JP3904691B2 - ポリシラザン含有組成物及びシリカ質膜の形成方法 - Google Patents

ポリシラザン含有組成物及びシリカ質膜の形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリシラザン含有組成物、特にシリカへの転化速度を高めるために特定の化合物を含む組成物、及びシリカ質膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリカ質膜は、耐熱性、耐磨耗性、耐蝕性、絶縁性、等に優れた被膜として様々な技術分野で使用されている。
シリカ質膜の形成方法として、従来よりPVD法、CVD法、ゾル−ゲル法、各種塗料による方法、等が知られているが、近年、これらの方法よりもプロセス面、コスト面、さらには膜質面で有利な方法として、ポリシラザン等の前駆体ポリマーを塗布、焼成する方法が開発されている。
【0003】
ポリシラザンの薄膜を大気中で焼成すると緻密な高純度シリカ膜が得られるが、その焼成温度としては約400℃以上が必要である。本出願人は、ポリシラザンのシリカ転化に要する加熱温度を低下させるべく、後述のような様々な添加剤を含む低温セラミックス化ポリシラザン組成物を開発した他、特開平9−31333号公報に記載されているように、アミン類又は/及び酸類を接触させることによりシリカ転化工程の一層の低温化、高速化を実現している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記特開平9−31333号公報によると、アミン類を含むポリシラザンを低温でシリカへ転化する場合には、相当量の水分をポリシラザンと接触させる必要がある。一般に半導体装置や液晶装置の絶縁膜、平坦化膜、等にシリカ質膜を用いる場合には高純度のものが要求されるが、ポリシラザン薄膜を所望の高純度シリカ質膜に転化するためには、上記公報記載の方法による場合でもなおも高温高湿度雰囲気(特に、200℃以上での高湿度環境)を使用する必要がある。
しかしながら、このような高温高湿度は半導体装置等の特性に悪影響を及ぼすという問題がある。従って、湿度のより低い条件下で、好ましくは乾燥雰囲気中で、ポリシラザン薄膜を高純度シリカ質膜へ転化できることが望まれる。
【0005】
また、ポリシラザンの分子量は数百〜数万にわたる幅広い分布を有する。このため、ポリシラザン薄膜を加熱した際に低分子量成分が沸点に達し、蒸気となって飛散する。この蒸気は加熱装置の内部に付着して、製品や加熱装置の汚染原因となる。さらに、この低分子量成分の飛散は、ポリシラザンのシリカへの転化収率(膜収率)を低下させることにもなる。従って、ポリシラザン薄膜を加熱した際の低分子量成分の蒸気発生を最小限に抑え、加熱装置等の汚染を防止すると共にシリカ質膜の収率を向上させることも望まれる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、ポリシラザン組成物にN−ヘテロ環状化合物を添加すると、意外にも大気等の比較的湿度の低い雰囲気中で、場合によっては乾燥雰囲気中でも、ポリシラザン薄膜がシリカ質膜へ高い膜収率で転化することを見い出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明によると、
(1)主として下記一般式(I):
【0007】
【化3】
Figure 0003904691
【0008】
(上式中、R、R、Rはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、これらの基以外でケイ素に直結する部分が炭素である基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基又はアルコキシ基を表すが、但し、RとRの少なくとも一方は水素原子である)で表される骨格を含む数平均分子量100〜50,000のポリシラザン又はその変性物と、1,3−ジ−4−ピペリジルプロパン、4,4’−トリメチレンビス(1−メチルピペリジン)、ジアザビシクロ−〔2.2.2〕オクタン及びシス−2,6−ジメチルピペラジンから成る群より選ばれた少なくとも一種のN−へテロ環状化合物と、を含むポリシラザン含有組成物;並びに(2)主として下記一般式(I):
【0009】
【化4】
Figure 0003904691
【0010】
(上式中、R、R、Rはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、これらの基以外でケイ素に直結する部分が炭素である基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基又はアルコキシ基を表すが、但し、RとRの少なくとも一方は水素原子である)で表される骨格を含む数平均分子量100〜50,000のポリシラザン又はその変性物と1,3−ジ−4−ピペリジルプロパン、4,4’−トリメチレンビス(1−メチルピペリジン)、ジアザビシクロ−〔2.2.2〕オクタン及びシス−2,6−ジメチルピペラジンから成る群より選ばれた少なくとも一種のN−へテロ環状化合物とを含むポリシラザン含有組成物の塗膜を形成し、次いで周囲条件下で放置又は加熱することを特徴とするシリカ質膜の形成方法が提供される。
【0011】
本発明の好ましい実施態様を以下に列挙する。
(3)前記ポリシラザンがペルヒドロポリシラザンである、(1)項に記載のポリシラザン含有組成物。
(4)前記N−ヘテロ環状化合物が芳香族性を示さない化合物である、(1)項又は(3)項に記載のポリシラザン含有組成物。
(5)前記N−ヘテロ環状化合物が1,3−ジ−4−ピペリジルプロパン、4,4’−トリメチレンビス(1−メチルピペリジン)、ジアザビシクロ−〔2.2.2〕オクタン及びシス−2,6−ジメチルピペラジンから成る群より選ばれた少なくとも一種の化合物である、(4)項に記載のポリシラザン含有組成物。
