆うカバー部材に上記補器の上面および側面を覆う延設部を形成すると共に、上記フライホイールにベンチレーション機構を設け、上記フライホイールの回転によって上記ベンチレーション機構が上記カバー部材内に空気を導いたのち、この空気を冷却風として上記延設部を介して上記補器に導き、上記延設部の排風口から排出するように構成する一方、上記延設部に排風ダクトを設け、この排風ダクトを上記エンジンを覆うエンジンカバーに形成された排気口まで延設し、上記排風ダクトの下流端に排風口を設けたものである。
【0009】
また、上述した課題を解決するために、請求項2に記載したように、内部にクランクシャフトを縦方向に配置し、エンジン上方に突出した上記クランクシャフトの上端にフライホイールを備えると共に、このフライホイールに隣接して補器を配置したエンジンにおいて、上記フライホイールを覆うカバー部材に上記補器の上面および側面を覆う延設部を形成すると共に、上記フライホイールにベンチレーション機構を設け、上記フライホイールの回転によって上記ベンチレーション機構が上記カバー部材内に空気を導いたのち、この空気を冷却風として上記延設部を介して上記補器に導き、上記延設部の排風口から排出するように構成する一方、放熱板を上記補器固定用のボルトで上記補器と共締めしたものである。
【0010】
また、上述した課題を解決するために、請求項3に記載したように、内部にクランクシャフトを縦方向に配置し、エンジン上方に突出した上記クランクシャフトの上端にフライホイールを備えると共に、このフライホイールに隣接して補器を配置したエンジンにおいて、上記フライホイールを覆うカバー部材に上記補器の上面および側面を覆う延設部を形成すると共に、上記フライホイールにベンチレーション機構を設け、上記フライホイールの回転によって上記ベンチレーション機構が上記カバー部材内に空気を導いたのち、この空気を冷却風として上記延設部を介して上記補器に導き、上記延設部の排風口から排出するように構成する一方、上記カバー部材に手動式のエンジン始動装置を設け、上記フライホイールの上面に上記エンジン始動装置操作時にその係合部が係合する環状の駆動用突起を上記フライホイールと同心上に上方に向かって設け、この駆動用突起の側面に複数個のフィンを配置したものである。
【0011】
さらに、上述した課題を解決するために、請求項4に記載したように、内部にクランクシャフトを縦方向に配置し、エンジン上方に突出した上記クランクシャフトの上端にフライホイールを備えると共に、このフライホイールに隣接して補器を配置したエンジンにおいて、上記フライホイールを覆うカバー部材に上記補器の上面および側面を覆う延設部を形成すると共に、上記フライホイールにベンチレーション機構を設け、上記フライホイールの回転によって上記ベンチレーション機構が上記カバー部材内に空気を導いたのち、この空気を冷却風として上記延設部を介して上記補器に導き、上記延設部の排風口から排出するように構成する一方、上記エンジンを覆うエンジンカバー内に上記エンジンに隣接して燃料タンクを配置し、この燃料タンク下部の上記エンジンカバーに吸気口を形成すると共に、上記燃料タンク近傍の上記カバー部材に空気導入口を形成し、上記フライホイールの回転によって空気を上記燃料タンクの周囲を経由させて上記カバー部材内に導いた後に上記補器を冷却するように構成したものである。
【0012】
さらにまた、上述した課題を解決するために、請求項5に記載したように、上記エンジンの上面に上記補器固定用のボスを突設し、このボスにリブを一体に形成すると共に、上記リブを上記延設部の側壁と同方向に向かって延設したものである。
【0013】
そして、上述した課題を解決するために、請求項6に記載したように、上記カバー部材の進行方向前側に吸気口を形成したものである。
【0014】
