JP3899471B2 - ダブルルーメンカテーテル - Google Patents
ダブルルーメンカテーテル Download PDFInfo
- Publication number
- JP3899471B2 JP3899471B2 JP07933698A JP7933698A JP3899471B2 JP 3899471 B2 JP3899471 B2 JP 3899471B2 JP 07933698 A JP07933698 A JP 07933698A JP 7933698 A JP7933698 A JP 7933698A JP 3899471 B2 JP3899471 B2 JP 3899471B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- slit
- molded body
- blood
- lumen catheter
- outer cylinder
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
- 0 CC1(C2C*CCC2)C(*)CC(C*)CCCCCC1 Chemical compound CC1(C2C*CCC2)C(*)CC(C*)CCCCCC1 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Media Introduction/Drainage Providing Device (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、緊急血液浄化療法などに使用されるダブルルーメンカテーテルに係り、さらに詳しくは、治療中において特に脱血が円滑に行え、非治療中においてヘパリンロックが維持されるダブルルーメンカテーテルの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
緊急血液浄化治療は、通常数週間に渡り、数日おきに数時間ずつ繰り返し行われる。この治療に用いられるダブルルーメンカテーテルは、治療中継続して血管内に留置され、非治療時は血液凝固による内腔の閉塞を防止するために、ダブルルーメンカテーテルの内腔がヘパリン化生食で充填されている(ヘパリンロックともいう)。そして、再び治療を行う場合は内腔をヘパリン化生食でフラッシュし、詰まりのないことを確認してから使用される。
【0003】
緊急血液浄化治療において、治療効果を上げるためには安定的で十分な血流量を確保することが大切である。しかしながら、血流はしばしば阻害されダブルルーメンカテーテルを新しいものに交換せざるを得なくなる。このトラブルは主として治療中における脱血側で発生し、凝血による脱血側内腔の閉塞、あるいは血管壁や凝血塊の脱血口への貼り付きによる血流減少などがある。
【0004】
図15は二重D型の断面構造を有するダブルルーメンカテーテル(従来例1)の要部の拡大断面図である。このダブルルーメンカテーテル21は、脱血腔22aと送血腔22bの2つのルーメンからなり、脱血腔22aのルーメンは、先端部近傍に設けられたインサート23によって先端部側が閉塞され、インサート23の基部側のルーメン側壁に複数の脱血口24aが設けられている。また、送血腔22bのルーメンは、先端部が開口されて貫通し、先端部近傍のルーメン側壁に複数の送血口24bが設けられていて、送血口24bと先端開口部21aの両者によって送血が行われる。
【0005】
このように構成されたダブルルーメンカテーテル21を用いて緊急血液浄化治療を行う場合は、例えばセルジンガー法を用いてダブルルーメンカテーテル21を血管内に留置する。つまり、予め血管に留置されたガイドワイヤーの手元端をダブルルーメンカテーテル21の送血腔22bのルーメンの先端開口部21aから挿入して挿通し、ダブルルーメンカテーテル21をガイドワイヤーに沿って推し進めて血管に挿入する。ついで、大腿静脈や鎖骨下静脈等の血流の豊富な大径の静脈に、血流と同じ方向にダブルルーメンカテーテル21の先端を向けて留置する。そして、静脈を流れる血液を脱血腔22aの脱血口24aから体外に引き出し(脱血し)、浄化された血液を送血腔22bの送血口24bおよび先端開口部21aから血管内に送り込む(送血する)。治療終了後は、脱血腔22aと送血腔22bのルーメンをヘパリンロックし、脱血腔22a等の閉塞を防止する。
【0006】
図16は二重D型の断面構造を有する他のダブルルーメンカテーテル(従来例2)の主要部の外観図および作用説明図であり、このダブルルーメンカテーテル25は、血管壁や凝血塊の脱血口等への貼り付きによる血流減少を防止するように構成されたものであり、図16(b)に示すように、脱血腔に連通し先端部に設けられた脱血口26aが血管壁K1に直角に当たるように形成され、脱血口26aの前面側に空間G3を確保して血管壁K1への貼り付きを防止している。なお、26bは送血口である。
【0007】
特開平8−131547号公報に開示されたバルーン付二重ルーメンカテーテル(従来例3)は、図17(a)に示すように、カテーテル27の側壁に設けられた脱血口28aと送血口28bとの間にバルーン29を配設し、図17(b)示すように、治療中はバルーン29を膨らませて脱血口28aを確実に血管壁K1から遠ざけて貼り付きを防止するように構成されている。
【0008】
図18は同軸二重円型の断面構造を有するダブルルーメンカテーテル(従来例4)およびオブチュレーターの外観図であり、このダブルルーメンカテーテル30は、着脱自在に組み合わされたアウターカテーテル30aとインナーカテーテル30bとからなり、両カテーテル30a,30bの間に形成された腔を脱血腔とし、インナーカテーテル30bの内腔を送血腔としたもので、アウターカテーテル30aの先端部側側壁に複数設けられた脱血口31aから脱血を行い、インナーカテーテル30bの先端開口部31bから送血を行う。そして、非治療時においてはインナーカテーテル30bを抜き去り、代わりにアウターカテーテル30aの内腔より僅かに小径のオブチュレーター32を挿入してアウターカテーテル30aの内腔を閉塞し、血液の侵入凝固を防止する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来のダブルルーメンカテーテルは、凝血による脱血側内腔等の閉塞、あるいは血管壁や凝血塊の脱血口への貼り付きによる血流減少などのトラブルを防ぐために、非治療時におけるヘパリンロック、バルーンの配設またはオブチュレーターの使用など、様々な工夫や改善の試みがなされているが、いずれも十分な成果を得るには至っていない。
【0010】
つまり、従来例1のダブルルーメンカテーテル21は、治療終了後において脱血腔22aおよび送血腔22bのルーメンをヘパリンロックし、凝血による脱血腔22a等の閉塞を防止している。しかしながら、このダブルルーメンカテーテル21のルーメン側壁には血管に連通する脱血口24a、送血口24bおよび先端開口部21aが設けられているため、非治療中において充填されたヘパリン化生食が脱血口24a、送血口24bおよび先端開口部21aから次第に流出して血液と交換され、ついには凝血により脱血腔22aおよび送血腔22bを閉塞してしまう。そこで、脱血腔22a等を頻繁にヘパリン化生食でフラッシュして閉塞の予防が計られているが、手間がかかるとともに万全ではない。また、治療中においては脱血する力、つまり脱血腔22aに血液が吸い込まれる力によって脱血口24aに血管壁や凝血塊が貼り付き血流が減少することが多く、ダブルルーメンカテーテル21を回したり前後させるなどして貼り付きを回避させるようにしているが、抜本的な改善は得られない。
【0011】
また、従来例2のダブルルーメンカテーテル25は、脱血口26aが血管壁K1に直角に当たるように先端部が段構造になっており、血管壁K1への貼り付き防止が期待されるが、顕著な改善は見られない。さらに、先端部が段構造であるこのダブルルーメンカテーテル25は、簡便なセルジンガー法による血管留置が不可能になるため、一回り太い分割性のイントロデューサー等を用いなければならず、血管挿入時における患者への余分な負担を与えてしまうとともに、挿入操作および治療を複雑化させてしまうという問題がある。