(6)前記N−ヘテロ環状化合物がポリシラザン重量に対して0.1〜10重量%の量で含まれている、(1)項及び(3)〜(5)項のいずれか一項に記載のポリシラザン含有組成物。
【0012】
(7)前記加熱を加湿条件下で行うことを特徴とする、(2)項に記載の方法。
(8)前記加熱を、相対湿度30%以上において200℃以下の加熱を施す予備焼成工程と、その後相対湿度30%以下において200℃以上の加熱を施す本焼成工程とに分けて行うことを特徴とする、(2)項に記載の方法。
(9)前記本焼成工程における相対湿度が20%以下である、(8)項に記載の方法。
(10)前記本焼成工程における相対湿度が10%以下である、(8)項に記載の方法。
(11)前記本焼成工程における相対湿度が実質的に0%である、(8)項に記載の方法。
(12)前記予備焼成工程における相対湿度が40%以上であることを特徴とする、(8)項〜(11)項のいずれか一項に記載の方法。
【0013】
本発明によると、ポリシラザン組成物にN−ヘテロ環状化合物を添加することにより、ポリシラザン単独及び従来のポリシラザン組成物(特に、脂肪族アミン類を添加したもの)と比較してシリカ転化速度が著しく高くなり、相対湿度の低い条件下で、場合によっては乾燥雰囲気中でも、ポリシラザン薄膜をシリカ質膜へ転化できるので、半導体装置や液晶装置の絶縁膜、平坦化膜、等としてポリシラザン由来のシリカ質膜を適用する場合に、装置特性に悪影響を及ぼす恐れのある高温高湿度雰囲気を回避することができる。
また、シリカ転化速度の高速化により、ポリシラザンの低分子量成分が加熱時に沸点に達して蒸発する前に高分子量化する割合が増加するため、ポリシラザン薄膜を加熱した際の低分子量成分の蒸気発生が減少し、加熱装置等の汚染が防止されると共に、蒸気飛散量が減少するためにシリカ質膜の収率が向上する。
【0014】
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明で用いるポリシラザンは、分子内に少なくともSi−H結合又はN−H結合を有するポリシラザンであればよく、ポリシラザン単独は勿論のこと、ポリシラザンと他のポリマーとの共重合体やポリシラザンと他の化合物との混合物でも利用できる。
用いるポリシラザンには、鎖状、環状又は架橋構造を有するもの、あるいは分子内にこれら複数の構造を同時に有するものがあり、これら単独でもあるいは混合物でも利用できる。
【0015】
用いるポリシラザンの代表例としては下記のようなものがあるが、これらに限定されるものではない。得られる膜の硬度や緻密性の点からはペルヒドロポリシラザンが好ましく、可撓性の点ではオルガノポリシラザンが好ましい。これらポリシラザンの選択は、当業者であれば用途に合わせて適宜行うことができる。
上記一般式(I)でR1 、R2 及びR3 に水素原子を有するものは、ペルヒドロポリシラザンであり、その製造法は、例えば特公昭63−16325号公報、D. Seyferth らCommunication of Am. Cer. Soc., C-13, January 1983. に報告されている。これらの方法で得られるものは、種々の構造を有するポリマーの混合物であるが、基本的には分子内に鎖状部分と環状部分を含み、
【0016】
【化5】
Figure 0003904691
【0017】
の化学式で表わすことができる。ペルヒドロポリシラザンの構造の一例を以下に示す。
【0018】
【化6】
Figure 0003904691
【0019】
一般式(I)でR及びRに水素原子、Rにメチル基を有するポリシラザンの製造方法は、D. Seyferth らPolym. Prepr., Am. Chem. Soc., Div. Polym.Chem., 25, 10(1984)に報告されている。この方法により得られるポリシラザンは、繰り返し単位が−(SiH NCH )−の鎖状ポリマーと環状ポリマーであり、いずれも架橋構造をもたない。一般式(I)で 及び に水素原子、 に有機基を有するポリオルガノ(ヒドロ)シラザンの製造法は、D. Seyferth らPolym. Prepr., Am. Chem. Soc., Div. Polym. Chem., 25, 10(1984)、特開昭61−89230号公報、同62−156135号公報に報告されている。これらの方法により得られるポリシラザンには、−(RSiHNH)−を繰り返し単位として、主として重合度が3〜5の環状構造を有するものや(RSiHNH)〔(RSiH)1.5N〕1−X(0.4<x<1)の化学式で示される分子内に鎖状構造と環状構造を同時に有するものがある。
【0020】
一般式(I)でR1 に水素原子、R2 及びR3 に有機基を有するポリシラザン、またR1 及びR2 に有機基、R3 に水素原子を有するものは、−(R1 2 SiNR3 )−を繰り返し単位として、主に重合度が3〜5の環状構造を有している。
用いるポリシラザンは、上記一般式(I)で表わされる単位からなる主骨格を有するが、一般式(I)で表わされる単位は、上記にも明らかなように環状化することがあり、その場合にはその環状部分が末端基となり、このような環状化がされない場合には、主骨格の末端はR1 、R2 、R3 と同様の基又は水素であることができる。
【0021】
ポリオルガノ(ヒドロ)シラザンの中には、D. Seyferth らCommunication of Am. Cer. Soc., C-132, July 1984. が報告されている様な分子内に架橋構造を有するものもある。一例を下記に示す。
【0022】
【化7】
Figure 0003904691
【0023】