そしてまた、上述した課題を解決するために、請求項7に記載したように、上記エンジンカバー内に上記エンジンに隣接して燃料タンクを配置すると共に、上記カバー部材を、上記補器および上記燃料タンクの両方に冷却風を導く構造としたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1は、本発明に係る船外機の一例を示す右側面図である。図1に示すように、この船外機1はその最上部に箱状のエンジンカバー2を有し、その内部にバーティカル型(縦形)エンジン3が収納される。エンジン3の前下部(図1における右側)からはステアリングハンドル4が前方に向かって延び、その先端にエンジン出力調整用のスロットルグリップ5が設けられる。
【0018】
また、エンジンカバー2は上下に分割可能に形成され、上側のアッパーカバー2aと下側のロアカバー2bとから構成される。ロアカバー2bの下部にはドライブシャフトハウジング6が設けられ、このドライブシャフトハウジング6の下部にギヤケース7が設けられる。ギヤケース7の内部にはプロペラシャフト8が軸支され、その後端にプロペラ9が設けられる。
【0019】
図2は、船外機1の、本発明の第一実施形態を示すエンジン3部分の縦断面図であり、図3は同エンジン3の平面図である。図1および図2に示すように、エンジン3内にはクランクシャフト10がほぼ鉛直方向を向くよう縦置き(バーティカル)に設けられる。
【0020】
ドライブシャフトハウジング6内にはクランクシャフト10下端に連結されたドライブシャフト11が下方に向かって延び、ドライブシャフト11の下端がベベルギヤ12を介してプロペラシャフト8に連結される。エンジン3の出力、すなわちクランクシャフト10の回転はドライブシャフト11およびベベルギヤ12を経てプロペラシャフト8に伝達され、プロペラ9を回転させる。
【0021】
ドライブシャフトハウジング6の上部はクランプブラケット13の回転支持部13aに回転自在に支持されると共に、このクランプブラケット13は船舶14のトランサム14aに固定される。すなわち、船外機1は船舶14に対しほぼ360°に亘って回転可能に設けられ、ステアリングハンドル4を水平方向に振ることにより船外機1全体の向きを変えて船舶14の操舵を行うことができるように構成される。
【0022】
一方、本実施形態に用いられるエンジン3は例えば4サイクル単気筒エンジンであり、図2および図3に示すように、エンジン3は船外機1の前側(図における右側)に配置される上下に分割式のクランクケース15と、このクランクケース15の後側(図における左側)に配置され、クランクケース15の上側部分と一体に形成されるシリンダブロック16と、このシリンダブロック16の後側(図における左側)に配置されるシリンダヘッド17とから構成される。そして、このエンジン3は、ドライブシャフトハウジング6の上端部に設けられたエクステンションケース18上に固定される。
【0023】
シリンダブロック16は、その後方(図における左側)に向かってクランクシャフト10に直交する方向に延びる筒状のシリンダスリーブ19を備えると共に、シリンダヘッド17の後部は開口されてその内部に動弁室20を形成し、シリンダヘッドカバー21によって塞がれる。また、シリンダヘッド17にはシリンダスリーブ19に整合する燃焼室22が形成される。なお、詳細には図示しないが、燃焼室22には外方から点火プラグ23(図3参照)が結合される。
【0024】
シリンダスリーブ19内にはピストン24が摺動自在に挿入される。このピストン24とクランクシャフト10とはコンロッド25によって連結され、これによりシリンダスリーブ19内におけるピストン24の往復運動がクランクシャフト10の回転運動に変換される。そして、クランクシャフト10の上端には発電用のフライホイール・マグネト装置26と、ロープ・リコイル型の手動式エンジン始動装置27が設けられる。
【0025】
シリンダヘッド17内には燃焼室22に繋がる吸気ポート28と排気ポート29とが形成される。また、シリンダヘッド17内には両ポートを開閉する吸気バルブ30および排気バルブ31が配置される。
【0026】
排気ポート29はシリンダヘッド17内をエクステンションケース18に向かって下方に延び、このエクステンションケース18内に形成される排気通路32からドライブシャフトハウジング6内を経て排気ガスを機外に排出するように構成される。また、シリンダブロック16の上部には吸気装置33を構成するキャブレタ34が配置され、その下流側がインレットパイプ35を介してシリンダヘッド17の上面に開口する吸気ポート28に接続されると共に、キャブレタ34の上流側にはサイレンサ36が接続される。