【0012】
従来例3のバルーン付二重ルーメンカテーテル27は、治療中においてバルーン29を膨らませて脱血口28aを血管壁K1から遠ざけ、脱血口28aの血管壁K1への貼り付きを防止しているが、非治療時においてはカテーテル27の内腔をヘパリンロックしているため、従来例1と同様に脱血口28aと送血口28bからヘパリン化生食が次第に流出して血液と交換され、内腔が閉塞されてしまう。また、このカテーテル27はバルーン29を設けることにより外径がかなり大きくなってしまうので、挿入がやりにくくなり、患者にも余分の侵襲を加えるという問題もある。
【0013】
従来例4のダブルルーメンカテーテル30は、非治療時においてオブチュレーター32によりヘパリンロックを行うことなくアウターカテーテル30aの内腔が開存保持されるとともに、アウターカテーテル30aの先端部側側壁全周に設けられた複数の脱血口31aにより、脱血口31aの血管壁への貼り付きによる血流減少は幾分改善されるものの、やはり十分とは言えない。また、このダブルルーメンカテーテル30は、使用時および使用終了時において、インナーカテーテル30bおよびオブチュレーター32を毎回入れ替える必要があるため、多大な手間と経済的負担が大きくなるという問題がある。
【0014】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、簡単な操作で治療時における脱血の円滑および非治療中におけるヘパリンロックの有効的な維持が得られるダブルルーメンカテーテルを提供することを目的としたものである。
【0016】
本発明に係るダブルルーメンカテーテルは、送血腔となる内腔を有し、先端部が開口されたあるいは先端部が開口され先端部側側壁に送血口を備えた内筒と、内筒が挿通され内筒との間に脱血腔となる腔を有する外筒と、外筒の腔に連通する分岐管を備え分岐管の端部に脱血管となる延長チューブが結合され先端部が外筒の基部に一体的に結合された第1の成形体と、一端に送血管となる延長チューブが結合され他端が第1の成形体の基部に回動可能にまたは回動かつ摺動可能に嵌合され内筒の基部に一体的に結合された第2の成形体とを備えてなり、外筒の先端部側側壁に、軸方向に斜行して形成され開放時に外筒の腔に連通して脱血口となる複数の斜行スリットを設け、第2の成形体により、第1の成形体に斜行スリットの斜行方向と逆方向の回動力を付与させて、または逆方向の回動力を付与かつ斜行スリット側に摺動させて斜行スリットを開放させるとともに、第1の成形体に斜行スリットの斜行方向と同方向の回動力を付与させて、または同方向の回動力を付与かつ前記斜行スリットと反対側に摺動させて前記斜行スリットを閉止させ、開放あるいは閉止した斜行スリットの開放状態及び閉止状態を保持する保持手段を設けたものである。
【0017】
本発明に係るダブルルーメンカテーテルは、保持手段を、第1の成形体の基部側側壁に設けられた突起部と、第2の成形体に設けられ突起部が係止される複数の係合穴からなる係合部とにより構成し、突起部を係合部の係合穴のいずれか1つに係止させたときに斜行スリットを開放して脱血口を形成するとともに、突起部を係合部の係合穴の他のいずれか1つに係止させたときに斜行スリットを閉止または増締めして閉止し脱血口を閉塞するようにしたものである。
【0019】
本発明に係るダブルルーメンカテーテルは、第2の成形体の係合部を少なくとも3つの係合穴により構成し、第1の成形体の突起部を係止させたときに外筒のスリット部分を増締めして閉止し脱血口を閉塞する第2の成形体の第3の係合穴を、第1の成形体の突起部を係止させたときに斜行スリットを閉止する第2の成形体の第2の係合穴より締め付け力の大きい側に設けるとともに、第1の成形体の突起部を係止させたときに斜行スリットを弛ませて膨らませ斜行スリットを開放して脱血口を形成する第2の成形体の第1の係合穴を、第1の成形体の突起部を係止させたときに斜行スリットを閉止する第2の成形体の第2の係合穴より緩みの大きい側に設けたものである。
【0020】
本発明に係るダブルルーメンカテーテルは、第2の成形体の係合部に第1の成形体の突起部を係止させたときに斜行スリットを開放して脱血口を形成する複数の係合穴を設け、各係合穴に突起部を係止したときに形成される脱血口の開口の大きさをそれぞれ異なる大きさに構成したものである。
【0022】
本発明に係るダブルルーメンカテーテルは、斜行スリットを、外筒の軸方向に両端が揃うように設けたものである。
【0023】
また、本発明に係るダブルルーメンカテーテルは、外筒および内筒の両者、またはいずれか一方の側壁の一部または全部に、超硬質プラスチックまたは金属材料からなる少なくとも1本の線材を螺旋状または軸方向に沿って埋設したものである。
【0024】
本発明に係るダブルルーメンカテーテルは、外筒および内筒の両者、またはいずれか一方の側壁の一部または全部を、半硬質エラストマーからなる柔軟層と、硬質プラスチックからなる変形防止層との少なくとも二層を備えた複層構造に形成したものである。
【0025】
本発明に係るダブルルーメンカテーテルは、外筒において、この外筒のスリット部分を軟質材料により構成したものである。
【0026】
また、本発明に係るダブルルーメンカテーテルは、外筒において、この外筒のスリット部分の外径を他の部分より大径、またはスリット部分の内径を他の部分より小径、若しくはスリット部分の側壁の厚みを他の部分より肉厚に形成したものである。
【0027】
さらに、本発明に係るダブルルーメンカテーテルは、第1の成形体の分岐部分の基部側近傍の腔壁に、脱血腔の基部側を閉塞しかつ内筒を摺動または回動自在に挿通するシール弁体が嵌合される溝部を設けたものである。
【0028】
また、本発明に係るダブルルーメンカテーテルは、内筒の送血腔に連通する内腔を有し、先端部が開口されたあるいは先端部が開口され基部側側壁に内腔に連通する送血口を備え、基部側に内筒および外筒の先端部が一体的に結合され脱血腔の先端部側を閉塞しかつカテーテルの先端部を構成するソフトチップを備えたものである。
【0029】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1の模式図、図2はその断面図である。図において、1は緊急血液浄化療法などに使用されるダブルルーメンカテーテルで、送血腔となる内腔2aを有する内筒2と、内筒2が挿通され内筒2との間に形成された腔3aが脱血腔となる外筒3と、ダブルルーメンカテーテル1の先端部を構成するソフトチップ4と、脱血腔3aに連通する内腔を有する分岐管5aを備え外筒3の基部に一体的に結合された第1の成形体5と、内筒2の基部に一体的に結合され第1の成形体5の基部に摺動あるいは摺動かつ回動可能に嵌合された第2の成形体6と、一端にルアーアダプター7aを有し他端が第1の成形体5の分岐管5aの基部に一体的に結合されて脱血腔3aに連通する延長チューブ(脱血管)7と、一端にルアーアダプター8aを有し他端が第2の成形体6の基部に一体的に結合されて送血腔2aに連通する延長チューブ(送血管)8とによって構成されている。
【0030】
内筒2は、例えばポリウレタン、ナイロン、ナイロンエラストマー、ポリカーボネートなどの硬質エラストマーまたは硬質プラスチックによって構成されている。
【0031】
外筒3は、例えばポリウレタン、ナイロンエラストマー、ポリ塩化ビニルなどの半硬質または硬質エラストマーによって構成されており、先端部近傍の側壁全周に、開放したときに脱血腔3aと連通して脱血口9aとなる複数のスリット9が設けられている。このスリット9はダブルルーメンカテーテル1の軸方向に、等間隔で平行かつ両端が揃うように形成されている。なお、等間隔でなくてもよい。
【0032】
