JP3903930B2 - 管状火炎バーナを用いた燃焼方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、管状火炎バーナを炉等に取り付けて燃焼を行う際に、超低NOx化、超低SPM化等を達成することができる管状火炎バーナを用いた燃焼方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
炉や燃焼器に取り付けられるバーナとして、管状火炎バーナと呼ばれる、先端が炉内に向かって開放された管状の燃焼室を有し、この燃焼室の後端の閉塞端部近傍に、燃料ガスを吹き込むノズルと酸素含有ガスを吹き込むノズルが、燃焼室の内周面の接線方向に向けて設けられているバーナが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この管状火炎バーナは、吹き込まれた燃料ガスと酸素含有ガスが高速乱流混合状態となって均一に混合されることや連続した火炎帯を通過することから、NOxやSPM(浮遊粒子状物質)の発生を低く抑えることができるバーナである。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−281015号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の特許文献1記載の管状火炎バーナによって低NOx及び低SPM化を図ることができるのだが、それだけでは、超低NOx化、超低SPM化及び省エネルギーを達成することはできない。吹き込む燃料として液体燃料や高カロリーガス燃料を使用した場合には特に難しい。
【0006】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、炉や燃焼器に取り付けた管状火炎バーナを用いて燃焼させるに際し、超低NOx化、超低SPM化及び省エネルギーを達成することができる管状火炎バーナを用いた燃焼方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有する。
【0008】
[1]先端が炉内に向けて開放された管状の燃焼室と、ノズル噴射口が前記燃焼室の内面に開口し、噴射方向が前記燃焼室の内周面の接線方向とほぼ一致している燃料吹き込みノズル及び酸素含有ガス吹き込みノズルとを備えた管状火炎バーナを用いた燃焼方法であって、前記燃焼室の後端から炉内方向に向かって、1次燃料吹き込みノズル、1次酸素含有ガス吹き込みノズル、2次酸素含有ガス吹き込みノズル、3次酸素含有ガス吹き込みノズルの順に配置し、以下の条件を満足するようにして燃焼させることを特徴とする管状火炎バーナを用いた燃焼方法。
【0009】
k≧α1+α2+α3≧1.0
α1≧β
α2>0
α3≧0
L2≦L(α1)
ここで、α1は、1次酸素含有ガス比
α2は、2次酸素含有ガス比
α3は、3次酸素含有ガス比
kは、完全燃焼のための最大酸素含有ガス過剰率
βは、すすが発生しない最小酸素含有ガス比
L2は、1次酸素含有ガス吹き込みノズルと2次酸素含有ガス吹き込みノズルとの間隔
L(α1)は、1次酸素含有ガス吹き込みノズルと1次酸素含有ガス燃焼終了点との距離
[2]前記「1」に記載の管状火炎バーナを用いた燃焼方法において、1次燃料吹き込みノズルから液体燃料を吹き込む場合は、液体燃料を吹き込んだ位置と1次酸素含有ガスを吹き込んだ位置とを離し、液体燃料がガス化してから1次酸素含有ガスと混合するようにしたことを特徴とする管状火炎バーナを用いた燃焼方法。
【0010】
【発明の実施の形態】
炉に取り付けられた管状火炎バーナを用いて燃焼を行うに際し、超低NOx化、超低SPM化及び省エネルギーを達成するためには、下記のような燃焼を行うことが望ましい。
【0011】
(A)超低NOx化 …… サーマルNOxのみならず、NOx転換率を低減させてFuel NOxも減らす。
▲1▼着火領域では、最小限の1次酸素含有ガス比とする。
▲2▼1次酸素含有ガスによる管状火炎と、発生NOxを還元するラジカル因子(CH、CH2、OH等)の存在範囲を確保した後、2次酸素含有ガスを吹き込む。
これにより、安定した管状火炎を確保する。
▲3▼燃料カロリー、NOxレベル及び炉内温度レベルにより、3次酸素含有ガスを吹き込む。
