JP3899993B2 - 車両用空調装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷房用蒸発器通過後の冷風により冷却される蓄冷器を備えた蓄冷式の車両用空調装置に関するもので、停車時等に圧縮機の駆動源である車両エンジンを一時的に停止させる車両に適用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境保護を目的にして、信号待ち等の停車時に車両エンジンを自動的に停止する車両(ハイブリッド車等のエコラン車)が実用化されており、今後、停車時に車両エンジンを停止する車両が増加する傾向にある。
【0003】
ところで、車両用空調装置においては、冷凍サイクルの圧縮機を車両エンジンにより駆動しているので、上記エコラン車においては信号待ち等で停車して、車両エンジンが停止される毎に、圧縮機も停止して冷房用蒸発器の温度が上昇し、車室内への吹出空気温度が上昇するので、乗員の冷房フィーリングを損なうという不具合が発生する。
【0004】
そこで、圧縮機の稼働時に蓄冷される蓄冷器を備え、圧縮機の停止時(冷房用蒸発器の冷却作用停止時)には蓄冷器の蓄冷熱量の放冷により車室内への吹出空気を冷却できる蓄冷式の車両用空調装置の必要性が高まっている。
【0005】
本発明者らは現在、上記の蓄冷式の車両用空調装置を開発中であるが、停車時に蓄冷器の蓄冷熱量がなくなって、放冷作用が停止すると、蓄冷器の吹出空気温度が上昇する。そこで、停車中に蓄冷器の吹出空気温度が冷房上限目標温度、例えば、18℃まで上昇すると、車両エンジンの稼働要求信号を発生して車両エンジンを再起動する。これにより、圧縮機も再起動されて冷房用蒸発器が冷却作用を再開するので、停車中における冷房フィーリングの悪化を未然に防止できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、今まで停止していた車両エンジンが空調側からの稼働要求信号により停車中に突然、再起動すると、乗員が違和感を感じる。そこで、停車中に、蓄冷器の蓄冷熱量の放冷により車室内を冷房できる時間、すなわち、蓄冷器による放冷冷房残り時間を算出し、乗員に表示することが望まれる。この場合、放冷冷房残り時間の表示時間が0になる時点と、車両エンジンが再起動する時点とを正確に一致させることが望まれる。
【0007】
そこで、本発明者らは蓄冷器による放冷冷房残り時間を算出して乗員に表示するために以下の検討を行った。先ず、図7は、車両の走行、エコラン停車による蓄冷器の吹出空気温度の挙動を示すものである。ここで、エコラン停車とは、停車時に車両エンジンを自動的に停止している状態を言う。
【0008】
図7において、T0は蓄冷器に内蔵される蓄冷材の凝固点、例えば8℃である。車両の走行開始に伴って車両エンジンにより圧縮機が駆動されると、蒸発器の冷却作用により冷却された冷風が蓄冷器を通過して蓄冷材を冷却する。これにより、蓄冷器の吹出空気温度がa域のように蓄冷材の凝固点T0に向かって低下する。
【0009】
蓄冷器の吹出空気温度が凝固点T0まで低下すると、蓄冷材が液相から固相への相変化(すなわち、凝固)を開始するので、凝固潜熱の形で蓄冷材への蓄冷が行われる。この凝固が開始されると、b域のように蓄冷器の吹出空気温度は蓄冷材の凝固点T0付近の略一定温度に維持される。そして、蓄冷材の凝固が完了すると、蓄冷材は顕熱変化となるので、蓄冷器の吹出空気温度はc域のように蒸発器の吹出空気温度に向かって再び低下するようになる。
【0010】
次に、車両が停車してエコラン停車状態になると、蓄冷器の蓄冷熱量の放冷により車室内を冷房する放冷冷房モードが開始される。d域は蓄冷材の顕熱変化域であるので、蓄冷器の吹出空気温度は短時間で凝固点T0付近まで上昇する。その後、蓄冷材の固相から液相への相変化(すなわち、融解)が開始されるので、蓄冷材の融解潜熱を蓄冷器通過空気から吸熱する。
【0011】
そのため、蓄冷材の融解が継続している間はe域に示すように蓄冷器の吹出空気温度が凝固点T0付近の略一定温度に維持される。そして、蓄冷材の融解が完了すると、蓄冷材は顕熱変化となるので、蓄冷器の吹出空気温度はf域のように上昇する。
【0012】
エコラン停車中の間に、蓄冷器の吹出空気温度が所定の冷房上限目標温度TAまで上昇すると、車両エンジンの稼働要求信号を発生して車両エンジンを再起動する。ここで、冷房上限目標温度TAは乗員が不快であると感じ始める限界温度であって、複数の被験者の官能評価によって決定される温度であり、例えば、18℃である。
【0013】
従って、蓄冷器による放冷冷房残り時間txは、エコラン停車中の現時点から蓄冷器の吹出空気温度が上記の冷房上限目標温度TAに上昇するまでの時間であり、図7のtxはエコラン停車直後の時点からの最大時間を示す。
【0014】
ところで、放冷冷房残り時間txの算出のために、蓄冷器の吹出空気温度の変化を用いることが考えられるが、これは、エコラン停車中に蓄冷器吹出空気温度の温度上昇率が一定でないため、残り時間txの減少率が一定とならず、放冷冷房残り時間txを正確に算出、表示できない。
【0015】
より具体的に説明すると、現時点の蓄冷器吹出空気温度をTnowとし、冷房上限目標温度をTAとし、現時点の蓄冷器吹出空気温度の単位時間(1秒)当たりの変化量(℃/秒)をΔtcとすると、残り時間txは
tx=(TA−Tnow)/Δtcの式にて算出できる。
【0016】
しかし、この算出方法によると、例えば、図8の時刻t1にてtx=30秒と算出しても、その後に、蓄冷材の融解潜熱により蓄冷器の吹出空気温度が凝固点T0付近の略一定温度に維持されるe域が存在するので、放冷冷房残り時間txを正確に算出、表示できない。
【0017】
