JP3905779B2 - 段ボールシートの反り矯正システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、段ボールシート製造装置により製造される段ボールシート(両面段ボールシート)のツイスト反りを矯正する、段ボールシートの反り矯正システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
段ボールシートは、一方のライナ(裏ライナ)に段繰りした中芯を糊で貼り合わせて片段シートを作製し、さらに、片段シートの中芯側に他方のライナ(表ライナ)を貼り合わせることによって段ボールシートを作製し、この段ボールシートを適宜の長さに切断することによって製造される。この製造過程において、各シートの流れ方向張力(以下、単に張力ともいう)のシート幅方向に対する分布が適切な分布に対して偏りがあると段ボールシートがねじれるようにして反るツイスト反りが発生してしまう。
【0003】
一般的には、最適な張力分布(ツイスト反が発生しない張力分布)とは、シート幅方向に沿って均一な張力分布であるが、シートを形成する繊維のなす方向がシート搬送方向に対して傾斜していると、張力分布がシート幅方向に沿って均一であっても最適分布に対しては相対的に幅方向に偏りのある分布となってしまいツイスト反りが発生してしまう。
【0004】
従来、このようなツイスト反りについては、オペレータが段ボールシートの反りの状態を目視して、オペレータ自身の経験やノウハウに基づいて片段シートや表ライナのシート流れ方向張力のシート幅方向分布に関する各要素(例えば、ダブルフェーサの加圧ロールのシート搬送方向に対する傾斜角)を手動で個々に調整することによって対応していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように経験やノウハウに依存した調整方法では、オペレータの熟練レベルによりシート品質にバラツキが生じるという課題があった。また、同じオペレータでも調整を何度もやり直したり、誤操作したりする場合があるため、安定したシート品質を得ることが困難であった。さらに、上記のように調整対象となる制御要素が複数ある上に、これらの制御要素の現在量を確認した上で調整量を判断しなければならず、操作が煩雑で調整に時間を要するという課題もあった。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、オペレータの経験やノウハウに頼ることなく正確に且つ容易に段ボールシートのツイスト反りを矯正できるようにした、段ボールシートの反り矯正システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の段ボールシートの反り矯正システム(以下、システム)は、以下に説明する反り状態情報取得手段、運転状態情報取得手段、制御量演算手段、及び制御手段を備え、これら各構成要素を用いることによって段ボールシート製造装置で製造される段ボールシートのツイスト反りを矯正することを特徴としている。
【0008】
まず、反り状態情報取得手段は、段ボールシート製造装置で製造された段ボールシートのツイスト反りの状態(ツイスト反りのパタンや大きさ)に関する情報を取得する手段である。情報の取得方法は、オペレータによる手動入力でも自動取得でもよく、オペレータによる手動入力の場合は、例えば、段ボールシートのツイスト反りの状態を示す複数の選択肢の中から任意の一つをオペレータに選択させる選択手段を備え、選択手段で選択された選択肢を段ボールシートのツイスト反りの状態に関する情報として取得するように構成するのが好ましい。
【0009】
一方、自動取得の場合は、例えば、段ボールシート製造装置で製造された段ボールシートの四隅を撮像する撮像手段と、撮像手段で得られた画像情報に基づき段ボールシートのツイスト反りを検出する検出手段とを備え、検出手段で検出された情報を段ボールシートのツイスト反りの状態に関する情報として取得するように構成するのが好ましい。
【0010】
或いは、段ボールシート製造装置で製造された段ボールシートの四隅近辺の垂直方向変位量を検出する変位量測定手段と、変位量測定手段で得られた変位量情報に基づき段ボールシートのツイスト反りを検出する検出手段とを備え、検出手段で検出された情報を段ボールシートのツイスト反りの状態に関する情報として取得するように構成しても良い。
【0011】
運転状態情報取得手段は、段ボールシート製造装置の運転状態に関する情報を取得する手段である。運転状態に関する情報とは、運転速度、ダブルフェーサの加圧手段のシート幅方向に対する傾斜角及び加圧力のシート幅方向分布や、ダブルフェーサ前の巻き付けロールの両軸端の高さ位置や、片段シートについて設けられたサクションブレーキのサクション力のシート幅方向分布に関する情報等の各種情報を指している。
【0012】
制御量演算手段は、段ボールシートの反り状態情報と段ボールシート製造装置の運転状態とに基づき、複数の特定制御要素の中から少なくとも一つの特定制御要素の制御量を演算する手段である。複数の特定制御要素としては、ダブルフェーサの加圧ロールのシート幅方向に対する傾斜角及び加圧力のシート幅方向分布や、ダブルフェーサ前の巻き付けロールの両軸端の高さ位置や、片段シートについて設けられたサクションブレーキのサクション力のシート幅方向分布などが含まれる
【0013】
そして、制御手段は、制御量演算手段で演算された制御量で選定された特定制御要素を制御する手段である。より具体的には、特定制御要素の現在量が制御量演算手段で演算された制御量になるように、特定制御要素に対応する各アクチュエータを制御する手段である。
このような構成により、反り状態情報取得手段により取得された段ボールシートのツイスト反りの状態に応じて、段ボールシートの反りに影響を与える特定制御要素が自動で制御されるので、オペレータの経験やノウハウに頼ることなく、正確に且つ容易に段ボールシートのツイスト反りが矯正される。特に、情報取得手段が情報を自動取得する場合には、段ボールシートのツイスト反りが全自動で矯正されることになる。
