JP3900967B2 - 抗酸化剤並びに皮膚化粧料及び美容用飲食品 - Google Patents

抗酸化剤並びに皮膚化粧料及び美容用飲食品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、植物からの抽出物を有効成分とする抗酸化剤、活性酸素消去剤及びラジカル消去剤、並びに植物からの抽出物を配合した皮膚化粧料及び美容用飲食品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、特に生体成分を酸化させる要因として、活性酸素が注目されており、その生体への悪影響が問題となっている。
活性酸素は、生体細胞内のエネルギー代謝過程で生じるものであり、スーパーオキサイド(即ち酸素分子の一電子還元で生じるスーパーオキシドアニオン(・O2-)、過酸化水素(H2O2)、一重項酸素(1O2)、ヒドロキシラジカル(・OH)等がある。これら活性酸素は食細胞の殺菌機構にとって必須でありウイルスや癌細胞の除去に重要な働きを果たしているが、活性酸素の過剰な生成は生体内の膜や組織を構成する生体内分子を攻撃し、各種疾患を誘発する。例えば、活性酸素は、コラーゲン等の生体組織を分解、変性あるいは架橋したり、油脂類を酸化して細胞に障害を与える過酸化脂質を生成したりすると考えられており、活性酸素によって引き起こされるこれらの障害が、皮膚のしわ形成や皮膚の弾力性低下等の老化の原因になるものと考えられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、活性酸素や生体内ラジカルの発生の阻害・抑制により、過酸化脂質の生成の抑制等を通じて皮膚のしわの形成や弾力性低下等の皮膚の老化を予防・治療できるものと考えられる。
【0004】
そこで、本発明は、第一に、天然物の中から活性酸素消去作用及び/又はラジカル消去作用を有するものを見出し、それを有効成分とした抗酸化剤を提供することを目的とする。
【0005】
また、本発明は、第二に、天然物の中から活性酸素消去作用を有するものを見出し、それを有効成分とした活性酸素消去剤を提供することを目的とする。
【0006】
さらに、本発明は、第三に、天然物の中からラジカル消去作用を有するものを見出し、それを有効成分としたラジカル消去剤を提供することを目的とする。
【0007】
さらに、本発明は、第四に、天然物の中から活性酸素消去作用及び/又はラジカル消去作用を有するものを見出し、それを配合した皮膚化粧料を提供することを目的とする。
【0008】
さらに、本発明は、第五に、天然物の中から活性酸素消去作用及び/又はラジカル消去作用を有するものを見出し、それを配合した美容用飲食品を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を解決するため、本発明の抗酸化剤、活性酸素消去剤及びラジカル消去剤は、木棉及び/又は黄花倒水蓮からの抽出物を有効成分として含有することを特徴とし、本発明の皮膚化粧料及び美容用飲食品は、木棉及び/又は黄花倒水蓮からの抽出物を配合したことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において、「木棉花及び/又は黄花倒水蓮からの抽出物」には、木棉花及び/又は黄花倒水蓮を抽出原料として得られる抽出液、該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、該抽出液を乾燥して得られる乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物のいずれもが含まれる。
【0011】
抽出原料として用いる植物は、木棉及び/又は黄花倒水蓮である。木棉(モクメン)(学名:Gossampinus malabaricum)は、パンヤ科に属する落葉高木であって、広東、海南、広西、福建、台湾、雲南等に分布しており、これらの地域から容易に入手可能である。また、黄花倒水蓮(コウカトウスイレン)(学名:Polygala fallax)は、ヒメハギ科に属する低木であって、中南、華東、四川等に分布しており、これらの地域から容易に入手可能である。
【0012】