【0027】
前記フライホイール・マグネト装置26は例えば外磁石方式のものであって、エンジン3の上方に突出したクランクシャフト10の上端に回転一体に設けられる円盤状のフライホイール37と、このフライホイール37の外周面に隣接配置される点火系駆動ユニットを内蔵したエンジン3の補器であるイグナイタ38とから構成される。
【0028】
イグナイタ38は、シリンダブロック16の上面に突設されたボス39に例えばボルト40で固定されると共に、フライホイール・マグネト装置26は前記エンジン始動装置27が一体に設けられたカバー部材であるリコイルカバー41によって上方から覆われる。
【0029】
図4は、フライホイール・マグネト装置26の拡大平面図であり、図5は図4のV−V線に沿う断面図である。また、図6はフライホイール・マグネト装置26およびエンジン始動装置27の拡大縦断面図である。
【0030】
図4〜図6に示すように、フライホイール37の例えば上面にはベンチレーション機構42が設けられる。このベンチレーション機構42は例えばフライホイール37の中心を挟んで形成された一対の穴であって、フライホイール37の周方向側に形成される壁部43がフライホイールの回転方向、本実施形態においては時計回り、側に下る傾斜形状に形成され、図5および図6の矢印に示すように、フライホイール37が回転することによってフライホイール37下部の空気がフライホイール37上方に導かれるように構成される。なお、ベンチレーション機構42は他の周知技術を用いてもよい。
【0031】
リコイルカバー41はフライホイール37をその周囲に沿って覆う形状に形成されると共に、フライホイール37の上方には空間44が形成される。また、リコイルカバー41にはイグナイタ38の上面および側面を覆う延設部45が一体に形成される。さらに、延設部45のうち、イグナイタ38の側面を覆う壁部の一部はフライホイール37外周面の接線方向に延びて導風壁46を形成する。そして、延設部45のフライホイール37とは反対側は開口されて排風口47を形成する。
【0032】
一方、エンジン始動装置27の操作部48はアッパーカバー2aの上側前部に配置され、この操作部48からエンジン始動装置27の本体に向かって操作ケーブル49が延びる。そして、リコイルカバー41には操作ケーブル49の上面および側面を覆う延長部50が一体に形成される。この延長部50の端部はアッパーカバー2aの外部に船外機1の前方に向かって延び、吸気口51を形成する。
【0033】
フライホイール37が回転すると、エンジンカバー2内の空気がベンチレーション機構42によってクランクケース15上面とリコイルカバー41下面との間の隙間からフライホイール37上方に形成されたリコイルカバー41内の空間44に導かれる。この空気はフライホイール37の回転方向に沿って回転し、冷却風となって延設部45の導風壁46に導かれてイグナイタ38の周囲を通って排風口47からエンジンカバー2内に排出される。
【0034】
これらの作用によってイグナイタ38周辺の空気は確実に循環され、また、イグナイタ38を強制的に冷却してその機能、信頼度および寿命を向上させる。さらに、延設部45によってイグナイタ38に水がかかるのも防止できる。
【0035】
また、船舶14が前方に向かって走行すると新鮮な外気がリコイルカバー41の延長部50に設けられた吸気口51からリコイルカバー41内に強制的に導かれ、イグナイタ38の冷却効率を向上させることができる。
【0036】
図7および図8は本発明の第二実施形態を示すものであり、図7は船外機1のエンジン3部分の右側面図、図8は同エンジン3の平面図である。なお、第一実施形態と同一の構成部材には同一の符号を付して説明を省略する。
【0037】