【0014】
上記のシステムにおいて、好ましくは、段ボールシート製造装置の制御要素のうち片段シート或いは表ライナのシート流れ方向張力のシート幅方向分布に影響を与える上述の複数の特定制御要素の中から、段ボールシートのツイスト反りの状態と各特定制御要素が段ボールのツイスト反りに与える影響とに応じて、少なくとも一つの特定制御要素を選定する制御要素選定手段をそなえることが好ましい。
【0015】
この場合、好ましくは、段ボールシートの反りの大きさに応じて、所定の優先順位に従い特定制御要素を順次に追加選定していくように制御要素選定手段を構成する。つまり、反り状態情報取得手段は、段ボールシートのツイスト反りの状態に関する情報を、反りの程度が段階的に区分して判定された状態で取得するとともに、制御要素選定手段は、反り状態情報取得手段により取得された段ボールシートの反りの程度が小さい段階にある場合には、予め設定された(所定の)優先順位の最も高い方から順に1又は複数の特定制御要素を選定し、反り状態情報取得手段により取得された段ボールシートの反りの程度が大きくなるにつれ、優先順位に従い特定制御要素を順次に追加し、制御量演算手段で演算される該特定制御要素が増加するように選定する。これにより、反りの大きさに応じて矯正の程度も大きくすることができ、段ボールシートの反りをより速やかに矯正することが可能になる。特に、段ボールシートの反りに与える影響が大きい特定制御要素ほど優先順位を高く設定した場合には、段ボールシートの反りをさらに速やかに矯正することが可能になる。また、この場合、優先順位は、加圧手段の傾斜角,加圧力のシート幅方向分布,巻き付けロールの両軸端の高さ位置,サクション力のシート幅方向分布の順に設定されていることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
(A)第1実施形態
図1は本発明の第1実施形態にかかる段ボールシートの反り矯正システムの概要を示す図である。本実施形態にかかる段ボールシートの反り矯正システムは、段ボールシート製造装置1と段ボールシート製造装置1を制御する生産管理装置2とにより構成されている。
【0017】
段ボールシート製造装置1は、主な構成装置として、裏ライナ20を加熱する裏ライナプレヒータ10、中芯21を加熱する中芯プレヒータ12、中芯プレヒータ12で加熱された中芯21を段繰りして糊付けし、裏ライナプレヒータ10で加熱された裏ライナ20を貼り合わせるシングルフェーサ11、シングルフェーサ11により形成された片段シート22を加熱する片段シートプレヒータ13、表ライナ23を加熱する表ライナプレヒータ14、片段シートプレヒータ13により加熱された片段シート22に糊付けするグルーマシン15、グルーマシン15により糊付けされた片段シート22に表ライナプレヒータ14より加熱された表ライナ23を貼り合わせて段ボールシート24を形成するダブルフェーサ16、ダブルフェーサ16で形成された段ボールシート24に罫入れや溝切りを行うスリッタスコアラ17、スリッタスコアラ17で罫入れ等された段ボールシート24を分割板状に裁断して最終製品である段ボールシート(板状段ボールシート)25を作製するカットオフ18、及び段ボールシート25を完成順にスタックするスタッカ19を備えている。
【0018】
上記装置10〜19の中で、張力のシート幅方向分布に影響を与える(シート幅方向の張力分布を調整しうる)ものとしてはダブルフェーサ16がある。
以下、ダブルフェーサ16について説明すると、ダブルフェーサ16は、図2に示すように、片段シート22及び表ライナ23の走行ラインに沿って、上流側のヒーティングセクション16Aと、下流側のクーリングセクション16Bとに分かれている。このうち、ヒーティングセクション16Aには複数の熱盤162が配置されており、表ライナ23がこれら熱盤162上を通過するようになっている。熱盤162は、内部に蒸気を供給することによって所定の温度に加熱されている。
【0019】
また、熱盤162上には上記走行ラインを挟んでループ状の加圧ベルト163が片段シート22及び表ライナ23と同期して走行しており、加圧ベルト163のループ内には複数の加圧ロール(加圧手段)164が熱盤162に対峙するように(熱盤162に面し且つ回転軸が熱盤162表面に対して平行となるように)配置されている。加圧ロール164の内、上流側の半数の加圧ロール164Aには、加圧ロール164Aを熱盤162との平行状態を保持しながら旋回駆動して、加圧ロール164Aのシート幅方向に対する傾斜角を変更する旋回機構がそなえられている。
【0020】
つまり、平面図3に示すように、加圧ロール164Aの一方の回転軸端164aを回転可能に支持する支持部材164cは図示しない装置フレームに横回転可能に支持され、他方の回転軸端164bを回転可能に支持する支持部材164dは、流体圧シリンダ164eのピストンロッドに揺動可能に接続されており、流体圧シリンダ164eのピストンロッド長を変化させることにより加圧ロール164Aを支持部材164cを中心に旋回させてシート幅方向に対する傾斜角を変更できるようになっているのである。なお、流体圧シリンダ164eは図示しない装置フレームに支持されている。
【0021】
グルーマシン15で糊付けされた片段シート22は、加圧ベルト163側から加圧ベルト163と熱盤162との間に搬入される。一方、表ライナプレヒータ14で加熱された表ライナ23は、ライナ用入口予熱ロール165によって予熱を与えられた後、熱盤162側から加圧ベルト163と熱盤162との間に搬入される。そして、片段シート22と表ライナ23は、それぞれ加圧ベルト163と熱盤162との間に搬入された後、上下に重なりあった状態で一体となってクーリングセクション16Bへ向けて移送されていく。この移送中、片段シート22と表ライナ23は、加圧ロール164により加圧ベルト163を介して加圧されながら表ライナ23側から加熱されることにより、互いに貼り合わされて段ボールシート24となる。段ボールシート24は、クーリングセクション16Bの出口に設けられたロータリシャー166によってその全幅或いは端部が切断されて、次工程のスリッタスコアラ17に移送される。