そこで、放冷冷房残り時間txの別の算出方法として、車両走行中、すなわち、エンジン稼働時における蓄冷材への蓄冷熱量を、蓄冷器吸い込み空気温度、蓄冷器通過風量、蓄冷時間等に基づいて算出し、エコラン停車中における蓄冷材からの放冷熱量を蓄冷器吸い込み空気温度、蓄冷器通過風量、放冷時間等に基づいて算出する。そして、蓄冷熱量と放冷熱量との差から残り蓄冷熱量を求め、この残り蓄冷熱量と単位時間当たりの放冷熱量とから放冷冷房残り時間txを算出することが考えられるが、この算出方法においても、蓄冷熱量および放冷熱量を間接的に推定しているに過ぎず、蓄冷器吸い込み空気温度の検出誤差、温度検出の応答遅れ等種々な要因により実際の蓄冷熱量および放冷熱量と算出値との間にずれが発生しやすい。
【0018】
従って、この算出値のずれ発生により放冷冷房残り時間txを正確に算出できないので、放冷冷房残り時間tx=0の時点を、蓄冷器の実際の吹出空気温度が冷房上限目標温度TAまで上昇して車両エンジンが再起動される時点と正確に一致させることができず、放冷冷房残り時間txを表示することの意義が失われる。
【0019】
なお、特開平2−29578号公報には、蓄冷式保冷庫という分野において、蓄冷材の残存保冷可能時間の演算および表示方法が記載されているが、この従来技術における残存保冷可能時間の演算方法は基本的に上記残り蓄冷熱量から算出する後者の算出方法と同様の考え方であるので、この従来技術を仮に蓄冷式車両用空調装置における蓄冷材の放冷冷房残り時間txの算出方法に適用しても、上記後者の算出方法と同様の問題を生じる。
【0020】
本発明は上記した検討事項に基づいて案出されたものであり、蓄冷式車両用空調装置において、エコラン停車時における蓄冷器の放冷冷房残り時間を正確に算出することを目的とする。
【0021】
また、本発明は蓄冷式車両用空調装置において、エコラン停車時における蓄冷器の放冷冷房残り時間を正確に表示することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、停車時に車両エンジン(4)を停止する制御を行う車両に搭載され、車両エンジン(4)により圧縮機(1)が駆動される車両用空調装置において、
冷凍サイクル(R)の蒸発器(9)の空気流れ下流側に、蒸発器(9)を通過した冷風により冷却されて凝固する蓄冷材(44)を有する蓄冷器(40)を配置し、車両エンジン(4)の停止時には蓄冷器(40)の蓄冷熱量により車室内への吹出空気を冷却する放冷冷房モードを実行し、この放冷冷房モード時に蓄冷器(40)の温度が所定の冷房上限目標温度まで上昇すると、車両エンジン(4)の稼働要求信号を出すようになっており、
更に、車両エンジン(4)の稼働時における蓄冷材(44)の畜冷熱量から車両エンジン(4)の停止時における蓄冷材(44)の放冷熱量を減算して放冷冷房モードの残り蓄冷熱量を算出し、この残り蓄冷熱量を単位時間当たりの放冷熱量で除算することにより、放冷冷房モードの残り時間を算出する第1算出手段(S80、S90、S100)と、
冷房上限目標温度と蓄冷器(40)の温度との温度差を、放冷冷房モードにおける蓄冷器(40)の温度の単位時間当たりの変化量で除算することにより、放冷冷房モードの残り時間を算出するとともに、蓄冷器(40)の温度が冷房上限目標温度まで上昇すると残り時間を零とする第2算出手段(S110)と、
放冷冷房モードのうち、蓄冷器(40)の温度が蓄冷材(44)の凝固点もしくは凝固点を若干上回る凝固点付近の温度より低い間は、第1算出手段(S80、S90、S100)による残り時間を選択し、蓄冷器(40)の温度が蓄冷材(44)の凝固点もしくは凝固点を若干上回る凝固点付近の温度より高くなると、第2算出手段(S110)による残り時間を選択する残り時間選択手段(S120、S130、S160、S170、S180)とを備えることを特徴とする。
【0023】
これによると、蓄冷器(40)の蓄冷材(44)の融解、すなわち、固相から液相への相変化が完了するまでは、第1算出手段(S100)により放冷冷房モードの残り蓄冷熱量を算出し、この残り蓄冷熱量に基づいて放冷冷房モードの残り時間を算出するから、蓄冷材(44)の融解潜熱により蓄冷器(40)の温度が凝固点T0付近の一定温度に維持されても、残り蓄冷熱量の減少とともに減少する放冷冷房残り時間を確実に算出できる。
【0024】
そのため、放冷冷房モード時に蓄冷材(44)の融解潜熱により蓄冷器(40)の温度が凝固点T0付近の略一定温度に維持されることの影響を受けることなく、放冷冷房残り時間を適正に算出できる。
【0025】
そして、放冷冷房モード時に蓄冷器(40)の温度が蓄冷材(44)の凝固点もしくは凝固点を若干上回る凝固点付近の温度より高くなると、第2算出手段(S110)により蓄冷器(40)の温度の変化に基づいて放冷冷房残り時間を算出するとともに、蓄冷器(40)の温度が冷房上限目標温度まで上昇すると放冷冷房残り時間を零とするから、蓄冷器(40)の温度が冷房上限目標温度まで上昇する時点と放冷冷房残り時間を零にする時点とを確実に一致させることができる。
【0026】
請求項2に記載の発明のように、請求項1において、第1算出手段(S80、S90、S100)は、具体的には、車両エンジン(4)の稼働時に、蓄冷器(40)の温度が蓄冷材(44)の凝固点以下になって蓄冷材(44)に凝固潜熱の蓄冷が行われる蓄冷時間および冷風の風量の増加に応じて蓄冷熱量が増加するように蓄冷熱量を算出し、
また、第1算出手段(S80、S90、S100)は、車両エンジン(4)の停止時に、このエンジン停止後の経過時間、蓄冷器(40)の吸い込み空気温度および蓄冷器(40)の通過風量の増加に応じて放冷熱量が増加するように放冷熱量を算出するようになっている。
【0028】
請求項3に記載の発明では、請求項1または2において、蓄冷器(40)の温度が蓄冷材(44)の凝固点付近の温度より高くなると、第1算出手段(S100)による残り時間を第2算出手段(S110)による残り時間に滑らかにつなげる補正手段(S180)を残り時間選択手段に備えることを特徴とする。
【0029】
これにより、第1算出手段(S100)による残り時間から第2算出手段(S110)による残り時間への切替時に、両算出手段の残り時間を滑らかにつなげることができるので、放冷冷房モードの残り時間を表示する場合に、その表示の急変を抑えて、乗員に対する違和感を抑えることができる。
【0030】