抽出原料として用いる植物の構成部位は特に限定されるものではなく、木棉については、例えば葉部、枝部、花、種子、樹皮、根部等の構成部位を、黄花倒水蓮については、例えば葉部、枝部、花、種子、根部等の構成部位を抽出原料として用いることができる。これらの構成部位のうち、木棉については特に花(木棉の花は「木棉花」と呼ばれる)、黄花倒水蓮については特に根部を抽出原料として用いることが好ましい。ここで、「花」とは、一般に、種子植物の有性生殖にかかわる器官の総体をいい、葉の変形である花葉と茎の変形である花軸とから構成され、花葉には、萼、花弁、雄しべ、心皮などの器官が含まれる。本発明において抽出原料として使用する「花」には、種子植物の有性生殖にかかわる器官の総体の他、その一部、例えば、花葉、花被(萼と花冠)、花冠、花弁等も含まれる。
【0013】
木棉及び/又は黄花倒水蓮からの抽出物に含有される活性酸素消去作用及び/又はラジカル消去作用を有する物質の詳細は不明であるが、植物の抽出に一般に用いられている抽出方法によって、木棉及び/又は黄花倒水蓮から活性酸素消去作用及び/又はラジカル消去作用を有する抽出物を得ることができる。例えば、抽出原料を乾燥した後、そのまま、又は粗砕機を用いて粉砕し、抽出溶媒による抽出に供することにより得ることができる。この際、抽出原料の乾燥は天日で行ってもよいし、通常使用される乾燥機を用いて行ってもよい。また、木棉及び/又は黄花倒水蓮は、ヘキサン、ベンゼン等の非極性溶媒によって脱脂等の前処理を施してから抽出原料として使用してもよい。脱脂等の前処理を行うことにより、木棉及び/又は黄花倒水蓮の極性溶媒による抽出処理を効率よく行うことができる。
【0014】
抽出溶媒としては、極性溶媒を用いることが好ましく、水若しくは親水性有機溶媒又はこれらの混合液を室温又は溶媒の沸点以下の温度で用いることが特に好ましい。
【0015】
抽出溶媒として使用し得る水としては、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等の他、これらに各種処理を施したものが含まれる。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、ろ過、イオン交換、浸透圧の調整、緩衝化等が含まれる。従って、本発明において抽出溶媒として使用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
【0016】
抽出溶媒として使用し得る親水性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜5の低級アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2〜5の多価アルコールなどが挙げられる。
【0017】
2種以上の極性溶媒の混合液を抽出溶媒として使用する場合、その混合比は適宜調整することができる。例えば、水と低級脂肪族アルコールとの混合液を使用する場合には、水と低級脂肪族アルコールとの混合比を9:1〜1:9(重量比)とすることができる。
【0018】
抽出処理は、木棉及び/又は黄花倒水蓮に含有される可溶性成分を抽出溶媒に溶出させ得る限り特に限定されるものではなく、常法に従って行うことができる。抽出処理の際には特殊な抽出方法を採用する必要はなく、室温又は還流加熱下において任意の装置を用いることができる。
【0019】
具体的には、抽出溶媒を満たした処理槽に抽出原料を投入し、必要に応じて時々攪拌しながら、通常1〜3時間静置して可溶性成分を溶出した後、ろ過して固形物を除去し、得られた抽出液から抽出溶媒を留去し、乾燥することにより抽出物が得られる。抽出溶媒量は抽出原料の通常5〜15倍量(重量比)であり、抽出温度は、通常、常温〜95℃である。
【0020】
得られた抽出液は、該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、該抽出液の乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物を得るために、常法に従って希釈、濃縮、乾燥、精製等の処理を施してもよい。
【0021】
