JP3898504B2 - 接触加熱用ヒーター - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ベアチップを基板上に実装する際に用いるダイボンディングヒーター等、被加熱物に接触して加熱する接触加熱装用ヒーターに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体ベアチップを基板上に実装する方法として、異方性導電膜(ACF)等の樹脂系の接着材を使用したACF接続方法、またはマルチチップモジュールに用いるようなAu−Si、Au−Sn等の低融点ロウ材を使用したフリップチップ接続法が行われている。
【0003】
例えば、フリップチップ接続法は、図5に示すように、多層パッケージ基板13上に半導体チップ9を載置して、その上面からボンディング用ヒーター7と接着剤を用いた方法などで化学的に接合されたツール8で加熱しながら押圧することによって、接合を行っている。この時、両者に備えたハンダバンプ11によって、接合するとともにワイヤリングを行うことができる。
【0004】
ボンディング用ヒーター7に求められる特性としては、まず使用する接着材を軟化もしくは溶融するために必要十分な熱を半導体チップ9を介してハンダバンプ11に代表される接着材まで効率よく伝える必要がある。
【0005】
さらに、半導体チップ9を接合する際には、熱と同時に圧力も加えるため、ボンディング用ヒーター7及びツール8には機械的強度や耐摩耗性が要求される。
【0006】
このような点から、ボンディング用ヒーター9としては、チタンやモリブデン等の耐熱金属材を用い、焼結ダイヤでツール8を構成するとともに、それ自体にパルス性大電流を流して発熱させるようにしたパルスヒーター方式があった。
【0007】
また、特開2001−332589号公報には、図6に示すように、セラミックス製のツール17と、該ツール17を加熱するためのセラミックヒーター18と、これらをベース21に結合するセラミックス製のホルダー19とから構成され、前記ホルダー19よりもツール17の熱伝導率を高くしたことを特徴とするボンディング用ヒーターが提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、年々肥大化の一途をたどる半導体市場において、その急成長の牽引車となっている携帯電話、モバイルコンピューターのさらなる高性能化に伴い、半導体チップ実装の高集積化、小型化はとどまるところを知らない。これに伴い多層パッケージ基板に実装する半導体チップを実装する際の実装精度の要求が高まってきた。
【0009】
また、半導体部品が汎用化するにつれ、上記のようなボンディング用ヒーターにも、コストダウンが要求されるようになってきた。
【0010】
しかしながら、ツール17として例えばFe−Ni−Co合金のような耐熱性金属を用いた場合、前記図5、図6に示すような構造のボンディング用ヒーターでは、ツール17表面の均熱性に乏しく、半導体チップ全体を均一に加熱して、異方性導電膜(ACF)等の樹脂系の接着材を使用したACF接続方法、またはマルチチップモジュールに用いるようなAu−Si、Au−Sn等の低融点ロウ材を使用したフリップチップ接続法を形成する際の半導体チップ全面における信頼性に乏しいという問題があった。
【0011】
また、窒化アルミニウムからなるセラミックス製のヘッド17は脆くて壊れやすく、試料と方当たりした際に破損する場合があった。また、非常に高価であるため、交換の費用が嵩むという問題点があった。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記問題点に鑑み、鋭意研究の結果、ツール表面の均熱性に優れ、異方性導電膜(ACF)等の樹脂系の接着材を使用したACF接続方法、またはマルチチップモジュールに用いるようなAu−Si、Au−Sn等の低融点ロウ材を使用したフリップチップ接続法を形成する際に高い信頼性が得られる接触加熱用ヒーターを開発した。
【0013】