請求項4に記載の発明のように、請求項1ないし3のいずれか1つにおいて、残り時間選択手段(S120、S130、S160、S170、S180)により選択された残り時間を表示する表示手段(360)を備えることにより、各請求項による放冷冷房残り時間を乗員に表示して、放冷冷房モードの終了、すなわち、車両エンジン(4)の再起動を事前に乗員に報知できる。
【0031】
しかも、第1、第2の両算出手段(S100、S110)により算出した残り時間を蓄冷材の固相から液相への相変化に連動して切り替えて表示することができるから、放冷冷房残り時間=0の時点と、車両エンジン(4)の稼働要求の時点とを正確に一致させることができる。従って、蓄冷材の相変化があっても、乗員に対して違和感を与えることなく、放冷冷房残り時間を適正に表示できる。
【0034】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下本発明の一実施形態を図に基づいて詳述する。図1は本実施形態の全体構成図であり、車両用空調装置の冷凍サイクルRは冷媒を吸入、圧縮、吐出する圧縮機1を有し、この圧縮機1には動力断続用の電磁クラッチ2が備えられている。圧縮機1には電磁クラッチ2およびベルト3を介して車両エンジン4の動力が伝達されるので、電磁クラッチ2への通電を空調用制御装置5により断続することにより圧縮機1の運転が断続される。
【0036】
圧縮機1から吐出された高温、高圧の過熱ガス冷媒は凝縮器6に流入し、図示しない冷却ファンより送風される外気と熱交換して冷却され凝縮する。この凝縮器6で凝縮した冷媒は次に受液器7に流入し、受液器7の内部で冷媒の気液が分離され、冷凍サイクルR内の余剰冷媒(液冷媒)が受液器7内に蓄えられる。
【0037】
この受液器7からの液冷媒は減圧手段をなす膨張弁8により低圧に減圧され、低圧の気液2相状態となる。膨張弁8は冷房用熱交換器をなす蒸発器9の出口冷媒の温度を感知する感温部8aを有する温度式膨張弁である。この膨張弁8からの低圧冷媒は蒸発器9に流入する。この蒸発器9は車両用空調装置の空調ケース10内に設置され、蒸発器9に流入した低圧冷媒は空調ケース10内の空気から吸熱して蒸発する。蒸発器9の出口は圧縮機1の吸入側に結合され、上記したサイクル構成部品によって閉回路を構成している。
【0038】
空調ケース10において、蒸発器9の上流側には送風機11が配置され、送風機11には遠心式送風ファン12と駆動用モータ13が備えられている。送風ファン12の吸入側には内外気切替箱14が配置され、この内外気切替箱14内の内外気切替ドア14aにより外気導入口14bと内気導入口14cを開閉する。これにより、内外気切替箱14内に外気(車室外空気)または内気(車室内空気)が切替導入される。内外気切替ドア14aはサーボモータからなる電気駆動装置14eにより駆動される。。
【0039】
空調装置通風系のうち、送風機11下流側に配置される空調ユニット15部は、通常、車室内前部の計器盤内側において車両幅方向の中央位置に配置され、送風機11部は空調ユニット15部に対して助手席側にオフセット配置される。空調ケース10内で、蒸発器9の下流側には後述の蓄冷器40、エアミックスドア19が順次配置されている。このエアミックスドア19の下流側には車両エンジン4の温水(冷却水)を熱源として空気を加熱する温水式ヒータコア20が暖房用熱交換器として設置されている。
【0040】
そして、この温水式ヒータコア20の側方(上方部)には、温水式ヒータコア20をバイパスして空気(冷風)を流すバイパス通路21が形成されている。エアミックスドア19は回動可能な板状ドアであり、サーボモータからなる電気駆動装置22により駆動される。
【0041】
エアミックスドア19は、温水式ヒータコア20を通過する温風とバイパス通路21を通過する冷風との風量割合を調節するものであって、この冷温風の風量割合の調節により車室内への吹出空気温度を調節する。従って、本例においてはエアミックスドア19により車室内への吹出空気の温度調節手段が構成される。温水式ヒータコア20の下流側には下側から上方へ延びる温風通路23が形成され、この温風通路23からの温風とバイパス通路21からの冷風が空気混合部24で混合して、所望温度の空気を作り出すことができる。
【0042】
さらに、空調ケース10内で、空気混合部24の下流側に吹出モード切替部が構成されている。すなわち、空調ケース10の上面部にはデフロスタ開口部25が形成され、このデフロスタ開口部25は図示しないデフロスタダクトを介して車両フロントガラス内面に空気を吹き出すものである。デフロスタ開口部25は、回動自在な板状のデフロスタドア26により開閉される。
【0043】
また、空調ケース10の上面部で、デフロスタ開口部25より車両後方側の部位にフェイス開口部27が形成され、このフェイス開口部27は図示しないフェイスダクトを介して車室内乗員の上半身に向けて空気を吹き出すものである。フェイス開口部27は回動自在な板状のフェイスドア28により開閉される。
【0044】
また、空調ケース10において、フェイス開口部27の下側部位にフット開口部29が形成され、このフット開口部29は車室内乗員の足元に向けて空気を吹き出すものである。フット開口部29は回動自在な板状のフットドア30により開閉される。上記した吹出モードドア26、28、30は共通のリンク機構(図示せず)に連結され、このリンク機構を介してサーボモータからなる電気駆動装置31により駆動される。
【0045】
蒸発器9の温度センサ32は空調ケース10内で蒸発器9の空気吹出直後の部位に配置され、蒸発器吹出温度Teを検出する。また、蓄冷器40の温度センサ33は、蓄冷器40の空気吹出直後の部位に配置され、蓄冷器吹出温度Tcを検出する。
【0046】
ここで、蒸発器温度センサ32により検出される蒸発器吹出温度Teは、通常の空調装置と同様に、圧縮機1の電磁クラッチ2の断続制御や、圧縮機1が可変容量型である場合はその吐出容量制御に使用され、これらのクラッチ断続制御や吐出容量制御により蒸発器9の冷却能力を調整する。また、蓄冷器温度センサ33により検出される蓄冷器吹出温度Tcはエアミックスドア19の開度制御のために使用され、蓄冷器吹出温度Tcの値によりエアミックスドア19の開度を補正するようになっている。