ソフトチップ4は、軟質または半硬質エラストマーによって構成されており、図2に示すように、先端部は基部側が拡径された截頭円すい状に形成され、基部に内筒2および外筒3の先端部が一体的に結合されていて、脱血腔3aの先端側を閉塞している。また、ソフトチップ4のほぼ中心部には、送血腔2aの先端部に連接されソフトチップ4の先端部に設けた先端開口部4aまで形成された内腔4bが設けられており、内筒2および外筒3の先端部にソフトチップ4を結合させることによって送血腔2aは内腔4bに連通される。そして、ソフトチップ4の基部側側壁には内腔4bに連通する送血口4cが設けられており、先端開口部4aおよび送血口4cから血管への送血を行う。
【0033】
第1の成形体5は、例えば内筒2とほぼ同様に硬質エラストマーまたは硬質プラスチックにより構成されており、図2に示すように、内筒2との間に形成された腔5bを有し、先端部に外筒3の基部を一体的に結合させることによって腔5bは脱血腔3aに連通される。また、分岐部分の基部側近傍の腔壁5cに例えばOリングの如きシール弁体10が嵌装される溝部5dが設けられ、シール弁体10によって脱血腔3aの基部側が閉塞されており、内筒2を摺動しあるいは摺動かつ回動しても脱血腔3a内の血液が送血管である延長チューブ8側に流出せず、脱血管である延長チューブ7が結合されている分岐管5a側に流れるように構成されている。さらに、第1の成形体5の基部には凹部5eおよびその底部に内筒2が挿通される挿通孔5fが設けられており、第1の成形体5の基部側外周には、図1に示すように、後述する第2の成形体6の係合部に係止する突起部11が設けられている。
【0034】
第2の成形体6は、例えば内筒2とほぼ同様に硬質エラストマーまたは硬質プラスチックにより構成されており、図2に示すように、有底円筒状に形成されて円筒状の胴部6Aを備え、底部内側のほぼ中心部に送血管である延長チューブ8に連通する連通孔6bを有する突出部6aが設けられていて、突出部6aの先端側に内筒2の基部を一体的に結合させることによって連通孔6bは送血腔2aに連通される。また、第2の成形体6の胴部6A内には第1の成形体5の基部が摺動あるいは摺動かつ回動可能に嵌合されており、突出部6aは第1の成形体5の凹部5e内に第1の成形体5または第2の成形体6の摺動間隙G1を有するように嵌入されている。さらに、第2の成形体6の胴部6A先端側には、図1に示すように、凹状に切除されその側壁に第1の成形体5の突起部11が係止される複数の係合穴からなる係合部12が設けられており、第1の成形体5を先端部側に摺動あるいは摺動かつ回動させるか、または第2の成形体6を基部側に摺動あるいは摺動かつ回動させて、突起部11を係合部12の係合穴のいずれかに係止させることにより、外筒3に設けたスリット9の開放または閉止が保持されるように構成されている。
【0035】
ここで、この実施の形態では係合部12の係合穴が3つ軸方向に並設されており、第1の成形体5または第2の成形体6を先端部側または基部側に摺動しあるいは摺動かつ回動して、図3に示すように、先端側に設けられた第1の係合穴12aに突起部11を係止させると、外筒3が先端部側に押されて外筒3のスリット9の部分で膨らみ、あるいは内筒2が基部側へ引っ張られて外筒3のスリット9の部分で弛みが生じて膨らみ、スリット9が開放されて脱血口9aを形成し、血管からの脱血が行われる。また、第1の成形体5または第2の成形体6を基部側または先端部側に摺動しあるいは摺動かつ回動して中央に設けられた第2の係合穴12bに突起部11を係止させると、外筒3が基部側に引かれてスリット9の部分で膨らみがなくなり、あるいは内筒2が先端側へ戻されてスリット9の部分の弛みがなくなり、スリット9の部分が元の状態に戻ってスリット9が閉止状態となり血管からの脱血は行われない。さらに、第1の成形体5または第2の成形体6を基部側または先端部側に摺動しあるいは摺動かつ回動して基部側に設けられた第3の係合穴12cに突起部11を係止させると、外筒3が基部側に引っ張られ、あるいは内筒2が先端部側に押されてスリット9の部分が若干縮径され、スリット9がより閉止されて脱血口9aを閉塞し、ヘパリンロックにより脱血腔3aに充填されたヘパリン化生食のスリット9からの流出が防止される。
【0036】
延長チューブ7,8は例えばシリコーン、ポリウレタンなどの軟質プラスチックによって構成されている。
【0037】
このように構成されたこの実施の形態1においては、緊急血液浄化治療を行う場合、まず、ダブルルーメンカテーテル1の第2の成形体6の第3の係合穴12cあるいは第2の係合穴12bに第1の成形体5の突起部11を係止させて外筒3のスリット9を閉止させる。ついで、例えばセルジンガー法を用いてダブルルーメンカテーテル1を血管内に挿入して留置し、延長チューブ7,8のそれぞれのルアーアダプター7a,8aに血液浄化治療機器の接続チューブ等を接続する。
【0038】
次に、図4に示すように、例えばダブルルーメンカテーテル1の第2の成形体6を基部側に摺動しあるいは摺動かつ回動させて第1の係合穴12aに第1の成形体5の突起部11を係止すると、外筒3のスリット9の部分で弛みが生じて膨らみながらスリット9が開放され、脱血口9aを形成する。そして、血管Kを流れる血液をスリット9の開放によって形成された脱血口9aから外筒3の脱血腔3aに送り込み、第1の成形体5の腔5b、分岐管5aの内腔および延長チューブ7を通って体外に引き出す(脱血する)。ついで、浄化された血液を延長チューブ8および内筒2の送血腔2aを介してソフトチップ4の先端開口部4aおよび送血口4cから血管K内に送り込む(送血する)。
【0039】
治療が終了すると、ダブルルーメンカテーテル1はそのまま血管K内に留置され、内筒2の送血腔2aおよび延長チューブ8と、外筒3の脱血腔3a、第1の成形体5の腔5b、分岐管5aの内腔および延長チューブ7とをヘパリンロックする。ついで、ダブルルーメンカテーテル1の第2の成形体6を先端部側に摺動しあるいは摺動かつ回動させて第3の係合穴12cに第1の成形体5の突起部11を係止し、外筒3のスリット9の部分を元の状態より若干縮径させつつ閉止させて脱血口9aを閉塞する。この時、脱血腔3a内に充填されたヘパリン化生食は脱血口9aから血管K側に流出せずに保持される。そして、血管Kに留置されているダブルルーメンカテーテル1を再び使用する場合は、ダブルルーメンカテーテル1の第2の成形体6の第1の係合穴12aに第1の成形体5の突起部11を係止させて外筒3のスリット9を開放させ、脱血腔3a等をヘパリン化生食でフラッシュした後、治療を再開させる。
【0040】
このように、外筒3の先端側側壁に複数のスリット9を設け、第1の成形体5または第2の成形体6を摺動しあるいは摺動かつ回動させて第1の成形体5に設けられた突起部11を第2の成形体6に設けられた係合部12の係合穴12a,12b,12cのいずれか1つに係止させることによって、スリット9の開放または閉止が保持されるので、治療時においては外筒3のスリット9の部分を膨らませつつスリット9を開放して脱血口9aを形成し、非治療時においては外筒3のスリット9の部分を元の状態より若干縮径させつつスリット9を閉止して脱血口9aを閉塞させることができる。
【0041】
これにより、非治療中においてはスリット9がより閉止されて脱血口9aを確実に閉塞するため、脱血腔3a内に充填されたヘパリン化生食が血管Kへ流出せず血液との交換を阻止することができ、凝血による脱血腔3aの閉塞を防止することができる。また、治療中においては脱血腔3aに血液が吸い込まれる力によって脱血口9aに血管壁や凝血塊が貼り付くおそれがあるが、スリット9を外筒3の側壁全周に設けたため一部の脱血口9aが貼り付いても他の部分の脱血口9aの貼り付きを防止することができ、血流の減少を確実に防止することができるとともに、脱血口9aを形成する際のスリット9の部分の外筒3は他の部分より膨らむため、スリット9の中央部分が血管壁に貼り付いてもスリット9の端部側は貼り付きを回避させることができ、スリット9の両端部に形成された脱血口9aにより脱血が行え、血流の減少を確実に防止することができる。また、スリット9の開放または閉止の保持は、第1の成形体5の突起部11を第2の成形体6の係合部12の係合穴12a,12b,12cのいずれかに係止するという簡単な操作で行うことができるため、操作性の良いダブルルーメンカテーテル1を得ることができる。
【0042】
実施の形態2.