また、特開昭49−69717号公報に報告されている様なR1 SiX3 (X:ハロゲン)のアンモニア分解によって得られる架橋構造を有するポリシラザン(R1 Si(NH)X )、あるいはR1 SiX3 及びR2 2SiX2 の共アンモニア分解によって得られる下記の構造を有するポリシラザンも出発材料として用いることができる。
【0024】
【化8】
Figure 0003904691
【0025】
また、ポリシラザン変性物として、例えば下記の構造(式中、側鎖の金属原子であるMは架橋をなしていてもよい)のように金属原子を含むポリメタロシラザンも出発材料として用いることができる。
【0026】
【化9】
Figure 0003904691
【0027】
その他、特開昭62−195024号公報に報告されているような繰り返し単位が〔(SiH2 n (NH)m 〕及び〔(SiH2 r O〕(これら式中、n、m、rはそれぞれ1、2又は3である)で表されるポリシロキサザン、特開平2−84437号公報に報告されているようなポリシラザンにボロン化合物を反応させて製造する耐熱性に優れたポリボロシラザン、特開昭63−81122号、同63−191832号、特開平2−77427号公報に報告されているようなポリシラザンとメタルアルコキシドとを反応させて製造するポリメタロシラザン、特開平1−138108号、同1−138107号、同1−203429号、同1−203430号、同4−63833号、同3−320167号公報に報告されているような分子量を増加させたり(上記公報の前4者)、耐加水分解性を向上させた(後2者)、無機シラザン高重合体や改質ポリシラザン、特開平2−175726号、同5−86200号、同5−331293号、同3−31326号公報に報告されているようなポリシラザンに有機成分を導入した厚膜化に有利な共重合ポリシラザン、等も同様に使用できる。
【0028】
本発明では、さらに以下のような低温セラミックス化ポリシラザンを使用することができる。例えば、本願出願人による特開平5−238827号公報に記載されているケイ素アルコキシド付加ポリシラザンが挙げられる。この変性ポリシラザンは、前記一般式(I)で表されるポリシラザンと、下記一般式(II):
Si(OR4 4 (II)
(式中、R4 は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素原子数1〜20個を有するアルキル基またはアリール基を表し、少なくとも1個のR4 は上記アルキル基またはアリール基である)で表されるケイ素アルコキシドを加熱反応させて得られる、アルコキシド由来ケイ素/ポリシラザン由来ケイ素原子比が0.001〜3の範囲内かつ数平均分子量が約200〜50万のケイ素アルコキシド付加ポリシラザンである。上記R4 は、炭素原子数1〜10個を有するアルキル基がより好ましく、また炭素原子数1〜4個を有するアルキル基が最も好ましい。また、アルコキシド由来ケイ素/ポリシラザン由来ケイ素原子比は0.05〜2.5の範囲内にあることが好ましい。ケイ素アルコキシド付加ポリシラザンの調製については上記特開平5−238827号公報を参照されたい。
【0029】
低温セラミックス化ポリシラザンの別の例として、本出願人による特開平6−122852号公報に記載されているグリシドール付加ポリシラザンが挙げられる。この変性ポリシラザンは、前記一般式(I)で表されるポリシラザンとグリシドールを反応させて得られる、グリシドール/ポリシラザン重量比が0.001〜2の範囲内かつ数平均分子量が約200〜50万のグリシドール付加ポリシラザンである。グリシドール/ポリシラザン重量比は0.01〜1であることが好ましく、さらには0.05〜0.5であることがより好ましい。グリシドール付加ポリシラザンの調製については上記特開平6−122852号公報を参照されたい。
【0030】
低温セラミックス化ポリシラザンの別の例として、本願出願人による特開平6−240208号公報に記載されているアルコール付加ポリシラザンが挙げられる。この変性ポリシラザンは、前記一般式(I)で表されるポリシラザンとアルコールを反応させて得られる、アルコール/ポリシラザン重量比が0.001〜2の範囲内かつ数平均分子量が約100〜50万のアルコール付加ポリシラザンである。上記アルコールは、沸点110℃以上のアルコール、例えばブタノール、ヘキサノール、オクタノール、ノナノール、メトキシエタノール、エトキシエタノール、フルフリルアルコールであることが好ましい。また、アルコール/ポリシラザン重量比は0.01〜1であることが好ましく、さらには0.05〜0.5であることがより好ましい。アルコール付加ポリシラザンの調製については上記特開平6−240208号公報を参照されたい。
【0031】
低温セラミックス化ポリシラザンのまた別の例として、本願出願人による特開平6−299118号公報に記載されている金属カルボン酸塩付加ポリシラザンが挙げられる。この変性ポリシラザンは、前記一般式(I)で表されるポリシラザンと、ニッケル、チタン、白金、ロジウム、コバルト、鉄、ルテニウム、オスミウム、パラジウム、イリジウム、アルミニウムの群から選択される少なくとも1種の金属を含む金属カルボン酸塩を反応させて得られる、金属カルボン酸塩/ポリシラザン重量比が0.000001〜2の範囲内かつ数平均分子量が約200〜50万の金属カルボン酸塩付加ポリシラザンである。上記金属カルボン酸塩は、式(RCOO)n M〔式中、Rは炭素原子数1〜22個の脂肪族基又は脂環式基であり、Mは上記金属群から選択される少なくとも1種の金属を表し、そしてnは金属Mの原子価である〕で表される化合物である。上記金属カルボン酸塩は無水物であっても水和物であってもよい。また、金属カルボン酸塩/ポリシラザン重量比は好ましくは0.001〜1、より好ましくは0.01〜0.5である。金属カルボン酸塩付加ポリシラザンの調製については上記特開平6−299118号公報を参照されたい。
【0032】