【0047】
また、本実施形態では、蒸発器吹出温度Teと蓄冷器吹出温度Tcの値を、蓄冷器40の蓄冷材への蓄冷熱量の算出、蓄冷材からの放冷熱量の算出、エコラン停車時における放冷冷房残り時間txの算出等の目的のためにも使用する。
【0048】
空調用制御装置5には、上記の両温度センサ32、33の他に、空調制御のために、内気温Tr、外気温Tam、日射量Ts、温水温度Tw等を検出する周知のセンサ群35から検出信号が入力される。また、車室内計器盤近傍に設置される空調制御パネル36には乗員により手動操作される操作スイッチ群37が備えられ、この操作スイッチ群37の操作信号も空調用制御装置5に入力される。
【0049】
この操作スイッチ群37としては、温度設定信号Tsetを発生する温度設定スイッチ37a、風量切替信号を発生する風量スイッチ37b、吹出モード信号を発生する吹出モードスイッチ37c、内外気切替信号を発生する内外気切替スイッチ37d、圧縮機1のオンオフ信号を発生するエアコンスイッチ37e等が設けられている。吹出モードスイッチ37cにより、周知の吹出モードであるフェイスモード、フットモード、バイレベルモード、フットデフモード、デフロスタモードの各モードがマニュアル操作で切り替えられる。
【0050】
また、空調制御パネル36には、エコラン停車時に蓄冷器40の蓄冷材の蓄冷熱量の放冷により車室内吹出空気を冷却することが可能となる放冷冷房残り時間txを表示する表示器360が備えられている。この表示器360は放冷冷房残り時間txを秒数のような数字で表示せず、発光ダイオード、液晶のような発光手段を多数個を設けて、発光手段の発光領域の減少により放冷冷房残り時間txの減少を表示するように構成している。
【0051】
図2は表示器360の具体的一例を図示するものであり、図2の例では発光ダイオード、液晶のような発光手段により発光する表示面361を10個設け、この10個の表示面361が全部発光していると、放冷冷房残り時間txが最大時間であることを表示し、そして、エコラン停車後、蓄冷器40の放冷が進行し、放冷冷房残り時間txが減少するに伴って、表示面361の発光を図2の左側から順次停止させて、表示面361の発光個数を減らすことにより放冷冷房残り時間txの減少を表示する。
【0052】
図2において、左側の白抜きの5個の表示面361は発光停止状態にあることを示し、右側の斜線部の5個の表示面361は発光状態にあることを示し、これにより、放冷冷房残り時間txが最大時間の半分に減少したことを表示する。そして、放冷冷房残り時間txが0になると、10個の表示面361が全部発光停止状態となり、これにより、乗員は放冷冷房残り時間tx=0になったことを知ることができる。
【0053】
一方、空調用制御装置5はエンジン用制御装置38に接続されており、エンジン用制御装置38から空調用制御装置5には車両エンジン4の回転数信号、車速信号等が入力される。
【0054】
エンジン用制御装置38は周知のごとく車両エンジン4の運転状況等を検出するセンサ群(図示せず)からの信号に基づいて車両エンジン4への燃料噴射量、点火時期等を総合的に制御するものである。さらに、本実施形態の対象とするエコラン車においては、車両エンジン4の回転数信号、車速信号、ブレーキ信号等に基づいて停車状態を判定すると、エンジン用制御装置38は、点火装置の電源遮断、燃料噴射の停止等により車両エンジン4を自動的に停止させ、エコラン停車状態となる。
【0055】
また、エコラン停車後(エンジン停止後)、運転者がアクセルペダルを踏み込み、車両の発進操作を行うと、エンジン用制御装置38は車両の発進状態をアクセルペダル信号等に基づいて判定して、車両エンジン4を自動的に始動させる。なお、空調用制御装置5は、エコラン停車後、蓄冷器40の吹出空気温度tcが冷房上限目標温度TAに上昇すると、エンジン再稼働要求の信号をエンジン用制御装置38に出力する。
【0056】
空調用制御装置5およびエンジン用制御装置38はCPU、ROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータと、その周辺回路にて構成されるものである。空調用制御装置5は、エンジン稼働時における通常の空調制御機能、すなわち、圧縮機断続制御、風量制御、エアミックスドア制御、内外気吸込制御、吹出モード制御等の他に、車両エンジン4の停止許可、停止禁止の信号やエコラン停車後のエンジン再稼働要求の信号を出力するエンジン制御機能、エンジン稼働時における蓄冷熱量算出機能、エコラン停車時における放冷冷房モード制御機能等を果たすものである。なお、空調用制御装置5およびエンジン用制御装置38を1つの制御装置として統合してもよい。
【0057】
次に、蓄冷器40の具体的な構成について説明すると、蓄冷器40は図1の例では蒸発器9と同一の前面面積を有する形状として、蒸発器9通過後の冷風の全量、換言すると、空調ケース10内風量の全量が通過する熱交換器構成となっている。これにより、蓄冷器40は空調ケース10内の空気流れ方向Aに対して厚さ寸法の小さい薄型構造とすることができる。
【0058】
図3は蓄冷器40の具体的な熱交換器構成を例示するもので、2枚の伝熱プレート41、42にそれぞれ空気(冷風)流れ方向Aに沿って交互に凸面部41a、42aを形成し、この凸面部41a、42aを互いに相手側の伝熱プレート41、42の平面部に当接してろう付け等により接合する。これにより、凸面部41a、42aの内側に密閉空間43を有するチューブ45を形成し、密閉空間43内に蓄冷材44を封入するようになっている。
【0059】
なお、図3において、紙面垂直方向は空調ケース10内への蓄冷器40の配置状態における上下方向であり、従って、伝熱プレート41、42の凸面部41a、42aおよびその内側の密閉空間43も空調ケース10内の上下方向に延びる形状である。そのため、伝熱プレート41、42の表面に発生する凝縮水は凸面部41a、42aに沿って重力にて下方へ落下することができる。