すなわち、本発明の接触加熱用ヒーターは、セラミックスヒーターと該セラミックスヒーターにより加熱されるツールからなり、該ツールを加熱物に接触させて加熱するものであって、前記セラミックスヒーターが前記ツールに備えられた挿入孔に挿入され、前記ツールと前記セラミックスヒーターとが熱伝導率20 W /m・ K 以上の接着層によって固定されていることを特徴とする。
【0014】
本発明の接触加熱用ヒーターは、前記セラミックスヒーターが板状であるのが好ましい。
【0015】
本発明の接触加熱用ヒーターは、前記セラミックスヒーターの主面がツールの加熱面と平行であるのがより好ましい。
【0016】
本発明の接触加熱用ヒーターは、前記セラミックスヒーターが窒化珪素、炭化珪素、アルミナ又は窒化アルミニウムを主成分とし、前記ツールが炭化珪素、窒化アルミニウム又は熱膨張係数3〜6×10 −6 /℃のFe−Ni−Co系低熱膨張金属を主成分とするのがさらに好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、図1、2を用いて本発明の詳細について説明する。図1は本発明の接触加熱用ヒーターの斜視図、図2は断面図である。
【0018】
本発明の接触加熱用ヒーターは、図1(a)に示すように、被加熱物を押圧するためのツール1と、そのツール1に形成した挿入孔3にこのツール1を加熱するためのセラミックスヒーター2を挿入し固定している。なお、図1(b)、(c)のように複数のセラミックスヒーター2を備えることもできる。
【0019】
これらの部材を図2に示すように接合材5で一体化している。接合材5は厚みが厚くならないように、全面接合できる最少量とすることが好ましい。このため、ツール1およびセラミックスヒーター2の接合面は、平坦度を200μm以下、表面粗さ(Ra)を0.6μm以下とすることが好ましい。
【0020】
前記接合材5の熱伝導率は20W/m・K以上が好ましい。その理由は、セラミックスヒーター2とツール1の接触面に於ける熱伝達を改良することにより、ツール1の押圧加熱面における面内均一温度分布を更に向上させるためである。
【0021】
なお、焼きばめ法でツール1とセラミックスヒーター2を結合する方法や図3に示すようにツールを二つ割りとし、ツール1間にセラミックスヒーター2を挟んでネジ6でネジ止めするというように機械的に接合する場合には、接合材5を使用しなくても良い。また、接合材5を使用しないで焼きばめ方法でツール1とセラミックスヒーター2を接合しても本発明と同様の効果が得られるが、焼きばめ方法では使用できる温度の上限を高くできないという問題があるため、セラミックスヒーター2の表面にAg−Cu−Tiメタライズなどの金属化面を形成し、Ag−Cuロウなどの熱伝導率の高いロウ材、あるいは無機接着材や高温ハンダで接合することが望ましい。
【0022】
ツール1とセラミックスヒーター2の接合部は、その全面が均一に接触できるようにする。この接触にバラツキがあると、ツール1を均一に加熱できなくなり、また、セラミックスヒーター2の接触している部分と接触していない部分との間に温度分布が発生するばかりでなく、場合によってはセラミックスヒーター2が局部的に異常発熱して寿命が短くなったり破損したりするので好ましくない。
【0023】
ツール1を加熱するセラミックスヒーター2としては、その形状を板状とし、ツール1の加熱面1aと平行になるように該ツール1内部にセラミックスヒーター2を挿入することが好ましい。上記セラミックスヒーター2を加圧面に対して平行に挿入した理由は、加圧面内に対してセラミックスヒーター2の占める面積を大きくできるから、加圧面に対してセラミックスヒーター2を垂直に挿入した場合より接触加熱用ヒーターの設計を小型化できるメリットがあるからである。
【0024】
また、ツール1の加熱面1aの表面からセラミックスヒーター2の表面までの距離は1〜3mm、さらに好ましくは1.5〜2.5mmとすることが好ましい。前記距離が1mm未満では、セラミックスヒーター2間の温度分布を緩和できずツール1表面の温度分布が大きくなるので好ましくない。また、前記距離が3mmを越えるとツール1の熱容量が大きくなり、昇温降温のサイクルが遅くなってしまうので好ましくない。