得られた抽出液はそのままでも抗酸化剤、活性酸素消去剤又はラジカル消去剤として使用することができるが、濃縮液又は乾燥物としたものの方が利用しやすい。木棉及び/又は黄花倒水蓮からの抽出物の製剤化は常法に従って行うことができる。製剤化する場合、保存や取扱いを容易にするために、デキストリン、シクロデキストリン等の薬学的に許容され得るキャリアーその他任意の助剤を添加することができ、木棉及び/又は黄花倒水蓮からの抽出物を粉末状、果粒状、錠剤状等、任意の剤形に製剤化することができる。
【0022】
木棉及び/又は黄花倒水蓮からの抽出物は特有の匂いを有しているため、その生理活性の低下を招かない範囲で脱色、脱臭等を目的とする精製を行うことも可能であるが、化粧料や飲食品などに添加する場合には大量に使用するものではないから、未精製のままでも実用上支障はない。精製は具体的には、活性炭処理、吸着樹脂処理、イオン交換樹脂処理等によって行うことができる。
【0023】
以上のようにして得られる木棉及び/又は黄花倒水蓮からの抽出物は、活性酸素消去及び/又はラジカル消去作用を有しており、これらの作用を利用して抗酸化剤、活性酸素消去剤又はラジカル消去剤の有効成分として使用することができる。
【0024】
ここで、木棉及び/又は黄花倒水蓮からの抽出物の抗酸化作用は、活性酸素消去作用及び/又はラジカル消去作用に基づいて発揮される。「活性酸素」には、スーパーオキサイド、過酸化水素、ヒドロキシラジカル、一重項酸素等が含まれる。また、「ラジカル」とは、不対電子を1つ又はそれ以上有する分子又は原子を意味し、スーパーオキサイド、ヒドロキシラジカル、DPPH等が含まれる。
【0025】
木棉及び/又は黄花倒水蓮からの抽出物、並びに当該抽出物を有効成分として含有する抗酸化剤、活性酸素消去剤及びラジカル消去剤は、皮膚の老化の防止及び/又は改善することができると共に、皮膚に適用した場合の使用感と安全性に優れているため、皮膚化粧料に配合するのに好適である。
【0026】
木棉及び/又は黄花倒水蓮からの抽出物を配合し得る皮膚化粧料の種類は特に限定されず、その具体例としては、軟膏、クリーム、乳液、ローション、パック、口紅、入浴剤等が挙げられる。
【0027】
本発明の皮膚化粧料における木棉及び/又は黄花倒水蓮からの抽出物の配合量は、皮膚化粧料の種類や抽出物の生理活性等によって適宜調整することができるが、好適な配合率は標準的な抽出物に換算して約0.001〜10重量%である。
【0028】
本発明の皮膚化粧料には、木棉及び/又は黄花倒水蓮からの抽出物が有する活性酸素消去作用及び/又はラジカル消去作用の妨げにならない限り、皮膚化粧料の製造に通常使用される各種主剤及び助剤、その他任意の助剤を使用することができる。本発明の皮膚化粧料は、皮膚の老化防止・改善に関し、木棉及び/又は黄花倒水蓮からの抽出物のみが主剤となるものに限られるわけではない。
【0029】
本発明の皮膚化粧料において、木棉及び/又は黄花倒水蓮からの抽出物と共に皮膚化粧料構成成分として利用可能なものとしては、例えば、収斂剤、殺菌・抗菌剤、美白剤、紫外線吸収剤、保湿剤、細胞賦活剤、消炎・抗アレルギー剤、抗酸化・活性酸素消去剤等が挙げられ、木棉及び/又は黄花倒水蓮からの抽出物とともに上記構成成分を併用した場合、木棉及び/又は黄花倒水蓮からの抽出物と併用された構成成分との間の相乗作用が、通常期待される以上の優れた使用効果をもたらすことがある。
【0030】
木棉及び/又は黄花倒水蓮からの抽出物を配合した皮膚化粧料を製造する場合、他の製造原料の選択が制限されることはほとんどなく、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、香料等の一般的な基材や助剤はいずれも使用可能である。
【0031】
木棉及び/又は黄花倒水蓮からの抽出物は、消化管で消化されるようなものではないことが確認されているので、任意の飲食品や栄養補助食品に配合するのに好適である。その場合の配合量は、添加対象飲食品の一般的な摂取量を考慮して成人1日当たりの抽出物摂取量が約1〜1000mgになるようにするのが適当である。
【0032】
木棉及び/又は黄花倒水蓮からの抽出物を配合した飲食品には、皮膚の老化を防止及び/又は改善する作用が付与され、これを美容用飲食品として使用することができる。ここで、「美容用飲食品」とは、美肌又は皮膚の老化の防止及び/又は改善を図ることを目的とした飲食品を意味する。
【0033】