図5は本発明の実施の形態2の模式図で、この実施の形態2は、実施の形態1に係るダブルルーメンカテーテル1の外筒3に設けられた軸方向に等間隔で平行かつ両端が揃うように形成されたスリット9に代えて、軸方向に等間隔で斜行かつ両端が揃うように形成された複数のスリット13を設けたものである。なお、等間隔でなくてもよい。
【0043】
このように構成したことにより、実施の形態1とほぼ同じ作用および効果が得られ、スリット13の開放または閉止の保持を簡単な操作で確実に行うことができる。また、図6に示すように、治療中において、第1の成形体5または第2の成形体6を摺動あるいは摺動かつ回動させて第1の成形体5の突起部11を第2の成形体6の第1の係合穴12aに係止させ、外筒3のスリット13の部分を弛ませつつスリット13を開放して脱血口13aを形成すると、平行に形成されたスリット9に比べて軸方向に長い距離切り込まれている斜行に形成されたスリット13は、より広い開口面積を有する脱血口13aを形成することができ、血流の減少をより確実に防止して脱血が行えるダブルルーメンカテーテル1を得ることができる。
【0044】
実施の形態3.
図7は本発明の実施の形態3の模式図および作用説明図で、この実施の形態3は、実施の形態1に係るダブルルーメンカテーテル1の第2の成形体6において、胴部6Aの先端側に設けられた凹状の切除部を省略し、係合部12に代えて、胴部6AにほぼZ状の溝部14dを設けてその両端部に第1および第3の係合穴14a,14cを形成するとともに、ほぼ中央部に第2の係合穴14bを第1の係合部14aと同じ側に向くように形成した係合部14を設けたものである。
【0045】
そして、第1の成形体5または第2の成形体6を先端部側または基部側に摺動しあるいは摺動かつ回動して、図7(b)に示すように、係合部14の溝部14dに嵌入された第1の成形体5の突起部11を第1の係合穴14aに係止させると、スリット9の部分で膨らみスリット9が開放されて脱血口9aを形成し、図7(a)に示すように、突起部11を第2の係合穴14bに係止させると、スリット9の部分で膨らみがなくなってスリット9が閉止状態となり、図7(c)に示すように、突起部11を第3の係合穴14cに係止させると、第2の係合穴14bに突起部11を係止させたときとは反対方向でかつ長い距離外筒3が回動して捻りが加えられ、スリット9の部分が伸張してスリット9に締め付け力が生じ、スリット9を増締めしてより閉止し脱血口9aを確実に閉塞するように構成されている。
【0046】
このように構成したことにより、実施の形態1とほぼ同じ作用および効果が得られ、治療中においては、第1の成形体5または第2の成形体6を摺動かつ回動させて、内筒2または外筒3に捻りを加えながら第1の成形体5の突起部11を第2の成形体6の第1の係合穴14aに係止させ、外筒3のスリット9の部分をより弛ませつつスリット9を開放して脱血口9aを形成することができるため、確実に開口された脱血口9aにより脱血を行うことができる。また、非治療中においては、内筒2または外筒3に治療時とは逆の捻りを加えながら第1の成形体5の突起部11を第2の成形体6の第3の係合穴14cに係止させ、外筒3のスリット9の部分を伸張してスリット9に締め付け力を生じさせスリット9を増締めして閉止し脱血口9aをより閉塞することができるため、脱血腔3a内に充填したヘパリン化生食の血管Kへの流出を確実に阻止して凝血による脱血腔3aの閉塞を防止することができるとともに、内筒2または外筒3に治療時とは逆の捻りを加えてスリット9を増締めすることによって、スリット9の開放状態を一定時間保持した後に生じるスリット9の変形による歪み、つまりスリット9が完全に閉塞されなくなる残留歪みを防ぐことができ、長期間使用可能な信頼性の高いダブルルーメンカテーテル1を得ることができる。
【0047】
さらに、ダブルルーメンカテーテル1を経皮的に血管Kに挿入する場合、第1の成形体5の突起部11を第2の成形体6の第2の係合穴14bに係止させて行うが、場合によってはダブルルーメンカテーテル1の先端部側が挿入抵抗を受け、この抵抗によりスリット9が開放してダブルルーメンカテーテル1の挿入が困難になることがある。このような場合には、第1の成形体5の突起部11を第2の成形体6の第3の係合穴14cに係止して外筒3のスリット9の部分を伸張し、スリット9に締め付け力を生じさせて脱血口9aをより閉塞させて行う。これにより、ダブルルーメンカテーテル1の先端部側が挿入抵抗を受けてもスリット9が開放するのを防止でき、ダブルルーメンカテーテル1の挿入を確実に行うことができる。なお、ソフトチップ4の先端側外周に例えば湿潤潤滑剤などをコーティングして挿入抵抗を受けにくくするようにしてもよい。この場合も同様の効果を奏する。
【0048】
実施の形態4.