【0060】
また、図3には、チューブ45を2組しか図示していないが、実際には、蓄冷器40が蒸発器9と同一の前面面積を持っているので、チューブ45が図3の矢印B方向(空気流れ方向Aと直交方向)に多数組積層される。
【0061】
この多数組のチューブ45の上下両端部にチューブ相互間の当接部を設けて、チューブ45相互間に所定間隔の空気通路46を保持するようになっている。そして、各チューブ45の伝熱プレート41、42相互間、およびチューブ45相互間の当接部等をろう付け等により一体に接合することにより、蓄冷器40全体を1つの熱交換器構造として一体化することができる。
【0062】
伝熱プレート41、42は伝熱性、軽量化等を考慮してアルミニュウムの薄板材で成形することが好ましい。なお、アルミニュウムのろう付け温度は600℃付近の高温であるので、蓄冷器40のろう付け工程終了後に、密閉空間43内に蓄冷材44を封入する。この蓄冷材封入のために、密閉空間43の一部に、1箇所または複数箇所の充填口を設け、この充填口から密閉空間43内に蓄冷材44を充填し、この充填作業の終了後に充填口を適宜のシール材(例えば、Oリング等)を介在して蓋部材により密封する。
【0063】
なお、蓄冷材44の具体的材質としては、蒸発器9のフロスト防止のため、凝固点(融点)=6〜8℃程度で、且つ、蓄冷器構成材質(アルミニュウム)に対する腐食防止作用の高い材料が好ましく、このような条件はパラフィンにより満足することができる。蓄冷材44として用いるパラフィンの封入量は例えば300cc程度である。なお、本例では、凝固点(融点)=8℃のパラフィンを蓄冷材44として用いている。
【0064】
次に、上記構成において本実施形態の作動を説明する。車両用空調装置においては、車両エンジン4により圧縮機1を駆動することにより冷凍サイクルRが運転され、蒸発器9の温度は圧縮機1作動の断続制御により3°C〜5°C付近の温度に維持され、蒸発器9のフロストを防止する。
【0065】
ここで、蒸発器9においては、膨張弁8にて減圧された低温低圧の気液2相冷媒が送風機11の送風空気から吸熱して蒸発することにより送風空気が冷却され、冷風となる。そして、この冷風が次には蓄冷器40の多数組のチューブ45相互間に形成される所定間隔の空気通路46を通過する。
【0066】
ここで、空気通路46の蛇行状の形態により冷風流れを乱して空気側の熱伝達率を飛躍的に向上できるので、空気通路46を冷風が通過する間に伝熱プレート41、42を介してパラフィンからなる蓄冷材44を効果的に冷却できる。その結果、蓄冷材44が冷却されて、常温時の液相状態から固相状態に凝固し、凝固潜熱の形態で蓄冷を行うことができる。
【0067】
このため、信号待ち等の停車時に車両エンジン4を自動的に停止するエコラン車において、この停車時(エコラン停車時)に冷凍サイクルRの圧縮機1が停止状態になっても、車室内への吹出空気温度を蓄冷材44の蓄冷熱量による放冷作用によって、比較的低温状態に維持することができる。従って、夏期冷房時に、圧縮機1の停止に伴う車室内への吹出温度の急上昇を抑制して、冷房フィーリングの悪化を防止できる。
【0068】
次に、本実施形態における空調制御を図4により具体的に説明する。図4の制御ルーチンは空調用制御装置5により実行されるものであり、空調装置の始動によりスタートし、先ず、ステップS10にて空調制御パネル36の操作スイッチ群37の操作信号、センサ群35の検出信号、エンジン用制御装置38からエンジン運転状態の信号、車両走行状態の信号等を読み込む。
【0069】
次のステップS20にて、空調の作動モードが放冷冷房モードであるか判定する。具体的には、空調制御パネル36のエアコンスイッチ37eが投入(ON)状態にある状態にて、信号待ち等により停車して車両エンジン4を自動停止した状態、すなわち、エコラン停車の状態にあるか判定する。このエコラン停車中は圧縮機1が停止されるので、エアコンスイッチ37eが投入されていても蓄冷器40による放冷冷房モードとなる。これに反し、エアコンスイッチ37eが投入状態にあり、かつ、車両エンジン4(圧縮機1)が作動している状態は通常空調モードである。
【0070】
通常空調モードであるときはステップS20の判定がNOとなり、ステップS30に進み、空調機器の通常時制御を行う。すなわち、圧縮機断続制御(または圧縮機容量制御)、風量制御、エアミックスドア制御、内外気吸込制御、吹出モード制御等を公知の制御手法によって行う。
【0071】
次のステップS40にて、温度センサ32により検出される蒸発器吹出温度Te、および温度センサ33により検出される蓄冷器吹出温度Tcがともに蓄冷材44の凝固点To(本例では8℃)以下であるか判定する。蓄蒸発器吹出温度Teおよび蓄冷器吹出温度Tcがともに蓄冷材44の凝固点To以下になると、蓄冷材44の凝固が開始されるので、蓄冷器吹出温度Tcは凝固点Toを若干下回る温度付近に維持される。
【0072】
従って、このステップS40において、蓄冷材44の凝固が開始され、蓄冷材44への凝固潜熱の蓄冷が開始された時点、すなわち、前述の図7のb域に入った時点を判定することができる。
【0073】
ステップS40の判定がYESであると、次のステップS50にて蓄冷材44への蓄冷熱量Q1を算出する。ここで、蓄冷材44への蓄冷熱量Q1は、上記TeおよびTcがともに蓄冷材44の凝固点To以下になった後の時間、すなわち、蓄冷時間において、蓄冷器40前後の温度差(Tc−Te)により蓄冷される熱量であり、更に、この蓄冷熱量は蓄冷器40を通過する冷風の風量(車室内吹出空気の風量)の影響を受ける。
【0074】
従って、蓄冷材44への蓄冷熱量Q1は、上記蓄冷時間と、蓄冷器40前後の温度差(Tc−Te)と、冷風の風量とに基づいて算出できる。そこで、ステップS50においては、先ず、下記の数式1により所定時間toの間隔で、その所定時間toにおける蓄冷熱量Q1nを算出する。
【0075】
【数1】
蓄冷熱量Q1n=(Tc−Te)×風量×所定時間to×C1
なお、C1は蓄冷器40の熱伝達率および蓄冷材44の凝固潜熱等を考慮した補正係数である。
【0076】