低温セラミックス化ポリシラザンのさらに別の例として、本願出願人による特開平6−306329号公報に記載されているアセチルアセトナト錯体付加ポリシラザンが挙げられる。この変性ポリシラザンは、前記一般式(I)で表されるポリシラザンと、金属としてニッケル、白金、パラジウム又はアルミニウムを含むアセチルアセトナト錯体を反応させて得られる、アセチルアセトナト錯体/ポリシラザン重量比が0.000001〜2の範囲内かつ数平均分子量が約200〜50万のアセチルアセトナト錯体付加ポリシラザンである。上記の金属を含むアセチルアセトナト錯体は、アセチルアセトン(2,4−ペンタジオン)から酸解離により生じた陰イオンacac- が金属原子に配位した錯体であり、一般に式(CH3 COCHCOCH3 n M〔式中、Mはn価の金属を表す〕で表される。アセチルアセトナト錯体/ポリシラザン重量比は、好ましくは0.001〜1、より好ましくは0.01〜0.5である。アセチルアセトナト錯体付加ポリシラザンの調製については上記特開平6−306329号公報を参照されたい。
【0033】
その他の低温セラミックス化ポリシラザンの例として、本願出願人による特開平7−196986号公報に記載されている金属微粒子添加ポリシラザンが挙げられる。この変性ポリシラザンは、前記一般式(I)で表されるポリシラザンを主成分とするコーティング溶液に、Au、Ag、Pd、Niなどの金属の微粒子を添加して得られる変性ポリシラザンである。好ましい金属はAgである。金属微粒子の粒径は0.5μmより小さいことが好ましく、0.1μm以下がより好ましく、さらには0.05μmより小さいことが好ましい。特に、粒径0.005〜0.01μmの独立分散超微粒子を高沸点アルコールに分散させたものが好ましい。金属微粒子の添加量は、ポリシラザン100重量部に対して0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部である。金属微粒子添加ポリシラザンの調製については上記特開平7−196986号公報を参照されたい。
【0034】
上述のように、本発明によるポリシラザン含有組成物はN−ヘテロ環状化合物を含む。本発明によるN−ヘテロ環状化合物は、ポリシラザンのSi−N結合がシリカのSi−O結合へ転化する反応を促進する触媒作用を有するものである。N−ヘテロ環状化合物とは、環を構成するヘテロ原子として窒素原子を少なくとも1個含有する複素環式化合物を意味し、これらの化合物は一般に上記触媒作用を有する。しかしながら、上記触媒作用を増強するためは芳香族性を示さないN−ヘテロ環状化合物を使用することが好ましい。芳香族性を示さないN−ヘテロ環状化合物は、窒素原子上の孤立電子対の電子密度が高く、このことが上記触媒作用の一層の増強に寄与すると考えられる。また、N−ヘテロ環状化合物の孤立電子対は立体化学的に外方に向いているため、転化反応に際して脂肪族アミン類よりもポリシラザンのSi原子に近づきやすいことも上記触媒作用の増強に寄与しているものと考えられる。
【0035】
本発明において用いられるN−ヘテロ環状化合物として、1,3−ジ−4−ピペリジルプロパン、4,4’−トリメチレンビス(1−メチルピペリジン)、ジアザビシクロ−〔2.2.2〕オクタン及びシス−2,6−ジメチルピペラジンが挙げられる。
【0036】
本発明によるポリシラザン含有組成物は、上記N−ヘテロ環状化合物を、その種類及び用途に応じ、ポリシラザン重量に対して0.01〜50重量%の量で含有する。一般に、N−ヘテロ環状化合物の含有量の増加に伴いシリカ転化促進効果は増大するが、同時に転化後のシリカ質膜の密度が低下したり、ポリシラザンの安定性が低下して組成物の取扱い性が悪くなるなどの不利な点も目立ってくるので、組成物の目的により必然的にN−ヘテロ環状化合物の含有量の上限は定められる。N−ヘテロ環状化合物はポリシラザン重量に対して0.1〜10重量%の量で含まれることが好ましい。
【0037】
本発明によるポリシラザン含有組成物の調製は、ポリシラザンにN−ヘテロ環状化合物を添加してもよいし、反対にN−ヘテロ環状化合物にポリシラザンを添加してもよい。両者を均一に混合することが好ましく、そのためにはポリシラザンとN−ヘテロ環状化合物を十分に攪拌しながら混合することや、それぞれを後述の溶剤に溶かして希釈してから混合することが望ましい。特に、混合に際してN−ヘテロ環状化合物が固体である場合には、これを溶剤に溶かしてから混合することが好ましい。
混合時の温度や圧力に特に制限はなく、温度については一般に0〜200℃の範囲で、圧力については一般に0〜9.8×105 Pa(0〜10kg/cm2 )(ゲージ圧)の範囲で混合すればよい。
【0038】
また、混合時の雰囲気としては、一般には大気中等の周囲雰囲気とすることができるが、特に溶剤を使用しない場合等、ポリシラザンの使用前の高分子量化を避けるために乾燥した不活性雰囲気(例えば、乾燥窒素雰囲気)を採用することが好ましい。
【0039】
溶剤を使用する場合には、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、トリメチルベンゼン、トリエチルベンゼン、等の芳香族化合物;シクロヘキサン;シクロヘキセン;デカヒドロナフタレン;ジペンテン;n−ペンタン、i−ペンタン、n−ヘキサン、i−ヘキサン、n−ヘプタン、i−ヘプタン、n−オクタン、i−オクタン、n−ノナン、i−ノナン、n−デカン、i−デカン、等の飽和炭化水素化合物;エチルシクロヘキサン;メチルシクロヘキサン;p−メンタン;ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、等のエーテル類;メチルイソブチルケトン(MIBK)等のケトン類、等を使用することが好ましい。これらの溶剤を使用する場合、ポリシラザンの溶解度や溶剤の蒸発速度を調節するために、2種類以上の溶剤を混合してもよい。また、ポリカーボネート等、基材によっては特定の溶剤に侵されるものもあるので、その場合は基材に悪影響を与えない溶剤を適宜選択することができる。