図7および図8に示すように、この第二実施形態においてはリコイルカバー52の延設部53に排風ダクト54を設け、この排風ダクト54をロアカバー2bに形成される排気口55まで延設し、その下流端に排風口56を設けたものである。この構成により、イグナイタ38を冷却した冷却風はエンジンカバー2内に留まらず、エンジンカバー2外に放出されてエンジンカバー2内の雰囲気温度の上昇を防止する。
【0038】
図9および図10は本発明の第三実施形態を示すものであり、図9はフライホイール・マグネト装置26およびエンジン始動装置27の拡大縦断面図、図10は図9のX矢視図である。なお、第一実施形態と同一の構成部材には同一の符号を付して説明を省略する。
【0039】
図9および図10に示すように、このイグナイタ38には例えばアルミニウム板等の放熱板57がイグナイタ38の固定用ボルト40でイグナイタ38と共締めされたものである。放熱板57をイグナイタ38に取り付けることにより、イグナイタ38の冷却効率を向上させることができる。また、放熱板57をイグナイタ38と共締めすることにより部品点数を削減できる。なお、この実施形態に示すリコイルカバー41に第二実施形態同様排風ダクトを設けてもよい。
【0040】
図11および図12は本発明の第四実施形態を示すものであり、図11はクランクケース15およびクランクケース15の上側部分と一体に形成されたシリンダブロック16の平面図、図12は図11のXII矢視図である。なお、第一実施形態と同一の構成部材には同一の符号を付して説明を省略する。また、リコイルカバーは想像線(二点鎖線)で示す。
【0041】
図11および図12に示すように、シリンダブロック16の上面に突設されたイグナイタ38の固定用ボス39には縦方向に延びる板状のリブ58が一体に形成される。そして、このリブ58は延設部45の導風壁46と同方向に向かって延設される。このリブ58を設けることにより、イグナイタ38の下部に空気の流れを作ることができ、イグナイタ38の冷却効率を向上させることができる。
【0042】
また、リブ58によってボス39の表面積が増加し、フライホイール37が発生させる冷却風によってボス39自体の温度が低下される。その結果、エンジン3からイグナイタ38への伝導熱が低下する。さらに、ボス39にリブ58を設けることによりボス39の強度が増加する。
【0043】
図13および図14は本発明の第五実施形態を示すものであり、図13はフライホイール・マグネト装置26の平面図、図14は図13のXIV矢視図である。なお、第一実施形態と同一の構成部材には同一の符号を付して説明を省略する。
【0044】
図13および図14に示すように、フライホイール59の上面にはエンジン始動装置27操作時にその係合部60(例えば図6参照)が係合する環状のリコイル駆動用突起61がフライホイール59と同心上に上方に向かって一体に形成される。そして、このリコイル駆動用突起61の側面には複数個のフィン62が等間隔に配置される。
【0045】
フライホイール59の上方に導かれた空気はフライホイール59の回転に伴って回転するフィン62によって増速された冷却風となってイグナイタ38に導かれ、イグナイタ38の冷却効率を向上させる。
【0046】
図15〜図18は本発明の第六実施形態を示すものであり、図15は船外機1のエンジン3部分の縦断面図、図16は同エンジン3の平面図である。また、図17はリコイルカバーを想像線(二点鎖線)で示したフライホイール・マグネト装置26の拡大平面図であり、図18はフライホイール・マグネト装置26およびエンジン始動装置27の拡大縦断面図である。なお、第一実施形態と同一の構成部材には同一の符号を付して説明を省略する。
【0047】
図15〜図18に示すように、この船外機1はそのエンジン3前方のエンジンカバー2内空間に燃料タンク63を備え、その給油口64はアッパーカバー2a上方に突出してフューエルキャップ65により塞がれる。
【0048】
また、操作ケーブル49の上面および側面を覆う、すなわち下面が開放されたリコイルカバー41の延長部50を燃料タンク63の上方に配置し、フライホイール37上方の空間44と延長部50内の空間66とを連通させる。
【0049】