次に、上記の所定時間toの間隔で算出した蓄冷熱量Q1nの各算出値を積算して、その積算値を「放冷冷房モードへの移行直前の蓄冷熱量Q1」として算出する。
【0077】
なお、Tc=Teとなった時点で蓄冷材44の蓄冷が完了するから、Q1nの積算はTc=Teとなった時点で終了する。また、蓄冷完了時における蓄冷熱量Qαは、蓄冷材44の凝固潜熱(単位重量当たりの熱量)および蓄冷材44の重量に基づいて予め算出しておくことができるから、蓄冷熱量Q1の算出値がこの予め算出した「蓄冷完了時における蓄冷熱量Qα」に到達した時点で、上記Q1nの積算を終了してもよい。
【0078】
ステップS40の判定がNOであるときは蓄冷材44の凝固による潜熱蓄冷が行われる条件にないので、ステップS10を経てステップS20に戻る。
【0079】
一方、ステップS20にて放冷冷房モードであると判定されると、ステップS60に進み、エコラン停車により車両エンジン4が稼働状態から停止状態に切り替わった直後であるか判定する。車両エンジン4が稼働状態から停止状態に切り替わった直後であるときは、ステップS70にて上記車両エンジン稼働時における蓄冷熱量Q1の算出値を読み込み、セットする。次に、ステップS80にて放冷冷房モードの実行に伴う蓄冷材44の放冷熱量Q2を算出する。
【0080】
この放冷熱量Q2は蓄冷熱量Q1と同様の考え方で算出できる。先ず、下記の数式2により所定時間toの間隔で、その所定時間toにおける放冷熱量Q2nを算出する。
【0081】
【数2】
放冷熱量Q2n=(Te−Tc)×風量×所定時間to×C2
次に、上記の所定時間toの間隔で算出した放冷熱量Q2nの各算出値を積算して放冷熱量Q2を算出する。
【0082】
なお、放冷冷房モード時には蒸発器9の冷却作用が停止するので、放冷冷房モード開始後、短時間の経過により蒸発器吹出温度Teは送風機11の吸い込み空気温度まで上昇する。すなわち、Teは蓄冷器吸い込み空気温度を示す。C2は数式1のC1と同様の補正係数である。
【0083】
次に、ステップS90にて、放冷冷房モード時の残り蓄冷熱量Q3、すなわち、蓄冷熱量Q1と放冷熱量Q2との差(Q3=Q1−Q2)を算出する。
【0084】
次のステップS100にて、放冷冷房第1残り時間tx1を算出する。このために、まず、現在の単位時間当たりの放冷熱量Q2n’を算出する。具体的には、数式2で算出した放冷熱量Q2nを1秒当たりの数値に換算してQ2n’とする。そして、放冷冷房第1残り時間tx1は、残り蓄冷熱量Q3を1秒当たりの放冷熱量Q2n’で除算することにより秒単位の時間として算出できる。すなわち、tx1=Q3/Q2n’である。
【0085】
次のステップS110にて、放冷冷房第2残り時間tx2を算出する。この放冷冷房第2残り時間tx2は、上記放冷冷房第1残り時間tx1とは別の考え方、すなわち、蓄冷器吹出温度Tcの温度変化に基づいて算出されるものである。具体的には、現時点の蓄冷器吹出空気温度TcをTnowとし、冷房上限目標温度を18℃とし、現時点の蓄冷器吹出空気温度の単位時間(1秒)当たりの変化量(℃/秒)をΔTcとすると、放冷冷房第2残り時間tx2は
tx2=(18℃−Tnow)/Δtcの式にて算出できる。
【0086】
次のステップS120にて蓄冷器吹出空気温度Tcが10℃より高いか判定する。ここで、判定しきい値の10℃は蓄冷材凝固点T0=8℃を若干上回る温度であるから、Tcが10℃以下であり、ステップS120の判定がNOになるときは、放冷冷房モードの開始後、蓄冷器40の放冷状態が図7のd域又はe域にある時である。
【0087】
これに対し、Tcが10℃より高くなって、ステップS120の判定がYESになるときは、放冷冷房モードの開始後、蓄冷器40の放冷状態が図7のf域に到達した時である。なお、ステップS120において蓄冷材凝固点T0=8℃を若干上回る10℃を判定しきい値にしているのは、蓄冷器吹出空気温度Tcを検出する温度センサ33の検出誤差(バラツキ)を考慮して、蓄冷器40の放冷状態が図7のf域になったことを確実に判定できるようにするためである。
【0088】
そして、放冷冷房モードの開始後、蓄冷器40の放冷状態が図7のd域又はe域にある時は、前述したように、蓄冷器吹出温度Tcの温度変化率が一定とならないため、放冷冷房第2残り時間tx2による残り時間の表示は適切でない。
【0089】
そこで、この場合は、ステップS120からステップS130に進み、放冷冷房残り時間として第1残り時間tx1を選択し、次のステップS140にてこの第1残り時間tx1に相当する制御出力を空調制御パネル36の表示器360に出力する。この表示器360においては、第1残り時間tx1に相当する個数の表示面361を発光状態として、放冷冷房残り時間を乗員に表示する。
【0090】
次のステップS150では蓄冷器吹出空気温度Tcが冷房上限目標温度の18℃より高いか判定する。Tcが10℃以下であるときは当然、ステップS150の判定がNOとなり、ステップS10に戻る。
【0091】
そして、放冷冷房モードの経過時間が長くなり、蓄冷器40の蓄冷材44の融解が完了すると、蓄冷器40の放冷状態が図7のf域に入って、蓄冷器吹出温度Tcが10℃より高くなる。すると、ステップS120の判定がYESとなり、ステップS160に進み、蓄冷器吹出空気温度Tcが10℃未満の温度から10℃を超える温度に上昇した直後か否かを判定する。
【0092】
Tcが10℃を超える温度に上昇した直後であると、ステップS170に進み、このTcが10℃を超えた直後の時点にステップS100(第1算出手段)により算出された第1残り時間tx1をT1として記憶し、また、このTcが10℃を超えた直後の時点にステップS110(第2算出手段)により算出された第2残り時間tx2をT2として記憶する。
そして、次のステップS180にて、残り時間tx=(T1/T2)*tx2の式にて算出する。このステップS180の算出式におけるtx2は、Tcが10℃を超えて、ステップS120の判定がYESとなった以降にステップS110で算出される第2残り時間tx2である。
このように算出した残り時間txに相当する制御出力をステップS140にて空調制御パネル36の表示器360に出力する。これにより、表示器360においては、上記残り時間txに相当する個数の表示面361を発光状態として、放冷冷房残り時間txを乗員に表示する。
【0093】
ところで、前述のtx2=(18℃−Tnow)/Δtcの式から分かるように、第2残り時間tx2は、蓄冷器吹出空気温度Tcが冷房上限目標温度の18℃に上昇すると必ず0秒になる。従って、ステップS140にて表示器360による残り時間txの表示が0になると、必ずステップS150の判定もYESとなり、ステップS190にて車両エンジン4の稼働要求の制御信号を出力する。
【0094】
これにより、エンジン用制御装置38において車両エンジン4を再起動し、圧縮機1が駆動されるので、エコラン停車が終了し、放冷冷房モードが終了する。そのため、残り時間tx=0の表示と、車両エンジン4の稼働要求(再起動)とを正確に一致させることができる。
【0095】
次に、上記ステップS170、S180の技術的意義を説明すると、蓄冷器吹出空気温度Tcが10℃を超える温度に上昇した直後に、もし、残り時間txの表示を第1残り時間tx1から第2残り時間tx2に単純に切り替えると、この切替時点において、第1残り時間tx1と第2残り時間tx2との差によって残り時間の表示が急変し、乗員に違和感を与える場合が生じる。
【0096】
そこで、本実施形態においては、上記のように、第1、第2残り時間tx1、tx2の比(T1/T2)を第2残り時間tx2に乗算して、表示される最終残り時間txを算出することにより、第1残り時間tx1の表示と第2残り時間tx2の表示との切替を滑らかに行うことができるようにしている。
【0097】
このことを図5、6に基づいてより具体的に説明すると、図5、6の横軸は、放冷冷房モード(エコラン停車)開始後の経過時間であり、縦軸は放冷冷房残り時間である。横軸の符号d,e、fは図7のd,e、fに対応する。
【0098】
図5、図6において、1点鎖線はステップS100にて算出される第1残り時間tx1の変化を示し、破線はステップS110にて算出される第2残り時間tx2の変化を示し、実線は表示器360にて表示される最終的な放冷冷房残り時間txである。
【0099】
なお、図5において時刻t10は、蓄冷器吹出空気温度Tcが冷房上限目標温度の18℃に上昇し、これと同時に第2残り時間tx2が0秒となった時点であり、時刻t11は第1残り時間tx1が0秒となる時点である。すなわち、図5は、第1残り時間tx1が0秒となる前に既に蓄冷器吹出空気温度Tcが18℃に上昇している場合を示す。
【0100】
蓄冷器40の放冷状態がd域およびe域である間は、ステップS130にて放冷冷房残り時間txとして第1残り時間tx1を選択し、表示するので、このd域およびe域では、実線のtx=1点鎖線のtx1となる。そして、e域からf域に切り替わる時点において、図5の例ではtx1=15秒、tx2=9秒という差があるので、表示器360にて表示される残り時間txを15秒から一挙に9秒に切り替えると、乗員に違和感を与える。
【0101】
しかし、本実施形態では、f域においてステップS170、S180における演算(補正)処理を実行することによって、図5の場合には第1残り時間tx1が時刻t10にて0となるように時計を早めて残り時間txを算出する。これにより、f域における残り時間txの値を実線に示すようにe域からf域にかけて滑らかにつなぐことができる。
【0102】
一方、図6において時刻t12は第1残り時間tx1が0秒となる時点であるである。そして、その後、時刻t13になると、蓄冷器吹出空気温度Tcが冷房上限目標温度の18℃に上昇し、これと同時に第2残り時間tx2が0秒となる。従って、図6では、第1残り時間tx1が0秒となる時点t12では蓄冷器吹出空気温度Tcがまだ18℃未満である場合を示している。
【0103】
図6の場合には蓄冷器40の放冷状態がe域からf域に切り替わる時点において、tx2>tx1の関係にあるので、f域においてステップS170、S180における演算処理を実行することによって第1残り時間tx1が時刻t13にて0となるように時計を遅らせて残り時間txを算出する。これにより、図6の場合にもf域における実線に示すように、残り時間txの値をe域からf域にかけて滑らかにつなぐことができる。
【0104】
そして、図5、6の何れの場合も、蓄冷器吹出空気温度Tcが冷房上限目標温度の18℃に上昇すると同時に残り時間tx=0秒にすることができる。
【0105】
(他の実施形態)
なお、本発明は上記の一実施形態で限定されることなく以下のように種々変形可能である。
【0106】
(1)上記の一実施形態では、蒸発器9および蓄冷器40の温度検出手段として、蒸発器9および蓄冷器40の吹出空気温度を検出する温度センサ32、33を備えているが、蒸発器9および蓄冷器40の表面温度等を検出する温度センサを蒸発器9および蓄冷器40の温度検出手段として用いてもよい。
【0107】
(2)上記の一実施形態では、ステップS40において、蒸発器吹出温度Teおよび蓄冷器吹出温度Tcがともに蓄冷材44の凝固点To(本例では8℃)以下になると、蓄冷材44への潜熱蓄冷が開始された時点であると判定しているが、蓄冷器吹出温度Tcが蓄冷材44の凝固点To以下になっているときは、蒸発器吹出温度Teも蓄冷材44の凝固点To以下になっているから、ステップS40の判定を蓄冷器吹出温度Tcのみに基づいて行ってもよい。
【0108】
(3)また、蒸発器吹出温度Teが蓄冷材44の凝固点Toより所定温度低い温度になると、蓄冷器吹出温度Tcが蓄冷材44の凝固点To以下になるから、この相関関係に基づいて、蒸発器吹出温度Teのみに基づいてステップS40の判定を行うようにしてもよい。
【0109】
(4)また、ステップS50において、蓄冷器吹出温度Tcが少なくとも蓄冷材凝固点To以下になった後の時間である蓄冷時間と、蓄冷器40前後の温度差(Tc−Te)と、冷風の風量とに基づいて、蓄冷材44への蓄冷熱量Q1を算出すしているが、蓄冷器吹出温度Tcは潜熱蓄冷の開始後(図7のe域)では蓄冷材凝固点To付近の略一定温度に維持されるから、蓄冷時間と蒸発器吹出温度(蓄冷器吸い込み空気温度)Teと冷風の風量とに基づいて蓄冷熱量Q1を算出するようにしても良い。