本発明の美容用飲食品は、木棉及び/又は黄花倒水蓮からの抽出物をその活性を妨げないような任意の飲食品に配合したものであってもよいし、木棉及び/又は黄花倒水蓮からの抽出物を主成分とする栄養補助食品であってもよい。
【0034】
本発明の美容用飲食品を製造する際には、例えば、デキストリン、デンプン等の糖類;ゼラチン、大豆タンパク、トウモロコシタンパク等のタンパク質;アラニン、グルタミン、イソロイシン等のアミノ酸類;セルロース、アラビアゴム等の多糖類;大豆油、中鎖脂肪酸トリグリセリド等の油脂類等の任意の助剤を添加して任意の剤形に製剤化することができる。
【0035】
木棉及び/又は黄花倒水蓮からの抽出物を配合し得る飲食品は特に限定されないが、その具体例としては、清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳酸飲料等の飲料(これらの飲料の濃縮原液及び調整用粉末を含む);アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の冷菓;そば、うどん、はるさめ、ぎょうざの皮、しゅうまいの皮、中華麺、即席麺等の麺類;飴、チューインガム、キャンディー、ガム、チョコレート、錠菓、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、焼き菓子等の菓子類;かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品;加工乳、発酵乳等の乳製品;サラダ油、てんぷら油、マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂及び油脂加工食品;ソース、たれ等の調味料;スープ、シチュー、サラダ、惣菜、漬物などが挙げられる。
【0036】
以上説明した本発明の抗酸化剤、活性酸素消去剤、ラジカル消去剤、皮膚化粧料及び美容用飲食品は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果が奏される限り、ヒト以外の動物に対して適用することもできる。
【0037】
【実施例】
以下、製造例、試験例及び配合例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は、下記の各例に何ら限定されるものではない。
【0038】
〔製造例1〕
木棉の花(木棉花)、黄花倒水蓮の根部の粗粉砕物300gを抽出溶媒3000mLに投入し、穏やかに攪拌しながら2時間、80℃に保った。水、50%エタノール又はエタノールの3種類の抽出溶媒を用いて上記抽出処理を行った後、ろ過し、ろ液を40℃で減圧下にて濃縮し、さらに減圧乾燥機で乾燥させた。抽出溶媒として水、50%エタノール、エタノールを用いたときの各抽出率を表1に示す。なお、抽出溶媒が混合物の場合、その混合比は重量基準によるものである。
【0039】
Figure 0003900967
【0040】
〔試験例1〕スーパーオキサイド消去試験(NBT法)
製造例1で得られた木棉花及び黄花倒水蓮の根部からの抽出物(以下「試料」という。)について、下記の試験法によりスーパーオキサイド消去作用を試験した。
【0041】
3mMキサンチン、3mM EDTA、1.5mg/mLBSA溶液及び0.75mM ニトロブルーテトラゾリウム(NBT)各0.1mLと、0.05M Na2CO3緩衝液(pH10.2)2.4mLとを試験管にとり、これに試料溶液0.1mLを添加し、25℃で10分間放置した。次いでキサンチンオキシダーゼ溶液0.1mLを加えて素早く攪拌し、25℃で20分間静置した。その後、6mM塩化銅0.1mLを加えて反応を停止させ、波長560nmにおける吸光度を測定した。以下、この吸光度を「試料溶液添加、酵素溶液添加時の吸光度」という。
【0042】
また、同様の操作と吸光度の測定を、酵素溶液を添加せずに行った。このとき測定した吸光度を「試料溶液添加、酵素溶液無添加時の吸光度」という。
【0043】
また、試料溶液を添加せずに蒸留水を添加した場合についても同様の測定を行った。このとき測定した吸光度を「試料溶液無添加、酵素溶液添加時の吸光度」という。
【0044】
また、酵素溶液を添加せず、さらに試料溶液を添加せずに蒸留水を添加した場合についても同様の測定を行った。このとき測定した吸光度を「試料溶液無添加、酵素溶液無添加時の吸光度」という。