【0022】
さて、図1に示す生産管理装置2は、段ボールシート25の張力のシート幅方向分布を適宜制御することによって、段ボールシート25のツイスト反りを矯正している。この段ボールシート25の反り矯正機能に着目した場合、生産管理装置2は、図1に示すように、知識データベース3、制御量演算部4、プロセスコントローラ5、及び反り状態入力部6から構成される。
【0023】
知識データベース3には、段ボールシート製造装置1を制御するための制御要素のうち段ボールシート25のツイスト反りに影響を与える特定の制御要素(特定制御要素)に関し、その制御量(現在値からの調整量)の設定値、或いは制御量を設定するための設定式を段ボールシート25の各ツイスト反りの状態(反りパタンや反りの大きさ)に対応して定めたものが記憶されている。ここでいう特定の制御要素とは、上記のダブルフェーサ16の加圧ロール164Aの傾斜角等のことである。
【0024】
段ボールシート25の張力が駆動側よりも操作側に大きいと、段ボールシート25には、図4(a)に示すようなツイスト反りA〔下流側且つ操作側の隅部PBの垂直方向変位(反り)と、この隅部PBの対角側であって上流側且つ駆動側の隅部PDとの垂直方向変位が大きくなるようなツイスト反り〕が生じてしまう。したがって、このような場合には、段ボールシート25の操作側の張力を減少させるために、例えば図4(c)において加圧ロール164Aを実線で示す位置から二点差線で示す位置まで旋回させる(つまり、加圧ロール164Aを、回転軸端164a側を中心にして操作側を下流側へ旋回させる)べく、傾斜角θの制御量〔具体的には流体圧シリンダ164d(図3参照)のピストンロッドのストローク量〕の設定値或いは設定式が、知識データベース3に定められている。
【0025】
逆に、段ボールシート25の張力が操作側よりも駆動側に大きいと、段ボールシート25に図4(b)に示すようなツイスト反りB(下流側且つ駆動側の隅部PAの垂直方向変位と、この隅部PAの対角側であって上流側且つ操作側の隅部PCとの垂直方向変位が大きくなるようなツイスト反り)が生じてしまう。したがって、このような場合には、段ボールシート25の操作側の張力を増大させるために、例えば図4(d)において加圧ロール164Aを実線で示す位置から二点差線で示す位置まで旋回させる(つまり、加圧ロール164Aを、回転軸端164a側を中心にして操作側を上流側へ旋回させる)べく、傾斜角θの制御量の設定値或いは設定式が、知識データベース3に定められている。
【0026】
図5は本実施形態にかかる知識データベース3の構成を示したものである。ここでは、段ボールシート25の反り状態の種類は、後述する押し釦の種類に対応して、ツイスト反りA(反り大)、ツイスト反りA(反り中)、ツイスト反りA(反り小)、ツイスト反りB(反り大)、ツイスト反りB(反り中)、ツイスト反りB(反り小)の6種類が設定され、各反り状態毎に、特定制御要素として加圧ロール164Aの傾斜角θが制御される。
【0027】
具体的に説明すると、三角印と丸印と二重丸印は制御量(現在値からの調整量)の大きさを示し、二重丸印,丸印,三角印の順に大きな制御量を示している(△<○<◎)。したがって、本実施形態では、例えば段ボールシート25の反り状態がツイスト反りAで且つ反り量小の場合には、加圧ロール164Aの操作側が前進する(シート搬送方向下流側に移動する)ように傾斜角θが調整され、反り状態がツイスト反りAで且つ反り量中の場合には、反り量小の場合よりも大きな調整量で加圧ロール164Aの操作側が前進するように傾斜角θが調整され、反り状態がツイスト反りAで且つ反り量大の場合には、反り量中の場合よりもさらに大きな調整量で加圧ロール164Aの操作側が前進するように傾斜角θが調整される。なお、調整量の具体的な設定値或いは設定式は、試験やシミュレーションにより決定する。
【0028】
本実施形態では、段ボール25の反り状態は、反り状態入力部(反り状態情報取得手段)6においてオペレータにより手動入力されるようになっている。反り状態入力部6は、知識データベース3において区分された各反り状態に応じた6つの押し釦61〔ツイスト反りA(反り大)〕,62〔ツイスト反りA(反り中)〕,63〔ツイスト反りA(反り小)〕,65〔ツイスト反りB(反り大)〕,66〔ツイスト反りB(反り中)〕,67〔ツイスト反りB(反り小)〕とリセット釦64を備えており、オペレータが該当する釦を選択して押すことで、その選択信号が制御量演算部4に入力されるようになっている。なお、段ボールシート25の反り状態は、オペレータがスタッカ19に積層された段ボールシート25を目視して判断する。
【0029】
制御量演算部4は、反り状態入力部6からの選択信号に基づき知識データベース3を検索する。そして、該当する各制御要素の制御量の設定値或いは設定式を知識データベース3から読み出し、段ボールシート製造装置1のマシン状態(運転状態)に応じた各制御量を演算する。本実施形態では、この制御量演算部4と知識データベース3とにより、本発明にかかる制御量演算手段が構成されている。
【0030】
なお、マシン状態とは、例えば段ボールシート製造装置1の運転速度(シートの走行速度)や、加圧ロール164Aの傾斜角度θ等の各現在値のことである。これらのマシン状態情報は、後述するプロセスコントローラ5から入力されるようになっている。
【0031】
また、制御量演算部4は、反り状態入力部6でリセット釦64が選択された場合には、全制御要素をオリジナル値(原紙構成、使用原紙の坪量、紙幅、フルート等の生産状態情報に基づいたマトリックス制御により決定される値)に戻すようにプロセスコントローラ5に指令を送るようになっている。