フライホイール37が回転すると、フライホイール37下部の空気がベンチレーション機構42によってフライホイール37上方に形成されたリコイルカバー41内の空間44に導かれ、冷却風となってその一部がイグナイタ38の周囲を通って排風口47からエンジンカバー2内に排出されると共に、他の一部はリコイルカバー41の延長部50下面から燃料タンク63に向かって排出され、燃料タンク63およびその内部の燃料(図示せず)を冷却する。
【0050】
図19〜図21は本発明の第七実施形態を示すものであり、図19は船外機1のエンジン3部分の縦断面図である。また、図20はリコイルカバーを想像線(二点鎖線)で示したフライホイール・マグネト装置26の拡大平面図であり、図21はフライホイール・マグネト装置26およびエンジン始動装置27の拡大縦断面図である。なお、この第七実施形態は上述した第六実施形態の変形例であり、第六実施形態と同一の構成部材には同一の符号を付して説明を省略する。
【0051】
図19〜図21に示すように、この船外機1もそのエンジン3前方のエンジンカバー2内空間に燃料タンク63を備え、その給油口64はアッパーカバー2a上方に突出してフューエルキャップ65により塞がれる。
【0052】
クランクケース65の上面にはリコイルカバー68の下縁に合致する立ち上がり壁69が形成され、クランクケース65上面とリコイルカバー68下面との間の隙間をなくす。そして、燃料タンク63直後のリコイルカバー68には空気導入口70が形成される。そして、ロアーケース2bの燃料タンク63直下には吸気口71が設けられる。
【0053】
クランクケース65上面とリコイルカバー68下面との間の隙間をなくしたことにより、フライホイール37の回転によって空気は燃料タンク63直後の空気導入口70からリコイルカバー68内に導かれる。また、燃料タンク63直下のロアーケース2bに吸気口71を設けたことにより、空気導入口70からリコイルカバー68内に導かれる空気は必然的に燃料タンク63の周囲を経由する。これにより燃料タンク63およびその内部の燃料が十分に冷却されると共に、リコイルカバー68内に導かれた空気はイグナイタ38を冷却する。
【0054】
いずれの実施形態においても、フライホイール37が回転することによってエンジン3の補器であるイグナイタ38や燃料タンク63の周囲に空気が導かれるので、エンジン3によって高温に熱せられたエンジンカバー2内の空気がエンジンカバー2内上部、すなわちイグナイタ38の周囲に溜まらず、イグナイタ38周辺の雰囲気温度の低下を図ることができる。
【0055】
なお、上述したいずれの実施形態においてもフライホイール・マグネト装置26をエンジン始動装置27が一体に設けられたリコイルカバー41で覆った例を示したが、エンジン始動装置27のない単なるマグネトカバー(図示せず)でもよい。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るエンジンの補器冷却装置によれば、内部にクランクシャフトを縦方向に配置し、エンジン上方に突出した上記クランクシャフトの上端にフライホイールを備えると共に、このフライホイールに隣接して補器を配置したエンジンにおいて、上記フライホイールをカバー部材で覆うと共に、上記補器の上面および側面を覆う延設部を上記カバー部材に形成する一方、上記フライホイールにベンチレーション機構を設け、上記フライホイールの回転によって上記ベンチレーション機構が上記カバー部材内に空気を導いたのち、この空気を冷却風として上記延設部を介して上記補器に導き、上記延設部の排風口から排出するように構成したため、部品点数を増加させることなく補器周辺に溜まる空気を循環でき、補器の冷却が可能になると共に、延設部によって補器に水がかかるのも防止できる。
【0057】
また、上記延設部に排風ダクトを設け、この排風ダクトを上記エンジンを覆うエンジンカバーに形成された排気口まで延設し、上記排風ダクトの下流端に排風口を設けたため、補器を冷却した後の空気がエンジンカバー外に放出され、エンジンカバー内の雰囲気温度の上昇を防止する。
【0058】
さらに、放熱板を上記補器固定用のボルトで上記補器と共締めしたため、補器の冷却効率が向上する。
【0059】
また、上記エンジンの上面に上記補器固定用のボスを突設し、このボスにリブを一体に形成すると共に、上記リブを上記延設部の側壁と同方向に向かって延設したため、補器の下部に空気の流れを作ることができ、補器の冷却効率が向上すると共に、リブによってボスの表面積が増加し、フライホイールが発生させる冷却風によってボス自体の温度が低下してエンジンから補器への伝導熱が低下する一方、リブによってボスの強度が増加する。
【0060】
さらにまた、上記カバー部材に手動式のエンジン始動装置を設けると共に、上記フライホイールの上面に上記エンジン始動装置操作時にその係合部が係合する環状の駆動用突起を上記フライホイールと同心上に上方に向かって一体に形成し、この駆動用突起の側面に複数個のフィンを配置したため、冷却風が増速されて補器の冷却効率が向上する。
【0061】
そして、上記カバー部材の進行方向前側に吸気口を形成したため、カバー部材内に導かれる外気によって補器の冷却効率が向上する。
【0062】
そしてまた、上記エンジンカバー内に上記エンジンに隣接して燃料タンクを配置すると共に、上記カバー部材を、上記補器および上記燃料タンクの両方に冷却風を導く構造としたため、補器と燃料タンクおよびその内部の燃料とを同じに冷却できる。
【0063】
また、上記エンジンカバー内に上記エンジンに隣接して燃料タンクを配置し、この燃料タンク下部の上記エンジンカバーに吸気口を形成する一方、上記燃料タンク近傍の上記カバー部材に空気導入口を形成し、上記フライホイールの回転によって空気を上記燃料タンクの周囲を経由させて上記カバー部材内に導いた後に上記補器を冷却するように構成したため、補器と燃料タンクおよびその内部の燃料とを同じに冷却できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエンジンの補器冷却装置の一実施形態を示す船外機の右側面図。
【図2】船外機の、本発明の第一実施形態を示すエンジン部分の縦断面図。
【図3】図2に示すエンジンの平面図。
【図4】フライホイール・マグネト装置の拡大平面図(第一実施形態)。
【図5】図4のV−V線に沿う断面図(第一実施形態)。
【図6】フライホイール・マグネト装置およびエンジン始動装置の拡大縦断面図(第一実施形態)。
【図7】船外機の、エンジン部分の右側面図(第二実施形態)。
【図8】図7に示すエンジンの平面図(第二実施形態)。
【図9】フライホイール・マグネト装置およびエンジン始動装置の拡大縦断面図(第三実施形態)。
【図10】図9のX矢視図(第三実施形態)。
【図11】クランクケースおよびシリンダブロックの平面図(第四実施形態)。
【図12】図11のXII矢視図(第四実施形態)。
【図13】フライホイール・マグネト装置の平面図(第五実施形態)。
【図14】図13のXIV矢視図(第五実施形態)。
【図15】船外機の、エンジン部分の縦断面図(第六実施形態)。
【図16】図15に示すエンジンの平面図(第六実施形態)。
【図17】フライホイール・マグネト装置の拡大平面図(第六実施形態)。
【図18】フライホイール・マグネト装置およびエンジン始動装置の拡大縦断面図(第六実施形態)。
【図19】船外機の、エンジン部分の縦断面図(第七実施形態)。
【図20】フライホイール・マグネト装置の拡大平面図(第七実施形態)。
【図21】フライホイール・マグネト装置およびエンジン始動装置の拡大縦断面図(第七実施形態)。
【符号の説明】
1 船外機
2 エンジンカバー
3 エンジン
10 クランクシャフト
26 フライホイール・マグネト装置
27 手動式エンジン始動装置
37,59 フライホイール
38 イグナイタ(補器)
39 イグナイタ(補器)の固定用ボス
40 イグナイタ(補器)の固定用ボルト
41,52,68 リコイルカバー(カバー部材)
42 ベンチレーション機構
45,53 延設部
47,56 排風口
51,71 吸気口
54 排風ダクト
55 排気口
57 放熱板
58 リブ
60 エンジン始動装置の係合部
61 駆動用突起
62 フィン
63 燃料タンク
70 空気導入口

Claims (7)

  1. 内部にクランクシャフトを縦方向に配置し、エンジン上方に突出した上記クランクシャフトの上端にフライホイールを備えると共に、このフライホイールに隣接して補器を配置したエンジンにおいて、上記フライホイールを覆うカバー部材に上記補器の上面および側面を覆う延設部を形成すると共に、上記フライホイールにベンチレーション機構を設け、上記フライホイールの回転によって上記ベンチレーション機構が上記カバー部材内に空気を導いたのち、この空気を冷却風として上記延設部を介して上記補器に導き、上記延設部の排風口から排出するように構成する一方、上記延設部に排風ダクトを設け、この排風ダクトを上記エンジンを覆うエンジンカバーに形成された排気口まで延設し、上記排風ダクトの下流端に排風口を設けたことを特徴とするエンジンの補器冷却装置。
  2. 内部にクランクシャフトを縦方向に配置し、エンジン上方に突出した上記クランクシャフトの上端にフライホイールを備えると共に、このフライホイールに隣接して補器を配置したエンジンにおいて、上記フライホイールを覆うカバー部材に上記補器の上面および側面を覆う延設部を形成すると共に、上記フライホイールにベンチレーション機構を設け、上記フライホイールの回転によって上記ベンチレーション機構が上記カバー部材内に空気を導いたのち、この空気を冷却風として上記延設部を介して上記補器に導き、上記延設部の排風口から排出するように構成する一方、放熱板を上記補器固定用のボルトで上記補器と共締めしたことを特徴とするエンジンの補器冷却装置。
  3. 内部にクランクシャフトを縦方向に配置し、エンジン上方に突出した上記クランクシャフトの上端にフライホイールを備えると共に、このフライホイールに隣接して補器を配置したエンジンにおいて、上記フライホイールを覆うカバー部材に上記補器の上面および側面を覆う延設部を形成すると共に、上記フライホイールにベンチレーション機構を設け、上記フライホイールの回転によって上記ベンチレーション機構が上記カバー部材内に空気を導いたのち、この空気を冷却風として上記延設部を介して上記補器に導き、上記延設部の排風口から排出するように構成する一方、上記カバー部材に手動式のエンジン始動装置を設け、上記フライホイールの上面に上記エンジン始動装置操作時にその係合部が係合する環状の駆動用突起を上記フライホイールと同心上に上方に向かって設け、この駆動用突起の側面に複数個のフィンを配置したことを特徴とするエンジンの補器冷却装置。
  4. 内部にクランクシャフトを縦方向に配置し、エンジン上方に突出した上記クランクシャフトの上端にフライホイールを備えると共に、このフライホイールに隣接して補器を配置したエンジンにおいて、上記フライホイールを覆うカバー部材に上記補器の上面および側面を覆う延設部を形成すると共に、上記フライホイールにベンチレーション機構を設け、上記フライホイールの回転によって上記ベンチレーション機構が上記カバー部材内に空気を導いたのち、この空気を冷却風として上記延設部を介して上記補器に導き、上記延設部の排風口から排出するように構成する一方、上記エンジンを覆うエンジンカバー内に上記エンジンに隣接して燃料タンクを配置し、この燃料タンク下部の上記エンジンカバーに吸気口を形成すると共に、上記燃料タンク近傍の上記カバー部材に空気導入口を形成し、上記フライホイールの回転によって空気を上記燃料タンクの周囲を経由させて上記カバー部材内に導いた後に上記補器を冷却するように構成したことを特徴とするエンジンの補器冷却装置。
  5. 上記エンジンの上面に上記補器固定用のボスを突設し、このボスにリブを一体に形成すると共に、上記リブを上記延設部の側壁と同方向に向かって延設した請求項1から4のいずれかに記載のエンジンの補器冷却装置。
  6. 上記カバー部材の進行方向前側に吸気口を形成した請求項1から5のいずれかに記載のエンジンの補器冷却装置。
  7. 上記エンジンカバー内に上記エンジンに隣接して燃料タンクを配置すると共に、上記カバー部材を、上記補器および上記燃料タンクの両方に冷却風を導く構造とした請求項1から6のいずれかに記載のエンジンの補器冷却装置。
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