図8は本発明の実施の形態4の模式図で、この実施の形態4は、実施の形態2に係る軸方向に等間隔で斜行かつ両端が揃うように形成された複数のスリット13を有するダブルルーメンカテーテル1の第2の成形体6において、その胴部6Aの先端側に設けられた凹状の切除部を省略し、係合部12に代えて、胴部6Aに軸方向に直交しかつ側壁をほぼ半周する長溝部15dを設けてそのほぼ両端部に第1および第3の係合部15a,15cを並設するとともに、両者15a,15cの間の第3の係合穴15cの近傍に第2の係合穴15bを並設した係合部15を設けたものである。
【0049】
そして、第1の成形体5または第2の成形体6を回動しあるいは回動かつ摺動して、図9に示すように、係合部15の長溝部15dに嵌入された第1の成形体5の突起部11を第1の係合穴15aに係止させると、外筒3が捻られてスリット13の部分で膨らみ、あるいは内筒2が捻られてスリット13の部分で弛みが生じて膨らみ、スリット13が開放されて脱血口13aを形成し、図8に示すように、突起部11を第2の係合穴15bに係止させると、第1の係合穴15aに突起部11を係止させたときとは反対方向に外筒3が捻られてスリット13の部分で膨らみがなくなり、あるいは第1の係合穴15aに突起部11を係止させたときとは反対方向に内筒2が捻られてスリット13の部分で弛みがなくなって、スリット13が閉止状態となり、図10に示すように、突起部11を第3の係合穴15cに係止させると、第2の係合穴15bに突起部11を係止させたときよりも外筒3に捻りが加えられてスリット13の部分が伸張し、あるいは第2の係合穴15bに突起部11を係止させたときよりも内筒2に捻りが加えられてスリット13の部分が引っ張られ、スリット13に締め付け力が生じてスリット13を増締めし、より閉止して脱血口13aを確実に閉塞するように構成されている。
【0050】
このように構成したこの実施の形態においても、実施の形態1で説明した場合と同様に、図8に示すように、ダブルルーメンカテーテル1の第2の成形体6の第2の係合穴15bに第1の成形体5の突起部11を係止させて外筒3のスリット13を閉止させる。ついで、例えばセルジンガー法を用いてダブルルーメンカテーテル1を血管K内に挿入して留置し、延長チューブ7,8のそれぞれのルアーアダプター7a,8aに血液浄化治療機器の接続チューブ等を接続する。
【0051】
次に、図9に示すように、例えばダブルルーメンカテーテル1の第2の成形体6を回動しあるいは回動かつ摺動させて第1の係合穴15aに第1の成形体5の突起部11を係止し、外筒3のスリット13を開放させて脱血口13aを形成する。この時、内筒2に捻りが加えられ、この捻りによってスリット13の部分に弛みが生じて膨らみ、スリット13が開放されて脱血口13aを形成する。そして、血管Kを流れる血液を脱血口13aから外筒3の脱血腔3aに送り込み、第1の成形体5の腔5b、分岐管5aの内腔および延長チューブ7を通って体外に引き出す(脱血する)。ついで、浄化された血液を延長チューブ8および内筒2の送血腔2aを介してソフトチップ4の先端開口部4aおよび送血口4cから血管K内に送り込む(送血する)。
【0052】
治療が終了すると、ダブルルーメンカテーテル1をそのまま血管K内に留置さするために、内筒2の送血腔2aおよび延長チューブ8と、外筒3の脱血腔3a、第1の成形体5の腔5b、分岐管5aの内腔および延長チューブ7とをヘパリンロックする。ついで、図10に示すように、ダブルルーメンカテーテル1の第2の成形体6を第1の係合穴15aに突起部11を係止させたときとは反対方向に回動しあるいは回動かつ摺動させて第3の係合穴15cに突起部11を係止し、外筒3のスリット13を閉止させて脱血口13aを閉塞する。この時、内筒2に治療時とは逆の捻りが加えられ、この捻りによってスリット13の部分が伸張して締め付け力が生じ、スリット13が増締めされて閉止し脱血口13aが閉塞される。また、脱血口13aの閉塞により脱血腔3a内に充填されたヘパリン化生食は脱血口13aから血管K側に流出せずに保持される。そして、血管Kに留置されているダブルルーメンカテーテル1を再び使用する場合は、ダブルルーメンカテーテル1の第2の成形体6の第1の係合穴15aに第1の成形体5の突起部11を係止させて外筒3のスリット13を開放させ、脱血腔3a等をヘパリン化生食でフラッシュした後、治療を再開させる。
【0053】
このように、外筒3の先端側側壁に軸方向に斜行の複数のスリット13を設け、第1の成形体5または第2の成形体6を回動しあるいは回動かつ摺動させて第1の成形体5の突起部11を第2の成形体6の係合部15の係合穴15a,15b,15cのいずれか1つに係止させることによって、外筒3または内筒2に捻りが加えられ、この捻りによってスリット13の部分が弛みまたは伸張してスリット13の開放または閉止を保持することができる。
【0054】
これにより、治療中の脱血口13aへの血管壁等の貼り付きを少なくとも一部に抑えて他の部分を回避し、血流の減少を確実に防止することができるとともに、非治療中の脱血口13aの閉塞を確実にし、凝血による脱血腔3aの閉塞を防止することができる。また、外筒3または内筒2の捻りによってスリット13の部分を弛ませつつスリット13を開放させると、斜行のスリット13はより広い開口面積を有する脱血口13aを形成することができるため、血流の減少をより確実に防止して脱血が行えるダブルルーメンカテーテル1を得ることができる。さらに、内筒2または外筒3に治療時とは逆の捻りを加えてスリット13を増締めすることによって、スリット13の開放状態を一定時間保持した後に生じるスリット13の残留歪みを防ぐことができ、長期間使用可能な信頼性の高いダブルルーメンカテーテル1を得ることができる。
【0055】
実施の形態5.
図11(a)は本発明の実施の形態5に係る内筒の断面図で、この実施の形態5は、実施の形態1に係るダブルルーメンカテーテル1の内筒2において、その側壁を少なくとも二層の複層構造とし、例えば外層側をポリウレタンなどの曲げ柔軟性を有する軟質または半硬質エラストマーからなる柔軟層2Aにより構成するとともに、内層側をポリカーボネートまたはポリエチレンテレフタレートなどの変形防止性を有する硬質プラスチックからなる変形防止層2Bにより構成したものである。
【0056】
このように構成したことにより、実施の形態1とほぼ同じ作用および効果が得られ、治療中においては、第1の成形体5または第2の成形体6を摺動あるいは摺動かつ回動させて、第1の成形体5の突起部11を第2の成形体6の第1の係合穴12aに係止させ、外筒3のスリット9の部分を弛ませつつスリット9を開放して脱血口9aを形成し、この脱血口9aにより脱血を行う。この時、スリット9を開放するために内筒2は基部側へ引っ張られ伸びの荷重が絶えずかかり続けるが、内筒2の側壁が複層構造であり、その内層側が変形防止層2Bにより構成されているため、内筒2にかかる荷重に長時間耐えることができ、内筒2の軸方向の伸びを抑えることができるとともに、治療に必要な脱血口9aの開口面積を維持することができる。また、内筒2の側壁の外層側が柔軟層2Aにより構成されているため、内筒2の曲げ柔軟性が維持され、ダブルルーメンカテーテル1を血管K内に挿入して留置する場合も、曲がりくねった血管Kに沿って確実に挿入および留置することができ、操作性の良いダブルルーメンカテーテル1を得ることができる。
【0057】
また、非治療中においては、第1の成形体5の突起部11を第2の成形体6の第3の係合穴12cに係止させ、外筒3のスリット9の部分を元の状態より若干縮径させつつ閉止して脱血口9aを閉塞するため、脱血腔3a内に充填したヘパリン化生食の血管Kへの流出を阻止して凝血による脱血腔3aの閉塞を防止することができる。
【0058】
なお、上述の実施の形態5では内筒2の側壁を、曲げ柔軟性を有する半硬質エラストマーからなる柔軟層2Aと、変形防止性を有する硬質プラスチックからなる変形防止層2Bとを備えた二層構造とした場合を示したが、側壁の一部を二層構造としてもよく、外筒3の側壁の一部または全部を同様に二層構造としてもよい。また、図11(b)に示すように、柔軟層2Aにより構成された内筒2の側壁内に変形防止層2Bを設けて複層構造としてもよく、図11(c)に示すように、柔軟層2Aと変形防止層2Bとを実施の形態5とは逆の二層構造としてもよい。これらの場合も同様に効果を奏する。
【0059】
実施の形態6.
図12(a)は本発明の実施の形態6に係る内筒の断面図で、この実施の形態6は、実施の形態1に係るダブルルーメンカテーテル1の内筒2において、その側壁に例えばポリカーボネートなどの超硬質プラスチックまたは例えばステンレスなどの金属材料からなる1本の線材2Cあるいはより線材を、内筒2の軸方向に沿って埋設したものである。
【0060】
このように構成したことにより、実施の形態5とほぼ同じ作用および効果が得られ、治療中においてはスリット9を開放するために内筒2が基部側へ引っ張られ伸びの荷重が絶えずかかり続けても、内筒2の側壁に埋設した線材2Cにより内筒2にかかる荷重に長時間耐えることができ、曲げ柔軟性を損なうことなく内筒2の軸方向の伸びを抑えて治療に必要な脱血口9aの開口面積を維持することができる。また、ダブルルーメンカテーテル1への応力の伝達性も良くなり、曲がりくねった血管Kにおけるダブルルーメンカテーテル1の血管Kへの留置性を高めることができる。
【0061】
なお、上述の実施の形態6では内筒2の側壁に1本の線材2Cを埋設した場合を示したが、外筒3の側壁に1本の線材2C等を埋設してもよく、また、図12(b)に示すように、内筒2の側壁に細い線材2Dを複数埋設したり、図12(c)に示すように、幅広の線材2Eを埋設してもよい。これらの場合も同様の効果を奏する。
【0062】
実施の形態7.