そして、次式によりスーパーオキサイド消去率を求めた。
【0045】
消去率(%)={1−(A−B)/(C−D)}×100
【0046】
上記式中、「A」は「試料溶液添加、酵素溶液添加時の吸光度」、「B」は「試料溶液添加、酵素溶液無添加時の吸光度」、「C」は「試料溶液無添加、酵素溶液添加時の吸光度」、「D」は「試料溶液無添加、酵素溶液無添加時の吸光度」を表す。
【0047】
試料濃度を段階的に減少させて上記消去率の測定を行い、スーパーオキサイドの消去率が50%になる試料濃度(ppm;μg/mL)を内挿法により求めた。その結果を表2に示す。
【0048】
Figure 0003900967
【0049】
表2に示す結果から、木棉花及び黄花倒水蓮の根部からの抽出物がスーパーオキサイド消去作用を有することが確認された。この中でも特に、木棉花からの抽出物が優れたスーパーオキサイド消去作用を有することが確認された。
【0050】
〔試験例2〕DPPHに対するラジカル消去試験
製造例1で得られた木棉花及び黄花倒水蓮の根部からの抽出物(以下「試料」という。)について、下記の試験法により非常に安定なラジカルであるDPPHを使用してラジカル消去作用を試験した。
【0051】
1.5×10-4M DPPHエタノール溶液3mLに試料溶液3mLを加え、直ちに容器を密栓して振り混ぜ、30分間静置した。その後、波長520nmの吸光を測定した。コントロールとして、試料溶液の代わりに試料溶液を溶解した溶媒を用いて同様に操作し、波長520nmの吸光度を測定した。また、ブランクとして、エタノールに試料溶液3mLを加えたのち直ちに波長520nmの吸光度を測定した。測定された各吸光度より、次式によりラジカル消去率(%)を算出した。
【0052】
消去率(%)={1−(B−C)/A}×100
【0053】
上記式中、「A」は「コントロールの吸光度」、「B」は「試料溶液を添加した場合の吸光度」、「C」は「ブランクの吸光度」を表す。
【0054】
試料濃度を段階的に減少させて上記消去率の測定を行い、DPPHラジカルの消去率が50%になる試料濃度(ppm;μg/mL)を内挿法により求めた。その結果を表3に示す。
【0055】
Figure 0003900967
【0056】
表3に示す結果から、木棉花及び黄花倒水蓮の根部からの抽出物がラジカル消去作用を有することが確認された。この中でも特に、木棉花からの抽出物が優れたラジカル消去作用を有することが確認された。
【0057】
〔試験例3〕一重項酸素消去作用試験
製造例1で得られた木棉花及び黄花倒水蓮の根部からの抽出物(以下「試料」という。)について、下記の試験法により一重項酸素消去作用を試験した。
【0058】
透明ガラス瓶(10mL容)中で、2%赤血球懸濁液5mL、試料を所定濃度で含むpH7.4の等張リン酸緩衝液5mL、及び光増感剤(10mMヘマトポルフイリン−20mM水酸化ナトリウム溶液)0.01mLを混合した。得られた溶液をメリーゴーランド上、7.5Wハロゲンランプで35分間均一に照射して一重項酸素()を発生させ、赤血球の溶血を生じさせた。この反応溶液1mLを採取し、等張リン酸緩衝液2mLを加えて混合後、 4℃、3000rpmで5分間遠心分離を行った。次いで、上清を採取し、波長540nmにおける吸光度を測定した。
【0059】
別に、赤血球を一部溶血させた上記反応溶液1mLをとり、これに蒸留水2mLを加えて完全に溶血させたものをコントロールとし、同様に吸光度測定を行った。測定された吸光度より次式により一重項酸素消去率を求めた。
【0060】
一重項酸素消去率(%)=(1−B/A)×100
【0061】
上記式中、「A」はコントロールの吸光度、「B」は反応溶液上清の吸光度を表す。
【0062】
試料濃度を段階的に減少させて上記消去率の測定を行い、一重項酸素の消去率が50%になる試料濃度(ppm;μg/mL)を内挿法により求めた。その結果を表4に示す。
【0063】
Figure 0003900967
【0064】
表4に示す結果から、木棉花及び黄花倒水蓮の根部からの抽出物が一重項酸素消去作用を有することが確認された。この中でも特に、黄花倒水蓮の根部からの抽出物が優れた一重項酸素消去作用を有することが確認された。
【0065】
〔配合例1〕
下記の組成の乳液を常法により製造した。
木棉花抽出物 0.1g