【0025】
このように、ツール1にセラミックヒーター2を挿入してツール1と該ツール1を加熱するセラミックスヒーター2とを一体化したことにより、セラミックスヒーター2からツール1への熱伝導が促進され、ツール1の押圧加熱面における面内の温度分布を均一にすることができる。
【0026】
例えば、ツール1の材質として、コストダウンのためにFe−Ni−Co合金やステンレスを使用した場合、窒化アルミニウムを用いた場合に較べて熱伝導率が低い点が問題だが、セラミックスヒーター2の配置を図1(a)〜(c)に示したように調整し、必要に応じてそれぞれのセラミックスヒーター2の出力を調整することにより、均熱性良好なものとすることができる。
【0027】
また、セラミックスヒーター2は、図1(b)(c)のように、略同一平面に相互に並んで設置することが好ましい。このようにすることにより、昇温降温時の温度分布が調整しやすくなる。
【0028】
図1(b)、(c)のように、前記ツール1に板状のセラミックスヒーター2を複数挿入する場合は、各セラミックスヒーター2間の距離aが2mm以下であり、更に各セラミックスヒーター2とツール1の外周との距離bが2mm以下とすることが好ましい。この理由は、ツール1に複数本のセラミックスヒーター2が2mm以下の間隔で内蔵され、おのおののセラミックスヒーター2を独立してプログラムコントローラで制御することにより、ツール1の押圧加熱面の面内温度分布を更に向上させるためである。前記距離1a、1bが2mmを越えると、ツール1表面の温度分布が大きくなってしまうので好ましくない。
【0029】
ツール1に挿入するセラミックスヒーター2の大きさとしては、厚み1〜3mm、幅3〜8mm、発熱長さはツール1に挿入する深さと同等にすることが好ましい。また、前記セラミックスヒーター2の本数としては、ツール1の大きさにもよるが、複数設置し、別々に温度調整するようにすることが好ましい。
【0030】
次に、本発明の接触加熱用ヒーターの製造方法を説明する。被加熱物と押圧するためのツール1としては、熱伝導率の点から炭化珪素、窒化アルミニウムなどを主成分とする焼結体を用いることが望ましいが、コストと加工性の点から熱膨張係数をセラミックスに合わせて3〜6×10-6/℃程度としたFe−Ni−Co系の低熱膨張金属をツール1として使用しても何ら差し支えない。
【0031】
また、ツール1の材質として高熱伝導セラミックスを使用する場合には、たとえば焼結助剤としてAl23、Y23、Yb23などを焼結助剤として含有させた窒化アルミニウム焼結体を使用することが好ましい。窒化アルミニウムセラミックス製のツールは、窒化アルミニウム粉末とAl23、Y23、Yb23などの所望の焼結助剤粉末を所望の組成になるように調整して、メタノール、IPAなどの非水系溶媒と混合効率を上げるためのAl23製又はSi34製のメディアとともにボールミル、振動ミルといった方法で混合し、得られた窒化アルミニウム粉末を分散させたスラリーを200メッシュ程度のメッシュに通して、メディアからの混入、ボールミル、振動ミルのライニングからの混入を取り去った後に防爆式の乾燥機により120℃程度で24時間程度乾燥した後に40メッシュ程度のメッシュパスを施す。
【0032】
ここで得られた、窒化アルミニウムと所望の焼結助剤の混合された粉末に、さらに、所望の有機バインダーを所望量混合し、スプレードライ法、乾式造粒法、湿式造粒法などの方法により造粒したのち、プレス成形またはCIP成形により所望の形状に加工し、500〜700℃程度の温度で脱脂することにより有機バインダーを飛散させ、得られた成形体を窒素中にて1800℃〜2000℃程度の温度で焼結させる。あるいは直接カーボン型中で成形と焼結を同時に行うホットプレスで焼結させても良い。また、炭化珪素質焼結体を用いる場合、例えば炭化珪素に対し0.2〜4.0重量%の炭化硼素や必要に応じて0.5〜5重量%の希土類元素酸化物を添加して、1900〜2100℃の真空中で焼成する。
【0033】