【0040】
溶剤の使用量(割合)は採用するコーティング方法により作業性がよくなるように選択され、また用いるポリシラザンの平均分子量、分子量分布、その構造によって異なるので、適宜、自由に混合することができる。しかしながら、ポリシラザンの安定性や製造効率を考慮し、ポリシラザン濃度は0.1〜50重量%、より好適には1〜10重量%とすることが好ましい。
【0041】
また、本発明によるポリシラザン含有組成物に、必要に応じて適当な充填剤及び/又は増量剤を加えることができる。充填剤の例としてはシリカ、アルミナ、ジルコニア、マイカを始めとする酸化物系無機物あるいは炭化珪素、窒化珪素等の非酸化物系無機物の微粉等が挙げられる。また用途によってはアルミニウム、亜鉛、銅等の金属粉末の添加も可能である。
これら充填剤は、針状(ウィスカーを含む。)、粒状、鱗片状等種々の形状のものを単独又は2種以上混合して用いることができる。又、これら充填剤の粒子の大きさは1回に適用可能な膜厚よりも小さいことが望ましい。また充填剤の添加量はポリシラザン1重量部に対し、0.05重量部〜10重量部の範囲であり、特に好ましい添加量は0.2重量部〜3重量部の範囲てある。
ポリシラザン含有組成物には、必要に応じて各種顔料、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、pH調整剤、分散剤、表面改質剤、可塑剤、乾燥促進剤、流れ止め剤を加えてもよい。
【0042】
本発明によると、上記のようなポリシラザン又はその変性物とN−ヘテロ環状化合物とを含むポリシラザン含有組成物の塗膜を形成し、次いで周囲条件下で放置又は加熱することを特徴とするシリカ質膜の形成方法も提供される。
【0043】
本発明によるポリシラザン含有組成物は、大気中、100℃程度の温度では5分以上で、また室温付近(25℃程度)でも30分以上でシリカへ転化し得る。従って、本発明によるポリシラザン含有組成物の塗膜は、金属材料、無機材料、等の耐熱材料はもとより、ガラス、プラスチック、木材、紙、等の耐熱性の低い材料を基材(基板)としても、効率よく形成することができる。
とりわけ、本発明によるポリシラザン含有組成物は、シリカ転化に際して高温高湿度(特に、200℃以上の加湿雰囲気)を必要とはしないため、半導体や液晶などの電子デバイスの絶縁膜や平坦化膜として適用した場合に、シリカ転化時にデバイス特性が高温の水蒸気で損なわれる恐れがなく、特に有利である。
【0044】
ポリシラザン含有組成物の適用手段としては、一般的な塗布方法、即ち、浸漬、ロール塗り、バー塗り、刷毛塗り、スプレー塗り、フロー塗り、スピンコート、等の方法を採用することができる。また、塗布前に基材をヤスリがけ、脱脂、各種ブラスト等で表面処理しておくと、塗膜の付着性が向上する。
塗膜は必要に応じて1回又は2回以上繰り返して塗布することにより所望の膜厚とすることができる。所望の膜厚は用途により異なるが、例えば、半導体層間絶縁膜では0.1〜3μm、液晶カラーフィルターの保護膜では0.05〜3μm、プラスチックフィルムのガスバリアコーティングでは0.05〜3μm、等が目安となる。
【0045】
塗布後、必要に応じて塗膜を乾燥して溶剤を除去した後、一般に周囲条件下で放置するか又は加熱することによりシリカ質膜を形成させることができる。
周囲条件下で放置する場合、一般に1〜14日、好適には3〜10日の放置期間でポリシラザンは十分にシリカへ転化する。
加熱する場合、加熱温度は基材の耐熱温度を考慮して任意に決めることができるが、一般には室温以上、好適には150℃以上の加熱温度でシリカへの転化速度が促進される。
加熱手段に特に制限はなく、一般にセラミックスの焼成に用いられるものであれば十分である。例えば、ホットプレート、焼成炉、等が挙げられる。
【0046】
本発明によるポリシラザン含有組成物は、従来のシリカ転化条件に相当する、周囲条件よりも相対湿度が高い条件下で放置又は加熱した場合にも、従来よりも一層高いシリカ転化速度が達成される。従って、本発明によるポリシラザン含有組成物を高湿度条件下でシリカ転化させることにより、従来よりも低温で、効率よく、しかも低分子量成分の蒸発によるデメリットもなく、シリカ質膜を得ることができる。例えば、相対湿度が70%以上、好ましくは75%以上、より好ましくは80%以上となるように加湿を行うことで、従来よりも一層高いシリカ転化速度が得られる。すなわち、本発明のポリシラザン組成物は、そのシリカへの転化速度が高いため、製膜後、焼成してシリカ質膜とする場合に、その低分子量成分の高分子量化が迅速に進み、焼成時にポリシラザン蒸気の発生を伴わない。これにより、得られるシリカ薄膜の収率が高くなる。また、ポリシラザン蒸気の発生がないことから、これが原因となる各種の不都合を回避することができる。
【0047】
本発明により半導体装置等の電子デバイス向けの特に緻密で高純度のシリカ質膜を得る場合には、このような装置は一般に200℃以上の高温において高湿度雰囲気に晒されると装置特性が損なわれる恐れがあるため、加熱を、相対湿度30%以上において200℃以下の加熱を施す予備焼成工程と、その後相対湿度30%以下において200℃以上の加熱を施す本焼成工程とに分けて行うことが好ましい。このようにすると、装置特性が損なわれない200℃以下の予備焼成時に転化されたシリカが、相対湿度の低い本焼成時に緻密化されるので、全体として装置が高温高湿度に晒されて装置特性が損なわれることがなく、絶縁膜等として優れた緻密な高純度のシリカ質膜を得ることができる。
【0048】