プロセスコントローラ5は、段ボールシート製造装置1を構成する各装置10〜19を総合制御している。通常、プロセスコントローラ5は、生産状態情報に基づいたマトリックス制御により各装置10〜19を制御しているが、反り状態入力部6において押し釦61〜63,65〜67が押された場合には、該当する装置の制御要素(ここでは加圧ロール164Aの傾斜角θ)を制御量演算部4で演算された制御量で制御する。また、リセット釦64が押された場合には、全制御要素をオリジナル値に戻すように各装置10,13,14を制御する。また、プロセスコントローラ5は、段ボールシート製造装置1のマシン状態を常に把握しており、定期的に或いは制御量演算部4からの要求に応じて現在のマシン状態を制御量演算部4に出力している。すなわち、プロセスコントローラ5は、本発明にかかる制御手段と運転状態情報取得手段として機能している。
【0032】
以上説明した生産管理装置2の機能を段ボールシート25の反りを矯正する際の一連の処理の流れで表したのが図6に示すフローチャートである。
まず、生産管理装置2は、ステップS10でマシン状態をチェックし、ステップS20で生産状態をチェックする。次に、ステップS30で、現在、反り状態の入力が可能な状態(押し釦61〜67を押せる状態)か否か判定する。これは、糊の付着力が強すぎてシート速度が上がらない等のトラブルが生じている状態で反りを矯正しても意味がないので、他にトラブルが生じている場合には反り矯正を行わないようにするための処理である。
【0033】
ステップS30で反り状態が入力可能な場合には、ステップS40で実際に反り状態の入力があったか否か判定する。そして、反り状態の入力があった場合には、ステップS50で、入力された反り状態に応じて制御すべき制御要素(ここでは加圧ロール164Aの傾斜角θ)の制御量を、知識データベース3を参照してステップS10で取得したマシン状態情報に応じ演算する。なお、このとき、原紙構成(厚紙、薄紙)の違いにより傾斜角θを変える等、ステップS20で取得した生産状態情報を参考データとして用いる場合もある。そして、ステップS60で、演算した制御量を該当する装置に出力する。
【0034】
このように、本実施形態にかかる段ボールシートの反り矯正システムによれば、オペレータが段ボールシート製造装置1により製造された段ボールシート25の反り状態を目視で判定し、反り状態に対応する釦61〜63,65〜67を押すだけで、段ボールシート25のツイスト反りに影響を与える加圧ロール164Aの傾斜角θが生産管理装置2によって自動調整されるので、オペレータの経験やノウハウに頼ることなく正確に且つ容易に段ボールシート25のツイスト反りを矯正することができる。
【0035】
なお、第1実施形態では、加圧ロール164Aの傾斜角θを制御要素として段ボールシート25の反りを矯正する場合について説明したが、これはあくまでも一例であり、以下の第2実施形態のように、制御すべき制御要素の種類を増やしてもよい。
また、加圧ロール164の半数を傾斜角θの変更可能な構成としたが、傾斜角θを変更可能な加圧ロール164は少なくとも1つあればよい。
【0036】
(B)第2実施形態
本実施形態の段ボール装置製造システムは、第1実施形態に対し、図2に示すダブルフェーサ16の後段の加圧ロール164Bに、加圧力をシート幅方向に対して変化させることができる加圧力可変機構がそなえられている。つまり、図7の正面図に示すように、加圧ロール164Bの両回転軸端164a,164bをそれぞれ支持する支持部材164f,164fは、装置フレーム(図示略)に取り付けられた流体圧シリンダ164gのピストンロッド先端に揺動可能に取り付けられている。
【0037】
このような構成により、駆動側の流体圧シリンダ164gへ供給する流体圧力を増大させれば、ダブルフェーサ16を搬送される片段シート22及び表ライナ23の駆動側への加圧力ひいてはシート22,23の駆動側のシート張力を増大させることができるようになっている。同様に、操作側の流体圧シリンダ164fへ供給する流体圧力を増大させれば、シート22,23の操作側への加圧力ひいてはシート22,23の操作側のシート張力を増大させることができるようになっている。なお、流体圧シリンダ164fへ供給する流体圧力の制御は、流体圧シリンダ164fへ流体を供給するための配管に介装された圧力調整弁を制御することにより行なわれる。
【0038】
さて、図8は本発明の第2実施形態にかかる知識データベース3の構成を示したものである。
反り矯正制御に着目すると、本実施形態では、第1実施形態における各制御要素に加え、上記加圧ロール164Bの加圧力の幅方向分布が特定制御要素として設定されている。そして、ここでは、上述した押し釦の種類に対応して(即ち段ボールシート25の反り状態に応じて)、出力すべき制御要素が優先順位に従って決められている。ここでいう優先順位とは出力上の優先順位であり、例えば、反りの程度が小さい場合には優先順位の高い制御要素のみが出力され、反りの程度が大きくなるにつれ優先順位に従って順次に他の制御要素が追加出力されるように定められている。優先順位は、反りに与える影響が大きい制御要素ほど、換言すれば反りを矯正する力の高い制御要素ほど、高く設定されている。
【0039】
具体的には、加圧ロール164Aの傾斜角θの調整が優先順位1、加圧ロール164Bの加圧力の幅方向分布の調整が優先順位2とされている。そして、段ボールシート25にツイスト反りAが発生した時には、段ボールシート25の操作側の張力を減少させるべく又は駆動側の張力を増大させるべく、反りの大きさが小であれば、加圧ロール164Aの傾斜角θは加圧ロール164Aの操作側が前進するように調整され、反りの大きさが中であれば、上記傾斜角θの調整量が増大されると共に、加圧ロール164Bの駆動側の加圧力が増大され、反りの大きさが大であれば、上記傾斜角θ及び加圧力の調整量(制御量)が共に増大される。
【0040】
一方、段ボールシート25にツイスト反りBが発生した時には、段ボールシート25の操作側の張力を増大させるべく又は駆動側の張力を減少させるべく、反りの大きさが小であれば、加圧ロール164Aの傾斜角θは加圧ロール164Aの操作側が後退するように調整され、反りの大きさが中であれば、上記傾斜角θの調整量が増大されると共に、加圧ロール164Bの操作側の加圧力が増大され、反りの大きさが大であれば、上記傾斜角θ及び加圧力の調整量が共に増大される。
このような選定された特定制御要素の制御量は制御量演算部4により演算され、本実施形態では、制御量演算部4と知識データベース3とにより、本発明にかかる制御要素選定手段と制御量演算手段とが構成されている。