また、セラミックスヒーター2は、窒化珪素、炭化珪素、アルミナ、窒化アルミニウムなどを主成分とするセラミックス中に発熱体8を埋設したものを用いることが好ましい。
【0034】
たとえば焼結助剤としてB、Cなどを含有した炭化珪素もしくは、焼結助剤として、Y23、Al23、Yb23などを焼結助剤として含有した窒化珪素を用いた。セラミックスヒーター2は、窒化珪素粉末とAl23、Y23、Yb23などの所望の焼結助剤粉末を所望の組成になるように調整するか、又は炭化珪素粉末とB、Cなどの所望の焼結助剤粉末を所望の組成になるように調整して、メタノール、IPAなどの非水系溶媒と混合効率を上げるためのAl23製又はSi34製のメディアとともにボールミル、振動ミルといった方法で混合し、得られたスラリーを200メッシュ程度のメッシュに通して、メディアからの混入、ボールミル、振動ミルのライニングからの混入を取り去った後、防爆式の乾燥機を用いて120℃程度で24時間程度乾燥した後に40メッシュ程度のメッシュに通す。
【0035】
ここで得られた混合粉末に、スプレードライ法、乾式造粒法、湿式造粒法などの方法により所望の有機バインダーを所望の量だけ混合して、プレス成形、CIP成形して所望の形状を得た後、脱脂工程を500〜700℃程度の温度で行い、有機バインダーを飛散させて得られた成形体を窒素中にて1800℃〜2000℃程度の温度で焼結させることにより窒化珪素製あるいは炭化珪素製の板を得る。あるいは直接カーボン型中で成形と焼結を同時に行うホットプレスでも窒化珪素製あるいは炭化珪素製の板を得ても良い。
【0036】
ここで得られた窒化珪素製あるいは炭化珪素製の板をセラミックスヒーター2とする方法を以下に説明する。炭化珪素をセラミックスヒーター2として使用する場合には、その半導体的性質から、炭化珪素そのものに電流を通電して加熱する為に内蔵するような発熱体は設けてもよいし、設けなくてもよい。また窒化珪素をセラミックスヒーター2として使用する場合には、その絶縁性から直接窒化珪素に電流を通電するのではなく、窒化珪素の表面または内部に導電性セラミックスあるいは金属からなるW、Mo、WCなどの発熱体を印刷するなどの方法で形成して、還元雰囲気中などでその発熱体を窒化珪素に後付又は窒化珪素の焼結と同時に焼き付け一体化することにより、セラミックスヒーター2として使用する。
【0037】
さらに図1においてツール1とセラミックスヒーター2の接合方法であるが、ここでは熱膨張率が5×10-6の低熱膨張金属製ツール1と内部にWで形成したヒーターを内蔵する窒化珪素製ヒーター2の接合方法について説明する。
【0038】
最も簡単にできる方法としては、図3に示すようにツール1を二つ割りにしておいて、セラミックスヒーター2をツール1間に挟み込むことにより、ネジ6で締め込む方法である。焼きばめ方法は、低熱膨張金属製ツール1に窒化珪素製ヒーターの幅、厚みよりも若干小さい挿入孔3を窒化珪素製ヒーターを挿入させたい長さだけ加工しておき、低熱膨張金属製ツール1を窒化珪素製ヒーターが挿入できる600℃程度まで加熱し、窒化珪素製ツール1を挿入して室温まで冷却する。この場合、低熱膨張金属製ツール1の穴寸法と窒化珪素製ヒーターの寸法との関係が特に重要である。
【0039】
接合材5を使用する場合には、無機接着材の場合は、低熱膨張金属製ツール1の挿入孔3と窒化珪素製のセラミックスヒーター2の両方の表面に無機接着材を充分に塗布し、無機使用する接着材に相応しい室温乾燥、高温乾燥を施して接着する。ロウ材を使用して結合する場合には、窒化珪素製ヒーターの表面に例えば10から15μm程度のAg−Cu−Tiメタライズ層を形成した後、Ag−Cuロウにて低熱膨張金属製ツール1と窒化珪素製ヒーターを結合する。
【0040】
【実施例】
以下本発明の実施例を説明する。
【0041】
実施例1
ここでは、熱膨張率が5×10-6/℃の低熱膨張金属製であるFe−Ni−Co合金製の24mm×24mm×5mmtの寸法のツール1を得、セラミックスヒーター2を設置する位置に、幅20mm、深さ22mm、厚み2mmの挿入孔3を形成した。
【0042】