本発明による本焼成工程における相対湿度は、予備焼成を十分に施すことにより低くすることができ、好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下にすることができる。また、本焼成工程における相対湿度を実質的に0%とすることも可能である。
尚、予備焼成時には、ポリシラザンの窒素を酸素へ転化するための酸素供給源として、少なくとも大気中に含まれる程度の相対湿度が必要である。具体的には、予備焼成時の相対湿度は少なくとも30%、好ましくは40%以上とする。また、大気中以上の湿度が望まれる場合には、加湿を施すことができ、例えば、200℃以下の加熱を行い、相対湿度が70%以上となるように加湿を行う条件、好ましくは150℃以下の加熱を行い、相対湿度が75%以上となるように加湿を行う条件、より好ましくは100℃以下の加熱を行い、相対湿度が80%以上となるように加湿を行う条件により、予備焼成時のシリカ転化を促進することができる。
【0049】
【実施例】
参考例〔ペルヒドロポリシラザンの合成〕
内容積2Lの四つ口フラスコにガス吹き込み管、メカニカルスターラー、ジュワーコンデンサーを装着した。反応器内部を乾燥窒素で置換した後、四つ口フラスコに乾燥ピリジン1500mLを入れ、これを氷冷した。次にジクロロシラン100gを加えると白色固体状のアダクト(SiH2 Cl2 ・2C5 5 N)が生成した。反応混合物を氷冷し、攪拌しながらアンモニア70gを吹き込んだ。引き続き乾燥窒素を液層に30分間吹き込み、余剰のアンモニアを除去した。
【0050】
得られた生成物をブッフナーロートを用いて乾燥窒素雰囲気下で減圧濾過し、濾液1200mLを得た。エバポレーターを用いてピリジンを留去したところ、40gのペルヒドロポリシラザンを得た。
得られたペルヒドロポリシラザンの数平均分子量をGPC(展開液:CDCl3 )により測定したところ、ポリスチレン換算で800であった。IR(赤外吸収)スペクトルは、波数(cm-1)3350及び1200付近のN−Hに基づく吸収:2170のSi−Hに基づく吸収:1020〜820のSi−N−Siに基づく吸収を示した。IRスペクトルを図1に示す。
【0051】
実施例1(DPP 5%添加)
容量300mLのガラス製ビーカーに、上記参考例で合成したペルヒドロポリシラザン20gとジブチルエーテル50gを導入し、ポリシラザン溶液を調製した。次に、1,3−ジ−4−ピペリジルプロパン(DPP)1.0gをジブチルエーテル30gに混合してよく攪拌した。この混合物を上記のポリシラザン溶液にスターラーでよく攪拌しながら、ゆっくり約5分かけて滴下した。
【0052】
得られたポリシラザンの数平均分子量を、ポリスチレンを基準とするGPC法により測定したところ、860であった。IRスペクトルは、ポリシラザンの吸収、すなわち波数(cm-1)3370及び1180のN−Hに基づく吸収:2170及び840のSi−Hに基づく吸収:1060〜800のSi−N−Siに基づく吸収に加えて、波数(cm-1)2800〜3100のC−Hに基づく吸収が観測された。IRスペクトルを図2に示す。
【0053】
実施例2(DPP 1%添加)
容量300mLのガラス製ビーカーに、上記参考例で合成したペルヒドロポリシラザン20gとジブチルエーテル50gを導入し、ポリシラザン溶液を調製した。次に、0.2gのDPPをジブチルエーテル30gに混合してよく攪拌した。この混合物を上記のポリシラザン溶液にスターラーでよく攪拌しながら、ゆっくり約5分かけて滴下した。
【0054】
得られたポリシラザンの数平均分子量を、ポリスチレンを基準とするGPC法により測定したところ、810であった。IRスペクトルは、ポリシラザンの吸収、すなわち波数(cm-1)3370及び1180のN−Hに基づく吸収:2170及び830のSi−Hに基づく吸収:1060〜800のSi−N−Siに基づく吸収が観測された。IRスペクトルを図3に示す。
【0055】
実施例3〔4,4’−トリメチレンビス(1−メチルピペリジン) 5%添加〕
容量300mLのガラス製ビーカーに、上記参考例で合成したペルヒドロポリシラザン20gとジブチルエーテル50gを導入し、ポリシラザン溶液を調製した。次に、4,4’−トリメチレンビス(1−メチルピペリジン)1.0gをジブチルエーテル30gに混合してよく攪拌した。この混合物を上記のポリシラザン溶液にスターラーでよく攪拌しながら、ゆっくり約5分かけて滴下した。
【0056】
得られたポリシラザンの数平均分子量を、ポリスチレンを基準とするGPC法により測定したところ、890であった。IRスペクトルは、ポリシラザンの吸収、すなわち波数(cm-1)3370及び1180のN−Hに基づく吸収:2160及び830のSi−Hに基づく吸収:1060〜800のSi−N−Siに基づく吸収に加えて、波数(cm-1)2700〜3100のC−Hに基づく吸収が観測された。IRスペクトルを図4に示す。
【0057】
実施例4〔ジアザビシクロ−〔2.2.2〕オクタン 5%添加〕
容量300mLのガラス製ビーカーに、上記参考例で合成したペルヒドロポリシラザン20gとジブチルエーテル50gを導入し、ポリシラザン溶液を調製した。次に、ジアザビシクロ−〔2.2.2〕オクタン1.0gをジブチルエーテル30gに混合してよく攪拌した。この混合物を上記のポリシラザン溶液にスターラーでよく攪拌しながら、ゆっくり約5分かけて滴下した。
【0058】
得られたポリシラザンの数平均分子量を、ポリスチレンを基準とするGPC法により測定したところ、950であった。IRスペクトルは、ポリシラザンの吸収、すなわち波数(cm-1)3370及び1180のN−Hに基づく吸収:2170及び830のSi−Hに基づく吸収:1060〜800のSi−N−Siに基づく吸収に加えて、波数(cm-1)2800〜3000のC−Hに基づく吸収が観測された。IRスペクトルを図5に示す。
【0059】
実施例5〔cis−2,6−ジメチルピペラジン 5%添加〕