▲4▼適宜、炉内に燃料を2次燃料(分解燃焼)、3次燃料(分解燃焼)として吹き込む。液体燃料のみならず、高カロリーガス燃料を用いる場合も、特に効果がある。
【0012】
(B)超低SPM化
▲1▼特に低質液体燃料を用いる場合は予熱する。可能なら予蒸発器を設置する。
▲2▼液体燃料を吹き込む場合は、吹き込んで霧化した後に1次酸素含有ガスと混合するまでの距離を確保する。
▲3▼あまり多過ぎない量の1次酸素含有ガスと均一混合を行う。
▲4▼1次酸素含有ガスによる燃焼で残った燃料に2次酸素含有ガスを吹き込み、SPM粒子のさらなる小径化を図る。
▲5▼3次酸素含有ガスの吹き込みにより、完全燃焼および炉内伝熱の促進を図る。
なお、省エネルギーとの観点から、3次酸素含有ガスの吹き込みの役割を炉内で行うこともできる。
【0013】
(C)省エネルギー
▲1▼SPM粒度、2次酸素含有ガス吹き込み及び3次酸素含有ガス吹き込みの最適化によって、最適伝熱の促進と完全燃焼を図る。
【0014】
本発明は、上記(A)、(B)、(C)を実現することを意図したものであり、その実施形態を以下に述べる。
【0015】
(第1の実施形態)
図1に、本発明の第1の実施形態を示す。図1において、1がこの実施形態において用いる管状火炎バーナであり、先端部が炉2に取り付けられている。
【0016】
管状火炎バーナ1は、先端が炉2内に向かって開放された管状の燃焼室10と、その燃焼室10の後端から先端に向かって順に配置された、1次燃料吹き込み用ノズル11と、1次酸素含有ガス吹き込み用ノズル12と、2次酸素含有ガス吹き込み用ノズル13とを備えており、それらのノズル11、12、13の噴射口は燃焼室10の内面に開口し、噴射方向が燃焼室10の内周面の接線方向とほぼ一致している。
【0017】
1次燃料として吹き込む燃料は、ガス燃料及び液体燃料を使用する。液体燃料としては、灯油、軽油、アルコール、A重油等の比較的低い温度で気化するものが望ましい。C重油等の低質液体燃料を使用する場合には予加熱し、可能なら、予蒸発器を設置し、液体燃料を充分霧化させて用いるとよい。
【0018】
また、上記の酸素含有ガスは、空気、酸素、酸素富化空気、酸素・排ガス混合ガスなど燃焼用の酸素を供給するガスを指している。
【0019】
そして、燃焼室10の管軸方向に対する1次燃料吹き込み用ノズル11の吹き込み角度θと、1次燃料吹き込み用ノズル11と1次酸素含有ガス吹き込み用ノズル12との間隔L1を、使用する燃料の種類によって下記のように設定する。
【0020】
まず、液体燃料を使用する場合は、
θ=90°−Δθ ……(1)
L1>0 ……(2)
とする。
【0021】
すなわち、(1)式のように、1次燃料吹き込み角度θを所定角度Δθだけ燃焼室10の後端側に向けるようにするとともに、(2)式のように、1次燃料吹き込みノズル11と1次酸素含有ガス吹き込みノズル12との間隔L1を所定の距離だけ離すことにより、吹き込まれた液体燃料が1次酸素含有ガスと接触するまでの距離を確保し、液体燃料の霧化およびガス化が十分行われてから1次酸素含有ガスと混合するようにする。なお、角度Δθと間隔L1は、液体燃料の種類及び予加熱の有無や予蒸発器の有無によって適切に設定すればよいが、角度Δθは5°〜15°程度、間隔L1は燃焼室10の内径の1〜2倍程度が好ましい。
【0022】
一方、高カロリーガス燃料を使用する場合は、
θ≒90° ……(3)
L1≒0 ……(4)
とする。
【0023】
すなわち、1次燃料吹き込みノズル11と1次酸素含有ガス吹き込み用ズル12との間隔L1を限りなく0に近づけて、高カロリーガス燃料と1次酸素含有ガスの混合を促進する。
【0024】
そして、1次酸素含有ガス吹き込みノズル12と1次酸素含有ガス燃焼終了点(図1中にX-X線で示す)との距離をL(α1)、1次酸素含有ガス吹き込みノズル12と2次酸素含有ガス吹き込みノズル13との間隔をL2、1次酸素含有ガス比をα1、2次酸素含有ガス比をα2、すすが発生しない最小酸素含有ガス比をβ(β≒0.3)、完全燃焼のための最大酸素含有ガス過剰率をkとした時に、下記の式(5)〜(8)を満足するようにして燃焼させる。
【0025】
k≧α1+α2≧1.0 ……(5)
α1≧β ……(6)
α2>0 ……(7)