図13は本発明の実施の形態7に係る内筒の一部を示した拡大図で、この実施の形態7は、実施の形態4に係るダブルルーメンカテーテル1の内筒2において、その側壁に例えばステンレスなどの金属材料からなる2本の線材2F,2Fを、内筒2の軸方向に螺旋状に埋設したものである。
【0063】
このように構成したことにより、実施の形態6とほぼ同じ作用および効果が得られ、治療中においてはスリット13を開放するために内筒2が捻られてその荷重が絶えずかかり続けても、内筒2の側壁に埋設した2本の線材2F,2Fにより内筒2にかかる荷重に長時間耐えることができ、曲げ柔軟性を損なうことなく内筒2の捻り方向の伸びを抑えて治療に必要な脱血口13aの開口面積を維持するとともに、スリット13の開放および閉止を長時間維持することができる。また、ダブルルーメンカテーテル1への応力の伝達性も良くなり、曲がりくねった血管Kにおけるダブルルーメンカテーテル1のねじれを抑えて血管Kへの留置性を高めることができる。
【0064】
実施の形態8.
図14(a)は本発明の実施の形態8に係る外筒の一部を示す拡大断面図で、この実施の形態8は、実施の形態1に係るダブルルーメンカテーテル1の外筒3において、スリット9が特別な力をかけずに閉止された状態でスリット9を設けた部分16の外径が他の部分より若干大径になるように形成し、第2の成形体6の第3の係合穴12cに第1の成形体5の突起部11を係止させたときに、若干大径に形成されたスリット9の部分16を伸張させてスリット9に締め付け力を生じさせ、スリット9をより閉止して脱血口9aを確実に閉塞するように構成したものである。
【0065】
このように構成したことにより、実施の形態1とほぼ同じ作用および効果が得られるとともに、治療中においては、第1の成形体5または第2の成形体6を摺動しあるいは摺動かつ回動させて第1の成形体5の突起部11を第2の成形体6の第1の係合穴12aに係止させ、外筒3の若干大径に形成されたスリット9の部分16を膨らませつつスリット9を開放して脱血口9aを形成することにより、より膨らんだスリット9の部分16によって血管壁への貼り付きが回避され、スリット9の端部の脱血口9aにより脱血を行って血流の減少を防止することができる。また、非治療中においては、第1の成形体5の突起部11を第2の成形体6の第3の係合穴12cに係止させ、外筒3の若干大径に形成されたスリット9の部分16を伸張させつつスリット9に締め付け力を生じさせ、スリット9を閉止して脱血口9aをより閉塞することにより、脱血腔3a内に充填されたヘパリン化生食の血管Kへの流出を阻止して凝血による脱血腔3aの閉塞を確実に防止することができる。
【0066】
なお、上述の形態8では外筒3のスリット9を設けた部分16の外径を他の部分より若干大径になるように形成した場合を示したが、図14(b)に示すように、外筒3のスリット9を設けた部分16の内径を他の部分より若干小径になるように形成してもよく、また、図14(c)に示すように、外筒3のスリット9を設けた部分16の側壁の厚みを他の部分より肉厚に形成してもよい。これらの場合も同様の効果を奏する。
【0067】
以上のように、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、例えば以下のように適宜変更することができる。
(1)上述の実施の形態1乃至8では、外筒3を例えばポリウレタン、ナイロンエラストマー、ポリ塩化ビニルなどの半硬質または硬質エラストマーにより構成し、スリット9または13を設けた部分においても同じ材料によって構成した場合を示したが、外筒3のスリット9または13を設けた部分を軟質材料で構成してもよい。この場合、スリット9または13の開放および閉止を容易にすることができ、脱血口9aまたは13aの形成および閉塞を確実に行うことができる。
【0068】
(2)また、第2の成形体6に設けられた係合部12,14および15において、第1の成形体5の突起部11が係止される3つの係合穴を有する場合を示したが、第1の成形体5の突起部11が係止されてスリット9または13の開放および閉止の保持がなされる機構であれば、適宜変更することができる。また、係合穴を4つ以上設けてスリット9または13の開放により形成される脱血口9aまたは13aの開口の大きさを任意に変えられるようにしてもよい。
【0069】
(3)上述の実施の形態5,6,8では実施の形態1に本発明を実施した場合を示し、実施の形態7では実施の形態4に本発明を実施した場合を示したが、これに限定するものではなく、他の実施の形態にもそれぞれの発明を実施することができる。
【0070】
(4)上述の実施の形態1乃至8ではダブルルーメンカテーテル1の先端部を構成するソフトチップ4を備えた場合を示したが、例えばソフトチップ4を省略し、内筒2の先端部を、脱血腔3aの先端側を閉塞し、先端部側側壁に内腔(送血腔)2aに連通する送血口を有するように構成してもよい。また、ソフトチップ4およびソフトチップ4に代わる内筒2の先端部の側壁に設けられた送血口を省略し、先端部開口部のみで送血を行うように構成してもよい。これらの場合も同様の効果を奏する。
【0071】
【発明の効果】
以上のように本発明に係るダブルルーメンカテーテルは、送血腔となる内腔を有し、先端部が開口されたあるいは先端部が開口され先端部側側壁に送血口を備えた内筒と、内筒が挿通され内筒との間に脱血腔となる腔を有する外筒と、外筒の腔に連通する分岐管を備え分岐管の端部に脱血管となる延長チューブが結合され先端部が外筒の基部に一体的に結合された第1の成形体と、一端に送血管となる延長チューブが結合され他端が第1の成形体の基部に回動可能にまたは回動かつ摺動可能に嵌合され内筒の基部に一体的に結合された第2の成形体とを備えてなり、外筒の先端部側側壁に、軸方向に斜行して形成され開放時に外筒の腔に連通して脱血口となる複数の斜行スリットを設け、第2の成形体により、第1の成形体に斜行スリットの斜行方向と逆方向の回動力を付与させて、または逆方向の回動力を付与かつ斜行スリット側に摺動させて斜行スリットを開放させるとともに、第1の成形体に斜行スリットの斜行方向と同方向の回動力を付与させて、または同方向の回動力を付与かつ斜行スリットと反対側に摺動させて斜行スリットを閉止させ、開放あるいは閉止した斜行スリットの開放状態及び閉止状態を保持する保持手段を設けたので、スリットの開放および閉止の保持を簡単かつ確実に行うことができ、操作性の良いダブルルーメンカテーテルを得ることができる。そして、かかるダブルルーメンカテーテルによれば、非治療中においては保持手段によりスリットを閉止して脱血口を確実に閉塞することができ、脱血腔のヘパリン化生食によるフラッシュを頻繁に行うことなく脱血腔内に充填されたヘパリン化生食の血管への流出を阻止し、凝血による脱血腔の閉塞を防止することができるとともに、治療中においては保持手段によりスリットを開放して外筒の側壁全周に脱血口を形成することができ、血液が吸い込まれる力によって脱血口の一部に血管壁や凝血塊が貼り付いても他の部分の脱血口の貼り付きを回避し、血流の減少を確実に防止することができる。
【0072】
本発明に係るダブルルーメンカテーテルは、保持手段を、第1の成形体の基部側側壁に設けられた突起部と、第2の成形体に設けられ突起部が係止される複数の係合穴からなる係合部とにより構成し、突起部を係合部の係合穴のいずれか1つに係止させたときに斜行スリットを開放して脱血口を形成するとともに、突起部を係合部の係合穴の他のいずれか1つに係止させたときに斜行スリットを閉止または増締めして閉止し脱血口を閉塞するようにしたので、患者に余分な負担をかけず治療を簡略化させることができ、操作性の良いダブルルーメンカテーテルを得ることができる。
【0074】
本発明に係るダブルルーメンカテーテルは、第2の成形体の係合部を少なくとも3つの係合穴により構成し、第1の成形体の突起部を係止させたときに外筒のスリット部分を増締めして閉止し脱血口を閉塞する第2の成形体の第3の係合穴を、第1の成形体の突起部を係止させたときに斜行スリットを閉止する第2の成形体の第2の係合穴より締め付け力の大きい側に設けるとともに、第1の成形体の突起部を係止させたときに斜行スリットを弛ませて膨らませ斜行スリットを開放して脱血口を形成する第2の成形体の第1の係合穴を、第1の成形体の突起部を係止させたときに斜行スリットを閉止する第2の成形体の第2の係合穴より緩みの大きい側に設けたので、治療中においては、スリット部分をより弛ませつつスリットを開放して脱血口を形成し、確実に開口された脱血口により脱血を行うことができるとともに、非治療中においては、スリット部分に締め付け力を生じさせスリットを閉止して脱血口をより閉塞し、脱血腔内に充填したヘパリン化生食の血管への流出を阻止して凝血による脱血腔の閉塞を防止することができる。
【0075】
また、スリットを増締めして閉止することによって、スリットの開放状態を一定時間保持した後に生じるスリットの変形による歪み、残留歪みを防ぐことができ、長期間使用可能な信頼性の高いダブルルーメンカテーテルを得ることができるとともに、カテーテルの経皮的血管挿入時における挿入抵抗を受けた場合でもスリットが開放されるのを防止でき、血管挿入を確実に行うことができる操作性の良いダブルルーメンカテーテルを得ることができる。
【0076】
本発明に係るダブルルーメンカテーテルは、第2の成形体の係合部に第1の成形体の突起部を係止させたときに斜行スリットを開放して脱血口を形成する複数の係合穴を設け、各係合穴に突起部を係止したときに形成される脱血口の開口の大きさをそれぞれ異なる大きさに構成したので、患者または治療の状況などに応じて脱血口の開口の大きさを任意に選択して変えることができ、使い勝手の良いダブルルーメンカテーテルを得ることができる。