黄花倒水蓮抽出物 0.1g
ホホバオイル 4g
オリーブオイル 2g
スクワラン 2g
セタノール 2g
モノステアリン酸グリセリル 2g
ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.0) 2.5g
オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.0) 2g
黄杞エキス 0.1g
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1g
イチョウ葉エキス 0.1g
コンキオリン 0.1g
オウバクエキス 0.1g
カミツレエキス 0.1g
1,3-ブチレングリコール 3g
パラオキシ安息香酸メチル 0.15g
香料 0.05g
精製水 残部(全量を100gとする)
【0066】
〔配合例2〕
下記組成の化粧水を常法により製造した。
木棉花抽出物 0.1g
黄花倒水蓮抽出物 0.1g
グリセリン 3g
1,3-ブチレングリコール 3g
オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.0) 0.5g
パラオキシ安息香酸メチル 0.15g
クエン酸 0.1g
クエン酸ソーダ 0.1g
油溶性甘草エキス 0.1g
海藻エキス 0.1g
キシロビオースミクスチャー 0.5g
クジンエキス 0.1g
香料 0.05g
精製水 残部(全量を100gとする)
【0067】
〔配合例3〕
下記組成のクリームを常法により製造した。
木棉花抽出物 0.1g
黄花倒水蓮抽出物 0.1g
流動パラフィン 5g
サラシミツロウ 4g
セタノール 3g
スクワラン 10g
ラノリン 2g
ステアリン酸 1g
オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.0) 1.5g
モノステアリン酸グリセリル 3g
1,3-ブチレングリコール 6g
酵母抽出液 0.1g
シソ抽出液 0.1g
シナノキ抽出液 0.1g
ジユ抽出液 0.1g
パラオキシ安息香酸メチル 1.5g
香料 0.1g
精製水 残部(全量を100gとする)
【0068】
〔配合例4〕
下記組成のパックを常法により製造した。
木棉花抽出物 0.2g
黄花倒水蓮抽出物 0.1g
ポリビニルアルコール 15g
ポリエチレングリコール 3g
プロピレングリコール 7g
エタノール 10g
セージ抽出液 0.1g
トウキ抽出液 0.1g
ニンジン抽出液 0.1g
パラオキシ安息香酸エチル 0.05g
香料 0.05g
精製水 残部(全量を100gとする)
【0069】
〔配合例5〕
下記の混合物を打錠して,錠剤状栄養補助食品を製造した。
木棉花抽出物 30重量部
黄花倒水蓮抽出物 10重量部
粉糖(ショ糖) 178重量部
ソルビット 10重量部
グリセリン脂肪酸エステル 12重量部
【0070】
〔配合例6〕
下記の混合物を顆粒状に形成して栄養補助食品を製造した。
木棉花抽出物 20重量部
黄花倒水蓮抽出物 30重量部
ビートオリゴ糖 1000重量部
ビタミンC 167重量部
ステビア抽出物 10重量部
【0071】
【発明の効果】
本発明によれば、抗酸化剤、活性酸素消去剤及びラジカル消去剤が提供される。また、本発明によれば、活性酸素消去作用及び/又はラジカル消去作用を有する皮膚化粧料及び美容用飲食品が提供される。
本発明の抗酸化剤、活性酸素消去剤、ラジカル消去剤、皮膚化粧料及び美容用飲食品によれば、活性酸素消去作用や生体内ラジカル消去作用による生体成分の酸化の防止を通じて、皮膚のしわの形成や弾力性低下等の老化現象を効果的に予防・治療できるから、皮膚の老化を防止及び/又は改善するのに有用である。

Claims (4)

  1. 木棉花からの抽出物を有効成分として含有することを特徴とする抗酸化剤。
  2. 前記抽出物が活性酸素消去作用及び/又はラジカル消去作用を有することを特徴とする請求項1記載の抗酸化剤。
  3. 木棉花からの抽出物を有効成分として含有することを特徴とする活性酸素消去剤。
  4. 木棉花からの抽出物を有効成分として含有することを特徴とするラジカル消去剤。
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