セラミックスヒーター2としては、窒化珪素製ヒーターを以下の手順で準備した。Yb23を焼結助剤とする窒化ケイ素粉末をバインダーと混合後にプレス成形し25mm角の窒化ケイ素成形体を得た後に発熱体としてWCインクを印刷し、もう一つの25mm角の窒化ケイ素成形体でWCインクを挟み込み、1700〜1800℃でホットプレスを行うことにより、WCを内蔵する窒化ケイ素質焼結体を得た。これを平面研削盤を用いて、発熱部は20mm×22mm×2mmtとしてセラミックスヒーター2とした。
【0043】
以上のように得たツール1の挿入孔3にセラミックスヒーター2を挿入、結合して本発明の接触加熱用ヒーターを得た。
【0044】
この接触加熱用ヒーターを300℃まで加熱し、10秒保持したところで赤外線カメラを用いて低熱膨張金属製ツール1表面の最高温度と最低温度を測定し、その差ΔTを温度分布として評価した。比較例として、図4に示すようにセラミックスヒーター2の上にFe−Ni−Co合金製のツール1を載置した場合の温度分布を測定した。
【0045】
【表1】
Figure 0003898504
【0046】
表1に示すように本発明の範囲内の接触加熱用ヒーターでは、ツール1とセラミックスヒーター2の接合方法を焼きばめ法、無機接着材による接着、高温ハンダによるハンダ接続、ロウ付けによる接合、図3に示すネジによるネジ止めで低熱膨張金属製ツール1表面の温度分布を測定したが、全て10℃以下の温度分布となった。これに対し、図4に示す本発明の範囲外の接触加熱用ヒーターでは、ツール1表面の温度分布は25℃と温度分布が大きかった。
【0047】
本発明によれば、Fe−Ni−Co合金のような耐熱性金属製のツール1を用いた場合でも、良好な温度分布を示す接触加熱用ヒーターを得ることができるようになった。また、このような効果は、熱伝導性良好な窒化アルミニウム製のツール1を本発明の構造に使用した場合、温度分布が良くなることは言うまでもない。
【0048】
実施例2
ここでは、低熱膨張金属製で24mm×24mm×5mmtの寸法のツール1を得、窒化珪素製ヒーターの挿入孔として、幅9mm、深さ22mm、厚み2mmの孔部を二個所セラミックスヒーター2間の距離1aとツール1外周からセラミックスヒーター2までの距離1bが同じになるように形成した。
【0049】
セラミックスヒーター2としては、窒化珪素製ヒーターを以下の手順で準備した。Yb23を焼結助剤とする窒化ケイ素粉末をバインダーと混合後にプレス成形し25×11mm角の窒化ケイ素成形体を得た後に発熱体としてWCインクを印刷し、もう一つの25×11mm角の窒化ケイ素成形体でWCインクを挟み込み、1700〜1800℃でホットプレスを行うことにより、WCを内蔵する窒化ケイ素質焼結体を得た。これを平面研削盤を用いて、発熱部は9mm×22mm×2mmtとしてセラミックスヒーター2とした。この場合のヒーター間の距離は2mmであるが、セラミックスヒーター2間の距離1aを2mm以下とするため、発熱部が10.5mm×22mm×2mmtのセラミックスヒーター2も作製した。このセラミックスヒーター2の場合はツール1の挿入孔3形状も変更され、セラミックスヒーター2間の距離1aは1mmとした。更に比較例として、発熱部が7.5mm×22mm×2mmtのセラミックスヒーター2も作製した。この場合は、セラミックスヒーター間の距離1aは3mmとした。
【0050】
以上のように得たツール1の挿入孔3にセラミックスヒーター2を挿入、結合してセラミックスヒーター2をツール1に複数本挿入した本発明の接触加熱用ヒーターを得た。
【0051】
この接触加熱用ヒーターを300℃まで加熱し、10秒保持したところで赤外線カメラを用いて低熱膨張金属製ツール1表面の最高温度と最低温度を測定し、その差ΔTを温度分布として評価した。
【0052】
【表2】
Figure 0003898504
【0053】
セラミックスヒーター2間の距離を1、2、3mmと変えて低熱膨張金属製ツール1表面の温度分布を測定した。全ての評価で低熱膨張金属製ツール1表面の温度分布は10℃以下となった。更に低熱膨張金属製ツール1表面の温度分布を向上させるため、セラミックスヒーター2間の距離を2mm以下としたところ、3℃以下の温度分布が得られた。