容量300mLのガラス製ビーカーに、上記参考例で合成したペルヒドロポリシラザン20gとジブチルエーテル50gを導入し、ポリシラザン溶液を調製した。次に、cis−2,6−ジメチルピペラジン1.0gをジブチルエーテル30gに混合してよく攪拌した。この混合物を上記のポリシラザン溶液にスターラーでよく攪拌しながら、ゆっくり約5分かけて滴下した。
【0060】
得られたポリシラザンの数平均分子量を、ポリスチレンを基準とするGPC法により測定したところ、950であった。IRスペクトルは、ポリシラザンの吸収、すなわち波数(cm-1)3370及び1180のN−Hに基づく吸収:2170及び830のSi−Hに基づく吸収:1060〜800のSi−N−Siに基づく吸収が観測された。IRスペクトルを図6に示す。
【0061】
比較例〔トリペンチルアミン 5%添加〕
容量300mLのガラス製ビーカーに、上記参考例で合成したペルヒドロポリシラザン20gとジブチルエーテル50gを導入し、ポリシラザン溶液を調製した。次に、トリペンチルアミン1.0gをジブチルエーテル30gに混合してよく攪拌した。この混合物を上記のポリシラザン溶液にスターラーでよく攪拌しながら、ゆっくり約5分かけて滴下した。
【0062】
得られたポリシラザンの数平均分子量を、ポリスチレンを基準とするGPC法により測定したところ、860であった。IRスペクトルは、ポリシラザンの吸収、すなわち波数(cm-1)3360及び1180のN−Hに基づく吸収:2170及び840のSi−Hに基づく吸収:1060〜800のSi−N−Siに基づく吸収に加えて、波数(cm-1)2800〜3000のC−Hに基づく吸収が観測された。IRスペクトルを図13に示す。
【0063】
シリカ転化及びシリカ質膜物性
参考例のペルヒドロポリシラザン及び実施例1〜5で得られた本発明のポリシラザン含有組成物を、以下の方法でシリカ質膜に転化し、その膜物性を調べた。
製膜・シリカ転化
ペルヒドロポリシラザン及び本発明のポリシラザン含有組成物をそれぞれジブチルエーテルに溶解させて20%の溶液を調製した。この溶液を直径10.16cm(4インチ)、厚さ0.5mmのシリコンウェハー上にスピンコーターにより塗布した(2000rpm、20秒)。得られた塗膜を以下の3種類の条件でシリカ転化した。
(1)90℃、相対湿度80%の恒温恒湿器中で10分保持。
(2)大気雰囲気(相対湿度40%)中200℃のホットプレートで3分保持後、乾燥空気雰囲気(相対湿度0%)中400℃で焼成。
(3)大気雰囲気(25℃、相対湿度40%)中で3日間放置。
【0064】
シリカ転化率シリカ転化率はIRスペクトルより定性的に決定した。その結果を、◎:実質的に完全転化、○:ほぼ完全転化、△:一部分不完全転化、×:不完全転化として表記した
【0065】
膜密度
直径10.16cm(4インチ)、厚さ0.5mmのシリコンウェハーの重量を電子天秤で測定した。該ウェハーにポリシラザン溶液又は本発明によるポリシラザン含有組成物の塗膜を上記スピンコート法で製作した後、シリカ転化し、再びシリカ質膜付きのウェハーを電子天秤で秤量した。膜重量は、製膜前後の重量差とした。
膜厚は、触針式膜厚測定器(Sloan社製 Dektak IIA)を用いて測定した。
膜密度は下式により算出した。
膜密度(g/cm3 )=膜重量(g)/膜厚(μm)/0.008
【0066】
エッチングレート(緻密性)
シリカ転化後の膜付きシリコンウェハーを5%のバッファードフッ酸に浸漬し、膜が除去されるまでに要した時間を測定する。触針式膜厚測定器を用いて測定した膜厚と除去に要した時間から、1分当たりの腐食速度(Å/分)を得た。
【0067】
発煙
上記のシリカ転化条件(2)において、200℃のホットプレートに載せた直後に発煙の有無を目視観察した。
上記の各種膜物性データを以下の表にまとめて記載する。
【0068】
【表1】
Figure 0003904691
【0069】
表1より、本発明によりN−ヘテロ環状化合物を含むポリシラザン組成物(実施例1〜5)は、上記(1)〜(3)のいずれの条件でも実質的に完全にシリカへ転化したが、N−ヘテロ環状化合物を含まないポリシラザン組成物(参考例)は上記条件では不完全転化に終わったことがわかる。また、本発明によりN−ヘテロ環状化合物を含むポリシラザン組成物(実施例1〜5)は、脂肪族アミン類のトリペンチルアミンを含むポリシラザン組成物(比較例)と比べ、シリカ転化率、膜密度、緻密性のいずれにおいても優れていることがわかる。さらに、表1より、本発明によるN−ヘテロ環状化合物を含むポリシラザン組成物は各種転化条件でシリカ質膜へと転化するので、被塗被材の種類や所期の用途に応じて様々な使用方法が考えられることがわかる。また、シリカ転化条件(2)における発煙試験の結果より、本発明によるN−ヘテロ環状化合物を含むポリシラザン組成物では、加熱時にポリシラザンの低分子量成分が蒸気となって飛散することがないことがわかる。
【0070】
実施例6
参考例で合成したペルヒドロポリシラザンをm−キシレンに溶解して濃度12重量%のポリシラザン溶液を調製した。この溶液に攪拌しながら4,4’−トリメチレンビス(1−メチルピペリジン)を3重量%になるように室温で徐々に添加した。
この溶液を、厚さ75μm、幅60cm、総延長300mのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム基材を5m/分で搬送しながらグラビア(リバース)コート法(ロール#80)で片面に塗布し、続いて溶剤乾燥ゾーン(80℃、内部搬送距離10m)を上記搬送速度で通過させることにより、ポリシラザン塗膜を乾燥した(滞留時間2分)。
乾燥ゾーンを通過したポリシラザン塗布フィルムを、温度95℃、相対湿度80%RHに維持された内部搬送距離10mの加湿炉内を上記搬送速度で搬送することによって、ポリシラザン塗膜を10分間水蒸気雰囲気に暴露した。