L2≦L(α1) ……(8)
ここで、完全燃焼のための最大酸素含有ガス過剰率kは、液体燃料の場合は1.2〜1.3、高カロリーガス燃料の場合は1.05〜1.1である。ちなみに、完全燃焼のための最小酸素含有ガス過剰率は1.0である。
【0026】
1次酸素含有ガス比α1は使用する燃料によって最適値があるが、すすを発生させない範囲でできるだけ小さな値が望ましいので、0.3〜0.5程度が好適である。
【0027】
そして、2次酸素含有ガス比α2は、完全燃焼領域を確保するために、1次酸素含有ガス比α1の値に基づいて、上記(5)式が満足されるように定めればよい。
【0028】
また、1次酸素含有ガス燃焼終了点までの距離L(α1)は燃焼室10の内径の3倍程度になるので、1次酸素含有ガス吹き込みノズル12と2次酸素含有ガス吹き込みノズル13との間隔L2は、燃焼室10の内径の2〜3倍程度とするのが好ましい。
【0029】
なお、必要に応じて、2次酸素含有ガスの前に、2次燃料を吹き込むようにしてもよい。
【0030】
このように、この実施形態においては、管状火炎バーナを用いて燃焼を行うに際して、燃料及び酸素含有ガスの吹き込み位置及び酸素含有ガス比を適切にして燃焼を行っているので、以下のような効果を有している。
【0031】
まず、1次燃料吹き込みノズル11の角度θ、1次燃料吹き込みノズル11と1次酸素含有ガス吹き込みノズル12との間隔L1、1次酸素含有ガス比α1を適切な値としているので、液体燃料の霧化さらにはガス化への促進が確保され、SPM粒子が小径化する。
【0032】
そして、1次酸素含有ガス吹き込みノズル12と2次酸素含有ガス吹き込みノズル13との間隔L2及び2次酸素含有ガス比α2を適切な値としているので、安定した管状火炎と排ガスラジカル因子の存在範囲が確保され、発生NOXの還元化がなされるとともに、SPM粒子の再結合が防止され、SPM粒子がさらに小径化する。
【0033】
そして、2次酸素含有ガス比α2を適切な値にして完全燃焼領域が確保されるようにしているので、超低NOXとSPMのほぼ完全燃焼が得られる。
【0034】
この結果、液体燃料や高カロリーガス燃料を使用した場合においても、超低NOx化および超低SPM化された燃焼を行うことができる。
【0035】
(第2の実施形態)
図2に、本発明の第2の実施形態を示す。この実施形態は、基本的には前記の第1の実施形態と同様であり、前記の式(1)〜(8)が満足されるようにして燃焼させているが、第1の実施形態では、2次酸素含有ガス吹き込みノズル13を燃焼室10に取り付けているのに対して、この実施形態では、2次酸素含有ガス吹き込みノズル13を炉2の炉壁2aに取り付け、2次酸素含有ガスを炉内に吹き込むようにしている。
【0036】
この際、1次酸素含有ガス吹き込みノズル12と2次酸素含有ガス吹き込みノズル13との間隔L2は、1次酸素含有ガス吹き込みノズル12と炉壁2aの内壁面までの距離となり、1次酸素含有ガス燃焼終了点(図2中にX-X線で示す)は炉2内に位置するようにする。
【0037】
また、必要に応じて、炉2内に2次燃料を吹き込むようにしてもよい。
【0038】
これにより、この実施形態においては、第1の実施形態と同様に、超低NOx化および超低SPM化された燃焼を行うことができるとともに、炉内燃焼による輻射伝熱によって炉内温度を上昇させることで省エネルギーも図ることができる。
【0039】
(第3の実施形態)
図3に、本発明の第3の実施形態を示す。図3において、1がこの実施形態において用いる管状火炎バーナであり、先端部が炉2に取り付けられている。
【0040】
管状火炎バーナ1は、先端が炉2内に向かって開放された管状の燃焼室10と、その燃焼室10の後端から先端に向かって順に配置された、1次燃料吹き込み用ノズル11と、1次酸素含有ガス吹き込み用ノズル12と、2次酸素含有ガス吹き込み用ノズル13と、3次酸素含有ガス吹き込み用ノズル14とを備えており、それらのノズル11、12、13、14の噴射口は燃焼室10の内面に開口し、噴射方向が燃焼室10の内周面の接線方向とほぼ一致している。
【0041】
1次燃料として吹き込む燃料は、ガス燃料及び液体燃料を使用する。液体燃料としては、灯油、軽油、アルコール、A重油等の比較的低い温度で気化するものが望ましい。C重油等の低質液体燃料を使用する場合には予加熱し、可能なら、予蒸発器を設置し、液体燃料を充分霧化させて用いるとよい。