【0054】
実施例3
ここでは、低熱膨張金属製で24mm×24mm×5mmtの寸法のツール1を得、窒化珪素製ヒーター設置用の挿入孔3として、幅20mm、深さ22mm、厚み2mmの挿入孔3を形成した。
【0055】
セラミックスヒーター2としては、窒化珪素製ヒーターを以下の手順で準備した。Yb23を焼結助剤とする窒化ケイ素粉末をバインダーと混合後にプレス成形し25mm角の窒化ケイ素成形体を得た後に発熱体としてWCインクを印刷し、もう一つの25mm角の窒化ケイ素成形体でWCインクを挟み込み、1700〜1800℃でホットプレスを行うことにより、WCを内蔵する窒化ケイ素質焼結体を得た。これを平面研削盤を用いて、発熱部は20mm×22mm×2mmtとしてセラミックスヒーター2とした。
【0056】
以上のように得たツール1にセラミックスヒーター2を挿入、いろいろな熱伝導率の接合材で結合して本発明の接触加熱用ヒーターを得た。
【0057】
この接触加熱用ヒーターを300℃まで加熱し、10秒保持したところで赤外線カメラを用いて低熱膨張金属製ツール1表面の最高温度と最低温度を測定し、その差ΔTを温度分布として評価した。
【0058】
【表3】
Figure 0003898504
【0059】
接合材の熱伝導率を変えて低熱膨張金属製ツール1表面の温度分布を測定したところ、どの接合材の熱伝導率においても10℃以下の温度分布が得られた。接合材の熱伝導率を20W/m・K以上とすることにより、5℃以下の温度分布となった。
【0060】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ツール表面の均熱性に優れた接触加熱用ヒーターが得られ、半導体チップ全体を均一に加熱して、異方性導電膜(ACF)等の樹脂系の接着材を使用したACF接続方法、またはマルチチップモジュールに用いるようなAu−Si、Au−Sn等の低融点ロウ材を使用したフリップチップ接続法を形成する際の半導体チップ全面における信頼性が確保でき、安価で耐久性良好な接触加熱用ヒーターが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)は、本発明の接触加熱用ヒーターを示す斜視図である。
【図2】本発明の接触加熱用ヒーターを示す断面図である。
【図3】本発明の接触加熱用ヒーターを示す分解図である。
【図4】比較例の接触加熱用ヒーターを示す斜視図である。
【図5】従来の接触加熱用ヒーターを示す斜視図である。
【図6】従来の接触加熱用ヒーターを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 : ツール
1a: 加熱面
2 : セラミックスヒーター
3 : 凹部
4 : リード部
5 : 接合材

Claims (4)

  1. セラミックスヒーターと該セラミックスヒーターにより加熱されるツールからなり、該ツールを加熱物に接触させて加熱する接触加熱用ヒーターにおいて、前記セラミックスヒーターが前記ツールに備えられた挿入孔に挿入され、前記ツールと前記セラミックスヒーターとが熱伝導率20 W /m・ K 以上の接着層によって固定されていることを特徴とする接触加熱用ヒーター。
  2. 前記セラミックスヒーターが板状であることを特徴とする請求項1記載の接触加熱用ヒーター。
  3. 前記セラミックスヒーターの主面がツールの加熱面と平行であることを特徴とする請求項2記載の接触加熱用ヒーター。
  4. 前記セラミックスヒーターが窒化珪素、炭化珪素、アルミナ又は窒化アルミニウムを主成分とし、前記ツールが炭化珪素、窒化アルミニウム又は熱膨張係数3〜6×10 −6 /℃のFe−Ni−Co系低熱膨張金属を主成分とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の接触加熱用ヒーター。
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