【0077】
本発明に係るダブルルーメンカテーテルは、斜行スリットを、外筒の軸方向に両端が揃うように設けたので、簡単な構造で確実に脱血口を形成することができるとともに、血管への挿入留置を容易に行うことができ、患者に余分な侵襲を与えない使い勝手の良いダブルルーメンカテーテルを得ることができる。
【0078】
また、本発明に係るダブルルーメンカテーテルは、外筒および内筒の両者、またはいずれか一方の側壁の一部または全部に、超硬質プラスチックまたは金属材料からなる少なくとも1本の線材を螺旋状または軸方向に沿って埋設した、あるいは、外筒および内筒の両者、またはいずれか一方の側壁の一部または全部を、半硬質エラストマーからなる柔軟層と、硬質プラスチックからなる変形防止層との少なくとも二層を備えた複層構造に形成したので、スリットを開放または閉止するために内筒または外筒にかかる伸びの荷重に長時間耐えることができ、治療に必要な脱血口の開口面積および非治療時の脱血口の閉塞を維持することができる。そして、カテーテルの血管挿入時における応力の伝達性を良することができ、曲がりくねった血管に対する操作性および留置性を高めることができる。
【0079】
本発明に係るダブルルーメンカテーテルは、外筒において、この外筒のスリット部分を軟質材料により構成したので、非治療時のスリット部分の伸張による締め付け力を容易に得ることができ、脱血口の閉塞をより確実に行うことができる。
【0080】
また、本発明に係るダブルルーメンカテーテルは、外筒において、この外筒のスリット部分の外径を他の部分より大径、またはスリット部分の内径を他の部分より小径、若しくはスリット部分の側壁の厚みを他の部分より肉厚に形成したので、治療中におけるスリット部分の血管壁への貼り付きを回避でき、血流の減少を防いで脱血を確実に行うことができるとともに、非治療中における脱血口の閉塞を締め付け力によってより確実にすることができ、ヘパリン化生食によるフラッシュを頻繁に行わず、ヘパリンロックを有効的に維持することができる。
【0081】
さらに、本発明に係るダブルルーメンカテーテルは、第1の成形体の分岐部分の基部側近傍の腔壁に、脱血腔の基部側を閉塞しかつ内筒を摺動または回動自在に挿通するシール弁体が嵌合される溝部を設けたので、シール弁体により脱血腔の基部側閉塞を確実にするとともに、第1の成形体および第2の成形体の摺動または回動操作を良くすることができる。
【0082】
また、本発明に係るダブルルーメンカテーテルは、内筒の送血腔に連通する内腔を有し、先端部が開口されたあるいは先端部が開口され基部側側壁に内腔に連通する送血口を備え、基部側に内筒および外筒の先端部が一体的に結合され脱血腔の先端部側を閉塞しかつカテーテルの先端部を構成するソフトチップを備えたので、脱血腔の先端部側を確実に閉塞するとともに、血管への挿入をより容易にすることができ、患者への余分な負担を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の模式図である。
【図2】図1の断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1の作用説明図である。
【図4】本発明の実施の形態1の作用説明図である。
【図5】本発明の実施の形態2の模式図である。
【図6】本発明の実施の形態2の作用説明図である。
【図7】本発明の実施の形態3の模式図および作用説明図である。
【図8】本発明の実施の形態4の模式図である。
【図9】本発明の実施の形態4の作用説明図である。
【図10】本発明の実施の形態4の作用説明図である。
【図11】本発明の実施の形態5に係る内筒の断面図および変形例の断面図である。
【図12】本発明の実施の形態6に係る内筒の断面図および変形例の断面図である。
【図13】本発明の実施の形態7に係る内筒の一部を示した拡大図である。
【図14】本発明の実施の形態8に係る外筒の一部を示す拡大断面図および変形例の拡大断面図である。
【図15】従来の二重D型の断面構造を有するダブルルーメンカテーテルの要部の拡大断面図である。
【図16】従来の二重D型の断面構造を有する他のダブルルーメンカテーテルの要部の外観図および作用説明図である。
【図17】従来のバルーン付二重ルーメンカテーテルの要部の外観図および作用説明図である。
【図18】従来の同軸二重円型の断面構造を有するダブルルーメンカテーテルおよびオブチュレーターの外観図である。
【符号の説明】
1 ダブルルーメンカテーテル
2 内筒
2a 内腔(送血腔)
2A 柔軟層
2B 変形防止層
2C,2D,2E,2F 線材
3 外筒
3a 腔(脱血腔)
4 ソフトチップ
4a 先端開口部
4b 内腔
4c 送血口
5 第1の成形体
5a 分岐管
5c 腔壁
5d 溝部
6 第2の成形体
7 延長チューブ(脱血管)
8 延長チューブ(送血管)
9,13 スリット
9a,13a 脱血口
10 シール弁体
11 突起部
12,14,15 係合部
12a,12b,12c,14a,14b,14c,15a,15b,15c係合穴
16 外筒のスリットを設けた部分
Claims (11)
- 送血腔となる内腔を有し、先端部が開口されたあるいは先端部が開口され先端部側側壁に送血口を備えた内筒と、該内筒が挿通され内筒との間に脱血腔となる腔を有する外筒と、該外筒の腔に連通する分岐管を備え該分岐管の端部に脱血管となる延長チューブが結合され先端部が前記外筒の基部に一体的に結合された第1の成形体と、一端に送血管となる延長チューブが結合され他端が前記第1の成形体の基部に回動可能にまたは回動かつ摺動可能に嵌合され前記内筒の基部に一体的に結合された第2の成形体とを備えてなり、
前記外筒の先端部側側壁に、軸方向に斜行して形成され開放時に前記外筒の腔に連通して脱血口となる複数の斜行スリットを設け、
前記第2の成形体により、前記第1の成形体に前記斜行スリットの斜行方向と逆方向の回動力を付与させて、または逆方向の回動力を付与かつ前記斜行スリット側に摺動させて前記斜行スリットを開放させるとともに、前記第1の成形体に前記斜行スリットの斜行方向と同方向の回動力を付与させて、または同方向の回動力を付与かつ前記斜行スリットと反対側に摺動させて前記斜行スリットを閉止させ、
前記開放あるいは閉止した前記斜行スリットの開放状態及び閉止状態を保持する保持手段を設けたことを特徴とするダブルルーメンカテーテル。 - 保持手段を、第1の成形体の基部側側壁に設けられた突起部と、第2の成形体に設けられ前記突起部が係止される複数の係合穴からなる係合部とにより構成し、前記突起部を前記係合部の係合穴のいずれか1つに係止させたときに前記斜行スリットを開放して脱血口を形成するとともに、前記突起部を前記係合部の係合穴の他のいずれか1つに係止させたときに前記斜行スリットを閉止または増締めして閉止し脱血口を閉塞するようにしたことを特徴とする請求項1記載のダブルルーメンカテーテル。
- 第2の成形体の係合部を少なくとも3つの係合穴により構成し、前記第1の成形体の突起部を係止させたときに前記外筒のスリット部分を増締めして閉止し脱血口を閉塞する前記第2の成形体の第3の係合穴を、前記第1の成形体の突起部を係止させたときに前記斜行スリットを閉止する前記第2の成形体の第2の係合穴より締め付け力の大きい側に設けるとともに、前記第1の成形体の突起部を係止させたときに前記斜行スリットを弛ませて膨らませ前記斜行スリットを開放して脱血口を形成する前記第2の成形体の第1の係合穴を、前記第1の成形体の突起部を係止させたときに前記斜行スリットを閉止する前記第2の成形体の第2の係合穴より緩みの大きい側に設けたことを特徴とする請求項2記載のダブルルーメンカテーテル。
- 第2の成形体の係合部に前記第1の成形体の突起部を係止させたときに前記斜行スリットを開放して脱血口を形成する複数の係合穴を設け、該各係合穴に前記突起部を係止したときに形成される前記脱血口の開口の大きさをそれぞれ異なる大きさに構成したことを特徴とする請求項2または3記載のダブルルーメンカテーテル。
- 斜行スリットを前記外筒の軸方向に両端が揃うように設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載のダブルルーメンカテーテル。
- 外筒および内筒の両者、またはいずれか一方の側壁の一部または全部に、超硬質プラスチックまたは金属材料からなる少なくとも1本の線材を螺旋状または軸方向に沿って埋設したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載のダブルルーメンカテーテル。
- 外筒および内筒の両者、またはいずれか一方の側壁の一部または全部を、半硬質エラストマーからなる柔軟層と、硬質プラスチックからなる変形防止層との少なくとも二層を備えた複層構造に形成したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載のダブルルーメンカテーテル。
- 外筒において、該外筒のスリット部分を軟質材料により構成したことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか記載のダブルルーメンカテーテル。
- 外筒において、該外筒のスリット部分の外径を他の部分より大径、または前記スリット部分の内径を他の部分より小径、若しくは前記スリット部分の側壁の厚みを他の部分より肉厚に形成したことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか記載のダブルルーメンカテーテル。