【0110】
(5)また、ステップS80において、放冷熱量Q2も同様に、放冷時間と蓄冷器吸い込み空気温度Teと冷風の風量とに基づいて算出するようにしても良い。
【0111】
(6)ところで、蓄冷器40上流側の蒸発器吹出温度Teは、冷房開始直後の過渡時を除いて、蒸発器9のフロスト防止制御のために、通常、3℃〜4℃付近の一定温度となるように、圧縮機1の吐出能力(圧縮機1の作動断続の稼働率制御、圧縮機1の吐出容量制御)が制御される。そのため、TcとTeがともに蓄冷材凝固点To以下になった後では、蒸発器吹出温度Teがほぼ一定に維持される期間の比率が高くなる。換言すると、蓄冷器40の吸い込み空気温度がほぼ一定に維持される期間の比率が高くなる。
【0112】
また、蓄冷器吹出温度Tcも、潜熱蓄冷の開始後(図7のe域)では蓄冷材凝固点To付近の略一定温度に維持される期間の比率が高くなる。
【0113】
そこで、蓄冷器40前後の温度差(Tc−Te)は予め実験等により確認した所定値(係数)として設定することも可能である。このようにすれば、蓄冷材44への蓄冷熱量Q1を、上記蓄冷時間と風量に基づいて算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による車両用空調装置の全体システム図である。
【図2】図1の表示器の具体例を示す概略正面図である。
【図3】図1の蓄冷器の要部断面図である。
【図4】本発明の一実施形態による空調制御のフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態における放冷冷房残り時間算出の具体的一例を説明するグラフである。
【図6】本発明の一実施形態における放冷冷房残り時間算出の他の具体例を説明するグラフである。
【図7】蓄冷式車両用空調装置において、車両の走行、エコラン停車に伴う蓄冷器吹出空気温度の挙動を説明するグラフである。
【図8】図7と同様の蓄冷器吹出空気温度の挙動を説明するグラフである。
【符号の説明】
1…圧縮機、4…車両エンジン、9…蒸発器、
32…蒸発器吹出空気温度センサ、33…蓄冷器吹出空気温度センサ、
40…蓄冷器、44…蓄冷材。
Claims (4)
- 停車時に車両エンジン(4)を停止する制御を行う車両に搭載される車両用空調装置であって、
前記車両エンジン(4)により駆動される圧縮機(1)と、
前記圧縮機(1)を有する冷凍サイクル(R)に設けられ、車室内へ送風される空気を冷却する蒸発器(9)と、
前記蒸発器(9)の空気流れ下流側に配置され、前記蒸発器(9)を通過した冷風により冷却されて凝固する蓄冷材(44)を有する蓄冷器(40)とを備え、
前記車両エンジン(4)の停止時には前記蓄冷器(40)の蓄冷熱量により車室内への吹出空気を冷却する放冷冷房モードを実行し、前記放冷冷房モード時に前記蓄冷器(40)の温度が所定の冷房上限目標温度まで上昇すると、前記車両エンジン(4)の稼働要求信号を出すようになっており、
更に、前記車両エンジン(4)の稼働時における前記蓄冷材(44)の畜冷熱量から前記車両エンジン(4)の停止時における前記蓄冷材(44)の放冷熱量を減算して前記放冷冷房モードの残り蓄冷熱量を算出し、この残り蓄冷熱量を単位時間当たりの放冷熱量で除算することにより、前記放冷冷房モードの残り時間を算出する第1算出手段(S80、S90、S100)と、
前記冷房上限目標温度と前記蓄冷器(40)の温度との温度差を、前記放冷冷房モードにおける前記蓄冷器(40)の温度の単位時間当たりの変化量で除算することにより、前記放冷冷房モードの残り時間を算出するとともに、前記蓄冷器(40)の温度が前記冷房上限目標温度まで上昇すると前記残り時間を零とする第2算出手段(S110)と、
前記放冷冷房モードのうち、前記蓄冷器(40)の温度が前記蓄冷材(44)の凝固点もしくは凝固点を若干上回る凝固点付近の温度より低い間は、前記第1算出手段(S80、S90、S100)による前記残り時間を選択し、前記蓄冷器(40)の温度が前記蓄冷材(44)の凝固点もしくは凝固点を若干上回る凝固点付近の温度より高くなると、前記第2算出手段(S110)による前記残り時間を選択する残り時間選択手段(S120、S130、S160、S170、S180)とを備えることを特徴とする車両用空調装置。 - 前記第1算出手段(S80、S90、S100)は、前記車両エンジン(4)の稼働時に、前記蓄冷器(40)の温度が前記蓄冷材(44)の凝固点以下になって前記蓄冷材(44)に凝固潜熱の蓄冷が行われる蓄冷時間および前記冷風の風量の増加に応じて前記蓄冷熱量が増加するように前記蓄冷熱量を算出し、
また、前記第1算出手段(S80、S90、S100)は、前記車両エンジン(4)の停止時に、このエンジン停止後の経過時間、前記蓄冷器(40)の吸い込み空気温度および前記蓄冷器(40)の通過風量の増加に応じて前記放冷熱量が増加するように前記放冷熱量を算出することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。 - 前記蓄冷器(40)の温度が前記蓄冷材(44)の凝固点もしくは凝固点を若干上回る凝固点付近の温度より高くなると、前記第1算出手段(S80、S90、S100)による前記残り時間を前記第2算出手段(S110)による前記残り時間に滑らかにつなげる補正手段(S180)を前記残り時間選択手段に備えることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装置。
- 前記残り時間選択手段(S120、S130、S160、S170、S180)により選択された残り時間を表示する表示手段(360)を備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
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