【0071】
膜特性の評価
実施例6で得られたセラミック被膜は、IR分光法におけるSi−H振動(N−H振動)ピークの消失と、Si−O振動ピークの出現により、すべて実質的にシリカへ転化したことを確認した。また、このセラミック被膜の膜厚は、分光法により可視領域のスペクトル中の干渉を生じたピークを用いて計算したところ、すべて0.6μmであることがわかった。
【0072】
このセラミック被膜の特性を以下の項目について評価した。参考までに、用いたプラスチックフィルム基材自体の特性についても(5)密着性を除いて測定した。
(1)酸素透過率(単位:cc/m2 /24時間/atm)
モコン製測定器を用いて25℃、65%RHで測定した。
(2)水蒸気透過率(単位:g/m2 /24時間)
モコン製測定器を用いて40℃で測定した。
(3)光透過率
ヘイズメーターを用いて可視光平均透過率を測定した。
(4)耐擦傷性
スチールウール#000番、荷重250g、100回転(60rpm)の条件で試験し、目視で傷の数を観察し、A〜Eの等級付けをした。評価A:傷なし、評価B:傷2本以下、評価C:傷3〜5本、評価D:傷6〜10本、評価E:傷11本以上。
(5)密着性
碁盤目テープ剥離試験で評価した。
【0073】
Figure 0003904691
【0074】
表2より、本発明のポリシラザン組成物を用いて透明フィルム基材に優れたガスバリヤ性を付与できることがわかる。
【0075】
【発明の効果】
本発明によると、ポリシラザン組成物にN−ヘテロ環状化合物を添加することにより、ポリシラザン単独及び従来のポリシラザン組成物と比較してシリカ転化速度が著しく高くなり、相対湿度の低い周囲条件下で、場合によっては乾燥雰囲気中でも、ポリシラザン薄膜をシリカ質膜へ転化できるので、半導体装置や液晶装置の絶縁膜、平坦化膜、等としてポリシラザン由来のシリカ質膜を適用する場合に、装置特性に悪影響を及ぼす恐れのある高温高湿度雰囲気を回避することができる。
また、シリカ転化速度の高速化により、ポリシラザンの低分子量成分が加熱時に沸点に達して蒸発する前に高分子量化する割合が増加するため、ポリシラザン薄膜を加熱した際の低分子量成分の蒸気発生が減少し、加熱装置等の汚染が防止されると共に、蒸気飛散量が減少するためにシリカ質膜の収率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例で得られたペルヒドロポリシラザンのIRスペクトル図である。
【図2】実施例1で得られたポリシラザン含有組成物のIRスペクトル図である。
【図3】実施例2で得られたポリシラザン含有組成物のIRスペクトル図である。
【図4】実施例3で得られたポリシラザン含有組成物のIRスペクトル図である。
【図5】実施例4で得られたポリシラザン含有組成物のIRスペクトル図である。
【図6】実施例5で得られたポリシラザン含有組成物のIRスペクトル図である。
【図7】参考例で得られたペルヒドロポリシラザンをシリカ転化条件(1)で転化した後のIRスペクトル図である。
【図8】参考例で得られたペルヒドロポリシラザンをシリカ転化条件(2)で転化した後のIRスペクトル図である。
【図9】参考例で得られたペルヒドロポリシラザンをシリカ転化条件(3)で転化した後のIRスペクトル図である。
【図10】実施例1で得られたポリシラザン含有組成物をシリカ転化条件(1)で転化した後のIRスペクトル図である。
【図11】実施例1で得られたポリシラザン含有組成物をシリカ転化条件(2)で転化した後のIRスペクトル図である。
【図12】実施例1で得られたポリシラザン含有組成物をシリカ転化条件(3)で転化した後のIRスペクトル図である。
【図13】比較例で得られたポリシラザン含有組成物のIRスペクトル図である。

Claims (2)

  1. 主として下記一般式(I):
    Figure 0003904691
    (上式中、R、R、Rはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、これらの基以外でケイ素に直結する部分が炭素である基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基又はアルコキシ基を表すが、但し、RとRの少なくとも一方は水素原子である)で表される骨格を含む数平均分子量100〜50,000のポリシラザン又はその変性物と1,3−ジ−4−ピペリジルプロパン、4,4’−トリメチレンビス(1−メチルピペリジン)、ジアザビシクロ−〔2.2.2〕オクタン及びシス−2,6−ジメチルピペラジンから成る群より選ばれた少なくとも一種のN−ヘテロ環状化合物とを含むシリカ質膜形成用ポリシラザン含有組成物。
  2. 主として下記一般式(I):
    Figure 0003904691
    (上式中、R、R、Rはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、これらの基以外でケイ素に直結する部分が炭素である基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基又はアルコキシ基を表すが、但し、RとRの少なくとも一方は水素原子である)で表される骨格を含む数平均分子量100〜50,000のポリシラザン又はその変性物と、1,3−ジ−4−ピペリジルプロパン、4,4’−トリメチレンビス(1−メチルピペリジン)、ジアザビシクロ−〔2.2.2〕オクタン及びシス−2,6−ジメチルピペラジンから成る群より選ばれた少なくとも一種のN−ヘテロ環状化合物と、を含むポリシラザン含有組成物の塗膜を形成し、次いで周囲条件下で放置又は加熱することを特徴とするシリカ質膜の形成方法。
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