【0042】
また、上記の酸素含有ガスは、空気、酸素、酸素富化空気、酸素・排ガス混合ガスなど燃焼用の酸素を供給するガスを指している。
【0043】
そして、燃焼室10の管軸方向に対する1次燃料吹き込み用ノズル11の吹き込み角度θと、1次燃料吹き込み用ノズル11と1次酸素含有ガス吹き込み用ノズル12との間隔L1を、使用する燃料の種類によって下記のように設定する。
【0044】
まず、液体燃料を使用する場合は、
θ=90°−Δθ ……(1)
L1>0 ……(2)
とする。
【0045】
すなわち、(1)式のように、1次燃料吹き込み角度θを所定角度Δθだけ燃焼室10の後端側に向けるようにするとともに、(2)式のように、1次燃料吹き込みノズル11と1次酸素含有ガス吹き込みノズル12との間隔L1を所定の距離だけ離すことにより、吹き込まれた液体燃料が1次酸素含有ガスと接触するまでの距離を確保し、液体燃料の霧化およびガス化が十分行われてから1次酸素含有ガスと混合するようにする。なお、角度Δθと間隔L1は、液体燃料の種類及び予加熱の有無や予蒸発器の有無によって適切に設定すればよいが、角度Δθは5°〜15°程度、間隔L1は燃焼室10の内径の1〜2倍程度が好ましい。
【0046】
一方、高カロリーガス燃料を使用する場合は、
θ≒90° ……(3)
L1≒0 ……(4)
とする。
【0047】
すなわち、1次燃料吹き込みノズル11と1次酸素含有ガス吹き込み用ズル12との間隔L1を限りなく0に近づけて、高カロリーガス燃料と1次酸素含有ガスの混合を促進する。
【0048】
そして、1次酸素含有ガス吹き込みノズル12と1次酸素含有ガス燃焼終了点(図1中にX-X線で示す)との距離をL(α1)、1次酸素含有ガス吹き込みノズル12と2次酸素含有ガス吹き込みノズル13との間隔をL2、2次酸素含有ガス吹き込みノズル12と3次酸素含有ガス吹き込みノズル13との間隔をL3、1次酸素含有ガス比をα1、2次酸素含有ガス比をα2、3次酸素含有ガス比をα3、すすが発生しない最小酸素含有ガス比をβ(β≒0.3)、完全燃焼のための最大酸素含有ガス過剰率をkとした時に、下記の式(9)〜(13)を満足するようにして燃焼させる。
【0049】
k≧α1+α2+α3≧1.0 ……(9)
α1≧β ……(10)
α2>0 ……(11)
α3>0 ……(12)
L2≦L(α1) ……(13)
ここで、完全燃焼のための最大酸素含有ガス過剰率kは、液体燃料の場合は1.2〜1.3、高カロリーガス燃料の場合は1.05〜1.1である。ちなみに、完全燃焼のための最小酸素含有ガス過剰率は1.0である。
【0050】
1次酸素含有ガス比α1は使用する燃料によって最適値があるが、すすを発生させない範囲でできるだけ小さな値が望ましいので、0.3〜0.5程度が好適である。
【0051】
2次酸素含有ガス比α2も使用する燃料や燃焼状態によって最適値があるが、0.2〜0.5程度が好ましい。
【0052】
そして、3次酸素含有ガス比α2は、完全燃焼領域を確保するために、1次酸素含有ガス比α1と2次酸素含有ガス比α2の値に基づいて、上記(9)式が満足されるように定めればよい。
【0053】
また、1次酸素含有ガス燃焼終了点までの距離L(α1)は燃焼室10の内径の3倍程度になるので、1次酸素含有ガス吹き込みノズル12と2次酸素含有ガス吹き込みノズル13との間隔L2は、燃焼室10の内径の2〜3倍程度とするのが好ましい。
【0054】
また、2次酸素含有ガス吹き込みノズル12と3次酸素含有ガス吹き込みノズル13との間隔をL3は、できれば短くして、燃焼室10の全長があまり長くならないようにするのが好ましい。
【0055】
なお、必要に応じて、2次酸素含有ガスの前に2次燃料を吹き込み、3次酸素含有ガスの前に3次燃料を吹き込みむようにしてもよい。
【0056】
このように、この実施形態においては、管状火炎バーナを用いて燃焼を行うに際して、燃料及び酸素含有ガスの吹き込み位置及び酸素含有ガス比を適切にして燃焼を行っているので、以下のような効果を有している。
【0057】
まず、1次燃料吹き込みノズル11の角度θ、1次燃料吹き込みノズル11と1次酸素含有ガス吹き込みノズル12との間隔L1、1次酸素含有ガス比α1を適切な値としているので、液体燃料の霧化さらにはガス化への促進が確保され、SPM粒子が小径化する。
【0058】
そして、1次酸素含有ガス吹き込みノズル12と2次酸素含有ガス吹き込みノズル13との間隔L2及び2次酸素含有ガス比α2を適切な値としているので、安定した管状火炎と排ガスラジカル因子の存在範囲が確保され、発生NOXの還元化がなされるとともに、SPM粒子の再結合が防止され、SPM粒子がさらに小径化する。
【0059】
そして、2次酸素含有ガス比α2及び3次酸素含有ガス比α3を適切な値にして完全燃焼領域が確保されるようにしているので、超低NOXとSPMのほぼ完全燃焼が得られる。
【0060】
この結果、液体燃料や高カロリーガス燃料を使用した場合においても、超低NOx化および超低SPM化された燃焼を一層確実に行うことができる。
【0061】
(第4の実施形態)
図4に、本発明の第4の実施形態を示す。この実施形態は、基本的には前記の第3の実施形態と同様であり、前記の式(1)〜(4)及び式(9)〜(13)が満足されるようにして燃焼させているが、第3の実施形態では、3次酸素含有ガス吹き込みノズル14を燃焼室10に取り付けているのに対して、この実施形態では、3次酸素含有ガス吹き込みノズル14を炉2の炉壁2aに取り付け、3次酸素含有ガスを炉内に吹き込むようにしている。3次酸素含有ガス吹き込みノズル14の取り付け位置は、管状火炎バーナ1に近い炉2の前段部でもよいし、管状火炎バーナ1から離れた炉2の後段部でもよい。
【0062】
なお、必要に応じて、炉2内に3次燃料を吹き込むようにしてもよい。
【0063】
これにより、この実施形態においては、第3の実施形態と同様に、超低NOx化および超低SPM化された燃焼を確実に行うことができるとともに、炉内燃焼による輻射伝熱によって炉内温度を上昇させることで省エネルギーも図ることができる。
【0064】
【発明の効果】
本発明においては、管状火炎バーナを用いて燃焼を行うに際して、燃料及び酸素含有ガスの吹き込み位置及び酸素含有ガス比を適切にして燃焼を行っているので、超低NOx化、超低SPM化及び省エネルギーの燃焼を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の説明図である。
【図2】本発明の第2の実施形態の説明図である。
【図3】本発明の第3の実施形態の説明図である。
【図4】本発明の第4の実施形態の説明図である。
【符号の説明】
1 管状火炎バーナ
2 炉
2a 炉壁
10 燃焼室
11 1次燃料吹き込みノズル
12 1次酸素含有ガス吹き込みノズル
13 2次酸素含有ガス吹き込みノズル
14 3次酸素含有ガス吹き込みノズル
Claims (2)
- 先端が炉内に向けて開放された管状の燃焼室と、ノズル噴射口が前記燃焼室の内面に開口し、噴射方向が前記燃焼室の内周面の接線方向とほぼ一致している燃料吹き込みノズル及び酸素含有ガス吹き込みノズルとを備えた管状火炎バーナを用いた燃焼方法であって、前記燃焼室の後端から炉内方向に向かって、1次燃料吹き込みノズル、1次酸素含有ガス吹き込みノズル、2次酸素含有ガス吹き込みノズル、3次酸素含有ガス吹き込みノズルの順に配置し、以下の条件を満足するようにして燃焼させることを特徴とする管状火炎バーナを用いた燃焼方法。
k≧α1+α2+α3≧1.0
α1≧β
α2>0
α3≧0
L2≦L(α1)
ここで、α1は、1次酸素含有ガス比
α2は、2次酸素含有ガス比
α3は、3次酸素含有ガス比
kは、完全燃焼のための最大酸素含有ガス過剰率
βは、すすが発生しない最小酸素含有ガス比
L2は、1次酸素含有ガス吹き込みノズルと2次酸素含有ガス吹き込みノズルとの間隔
L(α1)は、1次酸素含有ガス吹き込みノズルと1次酸素含有ガス燃焼終了点との距離 - 請求項1に記載の管状火炎バーナを用いた燃焼方法において、1次燃料吹き込みノズルから液体燃料を吹き込む場合は、液体燃料を吹き込んだ位置と1次酸素含有ガスを吹き込んだ位置とを離し、液体燃料がガス化してから1次酸素含有ガスと混合するようにしたことを特徴とする管状火炎バーナを用いた燃焼方法。
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