【0041】
したがって、本実施形態にかかる段ボールシートの反り矯正システムによれば、反り量に応じて制御要素が選定される(ここでは段ボールシート25の反りの大きさに応じて、所定の優先順位に従い制御要素が順次に追加選定される)ので、反り量にかかわらず反りの矯正を正確に且つ容易に行なえる。特に本実施形態のように優先順位を段ボールシート25の反りに与える影響が大きい制御要素ほど高く設定することによって、段ボールシート25の反りをより速やかに矯正することが可能になる。
【0042】
なお、加圧ロール164A及び/又は加圧ロール164Bの代わりに、シュー部材と、このシュー部材を熱盤162に押圧するためのアクチュエータ(例えば流体圧シリンダ)とからなる加圧ユニット(加圧手段)をシート幅方向に沿って複数組設けるようにしても良い。シート幅方向に並ぶ加圧ユニットのアクチュエータを個別に制御することにより、シート幅方向に応じて片段シート22及び表ライナ23の熱盤162に対する加圧力を調整でき、幅方向張力分布を調整できる。
【0043】
(C)第3実施形態
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態の段ボール製造装置1は、第2実施形態に対し、片段シート22用の巻き付けロール(片段用巻き付けロール)41が追加された構成となっており、ここでは、片段用巻き付けロール41は片段シートプレヒータ13とグルーマシン15との間に配置されている。
【0044】
片段用巻き付けロール41について図9を参照して説明する。片段用巻き付けロール41には上流及び下流側に近接してガイドロール41a,41bが設けられており、片段シート22は片段用巻き付けロール41とガイドロール41a,41bとの間を通され片段用巻き付けロール41に巻き付けられている。そして、ダブルフェーサ16の加圧ロール164Bと同様に片段用巻き付けロール41の回転軸両端は図示しない流体圧シリンダのピストンロッドにそれぞれ連結されており、上記回転軸両端のそれぞれの高さ位置を個別に変更することができるようになっている。したがって、例えば回転軸の駆動側端部を図9中で上方に移動させれば、駆動側のシート張力を増大させることができ、逆に、回転軸の操作側を図9中で上方に移動させれば、操作側のシート張力を増大させることができるようになっている。
【0045】
なお、一方のガイドロール41aは、片段用巻き付けロール41の軸に揺動自在に取り付けられたアーム41cの先端に支持され、このアーム41cは、図示しないモータによって駆動されるようになっており、ガイドロール41a及び図示しないモータにより巻き付け量調整装置が構成されている。つまり、アーム41cをモータ駆動してガイドロール41aを所定位置に旋回させることで、片段用巻き付けロール41に対する片段シート22の巻き付け量を調整できるようになっているのである。そして、上記巻き付け量を増大させれば、片段シート22の走行に対して抵抗が増大し片段シート22の流れ方向張力を全幅にわたって増大させることができ、逆に、上記巻き付け量を減少させれば、片段シート22の流れ方向張力を全幅にわたって減少させることができる。
また、表ライナ23側についても、巻き付けロール41と同様の構成の巻き付けロールをダブルフェーサ16よりも上流側に設けても良い。また、片段用巻き付けロール41の設置個所はグルーマシン15よりも上流側であれば良い。
【0046】
さて、図10は本発明の第3実施形態にかかる知識データベース3の構成を示したものである。
反り矯正制御に着目すると、本実施形態では、第2実施形態における各制御要素に加え、新たに上記巻き付けロール41の回転軸両端部の高さ位置がそれぞれ特定制御要素として設定されている。そして、段ボールシート25にツイスト反りAが発生した時には、加圧ロール164Aの傾斜角θの調整が優先順位1、加圧ロール164Bの回転軸の両端の高さ調整が優先順位2、巻き付けロール41の回転軸の両端の高さ調整が優先順位3とされている。この他の構成は第1実施形態と同様なので説明は省略する。
【0047】
したがって、本実施形態にかかる段ボールシートの反り矯正システムによれば、上記のように制御要素が第2実施形態よりもさらに増えることによって、第2実施形態よりも細かな制御が可能になり、より正確に段ボールシート25の反りを矯正することができる。
【0048】
(D)第4実施形態
次に、本発明の第4実施形態について図11(a),(b)を参照して説明する。図11は、本発明の第3実施形態にかかる片段用サクションブレーキについて示す図であり、(a)はその模式的な側面図,(b)はその模式的な平面図である。本実施形態の段ボール製造装置1は、第3実施形態に対し、図11(a),(b)に示す片段用サクションブレーキ32が追加された構成となっている。
サクションブレーキとは走行中の片段シート22にブレーキ力として吸引力を作用させるものであり従来より段ボール製造装置に設けられているものであるが、従来の片段用サクションブレーキは、片段シートに対して1つ設けられ、シート幅方向に応じてそのブレーキ力(吸引力)を調整できるものではなかった。
【0049】
これに対し、本実施形態の片段用サクションブレーキ32は、図11(a),(b)に示すように、複数(ここでは2つの)のサクションボックス32Aをシート幅方向に並べて構成され、各サクションボックス32Aは、図示しない吸引源と連通する吸引口32aを片段シート22の走行ラインに向けて設置されている。プロセスコントローラ5は、例えば、各サクションボックス32Aと吸引源との間の吸引ラインに介装されたバルブの開度を個別に制御することにより片段シート22の幅方向の張力分布を調整できるようになっている。具体的には、片段用サクションブレーキ32の駆動側のサクション力を増大させれば、片段シート22の駆動側の流れ方向張力を増大でき、片段用サクションブレーキ32の操作側のサクション力を増大させれば、片段シート22の操作側の流れ方向張力を増大できる。
【0050】