- 第1の成形体の分岐部分の基部側近傍の腔壁に、前記脱血腔の基部側を閉塞しかつ前記内筒を摺動または回動自在に挿通するシール弁体が嵌合される溝部を設けたことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか記載のダブルルーメンカテーテル。
- 内筒の送血腔に連通する内腔を有し、先端部が開口されたあるいは先端部が開口され基部側側壁に前記内腔に連通する送血口を備え、基部側に前記内筒および外筒の先端部が一体的に結合され前記脱血腔の先端部側を閉塞しかつカテーテルの先端部を構成するソフトチップを備えたことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか記載のダブルルーメンカテーテル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07933698A JP3899471B2 (ja) | 1997-04-15 | 1998-03-26 | ダブルルーメンカテーテル |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9685397 | 1997-04-15 | ||
JP9-96853 | 1997-04-15 | ||
JP07933698A JP3899471B2 (ja) | 1997-04-15 | 1998-03-26 | ダブルルーメンカテーテル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11402A JPH11402A (ja) | 1999-01-06 |
JP3899471B2 true JP3899471B2 (ja) | 2007-03-28 |
Family
ID=26420353
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07933698A Expired - Fee Related JP3899471B2 (ja) | 1997-04-15 | 1998-03-26 | ダブルルーメンカテーテル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3899471B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5088987B2 (ja) * | 2000-12-28 | 2012-12-05 | 日本コヴィディエン株式会社 | マルチルーメンカテーテル |
EP1852138A4 (en) | 2005-02-22 | 2013-12-04 | Kaneka Corp | CATHETER |
JP4790366B2 (ja) * | 2005-10-13 | 2011-10-12 | 株式会社カネカ | 体外循環用カテーテル |
DE102006029599A1 (de) * | 2006-06-26 | 2007-12-27 | Tracoe Medical Gmbh | Vorrichtung zum Einbringen einer Trachealkanüle in ein Tracheostoma |
JP2012200573A (ja) * | 2011-03-28 | 2012-10-22 | Kobe Univ | 2バルーンカテーテル |
-
1998
- 1998-03-26 JP JP07933698A patent/JP3899471B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11402A (ja) | 1999-01-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7846127B2 (en) | Multi lumen catheter | |
AU719765B2 (en) | Cannula and method of manufacture and use | |
US8979793B2 (en) | Methods and devices for percutaneous and surgical interventions | |
US20070078438A1 (en) | Catheter assembly and sheath tear assistant tool | |
AU755020B2 (en) | Cannula and method of manufacture and use | |
US8137317B2 (en) | Locking vascular introducer assembly with adjustable hemostatic seal | |
US5403291A (en) | Catheter with elongated side holes | |
US20070225682A1 (en) | Anti-clotting indwelling catheter | |
JP2000512874A (ja) | 多管腔カテーテルおよびその製造方法 | |
US20010010247A1 (en) | Cannula and method of manufacture and use | |
JP2001137350A (ja) | 血液透析用カテーテル | |
CA3129253A1 (en) | Dual hub introducer sheath | |
JP3899471B2 (ja) | ダブルルーメンカテーテル | |
JPH0385179A (ja) | 医療用バルーンカテーテル | |
US20140018619A1 (en) | Distal perfusion sheath | |
WO1997035629A1 (en) | Double lumen catheter | |
WO1997035629A9 (en) | Double lumen catheter | |
US20210085923A1 (en) | Bifurcated hub | |
CA2610572A1 (en) | Anti-clotting indwelling catheter | |
AU2018228272B2 (en) | Medical insert | |
JP2005287670A (ja) | 血管内留置カテーテル | |
JP2004081798A (ja) | マルチルーメンカテーテル | |
CN117279688A (zh) | 扩张器及导管组装体 | |
JPH11197253A (ja) | ダブルルーメン型カテーテル | |
JP2004229734A (ja) | マルチルーメンカテーテル |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040520 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060907 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060912 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20061113 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20061205 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20061214 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100112 Year of fee payment: 3 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100112 Year of fee payment: 3 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100112 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110112 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110112 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120112 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120112 Year of fee payment: 5 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120112 Year of fee payment: 5 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130112 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130112 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130112 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140112 Year of fee payment: 7 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |