JP3901032B2 - 低温ヒートシール性組成物および低温ヒートシール性多層構造体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒートシール性、外観、耐油性に優れ、使用時の耐ブロッキング性も良く、作業性の良い包装材料に好適な低温ヒートシール性組成物およびヒートシール性多層構造体に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
包装材等にヒートシール性を付与させる試みはいろいろとなされており、かつ包装が簡易化されるにつれて、その必要性は高まりつつある。
特開昭50−150783号公報には、アクリロニトリル共重合体が積層されてなるフィルムが開示されているが、アクリロニトリルは耐熱黄変性が悪く、包装材として用いた場合は保存中に黄変してしまい、外観が悪化し商品価値を下げてしまう問題がある。
【0003】
また、特開昭57−137339号公報には、エチレン、α,β−不飽和カルボン酸およびα,β−不飽和カルボン酸金属塩共重合体の変性物を水性分散体組成物としたものは、高温ヒートシール性に優れるものの、低温ヒートシール性は充分ではない。
さらには、エチレン、α,β−不飽和カルボン酸およびα,β−不飽和カルボン酸金属塩共重合体のスチレンと(メタ)アクリル酸エステルで変性した変性物を用いたものは、ヒートシール性は満足しているが、耐候性が悪く保存中に黄変が起こってしまう。また、これらエチレン、α,β−不飽和カルボン酸およびα,β−不飽和カルボン酸金属塩共重合体の変性物を用いたヒートシール性包装材は耐油性に劣る。
【0004】
また、特公平3−61586号公報には、メチルメタクリレートとメチルアクリレートまたはエチルアクリレートとアクリル酸、メタクリル酸のうち1種類以上からなるヒートシール層を持つヒートシール性多層構造体が開示されているが、4層構造であるため作業性に問題がある。また、エチルアクリレートは、残存モノマー量が極微量でも独特の臭気がするため、製品としてのフィルムに臭気が残る、作業環境が悪化するなどの問題がある。
【0005】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に鑑みなされものであって、ヒートシール性、外観、耐油性に優れ、使用時の耐ブロッキング性も良く、作業性が良好な包装材料に好適な低温ヒートシール性組成物およびヒートシール性多層構造体を提供することを目的とする。
【0006】
【発明の概要】
本発明に係る低温ヒートシール性組成物は、
(a)メタロセン系触媒により製造され、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した数平均分子量(Mn)が2,000〜10,000の範囲にあり、密度勾配管法で測定した密度が880〜910kg/m3の範囲にあり、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が65〜100℃の範囲にあるポリオレフィンワックス99〜80重量%、および
(b)粘着付与樹脂 1〜20重量%からなることを特徴としている。
【0007】
本発明では、上記ポリオレフィンワックスが、酸化変性または酸グラフト変性された変性ポリオレフィンワックスであってもよい。
また、上記ポリオレフィンワックスが、エチレンと、プロピレンまたはブテンとの共重合体であることが好ましい。
【0008】
本発明に係るヒートシール性多層構造体は、
(I)基材層および(II)該基材層上に形成されたヒートシール性層の二層を層構造の少なくとも一部に含んで構成され、上記ヒートシール性層が、
(a)メタロセン系触媒により製造され、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した数平均分子量(Mn)が2,000〜10,000の範囲にあり、密度勾配管法で測定した密度が880〜910kg/m3の範囲にあり、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が65〜100℃の範囲にあるポリオレフィンワックス
からなることを特徴している。
【0009】
本発明では、上記ヒートシール性層が、
上記(a)ポリオレフィンワックス 99〜80重量%、および
(b)粘着付与樹脂 1〜20重量%から形成されていてもよい。
本発明では、上記ポリオレフィンワックス(a)が、酸化変性または酸グラフト変性された変性ポリオレフィンワックスであってもよい。
【0010】
また本発明では、上記ポリオレフィンワックス(a)が、エチレンと、プロピレンまたはブテンとの共重合体であることが好ましい。
さらに、本発明では、上記基材層が、ポリオレフィンフィルムまたは紙であることが好ましい。
【0011】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係る低温ヒートシール性組成物およびヒートシール性多層構造体について具体的に説明する。
〔低温ヒートシール性組成物〕
本発明に係る低温ヒートシール性組成物は、(a)ポリオレフィンワックスおよび(b)粘着付与樹脂からなる。
【0012】
(ポリオレフィンワックス(a))
本発明で用いられるポリオレフィンワックス(a)は、エチレン単独重合体またはエチレンとα-オレフィンとの共重合体である。
ここでα-オレフィンとしては、炭素原子数3のプロピレン、炭素原子数4の1−ブテン、炭素原子数5の1−ペンテン、炭素原子数6の1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、炭素原子数8の1−オクテンなどが挙げられ、好ましくはプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンである。
【0013】
ポリオレフィンワックス(a)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した数平均分子量(Mn)が2,000〜10,000、好ましくは3,000〜10,000、より好ましくは4,000〜10,000の範囲にある。
ポリオレフィンワックス(a)の数平均分子量が上記範囲内にあると、低温ヒートシール性に優れ、耐油性にも優れる低温ヒートシール組成物およびヒートシール性多層構造体を得ることができる。
【0014】
ポリオレフィンワックス(a)は、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が65〜100℃、好ましくは70〜90℃、より好ましくは75〜90℃の範囲にある。
ポリオレフィンワックス(a)の融点が上記範囲内にあると、低分子量非晶成分の割合が減るため、ヒートシール性のより高い低温ヒートシール性組成物およびヒートシール性多層構造体を得ることができる。
【0015】
ポリオレフィンワックス(a)は、密度勾配管法で測定した密度が880〜910kg/m3、好ましくは885〜910kg/m3、より好ましくは890〜910kg/m3の範囲にある。
ポリオレフィンワックス(a)の密度が上記範囲内にあると、ヒートシール性のより高い低温ヒートシール性組成物およびヒートシール性多層構造体を得ることができる。
【0016】
ポリオレフィンワックス(a)は、アセトン抽出分量が0〜20重量%、好ましくは0〜15重量%の範囲にある。
ポリオレフィンワックス(a)のアセトン抽出分量が上記範囲内にあると、低温ヒートシール性のより高い低温ヒートシール性組成物およびヒートシール性多層構造体を得ることができる。
【0017】
なお、アセトン抽出分量は以下のようにして測定される。
ソックスレー抽出器(ガラス製)に、フィルター(ADVANCE社製、No.84)を使用し、下段の丸底フラスコ(300ml)にアセトン200mlを装入に70℃の湯浴で5時間抽出を行う。初めのワックスは10gをフィルター上にセットする。
【0018】
ポリオレフィンワックス(a)は、Mnが2,500以下では、Mw/Mnが3以下、好ましくは2.9以下、より好ましくは2.8以下であり、Mnが2500を超える場合は、Mw/Mnが4以下、好ましくは3.9以下、より好ましくは3.7以下である。
Mw/Mnが上記範囲内にあると、高分子量および低分子量成分の割合が適当になり、ヒートシール性の高い低温ヒートシール性組成物およびヒートシール性多層構造体を得ることができる。
【0019】
ポリオレフィンワックス(a)は、示差走査熱量計(DSC)で測定した結晶化温度(Tc(℃)、降温速度2℃/分で測定。)と、密度勾配管法で測定した密度(D(kg/m3))との関係が下記式(I)
0.501×D−363 ≧ Tc …(I)
好ましくは、下記式(Ia)
0.501×D−365 ≧ Tc …(Ia)
より好ましくは、下記式(Ib)
0.501×D−367 ≧ Tc …(Ib)
を満たすことが望ましい。
【0020】
ポリオレフィンワックス(a)において結晶化温度(Tc)と、密度(D)との関係が上記式を満たすと、ポリオレフィンワックス(a)のコモノマー組成がより均一になる結果、ポリオレフィンワックス(a)のベタつき成分が減少する傾向がある。
ポリオレフィンワックス(a)は、エチレンと、プロピレンまたは1-ブテンとから得られるエチレン・α−オレフィン共重合体であることが好ましい。
【0021】
ポリオレフィンワックス(a)は、常温で固体であり、80〜120℃以上で、低粘度の液体となる。
上述したようなポリオレフィンワックス(a)は、例えば周期表第4族から選ばれる遷移金属のメタロセン化合物と、有機アルミニウムオキシ化合物および/またはイオン化イオン性化合物とからなる以下のようなメタロセン系触媒を用いて製造することができる。
【0022】
(メタロセン化合物)
メタロセン系触媒を形成するメタロセン化合物は、周期表第4族から選ばれる遷移金属のメタロセン化合物であり、具体的な例としては下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
M1Lx …(1)
ここで、M1は周期表第4族から選ばれる遷移金属、xは遷移金属M1の原子価、Lは配位子である。
【0023】
M1で示される遷移金属の例としては、ジルコニウム、チタン、ハフニウムなどがある。Lは遷移金属M1に配位する配位子であって、そのうち少なくとも1個の配位子Lはシクロペンタジエニル骨格を有する配位子であって、このシクロペンタジエニル骨格を有する配位子は置換基を有していてもよい。
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子Lとしては、例えばシクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、n−またはi−プロピルシクロペンタジエニル基、n−、i−、sec−またはt−ブチルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、メチルプロピルシクロペンタジエニル基、メチルブチルシクロペンタジエニル基、メチルベンジルシクロペンタジエニル基等のアルキルまたはシクロアルキル置換シクロペンタジエニル基;さらにインデニル基、4,5,6,7−テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基などが挙げられる。このシクロペンタジエニル骨格を有する配位子の水素は、ハロゲン原子またはトリアルキルシリル基などで置換されていてもよい。
【0024】
上記のメタロセン化合物が、配位子Lとしてシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を2個以上有する場合には、そのうち2個のシクロペンタジエニル骨格を有する配位子同士が、エチレン、プロピレン等のアルキレン基;イソプロピリデン、ジフェニルメチレン等の置換アルキレン基;シリレン基またはジメチルシリレン基、ジフェニルシリレン基、メチルフェニルシリレン基等の置換シリレン基などを介して結合されていてもよい。
【0025】
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子(シクロペンタジエニル骨格を有しない配位子)Lとしては、炭素原子数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、アリーロキシ基、スルフォン酸含有基(−SO3R1)、ハロゲン原子または水素原子(ここで、R1はアルキル基、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、アリール基、ハロゲン原子で置換されたアリール基またはアルキル基で置換されたアリール基である。)などが挙げられる。
【0026】
(メタロセン化合物の例−1)
上記一般式(1)で表されるメタロセン化合物が、例えば遷移金属の原子価が4である場合、より具体的には下記一般式(2)で表される。
R2 kR3 lR4 mR5 nM1 …(2)
ここで、M1は周期表第4族から選ばれる遷移金属、R2はシクロペンタジエニル骨格を有する基(配位子)、R3、R4およびR5はそれぞれ独立にシクロペンタジエニル骨格を有するかまたは有しない基(配位子)である。kは1以上の整数であり、k+l+m+n=4である。
【0027】
M1がジルコニウムであり、かつシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を少なくとも2個含むメタロセン化合物の例を次に挙げる。
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムモノクロリドモノハイドライド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1−メチル−3−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドなど。
【0028】
上記の化合物の中で、1,3−位置換シクロペンタジエニル基を1,2−位置換シクロペンタジエニル基に置き換えた化合物も用いることができる。
またメタロセン化合物の別の例としては、上記一般式(2)において、R2、R3、R4およびR5の少なくとも2個、例えばR2およびR3がシクロペンタジエニル骨格を有する基(配位子)であり、この少なくとも2個の基がアルキレン基、置換アルキレン基、シリレン基または置換シリレン基などを介して結合されているブリッジタイプのメタロセン化合物を使用することもできる。このときR4およびR5は、それぞれ独立に、前述したシクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子Lと同様である。
【0029】
このようなブリッジタイプのメタロセン化合物としては、エチレンビス(インデニル)ジメチルジルコニウム、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドなどが挙げられる。
【0030】
(メタロセン化合物の例−2)
また別のメタロセン化合物の例としては、下記一般式(3)で表される特開平4−268307号公報記載のメタロセン化合物が挙げられる。
【0031】
【化1】
【0032】
ここで、M1は周期表第4族遷移金属であり、具体的にはチタニウム、ジルコニウム、ハフニウムが挙げられる。
R11およびR12は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子;炭素原子数1〜10のアルキル基;炭素原子数1〜10のアルコキシ基;炭素原子数6〜10のアリール基;炭素原子数6〜10のアリーロキシ基;炭素原子数2〜10のアルケニル基;炭素原子数7〜40のアリールアルキル基;炭素原子数7〜40のアルキルアリール基;炭素原子数8〜40のアリールアルケニル基;またはハロゲン原子であり、R11およびR12は、塩素原子であることが好ましい。
【0033】
R13およびR14は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子;ハロゲン原子;ハロゲン化されていてもよい炭素原子数1〜10のアルキル基;炭素原子数6〜10のアリール基;−N(R20)2、−SR20、−OSi(R20)3、−Si(R20)3または−P(R20)2基である。ここで、R20はハロゲン原子、好ましくは塩素原子;炭素原子数1〜10、好ましくは1〜3のアルキル基;または炭素原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリール基である。R13およびR14は、特に水素原子であることが好ましい。
【0034】
R15およびR16は、水素原子が含まれないことを除きR13およびR14と同じであって、互いに同じでも異なっていてもよく、好ましくは同じである。R15およびR16は、好ましくはハロゲン化されていてもよい炭素原子数1〜4のアルキル基、具体的にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、トリフルオロメチル等が挙げられ、特にメチルが好ましい。
【0035】
上記一般式(3)において、R17は次の群から選ばれる。
【0036】
【化2】
【0037】
=BR21、=AlR21、−Ge−、−Sn−、−O−、−S−、=SO、=SO2、=NR21、=CO、=PR21、=P(O)R21など。M3はケイ素、ゲルマニウムまたは錫、好ましくはケイ素またはゲルマニウムである。
ここで、R21、R22およびR23は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子;ハロゲン原子;炭素原子数1〜10のアルキル基;炭素原子数1〜10のフルオロアルキル基;炭素原子数6〜10のアリール基;炭素原子数6〜10のフルオロアリール基;炭素原子数1〜10のアルコキシ基;炭素原子数2〜10のアルケニル基;炭素原子数7〜40アリールアルキル基;炭素原子数8〜40のアリールアルケニル基;または炭素原子数7〜40のアルキルアリール基である。「R21とR22」または「R21とR23」とは、それぞれそれらが結合する原子と一緒になって環を形成してもよい。
【0038】
また、R17は、=CR21R22、=SiR21R22、=GeR21R22、−O−、−S−、=SO、=PR21または=P(O)R21であることが好ましい。
R18およびR19は互いに同一でも異なっていてもよく、R21と同じものが挙げられる。
mおよびnは互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ0、1または2、好ましくは0または1であり、m+nは0、1または2、好ましくは0または1である。
【0039】
上記一般式(3)で表されるメタロセン化合物の例としては、次の化合物が挙げられる。rac−エチレン(2−メチル−1−インデニル)2−ジルコニウム−ジクロライド、rac−ジメチルシリレン(2−メチル−1−インデニル)2−ジルコニウム−ジクロライドなど。これらのメタロセン化合物は、例えば、特開平4−268307号公報に記載の方法で製造することができる。
【0040】
(メタロセン化合物の例−3)
また、メタロセン化合物としては、下記一般式(4)で表されるメタロセン化合物を用いることもできる。
【0041】
【化3】
【0042】
式中、M3は、周期表第4族の遷移金属原子を示し、具体的にはチタニウム、ジルコニウム、ハフニウムなどである。
R24およびR25は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基を示す。
【0043】
R24は炭化水素基であることが好ましく、特にメチル、エチルまたはプロピルの炭素原子数1〜3のアルキル基であることが好ましい。
R25は水素原子または炭化水素基が好ましく、特に水素原子、またはメチル、エチルもしくはプロピルの炭素原子数1〜3のアルキル基であることが好ましい。
【0044】
R26、R27、R28およびR29は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基を示す。これらの中では水素原子、炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基であることが好ましい。R26とR27、R27とR28、R28とR29のうち少なくとも1組は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、単環の芳香族環を形成していてもよい。また芳香族環を形成する基以外に、炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基が2個以上ある場合には、これらが互いに結合して環状になっていてもよい。なおR29が芳香族基以外の置換基である場合、水素原子であることが好ましい。
【0045】
X1およびX2は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基またはイオウ含有基を示す。
Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−NR30−、−P(R30)−、−P(O)(R30)−、−BR30−または−AlR30−(ただし、R30は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基)を示す。
【0046】
式(4)において、R26とR27、R27とR28、R28とR29のうち少なくとも1組が互いに結合して形成する単環の芳香族環を含み、M3に配位する配位子としては、次式で表されるものなどが挙げられる。
【0047】
【化4】
【0048】
(式中、Yは前式に示したものと同じである。)
(メタロセン化合物の例−4)
メタロセン化合物としては、また下記一般式(5)で表されるメタロセン化合物を用いることもできる。
【0049】
【化5】
【0050】
式中、M3、R24、R25、R26、R27、R28およびR29は、上記一般式(4)と同じである。
R26、R27、R28およびR29のうち、R26を含む2個の基がアルキル基であることが好ましく、R26とR28、またはR28とR29がアルキル基であることが好ましい。このアルキル基は、2級または3級アルキル基であることが好ましい。またこのアルキル基は、ハロゲン原子、ケイ素含有基で置換されていてもよく、ハロゲン原子、ケイ素含有基としては、R24、R25で例示した置換基が挙げられる。
【0051】
R26、R27、R28およびR29のうち、アルキル基以外の基は、水素原子であることが好ましい。
またR26、R27、R28およびR29は、これらから選ばれる2種の基が互いに結合して芳香族環以外の単環あるいは多環を形成していてもよい。ハロゲン原子としては、上記R24およびR25と同様のものが挙げられる。
【0052】
X1、X2およびYとしては、上記と同様のものが挙げられる。
上記一般式(5)で表されるメタロセン化合物の具体的な例を次に示す。rac−ジメチルシリレン−ビス(4,7−ジメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス(2,4,7−トリメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス(2,4,6−トリメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリドなど。
【0053】
これらの化合物において、ジルコニウム金属を、チタニウム金属、ハフニウム金属に置換えた遷移金属化合物を用いることもできる。遷移金属化合物は、通常ラセミ体として用いられるが、R型またはS型を用いることもできる。
(メタロセン化合物の例−5)
メタロセン化合物として、下記一般式(6)で表されるメタロセン化合物を使用することもできる。
【0054】
【化6】
【0055】
式中、M3、R24、X1、X2およびYは、上記一般式(4)と同じである。
R24は炭化水素基であることが好ましく、特にメチル、エチル、プロピルまたはブチルの炭素原子数1〜4のアルキル基であることが好ましい。
R25は、炭素原子数6〜16のアリール基を示す。R25はフェニル、ナフチルであることが好ましい。アリール基は、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基または炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基で置換されていてもよい。
【0056】
X1およびX2としては、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基であることが好ましい。
上記一般式(6)で表されるメタロセン化合物の具体的な例を次に示す。
rac−ジメチルシリレン−ビス(4−フェニル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス(2−メチル−4−(α−ナフチル)−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス(2−メチル−4−(β−ナフチル)−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス(2−メチル−4−(1−アントリル)−1−インデニル)ジルコニウムジクロリドなど。またこれら化合物において、ジルコニウム金属をチタニウム金属またはハフニウム金属に置き換えた遷移金属化合物を用いることもできる。
【0057】
(メタロセン化合物の例−6)
またメタロセン化合物として、下記一般式(7)で表されるメタロセン化合物を用いることもできる。
LaM4X3 2 …(7)
ここで、M4は周期表第4族またはランタニド系列の金属である。Laは非局在化π結合基の誘導体であり、金属M4活性サイトに拘束幾何形状を付与している基である。X3は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数20以下の炭化水素基、20以下のケイ素を含有するシリル基または20以下のゲルマニウムを含有するゲルミル基である。
【0058】
この化合物の中では、次式(8)で示される化合物が好ましい。
【0059】
【化7】
【0060】
M4は、チタン、ジルコニウムまたはハフニウムである。
X3は上記一般式(7)で説明したものと同様である。
CpはM4にπ結合しており、かつ置換基Zを有する置換シクロペンタジエニル基である。
Zは酸素、イオウ、ホウ素または周期表第4族の元素(例えばケイ素、ゲルマニウムまたは錫)である。
【0061】
Yは窒素、リン、酸素またはイオウを含む配位子であり、ZとYとで縮合環を形成していてもよい。
このような式(8)で表されるメタロセン化合物の具体的な例を次に示す。
(ジメチル(t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シラン)チタンジクロリド、((t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイル)チタンジクロリドなど。またこのメタロセン化合物において、チタンをジルコニウムまたはハフニウムに置き換えた化合物を挙げることもできる。
【0062】
(メタロセン化合物の例−7)
またメタロセン化合物としては、下記一般式(9)で表されるメタロセン化合物を使用することもできる。
【0063】
【化8】
【0064】
M3は周期表第4族の遷移金属原子であり、具体的には、チタニウム、ジルコニウムまたはハフニウムであり、好ましくはジルコニウムである。
R31は互いに同一でも異なっていてもよく、そのうち少なくとも1個が炭素原子数11〜20のアリール基、炭素原子数12〜40のアリールアルキル基、炭素原子数13〜40のアリールアルケニル基、炭素原子数12〜40のアルキルアリール基またはケイ素含有基であるか、またはR31で示される基のうち隣接する少なくとも2個の基が、それらの結合する炭素原子とともに、単数または複数の芳香族環または脂肪族環を形成している。この場合、R31により形成される環は、R31が結合する炭素原子を含んで全体として炭素原子数が4〜20である。
【0065】
アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アルキルアリール基および芳香族環、脂肪族環を形成しているR31以外のR31は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基またはケイ素含有基である。
R32は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数7〜40のアリールアルキル基、炭素原子数8〜40のアリールアルケニル基、炭素原子数7〜40のアルキルアリール基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基である。
【0066】
また、R32で示される基のうち隣接する少なくとも2個の基が、それらの結合する炭素原子とともに、単数または複数の芳香族環または脂肪族環を形成していてもよい。この場合、R32により形成される環は、R32が結合する炭素原子を含んで全体として炭素原子数が4〜20であり、芳香族環、脂肪族環を形成しているR32以外のR32は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基またはケイ素含有基である。
【0067】
なお、R32で示される2個の基が、単数または複数の芳香族環または脂肪族環を形成して構成される基にはフルオレニル基が次式のような構造になる態様も含まれる。
【0068】
【化9】
【0069】
R32は、水素原子またはアルキル基であることが好ましく、特に水素原子またはメチル、エチル、プロピルの炭素原子数1〜3の炭化水素基であることが好ましい。このような置換基としてR32を有するフルオレニル基としては、2,7−ジアルキル−フルオレニル基が好適な例として挙げられ、この場合の2,7−ジアルキルのアルキル基としては、炭素原子数1〜5のアルキル基が挙げられる。また、R31とR32は、互いに同一でも異なっていてもよい。
【0070】
R33およびR34は互いに同一でも異なっていてもよく、上記と同様の水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数7〜40のアリールアルキル基、炭素原子数8〜40のアリールアルケニル基、炭素原子数7〜40のアルキルアリール基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基である。これらのうち、R33およびR34は、少なくとも一方が炭素原子数1〜3のアルキル基であることが好ましい。
【0071】
X1およびX2は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基もしくは窒素含有基、またはX1とX2とから形成された共役ジエン残基である。
X1とX2とから形成された共役ジエン残基としては、1,3−ブタジエン、2,4−ヘキサジエン、1−フェニル−1,3−ペンタジエン、1,4−ジフェニルブタジエンの残基が好ましく、これらの残基はさらに炭素原子数1〜10の炭化水素基で置換されていてもよい。
【0072】
X1およびX2としては、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基またはイオウ含有基であることが好ましい。
Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−NR35−、−P(R35)−、−P(O)(R35)−、−BR35−または−AlR35−(ただし、R35は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基)を示す。
【0073】
これらの2価の基のうちでも、−Y−の最短連結部が1個または2個の原子で構成されているものが好ましい。また、R35は、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基である。
Yは、炭素原子数1〜5の2価の炭化水素基、2価のケイ素含有基または2価のゲルマニウム含有基であることが好ましく、2価のケイ素含有基であることがより好ましく、アルキルシリレン、アルキルアリールシリレンまたはアリールシリレンであることが特に好ましい。
【0074】
(メタロセン化合物の例−8)
またメタロセン化合物としては、下記一般式(9)で表されるメタロセン化合物を用いることもできる。
【0075】
【化10】
【0076】
式中、M3は周期表第4族の遷移金属原子であり、具体的にはチタニウム、ジルコニウムまたはハフニウムであり、好ましくはジルコニウムである。
R36は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基である。なお、上記アルキル基およびアルケニル基は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
【0077】
R36はこれらのうち、アルキル基、アリール基または水素原子であることが好ましく、特にメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピルの炭素原子数1〜3の炭化水素基、フェニル、α−ナフチル、β−ナフチルなどのアリール基または水素原子であることが好ましい。
R37は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数7〜40のアリールアルキル基、炭素原子数8〜40のアリールアルケニル基、炭素原子数7〜40のアルキルアリール基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基である。なお、上記アルキル基、アリール基、アルケニル基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アルキルアリール基は、ハロゲンが置換していてもよい。
【0078】
R37はこれらのうち、水素原子またはアルキル基であることが好ましく、特に水素原子またはメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、tert−ブチルの炭素原子数1〜4の炭化水素基であることが好ましい。また、上記R36とR37は、互いに同一でも異なっていてもよい。
R38およびR39は、いずれか一方が炭素原子数1〜5のアルキル基であり、他方は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基である。
【0079】
これらのうち、R38およびR39は、いずれか一方がメチル、エチル、プロピルなどの炭素原子数1〜3のアルキル基であり、他方は水素原子であることが好ましい。
X1およびX2は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基もしくは窒素含有基、またはX1とX2とから形成された共役ジエン残基である。これらのうち、ハロゲン原子または炭素原子数1〜20の炭化水素基であることが好ましい。
【0080】
Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−NR40−、−P(R40)−、−P(O)(R40)−、−BR40−または−AlR40−(ただし、R40は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基)を示す。
【0081】
これらのうちYは、炭素原子数1〜5の2価の炭化水素基、2価のケイ素含有基または2価のゲルマニウム含有基であることが好ましく、2価のケイ素含有基であることがより好ましく、アルキルシリレン、アルキルアリールシリレンまたはアリールシリレンであることが特に好ましい。
以上に説明したメタロセン化合物は、単独であるいは2種以上組み合せて用いられる。またメタロセン化合物は、炭化水素またはハロゲン化炭化水素などに希釈して用いてもよい。
【0082】
(有機アルミニウムオキシ化合物)
有機アルミニウムオキシ化合物は、公知のアルミノオキサンであってもよく、またベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。
このような公知のアルミノオキサンは、具体的には次式で表される。
【0083】
【化11】
【0084】
ここで、Rはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの炭化水素基であり、好ましくはメチル基、エチル基、特に好ましくはメチル基であり、mは2以上、好ましくは5〜40の整数である。
アルミノオキサンは式(OAl(R’))で表されるアルキルオキシアルミニウム単位および式(OAl(R''))で表されるアルキルオキシアルミニウム単位(ここで、R'およびR''はRと同様の炭化水素基を例示することができ、R'およびR''は相異なる基を表す。)からなる混合アルキルオキシアルミニウム単位から形成されていてもよい。なお有機アルミニウムオキシ化合物は、少量のアルミニウム以外の金属の有機化合物成分を含有していてもよい。
【0085】
(イオン化イオン性化合物)
イオン化イオン性化合物(イオン性イオン化化合物、イオン性化合物と称される場合もある)としては、ルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物を例示することができる。
ルイス酸としては、BR3(Rは、フッ素、メチル基、トリフルオロメチル基などの置換基を有していてもよいフェニル基またはフッ素である。)で表される化合物が挙げられる。ルイス酸の具体的なものとしては、トリフルオロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4−フルオロフェニル)ボロン、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ボロン、トリス(4−フルオロメチルフェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(p−トリル)ボロン、トリス(o−トリル)ボロン、トリス(3,5−ジメチルフェニル)ボロンなどが挙げられる。
【0086】
上記イオン性化合物としては、トリアルキル置換アンモニウム塩、N,N−ジアルキルアニリニウム塩、ジアルキルアンモニウム塩、トリアリールホスフォニウム塩などが挙げられる。イオン性化合物としてのトリアルキル置換アンモニウム塩としては、トリエチルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素などが挙げられる。イオン性化合物としてのジアルキルアンモニウム塩としては、ジ(1−プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素などが挙げられる。
【0087】
上記イオン性化合物としては、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどを挙げることもできる。
上記ボラン化合物としては、デカボラン(9);ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ノナボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕デカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ドデカハイドライドドデカボレート)ニッケル酸塩(III)などの金属ボランアニオンの塩などが挙げられる。
【0088】
上記カルボラン化合物としては、4−カルバノナボラン(9)、1,3−ジカルバノナボラン(8)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(IV)などの金属カルボランアニオンの塩などが挙げられる。
このようなイオン化イオン性化合物は、単独であるいは2種以上組み合せて用いられる。また有機アルミニウムオキシ化合物およびイオン化イオン性化合物は、上記担体化合物に担持させて用いることもできる。
【0089】
またメタロセン系触媒を形成するに際しては、有機アルミニウムオキシ化合物および/またはイオン化イオン性化合物とともに、以下のような有機アルミニウム化合物を用いてもよい。
(有機アルミニウム化合物)
必要に応じて用いられる有機アルミニウム化合物としては、分子内に少なくとも1個のAl−炭素結合を有する化合物が使用できる、このような化合物としては、例えば下記一般式(11)で表される有機アルミニウム化合物、
(R6)m Al(OR7)n Hp X4 q …(11)
(式中、R6およびR7は互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子を通常1〜15個、好ましくは1〜4個含む炭化水素基である。X4はハロゲン原子である。mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3を満たす数であって、しかもm+n+p+q=3である。)
下記一般式(12)で表される第1属金属とアルミニウムとの錯アルキル化物などが挙げられる。
【0090】
(M5)Al(R6) …(12)
(式中、M5はLi、NaまたはKであり、R6は上記一般式(11)のR6と同じである。)
(重合)
本発明で用いられるポリオレフィンワックスは、上記メタロセン系触媒の存在下に、エチレンを通常液相で単独重合するか、またはエチレンおよびα−オレフィンを共重合させることにより得られる。この際、一般に炭化水素溶媒が用いられるが、α−オレフィンを溶媒として用いてもよい。なお、ここで用いる各モノマーは、前述した通りである。
【0091】
重合方法は、ポリオレフィンワックスがヘキサン等の溶媒中に粒子として存在する状態で重合する懸濁重合、溶媒を用いないで重合する気相重合、そして140℃以上の重合温度で、ポリオレフィンワックスが溶剤と共存または単独で溶融した状態で重合する溶液重合が可能であり、その中でも溶液重合が経済性と品質の両面で好ましい。
【0092】
重合反応は、バッチ法あるいは連続法いずれの方法で行ってもよい。重合をバッチ法で実施するに際しては、上記の触媒成分は次に説明する濃度下で用いられる。
重合系内のメタロセン化合物の濃度は、通常0.00005〜0.1ミリモル/リットル(重合容積)、好ましくは0.0001〜0.05ミリモル/リットルである。
【0093】
有機アルミニウムオキシ化合物は、重合系内のメタロセン化合物中の遷移金属に対するアルミニウム原子のモル比(Al/遷移金属)で、1〜10000、好ましくは10〜5000の量で供給される。
イオン化イオン性化合物は、重合系内のメタロセン化合物に対するイオン化イオン性化合物のモル比(イオン化イオン性化合物/メタロセン化合物)で表して、0.5〜20、好ましくは1〜10の量で供給される。
【0094】
また有機アルミニウム化合物が用いられる場合には、通常約0〜5ミリモル/リットル(重合容積)、好ましくは約0〜2ミリモル/リットルとなるような量で用いられる。
重合反応は、通常温度が−20〜+150℃、好ましくは0〜120℃、さらに好ましくは0〜100℃で、圧力が0を超えて7.8MPa(80kgf/cm2、ゲージ圧)以下、好ましくは0を超えて4.9MPa(50kgf/cm2、ゲージ圧)以下の条件下に行われる。
【0095】
重合に際して、エチレンおよび必要に応じて用いられるα−オレフィンは、上記した特定組成のポリオレフィンワックスが得られるような量割合で重合系に供給される。また重合に際しては、水素などの分子量調節剤を添加することもできる。
このようにして重合させると、生成した重合体は通常これを含む重合液として得られるので、常法により処理すると、本発明に係るポリオレフィンワックスが得られる。
【0096】
重合反応は、特に(メタロセン化合物の例−6)で示したメタロセン化合物を含む触媒の使用が好ましい。さらに本発明では、エチレン・α-オレフィン共重合体を製造することが好ましい。
(変性ポリオレフィンワックス)
本発明で用いられるポリオレフィンワックス(a)は、未変性のポリオレフィンワックス(以下「原料ポリオレフィンワックス」ともいう。)が、酸化変性または酸グラフト変性された変性ポリオレフィンワックスであってもよい。
【0097】
原料ポリオレフィンワックスとしては、変性後に上述したような性状のポリオレフィンワックスが得られるエチレン単独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体であれば特に限定されないが、好ましくは上述したようなメタロセン系触媒を用いて製造された、数平均分子量が1,500〜10,000の範囲にあり、密度が880〜910kg/m3の範囲にあり、融点が65〜100℃の範囲にあるエチレン単独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体である。
【0098】
(酸化変性)
酸化変性された変性ポリオレフィンワックスは、原料ポリオレフィンワックスを溶融状態で攪拌下に酸素または酸素含有ガスと接触させることにより得られる。
原料ポリオレフィンワックスは、通常130〜200℃、好ましくは140〜170℃の温度で溶融状態にする。
【0099】
酸化変性する際には、原料ポリオレフィンワックスを溶融状態で攪拌下に酸素または酸素含有ガスと接触させて酸化反応を行うが、「酸素または酸素含有ガス」という語は、純酸素(通常の液体空気分留や水の電解によって得られる酸素であって、他成分を不純物程度含んでいても差し支えない)、純酸素と他のガスとの混合ガス、例えば空気、およびオゾンを含んで用いられる。
【0100】
原料ポリオレフィンワックスと酸素等との接触方法としては、具体的には、酸素含有ガスを反応器下部より連続的に供給して、原料ポリオレフィンワックスと接触させる方法が好ましい。またこの場合、酸素含有ガスは、原料混合物1kgに対して1分間当たり1.0〜8.0NL相当の酸素量となるように供給することが好ましい。
【0101】
このようにして得られる変性ポリオレフィンワックスの酸価(JIS K5902)は、好ましくは6〜30mgKOH/g、より好ましくは10〜30mgKOH/gである。
ここに、酸価とは、試料1g当たりの中和に要する水酸化カリウムのmg数を指す。
【0102】
酸化変性された変性ポリオレフィンワックスの酸価が6〜30mgKOH/gであるとき、この変性ポリオレフィンワックスは、針入硬度(JIS K 2207)が通常1.0mm以下となる。
(酸グラフト変性)
酸グラフト変性された変性ポリオレフィンワックスは、従来公知の方法で調製することができ、例えば▲1▼原料ポリオレフィンワックスと、▲2▼不飽和カルボン酸もしくはその誘導体またはスルフォン酸塩とを、▲3▼有機過酸化物などの重合開始剤の存在下に溶融混練するか、または▲1▼原料ポリオレフィンワックスと、▲2▼不飽和カルボン酸もしくはその誘導体またはスルフォン酸塩とを有機溶媒に溶解した溶液中で▲3▼有機過酸化物などの重合開始剤の存在下に混練することにより得られる。
【0103】
酸グラフト変性に用いられる不飽和カルボン酸またはその誘導体としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−sec−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−2−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸イソヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸−2−クロロフェニル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリル酸−3−メトキシブチル、アクリル酸ジエチレングリコールエトキシレート、アクリル酸−2,2,2−トリフルオロエチルなどのアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸−sec−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸−2−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸−2−クロロヘキシル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸−2−ヘキシルエチル、メタクリル酸−2,2,2−トリフルオロエチル等のメタクリル酸エステル類:マレイン酸エチル、マレイン酸プロピル、マレイン酸ブチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジプロピル、マレイン酸ジブチル等のマレイン酸エステル類:フマル酸エチル、フマル酸ブチル、フマル酸ジブチル等のフマル酸エステル類;マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、クロトン酸、ナジック酸、メチルヘキサヒドロフタル酸等のジカルボン酸類;無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水アリルコハク酸、無水グルタコン酸、無水ナジック酸などの無水物などが挙げられる。
【0104】
酸グラフト変性された変性ポリオレフィンワックスは、不飽和カルボン酸またはその誘導体での変性量が、KOH滴定換算で、重合体1g当たり30〜100mgKOHであることが好ましく、30〜60mgKOHであることがさらに好ましい。
不飽和カルボン酸またはその誘導体での変性量が上記範囲内にあると、水性分散体から得られる微粒子の吸湿性が適度であり、耐水性、耐候性等に優れる傾向がある。また、水添加後の転相が十分であり、水性分散体が高収率で得られる傾向がある。
【0105】
スルフォン酸塩で変性されている場合は、変性量が重合体1g当たり0.1〜100ミリモルであることが好ましく、5〜50ミリモルであることがさらに好ましい。
スルフォン酸塩での変性量が上記範囲内にあると、未乳化物が発生し難く、かつ乳化物以外にスルフォン酸塩の凝集物が発生し難くなる傾向がある。
【0106】
((b)粘着付与樹脂)
本発明で用いられる粘着付与樹脂(b)として具体的には、脂環族系水添タッキファイヤー、ロジン、変性ロジンまたはこれらのエステル化物、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族成分と芳香族成分の共重合石油樹脂、低分子量スチレン系樹脂、イソプレン系樹脂、アルキル、フェノール樹脂、テルペン樹脂、クマロン・インデン樹脂などが挙げられ、ロジン、ロジンエステル、石油樹脂、テルペン樹脂などが好適に用いられる。本発明では、これらの粘着付与樹脂は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0107】
(組成物)
本発明に係る低温ヒートシール性組成物は、上述したようなポリオレフィンワックス(a)および粘着付与樹脂(b)からなり、ポリオレフィンワックス(a)を99〜80重量%、好ましくは90〜80重量%、粘着付与樹脂(b)を1〜20重量%、好ましくは10〜20重量%の割合で含有している(但し、(a)および(b)の合計量が100重量%である。)。
【0108】
上記ポリオレフィンワックス(a)の含有割合が上記範囲内にあると、ヒートシール強度の高い低温ヒートシール組成物を得ることができる。
上記粘着付与樹脂(b)の含有割合が上記範囲内にあると、ヒートシール強度の高い低温ヒートシール組成物を得ることができる。
本発明の低温ヒートシール性組成物には、帯電防止剤、酸化防止剤、耐候安定剤、フィラー、可塑剤、オイル等の添加剤が含有されていてもよい。
【0109】
本発明の低温ヒートシール性組成物は、150℃以下の温度、例えば90〜140℃、好ましくは90〜130℃の温度でヒートシールすることにより充分なヒートシール強度を発揮する。
本発明の低温ヒートシール性組成物は、(a)ポリオレフィンワックスおよび(b)粘着付与樹脂、必要に応じて、上記各種の添加剤を、所定の配合割合でブラベンダーなどの混合機に供給し、加熱して溶融混合して、これを所望の形状、例えば粒状、フレーク状、棒状などに成形することによって調製することができる。
【0110】
本発明の低温ヒートシール性組成物は、これを加熱溶融して、天然繊維または合成繊維からなる布、クラフト紙などの紙、アルミ箔などの金属箔、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ABS、ポリアミド、ポリカーボネート、エポキシ樹脂などの合成樹脂からなるフィルムなどの被塗布体に、通常の方法によって塗布されて接着剤層を形成し、使用に供される。
【0111】
本発明の低温ヒートシール性組成物は、段ボール、カートン等の紙器の組み立てや封緘;自動車部品、電気・電子部品、衛生用品、書籍、雑誌等の製造等に利用することができる。
〔低温ヒートシール性多層構造体〕
本発明に係る低温ヒートシール性多層構造体は、(I)基材層および(II)該基材層上に形成されたヒートシール性層の二層を層構造の少なくとも一部に含んで構成されている。
【0112】
((I)基材層)
本発明の低温ヒートシール性多層構造体を形成する基材層(I)としては、特に制限はなく、天然繊維または合成繊維からなる布、クラフト紙などの紙、アルミ箔などの金属箔、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ABS、ポリアミド、ポリカーボネート、エポキシ樹脂などの合成樹脂からなるフィルムが挙げられ、ポリオレフィンフィルムとしては、高圧法低密度ポリエチレン、中低圧法高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ4−メチル−1−ペンテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、アイオノマー樹脂等、α−オレフィン単位を50モル%以上含む重合体を主成分とする無延伸フィルム、一軸延伸フィルムおよび二軸延伸フィルムが挙げられる。中でも、二軸延伸ポリプロピレンフィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリアミドフィルムが好ましい。
【0113】
基材としては、紙またはポリオレフィンフィルムであることが好ましい。基材が紙であると、リサイクル時に基材層とヒートシール性層との離解性に優れるため、効率よく紙のリサイクルができる。基材がポリオレフィンフィルムであると離解性は低下するが、基材とヒートシール層が全てポリオレフィンとなるため、分別する必要がなくなる。
【0114】
基材の厚みは特に制限はないが、強度、加工性、経済性などを考慮すると12〜100μmが好ましい。また、基材表面はヒートシール性層との密着性向上のためにコロナ処理等の表面処理を行ってもよい。
((II)ヒートシール性層)
ヒートシール性層(II)は、上記ポリオレフィンワックス(a)、または上記ポリオレフィンワックス(a)および上記粘着付与樹脂(b)からなる。
【0115】
ヒートシール性層が、ポリオレフィンワックス(a)および粘着付与樹脂(b)からなる場合、ポリオレフィンワックス(a)が99〜80重量%、好ましくは95〜80重量%、より好ましくは90〜80重量%、粘着付与樹脂(b)が1〜20重量%、好ましくは5〜20重量%、より好ましくは10〜20重量%の割合で含有する。
【0116】
上記ポリオレフィンワックス(a)の含有割合が上記範囲内にあると、ヒートシール強度の高い低温ヒートシール組成物が得られる。
上記粘着付与樹脂(b)の含有割合が上記範囲内にあると、ヒートシール強度の高い低温ヒートシール組成物が得られる。
ヒートシール性層(II)は、帯電防止剤、酸化防止剤、耐候安定剤、フィラー、可塑剤、オイル等の添加剤を含有していてもよい。
【0117】
(多層構造体)
本発明に係る低温ヒートシール性多層構造体は、基材層(I)および該基材層上に形成されたヒートシール性層(II)の二層を層構造の少なくとも一部に含んで構成されている。
本発明の低温ヒートシール性多層構造体は、基材層(I)とヒートシール性層(II)との2層から形成されていてもよく、基材層(I)の両面にヒートシール性層(II)が形成された3層から形成されていてもよい。また、少なくとも1層の基材層(I)と、少なくとも1層のヒートシール性層(II)と、基材層(I)およびヒートシール性層(II)とは異なる素材からなる少なくとも1層の層(III)とを含み、ヒートシール性層(II)が最外層となるように構成された3層以上から形成されていてもよい。層(III)としては、例えばプライマー層が挙げられる。
【0118】
上記ポリオレフィンワックス(a)と必要に応じて粘着付与樹脂(b)を含む混合物の溶融体を塗布する方法、上記ポリオレフィンワックス(a)と必要に応じて粘着付与樹脂(b)を含む水分散体または有機溶媒分散体を塗布することにより、上記基材上に、上記ヒートシール性層を形成することにより製造することができる。
【0119】
溶融体を塗布することによりヒートシール性層(II)を形成する方法としては、ポリオレフィンワックス(a)および必要に応じて、粘着付与樹脂(b)、上記各種の添加剤を、所定の配合割合で混合し、加熱溶融して、これを基材に、通常の方法によって塗布する。
水分散体を塗布することによりヒートシール性層(II)を形成する方法としては、ポリオレフィンワックス(a)を含む水分散体を、従来公知の方法で基材に塗布し、必要により加熱乾燥する。水分散体の塗布は、従来公知の方法、例えばグラビアコーター、リバースコーター、キスコーター/エアナイフコーター、メイヤーバーコーター、ディップコーター等により行うことができる。
【0120】
水分散体は、上記ポリオレフィンワックス(a)と必要に応じて配合される粘着付与樹脂(b)、界面活性剤、各種配合剤とを水性分散媒に分散させることにより製造することができる。具体的には下記(1)、(2)の方法などがある。
(1)上記ポリオレフィンワックス(a)をトルエン、キシレンなどの有機溶媒に10〜50重量%の濃度となるように溶解した後、これをメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピル アルコールなどの親水性溶媒および乳化剤と共に水に加え、ホモミキサーなどにより撹拌して乳化物を得、次いでエバポレーターなどにより上記有機溶媒および乳化剤を除去する方法。
(2)上記ポリオレフィンワックス(a)を溶融混練した後、溶融混練物に水を添加して、樹脂が溶融状態のままで樹脂と水とを混練する工程、および変性ポリオレフィンが未中和の場合には塩基性物質を添加する工程を同時または逐次行う方法が挙げられる。
【0121】
これらの中でも(2)の方法で水性樹脂分散体を製造することが好ましい。
水分散体の製造にあたっては、通常水分散体に使用することのできる各種副資材、例えば安定化剤、湿潤剤、起泡剤、消泡剤、凝固剤、ゲル化剤、老化防止剤、可塑剤、充填剤、着色剤、付香剤、粘着防止剤、離型剤などを用いることができる。
【0122】
このようにして得られる水分散体に含まれる分散粒子は一般に球状であるが、必ずしも球状である必要はない。分散粒子の平均粒径は特に限定されないが、通常1〜20μm、好ましくは5〜15μmである。また、水分散体中の粒子濃度(固形分濃度)は特に限定されないが、通常5〜40重量%である。
有機溶媒分散体を塗布することによりヒートシール性層(II)を形成する方法としては、ポリオレフィンワックス(a)を含む有機溶媒分散体を、従来公知の方法で基材に塗布し、必要により加熱乾燥する。水分散体の塗布は、従来公知の方法、例えばグラビアコーター、リバースコーター、キスコーター/エアナイフコーター、メイヤーバーコーター、ディップコーター等により行うことができる。
【0123】
有機溶媒分散体を調製するには、例えば、まず上記ポリオレフィンワックス(a)を、有機媒体に混合し、加熱することにより完全に溶解させる。溶解時の温度は通常100℃〜150℃である。次いで、該溶液を冷却し、ポリオレフィンワックス(a)を析出させる。このとき、60〜100℃の範囲で析出するように予め有機媒体の組成を設定し、かつ平均冷却速度を1〜20℃/時間、好ましくは2〜10℃/時間に調節することが好ましい。また、親溶媒のみからなる有機媒体にポリオレフィンワックス(a)を溶解し、析出が終了した後に貧溶媒を加えて、さらに析出を行ってもよい。
【0124】
このようにして得られる有機溶媒分散体に含まれる分散粒子は一般に球状であるが、必ずしも球状である必要はない。分散粒子の平均粒径は特に限定されないが、通常1〜20μm、好ましくは5〜15μmである。また、有機溶媒分散体中の粒子濃度(固形分濃度)は特に限定されないが、通常5〜40重量%である。
【0125】
有機媒体分散体の調製に用いられる有機媒体としては、ポリオレフィンに対して親溶媒であるベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカンなどの脂肪族系炭化水素;シクロヘキサン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキサンなどの脂環族系炭化水素、エタノール、イソプロパノールなどの脂肪族アルコール;アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒;トリクロルエチレン、ジクロルエチレン、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素が挙げられる。
【0126】
また、有機媒体分散体の調製に用いられることのある貧溶媒としては、アルコール類、ケトン類、エーテル類、エステル類、セルソルブ類などが挙げられる。具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、プロパンジオール、フェノール、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、アニソール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ペンタノン、ヘキサノン、イソホロン、アセトフェノン、無水酢酸、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、ギ酸ブチル、エチルセルソルブ、メチルセルソルブなどが挙げられる。
【0127】
これらは、1種単独または2種以上組み合わせて用いることができるが、特には親溶媒と貧溶媒とを混合して使用することが、油性樹脂分散体の低温流動性、分散安定性の点から好ましい。なお親溶媒と貧溶媒の比は特に限定されるものではない。
なお、有機溶媒分散体中には、それ自体公知の顔料、充填剤、安定剤その他の配合剤を任意に配合することができる。
【0128】
上記のような方法によるヒートシール性層の塗布量は、特に制限はないが、好ましくは0.5〜5.0g/m2の範囲である。塗布量が少なすぎると塗膜欠陥等を生じて、充分なヒートシール性が得られず、逆に多すぎるとヒートシールさせるのに時間、熱量が掛かりすぎるなどコストの割には効果がない。
本発明の低温ヒートシール性多層構造体は、150℃以下の温度、例えば90〜140℃、好ましくは90〜130℃の温度でヒートシールすることにより充分なヒートシール強度を発揮する。
【0129】
【発明の効果】
本発明に係る低温ヒートシール性組成物およびヒートシール性多層構造体は、ヒートシール性、外観、耐油性に優れ、使用時の耐ブロッキング性も良く、作業性が良好である。
【0130】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0131】
【合成例1】
メタロセン触媒を用いて、次のようにしてポリオレフィンワックスを製造した。
充分に窒素置換した内容積2リットルのステンレス製オートクレーブにヘキサン910mlおよび1−ブテン 90mlを装入し、水素を1.0kg/cm2(ゲージ圧)導入した。次いで、系内の温度を150℃に昇温した後、トリイソブチルアルミニウム0.3ミリモル、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.04ミリモル、(t−ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランチタンジクロライド(シグマアルドリッチ社製)0.002ミリモルをエチレンで圧入することにより重合を開始した。その後、エチレンのみを連続的に供給することにより全圧を30kg/cm2(ゲージ圧)に保ち、150℃で20分間重合を行った。
【0132】
少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のエチレンをパージした。得られたポリマー溶液を、100℃減圧下で一晩乾燥した。その結果、Mnが4100であり、密度が901kg/m3であり、DSC融点温度が86℃であるエチレン重合体(ポリオレフィンワックスI)を20gを得た。
【0133】
【合成例2】
メタロセン触媒を用いて、次のようにしてポリオレフィンワックスを製造した。
充分に窒素置換した内容積2リットルのステンレス製オートクレーブにヘキサン900mlおよびプロペン 100mlを装入し、水素を0.5kg/cm2(ゲージ圧)導入した。次いで、系内の温度を150℃に昇温した後、トリイソブチルアルミニウム0.3ミリモル、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.04ミリモル、(t−ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランチタンジクロライド(シグマアルドリッチ社製)0.002ミリモルをエチレンで圧入することにより重合を開始した。その後、エチレンのみを連続的に供給することにより全圧を30kg/cm2(ゲージ圧)に保ち、150℃で20分間重合を行った。
【0134】
少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のエチレンとプロペンをパージした。得られたポリマー溶液を、100℃減圧下で一晩乾燥した。
その結果、Mnが8200であり、密度が891kg/m3であり、DSC融点温度が77℃であるエチレン重合体(ポリオレフィンワックス(II))を33gを得た。
【0135】
【合成例3】
上記合成例2で合成されたポリオレフィンワックス(II)20gをトルエン100ml中に入れ、160℃で耐圧オートクレーブ中で完全に溶解後、70℃の無水マレイン酸0.7g及び常温のジターシャリーブチルパーオキサイド(日本油脂製、パーブチルD)1.2gを別個に3時間で均等フィードし、1時間熟成後、1mmHgの真空度で溶剤を除去し、20.6gのポリオレフィンワックス(III)を得た。
【0136】
【実施例及び比較例】
表1に記載した各成分を表中に記載の割合で用い、180℃で溶融混合して低温ヒートシール性組成物を調製した。得られたホットメルト接着剤組成物について、以下のようにして試験を行った。
結果を表2に示した。
【0137】
【評価方法】
押出キャスト成型で得られた直鎖状低密度ポリエチレンフィルムにイソシアネート系アンカーコート剤を0.2g/m3 塗布し、90℃で5秒間乾燥後、その上に実施例1〜3、比較例1をそれぞれ塗布量1.0g/m2になるように塗布し、90℃で10秒間乾燥させテストピースとした。これらのテストピースを一定時間養生させた後、以下のような物性評価を行った。
(1)ヒートシール性
熱傾斜シーラーを用い、シール温度90〜130℃(10℃間隔)で圧力1kg/cm2、時間0.5秒でヒートシールさせた。サンプル幅を30mmとし、引っ張り速度300mm/min.で90度ピール強度を測定し、これをヒートシール強度とした。
(2)外観
塗布したテストピースの外観を目視で判定した。
【0138】
◎;透明 ○:やや白化 ×:白化
(3)スリップ性
塗布面/塗布面の重ね合わせ、摩擦係数試験方法(JIS P8147)の傾斜法により、滑り角度(θ)を測定した。結果は、tanθの値で表記した。
(4)耐油性
あらかじめオフセットによって印刷された箱を、塗布したテストピースで包装し一定時間後のフィルムの膨潤等の外観変化の有無を目視で判定した。
【0139】
○:透明
×:膨潤
評価結果は、表2のようになった。
【0140】
【表1】
【0141】
【表2】
Claims (9)
- (a)メタロセン系触媒により製造され、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した数平均分子量(Mn)が2,000〜10,000の範囲にあり、密度勾配管法で測定した密度が880〜910kg/m3の範囲にあり、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が65〜100℃の範囲にあるポリオレフィンワックス99〜80重量%、および
(b)粘着付与樹脂 1〜20重量%からなることを特徴とする低温ヒートシール性組成物。 - 上記ポリオレフィンワックスが、酸化変性または酸グラフト変性された変性ポリオレフィンワックスであることを特徴とする請求項1に記載の低温ヒートシール性組成物。
- 上記ポリオレフィンワックスが、エチレンと、プロピレンまたはブテンとの共重合体であることを特徴とする請求項1または2に記載の低温ヒートシール性組成物。
- (I)基材層および(II)該基材層上に形成されたヒートシール性層の二層を層構造の少なくとも一部に含んで構成され、上記ヒートシール性層が、
(a)メタロセン系触媒により製造され、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した数平均分子量(Mn)が2,000〜10,000の範囲にあり、密度勾配管法で測定した密度が880〜910kg/m3の範囲にあり、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が65〜100℃の範囲にあるポリオレフィンワックス
からなることを特徴とするヒートシール性多層構造体。 - 上記ヒートシール性層が、
(a)メタロセン系触媒により製造され、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した数平均分子量(Mn)が2,000〜10,000の範囲にあり、密度勾配管法で測定した密度が880〜910kg/m3の範囲にあり、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が65〜100℃の範囲にあるポリオレフィンワックス99〜80重量%、および
(b)粘着付与樹脂 1〜20重量%からなることを特徴とする請求項4に記載のヒートシール性多層構造体。 - 上記ポリオレフィンワックス(a)が、酸化変性または酸グラフト変性された変性ポリオレフィンワックスであることを特徴とする請求項4または5に記載の低温ヒートシール性多層構造体。
- 上記ポリオレフィンワックス(a)が、エチレンと、プロピレンまたはブテンとの共重合体であることを特徴とする請求項4ないし6のいずれか1項に記載の低温ヒートシール性多層構造体。
- 上記基材層が、ポリオレフィンフィルムであることを特徴とする請求項4ないし7のいずれか1項に記載のヒートシール性多層構造体。
- 上記基材層が、紙であることを特徴とする請求項4ないし7のいずれか1項に記載のヒートシール性多層構造体。
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