さて、図12は本発明の第4実施形態にかかる知識データベース3の構成を示したものである。
反り矯正制御に着目すると、本実施形態では、第3実施形態における各制御要素に加え、新たに上記サクションブレーキ32のブレーキ力分布が特定制御要素として設定されている。そして、例えば段ボールシート25にツイスト反りAが発生した時には、加圧ロール164Aの傾斜角θの調整が優先順位1、加圧ロール164Bの加圧力の幅方向分布の調整が優先順位2、巻き付けロール41の回転軸の両端の高さ調整が優先順位3、サクションブレーキ32のブレーキ力調整が優先順位4とされている。この他の構成は第1実施形態と同様なので説明は省略する。
【0051】
したがって、本実施形態にかかる段ボールシートの反り矯正システムによれば、上記のように制御要素が第3実施形態よりもさらに増えることによって、第3実施形態よりも細かな制御が可能になり、より正確に段ボールシート25の反りを矯正することができる。
【0052】
(E)第5実施形態
次に、本発明の第5実施形態について説明する。本実施形態は、段ボールシート25の反り状態に関する情報を取得するための手段に特徴があり、他の構成は第1実施形態と同様である。
【0053】
図13に示すように、本実施形態にかかる生産管理装置2は、第1実施形態にかかる反り状態入力部(押し釦)6の代わりに反り状態判定部8を備えている。また、段ボールシート製造装置1の最後尾には、2つのCCDカメラ(撮像手段)7が備えられている。
CCDカメラ7は、図14に示すようにスタッカ19のスタック部192の幅方向両側に配置されている。スタック部192には、カットオフ18で裁断された段ボールシート25が図示しない複数のコンベアによって搬送され、順に積載されていく。各CCDカメラ7は、このスタック部192に積載された段ボールシート25を幅方向に沿う側面であって互いに異なる側面から撮像し、その画像情報を反り状態判定部8に出力する。
【0054】
反り状態判定部8は、CCDカメラ7からの画像情報を画像処理して段ボールシート25の四隅の高さを計側する。そして、計測した高さの差異から、段ボールシート25のツイスト反りのパタン(ツイスト反りA或いはツイスト反りB)と反りの程度(大、或いは中、或いは小)を判定する。判定結果は、制御量演算部4に送られ、制御量演算部4ではこの判定結果に基づき知識データベース3を参照してマシン状態情報に応じ、特定制御要素の制御量を演算する。
【0055】
ここで、反り状態判定部8による反り状態の判定について図15(a),(b)を参照して具体的に説明する。各CCDカメラ7は、図15(a)に示すように段ボールシート25の幅方向側面を撮影するようになっている。そして、反り状態判定部8は、CCDカメラ7からの画像情報を画像処理して段ボールシート25の四隅PA〜PDについて図15(b)に示す基準線L0に対する垂直方向変位量a〜dをそれぞれ算出するようになっている。
【0056】
そして、反り状態判定部8は、これらの垂直方向変位量a〜dを使用して下式(1)により定義されるツイスト反り量TWFを算出するようになっている。さらに、この反り量TWFの正負により反りパタンを判定し、反り量TWFの絶対値の大きさにより反りの高さを判定するようになっている。
【数1】
Figure 0003905779
なお、なお、上式(1)中のWは段ボールシート25の幅寸法、Lは段ボールシート25のシート流れ方向寸法であり、Eは反り量を無次元化するための定数である。
【0057】
したがって、本実施形態にかかる段ボールシートの反り矯正システムによれば、段ボールシート25の反りが全自動で矯正されることになり、オペレータの経験やノウハウに頼ることなくさらに正確に且つさらに容易に段ボールシート25の反りを矯正することができる。また、ここでは、第1実施形態の知識データベース3を利用するように、反りの程度を大、中、小の3段階に判定しているが、このシステムによればより細かく反りの程度を判定することができ、より正確に段ボールシート25の反りを矯正することができる。
【0058】
(F)第6実施形態
図16は、本実施形態にかかる段ボールシートの反り検出装置の要部構成を示した概略図である。
上述した第3実施形態では、CCDカメラ7により得られた画像情報に基づいて反り状態判定部8が段ボールシートの反り状態を検出していたが、本実施形態では、2つのCCDカメラ(撮像手段)7の代わりに変位センサ(変位量測定手段)7A,7Bを用い、これらの変位センサ7A,7Bの測定情報に基づいて反り状態判定部8が段ボールシートの反り状態を検出するようになっている。
【0059】
変位センサ7Aは、図16に示すように、変位センサ取付用部材72aを介して、段ボールシート25の幅方向に沿って水平に延びるレール71aに摺動可能に取り付けられ、変位センサ取付用部材72aには図示しない駆動手段が設けられている。変位センサ7Aは、上記構成においてこの駆動手段により駆動され段ボールシート25の幅方向に沿って水平に移動することができ、図17に示す段ボールシート25の上流側の二隅近くの測定点PC′,PD′の鉛直上方にそれぞれ位置制御されるようになっており、変位センサから各点PC′,PD′までの垂直変位量c′,d′をそれぞれ検出できるようになっている。
【0060】
一方、変位センサ7Bは、図16に示すように、変位センサ取付用部材74aを介して、フレーム71に取り付けられ段ボールシート25の幅方向に沿って水平に延びるレール73aに摺動可能に取り付けられ、また、変位センサ取付用部材74aには図示しない駆動手段が設けられている。変位センサ7Bは、この駆動手段により駆動され段ボールシート25の幅方向に沿って水平に移動することができ、図17に示す段ボールシート25の下流側の二隅近くの測定点PA′,PB′の鉛直上方にそれぞれ位置制御されるようになっており、変位センサから各点PA′,PB′までの垂直変位量a′,b′をそれぞれ検出できるようになっている。
【0061】
そして、反り状態判定部8では、上式(1)の垂直変位量a〜dを垂直変位量a′〜d′に置き換えた式を使用してツイスト反り量TWFが演算されるようになっている。
この他の構成は第1実施形態と同様なので説明は省略する。
したがって、本実施形態にかかる段ボールシートの反り矯正システムによれば、上記第4実施形態と同様の効果が得られる。
【0062】
なお、ツイスト反りを検出するためには、段ボールシート25の四隅近辺の測定点PA′〜PD′の垂直方向変位を検出できれば良く、例えば、測定点PA′〜PD′のそれぞれの上方に変位センサを位置固定で設けても良い。
また、上記実施形態では、スタッカ19のスタック部192上で段ボールシート25の垂直方向変位量を変位量センサにより検出するようにしているが、変位量センサは、カットオフ18により全幅にわたって断裁された最終製品としての段ボールシートの垂直方向変位量を検出できればよい。つまり、カットオフ18よりも下流側で段ボールシート25について上記検出を行なえるものであれば良く、例えば変位量センサをカットオフ18とスタッカ19との間のコンベア191(図16参照)上に設け、このコンベア上を搬送される段ボールシート25について上記検出を行なうようにしてもよい。
【0063】
(G)その他
以上、本発明について実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上記第5実施形態は、第1実施形態の反り状態入力部(押し釦)6の代わりに反り状態判定部8及びCCDカメラ(撮像手段)7をそなえた構成とし、第6実施形態は、第1実施形態の反り状態入力部(押し釦)6の代わりに反り状態判定部8及び変位センサ(変位量測定手段)7A,7Bをそなえた構成としたが、第2〜4実施形態に対して、反り状態入力部(押し釦)6の代わりに反り状態判定部8及びCCDカメラ(撮像手段)7をそなえた構成にしたり、反り状態入力部6の代わりに反り状態判定部8及び変位センサ(変位量測定手段)7A,7Bをそなえた構成にしたりすることもできる。
【0064】
また、特定制御要素は、上記の各実施形態で使用されたものに限らず、片段シート22や表ライナ23の張力の幅方向分布に影響を与える制御要素であれば、特定制御要素として段ボールシート25の反りの矯正に用いることができる。したがって、第1実施形態及び第2実施形態で説明した知識データベース3の構成は一例にすぎず、用いる特定制御要素に応じて構成すればよい。また、優先順位の設定も上述の実施形態の順位に限定されるものではなく、任意に設定することができる。
【0065】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の段ボールシートの反り矯正システムによれば、製造された段ボールシートのツイスト反りの状態に応じて、段ボールシートのツイスト反りに影響を与える特定制御要素が自動で制御されるので、オペレータの経験やノウハウに頼ることなく、正確に且つ容易に段ボールシートのツイスト反りを矯正できるという効果がある。
【0066】
特に、段ボールシートの反りの大きさに応じて、所定の優先順位に従い特定制御要素を順次に追加選定していく場合には、反りの大きさに応じて矯正の程度も大きくすることができ、段ボールシートの反りをより速やかに矯正することができ、さらに、段ボールシートの反りに与える影響が大きい特定制御要素ほど優先順位を高く設定した場合には、段ボールシートの反りをさらに速やかに矯正することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる段ボールシートの反り矯正システムの概要を示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態にかかるダブルフェーサの構成を示す模式図である。
【図3】本発明の第1実施形態にかかるダブルフェーサの加圧ローラの構成を示す模式的な平面図である。
【図4】本発明の第1実施形態にかかるツイスト反り矯正方法を説明するための図であり、(a),(b)はツイスト反りの種類を示す模式的な斜視図、(c),(d)は加圧ローラを示す模式的な平面図である。
【図5】本発明の第1実施形態にかかる知識データベースの構成を示した図である。
【図6】本発明の第1実施形態にかかる反り矯正処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】本発明の第1実施形態にかかるダブルフェーサの加圧ローラの構成を示す模式的な正面図(シート流れ方向から見た図)である。
【図8】本発明の第2実施形態にかかる知識データベースの構成を示した図である。
【図9】本発明の第2実施形態にかかる片段用巻き付けロールの構成を示す模式的な側面図である。
【図10】本発明の第3実施形態にかかる知識データベースの構成を示した図である。
【図11】本発明の第3実施形態にかかる片段用サクションブレーキの構成を示す図であり、(a)はその模式的な側面図、(b)はその模式的な平面図である。
【図12】本発明の第4実施形態にかかる知識データベースの構成を示した図である。
【図13】本発明の第5実施形態にかかる段ボールシートの反り矯正システムの概要を示す図である。
【図14】本発明の第5実施形態にかかる段ボールシートの反り状態取得手段の概要を示す図である。
【図15】本発明の第5実施形態にかかる段ボールシートの反り状態取得方法を説明するための図であり、(a)はCCDカメラ(撮像手段)により段ボールシートを撮像する様子を示す模式的な斜視図、(b)は正面視による段ボールの反り状態を示す模式図である。
【図16】本発明の第6実施形態にかかる段ボールシートの反り状態取得手段の概要を示す図である。
【図17】本発明の第6実施形態にかかる段ボールシートの反り状態取得方法を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1 段ボールシート製造装置
2 生産管理装置
3 知識データベース
4 制御量演算部
5 プロセスコントローラ
6 反り状態入力部
7 CCDカメラ(撮像手段)
7A,7B 変位センサ(変位量測定手段)
8 反り状態判定部
10 裏ライナプレヒータ
11 シングルフェーサ
12 中芯プレヒータ
13 片段シートプレヒータ
14 表ライナプレヒータ
15 グルーマシン
16 ダブルフェーサ
17 スリッタスコアラ
18 カットオフ
19 スタッカ
20 裏ライナ
21 中芯
22 片段シート
23 表ライナ
24 段ボールシート
25 段ボールシート(製品)
30 表ライナ用ミルブレーキ
31 表ライナ用パウダブレーキ
32 片段用サクションブレーキ
32A サクションボックス
32a 吸引口
41 巻き付けロール
41a,41b ガイドロール
41c アーム
61〜67 押し釦
71 フレーム
71a レール
72a 変位センサ取付用部材
162 熱盤
163 加圧ベルト
164,164A,164B 加圧ロール
164a,164b 加圧ロールの回転軸端部
164c,164d,164e 支持部材
164f,164g 流体圧シリンダ
191 コンベア
192 スタック部
PA〜PD 段ボールシート25の四隅
PA′〜PD′ 段ボールシート25の四隅近傍の測定点

Claims (8)

  1. 段ボールシート製造装置で製造される段ボールシートの反りを矯正する反り矯正システムであって、
    該段ボールシート製造装置で製造された該段ボールシートのツイスト反りの状態に関する情報を取得する反り状態情報取得手段と、
    該段ボールシート製造装置の運転状態に関する情報を取得する運転状態情報取得手段と、
    該段ボールシートの反り状態情報と該段ボールシート製造装置の運転状態情報とに基づき、該段ボールシート製造装置の制御要素のうちの片段シート或いは表ライナのシート流れ方向張力のシート幅方向分布に影響を与える複数の特定制御要素の中から少なくとも一つの特定制御要素の制御量を演算する制御量演算手段と、
    該制御量演算手段で演算された制御量で該特定制御要素を制御する制御手段と、
    該段ボールシート製造装置に備えられた該片段シート及び該表ライナを貼り合わせるダブルフェーサにそなえられ、該シート流れ方向にそれぞれ並べられた熱盤と該片段シート及び該表ライナを該熱盤に加圧する複数の加圧手段と、
    該ダブルフェーサ前にそなえられ、該片段シートが巻き付けられる巻き付けロールと、
    サクション力により該片段シートの走行にブレーキ力を作用させるサクションブレーキとを備え、
    該複数の加圧手段の内の少なくとも1つが、該シート幅方向に対する傾斜角を変更できるように構成されるとともに、該片段シート及び該表ライナへの加圧力の該シート幅方向分布を制御できるように構成され、
    該巻き付けロールが両軸端の高さ位置を個別に制御できるように構成され、
    該サクションブレーキが該サクション力の該シート幅方向分布を制御できるように構成され、
    該複数の特定制御要素には、該加圧手段の該傾斜角,該加圧力の該シート幅方向分布,該巻き付けロールの両軸端それぞれの高さ位置及び該サクション力の該シート幅方向分布が含まれる
    ことを特徴とする、段ボールシートの反り矯正システム。
  2. 該複数の特定制御要素の中から、該段ボールシートのツイスト反りの状態と該複数の特定制御要素のそれぞれが該段ボールシートのツイスト反りに与える影響とに応じて、少なくとも一つの特定制御要素を選定する制御要素選定手段をそなえ、
    該制御量演算手段が、該選定された特定制御要素の制御量を演算し、
    該制御手段が、該制御量演算手段で演算された制御量で該選定された特定制御要素を制御する
    ことを特徴とする、請求項1記載の段ボールシートの反り矯正システム。
  3. 該反り状態情報取得手段は、該段ボールシートのツイスト反りの状態に関する情報を、反りの程度が段階的に区分して判定された状態で取得し、
    該制御要素選定手段は、予め設定された優先順位に従い、該反り状態情報取得手段により取得された該段ボールシートの反りの程度が小さい段階にある場合には、該優先順位の最も高い方から順に1又は複数の該特定制御要素を選定し、該反り状態情報取得手段により取得された該段ボールシートの反りの程度が大きくなるにつれ、該優先順位に従い該特定制御要素を順次に追加し、該制御量演算手段で演算される該特定制御要素が増加するように選定する
    ことを特徴とする、請求項2記載の段ボールシートの反り矯正システム。
  4. 該段ボールシートのツイスト反りに与える影響が大きい該特定制御要素ほど該優先順位が高く設定されている
    ことを特徴とする、請求項3記載の段ボールシートの反り矯正システム。
  5. 該優先順位は、該加圧手段の該傾斜角,該加圧力の該シート幅方向分布,該巻き付けロールの両軸端の高さ位置,該サクション力の該シート幅方向分布の順に設定されている
    ことを特徴とする、請求項4記載の段ボールシートの反り矯正システム。
  6. 該反り状態情報取得手段は、該段ボールシートのツイスト反りの状態を示す複数の選択肢の中から任意の一つをオペレータに選択させる選択手段を備え、該選択手段で選択された選択肢を該段ボールシートのツイスト反りの状態に関する情報として取得する
    ことを特徴とする、請求項1〜5の何れかの項に記載の段ボールシートの反り矯正システム。
  7. 該反り状態情報取得手段は、該段ボールシート製造装置で製造された該段ボールシートの四隅を撮像する撮像手段と、該撮像手段で得られた画像情報に基づき該段ボールシートのツイスト反りを検出する検出手段とを備え、該検出手段で検出された情報を該段ボールシートの反り状態に関する情報として取得する
    ことを特徴とする、請求項1〜5の何れかの項に記載の段ボールシートの反り矯正システム。
  8. 該反り状態情報取得手段は、該段ボールシート製造装置で製造された該段ボールシートの四隅近傍の垂直方向変位量を測定する変位量測定手段と、該変位量測定手段で得られた変位量情報に基づき該段ボールシートのツイスト反りを検出する検出手段とを備え、該検出手段で検出された情報を該段ボールシートの反り状態に関する情報として取得する
    ことを特徴とする、請求項1〜5の何れかの項に記載の段ボールシートの反り矯正システム。
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